JP5955001B2 - 非球面形状計測方法、形状計測プログラム及び形状計測装置 - Google Patents

非球面形状計測方法、形状計測プログラム及び形状計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば非球面光学素子などの形状を計測する非球面形状計測に関する。
一般に、半導体露光装置の光学部品など、高い精度が求められるワークの形状計測を行う形状計測装置として干渉計が広く知られている。干渉計は、光源から出射された光を参照光と測定光とに分割した後、該被検面に反射された測定光と参照光とを再度重ねあわせ、この重ねあわせた光(干渉光)を検出することによって、干渉縞画像を得る。そして、この干渉縞画像の光強度から位相を計算し、この位相を高さ情報に変換することによって、被検面の形状計測を行うようになっている。
ところで、上記形状計測を行うに際し、得られた干渉縞画像全体が縞一色(ワンカラー)の状態であればその画像を用いて被検面全体の形状計測を行うことができる。しかしながら、被検面が非球面形状の場合、干渉縞に必ず疎の部分(縞一色の部分)と密の部分とが生じる。この干渉縞が疎の部分については、測定光の球波面と被検面との曲率が略一致しているため、測定光が被検面に反射されて元来た光路を戻り、被検面に反射されることより生じる光路差以外については、参照光とほとんど光路差を生じない。一方、干渉縞が密の部分については、測定光が被検面に対して垂直に入射しないことに起因する測定光と参照光との光路差を無視することができず、測定誤差が大きいと共にセンサの分解能の問題もあって、形状計測を行うことが困難である。
そこで、従来、特許文献1に記載されているように、非球面形状の計測方法として、いわゆる輪帯ステッチ法などの種々の方法が案出されている。この輪帯ステッチ法は、被検非球面と測定光の発生地点(例えばピンホールや参照球面)との間の相対距離を変化させ、上記干渉縞が疎の部分(輪帯ヌル領域)を径方向に移動させながら干渉縞画像を取得する。そして、この取得した各干渉縞画像から形状計測に使用可能な干渉縞が疎の部分の位相データを取得し、これら複数の位相データを繋ぎ合わせると共に、高さデータに変換することによって被検非球面の形状を求めている。
ところで、近年、半導体露光装置では、光源としてEUV光(Extreme Ultraviolet)が使用されるものも案出されてきており、より一層、高精度に被検面の形状を測定することが求められている。
EUV露光装置は投影光学系が全て非球面ミラーで構成されており、このEUV露光装置用ミラーのような高精度非球面光学素子を、要求精度(例えば0.1nmRMS)を上回る精度で計測可能な計測器として、特許文献2記載の形状計測装置が案出されている。
この特許文献2記載の形状計測装置は、参照球面において反射した参照光と、参照球面を透過し被検非球面において反射した光とを干渉させ、2つのCCDカメラにより干渉縞を取得するフィゾー型干渉計を基本構成としている。この形状計測装置では、上述した輪帯ステッチ法とは相違し、非球面軸部分の干渉縞位相と輪帯状ヌル領域の干渉縞位相との差を用いて被検非球面に対し垂直方向の凹凸情報を表現している。また、横座標、すなわち被検非球面の非球面軸(中心軸)に垂直な面内における座標情報については被検非球面の走査量から求めている。被検非球面の走査量は、測長器により概略値を測定することができる。さらに、被検非球面の非球面軸部分の干渉縞位相を用いて測長器の測定値を補正することで、干渉縞位相に基づいた高精度な測定を実現している。
上記特許文献2記載の形状計測装置の測定方法は、干渉縞ゾーンスキャン法と呼ばれる。そして、その特徴としては、非球面軸部分の干渉縞位相と輪帯状ヌル領域の干渉縞位相、および測長計測器の距離情報を用いて位相差と走査量を測定し、所定の方程式を解くことにより被検非球面の3次元形状情報を求める点が挙げられる。即ち、一組の干渉縞位相と測長情報のみから直接被検非球面の部分形状を求めることができ、隣接ステップの測定情報を必要としない。このため、例えば、上述した輪帯ステッチ法などの形状計測方法で問題となる測定誤差の積み重ねが発生せず、高精度な測定が可能である。
