ところで、上述したシャッターケースを施工する(組み立てる)作業のうち、シャッターケースを構成する構造体の棒状部材に面状部材を取り付ける作業は、従来、1人の作業者が面状部材を棒状部材に取り付ける位置まで持ち上げた状態で(持ち上げながら)、もう1人の作業者が面状部材を棒状部材に取り付ける(例えば、ビス等の結合具で結合する)というものであり、労力が掛かるものであった。
このため、施工作業をより少ない労力で行えるシャッターケース及びその施工方法の工夫が求められている。
本発明の目的は、施工作業をより少ない労力で行えるようになるシャッター装置のシャッターケース及びその施工方法を提供するところにある。
本発明に係るシャッター装置のシャッターケースは、開閉移動するシャッターカーテンを収納するための収納空間が内部に設けられている構造体が、棒状部材と、この棒状部材に取り付けられ、前記構造体の表面を形成する面状部材とを含んで構成されるシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記面状部材には、前記棒状部材に係止可能な係止部が設けられていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係るシャッター装置のシャッターケースでは、開閉移動するシャッターカーテンを収納するための収納空間が内部に設けられている構造体を構成し、この構造体の表面を形成する面状部材には、前記構成体を構成し、この面状部材が取り付けられる棒状部材に係止可能な係止部が設けられている。
これにより、シャッターケースを施工する(組み立てる)作業のうち、シャッターケースを構成する構造体の棒状部材に面状部材を取り付ける作業において、作業者は、まず面状部材を持ち上げてこの面状部材に設けられた係止部を棒状部材に係止させ、面状部材を棒状部材に係止させた状態とすることができる。この後、作業者は、面状部材を棒状部材に取り付ける(例えば、ビス等の結合具で結合する)作業に専念することができる。
すなわち、本発明では、シャッターケースを施工する作業のうち、シャッターケースを構成する構造体の棒状部材に面状部材を取り付ける作業において、前述した従来のように、1人の作業者が面状部材を棒状部材に取り付ける位置まで持ち上げた状態で(持ち上げながら)、もう1人の作業者が面状部材を棒状部材に取り付けるということをしなくて済むようになり、棒状部材に面状部材を取り付けるためのこれらの作業を1人の作業者でも行うことができるようになる。
このため、本発明によると、シャッターケースの施工作業をより少ない労力で行えるようになる。
本発明において、面状部材に設ける係止部の形状、構造は、棒状部材に係止可能となるものであれば任意なものでよく、また、面状部材に係止部を設ける位置(箇所)も、棒状部材に係止可能となるものであれば任意な位置でよい。
面状部材に設ける係止部の一例として、面状部材の端部に設けた折り曲げ部を挙げることができる。
ここで、面状部材の端部とは、面状部材の上端部でもよく、側端部である左端部や右端部でもよく、下端部でもよく、これらの複合(組合せ)でもよい。
なお、係止部は、上述した面状部材の端部の折り曲げ加工によるものでもよく、押し出し加工(成形)や引き抜き加工(成形)によるものでもよく、面状部材とは別体となっていてこの面状部材の端部に取り付けられるもの(例えば、フック部材)であってもよい。
本発明に係る係止部を、上述したように、面状部材の端部に設けた折り曲げ部とした場合には、面状部材には、棒状部材に載置される被載置部を設け、折り曲げ部は、この被載置部から折り曲げられた部分としてもよい。
これによると、面状部材に棒状部材に取り付けるために、作業者が、まず面状部材を持ち上げ、この面状部材に設けられた被載置部を棒状部材に載置することにより、面状部材が棒状部材から吊り下げられた状態となるとともに、この面状部材に設けられた係止部となっている折り曲げ部が棒状部材に係止された状態となる。言い換えると、作業者が、面状部材に設けられた被載置部を棒状部材に載置することにより、面状部材の棒状部材への取付位置が決定又は略決定された状態となる。
この後、作業者は、棒状部材から吊り下げられた状態となっている面状部材を棒状部材に取り付ける作業に専念することができる。
本発明において、上述したように、面状部材には、棒状部材に載置される被載置部を設け、折り曲げ部は、この被載置部から折り曲げられた部分とした場合において、棒状部材には、面状部材の被載置部が載置する載置部を設け、この載置部は、下向きに延びる下方延出部を有するものとし、面状部材の被載置部も、棒状部材の載置部の下方延出部と対向していて下向きに延びる下方延出部を有するものとし、この下方延出部を折り曲げ部とするようにしてもよい。
これによると、面状部材の被載置部が棒状部材の載置部に載置することにより、面状部材が棒状部材から吊り下げられた状態となるとともに、この面状部材の被載置部の下方延出部が棒状部材の載置部の下方延出部に係止された状態となる。
以上の本発明において、係止部は、構造体の長さ方向である面状部材の幅方向全長又は略全長に渡って設けてもよく、設けなくてもよい。
後者の場合には、係止部は、例えば、面状部材の幅方向両端部に設けるようにしてもよく、面状部材の幅方向途中部に複数個設けるようにしてよく、面状部材の幅方向両端部に設けるとともに、面状部材の幅方向途中部に1個又は複数個設けるようにしてよい。なお、複数個の係止部は、所定の間隔をおいて設けるようにしてもよく、しなくてもよい。
以上の本発明において、開閉移動するシャッターカーテンを収納するための収納空間が内部に設けられている構造体の表面は、前表面部と、底表面部と、上表面部と、左右の側表面部とを有するものとしてもよく、さらに、後表面部を有するものとしてもよい。
前者の場合には、面状部材を、前表面部と、底表面部と、上表面部と、左右の側表面部とのうち、少なくとも前表面部を形成する部材とし、係止部を、面状部材における前表面部の上端部の折り曲げにより形成したものとしてもよい。
本発明において、シャッターカーテンは、巻取軸によって巻き取られ、繰り出されるものであってもよく、なくてもよい。
また、本発明において、棒状部材を架け渡す場所は、任意な場所でよい。シャッターカーテンが、上述したように、巻取軸によって巻き取られ、繰り出されるものである場合には、棒状部材は、シャッター装置が設置されている構築物の躯体に結合されていて巻取軸の端部を支持する左右一対のブラケットに架け渡すようにし、この架け渡されている部分は、左右のブラケットにおける躯体側と反対側である前端部の上部としてもよい。
