JP7163004B2 - 板材パネル - Google Patents
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硬質材と軟質材とを板厚方向に積層して構成され前記板厚方向に見た平面視の形状が長方形状の板材パネルであって、
表面の第1の硬質材の層、裏面の第2の硬質材の層、及び前記第1の硬質材の層と前記第2の硬質材の層の間に設けられた軟質材の層(中間軟質材層)を含み、
前記第1の硬質材の層及び前記第2の硬質材の層以外の層は軟質材の層であり、
前記第1の硬質材の層には前記長方形の縦辺に平行な複数のスリット(表面側スリット)が形成され、
各前記表面側スリットは、その長さが前記縦辺の長さの2分の1~4分の3であり、その一端が前記長方形の横辺に接し、その深さが前記中間軟質材層に達し前記第2の硬質材の層には達せず、
前記複数の表面側スリットにはその一端が前記長方形の一方の横辺に接するもの(表面上側スリット)とその一端が前記長方形の他方の横辺に接するもの(表面下側スリット)とを含み、
平面視における、前記表面側スリットの面積は、前記長方形の面積に対して15%~40%であり、
前記第2の硬質材の層には前記縦辺に平行な複数のスリット(裏面側スリット)が形成され、
前記裏面側スリットは、その長さが前記縦辺の長さの2分の1~4分の3であり、その一端が前記横辺に接し、その深さは前記第2の硬質材の層を貫通し前記第1の硬質材の層には達せず、
前記複数の裏面側スリットにはその一端が前記一方の横辺に接するもの(裏面上側スリット)とその一端が前記他方の横辺に接するもの(裏面下側スリット)とを含み、
前記表面側スリットと前記裏面側スリットとは、前記横辺を側方から見た側面視において前記横辺の延びる方向に表裏入れ違いの位置に配され、
前記中間軟質材層は連続気泡の発泡材であることを特徴とする。
「硬質材」とは、加圧変形によって所望の曲面を得ることが困難な材質を言う。木、金属、プラスチック等の多くが硬質材に含まれる。
「軟質材」とは、加圧変形によって所望の曲面を得ることが容易な材質を言う。ゴム、軟性の合成樹脂等の多くが軟質材に含まれる。また、かかる軟質材は板材パネルの表面に加わる圧力を吸収する弾性を有する。
「スリット」とは、板材パネルの外側から見て帯状(太さを持った直線状)であるような板材内部に向けての切り込みを言う。
スリットは硬質材を貫通している。また、スリットの長さが縦辺の長さの2分の1~4分の3であり、上側スリットと下側スリットがあるので、いずれの長方形の横辺に平行な線上でもスリットがあり、長方形の横辺方向については特許文献1と同様に簡単に曲面を形成することができる。
スリットの長さは縦辺の長さの2分の1~4分の3である。2分の1以上の長さであり、横辺に平行な全ての直線はスリットと交わる。板材パネルの横辺方向について曲面を形成することができる。4分の3以下の長さであり、縦辺を貫いていない。
板材パネルがスリットによって分離されないので板材パネルを貫通するようにスリットを形成してもよい。勿論、板材パネルを貫通させずに、板材パネルの中間までの深さのスリットとしてもよい。
表面の層をスリットが貫通している限り、表面の層の硬質材の材質はいかなるものであってもよい。木材、金属材等を任意に選択して装飾性を持った板材パネルとすることができる。
前記表面上側スリットと前記表面下側スリットとが前記横辺の延びる方向に交互に配され、
前記裏面上側スリットと前記裏面下側スリットとが前記横辺の延びる方向に交互に配されていることを特徴とする。
また、スリットの間隔が小さくなることによって表面の硬質材は細長い形状に分離される。板材パネルの表面に加わる圧力に対して、表面の硬質材は分離された細長い形状毎に変形して圧力を分散し吸収する。1つの細長い形状の部分にかかる圧力が隣接する細長い形状の部分に応力として伝達されるとしても、小さな応力である。これにより、板材パネルの表面に加わる圧力によって表面の硬質材が破損する可能性が小さくなる。
前記第1の硬質材の層及び前記第2の硬質材の層は木材の層であり、前記縦辺がその木材の木目方向の辺であることを特徴とする。
木材を細長い形状にする場合、その木材の長手方向に木目が入っていることによって変形による破損の可能性が小さくなる。スリットは縦辺に平行に形成されるので、縦辺を木目方向の辺とすれば、細長い形状の部分は、木目方向に長くなる。なお、ここで「木目方向の辺」とは厳密に木目と平行な辺である必要はない。長方形の板の縦方向又は横方向のうち木目により近い方向の辺としてよい。
図1は、本発明の板材パネルの例を示す斜視図である。板材パネル1は、表面の硬質材の層2、裏面の硬質材の層3及び中間の軟質材の層4が積層されている。表面の硬質材の層2及び裏面の硬質の層3は例えばプライウッドで構成され、中間の軟質材の層4は連続気泡の発泡材で構成されている。