特開2004−45168号公報 特表2008−532010号公報(第33頁、第24図)
上記特許文献1の方法では、Z軸方向について誤差を積み重ねないように種々の工夫をしているが、横座標の誤差の積み重ねについては、考慮されていない。また、輪帯ヌル領域の全域についての位相データをそのまま使用することによる不確かさについても何の考慮もされていない。
一方、上記特許文献2記載の方法は、その測定精度は高いが、輪帯ヌル領域の干渉縞位相の内、測定光が被検面に垂直に入射した垂直入射領域についてのみしか形状を計測することができない。このため、被検面の面全体を形状計測する場合、1ステップの位相情報からは円状の断面形状しか得ることができず、面全体を十分なデータ密度で形状測定するためには非常に多数のステップを要し、その分、測定タクトも長くなるといった問題があった。
そこで、本発明は、被検非球面を高精度かつ高速に測定可能な非球面形状測定方法、形状計測プログラム及び形状計測装置を提供することを目的とする。
本発明に係る非球面形状計測方法は、演算装置が、光源から出射された光を分割して形成された測定光及び参照光の内、被検非球面に反射された測定光と参照光とが重ね合わされて形成された干渉光を検出することにより得られた干渉縞画像の光強度から干渉光の位相情報を計算する位相計算工程と、前記演算装置が、測定光及び参照光を形成する光学系と前記被検非球面との間の相対距離を、該被検非球面の非球面軸方向に変化させ、前記干渉縞画像上で干渉縞が縞一色となるヌル領域の位置を径方向に遷移させる走査工程と、前記演算装置が、前記ヌル領域の内、測定光が前記被検非球面に垂直に入射した垂直入射領域について、前記位相計算工程にて求めた該垂直入射領域の位相情報及び前記相対距離の変化量である走査量を用いて形状データの計算を行う第1形状計算工程と、前記演算装置が、前記ヌル領域の内、前記垂直入射領域から外れた非垂直入射領域について、前記垂直入射領域の形状に対する相対形状として形状データの計算を行う第2形状計算工程と、前記演算装置が、前記位相計算工程と走査工程とを交互に繰り返すことによって取得された複数の前記位相情報及び走査量のそれぞれを用いて、前記第1及び第2形状計算工程にて計算された複数の前記被検非球面の部分的な形状データを合成する形状合成工程と、を備え、前記第1形状計算工程は、前記垂直入射領域の横座標を求めると共に、前記垂直入射領域の位相と前記非球面軸部分の位相との位相差を求め、この求めた位相差と前記走査量とから前記垂直入射領域の形状を計算し、前記第2形状計算工程は、横座標及び前記非球面軸部分の位相との位相差における前記垂直入射領域と前記非垂直入射領域との差分を相対値としてそれぞれ求め、これら位相差及び横座標の相対値を用いて、前記非垂直入射領域の形状計測を前記垂直入射領域の相対形状として計算する、ことを特徴とする。
また、本発明に係る形状計測装置は、光源と、被検非球面を有するワークと、前記光源及び被検非球面の間の光路中に配置されると共に、前記光源から出射された光の一部を反射して参照光とし、透過した光を測定光とする参照球面を有する基準レンズと、前記被検非球面の非球面軸方向に移動可能に前記ワークを支持する移動ステージと、前記被検非球面に反射された測定光及び参照光からなる干渉光を検出する撮像装置と、前記撮像装置が検出した干渉縞画像で干渉縞が縞一色となるヌル領域の内、測定光が前記被検非球面に垂直に入射した垂直入射領域については、前記干渉縞画像から求めた該垂直入射領域の位相情報及び前記ワークの初期位置からの移動量を用いて形状データの計算を行い、前記ヌル領域の内、前記垂直入射領域から外れた非垂直入射領域について、前記垂直入射領域の形状に対する相対形状として形状データの計算を行う演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記垂直入射領域については、前記垂直入射領域の横座標を求めると共に、前記垂直入射領域の位相と前記非球面軸部分の位相との位相差を前記干渉縞画像から求め、この求めた位相差と前記ワークの初期位置からの移動量とから形状データの計算を行い、前記垂直入射領域から外れた非垂直入射領域については、横座標及び前記非球面軸部分の位相との位相差における前記垂直入射領域と前記非垂直入射領域との差分を相対値としてそれぞれ求め、これら位相差及び横座標の相対値を用いて、前記垂直入射領域の相対形状として形状データの計算を行う、ことを特徴とする。
