JP5955972B2 - 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、「BIT」とも呼ばれ、CAS番号2634−33−5である、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの製造方法に関する。BITは商業的に重要な殺生物剤である。
カナダ特許第1269985号明細書及び米国特許第4727188号明細書には、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの合成法が記載されている。最初の工程では、そして米国特許第4727188号明細書に記載されているように、アントラニルアミドを亜硝酸塩(すなわち硝酸塩III)との反応でニトロソ化し、次いで二酸化硫黄と反応させることによって2,2’−ジチオジベンズアミドを生成させる。ニトロソ化は健康に害を与えうるニトロソアミンの生成に関与していることがよく知られており、いずれにしても工業的規模で反応を行うことは困難である。この反応の代替手段として、対応する酸塩化物から2,2’−ジチオジベンズアミドを製造することもできるが、米国特許第4727188号明細書によればこの反応を行うことは困難である。
その後、次の2,2’−ジチオジベンズアミドは酸化的に閉環される。反応は、カナダ特許第1269985号明細書に記載されているように、酸素、又は過酸などの酸素供与体の存在下、アルカリ条件で行われる。
したがって、本発明は、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩の代替製造方法を提供することを求めるものである。驚くべきことに、対応する2−メルカプトベンズアミドのアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩(モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−のアルキルアンモニウム塩を含む)、又はフリーの2−メルカプトベンズアミドを、過酸化水素水溶液などの酸化剤と反応させることで、良好な収率でBIT及びその塩を製造できることが見出された。
本発明によれば、2−メルカプトベンズアミド又はその塩を酸化的環化させることを含む、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン又はその塩の合成方法が提供される。ある実施形態では、2−メルカプトベンズアミドの塩はナトリウム塩である。2−メルカプトベンズアミド又はその塩は、過酸化水素水溶液との反応によって酸化的環化されてもよい。過酸化水素水溶液は、8〜30重量%の範囲の濃度とすることができる。本発明は、
i)硫化ナトリウム水和物とN−メチル 2−ピロリドンとの混合物を加熱する工程と、
ii)混合物から、水と任意選択的な少なくとも一部のN−メチル 2−ピロリドンとを蒸留して、水抜きした硫化ナトリウムと、任意選択的な水及び/又はN−メチル 2−ピロリドンとを残す工程と、
iii)2−クロロベンズアミド、2−フルオロベンズアミド、2−ニトロベンズアミド、2−シアノベンズアミド、及び2−C1〜6の分岐又は直鎖のアルコキシベンズアミドからなる群から選択される、2位置換の少なくとも1種のベンズアミドを水抜きした硫化ナトリウムに添加して、2−メルカプトベンズアミド又はそのナトリウム塩を含有する組成物を得る工程と、
iv)2−メルカプトベンズアミド又はその塩を含有する組成物を酸化的環化する工程と、
を含有する、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン又はそのナトリウム塩の合成方法も更に提供する。
2−メルカプトベンズアミドは既知の物質である。これは、例えば日本特許第06345723号公報に記載されている。この文献によれば、2−メルカプトベンズアミドは、2−ハロベンズアミドと60%の硫化ナトリウムとの反応により製造することができる。この文献の著者は、出発物質として2−クロロベンズアミドを用いた場合、2−メルカプトベンズアミドの収率は85%であると主張している。2−メルカプトベンズアミドの純度に関する情報は示されていない。本発明者らは、特開06345723号公報の実施例1に開示されている方法を再度行った。結果は本明細書に開示されており、純粋な2−メルカプトベンズアミドの収率は低いことが示されている。得られた2−メルカプトベンズアミドの純度は56%であり、2−クロロベンズアミドを基準とした収率は43%であった。本発明は、多量の副生成物成分は60%硫化ナトリウムの使用によるものであるという発明者の認識から生じたものである。未処理の硫化ナトリウムの残部は水であり、ベンズアミドのアミド官能基を加水分解する。
