JPWO2016143655A1 - 1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、簡便で生産効率に優れる1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法を提供する。本発明は、下式(B)で表される化合物と下式(C)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させることを特徴とする、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法である。(式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)

Description

本発明は、1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法に関する。
3位及び5位に芳香族基が置換した1,2,4−オキサジアゾール誘導体は、薬学及び農学分野において生理活性物質として知られている。該誘導体の製造方法としては、アシルクロリドと芳香族N−ヒドロキシアミジンとを、水と混和しない有機溶剤と水性塩基との存在下で反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、チオフェン−2−カルボアルデヒドとベンズアミドオキシムとを、トルエン、モレキュラーシーブおよびピペリジンの存在下に反応させて、3−フェニル−5−(チオフェン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾールを得たことが記載されている(特許文献2参照)。
国際公開第2014/008257号 国際公開第2014/127195号
前記方法は、原料のアシルクロリドの製造に多くの段階を要し、また、化学的に不安定なアシルクロリドを原料とする方法であった。本発明は、簡便な操作方法で実施でき、かつ生産効率にも優れる1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法の提供を課題とする。
前記課題を解決するための本発明は以下の発明である。
[1] 下式(B)で表される化合物と下式(C)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させることを特徴とする、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法。
(式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=、又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
[2] 下式(B)で表される化合物と下式(C)で表される化合物とを塩基性化合物の存在下で反応させて、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体とともに下式(G)で表される化合物を含む反応生成物を得て、当該反応生成物から下式(G)で表される化合物を分離して除くことを特徴とする、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法。
(式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=、又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
[3] 式(G)で表される化合物を酸化反応に供して式(B)で表される化合物を得て、当該化合物を式(C)で表される化合物と反応させる、[2]に記載の製造方法。
[4] 式(B)で表される化合物が、下式(B)で表される化合物であり、かつ式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体が、下式(A)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
(式中、Arは[1]と同じ意味を示す。)
[5] Arが、フェニル基又は置換基を有するフェニル基である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6] 式(B)で表される化合物と式(C)で表される化合物との反応を、溶媒の存在下に行う、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7] 式(B)で表される化合物と式(C)で表される化合物との反応を、脱水しながら行う、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法。
[8] 式(C)で表される化合物の1モルに対して、式(B)で表される化合物を、1モルを超える量で反応させる、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の製造方法。
[9] 塩基性化合物が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機塩基性化合物である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
[10] 無機塩基性化合物を、式(C)で表される化合物の1モルに対して、2モル以下使用する、[9]に記載の製造方法。
[11] 塩基性化合物が、有機塩基性化合物であり、有機塩基性化合物を、式(C)で表される化合物の1モルに対して、0.3モル以上使用する、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
[12] 下式(F)で表される化合物とヒドロキシルアミンとの反応により、式(C)で表される化合物を得た後、当該化合物を式(B)で表される化合物と反応させる、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の製造方法。
(式中、Arは[1]と同じ基を表す。)
[13] 式(C)で表される化合物を脱水処理した後に、式(B)で表される化合物と反応させる、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の製造方法。
[14] 式(F)で表される化合物とヒドロキシルアミンとを溶媒中で反応させて、式(C)で表される化合物と溶媒との混合物を得て、当該混合物を式(B)で表される化合物と反応させる、[12]または[13]に記載の製造方法。
[15] 下式(B)で表される化合物と下式(C)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させることを特徴とする、下式(G)で表される化合物の製造方法。
(式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=、又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