本発明によると、ヌル領域の内、測定光が垂直に入射した垂直入射領域に対する相対形状として非垂直入射領域の形状を計測することによって、1枚の干渉縞画像からより広い範囲の形状計測を行うことができる。これにより、被検非球面の形状を計測するにあたり必要となる走査ステップ数を少なくすることができ、測定タクトを短縮することができる。また、高精度に形状測定が可能な垂直入射領域に対する相対形状として非垂直入射領域の形状を計測するため、測定タクトを短縮しつつも、高精度に被検非球面の形状を計測することができる。
本発明の実施形態に係る干渉計の模式図。 図1の干渉計によって計測された干渉縞画像を示す図。 図1の干渉計のコンピュータシステムの構成を示す図。 本発明の第1の実施の形態に係る非球面計測方法を示すフローチャート図。 垂直入射領域の形状の計算方法を説明するための模式図。 非垂直入射領域の形状の計算方法を説明するための干渉縞画像を示す図。 非垂直入射領域の形状の計算方法を説明するための模式図。 本発明の第2の実施の形態に係る非球面計測方法を示すフローチャート図。
以下、本発明の実施の形態に係る非球面形状計測方法について説明をする。なお、本実施の形態では、特表2008−532010号公報に記載された内容をその全文について引用する。また、以下の説明中にて、ヌル領域とは、干渉縞画像上にて干渉縞が疎になる部分をいい、非球面軸部分から外径側向かって広がるヌル領域を中心ヌル領域、非球面軸部分の外径側にて中心ヌル領域と同心円状に形成された輪帯状のヌル領域を輪帯ヌル領域という。
[第1の実施の形態]
[形状計測装置の全体構成]
図1に示すように、形状計測装置1は、フィゾー型の干渉計であって、半導体露光装置の投影レンズやミラーなど被検非球面Wsを有する高精度の光学素子(以下、単にワークともいう)Wの形状を計測可能に構成されている。具体的には、形状計測装置1は、レーザー光を出射する光源2と、光源2とワークWの被検非球面Wsとの間の光路中に配置されるフィゾーレンズ(基準レンズ)3と、第1及び第2CCDカメラ(撮像素子)5,6からなる撮像装置7とを備えている。また、この撮像装置7によって検出された光を表示する表示装置107(図3参照)と、撮像素子上に結像した画像を解析するコンピュータ10と、を備えている。
更に、光源2とフィゾーレンズ3との間の光路には、レンズ11、開口12及びコリメータレンズ13が配置されており、フィゾーレンズ3に入射する光が、平行光となるように調整されている。また、開口12とコリメータレンズ13との間には、偏光ビームスプリッタ15及び1/4波長板16が配設されており、光源2からの光をフィゾーレンズ3へと反射し、干渉光Liを撮像装置7へと透過させるように構成されている。この偏光ビームスプリッタ15と撮像装置7との間には、開口17及びビームスプリッタ19が配設されており、上記干渉光Liは、このビームスプリッタ19に2つに分けられて、第1及び第2CCDカメラ5,6のそれぞれに入射するようになっている。なお、第1及び第2CCDカメラ5,6の前方には、それぞれ倍率の異なるレンズ20,21が配設されており、第2CCDカメラ6では、被検非球面Wsの非球面軸C近傍の干渉縞を拡大して取得することができるようになっている。
即ち、光源2から射出された光Lsは、レンズ11、開口12、偏光ビームスプリッタ15、1/4波長板16及びコリメータレンズ13を経て平面波へと変換されてフィゾーレンズ3に入射する。そして、このフィゾーレンズ3の参照球面3aで参照光Lrと測定光Lmとに分離される。
