JP5955536B2 - 開閉装置及び該開閉装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このような構成の開閉装置として、例えば特許文献1に記載される発明では、左右の側板(ブラケット14,14)の間に、複数の支持鋼(20a〜20d)等を固定して、略籠状の骨組みを構成し、この骨組みの上下面及び手前面をカバー本体により覆うことで、略直方体状の収納ケースを構成している。
そこで、前記支持鋼を省き、両側板とカバー本体のみによって収納ケースを構成することが提案されるが、強度的な問題を解消しなければならず、工夫を要する。
収納ケースの強度を、該収納ケースと一体の補強部材によって十分に保持することができる上、メンテナンスの際には、カバー板と一緒に補強部材を外すことができるため、補強部材がメンテナンスの邪魔になるようなことを防ぐことができる。また、予め支持鋼を骨組みしなければならない従来技術と比較して、製造性が良好である。
すなわち、この独立した発明は、面方向へスライドして開閉動作する開閉体と、前記開閉体をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納ケースとを備えた開閉装置において、前記収納ケースにおける開閉体閉鎖方向側の内面には、開閉体幅方向へ連続する補強部材が一体的に固定され、この補強部材は、電気配線を挿通するための電線挿通空間を形成していることを特徴とする。この発明の更に好ましい形態としては、補強部材は、第2のカバー板に固定される補強部材は、第2のカバー板の内面側から突出して電気配線を断面略コ字状に囲むように形成されていることを特徴とする。
これら独立した発明によれば、メンテナンスの際に、作業者等が収納ケース内の電線に触れてしまったり、巻軸等の駆動部分が電線等に干渉してしまうのを防ぐことができる。
前記収納ケースは、開閉体幅方向の両側に位置する二つの側板と、前記両側板間における開閉体開放方向側の端部間を閉鎖する第1のカバー板と、前記両側板間における開閉体厚さ方向の一端部間を閉鎖する第3のカバー板と、を具備し、
第3のカバー板を装着する際には、第3のカバー板の上端側を第1のカバー板に掛けた状態で、第3のカバー板を開閉体開放方向へ移動することで、第1のカバー板の弛みを矯正し、この矯正状態のまま、第3のカバー板を、先に組み立てた前記側板又は第2のカバー板に固定するようにした。
この独立した発明によれば、製造中や、メンテナンス後の組立作業中に、第1のカバー部材の弛みを容易に矯正することができる。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、上記開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、上記開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
また、本明細書中において開閉体の「面方向」とは、閉鎖状態で開閉体の表面又は裏面が連続する方向を意味し、この方向には、前記開閉体開閉方向及び前記開閉体幅方向を含む。
この開閉装置1は、面方向(図示例によれば上下方向)へスライドして開閉動作する開閉体10と、開閉体10の幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10をその開放方向側(図示例によれば上方側)で収納したり繰り出したりする収納部30とを備える。
この座板部12は、開閉体10の全開状態において、収納ケース31内に収納される(図1参照)。
収納ケース31を構成する各部の材質は、金属材料とすればよいが、硬質合成樹脂材料やその他の硬質材料とすることも可能である。
前端側(図1によれば左端側)の曲げ部31c11は、収納ケース31の撓みを抑制する補強部として作用する他、後述する補強部材31c2を位置決めするための位置決め部材としても作用する。また、この曲げ部31c11には、開閉体幅方向の中央寄りに止着具42が止着される。
前記止着具42は、頭部と首下部を有するネジ又はボルト等であり、前記首下部を第1のカバー板31cにおける前端部に螺合して止着され、後述する第3のカバー板31eに掛止される被掛止部として作用する。なお、特に好ましい本実施例によれば、止着具42は、第1のカバー板31cにおける前端部に螺合され、さらに補強部材31c2にも螺合され止着されている。