本発明によれば、簡便な操作方法で実施でき、かつ生産効率にも優れる1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法が提供される。
本明細書において、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体は、オキサジアゾール誘導体Aとも記す。下式(B)で表される化合物は、化合物Bと記し、他の式で表される化合物についても同様に記す。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を、それぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
本明細書において、「炭素数1〜5のアルキル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の1〜5個の炭素原子を有する飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜3のアルキル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルが挙げられる。
本明細書において、「炭素数2〜5のアルケニル基」とは、少なくとも1個の二重結合を有し、かつ2〜5個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数2〜5のアルキニル基」とは、少なくとも1個の三重結合を有し、かつ2〜5個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜5のアルコキシ基」とは、「炭素数1〜5のアルキル基」で置換されたオキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、1−エチルプロピルオキシ等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜3のアルコキシ基」とは、「炭素数1〜3のアルキル基」で置換されたオキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシが挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜5のハロアルキル基」とは、1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の「ハロゲン原子」で置換された「炭素数1〜5のアルキル基」を意味し、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、クロロメチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピル、ブロモメチル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜3のハロアルキル基」とは、1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の「ハロゲン原子」で置換された「炭素数1〜3のアルキル基」を意味し、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、クロロメチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピル、ブロモメチル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜5のハロアルコキシ基」とは、1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の「ハロゲン原子」で置換された「炭素数1〜5のアルコキシ基」を意味し、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1−フルオロプロポキシ、2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ、クロロメトキシ、2−クロロエトキシ、3−クロロプロポキシ、ブロモメトキシ、4−フルオロブトキシ、5−フルオロペンチルオキシ等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜3のハロアルコキシ基」とは、1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の「ハロゲン原子」で置換された「炭素数1〜3のアルコキシ基」を意味し、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1−フルオロプロポキシ、2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ、クロロメトキシ、2−クロロエトキシ、3−クロロプロポキシ、ブロモメトキシ等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜5のアルキルスルホニル基」とは、「炭素数1〜5のアルキル基」が結合したスルホニル基を意味し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、1−エチルプロピルスルホニル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数6〜14のアリール基」とは、6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、9−フェナントリル等が挙げられる。中でも、「炭素数6〜10のアリール基」が好ましい。
本明細書において、「炭素数6〜10のアリール基」とは、6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数2〜6のアシル基」とは、「炭素数1〜5のアルキル基」または「炭素数1〜5のアルコキシ基」が結合したカルボニル基を意味し、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、3−メチルブタノイル、2−メチルブタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル等の炭素数1〜5のアルキル−カルボニル基;およびメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル等の炭素数1〜5のアルコキシ−カルボニル基が挙げられる。
本明細書において、「芳香族基」とは、炭素数6〜14のアリール基またはヘテロアリール基を意味する。
本明細書において、「ヘテロアリール基」とは、環形成原子として、炭素原子以外に、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1つ(好ましくは1ないし4個)のヘテロ原子を有する5ないし12員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基を意味する。当該「ヘテロアリール基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル等の5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3−b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル等の8ないし12員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