上記参照球面3aは、非常に精度良く研磨された球面であり、この参照球面3aに反射された参照光Lrは球面波となる。一方、測定光Lmも同様に参照球面3aを透過して球面波となる。この球面波はワークWの被検面Wsで反射されることで被検面Wsの球面波からのずれに応じた波面収差を伴い参照球面3aへと戻る。例えば被検面Wsが非球面形状であれば反射波面は非球面になる。そして、光源2から出射された光Lsを分割して形成された測定光Lm及び参照光Lrの内、被検非球面Wsに反射された測定光Lmと参照光Lrとがこの参照球面3aにおいて重ね合わされて上記干渉光Liが形成される。この干渉光Liは、球面波の参照光Lrと非球面波の測定光Lmとによって形成されており、1/4波長板16を2回通過することにより偏光方位が光源2から偏光ビームスプリッタ15へ入射した時の偏光方位に対し90度回転する。これにより、偏光ビームスプリッタ15を通過し、ビームスプリッタ19を介して第1及び第2CCDカメラ5,6に入射する。
上記参照球面3aと被検面Wsとの間には空気間隔しかなく、参照光Lrと測定光Lmとの参照球面3a以前の光路は同一である。そのため、この干渉光Liを検出する上記第1及び第2CCDカメラ5,6では、参照球面3aと被検面Wsとの差が光強度として検出され、図2に示すような干渉縞画像が取得される。
上記コンピュータ10は、参照光Lrと測定光Lmとの光路差を形状情報として使用し、上述した干渉縞画像(干渉光の位相、光強度、反射光位置)を解析することによって、被検面Wsの形状を計測するようになっている。そのため、形状計測装置1は、着目する点の明るさが分かれば、位相を計算し、更に高さ情報に換算することができる。
ところで、コンピュータ10が干渉縞を解析して位相を精密に求めるには、干渉縞の幅が撮像装置7の分解能以上である必要がある。しかしながら、干渉縞が疎の状態であるためには、参照光Lrと測定光Lmとの進行方向が略平行である必要があるが、参照光Lrは球面波であり、ワークで反射された測定光Lmは非球面波であるため、干渉光波面全域に亘ってこの条件が満たされることはない。
そこで、形状計測装置1は、上記構成に加え、ワークWを保持すると共に測定光Lmの光軸Xに沿ってZ方向に駆動可能な移動ステージ(リード)23を有しており、測定光Lmの光軸方向ZにワークWを走査することが可能な走査型干渉計となっている。即ち、この移動ステージ23は、被検面Wsの位置を測定光Lmの光軸方向に変化させる駆動装置となっている。これにより、コンピュータ10からの駆動指令によって移動ステージ23を光軸方向に移動させ、光軸方向の各位置において形状計測を行うことによって、干渉縞の輪帯ヌル領域を径方向に遷移させることができる。そして、各位置における中央及び輪帯ヌル領域の位相データを取得し、コンピュータ10により取得した各位相データから部分的な被検非球面Wsの形状データをそれぞれ求め、繋ぎ合わすことで被検面全体の形状を正確に測定することができるようになっている。
具体的には、第1CCDカメラ5へは被検非球面Wsに対し概ね垂直に入射した被検光しか到達しないため、図2の干渉縞画像に示すように、干渉縞としても被検非球面Ws上の一部の領域のみが観察される。被検非球面Wsが軸対称非球面の場合、被検非球面Wsの非球面軸近傍と非球面軸Cを中心とする輪帯状領域の2箇所の領域おいて干渉縞が疎となる。干渉縞が疎となる領域に関しては、軸近傍位相測定領域(中心ヌル領域)30および輪帯状位相測定領域(輪帯状ヌル領域)31として干渉縞位相を測定することができる。ただし高精度に測定するためには縞一色とみなせる領域を輪帯状位相測定領域31とすることが望ましい。また、図2において被検非球面Ws上で垂直反射した測定光に対応する領域を垂直入射領域32として破線で示している。
移動ステージ23を用いてワークWを干渉計光軸Xに沿って走査させると、測定光Lmが垂直に入射する被検非球面Ws上の領域が移動するため、輪帯状位相測定領域31および垂直入射領域32も移動する。そのため、ワークWを干渉計光軸Xに沿って適切に走査させることで被検非球面Ws全面の位相を測定することができる。なお、被検非球面Wsの非球面軸部分においてはワークWを走査に関わらず測定光Lmが垂直入射するため、常に位相測定を行なうことが可能である。
なお、上記ワークW(被検非球面Ws)の移動量は、測長器25によって測定されていると共に、レーザー光源2には波長測定器26が接続されており、波長変化を随時測定することができるようになっている。また、移動ステージ23は、アライメント調整機構を有しており、ワークWは常に測定光Lmの光軸(干渉計光軸X)に対して垂直になるように調整されている。