軟質材の層4は、連続気泡の発泡材によって形成されている。図5は、連続気泡の発泡材を示す概念図である。発泡材は生産時に存在する気泡によって略球形の小さな孔を無数に有している。連続気泡の発泡材は、(A)に示すように、孔31が結合して連続している。これに対し、独立気泡の発泡材は、(B)に示すように、孔31が結合していない。
図6は、板材パネルの平面図である。表面の硬質材の層2の横幅をW、縦幅をHとする。長方形状の表面の硬質材の層2の面積は、W×Hとなる。
スリットの面積の表面の硬質材の層2の面積に対する比率が15%以上あると、音の回折によって、表面の硬質材の層2に向かう音は、軟質材の層4に向かうと考えられる。これにより、軟質材の層4による吸音が期待される。軟質材の層4は、連続気泡の発泡材であり、裏面側にもスリットが設けられているので、音を裏面側に通す。すなわち、遮音が小さく吸音が大きい。
図7は、壁への設置を示す図である。壁面に垂直に切断した断面図である。板材パネル1と壁8との間には、緩衝材7を充填する。緩衝材7は、ミネラルウール(岩綿)等の吸音効果の高いものとすることが好ましい。
実際の吸音効果を計算のみで求めることは困難であるので、吸音効果を実験的に測定した。測定に用いた板材パネル1は、表面の硬質材の層2及び裏面の硬質材の層3として厚さ4mmのプライウッドを用い、中間の軟質材の層4として英国カーペンター社の製品ファイアシール(厚さ12mm)を用いたものである。スリットの態様は、上記(スリットの面積)に述べたとおりである。
(A)d=690mm、h1=160mm、h2=290mm
(B)d=690mm、h1=300mm、h2=340mm
h2-h1の値の大きな(A)は、h2-h1の値が小さな(B)よりも、湾曲部の曲率半径が小さい。図9は、測定対象を示す図である。曲率半径の相違が図に表れている。
2 硬質材の層
3 硬質材の層
4 軟質材の層
5 表面上側スリット
6 表面下側スリット
7 緩衝材
8 壁
Claims (3)
- 硬質材と軟質材とを板厚方向に積層して構成され前記板厚方向に見た平面視の形状が長方形状の板材パネルであって、
表面の第1の硬質材の層、裏面の第2の硬質材の層、及び前記第1の硬質材の層と前記第2の硬質材の層の間に設けられた軟質材の層(中間軟質材層)を含み、
前記第1の硬質材の層及び前記第2の硬質材の層以外の層は軟質材の層であり、
前記第1の硬質材の層には前記長方形の縦辺に平行な複数のスリット(表面側スリット)が形成され、
各前記表面側スリットは、その長さが前記縦辺の長さの2分の1~4分の3であり、その一端が前記長方形の横辺に接し、その深さが前記中間軟質材層に達し前記第2の硬質材の層には達せず、
前記複数の表面側スリットにはその一端が前記長方形の一方の横辺に接するもの(表面上側スリット)とその一端が前記長方形の他方の横辺に接するもの(表面下側スリット)とを含み、
平面視における、前記表面側スリットの面積は、前記長方形の面積に対して15%~40%であり、
前記第2の硬質材の層には前記縦辺に平行な複数のスリット(裏面側スリット)が形成され、
各前記裏面側スリットは、その長さが前記縦辺の長さの2分の1~4分の3であり、その一端が前記横辺に接し、その深さは前記第2の硬質材の層を貫通し前記第1の硬質材の層には達せず、
前記複数の裏面側スリットにはその一端が前記一方の横辺に接するもの(裏面上側スリット)とその一端が前記他方の横辺に接するもの(裏面下側スリット)とを含み、
前記表面側スリットと前記裏面側スリットとは、前記横辺を側方から見た側面視において前記横辺の延びる方向に表裏入れ違いの位置に配され、
前記中間軟質材層は連続気泡の発泡材であることを特徴とする、板材パネル。 - 前記表面上側スリットと前記表面下側スリットとが前記横辺の延びる方向に交互に配され、
前記裏面上側スリットと前記裏面下側スリットとが前記横辺の延びる方向に交互に配されていることを特徴とする、請求項1に記載の板材パネル。 - 前記第1の硬質材の層及び前記第2の硬質材の層は木材の層であり、前記縦辺がその木材の木目方向の辺であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の板材パネル。
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Publications (2)
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JP2016207351A Active JP7163004B2 (ja) | 2016-10-21 | 2016-10-21 | 板材パネル |
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