本発明では、オキサジアゾール誘導体Aの製造を、原料として化合物B及び化合物Cを選択し、これらを反応させることにより実施する。
式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
化合物Bは、化学的に安定であることから取扱い性に優れ、容易に製造又は入手することができる化合物である。すなわち、本発明の製造方法は、化学的に安定で入手容易な化合物を原料とする方法であり、かつ、従来方法よりも短い製造工程で目的化合物を得ることができる方法である。本発明では、化合物Bと化合物Cとを、塩基性化合物の存在下で反応させる。これにより、化合物Bと化合物Cの脱水縮合によるジヒドロオキサジアゾール環形成反応と、ジヒドロオキサジアゾール環の酸化反応とが効率的に進行して、所望のオキサジアゾール誘導体Aが、優れた転換率と選択率で得られる。
[化合物B]
式(B)において、W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=、又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。即ち、化合物Bにおける5員環部分は、環形成原子として、少なくとも1個の炭素原子及び1個の硫黄原子を必須とし、かつ任意に窒素原子を含んでいてもよい5員芳香族性ヘテロ環である。化合物Bは、当該5員芳香族性ヘテロ環の環形成炭素原子の1つにホルミル基が結合した構造を有する。また、5員芳香族性ヘテロ環の他の環形成炭素原子には、水素原子又は置換基(R)が結合しており、水素原子が結合するのが好ましい。化合物Bにおいては、X又はWが−S−であることが好ましい。
当該5員芳香族性ヘテロ環の具体例としては、以下の例が挙げられる。
5員芳香族性ヘテロ環基としては、前記の5員芳香族性ヘテロ環から環形成炭素原子に結合した水素原子1個を除いた基が挙げられる。結合手の位置は環形成炭素原子上であれば特に限定されない。5員芳香族性ヘテロ環基としては、チエニル基が好ましい。チエニル基は、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基のいずれであってもよく、オキサジアゾール誘導体Aの生理活性等の有用性の観点からチオフェン−2−イル基が好ましい。
式(B)において、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましく、メチル基、トリフルオロメトキシ基またはハロゲン原子が更に好ましい。化合物B中にRが2個以上存在する場合、Rは同一であっても異なっていてもよい。
化合物Bの好ましい例としては、チオフェン−2−カルボアルデヒド、チオフェン−3−カルボアルデヒド、チアゾール−2−カルボアルデヒド、チアゾール−4−カルボアルデヒド、チアゾール−5−カルボアルデヒド、2,1,3−チアジアゾール−4−カルボアルデヒド、1,2,3−チアジアゾール−4−カルボアルデヒド、1,2,3−チアジアゾール−5−カルボアルデヒド、1,2,4−チアジアゾール−3−カルボアルデヒド、1,2,4−チアジアゾール−5−カルボアルデヒド、1,3,4−チアジアゾール−2−カルボアルデヒド等が挙げられ、中でも、チオフェン−2−カルボアルデヒドが特に好ましい。
化合物Bは、公知の化合物から公知の方法で容易に製造できる。また、工業的に容易に入手することができる。
[化合物C]
化合物Cは、以下に示す式(C’)で表される化合物と平衡状態であるが、本明細書では、以下、これらをまとめて化合物Cと記す。なお、式(C’)中の波線は、OHの二重結合に関する立体配置がEであってもZであってもよいことを示す。
また、「化合物Bと化合物Cとの反応」、「化合物Bと化合物C’との反応」および「化合物Bと化合物C及び化合物C’の混合物との反応」も、本明細書では、以下、これらをまとめて「化合物Bと化合物Cとの反応」という。
式(C)において、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。
「置換基を有する芳香族基」における置換基は、本発明の反応に影響を与えない1価の基であれば特に限定されない。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜5のハロアルキル基、炭素数1〜5のハロアルコキシ基、炭素数2〜6のアシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、スルファニル基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキルスルホニル基等が挙げられる。好ましい置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が挙げられ、メチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びホルミル基がより好ましく、メチル基及びハロゲン原子が特に好ましい。
Ar中の置換基の数が2以上の場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。置換基の数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。また置換位置は特に制限されない。
Arが置換基を2つ有する場合、2つの置換基が互いに連結してArとともに縮合環を形成していてもよい。2つの置換基が互いに連結して形成する環は、芳香環であっても非芳香環であってもよく、また、炭素環であっても、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する複素環であってもよい。このようなArの具体例としては、ベンゾフリル等が挙げられる。
Arとしては、炭素数6〜14のアリール基又は置換基を有する炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基又は置換基を有する炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フェニル基又は置換基を有するフェニル基が更に好ましく、フェニル基、又は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基から選択される置換基を有するフェニル基がさらにより好ましく、フェニル基、又はメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びホルミル基から選択される置換基を有するフェニル基がさらに一層より好ましい。このような置換基を有するフェニル基の好適な具体例としては、o−、m−またはp−フルオロフェニル基、o−、m−またはp−クロロフェニル基、o−、m−またはp−トリル基、o−、m−またはp−フルオロメチルフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基が挙げられる。Arとしては、オキサジアゾール誘導体Aの生理活性等の有用性の観点からフェニル基が最も好ましい。