また、後端側(図1によれば右端側)の曲げ部31c12は、収納ケース31の撓みを抑制する補強部として作用する他、躯体壁面等の不動部位に当該収納部30を止着固定するための止着部としても作用する。
なお、前記「前」及び前記「後」の意味は、開閉体厚さ方向における一方向側と他方向側を意味し相対的なものであるが、本実施例においては、収納部30の第4のカバー板31fが取り付けられている躯体の位置する側が「後」であり、この反対側が「前」であるとして説明している。本実施例においては、収納ケース31を製造したり該収納ケース31を躯体に取付けたりする際には、前側から作業を行うのが効率的である。
一方の補強部材31c2は、曲げ部31c11の内側に寄せて配置される。この補強部材31c2の開閉体閉鎖方向側の面(図示例によれば下面)は、後述する第3のカバー板31eが装着される際に、第3のカバー板31eの上端側の当接片部31e4によって当接される被当接面31c21として作用する(図6参照)。
他方の曲げ部31c11は、補強部材31c2に対し開閉体厚さ方向に間隔を置いて、収納部30内の後寄り(図1によれば右寄り)に配置される。
この底板部31d1における第1の軸体32寄り(図1によれば右寄り)には、貫通孔31d1aが設けられる。この貫通孔31d1aは、後述するセンサ35の非感知媒体を通過させるための窓部として用いられる。
他方(図1によれば右側)の曲げ部31d12は、底板部31d1の後端側を断面略コ字状に曲げ加工してなり、上端に第2のカバー板31dの底面(下面)に対し略平行し且つ補強部材31d3へ向くように曲げられた覆い部31d12aを有する。また、曲げ部31d12の後方の外側(図1によれば右側)は、ガイドレール20及び開閉体10を上下に挿通する開口部30aとなっている。
前記覆い部31d12aは、収納ケース31内に挿通される電気配線wの上方を覆っており、メンテナンス等の際に電気配線wが後方の開口部30a側へはみ出てしまうようなことを防ぐ。
より詳細に説明すれば、この補強部材31d2は、第2のカバー板31dの曲げ部31d11に重ね合わせられる断面略逆へ字状の底部31d21と、該底部31d21の前端から後方へ向かって突出するとともにその突端部を下方へ曲げた断面形状の第1覆い部31d22と、前記底部31d21の後端から上斜め前方へ向かって突出するとともにその突端部を底部31d21と略平行になるように曲げた断面形状の第2覆い部31d23とからなり、これら底部31d21、第1覆い部31d22及び第2覆い部31d23で囲まれる空間を、開閉体幅方向へわたって電気配線wを挿通する電線挿通空間sとしている。
そして、この補強部材31d2は、第2のカバー板31d前端側の曲げ部31d11に嵌め合せられることで位置合わせされ、リベット止めや、溶接等の止着手段によって、第2のカバー板31dに対し固定されている。
また、この補強部材31d2は、第2の軸体33の真下よりも前方へずれた位置に配置されることで、第2の軸体33に巻かれた開閉体10が垂れ下がって電気配線wに干渉したり、開閉体10に付着した結露水が電気配線wに落下したり等するようなことを防ぐ。
また、この補強部材31d2の曲げ部31d11における開閉体幅方向の中央側には、第3のカバー板31e及び第2のカバー板31dに挿通された止着具41が螺合される。
より詳細に説明すれば、この補強部材31d3は、底板部31d1の内面に重ね合わせられてリベット止めや溶接等の止着手段によって止着される止着片部31d31と、該止着片部31d31から突出するとともにその突端部を後方へ曲げた断面形状の覆い部31d32とから一体に構成され、覆い部31d32を第2のカバー板31dの覆い部31d12aに対し前方へ間隔を置いて対向させている。
そして、この補強部材31d3は、第2のカバー板31dの覆い部31d12aと協働して、開閉体幅方向へわたって挿通された電気配線wを開閉体厚さ方向の両側から囲み、電線挿通空間sを確保している。
この第1の軸体32は、第2の軸体33よりも大径に形成されている。この構成によれば、第1の軸体32が第2の軸体33よりも低速に回転しながら開閉体10と係脱するため、その係脱の際の振動や騒音等を軽減することができる。
なお、図示を省略するが、この第1の軸体32の内部又は外部には、該第1の軸体32を双方向へ駆動回転させるための駆動機構(例えば、電動モータや該電動モータの回転を第1の軸体32に伝達する回転伝達機構等)が具備されている。
