JPH05339244A - 5−フェニルヒダントインの製造法 - Google Patents

5−フェニルヒダントインの製造法

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JPH05339244A
JPH05339244A JP14957592A JP14957592A JPH05339244A JP H05339244 A JPH05339244 A JP H05339244A JP 14957592 A JP14957592 A JP 14957592A JP 14957592 A JP14957592 A JP 14957592A JP H05339244 A JPH05339244 A JP H05339244A
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正彦 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 5−フェニルヒダントインを容易に、安価に
える方法を提供する。 【構成】 尿素およびグリオキシル酸または2−ヒドロ
キシ−2−メトキシ酢酸メチルエステル(グリオキシル
酸メチルエステルメチルヘミアセタール)を酸の存在下
ベンゼンを含む溶媒中で反応させることを特徴とする5
−フェニルヒダントインの製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は5−フェニルヒダントイ
ンの新規な製造法に関する。5−フェニルヒダントイン
は半合成ペニシリンおよびセファロスポリン類の合成に
有用な2−フェニルグリシンの製造原料として重要な化
合物である。
【0002】
【従来の技術】5−フェニルヒダントインは古典的に
は、ブッヘラー・バーグ(Bucherer−Ber
g)法によりベンズアルデヒドと炭酸アンモニウムおよ
びシアン化ソーダの反応によって合成されることが知ら
れている(ジャーナル・フィール・プラクティシュー・
ヘミー(J.Prakt.Chem.)1934,14
,291.)。
【0003】また、ベンズアルデヒドシアンヒドリンを
二酸化炭素およびアンモニアと反応させる方法(特開昭
59−163373)、N−カルバモイルフェニルグリ
シンと酸とを接触させる方法(特開昭60−22246
5)、5−ブトキシヒダントインとベンゼンを濃硫酸中
で反応させる方法(ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリ
ック・ケミストリー(J.Heter.Chem.19
70,,1289.)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブッヘ
ラー・バーグ法で製造する際には危険なシアン化ソーダ
を使用しなければならず、さらにアルカリ性でのアルデ
ヒドの酸化的副反応により、粗製のヒダントインには多
量の副生成物が混入したり生成ヒダントインが着色する
などの問題がある。
【0005】また、ベンズアルデヒドシアンヒドリン、
N−カルバモイルフェニルグリシン、5−ブトキシヒダ
ントインなどの原料を用いる方法は、原料が高価であり
必ずしも満足できる方法ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、安価なマレイ
ン酸ジアルキルから合成しうるグリオキシル酸または2
−ヒドロキシ−2−メトキシ酢酸メチルエステルを原料
とする新規な5−フェニルヒダントインの合成法を見出
し、本発明を完成するにいたった。
【0007】すなわち本発明は、尿素およびグリオキシ
ル酸または2−ヒドロキシ−2−メトキシ酢酸メチルエ
ステル(グリオキシル酸メチルエステルメチルヘミアセ
タール)を酸の存在下ベンゼンを含む溶媒中で反応させ
ることを特徴とする5−フェニルヒダントインの製造法
に関する。
【0008】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。原料のグリ
オキシル酸または2−ヒドロキシ−2−メトキシ酢酸メ
チルエステルは、たとえば安価なマレイン酸ジアルキル
からオゾン酸化によって高収率で合成しうることが知ら
れている(特開昭59−21643)。本発明で使用さ
れるグリオキシル酸または2−ヒドロキシ−2−メトキ
シ酢酸メチルエステルは必ずしも精製物である必要はな
く、上記のような方法で合成された粗成物でもまた水和
物でもそのまま用いることができる。
【0009】グリオキシル酸または2−ヒドロキシ−2
−メトキシ酢酸メチルエステルと尿素は、いずれも硫酸
中で分解しつつ反応するが、尿素の分解の方がはやいた
め、尿素をやや過剰に使用することが望ましい。したが
って、両者の使用モル比は、1:4〜1:1が適当であ
る。
【0010】本反応は酸の存在によって有効に促進され
る。この場合、酸は酸性度と共にその脱水作用が反応に
有効であり、具体的には硫酸、リン酸などがあげられる
が、とりわけ、硫酸を用いるのが適当である。酸の濃度