化合物Bとの反応に用いる化合物Cは、脱水処理を行った化合物Cであることが好ましい。脱水処理は、例えば共沸脱水処理、モレキュラーシーブ等の脱水剤を用いる脱水処理等の公知の方法に従って行うことができる。化合物Bとの反応に用いる化合物Cの水分含有率は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
化合物Cは工業的に入手することが容易である。また、化合物Cは、下式(F)で表される化合物とヒドロキシルアミンとを反応させる方法により製造できる。式中のArは前記と同じ基を表す。
当該反応は、溶媒の存在下に実施するのが好ましく、文献(例えばOrganic Letters, 16(3), 892-895; 2014)記載方法に従って実施できる。ヒドロキシルアミンは水溶液の状態で使用してもよい。溶媒としては、エタノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール等のアルコール、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル、水等を挙げることができる。溶媒の量は、化合物Fの体積に対して、1〜5倍量が好ましく、特に1〜3倍量が好ましい。反応温度の下限は20℃が好ましく、30℃がより好ましい。また反応温度の上限は、100℃が好ましく、80℃がより好ましい。反応温度が下限以上であれば反応が速やかに反応しやすく、反応温度が上限以下であれば副生成物の生成を抑制しやすい。反応時間は、反応温度や反応圧力に依存するが、1〜10時間が好ましい。反応圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、常圧または加圧が好ましい。反応圧力は、0.01〜0.5MPa(ゲージ圧)が好ましい。反応雰囲気は、大気雰囲気でも、窒素等の不活性ガス雰囲気でもよい。
本発明における化合物Bと化合物Cとの反応は、後述する理由により、反応系中の水の量ができるだけ少ない条件で実施するのが好ましいことから、化合物Fとヒドロキシルアミンとの反応後に水を除去する操作を行い、できるだけ含水量の少ない化合物Cを得るのが好ましい。
水の除去は、反応後に化合物Cを単離する方法、反応後に脱水処理を行う方法が挙げられる。
たとえば、化合物Fとヒドロキシルアミンとの反応を、溶媒に水を用いて行った場合は、水と化合物Cの混合物から水を除去して化合物Cを得て、該化合物Cを化合物Bと反応させるのが好ましい。ここで、水除去後の化合物Cの水分含有率は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。水の除去は分液操作により行うことができ、さらに、脱水処理を行うことが好ましい。
化合物Fとヒドロキシルアミンとの反応を、溶媒の存在下に実施した場合には、化合物Cと溶媒とを含む混合物が得られる。該混合物は、化合物Cが溶媒に溶解する場合は、化合物Cを含む溶媒溶液になる。ここで、水除去後の混合物の含水量は、混合物の総質量に対して、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。水を除去する方法としては、該混合物から化合物Cを単離する方法、該混合物の脱水処理を行う方法が挙げられ、後者の方法が好ましい。後者の方法である場合、化合物Cと溶媒を含む混合物から、化合物Cを単離することなく、混合物の状態で化合物Bと反応させることができ、効率的な製造方法になりうる。すなわち、化合物Fとヒドロキシルアミンとを溶媒中で反応させて化合物Cと溶媒との混合物を得て、得られた化合物Cを溶媒との混合物のまま、化合物Bと反応させることが好ましく、化合物Cの溶媒との混合物の脱水処理を行った後に、化合物Cを溶媒との混合物のまま、化合物Bと反応させるのがより好ましい。当該製造方法によれば、混合物の状態で、同じ反応装置を用いて次の工程の反応を実施でき、製造工程を大幅に効率化できる。
脱水処理は、共沸脱水処理、またはモレキュラーシーブ等の脱水剤を用いる脱水処理により行うことができる。脱水処理を共沸脱水処理で行う場合に備えて、化合物Fとヒドロキシルアミンとの反応に用いる溶媒は、共沸脱水可能な溶媒、すなわち水と共沸混合物を形成できる溶媒が好ましい。該溶媒としては、エタノール、t−ブタノール及びt−アミルアルコール等が挙げられる。
[オキサジアゾール誘導体A]
本発明の製造方法の目的化合物であるオキサジアゾール誘導体Aは、式(A)で表される化合物である。式中のAr、W、X、Y及びZの意味は前記と同じ意味であり、好ましい態様も前記と同様である。
オキサジアゾール誘導体Aは、下式(A)で表される化合物が好ましい。式中のArは前記と同じ意味である。
また、オキサジアゾール誘導体Aの具体例としては、下記化合物が挙げられる。
[本発明の製造方法]
本発明におけるオキサジアゾール誘導体Aの製造方法は、化合物Bと化合物Cを塩基性化合物の存在下に反応させることにより実施する。
塩基性化合物は、有機塩基性化合物であっても無機塩基性化合物であってもよい。
無機塩基性化合物としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。具体的には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等を挙げることができる。
有機塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン等の低級アミン;ピリジン等の塩基性芳香族複素環化合物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド;リチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属アミド等を挙げることができる。
塩基性化合物としては、反応性の観点から、無機塩基性化合物が好ましく、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、アルカリ金属の炭酸塩または水酸化物がより好ましく、炭酸カリウムまたは水酸化カリウムがさらに好ましく、水酸化カリウムが特に好ましい。塩基性化合物は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機塩基性化合物を用いた場合、反応系の塩基性を高くでき、効率的に化合物Cを活性化できる為、効率的にオキサジアゾール誘導体Aを製造できる効果がある。本発明者の検討によれば、該効果は、特に、水酸化カリウムまたは炭酸カリウムに顕著に認められた。