この配置によれば、開放動作した際の開閉体10が、その開放方向に交差する下り傾斜方向へ導かれるため、開閉体10を自重及び慣性等の作用によってスムーズに第2の軸体33に巻き取らせることができ、また、開閉体10を閉鎖動作させる際には、第2の軸体33の繰出し抵抗によって、その閉鎖速度を抑制することができる。
収納ケース31を製造する際、左右の側板31a,31b間に、先ず、第1のカバー板31c,第2のカバー板31d,第4のカバー板31fを組み付け,これらに対し、前方側から第3のカバー板31eを止着する。
この際、第1のカバー板31c前端部に止着具42を緩めに仮止めし、該止着具42に対し第3のカバー板31eにおける掛止部31e5の脱着孔31e51(図5参照)を環状に挿入し、該脱着孔31e51を止着具42の首下部に掛ける。この状態では、図6(a)に示すように、第3のカバー板31eの開閉体幅方向の中央寄りが、該第3のカバー板31eの自重及び第3のカバー板31eの重量によって下方へ撓み、第3のカバー板31eの当接片部31e4と、第1のカバー板31c前端の補強部材31c2(詳細には被当接面31c21)との間には、隙間yが形成される。
この矯正状態のまま、上下の止着具41,42を締め付け、第3のカバー板31eを図示しない止着具(例えばボルトやネジ等)によって左右の側板31a,31bに止着すれば、第1のカバー板31cの弛みを解消した状態で、第3のカバー板31eが、両側板31a,31b、第1のカバー板31c及び第2のカバー板31dに固定され、収納ケース31が完成する。
また、第2のカバー板31dの補強部材31d2,31d3によって電気配線wを保護するようにしているため、メンテナンス時に作業者の手が電気配線wに接触したり、駆動部分が電気配線wに接触したり等して、電気配線wが損傷したり外れたり等するのを防ぐことができる。
また、製造時には、天板部31c1が弛んだ場合でも、その弛みを第3のカバー板31eの装着によって矯正して、弛みのない状態で収納ケース31を完成することができる。
また、第1の軸体32を収納ケース31内の上部側に配置したため、収納ケース31内の下部側に座板部12を収納できる上、同下部側に制御回路部34やセンサ35を配設することができ、特に、センサ35を目立つことなく体裁良く収納ケース31内に設けることができる。
また、第2の軸体33を収納ケース31内の上部側に配置したため、第2の軸体33に巻かれた開閉体10が垂れ下がって第2のカバー板31dに干渉するのを防ぐことができる。
また、第1の軸体32と第2の軸体33の外径の関係、及びこれらの位置関係等により、上述したように、第1の軸体32周りの振動騒音を低減したり、巻取動作をスムーズにしたり、開閉体10の閉鎖動作に適宜な抵抗を加えたり等することができる。
31:収納ケース 32:第1の軸体
33:第2の軸体 31a,31b:側板
31c:第1のカバー板 31d:第2のカバー板
31e:第3のカバー板 31f:第4のカバー板
31c2,31c3,31d2,31d3:補強部材
31e5:掛止部 31e51:脱着孔
31e52:締付孔 34:制御回路部(制御機器)
35:センサ(制御機器) 41,42:止着具
s:電線挿通空間 w:電気配線
Claims (8)
- 面方向へスライドして開閉動作する開閉体と、前記開閉体をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納ケースとを備えた開閉装置において、
前記収納ケースは、開閉体幅方向の両側に位置する二つの側板と、前記両側板間における開閉体開放方向側の端部間を閉鎖する第1のカバー板と、前記両側板間における開閉体閉鎖方向側の端部間を閉鎖する第2のカバー板と、前記両側板間における開閉体厚さ方向の一端部間を閉鎖する第3のカバー板と、前記両側板間における開閉体厚さ方向の他端部間を閉鎖する第4のカバー板と、を具備し、
これら第1乃至4のカバー板のうち、少なくとも何れか一つには、開閉体幅方向へ連続する補強部材が一体的に固定され、
第1のカバー板における開閉体幅方向の中央寄りに、頭部と首下部を有する止着具を止着し、第3のカバー板における開閉体開放方向寄りには、前記止着具に掛止するための掛止部を設け、
前記掛止部は、前記止着具の頭部を挿通可能な脱着孔と、前記頭部及び前記脱着孔よりも小径な締付孔とを開閉体開閉方向に連結するとともに、前記脱着孔を前記締付孔よりも開閉体開放方向側に配置してなり、