上述したように、構造体の表面が、前表面部と、底表面部と、上表面部と、左右の側表面部とを有するものとし、面状部材を、前表面部と、底表面部と、上表面部と、左右の側表面部とのうち、少なくとも前表面部を形成する部材とし、係止部を、面状部材における前表面部の上端部の折り曲げにより形成したものとした場合において、前記面状部材を第1面状部材とすると、上表面部を形成する第2面状部材を有するものとし、この第2面状部材には、第1面状部材の係止部の外側を覆う覆い部を設けるようにしてもよい。
これによると、上表面部を形成する第2面状部材に雨水が流れ込んだとしても、この第2面状部材に設けられた覆い部により、第1面状部材の係止部に雨水が流れ込むことが防止される。すなわち、これによると、第1面状部材の係止部に対する雨仕舞いが適切に行われるようになる。
なお、第1面状部材は、構造体の前表面部と底表面部を形成するものであってもよく、構造体の前表面部と底表面部と左右の側表面部を形成するものであってもよい。この場合において、第1面状部材は、1個(1枚)の面状部材の折り曲げにより形成するものであってもよく、複数個の面状部材の溶着等により形成するものであってもよい。
また、第2面状部材は、構造体の上表面部と左右の側表面部を形成するものであってもよい。この場合においても、第2面状部材は、1個(1枚)の面状部材の折り曲げにより形成するものであってもよく、複数個の面状部材の溶着等により形成するものであってもよい。
なお、構造体の左右の側表面部は、第1及び第2面状部材とは別部材となっている第3面状部材で形成されるものであってもよい。
本発明において、シャッターケースの長さ方向となる構造体の長さ方向の寸法が大きいものとなる場合には、構造体の前表面部、上表面部、底表面部のそれぞれは、複数個の面状部材を構造体の長さ方向(言い換えると、面状部材の幅方向)に並設して形成するようにしてもよい。
これによると、1個当りの面状部材の重量が小さくなるため、作業者は、面状部材の係止部を棒状部材に係止する作業を、構造体の前表面部、上表面部、底表面部のそれぞれを1個の面状部材で形成した場合と比較して、より楽に行うことができる。
また、本発明において、棒状部材の形状、構造は、任意なものでよく、例えば、チャンネル部材でもよく、断面形状が方形や円形となっている柱状部材でもよく、断面形状が方形や円形となっている筒状部材等でもよい。
なお、チャンネル部材とは、リップ部を有するものであってもよく、なくてもよい。前者の場合には、リップ部を有するチャンネル材の形状、構造は、具体的には、底部と、この底部の幅方向両端から平行に立ち上がった一対の壁部と、それぞれの壁部の上端に互いに近づく方向に水平に延出した一対のリップ部と、を有するものである。このリップ部を有するチャンネル材は、上向きに開口した状態で架け渡されるものでもよく、下向きに開口した状態で架け渡されるものでもよく、横向きに開口した状態で架け渡されるものでもよい。
なお、本発明において、前述したように、シャッター装置が設置されている構築物の躯体に結合されていて巻取軸の端部を支持する左右一対のブラケットにおける左右のブラケットにおける躯体側と反対側である前端部の上部に架け渡した棒状部材を第1棒状部材とすると、左右のブラケットにおける躯体側である後端部の上部に第2棒状部材を架け渡すようにしてもよい。
これによると、構造体の剛性をより高めることができる。
本発明に係るシャッター装置のシャッターケース施工方法は、開閉移動するシャッターカーテンを収納するための収納空間が内部に設けられている構造体が、棒状部材と、この棒状部材に取り付けられ、前記構造体の表面を形成する面状部材とを含んで構成されるシャッター装置のシャッターケース施工方法であって、前記面状部材に設けられている係止部を前記棒状部材に係止する工程と、前記面状部材を前記棒状部材に取り付ける工程と、を含んでいることを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係るシャッター装置のシャッターケース施工方法では、開閉移動するシャッターカーテンを収納するための収納空間が内部に設けられている構造体を構成し、この構造体の表面を形成する面状部材に設けられている係止部を棒状部材に係止する工程が実施された後、面状部材を棒状部材に取り付ける工程が実施される。
これにより、シャッターケースを施工する(組み立てる)作業のうち、シャッターケースを構成する構造体の棒状部材に面状部材を取り付ける作業において、作業者は、まず面状部材を持ち上げてこの面状部材に設けられた係止部を棒状部材に係止させ、面状部材を棒状部材に係止させた状態とすることができる。この後、作業者は、面状部材を棒状部材に取り付ける(例えば、ビス等の結合具で結合する)作業に専念することができる。
すなわち、本発明では、シャッターケースを施工する作業のうち、シャッターケースを構成する構造体の棒状部材に面状部材を取り付ける作業において、前述した従来のように、1人の作業者が面状部材を棒状部材に取り付ける位置まで持ち上げた状態で(持ち上げながら)、もう1人の作業者が面状部材を棒状部材に取り付けるということをしなくて済むようになり、棒状部材に面状部材を取り付けるためのこれらの作業を1人の作業者でも行うことができるようになる。
このため、本発明によると、シャッターケースの施工作業をより少ない労力で行えるようになる。
本発明に係るシャッター装置のシャッターケース施工方法において、構造体の表面が、前表面部と、底表面部と、上表面部と、左右の側表面部とを有するものとし、面状部材が、前表面部と、底表面部と、上表面部と、左右の側表面部とのうち、少なくとも前表面部を形成する部材となっているものとし、係止部を、面状部材における前表面部の上端部の折り曲げにより形成したものとし、棒状部材が架け渡される左右一対のブラケットをシャッター装置が設置されている構築物の躯体に結合する工程と、左右のブラケットにおける躯体側とは反対側である前端部の上部に棒状部材を架け渡す工程と、が含まれるようにし、これらの工程が実施された後に、上述したように、面状部材に設けられている係止部を棒状部材に係止する工程と、面状部材を棒状部材に取り付ける工程とが実施されるようにしてもよい。
ここで、棒状部材が架け渡される左右一対のブラケットは、棒状部材を架け渡すためだけのもの(すなわち、棒状部材の架け渡し専用のもの)であってもよく、他の部材を支持するとともに、棒状部材を架け渡すものであってもよい。
後者の場合には、例えば、シャッターカーテンが巻取軸によって巻き取られ、繰り出されるものである場合には、この巻取軸の端部を支持するためのものであってもよく、なくてもよい。
以上の本発明において、シャッター装置が設置される構築物は、車庫でもよく、住宅やビル等の建築物でもよい。また、シャッター装置は、車庫用シャッター装置でもよく、店舗等の出入口用シャッター装置でもよく、防災用シャッター装置でもよく、オーニング装置でもよく、防煙垂れ壁装置でもよく、オーバースライディングドア(オーバーヘッドドア)装置でもよく、任意の用途のシャッター装置でよい。