は1%〜30%の範囲から選ばれる。酸の濃度が高くな
るほど、5−フェニルヒダントインの収率が高くなる傾
向にあるが、過度の酸の使用は生成した目的物の単離を
困難にするため、好ましくは、5%〜15%の範囲で使
用する。
【0011】反応溶媒としては、ベンゼンが原料として
も使用されるためベンゼンまたはベンゼンを含む混合溶
媒が用いられるが、原料に用いる尿素を溶解させる必要
性から、ベンゼン−酢酸、ベンゼン−ギ酸、ベンゼン−
プロピオン酸、とりわけ、ベンゼン−酢酸混合溶媒が好
適に用いられる。このばあい、ベンゼンと酢酸の比は、
とくに制限はないが100:1から1:100のあいだ
で用いられる。
【0012】なお、ベンゼンは基質として働くのみなら
ず、水を共沸除去する溶媒としても作用する。したがっ
てベンゼンは過剰量必要であり、このためグリオキシル
酸または2−ヒドロキシ−2−メトキシ酢酸メチルエス
テルの濃度はベンゼンに対して1%〜30%の範囲から
選ばれる。
【0013】反応温度は30℃以上が望ましく、さらに
望ましくは60℃〜90℃が適当である。また、反応は
0.5〜40時間、好ましくは5〜10時間を要する。
【0014】生成した5−フェニルヒダントインの単離
はきわめて容易である。すなわち、目的とする5−フェ
ニルヒダントインは酸性〜中性の水溶液に難溶であるた
め、反応終了後反応液を濃縮し水を加えることによって
容易に析出するので、これを固液分離すればよい。しか
し、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィーな
どの操作により純度を高めることももちろん可能であ
る。
【0015】以下に実施例を用いてさらに詳しく本発明
を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限
定されるものではない。
【0016】実施例1 ベンゼン160ml、酢酸60ml、グリオキシル酸水
和物9.2グラム、尿素6.0グラムに濃硫酸10ml
を加え、80℃でディーンスターク脱水装置を用いて、
水を除去しつつ24時間還流した。反応後、溶媒を留去
し、氷水200mlを加え、酢酸エチル200mlで3
回抽出した。有機層を留去し、ヘキサン−アセトン
(1:1)でカラムクロマトグラフィーした結果、2.
1グラムの5−フェニルヒダントインがえられた(収率
12%)。融点は180℃〜181℃であった。生成し
た5−フェニルヒダントインのNMRスペクトルおよび
IRスペクトルは、ブッヘラー・バーグ法で製造した5
−フェニルヒダントインと完全に一致した。
【0017】NMR(DMSO−d6 、δ):10.7
(1H)、8.6(1H)、7.2(5H)、5.4
(1H)、 IR(cm-1):3440、1790、1740、16
10実施例2 ベンゼン160ml、酢酸60ml、2−ヒドロキシ−
2−メトキシ酢酸メチルエステル12.0グラム、尿素
6.0グラムに濃硫酸10mlを加え、80℃でディー
ンスターク脱水装置を用いて、水を除去しつつ24時間
還流した。反応後、溶媒を留去し、氷水200mlを加
え、酢酸エチル200mlで3回抽出した。有機層を留
去し、ヘキサン−アセトン(1:1)でカラムクロマト
グラフィーした結果、3.5グラムの5−フェニルヒダ
ントインがえられた(収率20%)。
【0018】実施例3 ベンゼン160ml、酢酸60ml、2−ヒドロキシ−
2−メトキシ酢酸メチルエステル12.0グラム、尿素
12.0グラムに濃硫酸10mlを加え、80℃でディ
ーンスターク脱水装置を用いて、水を除去しつつ24時
間還流した。反応後、溶媒を留去し、氷水200mlを
加え、酢酸エチル200mlで3回抽出した。有機層を
留去し、ヘキサン−アセトン(1:1)でカラムクロマ
トグラフィーした結果、9.5グラムの5−フェニルヒ
ダントインがえられた(収率54%)。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、尿素およびグリオキシ
ル酸または2−ヒドロキシ−2−メトキシ酢酸メチルエ
ステル(グリオキシル酸メチルエステルメチルヘミアセ
タール)を酸の存在下ベンゼンを含む溶媒中で反応させ
ることにより容易に、かつ安価に5−フェニルヒダント
インをえることができる。すなわち、本発明は5−フェ
ニルグリシンの製造にきわめて有効な方法を提供するも
のである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿素およびグリオキシル酸または2−ヒ
    ドロキシ−2−メトキシ酢酸メチルエステルを酸の存在
    下ベンゼンを含む溶媒中で反応させることを特徴とする
    5−フェニルヒダントインの製造法。
  2. 【請求項2】 酸として硫酸を用いる請求項1記載の製
    造法。
  3. 【請求項3】 ベンゼンを含む溶媒としてベンゼンと酢
    酸の混合溶媒を用いる請求項1または2記載の製造法。
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