塩基性化合物の使用量は、無機塩基性化合物を用いた場合、化合物Bの1モルに対して0.01〜2モルが好ましい。また、化合物Cの1モルに対して、2モル以下が好ましく、1モル以下がより好ましく、0.5モル以下が更に好ましく、0.3モル以下が特に好ましい。また化合物Cの1モルに対して0.01モル以上が好ましく、0.05モル以上がより好ましく、0.08モル以上が特に好ましい。化合物Bと化合物Cのモル数が異なっている場合には、塩基性化合物の量は化合物Cを基準に決定する。無機塩基性化合物の使用量を上記の範囲とすることで副反応が抑制され、収率がより向上する傾向がある。
塩基性化合物として有機塩基化合物を用いてもよい。有機塩基性化合物としては、1級アミンまたは2級アミンが好ましい。1級アミンまたは2級アミンは、化合物Bと反応して活性イミンとなって、化合物Cと反応することもできる。1級アミンまたは2級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン等が挙げられ、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン等の環状アミンが好ましい。立体障害が小さい環状アミンを用いることで、より効率的に反応が進行する。
有機塩基性化合物を用いた場合、化合物Bの1モルに対して0.2〜4モルが好ましい。また、化合物Cの1モルに対して、4モル以下が好ましく、3モル以下がより好ましく、2モル以下が更に好ましく、1.5モル以下が特に好ましい。また化合物Cの1モルに対して0.3モル以上が好ましく、0.5モル以上がより好ましく、0.7モル以上が特に好ましい。化合物Bと化合物Cのモル数が異なっている場合には、塩基性化合物の量は化合物Cを基準に決定する。有機塩基性化合物の使用量を上記の範囲とすることで副反応が抑制され、収率がより向上する傾向がある。
使用量が少なくても反応が効率よく進行する、反応後処理も容易である観点から、本発明における塩基性化合物は、無機塩基化合物が好ましい。
塩基性化合物は、そのままを用いてもよく、溶媒に溶解させて用いてもよい。該溶媒としては、後述する反応溶媒から選ばれる1又は2種以上の溶媒が挙げられる。
化合物Bと化合物Cとの反応は、これらの化合物を接触させることにより実施できる。接触は、一方の化合物を溶媒中に溶解させ、もう一方の化合物に添加する方法、溶媒中に化合物Bと化合物Cを添加して撹拌する方法等が挙げられる。また反応はバッチ式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。
化合物Bと化合物Cとの反応は、化合物B及び化合物Cの種類に応じて最適な条件を適用するのが好ましい。
化合物Bと化合物Cとの反応における反応温度、反応時間、反応圧力、反応雰囲気等の反応条件は、化合物B、化合物C、塩基性化合物及び溶媒の種類等により適宜変更されうる。通常の場合、反応温度の下限は40℃が好ましく、50℃がより好ましく、90℃が更に好ましく、100℃が特に好ましい。また反応温度の上限は160℃が好ましく、140℃がより好ましく、120℃が特に好ましい。
反応温度の下限が上記であれば、反応が速やかに進行しやすい。また、反応温度の上限が上記であれば、副生成物が生じにくい。
反応時間は、反応温度や反応圧力に依存するが、1〜30時間が好ましい。反応圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれでもよい。反応雰囲気は、大気雰囲気でも、窒素等の不活性ガス雰囲気でもよい。
化合物Bと化合物Cとの反応は、溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としてはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、t−アミルアルコール、ヘキサノール、オクタノール等のアルコール;トルエン、無水トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶剤等が好ましく挙げられる。溶媒としては、アルコール、芳香族炭化水素及び非プロトン性極性溶剤からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、アルコールが特に好ましい。
アルコールの炭素数は、1〜8が好ましく、2〜8がより好ましく、4〜6がさらに好ましい。また、アルコールは反応効率の観点から第3級アルコールが好ましく、t−アミルアルコールが特に好ましい。
化合物Fとヒドロキシルアミンとを溶媒中で反応させて化合物Cを得て、化合物Cを単離することなく、混合物の状態で化合物Bと反応させる場合には、化合物Cの製造溶媒と同一の溶媒を化合物Bと化合物Cとの反応に用いることが好ましい。
化合物Bと化合物Cとの反応で生成する水は、後述する理由から除去することが好ましいため、溶媒は水と共沸混合物を形成できる溶媒であることが好ましく、水と共沸混合物を形成できるアルコールであることがより好ましい。具体的には、溶媒としてはエタノール、t−ブタノール及びt−アミルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、後述する化合物Gの酸化工程に、化合物Bと化合物Cとの反応で使用する溶媒が混入する可能性があるが、当該酸化工程での副反応を抑制する観点から、3級アルコールがより好ましい。
溶媒の量は、化合物Bの体積に対して、0.2〜15倍量が好ましい。また化合物Cの体積に対して0.2〜15倍量が好ましく、1〜10倍量が特に好ましい。化合物Bと化合物Cの体積が異なる場合には、溶媒の量は化合物Cの量を基準に決定することが好ましい。
化合物Bと化合物Cとの反応では、水が生成する。生成した水を除去すると、反応の平衡を生成物側に移動させることができる。また、生成した水を除去すると、後述する中間生成物である化合物Dの加水分解反応等を抑制する効果もある。従って、本発明では、化合物Bと化合物Cとの反応を脱水しながら行うことが好ましい。脱水方法としては、公知ないしは周知の方法が採用でき、脱水剤を存在させる方法、共沸等により水を留去する方法が挙げられる。脱水剤としては、モレキュラーシーブ等を挙げることができる。また、化合物Bと化合物Cの反応において存在させる塩基性化合物が脱水作用を有する化合物である場合には、脱水剤を用いずとも脱水を行える。
化合物Bと化合物Cの反応では、オキサジアゾール誘導体Aを得るが、反応生成物中には、下記化合物Gが副生成物として生成する。式中のW、X、Y及びZは、前記と同じ意味である。
化合物Gは、化合物Bが還元された化合物である。本発明においては、オキサジアゾール誘導体Aと化合物Gを含む反応生成物から化合物Gを分離して除き、精製されたオキサジアゾール誘導体Aを得るのが好ましい。
化合物Gの生成メカニズムについては、次のように考えられる。すなわち、理論上、化合物Bの1モルと化合物Cの1モルとの反応により化合物Dが生成し、つぎに、塩基性化合物の存在下で化合物Bにより化合物Dが酸化されてオキサジアゾール誘導体Aを生成する。このとき化合物Dを酸化した化合物Bは還元されて化合物Gとなる、と考えられる。
