JPH072811Y2 - 目地構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、並設したコンクリート製床パネル間や壁パ
ネル間の隙間に目地材を埋めた目地構造に関するもので
ある。

〔背景技術〕

従来、並設したコンクリート製床パネル間や壁パネル間
の隙間は、パテ等により埋めていた。

しかし、これでは、床パネルの下方や壁パネルの側方で
火災が発生した場合、防火性の点で問題があった。

そこで、防火材を挿入した後にパテ埋めする方法もある
が、工事が面倒であった。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、容易に工事が行え火災に際し防火性
能に優れた目地構造を提供することである。

〔考案の開示〕

この考案の目地構造は、互いの側端面間に隙間を介して
並設され表面の側端面側縁部に各々面取り部を形成した
一対のパネルと、隙間に挿着され目地材本体と不燃材と
からなる目地材とを備え、目地材本体は、表面がパネル
の表面と面一に配設され両側縁に先端が各パネルの面取
り部に当接した折曲部を有した第１リブと、この第１リ
ブの裏面側に配設され両側端が各パネルの側端面に圧接
した第２リブと、第１リブと第２リブを接続した接続リ
ブと、第２リブの裏面に突設し先端に引っ掛かり部を有
した不燃材取付リブとからなり、不燃材は、不燃材取付
リブを挿入したスリット部を有し、外面を各パネルの側
端面に圧接して隙間内に挿着したことを特徴とするもの
である。

この考案の構成によれば、目地材本体の端部に不燃材を
設けたので、並設した床パネル間や壁パネル間の隙間に
不燃材の側から挿着されば、火炎に際し防火性能に優れ
ている。また、防火材の設置を目地の設置と同時に行え
て、工事が容易である。また、目地材本体の第１リブの
折曲部がパネルの面取り部に当接し、第１リブの表面が
パネルの表面と面一になるように目地材本体が位置決め
される。さらに、不燃材が目地材本体の不燃材取付リブ
に外嵌して取付けられており、不燃材取付リブが不燃材
の芯材となり、また不燃材はパネルの側端面に圧接す
る。

実施例 この考案の一実施例を第１図に基づいて説明する。この
目地材Ａは、目地材本体１を設け、この目地材本体１の
端部に不燃材２を設けたものである。

第１図において、目地材本体１は、ブチルEPDM製等のプ
ラスチック製のものである。この目地材本体１は、第１
リブ1a,第２リブ1b,接続リブ1cおよび不燃材取付リブ1d
で構成されている。第１リブ1aの両側縁には、裏面側に
折曲してなる折曲部1fが形成されている。また、接続リ
ブ1cは、第１リブ1aと第２リブ1bの中央部を接続してい
る。さらに、不燃材取付リブ1dは、接続リブ1cと連続し
て第２リブ1bの裏面に突設され、先端に略円断面の引っ
掛かり部1eを有している。

不燃材２は、略円断面の石綿発泡体等からなり、前記不
燃材取付リブ1dと適合するスリット部2aを有している。
目地材本体１は、不燃材取付リブ1dを不燃材２のスリッ
ト部2a内に挿入し、不燃材２を取付けている。

床パネル3,4は、隙間５をおいて並設されたコンクリー
ト製の床パネルである。床パネル3,4の側端面3c,4cの上
下両側縁には面取り部3a,4aが設けられ、中央部に凹部3
b,4bが設けられている。

この実施例の目地材Ａの取付について説明する。不燃材
２の側から床パネル3,4間の隙間５内に、第１リブ1aの
表面が床パネル3,4の表面と同一平面となるまで挿入す
る。このとき、第１リブ1aの折曲部1fの先端が面取り部
3a,4aに当接して目地材Ａが位置決めされ、また不燃材
２は下半分が凹部3b,4bまで達している。目地材本体１
の第２リブ1bおよび不燃材２は、弾性により床パネル3,
4の側端面3c,4cに圧接しており、目地材Ａは強固に挿着
されている。

このように、この実施例によれば、目地材本体１の端部
に不燃材２を設けたので、並設した床パネル3,4間の隙
間５に挿着すれば、火炎に際し防火性能に優れている。
また、防火材の設置を目地の設置と同時に行えて、工事
が容易である。

また、目地材Ａを隙間５に挿着した際、目地材本体１の
第１リブ1aの折曲部1fの先端が床パネル3,4の面取り部3
a,4aに当接して、目地材Ａが位置決めされる。したがっ
て、目地材Ａが隙間５内に嵌まり込むことなく、第１リ
ブ1aの表面が床パネル3,4の表面と面一になるように位
置決めされ、目地材Ａの取付けが容易に行える。

さらに、不燃材２のスリット部2aに目地材本体１の不燃
材取付リブ1dを挿入して、不燃材２を不燃材取付リブ1d
に外嵌して設けられており、目地材Ａを隙間５に挿着し
た際、不燃材２が床パネル3,4の側端面3c,4cに圧接し、
防火性が向上する。しかも、不燃材２のスリット部2aに
目地材本体１の不燃材取付リブ1dを挿入したので、不燃
材取付リブ1dが不燃材２の芯材となり、不燃材２の変形
ならびにがたつきを防ぎ、目地材Ａの取扱いが容易にな
る。

なお、この考案の目地材Ａは、並設した壁パネル間の隙
間に挿着しても良い。

〔考案の効果〕

この考案の目地構造によれば、目地材本体の端部に不燃
材を設けたので、並設した床パネル間や壁パネル間の隙
間に不燃材の側から挿着すれば、火炎に際し防火性能に
優れている。また、防火材の設置を目地の設置と同時に
行えて、工事が容易である。また、目地材本体の第１リ
ブの折曲部がパネルの面取り部に当接し、第１リブの表
面がパネルの表面と面一になるように目地材本体が位置
決めされ、目地材の取付けが容易に行える。さらに、不
燃材が目地材本体の不燃材取付リブに外嵌して取付けら
れており、不燃材はパネルの側端面に圧接し、防火性が
より一層向上し、かつ不燃材取付リブが不燃焼材の芯材
となり、不燃材の変形ならびにがたつきを防ぎ、目地材
の取扱いが容易になるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の断側面図である。 Ａ……目地材、１……目地材本体、1a……第１リブ、1b
……第２リブ、1c……接続リブ、1d……不燃材取付リ
ブ、1e……引っ掛かり部、1f……折曲部、２……不燃
材、2a……スリット部、3,4……床パネル、3a,4a……面
取り部、3c,4c……側端面、５……隙間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】互いの側端面間に隙間を介して並設され表
   面の前記側端面側縁部に各々面取り部を形成した一対の
   パネルと、前記隙間に挿着され目地材本体と不燃材とか
   らなる目地材とを備え、 前記目地材本体は、表面が前記パネルの表面と面一に配
   設され両側縁に先端が前記各パネルの面取り部に当接し
   た折曲部を有した第１リブと、この第１リブの裏面側に
   配設され両側端が前記各パネルの前記側端面に圧接した
   第２のリブと、前記第１リブと前記第２リブを接続した
   接続リブと、前記第２リブの裏面に突設し先端に引っ掛
   かり部を有した不燃材取付リブとからなり、 前記不燃材は、前記不燃材取付リブを挿入したスリット
   部を有し、外面を前記各パネルの前記側端面に圧接して
   前記隙間内に挿着したことを特徴とする目地構造。