市販の硫化ナトリウムは多量の水を含有する水和物としてしか入手できない。無水の形態で工業的に有用な量を入手することができない。実験室では、液体アンモニア中でナトリウムを硫黄と反応させることによって無水硫化ナトリウムを製造することが可能であるが、この技術は工業的規模で使用するには費用がかかりすぎる。
本発明の態様に従うと、最初の工程では、通常は塊、フレーク、又は粉末状の形態で入手される硫化ナトリウム水和物をN−メチル−2−ピロリドン(以降「NMP」ともいう)と共にスラリー状にし、少なくとも一部の水が、任意選択的にはN−メチル−2−ピロリドンの一部も共に、留去されるまで、例えば乾燥窒素などの乾燥雰囲気で加熱する。典型的な加熱温度は、変換が起こる圧力における水の沸点とN−メチル−2−ピロリドンの沸点との間である。大気圧では、これは約100から約200℃の範囲を意味しており、好ましくは温度は約150、160、又は170℃から、約190又は200℃である。この方法は大気圧に制限されず、それより高い又は低い他の圧力を用いることもできる。減圧時は大気圧時よりも低いエネルギーしか要さないことから、好ましい実施形態では、この方法は、50〜850hPa(mbar)、特には100〜400hPa、好ましくは150〜350hPaなどの減圧下で行われる。
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ヘキサメチルホスホロトリアミド、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、アセトアミド、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エタノール、アセトニトリル、特にはn−ブタノールであるブタノール、シクロヘキサノール、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン(「DMPU」)、ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、又はこれらの混合物などの、硫化ナトリウムと共存し得る他の材料も使用することができる。これらの物質は硫化ナトリウムと共存可能であり、水よりも高い沸点を有する、及び/又は、水と共沸混合物を形成する。通常、N−メチル−2−ピロリドンを使用した場合に最も良好な結果が得られる。いくつかの物質では、水を除去するために集め、他の物質を再利用する、Dean−Starkタイプの装置を使用することができる。乾燥した硫化ナトリウムは回収することもできるが、好ましくは次の反応に直接使用される。
乾燥した硫化ナトリウムは、その後、2−クロロベンズアミドと反応する。未処理の硫化ナトリウムを用いた場合と比較して非常に少量しか2−クロロ安息香酸が生成しないことが見出された。また、未反応の出発物質はほとんど残らない。更に、2−メルカプトベンズアミドに加えて2,2’−ジチオジベンズアミドが少量生成する。2,2’−ジチオジベンズアミドは、それ自体酸化的環化してBITを生成することから、これは問題ではない。2−ブロモベンズアミド及び特には2−フルオロベンズアミドなどの他の2−ハロベンズアミドを用いても同様の結果が得られる。
硫化ナトリウムの代わりに、特にはカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩である他の硫化物(SH)も用いることができる。これらの材料は一般的に無水物であり、そのため乾燥工程を行うことが不要である。
原則として、メルカプトベンズアミドは、フリーの形態で又は塩として単離して精製することもできるが、実際には、多くの場合には純粋な形態で生成物を単離する必要はない。その後、2−メルカプトベンズアミド又はその塩を、例えば過酸化水素を用いて酸化的に環化することで、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン又はその塩を得ることができる。酸化的環化に好適な他の試薬としては、例えば空気などの分子酸素、オゾン、塩素酸ナトリウム(I)、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過リン酸ナトリウム、過マンガンカリウム、四酸化ルテニウム、四酸化オスミウム、MCPBAや過酢酸や過安息香酸や過フタル酸等の有機過酸化物を挙げることができる。しかし、好ましい酸化的環化試薬は過酸化水素の水溶液である。好ましくは、過酸化水素水溶液は、安全上の理由から約68重量%未満の過酸化水素しか含有しない。好適な濃度は、約3〜約68重量%の範囲、例えば約6重量%〜約30重量%、約10〜20重量%など、例えば約14重量%、とすることができる。