前記止着具は、前記首下部を前記締付孔に挿通した状態で締め付けられていることを特徴とする開閉装置。 - 第2のカバー板は、開閉体厚さ方向の一端側である前端側とその反対側である後端側にそれぞれ補強部材を備え、前記後端側の補強部材よりもさらに後端側に開閉体幅方向へわたる曲げ部を有し、
前記曲げ部は、第2のカバー板を構成する平板状の底板部の後端側を断面略コ字状に曲げた形状であり、その上端に、前記底板部に対し略平行し且つ前記後側の補強部材へ向く覆い部を有し、前記曲げ部の後方には、前記開閉体を上下に挿通する開口部が設けられ、
前記後端側の補強部材は、第2のカバー板の後端側において、前記底板部の内面に重ね合わせられて止着される止着片部と、該止着片部から上方へ突出するとともにその突端部を後方へ曲げた断面形状の覆い部とから構成され、この覆い部を第2のカバー板の前記覆い部に対し前方へ間隔を置いて対向させていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。 - 前記底板部における前記後端側の補強部材の近傍かつ前側には、貫通孔と、該貫通孔を介して開閉体近傍又は開閉体下方側の物体を感知するセンサが設けられていることを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
- 前記底板部における前記後端側の補強部材の近傍かつ前側には、制御回路部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の開閉装置。
- 前記補強部材によって、電気配線を挿通するための電線挿通空間を形成したことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
- 面方向へスライドして開閉動作する開閉体と、前記開閉体をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納ケースとを備えた開閉装置において、
前記収納ケースは、開閉体幅方向の両側に位置する二つの側板と、前記両側板間における開閉体開放方向側の端部間を閉鎖する第1のカバー板と、前記両側板間における開閉体閉鎖方向側の端部間を閉鎖する第2のカバー板と、前記両側板間における開閉体厚さ方向の一端部間を閉鎖する第3のカバー板と、前記両側板間における開閉体厚さ方向の他端部間を閉鎖する第4のカバー板と、を具備し、
これら第1乃至4のカバー板のうち、少なくとも何れか一つには、開閉体幅方向へ連続する補強部材が一体的に固定されている開閉装置について、
第3のカバー板を装着する際には、第3のカバー板の上端側を第1のカバー板に掛けた状態で、第3のカバー板を開閉体開放方向へ移動することで、第1のカバー板の弛みを矯正し、この矯正状態のまま、第3のカバー板を、先に組み立てた前記側板又は第2のカバー板に固定するようにしたことを特徴とする開閉装置の製造方法。 - 第1のカバー板における開閉体幅方向の中央寄りに、頭部と首下部を有する止着具を予め止着し、第3のカバー板における開閉体開放方向寄りには、前記止着具に掛止するための掛止部を設け、
前記掛止部は、前記止着具の頭部を挿通可能な脱着孔と、該脱着孔よりも小径であって前記止着具の首下部を挿通可能な締付孔とを開閉体開閉方向に連結するとともに、前記脱着孔を前記締付孔よりも開閉体開放方向側に配置してなり、
第3のカバー板を装着する際には、第3のカバー板における前記脱着孔を、第1のカバー板に止着された前記止着具の首下部に掛けた状態で、第3のカバー板を開閉体開放方向へ移動し、前記締付孔を前記止着具の首下部に嵌め合せるとともに、この際に移動する第3のカバー板によって第1のカバー板の弛みを矯正し、この矯正状態のまま、前記止着具を締め付けるとともに、第3のカバー板を、先に組み立てた前記側板又は第2のカバー板に固定するようにしたことを特徴とする請求項6記載の開閉装置の製造方法。 - 第3のカバー板の開閉体開放方向寄りに、前記収納ケース内へ向かって突出する当接片部を設け、
第3のカバー板を装着する際には、開閉体開放方向へ移動する第3のカバー板の前記当接片部を、第1のカバー板に当接させることで、第1のカバー板の弛みを矯正するようにしたことを特徴とする請求項6又は7記載の開閉装置の製造方法。
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