また、本発明において、構築物の躯体は、壁でもよく、柱や梁等の構造材でもよく、任意の材料による躯体でよい。
さらに、シャッターカーテンは任意の部材で形成されたものでよく、この部材は、スラットやパネルでもよく、また、シートや、リンク部材で連結されたパイプ等の棒状の部材でもよく、また、ネット部材等でもよく、あるいは、複数の種類の部材を組み合わせたものでもよい。
本発明によると、シャッター装置のシャッターケースの施工作業をより少ない労力で行えるようになるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテンで開閉される開口部が車両出入口となっている車庫用シャッター装置であり、図1には、この車庫用シャッター装置の全体の正面図が示されている。
車庫用シャッター装置のシャッターカーテン1は、多数のスラット2が上下に連設されることにより形成されているとともに、シャッターカーテン1の左右両端部は、構築物である車庫の躯体となっている壁3に取り付けられた左右のガイドレール4の内部に上下スライド自在に挿入され、これらのガイドレール4に案内されてシャッターカーテン1が上下に移動することにより、壁3に形成された開口部となっている車両出入口5が開閉される。
壁3には、車両出入口5の上側において、本発明の一実施形態に係るシャッターケース6が設置されており、このシャッターケース6の内部に巻取軸7が回転自在に収納され、シャッターケース6の下面に配置されている外まぐさ部材と内まぐさ部材との間のスリットからシャッターカーテン1がシャッターケース6の内部に挿入されていて、シャッターカーテン1の上端部が巻取軸7に結合されているため、巻取軸7がシャッターケース6の内部に配置されている開閉機で回転することにより、あるいは、シャッターカーテン1の下端部を形成している座板8等に人為的な引き上げ力や引き下げ力を作用させて巻取軸7が回転することにより、シャッターカーテン1は、巻取軸7の巻き取り、繰り出しによって車両出入口5を開閉する上下の開閉移動を行う。
なお、巻取軸7に、シャッターカーテン1が下方へ閉じ移動するときの巻取軸7の正回転によりばね力が蓄圧されるリターンばねを配置し、シャッターカーテン1が上方へ開き移動するための巻取軸7の逆回転を、このリターンばねの蓄圧されたばね力によって補助するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、シャッターカーテン1は、巻取軸7によって巻き取られ、繰り出されるものとなっている。
図2は、図1で示されているシャッターケース6を示しており、また、図3は、このシャッターケース6の骨組みを示しており、図4は、この骨組みの底面図である。
本実施形態では、シャッターケース6は、シャッターカーテン1や巻取軸7等を収納するための収納空間が内部に設けられている構造体となっており、この構造体は、図2に示されている構造体の表面を形成する面状部材である化粧パネル9と、図3や図4に示されている構造体の骨組みを形成する左右のブラケット10、これらのブラケット10に架け渡されている棒状部材である横部材11,12、外まぐさ部材13、内まぐさ部材14、帯状部材である補強部材15,16とを含んで構成されるものとなっている。なお、これらの部材10〜16の形状、構造についての具体的な説明は後述する。
上述したように、構造体の表面を形成する化粧パネル9は、図2に示されているように、第1化粧部材41と、第2化粧部材42と、左右一対の第3化粧部材43とを含んで構成されるものとなっており、第1化粧部材41が構造体の表面のうちの前表面部と底表面部を形成し、第2化粧部材42が構造体の表面のうちの上表面部を形成し、左右一対の第3化粧部材43が構造体の表面のうちの左右の側表面部を形成している。なお、これらの化粧部材41〜43の形状、構造についての具体的な説明は後述する。
このように、本実施形態では、シャッターケース6は、上表面部と、前表面部と、底表面部と、左右の側表面部と、を有するものとなっているが、壁3側に配置される後表面部を有するものとしてもよい。
本実施形態では、第1及び第2化粧部材41,42は、シャッターケース6の構造体の長さ方向である左右方向(言い換えると、第1及び第2化粧部材41,42の幅方向)に2個並設されている。そして、第1化粧部材41同士の接続部及び第2化粧部材42同士の接続部は、帯状部材である化粧部材44,45で隠されている。このため、化粧部材44,45も、構造体の表面を形成する化粧パネル9を構成するものとなっている。
なお、シャッターケース6の構造体の長さ方向の寸法である長さ寸法(左右寸法)が小さいもの(短寸法)である場合には、構造体の前表面部と底表面部は、1個の第1化粧部材41で形成し、構造体の上表面部は、1個の第2化粧部材42で形成するようにしてもよい。
図3や図4に示されているように、シャッターケース6の構造体の骨組みは、壁3に取り付けられた左右2個のブラケット10と、これらのブラケット10に架け渡された架け渡し部材となっていて、左右方向(構造体の長さ方向)の長さを有している棒状部材である前述の横部材11,12と、これらの横部材11,12と同じく架け渡し部材となっていて、左右方向の長さを有している棒状部材である前述の外まぐさ部材13、内まぐさ部材14と、シャッターケース6の構造体の長さ方向(左右方向)の途中箇所において、横部材11と横部材12に架け渡された帯状部材である補強部材15と、この補強部材15と同じシャッターケース6の構造体の長さ方向の途中箇所において、横部材12と内まぐさ部材14に架け渡された帯状部材である補強部材16とを含んで構成されている。
これらの横部材11,12と、外まぐさ部材13と、内まぐさ部材14と、補強部材15,16は、車庫の壁3にシャッターケース6の構造体の骨組みを取り付けたときの状態を示している図5に示されている。
上述したように、本実施形態では、車庫は、車庫用シャッター装置が設置されている構築物となっており、壁3は、車庫の躯体となっており、壁3に結合されている左右一対のブラケット10は、開閉移動するシャッターカーテン1に対して不動となっている不動部材となっているとともに、図1で示されている巻取軸7の端部7Aを支持する支持部材となっている。
なお、この図5に示されているように、ブラケット10のブラケット本体部20における壁3側である後端部20Aの上部20Bに配設されている横部材11は、リップ部を有するチャンネル材によって形成され、ブラケット10のブラケット本体部20における壁3側とは反対側(シャッターケース6の構造体の前表面部側)である前端部20Cの上部20Dに配設されている横部材12も、リップ部を有するチャンネル材によって形成されている。