ある実施形態では、酸化的環化はN−メチル−2−ピロリドン中で行われる。ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ヘキサメチルホスホロトリアミド、テトラヒドロフラン、水、メタノールやエタノールなどのアルコール、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン、酢酸エチルなどのエステル、スルホラン、2−ピロリドン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,3−ジメチルイミダゾリジン、ジメチルスルホン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン(「DMPU」)、ジメチルアセトアミド、及びアセトアミドなどの他の溶媒を使用することもできる。
過酸化水素溶液を溶媒として機能させることもでき、ある実施形態では別の溶媒を添加する必要がない。しかし、ジメチルスルホキシドを使用した時が特に良好な結果が得られ、N−メチル−2−ピロリドンも良好な結果が得られる。
典型的には、少なくとも部分的に乾燥した硫化ナトリウムを含む反応混合物を、例えば約120〜約160℃の範囲などの約130℃に冷却し、次いでクロロベンズアミドなどの置換ベンズアミド化合物を添加する。その後、混合物を反応させる。反応を早めるためには、例えば約150〜約190℃の範囲の温度などに混合物を加熱することが望ましいこともある。希望するのであれば、例えばHPLCによって反応の進行を追跡することもできる。当業者であれば、ほぼ問題なしに適切な分析手段を選択するであろう。
反応が十分に進行した後、混合物は冷却される。
ある実施形態では、塩酸などの鉱酸を添加し、硫化水素の発生がおさまるまで沸騰させることによって、過剰の硫化ナトリウムを分解することができる。
しかし、発生する毒性の高い硫化水素を除去する必要があるため、これは好ましくない。好ましい実施形態では、硫化水素は例えば過酸化水素、ジメチルスルホキシド、及びこれらの混合物などの過剰の酸化剤によって、in situで分解される。
過酸化水素水溶液をゆっくり添加し、全ての過酸化水素を添加した後、水及びN−メチルピロリドンを留去することによって混合物を後処理する。
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの塩は、反応混合物から使用するために取り出すことができ、あるいは、塩酸などの酸との反応によって1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに変換することができる。
2−メルカプトベンズアミドを製造するためには、コストの点からは2−クロロベンズアミドが好ましいが、2−フルオロベンズアミド、2−ブロモベンズアミド、又は、ニトロ−や、シアノ−や、スルホン酸などのスルホン酸塩や、トシル、メシル、ベンゼンスルホニルなどのスルホン酸エステルや、カルボン酸及び−COORでRがC1〜6の分岐又は直鎖のアルキルかトリクロロメチルかトリフルオロメチルであるエステル官能基などのカルボン酸基や、−ORでRがC1〜6の分岐又は直鎖のアルキル、等の2位に電子吸引性基を有する他のベンズアミドを用いることも可能である。2−フルオロベンズアミド及び2−クロロベンズアミドが特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態は、最初に硫化ナトリウム水和物を十分な量の水が除去されるまで(例えば重量損失により決定される)極性非プロトン性溶媒と共に加熱し、次いでベンズアミドを添加し、更に一定時間後に混合物を冷却し、酸化的環化を行う、ワンポット反応である。
通常、市販の硫化ナトリウムは水和物、NaS・xHOとして供給されており、NaSのパーセンテージは規定されている。したがって、硫化ナトリウム水和物中にどの程度水が存在するかを計算することは簡単なことである。望ましくは、例えば水分の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、少なくとも70%など、例えば少なくとも80%、又は少なくとも90%、さらには100%、又は実質的に全ての水が除去されるまで、N−メチル 2−ピロリドンと共に加熱する。これは、重さを量ることによって、当業者に既知の分析技術によって、又は分光法によって、決定することができる。あるいは、混合物は、実験又は経験によって分かった十分に長い時間、単に加熱することもできる。
実施例1(比較例)
2−メルカプトベンズアミドの合成方法は、日本特許第06345273号公報の実施例1に記載の方法を再現した。
15.6g(0.0983mol)の98%2−クロロベンズアミド、16.0g(0.1230mol)の60%硫化ナトリウム、及び100gのNMPを、撹拌装置、加熱されたオイルバス、温度計、コンデンサーを備えた200mlの三口フラスコに入れた。混合物を160℃で4時間撹拌した。
