JPH04244096A - アデノシン−3’,5’−環状リン酸ベンジルトリエステルの製法 - Google Patents

アデノシン−3’,5’−環状リン酸ベンジルトリエステルの製法

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JPH04244096A
JPH04244096A JP2774991A JP2774991A JPH04244096A JP H04244096 A JPH04244096 A JP H04244096A JP 2774991 A JP2774991 A JP 2774991A JP 2774991 A JP2774991 A JP 2774991A JP H04244096 A JPH04244096 A JP H04244096A
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JP
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benzyl
camp
triester
adenosine
salt
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JP2774991A
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English (en)
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Shigehiro Kataoka
片岡 茂博
Riichiro Uchida
理一郎 内田
Nobuyuki Yamatsugu
山次 信幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、一般式【化2】 (式中、Bn はベンジル基を示す)で表されるアデノ
シン−3′,5′−環状リン酸ベンジルトリエステル(
以下、cAMPベンジルトリエステルという)の新規な
製法に関する。 【0002】 【従来の技術】アデノシン−3′,5′−環状リン酸(
以下、cAMPという)又はその誘導体は、種々の生理
活性を有しており、生化学的試薬や医薬としての用途が
期待されている化合物である。しかしながら、特に医薬
として使用する場合には、cAMPの細胞膜透過性が必
ずしも十分でないことが指摘されており、該透過性のよ
り優れたcAMPの誘導体の出現が切望されている。こ
のような現状において、中でもリン酸部誘導体であるc
AMPベンジルトリエステルは、脂溶性の高い、すなわ
ち細胞膜透過性の優れた誘導体の 1 つであり、そし
て該化合物は、特に強心作用を示す有用な化合物として
知られている[Naunyn−Schmiedeber
g’s Arch−ives of Pharmaco
logy, 310, 103−111(1979)]
。 【0003】そして従来、cAMPベンジルトリエステ
ルの製法としては、J. Engels らのcAMP
とジアゾ化合物を用いる合成法が知られている [J.
 Med. Chem., 20,907−910(1
977)]。しかしながら、この方法ではジアゾベンジ
ルが市販されていないため、これを煩雑な方法で合成し
なければならず、また該化合物は、極めて揮発性が強く
、しかも非常に反応性が高いため、爆発しやすい危険な
試薬であって、大量に合成することや操作上に困難があ
るばかりでなく、これを用いて反応を行なう場合には、
危険防止のための措置が必要であって、反応設備などが
著しく高価なものとなる。 【0004】また、cAMP誘導体とハロゲン化ベンジ
ルとの反応として、8−置換−cAMPの有機アンモニ
ウム塩やナトリウム塩とベンジルブロマイドとを反応さ
せた場合には、優先的に 1 位にベンジル基が導入さ
れた 1−ベンジルcAMP誘導体を生成することが知
られており[J. Heterocyclic Che
m., 12, 1−9(1975)、J. Med.
 Chem., 23, 242−251(1980)
]、このような方法ではcAMPベンジルトリエステル
を得ることは困難である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点を克服し、強心作用の知られているcAMP
ベンジルトリエステルを、1−ベンジルcAMPを副生
させることなく、効率よく、かつ容易に製造する方法を
提供することを目的としてなされたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、cAMPとハ
ロゲン化ベンジルを作用させるにあたり、無機塩基を存
在させることによって、前記目的を達成しうることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 【0007】すなわち、本発明は、cAMP又はその塩
を、無機塩基の存在下、ハロゲン化ベンジルと反応させ
ることを特徴とする前記一般式(I)で表されるcAM
Pベンジルトリエステルの製造法である。 【0008】以下、本発明について詳細に説明する。先
ず、本発明における出発原料は、一般式【化3】 (式中、A+は水素イオン、アルカリ金属イオン、アル
カリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又は有機アン
モニウムイオンを示す)で表されるcAMP又はその塩
である。 【0009】すなわち、前記一般式(II)で表される
出発原料は、cAMPの遊離型又は塩型のいずれでも本
反応に供しうるが、溶媒への溶解性などの点から、環状
リン酸部における塩が好ましい。その塩としてはアルカ
リ金属、例えばナトリウム、カリウムなどの塩、アルカ
リ土類金属、例えばマグネシウム、カルシウムなどの塩
、アンモニウム塩、有機アンモニウム、例えばトリエチ
ルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、4−モルホ
リノ−N,N′−ジシクロヘキシルカルボキシアミジン
などの塩が挙げられるが、有機アンモニウム塩が好まし
く、特にトリブチルアンモニウム塩が好ましい。 【0010】次に、ハロゲン化ベンジルとしては、塩化
ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、フッ化ベン
ジルのいずれでもよい。該ハロゲン化ベンジルの添加量
は特に限定されないが、cAMP又はその塩に対し、1
〜20 等量、好ましくは 2〜10 等量である。 【0011】そして、本発明においては、特に無機塩基
の存在下で反応を行なわせることに特徴を有している。 すなわち、無機塩基の存在によって、ベンジル基がcA
MPの 1 位に導入される副反応(1−ベンジルcA
MPの生成)が抑制されるのである。この無機塩基とし
ては、例えば Na2CO3、K2CO3、CaCO3