効率的にオキサジアゾール誘導体Aを製造するには、化合物Bと化合物Cとの反応後にも反応系中に化合物Bが存在することが好ましい。よって、化合物Bと化合物Cの反応においては、化合物Bを理論量よりも多い量を用いるのが好ましい。具体的には、化合物Bは、化合物Cの1モルに対して1モルを超える量で反応させることが好ましく、1.5モル以上が好ましく、1.8モル以上がより好ましく、2.0モル以上がさらに好ましく、2.05モル以上が特に好ましい。また、経済面の点から、10モル以下が好ましく、5モル以下がより好ましく、3モル以下がさらに好ましい。
なお、このような化合物Dと化合物Bの酸化還元反応は、例えばカニッツァロ反応型の反応機構で進行すると考えられる。
本発明においては、化合物Dからオキサジアゾール誘導体Aへの酸化反応は、化合物Bが酸化剤として作用するが、必要に応じて、化合物B以外の酸化剤を併用してもよい。化合物B以外の酸化剤としては、後述の化合物Bと化合物Cとの反応に用いる酸化剤を使用することができる。
反応生成物から化合物Gを分離する方法としては、通常用いられる分離方法が適用できる。分離方法としては、分液、濾別、蒸留、再結晶、再沈殿、クロマト処理等の方法を挙げることができる。オキサジアゾール誘導体Aが固体であり、化合物Gが液体である場合の分離は、操作性の観点から、濾別および洗浄によるのが好ましい。
反応生成物から分離した化合物Gを酸化反応に供することにより、化合物Bとして回収でき、そして、当該化合物は、前記した化合物Bと化合物Cとの反応に再利用できる。この際、必要に応じて、新たに化合物Bを加えてもよい。このように、本発明では、化合物Gを有効利用することができ、製造方法の効率をより向上させることができる。
なお、化合物Gの酸化反応は文献記載の公知の方法(例えばOrganic Process Reserch & Development, 16(5), 1082-1089, 2012参照)により実施できる。化合物Gの酸化反応は、化合物Gと酸化剤とを接触させることで行うことができる。酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸塩、オキソン、過酸化水素、酸素等が挙げられる。化合物Gの酸化反応は、酸化鉄、硫酸鉄やロジウム触媒等の触媒の存在下で行なってもよい。化合物Gの酸化反応は、溶媒の存在下で行なってもよい。酸化剤の量は、酸化剤の種類等に応じて適宜変更でき、化合物Gの1モルに対して1モル以上が好ましく、1.1モル以上がより好ましく、1.2モル以上がさらに好ましい。酸化剤の量の上限は、化合物Gの1モルに対して10モルが好ましく、5モルがより好ましく、2モルがさらに好ましい。溶媒としては、水、酢酸エチル、クロロホルム等を挙げることができる。溶媒量は、化合物Gの体積に対して1〜10倍量が好ましく、特に3〜8倍量が好ましい。酸化反応の温度は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。また30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。反応時間は、反応温度や反応圧力に依存するが、1〜5時間が好ましい。反応圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、常圧または加圧が好ましい。反応圧力は、0.01〜0.5MPa(ゲージ圧)が好ましい。反応雰囲気は、大気雰囲気でも、窒素等の不活性ガス雰囲気でもよい。
化合物Bと化合物Cとの反応は、酸化剤の存在下に行ってもよい。酸化剤は、化合物Bと化合物Cの反応で生成する化合物Dの酸化反応に寄与する。
酸化剤としては、過酸化水素、二酸化マンガン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)、次亜塩素酸、ペルオキソ二硫酸カリウム、酸素、塩素等を挙げることができる。
酸化剤を用いる場合の添加時期は限定されず、酸化剤を予め存在する状態で化合物Bと化合物Cとを反応させてもよく、化合物Bと化合物Cとが存在する反応系中に酸化剤を添加してもよい。酸化剤の量は、酸化剤の種類等に応じて適宜変更でき、化合物Cの1モルに対して1モル以上が好ましく、1.5モル以上が特に好ましい。酸化剤の量の上限は、化合物Cの1モルに対して10モルが好ましく、5モルが特に好ましく、2モルがより好ましい。
酸化剤を使用する場合、化合物Bの量としては、化合物Cの1モルに対して、1モルを超える量が好ましく、1.05モル以上がより好ましく、1.1モル以上が特に好ましい。また、化合物Cの1モルに対して、3モル以下が好ましく、2.5モル以下が特に好ましい。
本発明においては、前述したように化合物Bもまた、酸化作用を有することから、酸化剤の使用は必須ではない。
本発明の製造方法の好ましい態様としては、以下の態様が挙げられる。
(1)化合物Bと化合物Cとを塩基性化合物の存在下で反応させるジオキサゾール誘導体Aの製造方法。
(2)化合物Bと化合物Cとを塩基性化合物の存在下で反応させてジオキサゾール誘導体Aと化合物Gを含む反応生成物を得て、当該反応生成物から、ジオキサゾール誘導体A及び化合物Gをそれぞれ単離する、ジオキサゾール誘導体A及び化合物Gの製造方法。
(3)(2)の方法における化合物Gを酸化して化合物Bを得て、当該化合物Bを化合物Cと塩基性化合物の存在下で反応させるジオキサゾール誘導体Aの製造方法。
(4)前記(1)〜(3)における化合物Cが、化合物Fとヒドロキシルアミンを反応させることにより製造される、ジオキサゾール誘導体Aの製造方法。
好ましい態様の概念を下式に示した。
本発明の製造方法においては、各化合物の使用前や次工程の前に、脱水処理や精製処理等の前処理を行ってもよく、反応後に単離処理や精製処理等を行ってもよい。
本発明の製造方法により得られたオキサジアゾール誘導体Aは、さらに精製処理して目的に応じた純度のオキサジアゾール誘導体Aとすることが好ましい。該精製処理の手法としては、公知ないしは周知の精製方法が適用でき、例えば、分液、濾別、蒸留、再結晶、再沈殿、クロマト処理等の方法が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、(C)を基準として、50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上の収率でオキサジアゾール誘導体Aを製造することが可能となる。
本発明の製造方法で得られるオキサジアゾール誘導体Aは、生理活性が高く、医薬、農薬分野において有用な化合物である。
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%はmol%を意味する。
[定量方法]
各実施例において、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた分析は、以下の条件により行った。
HPLCによる定量は以下の条件で行った。
装置:Agilent Technologies 1260 Infinity
カラム:YMC−Pack ODS−AM AM12S05−1546WT(150×4.6mmI.D.,S−5μm,12nm)
流量:0.6ml/min
溶離液:0.1%リン酸緩衝液(0.1%NEt+HPOaq):CHCN=50:50〜20:80(0−20min)、20:80(20−30min)
検出器:ダイオードアレイ検出器、測定波長:254nm