NMPを減圧下で留去し、残留物を100gの水に溶かした。
20℃で35%塩酸を添加することによって、混合物をpH2.0まで酸性化した。
分離した結晶性物質を濾過して分離し、水で洗浄し、40℃で11.6gの一定重量になるまで乾燥した。
標準試料で校正したHPLC分析から、単離生成物の以下の組成が明らかになった。
(g;mol;理論上のモル%):(1.2;0.0071;7.2)2−クロロベンズアミド、(2.8;0.0177;18.0)2−クロロ安息香酸、(6.5;0.0424;43.2)2−メルカプトベンズアミド。
重量基準の2−メルカプトベンズアミドの純度は56.0%である。
実施例2
23.4g(0.18mol)の60%硫化ナトリウム(水40%)と、160gのN−メチル ピロリドン(NMP)を、加熱されたオイルバス、撹拌装置、及び温度計を備えた500mlの三口フラスコに入れた。混合物を190℃で撹拌し、重量が25g減るまで窒素でパージした。水分を含まない硫化ナトリウムのスラリーに、130℃で98%純度の2−クロロベンズアミド18.1g(0.1163mol)を添加し、混合物を175℃まで4時間加熱した。標準試料で校正したHPLCによる反応混合物の分析から、 (g;mol;理論上のモル%):(0.37;0.0012;2)2,2’−ジチオジ安息香酸、及び(16.5;0.108;88)2−メルカプトベンズアミドが示された。2−クロロ安息香酸は検出されなかった。
混合物を70℃に冷却し、40gの水を添加し、28.5gの35%塩酸を添加することでpHを4に調整した。混合物を硫化水素の発生がおさまるまで加熱して沸騰させた。発生した硫化水素は除去するために苛性溶液に吸収させた。苛性溶液(アルカリ水酸化物や炭酸塩や他の塩や他の塩基)を20℃で反応混合物に添加してpHを9以上に戻し、27.0g(0.111mol)の14%過酸化水素を30分かけて入れた。
水及びNMPを減圧下で留去し、残留物を125gの水に分散させた。混合物を35%の塩酸でpH5に調整した。分離したBIT結晶を濾取し、水で洗浄し、一定重量になるまで空気乾燥した。BITは14.3g(0.094mol)得られ、これは理論上の80.8%である。純度99.5%(HPLCによる)。NMPは、公知の方法により再利用のために回収することができる。
実施例3
23.4g(0.12mol)の60%硫化ナトリウム(水40%)と、160gのN−メチル ピロリドン(NMP)を、加熱されたオイルバス、撹拌装置、及び温度計を備えた500mlの三口フラスコに入れた。混合物を190℃で撹拌し、重量が25g減るまで窒素でパージした。水分を含まない硫化ナトリウムのスラリーに、130℃で18.1g(0.117mol)の2−クロロベンズアミドを添加し、混合物を175℃まで4時間加熱した。標準試料で校正したHPLCによる反応混合物の分析から、 (g;mol;理論上のモル%):(0.37;0.0012;2)2,2’−ジチオジ安息香酸、及び(16.5;0.108;88)2−メルカプトベンズアミドが示された。2−クロロ安息香酸は検出されなかった。NMPは減圧下で留去した。
混合物を70℃に冷却して125gの水を添加し、28.5gの35%塩酸を添加することでpHを3.0に調整した。混合物を硫化水素の発生がおさまるまで加熱して沸騰させた。沸騰させる代わりに、ガス流によって硫化水素の発生を促進させることもできる。発生した硫化水素は除去するために苛性溶液に吸収させてもよい。苛性溶液(アルカリ水酸化物や炭酸塩や他の塩や他の塩基)を20℃で反応混合物に添加してpHを9以上に戻した。27.0g(0.111mol)の14%過酸化水素を30分かけて入れた。
混合物を35%の塩酸でpH5に酸性化し、BIT結晶を濾取し、水で洗浄し、一定重量になるまで空気乾燥した。BITの収率及び純度は実施例2と同じであった。
実施例4
23.4g(0.12mol)の60%硫化ナトリウム(水40%)と、160gのN−メチル ピロリドン(NMP)を、加熱されたオイルバス、撹拌装置、及び温度計を備えた500mlの三口フラスコに入れた。混合物を130℃で撹拌し、全反応混合物の約10重量%が留去されるまで、減圧下で水、次いで水/NMP、その後NMPを留去した。オイルバス温度は蒸留が継続されるように調整した。反応混合物を130℃に冷却した。水分を含まない硫化ナトリウムのスラリーに、130℃で18.1g(0.117mol)の2−クロロベンズアミド(NMP、又は、非プロトン性極性溶媒などの他の不活性有機溶媒に溶解させてもよい)を添加し、混合物を窒素下で175℃まで4時間加熱した。標準試料で校正したHPLCによる反応混合物の分析から、反応が完結していることが示された(出発物質<0.5%。2−クロロベンズアミドは検出されなかった)。