また、図5に示されているように、横部材12は、底部12Aと、この底部12Aの幅方向両端から平行に立ち上がった一対の壁部12Bと、それぞれの壁部12Bの上端に互いに近づく方向に水平に延出した一対のリップ部12Cと、を有しており、この横部材12は、壁3側へ横向きに開口した状態で、左右のブラケット10のブラケット本体部20に架け渡されている。一方、横部材12と同様の形状、構造と有している横部材11は、壁3側とは反対側へ横向きに開口した状態で、左右のブラケット10のブラケット本体部20に架け渡されている。
図3及び図4で示されている左右のブラケット10は、図2で説明した左右の第3化粧部材43で隠されるものであり、これらのブラケット10におけるシャッターケース6の内側の面には、図1で示した巻取軸7の端部7Aを支持するための軸受け部材17が結合されている。本実施形態に係る巻取軸7は、シャッターカーテン1の上端部が結合されている回転部材と、この回転部材の内部に不回転の状態で配置され、回転部材の回転中心軸となっている中心軸とを含んで構成されており、図1で示した巻取軸7の端部7Aは、中心軸の端部であるため、軸受け部材17は、端部7Aを回転不能に支持するものとなっている。
左右2個のブラケット10は、左右対称の形状及び構造を有するものとなっており、図6は、これらのブラケット10の代表として、図1における右側のブラケット10の斜視図を示している。板金の折り曲げ品であるブラケット10は、軸受け部材17が結合されていることによって巻取軸7を支持する部分となっている前述のブラケット本体部20と、このブラケット本体部20の周端部から巻取軸7の軸方向へ折り曲げられることにより、ブラケット本体部20から巻取軸7の軸方向へ延出しているフランジ部21とを有する。このフランジ部21は、ブラケット本体部20における壁3側の後端部20Aに形成された後端フランジ部21Aと、ブラケット本体部20の上端部20Eに形成された上端フランジ部21Bと、壁3側とは反対側である前端部20Cに、上端フランジ部21Bと前後の間隔をあけて形成された前端フランジ部21Cと、ブラケット本体部20における外まぐさ部材13及び内まぐさ部材14の配設箇所を除く下端部20Fに形成された下端フランジ部21Dとを有するものとなっており、本実施形態に係るブラケット10は、前端部20Cと下端部20Fとの間が斜めに傾斜した傾斜部20Gとなっているため、この傾斜部20Gには、前端フランジ部21C及び下端フランジ部21Dと連続している傾斜フランジ部21Eが形成されている。
ブラケット本体部20における内まぐさ部材14の配設箇所と対応する下端部20Fには、板金の折り曲げ品となっているまぐさ補助部材22が溶接で結合されている。ブラケット本体部20から巻取軸7の軸方向へ延出しているこのまぐさ補助部材22は、前後2箇所で立ち上がっている立上り部22A,22Bと、これらの立上り部22Aと22Bの下端同士を連結している底面部22Cとを有し、まぐさ補助部材22のブラケット10側の端部には、舌片部22Dが折り曲げで形成されており、この舌片部22Dと立上り部22A,22Bの端部とがブラケット本体部20に工場で溶接によって結合されることにより、ブラケット10には、予め工場でまぐさ補助部材22が取り付けられている。
そして、まぐさ補助部材22の立上り部22Aと22Bのうち、壁3側の立上り部22Aの上端には、ブラケット本体部20から間隔をあけた箇所において、壁3側へ水平又は略水平に延出する延出部22Eが折り曲げで形成され、この延出部22Eの先端は鉛直又は略鉛直に上方へ起立した起立部22Fとなっており、この起立部22Fには、シャッターカーテン1が内まぐさ部材14に直接接触することを防止するための緩衝部材23が上から挿入されて固定保持されている。そして、立上り部22Aのうち、延出部22E及び起立部22Fが形成されていないブラケット本体部20側の箇所は、起立部22Fよりも大きく立ち上がった状態で残されている残存部22Gとなっている。
図3及び図4で示されている内まぐさ部材14は、図6に示されているように、前後2箇所で立ち上がっている立上り部14A,14Bと、これらの立上り部14Aと14Bの下端同士を連結している底面部14Cとを有し、2個の立上り部14A,14Bのうち、壁3側とは反対側の立上り部14Bの上端には、壁3側とは反対側へ水平又は略水平に延出する延出部14Dが折り曲げで形成されている。2個の立上り部14A,14Bの間隔は、まぐさ補助部材22の2個の立上り部22A,22Bの間隔よりも小さいため、内まぐさ部材14の底面部14Cをまぐさ補助部材22の底面部22Cの上に載せて、内まぐさ部材14の長さ方向の端部をまぐさ補助部材22に内側嵌合させることができる。そして、内まぐさ部材14の長さは、巻取軸7の全長と同じ又は略同じとなっているため、内まぐさ部材14の全長は、左右に配設されるブラケット10の間隔と対応する長さとなっている。
このため、左右のブラケット10が巻取軸7の長さ寸法と対応する間隔で配設されたときに、内まぐさ部材14を、これらのブラケット10に結合されているまぐさ補助部材22に架け渡すことができるようになっている。
図6に示されているように、ブラケット10のフランジ部21のうち、後端フランジ部21Aは、ブラケット10のブラケット本体部20の下端部20Fまで延びておらず、ブラケット本体部20の上端から下へ延びているこの後端フランジ部21Aの下端部には、ブラケット本体部20の上下方向の途中において、壁3側とは反対側へ水平又は略水平へ折り曲げられた第1折り曲げ部24が形成され、水平方向又は略水平方向への長さが短くなっているこの第1折り曲げ部24の先端には、下方へ鉛直又は略鉛直に折り曲げられた第2折り曲げ部25が形成されており、この第2折り曲げ部25の下端は、ブラケット本体部20の下端まで達していない。
図7には、図3及び図4で示した外まぐさ部材13が示されている。この外まぐさ部材13も、前後2箇所で立ち上がっている立上り部13A,13Bと、これらの立上り部13Aと13Bの下端同士を連結している底面部13Cとを有し、2個の立上り部13A,13Bのうち、壁3側の立上り部13Aの立ち上がり寸法は、壁3側とは反対側の立上り部13Bの立ち上がり寸法よりも長いため、外まぐさ部材13は、J字形又は略J字形の断面形状を有するものとなっている。そして、この外まぐさ部材13の長さは、巻取軸7の全長と同じ又は略同じとなっており、このため、この外まぐさ部材13の全長も、左右に配設されるブラケット10の間隔と対応する長さとなっている。