[コンピュータの詳細構成]
図3に示すように、上記コンピュータ10は、演算装置102及び記憶装置103を有するコンピュータ本体に、入力装置106及び表示装置107が接続されて構成されている。記憶装置103には、取得した干渉縞画像から被検非球面Wsの形状計算を、コンピュータ10に実行させる形状計測プログラムCPRなど、各種プログラムやデータが格納されている。そして、入力装置106からの入力操作に基づいて、演算装置102が形状計測プログラムCPRに従って演算を行うことにより、被検非球面Wsの形状が計測されるようになっている。
より具体的には、コンピュータ本体は、CPU102aを主体として、画像処理装置102b、音声処理装置102cを有して上記演算装置102を構成している。このCPU102aには、上記画像処理装置102b、音声処理装置102cの他に、ROM103a及びRAM103bがバス111を介して接続されている。ROM103aには、コンピュータの基本制御に必要なプログラムが格納されていると共に、詳しくは後述する形状計測プログラムCPRなどが格納されている。RAM103bには、CPU102aに対する作業領域が確保される。画像処理装置102bはCPU102aからの描画指示に応じて表示装置107としての液晶ディスプレイを制御して、その画面上の所定の画像を表示させる。音声処理装置102cはCPU102aからの発音指示に応じた音声信号生成してスピーカ109に出力する。
CPU102aにはバス111に接続された入力インターフェース106cを介して、入力装置106としてのキーボード106a及びマウス106bが接続されており、形状計測に必要な指定情報、メニュー選択指示、或いはその他の指示の入力を可能としている。また、バス111には、記録ディスク読取装置115が接続されており、形状計測プログラムCPRなどを記録した記録媒体Dを読み込み、例えばROM103aに格納できるようになっている。なお、上述した記憶装置103は、主記憶装置であるROM103a及びRAM103bの他に、コンピュータ読取可能な記録媒体Dやその他の外部記憶装置を備えて構成されている。
また、バス111には、通信装置112が接続されており、上述したような記録媒体Dを使用せずに、通信装置112を介してインターネット等から配信される形状計測プログラムCPRをダウンロード可能に構成されている。なお、コンピュータ10は、通信装置112を介して端末機からの入力信号を受信し、この端末機からの入力信号に基づいて形状計測プログラムCPRをCPU102aが演算しても良い。即ち、この演算結果を端末機に送信するサ−バー機として機能するように構成されても良い。
[非球面形状計測方法]
ついで、上記形状計測プログラムCPRによる被検非球面Wsの形状計測方法について、図4に基づいて説明をする。例えば非球面形状の光学素子の形状を計測する場合(図4のステップS1)、まず、ワークWを干渉計にセットしアライメントする(S2)。ワークWのアライメントは、被検非球面Wsの非球面軸Cが干渉計光軸Xと一致し、非球面軸付近の干渉縞が縞一色となるように実施する(図1参照)。
ワークWをアライメントしたら、次に走査条件を決定する(S3)。走査条件とは被検非球面Wsの形状を何回に分けて測定するかを定める総ステップ数Nと、各ステップにおけるワークWの目標移動量を意味している。総ステップ数Nと目標移動量は、各ステップの輪帯状位相測定領域(輪帯状ヌル領域)31を重ね合わせることで被検非球面Ws全面がカバーされるように設定する。
走査条件を決定したら、第1CCDカメラ5および第2CCDカメラ6により取得した干渉縞画像の位相測定、波長測定器26によるレーザー光源2の波長測定、および測長器25によるワークWの光軸方向の位置測定を実施する(S5、位相計算工程)。以降は走査条件に従って、ワークWの移動(S7、走査工程)と、干渉縞位相測定、波長測定、被検物位置測定(S8、位相計算工程)と、を上記設定した総ステップ数Nに達するまで繰り返す(i=N、S9のYES)(S6〜S9)。