苛性溶液(アルカリ水酸化物や炭酸塩などの塩や他の塩基)を20℃で反応混合物に添加してpHを9以上にした。27.0g(0.111mol)の14%過酸化水素を30分かけて入れ、混合物を反応が完結するまで撹拌した。必要に応じて過酸化水素を追加した。溶媒(水とNMP)を減圧下で留去し、残留物を水に戻した。水性混合物を35%の塩酸でpH4に酸性化し、BIT結晶を濾取し、水で洗浄し、一定重量になるまで空気乾燥した。
実施例5
2−クロロベンズアミドと硫化ナトリウムとの反応が完結する所まで実施例4と同じ操作を行った。
溶媒(MNP)を減圧下で留去し、残留物を水に戻した。
苛性溶液(アルカリ水酸化物や炭酸塩や他の塩や他の塩基)を20℃で反応混合物に添加してpHを9以上にした。27.0g(0.111mol)の14%過酸化水素を30分かけて入れた。必要に応じて過酸化水素を更に添加しつつ、反応混合物を反応が完結するまで撹拌した。水性混合物を35%の塩酸でpH5に酸性化し、BIT結晶を濾取し、水で洗浄し、一定重量になるまで空気乾燥した。
実施例6
2−クロロベンズアミドと硫化ナトリウムとの反応が完結するまで実施例4と同じ操作を行った。
溶媒(MNP)を減圧下で留去し、残留物をDMSOで処理した。
炭酸カリウム(又はアルカリ水酸化物又は他の塩基)を20℃で反応混合物に添加してpHを9以上にした。27.0g(0.111mol)の14%過酸化水素を30分かけて入れ、反応が完結するまで混合物を撹拌した。必要に応じて過酸化水素を追加した。DMSOを減圧下で留去し、残留物をトルエンと共に30分撹拌した。固体をデカンテーションし、トルエンで洗浄した。その後水で処理し、次いで35%の塩酸でpH5に酸性化した。BIT結晶を濾取し、水で洗浄し、一定重量になるまで空気乾燥した。
実施例7
7.4g(0.0569mol)の60%硫化ナトリウム(水40%)、133gの(NMP)、及び6.0g(0.03856mol)の2−クロロベンズアミドを用いたこと以外は、2−クロロベンズアミドと硫化ナトリウムとの反応が完結するまで実施例4と同じ操作を行った。
MNPを減圧下で留去し、残留物を水に戻した。
反応混合物を濃塩酸でpH6に酸性化し、次いで炭酸カリウム粉末を添加してpH10.5にした。過酸化水素を反応混合物に添加した。HPLCサンプリングによって反応を確認し、実質的に反応が完結した後、反応混合物を<10℃でpH4.5まで酸性化すると、BITが析出した。反応混合物を<10℃で少なくとも1時間撹拌し、その後BITを減圧濾過した。ケーキを水で洗浄し、乾燥した。収率>80%、純度>97%。
実施例8
2−クロロベンズアミドの代わりに16.3g(0.117mol)の2−フルオロベンズアミドを用いた以外は実施例4と同じ操作を行った。反応は2−クロロベンズアミドを用いた時よりもかなり早く、2−クロロベンズアミドを用いた場合に175℃で240分だったのに対して、170℃で65分で完結した。

Claims (3)

  1. 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン又はそのナトリウム塩の合成方法において、前記方法が:
    i)硫化ナトリウム水和物とN−メチル 2−ピロリドンとの混合物を加熱する工程と、
    ii)混合物から、水と任意選択的な少なくとも一部のN−メチル 2−ピロリドンとを蒸留して、水抜きした硫化ナトリウムと、任意選択的な水及び/又はN−メチル 2−ピロリドンとを残す工程と、
    iii)2−クロロベンズアミド、2−フルオロベンズアミド、2−ニトロベンズアミド、2−シアノベンズアミド、及び2−C 1〜6 の分岐又は直鎖のアルコキシベンズアミドからなる群から選択される、2位置換の少なくとも1種のベンズアミドを前記水抜きした硫化ナトリウムに添加して、2−メルカプトベンズアミド又はそのナトリウム塩を含有する組成物を得る工程と、
    iv)2−メルカプトベンズアミド又はその塩を含有する前記組成物を過酸化水素水溶液、MCPBA、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸から成るグループから選択した試薬を用いた反応によって酸化的環化する工程と、
    を含むことを特徴とする、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン又はそのナトリウム塩の合成方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記2−メルカプトベンズアミド又はそのナトリウム塩が、過酸化水素水溶液との反応によって酸化的に環化されることを特徴とする方法。
  3. 請求項に記載の方法において、前記過酸化水素水溶液が8〜30重量%の範囲の濃度を有していることを特徴とする方法。
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