[実施例1]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(2−ホルミルチオフェン:1.02g、9.1mmol)及びエタノール(14mL;沸点78℃)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(1.25g、9.2mmol)及び炭酸カリウム(0.13g、0.94mmol)を加え、撹拌しながら30.5時間加熱還流した。析出した固体を濾取し、エタノールと水で洗浄することで、下式で表される3−フェニル−5−(チオフェン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール(以下、化合物A−1と記す。)を収率33%(チオフェン−2−カルボアルデヒドの量を基準とした。)で得た。
[実施例2]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(2.02g、18.0mmol)及びエタノール(9mL)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(1.23g、9.0mmol)及び水酸化カリウム(0.053g、0.95mmol)を加え、撹拌しながら30時間加熱還流した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率73%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例3]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(2.12g、18.9mmol)及びジメチルスルホキシド(9mL)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(1.23g、9.03mmol)及び水酸化カリウム(0.058g、1.03mmol)を加え、撹拌しながら78℃で30時間加熱した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率66%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例4]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(2.12g、18.9mmol)及びスルホラン(9mL)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(1.23g、9.00mmol)及び水酸化カリウム(0.12g、2.13mmol)を加え、撹拌しながら78℃で15時間加熱した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率90%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例5]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(42.7g、380mmol)及びt−アミルアルコール(39.9g)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(24.5g、180mmol)及び水酸化カリウム(2.42g、43.1mmol)を加え、モレキュラーシーブによる脱水処理をしながら1.5時間加熱還流した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率95%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例6]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(42.0g、375mmol)及びt−アミルアルコール(39.9g;沸点102℃)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(24.4g、179mmol)及び炭酸カリウム(4.98g、36.0mmol)を加え、モレキュラーシーブによる脱水処理をしながら3時間加熱還流した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率96%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例7]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(21.1g、188mmol)及びt−アミルアルコール(19.9g)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(12.2g、89.6mmol)及び水酸化カリウム(1.20g、21.4mmol)を加え、撹拌しながら30時間加熱還流した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率94%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例8]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(2.12g、18.9mmol)及びスルホラン(10.8g)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(1.22g、8.96mmol)及び水酸化カリウム(0.593g、10.6mmol)を加え、撹拌しながら78℃で4時間加熱した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率55%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例9]
ガラス製ナス型フラスコにベンズアミドオキシム(297g、2.18mol)、水酸化カリウム(11.7g、0.208mol)及びt−アミルアルコール(1.22kg)を入れて混合液を得た。撹拌しながら加熱還流して共沸脱水処理を行った。得られた混合液にチオフェン−2−カルボアルデヒド(446g、3.97mol)を加え、共沸脱水しながら3時間加熱還流した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率100%(チオフェン−2−カルボアルデヒドの半分の量を基準とした;ベンズアミドオキシムの量を基準とした収率で91%)で得られた。
[実施例10]
ガラス製ナス型フラスコにチオフェン−2−カルボアルデヒド(2.12g、18.9mmol)及びスルホラン(10.8g;8.6ml)を入れて混合液を得た。混合液にベンズアミドオキシム(1.22g、8.99mmol)及び水酸化カリウム(0.296g、5.27mmol)を加え、撹拌しながら78℃で4時間加熱した。HPLCによる定量の結果、化合物A−1が収率84%(ベンズアミドオキシムの量を基準とした。)で得られた。
[実施例11]