即ち、位相計算工程S5,S8では、演算装置102を位相計算部として機能させ、この演算装置102が干渉光Liを検出することにより得られた干渉縞画像の光強度から干渉光の位相情報を計算する。また、走査工程S7では、演算装置102を走査司令部として機能させ、この演算装置102が、測定光Lm及び参照光Lrを形成する光学系4と被検非球面Wsとの間の相対距離を、該被検非球面Wsの非球面軸方向に変化させる。そして、これにより、干渉縞画像の非球面軸部分の外径側に形成される干渉縞が縞一色となるヌル領域の位置が径方向に遷移させる。
被検非球面Wsの全面を計測するのに必要なデータの計測が終了すると、測定した各ステップにおける干渉縞位相と波長、被検物位置情報を用いて、被検非球面Wsの形状を計算する。形状計算は、垂直入射領域形状計算工程(S10、第1形状計算工程)、非垂直入射領域形状計算工程(S11、第2形状計算工程)、全面形状計算工程(S12)に大きく分かれており、以降各フローの詳細について説明する。
まず、垂直入射領域形状計算工程について図5を用いて説明する。ステップS10は各ステップにおける垂直入射領域32の形状を計算する工程であり、干渉縞ゾーンスキャン法を適用することにより高精度に実施可能である。即ち、演算装置102を垂直入射領域形状計算部として機能させ、位相計算工程にて求めた垂直入射領域の位相情報及び上記相対距離の変化量である走査量から演算装置102に垂直入射領域の形状データの計算を行なわせる。
図5はアライメント後の初期位置における被検非球面Wsと、干渉計光軸Xに沿って走査した後のiステップ目における被検非球面Wsの位置を示した図である。参照球面3aの曲率中心Oを原点とし、干渉計光軸方向をZ、干渉計光軸に垂直の方向をhとする。なお、図5中の、Ws1は初期位置における被検非球面Wsを、Wsiはiステップ目における被検非球面Wsを、Fは測定光Lmの球波面(参照球面)を示す。
アライメントは非球面軸付近の干渉縞が縞一色となるように実施されるため、アライメント後の被検非球面Wsは、参照球面3aの曲率中心Oから近軸曲率半径Rだけ離れた位置に配置される。Rは参照球面3aと被検非球面Wsとの干渉計光軸方向のギャップを測定することで既知とすることができる。あるいは、ステップS12の全面形状計算工程の結果が被検非球面Wsの設計式と最も近くなるように定めても良い。
iステップ目における被検非球面Wsは、初期位置から干渉計光軸Xに沿って走査量vだけ離れた位置に移動する。したがって、参照球面3aの曲率中心Oと被検非球面Wsの非球面軸部分との距離はR+vとなる。走査量vは測長器25によって測定することができるが、軸近傍位相測定領域30の中心(非球面軸部分)の位相測定結果を用いて測長器25の値を補正することで、干渉縞に基づく高精度な測定が可能である。
一方、iステップ目において測定光Lmが垂直入射する点をAとする。参照球面Wsの曲率中心Oから非球面軸部分までの距離と、点Oから形状測定点までの距離との差をpとして非球面形状を特徴づける量としているが、ステップS10においては垂直入射点Aが形状測定点となる。従って、軸近傍位相測定領域30の中心の位相測定結果と垂直入射領域32の位相測定結果の差を求めることでpの測定値pを得ることができる。
pの測定値pを得るためには、第1CCDカメラ5において取得した干渉縞画像から垂直入射領域32を特定する必要がある。この垂直入射領域21は、干渉縞位相が極値をとることを利用して特定される。すなわち、輪帯状位相測定領域31の位相値を(1)式にフィッティングし、回転対称成分を多項式化する。
Figure 0005955001
ここで、r、φは第1CCDカメラ5の極座標値であり、P,P,Pはrについての多項式である。回転対称成分であるPが極値をとるrを求めることによって垂直入射領域32の半径を求めることができる。ただしステップS10におけるアライメントの誤差や被検非球面Wsが持つコマ収差のために垂直入射領域32の中心がずれることを考慮し、P、Pを用いて中心補正をした上で垂直入射領域32上の干渉縞位相値を取得し、位相差pを計算する。
しかしながら軸近傍位相測定領域30の中心の位相測定結果と垂直入射領域32の位相測定結果の差を単純に求めても、pを波数表現した場合の小数点以下しかわからない。そこで波数の整数部分についてはRおよび走査量vの測定値より定める。図5に示すように点Oから垂直入射点Aまでの距離はR+v−pで表されるため、被検非球面Wsが設計式通りであると仮定した場合の線分OAの距離からpの概略値を求め、波数の整数部分を決定する。