また、外まぐさ部材13には、この外まぐさ部材13の長さ方向の両端から間隔を開けた箇所において、左右方向の寸法が外まぐさ部材13よりも短くなっている緩衝部材用保持部材26が取り付けられている。立上り部26A,26Bと、これらの立上り部26Aと26Bの下端同士を連結している底面部26Cとを有しているこの緩衝部材用保持部材26は、壁3側の立上り部26Aが、外まぐさ部材13の立上り部13Aにおける壁3側とは反対側の面に工場で溶接によって結合されることにより、外まぐさ部材13に工場で取り付けられており、立上り部26Bには、シャッターカーテン1が外まぐさ部材13に直接接触することを防止するための緩衝部材27が上から挿入されて固定保持されている。
この緩衝部材27と図6で説明した緩衝部材23は、例えば、摩擦力に対する耐久性を備えた軟質の合成樹脂で形成されている。
図8は、図2で示されているシャッターケース6の正面図であり、図9は、図2で示されているシャッターケース6の底面図であり、図10は、図8のS10−S10線断面図である。また、図11は、図10で示されている第1及び第2化粧部材41,42が取り付けられる前の状態、言い換えると、第1及び第2化粧部材41,42が取り外されたときを示す図10と同様の図である。
図2及び図8〜図11に示されている第1化粧部材41と第2化粧部材42は、金属製の板材である面状部材の折り曲げにより形成されている。
図11から分かるように、第1化粧部材41は、第1垂下部(言い換えると、第1下方延出部)41A、この第1垂下部41Aの下端から壁3側へ下向きに傾斜した傾斜部41Bと、この傾斜部41Bの下端から壁3側へ水平に延びる第1水平延出部41Cと、この第1水平延出部41Cの先端(前端)から鉛直下方に屈曲した第1屈曲部(言い換えると、第1下方延出部)41Dと、この第1屈曲部41Dの下端から壁3側へ水平に延出した第2水平延出部41Eとを有している。また、第1垂下部41Aの上端には、壁3側へ水平方向に屈曲した第2屈曲部(言い換えると、第2水平延出部)41Fと、この第2屈曲部41Fの先端(前端)から垂下した第2垂下部(言い換えると、第2下方延出部)41Gが形成されている。
なお、第1化粧部材41の第1垂下部41A、傾斜部41B、第1水平延出部41Cは、図13に示されているブラケット本体部20のフランジ部21の前端フランジ部21C、傾斜フランジ部21E、下端フランジ部21Dにそれぞれ略対応する形状を有しており、第1化粧部材41の第1屈曲部41D、第2水平延出部41Eは、図12に示されているまぐさ補助部材22の立上り部22B、底面部22Cにそれぞれ略対応する形状を有している。
このように、本実施形態では、第1化粧部材41の第1垂下部41Aと傾斜部41Bにより、シャッターケース6の構造体の表面のうちの前表面部が形成され、第1化粧部材41の第1水平延出部41Cと第1屈曲部41Dと第2水平延出部41Eにより、シャッターケース6の構造体の表面のうちの底表面部が形成されている。
また、本実施形態では、第1化粧部材41の第2屈曲部41Fは、棒状部材である横部材12の上の壁部12Bに載置される被載置部となっている。一方、横部材12の上の壁部12Bは、第1化粧部材41の第2屈曲部41Fが載置する載置部となっており、横部材12の上のリップ部12Cは、上の壁部12Bから下向きに延びる下方延出部となっている。そして、第1化粧部材41の上端部に形成された第2垂下部41Gは、第1化粧部材41の第2屈曲部41Fから折り曲げられた部分となっている折り曲げ部であるとともに、横部材12の上のリップ部12Cと対向していて下向きに延びる下方延出部となっており、横部材12の上のリップ部12Cに係止可能な係止部となっている。このように、係止部である第2垂下部41Gは、第1化粧部材41の上端部に設けられた折り曲げ部となっている。
なお、第1化粧部材41の上端部の折り曲げにより形成されている第2屈曲部41F及び第2垂下部41Gは、シャッターケース6の構造体の長さ方向である第1化粧部材41の幅方向(左右方向)全長又は略全長に渡って形成されている。
また、図11から分かるように、第2化粧部材42は、壁3側とは反対側へ下向きに緩やかに傾斜した第1傾斜部42Aと、この第1傾斜部42Aの先端(前端)から壁3側とは反対側へ下向きに第1傾斜部42Aよりも大きく傾斜した第2傾斜部42Bと、この第2傾斜部42Bの先端(前端)から垂下した垂下部(言い換えると、下方延出部)42Dと、この垂下部42Dの下端から壁3側へ斜め上向きに屈曲した屈曲部42Eと、を有している。また、上記第1傾斜部42Aの後端部(壁3側の端部)には、垂直上方に立ち上がった立上り部42Cが形成されている。
なお、第2化粧部材42の第1傾斜部42A、第2傾斜部42Bは、図13に示されているブラケット本体部20のフランジ部21の上端フランジ部21Bに略対応する形状を有している。
このように、本実施形態では、第2化粧部材42の第1傾斜部42Aと第2傾斜部42Bにより、シャッターケース6の構造体の表面のうちの上表面部が形成されている。
また、本実施形態では、図10に示されているように、第2化粧部材42の第2傾斜部42Bの前端(先端)と垂下部42Dと屈曲部42Eは、第1化粧部材41の第1垂下部41Aよりも壁3側とは反対側に突出している。このため、第2化粧部材42の第2傾斜部42Bの前端と垂下部42Dと屈曲部42Eは、係止部である第1化粧部材41の第2垂下部41Gや、被載置部である第2屈曲部41Fの外側を覆う覆い部となっている。このように、第2化粧部材42には、第1化粧部材41の第2垂下部41Gや第2屈曲部41Fの外側を覆う覆い部が設けられている。
以上の説明は、図2に示されている左右の第1及び第2化粧部材41,42のうち、右側の第1及び第2化粧部材41,42についてであったが、左側の第1及び第2化粧部材41,42についても同様である。
なお、被載置部である第2屈曲部41Fが横部材12の上の壁部12Bに載置しているとともに、係止部である第2垂下部41Gが横部材12の上のリップ部12Cに係止している第1化粧部材41は、図10に示されているように、第1垂下部41Aの上部がビス等の結合具34により横部材12の底部12Aに結合されているとともに、第1水平延出部41Cがビス等の結合具35(図8及び図9も参照)により内まぐさ部材14の延出部14Dに結合されている。
また、第2化粧部材42の立上り部42Cは、図10に示されているように、ビス等の結合具36により壁3に結合されている。
また、図2に示されている帯状の化粧部材44は、ビス等の結合具37(図8参照)により第2化粧部材42の第1傾斜部42Aと第2傾斜部42Bに結合されており、図2示されている帯状の化粧部材45は、ビス等の結合具38(図8及び図9参照)により第1化粧部材41の第1水平延出部41Cに結合されている。なお、これらの化粧部材44,45も、金属製の板材の折り曲げにより形成されている。