実施例9で得られた化合物A−1およびチオフェン−2−メタノールを含む溶液をろ別して、化合物A−1を97%(実施例9で使用したチオフェン−2−カルボアルデヒドの半分の量を基準とした。)の収率で得た。また、チオフェン−2−メタノールを反応使用時のチオフェン−2−カルボアルデヒド基準で46%回収した。回収したチオフェン−2−メタノールに対して次亜塩素酸ナトリウムを用いた酸化反応によりチオフェン−2−カルボアルデヒドを収率87%で得られた。
[実施例12]
ガラス製ナス型フラスコにベンゾニトリル(451g、4.38mol)及びt−アミルアルコール(951g)、水(241g)を入れて混合液を得た。混合液に50%ヒドロキシルアミン水溶液(360g、5.45mol)を加え、撹拌しながら50℃で3時間加熱して、ベンズアミドオキシムを含む溶液を得た。HPLCによる定量の結果、下式(C−1)で表されるベンズアミドオキシムが収率100%で得られた。
実施例9のベンズアミドオキシムを、得られたベンズアミドオキシム溶液に変更して、実施例9と同様の反応を行った。生成物をHPLCで分析した結果、化合物A−1が収率100%(チオフェン−2−カルボアルデヒドの半分の量を基準とした。)で得られた。
[実施例13]
実施例11で得られたチオフェン−2−カルボアルデヒドを実施例12の市販品のそれと変更して実施例12と同様の反応を行った。生成物をHPLCで分析した結果、化合物A−1が収率100%(チオフェン−2−カルボアルデヒドの半分の量を基準とした。)で得られた。
[実施例14〜16]
塩基性化合物としてピペリジンを用い、溶媒の種類と、それぞれの仕込比率、反応時間を変更する以外は、実施例10と同様にして反応を実施した。結果をまとめて、表1に示す。
本発明によれば、簡便な操作方法で実施でき、かつ生産効率にも優れる1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法が提供される。
本出願は、日本で2015年3月6日に出願された特願2015−044489号および2015年11月16日に出願された特願2015−223822号を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。

Claims (15)

  1. 下式(B)で表される化合物と下式(C)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させることを特徴とする、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法。
    (式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=、又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
  2. 下式(B)で表される化合物と下式(C)で表される化合物とを塩基性化合物の存在下で反応させて、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体とともに下式(G)で表される化合物を含む反応生成物を得て、当該反応生成物から下式(G)で表される化合物を分離して除くことを特徴とする、下式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体の製造方法。
    (式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=、又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
  3. 式(G)で表される化合物を酸化反応に供して式(B)で表される化合物を得て、当該化合物を式(C)で表される化合物と反応させる、請求項2に記載の製造方法。
  4. 式(B)で表される化合物が、下式(B)で表される化合物であり、かつ式(A)で表される1,2,4−オキサジアゾール誘導体が、下式(A)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
    (式中、Arは請求項1と同じ意味を示す。)
  5. Arが、フェニル基又は置換基を有するフェニル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 式(B)で表される化合物と式(C)で表される化合物との反応を、溶媒の存在下に行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 式(B)で表される化合物と式(C)で表される化合物との反応を、脱水しながら行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 式(C)で表される化合物の1モルに対して、式(B)で表される化合物を、1モルを超える量で反応させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 塩基性化合物が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機塩基性化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 無機塩基性化合物を、式(C)で表される化合物の1モルに対して、2モル以下使用する、請求項9に記載の製造方法。
  11. 塩基性化合物が、有機塩基性化合物であり、有機塩基性化合物を、式(C)で表される化合物の1モルに対して、0.3モル以上使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 下式(F)で表される化合物とヒドロキシルアミンとの反応により、式(C)で表される化合物を得た後、当該化合物を式(B)で表される化合物と反応させる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
    (式中、Arは請求項1と同じ基を表す。)
  13. 式(C)で表される化合物を脱水処理した後に、式(B)で表される化合物と反応させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 式(F)で表される化合物とヒドロキシルアミンとを溶媒中で反応させて、式(C)で表される化合物と溶媒との混合物を得て、当該混合物を式(B)で表される化合物と反応させる、請求項12または13に記載の製造方法。
  15. 下式(B)で表される化合物と下式(C)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させることを特徴とする、下式(G)で表される化合物の製造方法。
    (式中、Arは芳香族基または置換基を有する芳香族基を表す。W、X、Y及びZはそれぞれ独立して、−S−、−N=、−CH=、又は−CR=を表し、かつW、X、Y及びZから選ばれる1つは−S−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
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