以上のようにして求めたpの測定値pと被検非球面Wsの設計式より求めたpの設計値pとの差を計算し、垂直入射点Aにおける形状Δnを求める。
Figure 0005955001
ここで、hは垂直入射点Aの横座標、すなわち点Aから干渉計光軸Xに下ろした垂線の長さの測定値である。線分OAが被検非球面Wsの接平面と垂直に交わることを考慮すると、(3)式が成り立つ。
Figure 0005955001
ここでZ(h)は被検非球面Wsの設計式、Z’(h)は被検非球面Wsの設計式をhについて微分した式である。(3)式にR、vを代入し(3)式を満たすようにhを決定することで(2)式の非球面形状Δnが求まる。
ステップS10により垂直入射領域の形状が求まるため、ステップ数Nを多くして細かく走査すれば、得られた干渉縞画像それぞれについてステップS10を実行し合成することで被検非球面Ws全面の形状を得ることもできる。しかしながら十分なデータ密度を持った形状データを得るためには非常に多くのステップを要するため、本発明ではステップS10につづいてステップS11の非垂直入射領域形状計算工程を実施する。ステップS11では輪帯ヌル領域31の内、垂直入射領域32から外れた輪帯状位相測定領域(非垂直入射領域)33について形状を計算する。より詳しくは、このステップでは、演算装置102を垂直入射領域形状計算部として機能させ、この演算装置102が、上記非垂直入射領域33について、垂直入射領域32の形状に対する相対形状として形状データの計算を行う。
以下、ステップS11の非垂直入射領域形状計算工程について図6、図7を用いて説明する。図6はiステップ目において第1CCDカメラ5により取得した干渉縞画像を表している。図6における点Bは輪帯状位相測定領域31上の点であり、干渉縞が疎で位相測定を行なうことはできるが垂直入射領域32からは外れている点である。また、非球面軸周りの回転角φは垂直入射点Aと等しく、φ=φである。点Bにおける形状Δnは(2)式と同様に(4)式で表される。
Figure 0005955001
ここで、pは点Bにおけるpの測定値、hは点Bの横座標、すなわち点Bから干渉計光軸Xに下ろした垂線の長さの測定値であり、p、hが求まれば形状Δnを求めることができる。p、hを、垂直入射点Aを基準とする相対値を用いて求めることが本発明の特徴である。すなわち、p、hを以下の式5及び式6とし、相対値Δp、Δhを求める。
Figure 0005955001
Figure 0005955001
は軸近傍位相測定領域30の中心の位相測定結果と点Bの干渉縞位相との差として計算されるが、非球面軸部分の干渉縞位相については垂直入射点Aの場合と共通である。したがって輪帯状位相測定領域31における垂直入射点Aの干渉縞位相値と点Bの干渉縞位相値との差がそのまま相対値Δpとなる。
一方横座標の相対値Δhについては、図6に示した第1CCDカメラ5における干渉縞画像において垂直入射点Aと点Bとの相対座標Δrとして得ることができる。しかしながらΔrは第1CCDカメラ5上における座標(極座標)であり、CCDカメラのピクセル単位の値であるため、被検非球面Ws上における横座標に変換する必要がある。
CCDピクセル単位を被検非球面Ws上の横座標に変換するためには、干渉縞画像上の座標系である極座系と被検非球面の実座標系との関係を示すディストーション情報を使用する。すなわち図6、図7において相対座標Δrを頂角の相対値Δθに一度変換する。さらにΔθと垂直入射点Aの頂角θ、および被検非球面Wsの設計式を用いることで横座標の相対値Δhを求める。