図2、図8及び図9に示されている左右の第3化粧部材43も、金属製の板材である面状部材の折り曲げにより形成されている。この左右の第3化粧部材43は、図8から分かるように、ビス等の結合具39により、第2化粧部材42の第1傾斜部42Aの幅方向(左右方向)の端部と、ブラケット10のブラケット本体部20の上端フランジ部21Bに結合されているとともに、ビス等の結合具39により、第1化粧部材41の第1垂下部41Aの幅方向の端部と、ブラケット10のブラケット本体部20の前端フランジ部21Cに結合されており、また、図9から分かるように、ビス等の結合具39により第1化粧部材41の第1水平延出部41Cの幅方向の端部と、ブラケット10のブラケット本体部20の下端フランジ部21Dに結合されている。
このように、本実施形態では、左右の第3化粧部材43は、シャッターケース6の構造体の表面のうちの側表面部を形成している。
また、本実施形態では、左右の第3化粧部材43は、左右のブラケット10のブラケット本体部20の外側面部と、このブラケット本体部20のフランジ部21B〜21E等を覆っている第1及び第2化粧部材41,42の幅方向である左右方向の両端部とを、この左右方向から覆うためのカバー部材(覆い部材)となっている。
次に、本実施形態に係る車庫用シャッター装置を設置するための現場となっている車庫でのシャッターケース6の配設施工作業について説明する。
工場で生産された車庫用シャッター装置の各種の構成部材は上記現場に搬入され、これらの構成部材には、シャッターケース6の構造体の前述した骨組みを構成する各部材や、シャッターカーテン6の構造体の表面を形成するための各化粧部材、図1で示したガイドレール4、巻取軸7及びシャッターカーテン1等が含まれる。
現場では、最初に、図3の横部材11,12と共にシャッターケース6の構造体の骨組みを構成する部材となっている外まぐさ部材13と内まぐさ部材14とのうち、車庫の躯体である壁3側に配置されるまぐさ部材となっている外まぐさ部材13を壁3における図1の車両出入口5の上側に取り付ける作業が行われる。
図12には、この外まぐさ部材13の取り付け作業が終了した状態が示されており、外まぐさ部材13の立上り部13Aには釘等の結合具30を挿入するための下孔が形成されており、この立上り部13Aおける緩衝部材用保持部材26が結合されている面とは反対側の面を壁3に押し当てて外まぐさ部材13を水平姿勢とした後に、外まぐさ部材13は、下孔に挿入した結合具30により壁3に結合される。結合具30は外まぐさ部材13の長さ方向に複数本あり、緩衝部材用保持部材26の配置箇所と一致している部分では、この緩衝部材用保持部材26の立上り部26Aにも結合具30を挿入するための下孔が形成されているため、結合具30はこの立上り部26Aにも挿入されて壁3に打ち込まれる。
このように壁3の所定箇所に外まぐさ部材13を結合した後に、図12に示されているように、左右のブラケット10のうち、一方のブラケット10を、外まぐさ部材13の長さ方向の端部よりも少し外側の位置において、壁3に沿って上から下へ落とし込む作業を行う。これにより、図7で示す外まぐさ部材13の立上り部13Aにおける長さ方向の端部Aが、言い換えると、緩衝部材用保持部材26が配置されていない立上り部13Aの端部Aが、図12で示されている壁3の表面と、ブラケット10の後端フランジ部21Aの第2折り曲げ部25との間に形成されている隙間31に挿入されることになる。すなわち、この隙間31は、外まぐさ部材13の立上り部13Aの端部Aを挿入するためにブラケット10に設けられた挿入部となり、また、第2折り曲げ部25は、壁3と前後方向に対面して端部Aを押えるためのブラケット10の押え部となる。このため、ブラケット10の後端フランジ部21Aの水平方向又は略水平方向へ折り曲げられている第1折り曲げ部24の折り曲げ長さ寸法は、端部Aの厚さ寸法と同じ又はこの寸法より若干大きい寸法となっている。
これにより、ブラケット10は、壁3と、押え部となっている第2折り曲げ部25とにより、前後方向に位置決めされることになり、この位置決めを行うための位置決め部が、壁3と、第2折り曲げ部25による押え部との間に形成された隙間31による上記挿入部によって形成されていることになる。
また、本実施形態では、上記挿入部となっている隙間31は下面側に開口部を有するものとなっているため、外まぐさ部材13の立上り部13Aの端部Aを隙間31に挿入する作業を、壁3に結合された外まぐさ部材13に対し、ブラケット10を壁3に沿って上から下に落とし込むという簡単な作業により容易に行える。
以上の作業後に、左右のブラケット10のうち、他方のブラケット10についても、以上と同様の作業を、図7で示す外まぐさ部材13の立上り部13Aの端部Aとは反対側の端部Bに対して行う。
この作業を行ったときには、左右のブラケット10が、外まぐさ部材13の長さ方向の両端部よりも少し外側の位置に配置されているため、これらのブラケット10を内側へ移動させ、これにより、図7で示す外まぐさ部材13の立上り部13Aの長さ方向の両方の端面13D,13Eに左右のブラケット10のブラケット本体部20を突き当てる。これにより、前述したとおり、外まぐさ部材13の長さは巻取軸7の長さと対応する寸法に予め設定されていて、この寸法は、左右に配設されるブラケット10の本来の間隔と同じ又は略同じになっているため、左右のブラケット10は、外まぐさ部材13が基準部材となって壁3に正しい間隔を開けて配設されたことになる。
この後に、図13に示されているように、それぞれのブラケット10の後端フランジ部21Aを釘等の結合具32によって壁3に取り付ける作業を行い、これにより、左右のブラケット10を壁3に固定する。すなわち、横部材11,12が架け渡される左右一対のブラケット10を壁3に結合する工程が実施される。
図14には、左右のブラケット10が外まぐさ部材13の長さ寸法で規定される間隔でこの外まぐさ部材13の両端に配設された状態が、壁3が省略されて示されている。
次いで、左右のブラケット10に結合されているまぐさ補助部材22に図6で説明した内まぐさ部材14を架け渡す作業を行うとともに、図4に示されているように、内まぐさ部材14の両端部をそれぞれのまぐさ補助部材22にビス等の結合具40により結合する。
次いで、図5や図10で示されている横部材11を壁3に釘等の結合具33により結合して、この横部材11の両端部を左右のブラケット10のブラケット本体部20の後端部20Aの上部20Bに溶接等で連結する作業や、図5や図10で示した横部材12の両端部を左右のブラケット10のブラケット本体部20の前端部20Cの上部20Dに溶接等で連結する作業を行う。このように、左右のブラケット10のブラケット本体部20おける壁3側とは反対側である前端部20Cの上部20Dに横部材12を架け渡す工程が実施される。