、NaHCO3等の炭酸塩、NaOH、KOH 等の水
酸化物などが挙げられ、これらは単独又は組合せて用い
られる。無機塩基の添加量はcAMP又はその塩に対し
、0.1〜15 等量、好ましくは 0.5〜5 等量
である。 【0012】本反応は、溶媒の存在下で行なうのが好ま
しい。該溶媒としては、本反応に関与しないものであれ
ば特に制限されないが、好適例としては、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ドなどが挙げられる。また、本反応は通常 15〜12
0 ℃で進行するが、40〜100 ℃の反応温度が好
ましい。このときの反応時間は反応温度により異なるが
、5 分〜2 時間程度である。また反応は攪拌しなが
ら行なうのが好ましい。 【0013】反応終了後、目的化合物は常法により単離
精製できる。その方法としては、例えばシリカゲル、ア
ルミナ、イオン交換樹脂、活性炭などを用いたカラムク
ロマトグラフィー、再結晶法、pH 調整による析出法
、食塩を用いる塩析法、有機溶媒を用いる抽出法などの
精製法が単独又は組合せて用いられる。ここで、無機塩
基を存在させた条件下及び存在させない条件下において
、cAMP又はその塩とハロゲン化ベンジルを反応させ
たときの、目的物であるcAMPベンジルトリエステル
と副生物である 1−ベンジルcAMPの生成につき検
討した結果を実験例として示す。 【0014】実験例 cAMPのナトリウム塩 175 mg をジメチルア
セトアミド(DMA)25 mlに添加した 溶液(N
a2CO3無添加)、及び該溶液にさらに Na2CO
3 53 mg(cAMPの塩に対し 1 等量)を添
加したものにそれぞれベンジルブロマイド 428 m
g(cAMPに対し 5 等量)を加え、60 ℃で 
3時間攪拌しながら反応させた。このときの反応系にお
けるcAMPベンジルトリエステル(各図において、△
で示す)、1−ベンジルcAMP(各図において、□で
示す)及び出発原料であるcAMPのナトリウム塩(各
図において、○で示す)の存在比の経時変化を高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)を用いて求めた。Na
2CO3 添加 のときの結果を図1に、Na2CO3
 無添加のときの結果を図2に示す。 【0015】先ず、 図1から、Na2CO3 添加に
よりcAMPベンジルトリエステルが選択的に効率よく
生成し、かつ分解することなく安定して存在するのに対
し、1−ベンジルcAMPは全く又は殆ど生成しないこ
とが、そして図2から、Na2CO3 無添加の場合に
は、cAMPベンジルトリエステルはある程度生成する
が、分解し続けて逐次減少し、一方の 1−ベンジルc
AMPはその生成量が経時的に増加していることがわか
る。 【0016】 【実施例】以下に実施例を示す。 実施例1 cAMPのトリブチルアンモニウム塩 1.03 g 
をジメチルアセトアミド(DMA)100 mlに添加
した溶液に Na2CO3 424 mg を加え、次
いでベンジルブロマイド1.71 g を加えて、70
〜80 ℃で 20 分間攪拌して反応させた。溶媒を
減圧留去し、残渣をアルミナカラム(3〜20 % M
eOH/CHCl3)で分離精製し、さらに得られたカ
ラメル状物を MeOH に溶解し、prep. TL
C[SiO2,CH3CN:EtOH=13:3(V/
V)]にて精製し、目的のUV吸収帯より無色のカラメ
ル状物としてcAMPベンジルトリエステル 564 
mg(収率 68 %)を得た。 【0017】このものの物性は次のとおりである。 紫外スペクトル(EtOH)λmax nm(ε): 
258(12100) 質量スペクトル(SIMS=Secondary Io
n Mass Spectrum): 420(M+ 
+H) 1H−核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6)δ:4
.64(1H,d,J=4.6Hz,H−2′),5.
17(2H,d,J=8.1Hz,OCH2),5.2
5−5.35(1H,m,H−3′),6.05(1H
,s,H−1′),7.19(2H,br s,NH2
),7.30−7.60(5H,m,phenyl H
′s),8.02 and 8.26(1H each
,s,purine H′s)元素分析値: C17H
18N5O6P・2/3H2Oとして 【0018】実
施例2 cAMPの Na塩 702 mg を DMA 10
0 mlに添加した溶液に K2CO3 830 mg
 を加え、次いでベンジルブロマイド 1.71 g 
を加えて、80〜90 ℃で 15 分間攪拌した。以
下実施例1と同様にしてcAMPベンジルトリエステル
 463 mg(収率 55%)を得た。このものの物
性は実施例1に記載したと同様であった。 【0019】実施例3 cAMPのトリブチルアンモニウム塩 1.03 g 
を DMA 100 ml に添加した溶液に KOH
 336 mg を加え、次いでベンジルブロマイド 
1.71 g を加えて、70〜80 ℃で 20 分
間攪拌した。以下実施例1と同様にしてcAMPベンジ
ルトリエステル 501 mg(収率 60 %)を得
た。このものの物性は実施例1に記載したと同様であっ
た。 【0020】 【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
強心作用などを示すcAMPベンジルトリエステルを、
1−ベンジルcAMPを副生させることなく、効率よく
、安定した状態で、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例において、Na2CO3 存在下での反
応系におけるcAMPベンジルトリエステル(△)、1
−ベンジルcAMP(□)及び出発原料であるcAMP
のナトリウム塩(○)の存在比の経時変化を示すグラフ
【図2】実験例において、Na2CO3 を存在させな
い条件下での反応系におけるcAMPベンジルトリエス
テル(△)、1−ベンジルcAMP(□)及び出発原料
であるcAMPのナトリウム塩(○)の存在比の経時変
化を示すグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アデノシン−3′,5′−環状リン酸又は
    その塩を、無機塩基の存在下、ハロゲン化ベンジルと反
    応させることを特徴とする一般式 【化1】 (式中、Bn はベンジル基を示す)で表されるアデノ
    シン−3′,5′−環状リン酸ベンジルトリエステルの
    製造法。
JP2774991A 1991-01-30 1991-01-30 アデノシン−3’,5’−環状リン酸ベンジルトリエステルの製法 Pending JPH04244096A (ja)

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