また、図1で示した左右のガイドレール4の上端部を、ブラケット10に隣接した位置であって、外まぐさ部材13と内まぐさ部材14との間の箇所、すなわち、図4で示されているまぐさ補助部材22と外まぐさ部材13と2個の緩衝部材23,27とブラケット10とで囲まれる空間部であって、図6で説明したまぐさ補助部材22の残存部22Gによって形成されている箇所に下から挿入して、これらのガイドレール4を壁3に取り付ける作業を行う。
さらに、シャッターカーテン1が予め巻き取られている巻取軸7の両端部を、左右のブラケット10のブラケット本体部20に設けられている軸受け部材17に架け渡してこれらの軸受け部材17によって支持させる作業を行い、この作業後に、シャッターカーテン1を巻取軸7から繰り出して、このシャッターカーテン1を、図4で示されている外まぐさ部材13と内まぐさ部材14との間に形成されているスリットSに上から下へ挿通させ、シャッターカーテン1の左右の両端部をこれらのガイドレール4の内部に上下にスライド自在に挿入させる。
なお、図5に示されているように、本実施形態に係るガイドレール4の上端部には、シャッターカーテン1の左右の両端部をガイドレール4の内部へ案内するために、前後方向であるシャッターカーテン1の厚さ方向に拡開した拡開部が設けられており、この拡開部を設けることは、ガイドレール4の上端部を上述した箇所に挿入した後に実施してもよい。
この後に、図3で説明した帯状部材である補強部材15を横部材11と横部材12に架け渡してビス等の結合具でこれらの横部材11と12に結合する作業や、帯状部材である補強部材16を横部材12と内まぐさ部材14に架け渡してビス等の結合具でこれらの横部材12と内まぐさ部材14に結合する作業を行う。
以上で、シャッターケース6の構造体の骨組みを組み立てる(施工する)作業が完了し、この後、シャッターケース6の構造体の表面を形成する前述した化粧部材41〜43及び化粧部材44,45を骨組みや壁3等に取り付ける作業を行う。
まず、図15に示すように、第1化粧部材41を傾斜させながら持ち上げ、この第1化粧部材41の第2垂下部41Gを横部材12の上のリップ部12Cに係止させるとともに、第1化粧部材41の第2屈曲部41Fを横部材12の上の壁部12Bに載置させる作業を行う。
この後、持ち上げていた図15に示す第1化粧部材41から手を離すことにより、この第1化粧部材41の第2屈曲部41Fが横部材12の上の壁部12Bに載置するとともに、第1化粧部材41の第2垂下部41Gが横部材12の上のリップ部12Cに係止可能な状態となり、第1化粧部材41は、図10に示されているように、横部材12に吊り下げられた状態となる。
前述したように、本実施形態では、シャッターケース6の構造体の表面のうち、前表面部と底表面部は、図2、図8及び図9に示されているように、左右方向に並設された2個の第1化粧部材41により形成されるものである。
このため、本実施形態では、左右のブラケット10に架け渡された横部材12のうちの右半分の部分に、2個の第1化粧部材41のうちの一方を吊り下げる上述した作業を行うとともに、横部材12のうちの左半分の部分に、2個の第1化粧部材41のうちの他方を吊り下げる上述した作業を行う。このように、第1化粧部材41に設けられている係止部である第2垂下部41Gを横部材12の上のリップ部12Cに係止する工程が実施される。
この後、横部材12に吊り下げられた2個の第1化粧部材41を、この横部材12に取り付ける作業を行う。すなわち、前述したように、図10に示されているように、第1化粧部材41の第1垂下部41Aの上部を、ビス等の結合具34により横部材12の底部12Aに結合するとともに、第1化粧部材41の第1水平延出部41Cを、ビス等の結合具35(図8及び図9も参照)により内まぐさ部材14の延出部14Dに結合する作業を行う。このように、第1化粧部材41を横部材12に取り付ける工程が実施される。
次に、第2化粧部材42を配設する(取り付ける)作業を行う。前述したように、本実施形態では、シャッターケース6の構造体の表面のうち、上表面部は、図2、図8に示されているように、左右方向に並設された2個の第2化粧部材42により形成されるものである。
まず、2個の第2化粧部材42のうちの一方を、ブラケット10の上の高さ位置まで持ち上げ、この持ち上げた第2化粧部材42の幅方向の両端部のうちのブラケット10側の端部を、ブラケット10の上端フランジ部21B(図13参照)に載置するとともに、第2化粧部材42の第2傾斜部42Bを、横部材12に吊り下げられている第1化粧部材41の第1垂下部41Aと第2屈曲部41Fとの角部41H(図10及び図11参照)に載置し、また、第2化粧部材42の立上り部42Cが壁3に当接するように配置する作業を行う。なお、このとき、第2化粧部材42のシャッターケース6の中央寄りの部分は、図3に示す補強部材15に載置されることになる。2個の第2化粧部材42のうちの他方についても、上述した作業を行う。
これにより、左右2個の第2化粧部材42は、ブラケット10の上端フランジ部21Bと、横部材12に吊り下げられている第1化粧部材41の第1垂下部41Aと第2屈曲部41Fとの角部41Hと、壁3と、補強部材15とに支持された状態となる。
この後、図10や、壁3の表示が省略されている図8に示されているように、左右の第2化粧部材42の立上り部42Cを、ビス等の結合具36により壁3に結合する作業を行う。
以上のように、第1及び第2化粧部材41,42の配設作業が終了した後は、第3化粧部材43を配設する作業を行う。前述したように、本実施形態では、シャッターケース6の構造体の表面のうち、左右の側表面部は、図2、図8及び図9に示されているように、左右一対の第3化粧部材43により形成されるものである。
金属製の板材である面状部材の折り曲げにより形成されている第3化粧部材43の周縁部には、図13に示されている左右のブラケット10のブラケット本体部20に形成されているフランジ部21B〜21Eに略対応する複数のフランジ部43Aが形成されており、これらのフランジ部43Aも、上述したフランジ部21B〜21Eと同様に、巻取軸7の軸方向(シャッターケース6の幅方向内側)へ延出している。
左右の第3化粧部材43を配設する作業は、まず、左右のブラケット10のブラケット本体部20の外側面部と、このブラケット本体部20のフランジ部21B〜21E等の表面を覆っている第1及び第2化粧部材41,42の幅方向である左右方向の両端部とを、この左右方向から覆うように、第3化粧部材43に形成された各フランジ部43を嵌合させる作業を行う。これにより、左右の第3化粧部材43は、図8及び図9に示されているように、左右のブラケット10のブラケット本体部20の外側面部と、第1及び第2化粧部材41,42の幅方向である左右方向の両端部とを、この左右方向から覆っている状態となる。
この後、左右の第3化粧部材43のフランジ部43Aを、図8に示すように、ビス等の結合具39により、第2化粧部材42の第1傾斜部42Aの幅方向(左右方向)の端部と、ブラケット10のブラケット本体部20の上端フランジ部21Bに結合するとともに、ビス等の結合具39により、第1化粧部材41の第1垂下部41Aの幅方向の端部と、ブラケット10のブラケット本体部20の前端フランジ部21Cに結合し、また、図9に示すように、ビス等の結合具39により第1化粧部材41の第1水平延出部41Cの幅方向の端部と、ブラケット10のブラケット本体部20の下端フランジ部21Dに結合する作業を行う。
以上のように、第3化粧部材43の配設作業が終了した後は、シャッターケース6の長さ方向の中央部又は略中央部において、配設された左右の第1及び第2化粧部材41,42の幅方向の端部同士が対向する部分を覆い隠すための帯状の化粧部材44,45を取り付ける作業を行う。
すなわち、図8に示されているように、帯状の化粧部材44を、ビス等の結合具37により第2化粧部材42の第1傾斜部42Aと第2傾斜部42Bに結合するとともに、図8及び図9に示されているように、帯状の化粧部材45を、ビス等の結合具38により第1化粧部材41の第1水平延出部41Cに結合する作業を行う。
なお、図示されていないが、互いに対向する左右の第2化粧部材42の幅方向の端部同士の間には、隙間が形成されており、互いに対向する左右の第2化粧部材42の幅方向の端部の一方の底面には、他方の底面まで延びる延出部材が取り付けられており、化粧部材44は、ビス等の結合具37により、第2化粧部材42に取り付けられた上記延出部材に結合されている。これと同様に、図示されていないが、互いに対向する左右の第1化粧部材41の幅方向の端部同士の間にも、隙間が形成されており、互いに対向する左右の第1化粧部材41の幅方向の端部の一方の底面には、他方の底面まで延びる延出部材が取り付けられており、化粧部材45は、ビス等の結合具38により、第1化粧部材41に取り付けられた上記延出部材に結合されている。
以上の作業により、シャッターケース6の配設施工作業は完了する。
以上説明した本実施形態では、シャッターケース6の構造体の表面のうち、前表面部と底表面部を形成する第1化粧部材41の上端部には、左右のブラケット10に架け渡された横部材12の上の壁部12Bに載置される第2屈曲部41Fと、横部材12の上のリップ部12Cに係止可能な第2垂下部41Gが形成されている。
このため、本実施形態では、シャッターケース6を施工する(組み立てる)作業のうち、シャッターケース6を構成する構造体の横部材12に第1化粧部材41を取り付ける作業において、作業者は、まず、第1化粧部材41を持ち上げ、この第1化粧部材41の第2屈曲部41Fを横部材12の上の壁部12Bに載置するとともに、この第1化粧部材41の第2垂下部41Gを横部材12の上のリップ部12Cに係止させる作業を行う。これにより、第1化粧部材41を横部材12に吊り下げられた状態、すなわち、第1化粧部材41を横部材12に係止した状態とすることができる。
この後、作業者は、図10に示されているように、第1化粧部材41の第1垂下部41Aの上部をビス等の結合具34により横部材12の底部12Aに結合するとともに、図8及び図9に示されているように、第1化粧部材41の第1水平延出部41Cをビス等の結合具35により内まぐさ部材14の延出部14Dに結合する作業に専念することができる。
すなわち、本実施形態では、シャッターケース6を施工する作業のうち、横部材12に第1化粧部材41を取り付ける作業において、前述した従来のように、1人の作業者が第1化粧部材41を横部材12に取り付ける位置まで持ち上げた状態で(持ち上げながら)、もう1人の作業者が第1化粧部材41を横部材12に取り付けるということをしなくて済むようになり、横部材12に第1化粧部材41を取り付けるためのこれらの作業を1人の作業者でも行うことができるようになる。
このため、本実施形態によると、シャッターケース6の施工作業をより少ない労力で行えるようになる。また、本実施形態によると、シャッターケース6の施工作業に必要なビス等の結合具の数をより少なくすることもできる。
また、本実施形態では、図10に示されているように、横部材12に吊り下げられている状態の第1化粧部材41の被載置部である第2屈曲部41Fと、第1化粧部材41の係止部である第2垂下部41Gは、第2化粧部材42の第2傾斜部42Bと垂下部42Dと屈曲部42Eにより覆われている。
このため、本実施形態によると、第2化粧部材42に雨水が流れ込んだとしても、この第2化粧部材42の第2傾斜部42Bと垂下部42Dと屈曲部42Eにより、第1化粧部材41の第2屈曲部41Fと第2垂下部41Gに雨水が流れ込むことが防止される。すなわち、本実施形態によると、第1化粧部材41の第2屈曲部41Fと第2垂下部41Gに対する雨仕舞いが適切に行われるようになる。
また、本実施形態では、図10に示されているように、第1垂下部41Aの上部を横部材12の底部12Aに結合するためのビス等の結合具34も、第2化粧部材42の第2傾斜部42Bの前端と垂下部42Dと屈曲部42Eで覆われるようになっている。
このため、本実施形態によると、結合具34が雨水にさらされて錆びつくことを防止することができる。
なお、本実施形態では、第1化粧部材41の被載置部である第2屈曲部41Fと、第1化粧部材41の係止部である第2垂下部41Gは、第1化粧部材41の上端部の折り曲げにより形成されているが、第1化粧部材41の第2屈曲部41Fと第2垂下部41Gは、押し出し加工や引き抜き加工により形成されるものであってもよい。
なお、本実施形態では、第1化粧部材41の上端部に形成された第2垂下部41Gが横部材12の上のリップ部12Cに係止するものとなっていたが、横部材12の上の壁部12Bに溝部を形成するとともに、第1化粧部材41の上端部には、前記溝部に係合又は嵌合可能な第2垂下部を形成するようにし、第1化粧部材41の前記第2垂下部が横部材12の前記溝部に係合又は嵌合するものとしてもよい。
ここで、前記溝部は、横部材12の長さ方向略全長に渡る1個の長溝となっていてもよく、横部材12の長さ方向に離間して形成された複数個の長溝となっていてもよい。前者の場合には、第1化粧部材41の上端部に形成する第2垂下部は、前記長溝の長さ寸法と同じ又はこれより小さい1個の垂下部となっていてもよく、第1化粧部材41の長さ方向に離間して形成された複数個の垂下部となっていてもよい。