ディストーション情報は干渉計の光学設計情報から計算したり、別途測定しても良いが、ディストーション情報についてもステップS10の垂直入射領域形状計算工程の結果を使用して求めることが最も望ましい。ステップS10の結果、第1CCDカメラ5上における垂直入射点Aの極座標rと被検非球面Ws上における横座標hとの関係が既知となる。被検非球面Wsの設計式を用いると横座標hを頂角θに変換できるため、CCDピクセル単位である極座標rと頂角θとの関係、すなわち上述したディストーション情報を求めることができる。ディストーション情報は各ステップの垂直入射領域についてそれぞれ求められる。そのため、全ステップのディストーション情報を用いてスプライン曲線や最小二乗法等による補間計算を行なうことで、被検非球面Ws全面におけるディストーション情報を求めることができ、第1CCDカメラ5上の任意点を頂角θに変換できる。
言い換えると、非垂直入射領域形状計算工程の前に、求めた垂直入射領域の形状データのそれぞれについて、ディストーション情報を求める。そして、これら求めた複数の垂直入射領域のディストーション情報に補間計算を行なって、被検非球面全面に亘るディストーション情報を求める。そして、この求めた非球面全面に亘るディストーション情報及び被検非球面の設計式を用いて、干渉縞画像上の垂直入射領域と非垂直入射領域との間の極座標の差を横座標の相対値に変換することができる。
以上のようにして求めた相対値Δp、Δhを(5)式、(6)式に代入してp、hが求め、さらにp、hを(4)式に代入することで輪帯状位相測定領域31の形状を計算することができる。
ステップS10、ステップS11により各ステップの形状を計算したら、最後にステップS12の全面形状計算工程(形状合成工程)を実施して各ステップの形状情報を合成し、被検非球面Ws全面の形状を計算する。即ち、全面形状計算工程では、演算装置102を全面形状計算部として機能させる。そして、この演算装置102により、位相計算工程と走査工程とを交互に繰り返すことによって取得された複数の位相情報及び走査量のそれぞれを用いて、形状計算工程にて計算された複数の前記被検非球面の部分的な形状データを合成する。
各ステップの形状測定結果であるΔn、h、φを3次元空間上に配置すれば、被検非球面Ws全面の形状を設計形状との差という形で得ることができる。ステップS2で定めた走査条件次第では複数ステップ間で輪帯状位相測定領域が重なる場合があるが、その際は重なり領域の平均形状を計算し採用すればよい。
以上のようにして被検非球面Wsの形状を求めることで、1ステップの位相情報から輪帯状の形状情報を得ることが可能となり、被検非球面全面の形状を得るために必要なステップ数を削減することできる。従来は1ステップにつき1断面の形状しか得られないため、1ステップから2断面の形状を得ればステップ数は半分に、3断面の形状を得ればステップ数は3分の1にすることができる。1ステップから得られる断面の数は被検非球面Wsの非球面量に依存し、非球面量が小さいほど輪帯状位相測定領域31が広くなるため効果が高い。
精度面に関しては、干渉縞ゾーンスキャン法により高精度に求めた垂直入射領域を基準とする相対座標により輪帯状位相測定領域31の形状を求めているため、測定誤差の積み重ねが発生しない。また輪帯状位相測定領域31の形状を求めるために使用している情報は干渉縞位相値とディストーション情報であり、ディストーション情報は垂直入射領域32の形状計算結果を用いて求めている。このため、非垂直入射領域33の形状計算結果についても垂直入射領域32と同程度の精度を確保することが可能である。したがって本発明を用いることで、精度を維持したまま測定タクトを飛躍的に短縮することができる。
[第2の実施の形態]
ついで、本発明に係る第2の実施の形態について図8に基づいて説明をする。この第2の実施の形態は、ステップ間にて得られた被検非球面Wsの形状を比較して補正を行うステップ間比較工程(形状補正工程)を有している点において、第1の実施の形態と相違しており、第1の実施の形態と同一の点についてはその説明を省略する。
図8に示すように、上記ステップ間比較工程(S14)は、非垂直入射領域形状計算工程(S11)の後でかつ、全面形状計算工程(S12)の前に実施される。そして、形状計測を行った複数の非垂直入射領域の内、他の干渉縞画像の前記非垂直入射領域と計測領域が重なる重なり領域について形状比較及び補正を行う。
具体的には、まず横座標h、φが複数ステップにわたり共通する重なり領域について、平均形状を計算する。つぎに重なり領域をもつ各ステップの形状と平均形状との差分形状をそれぞれ計算し、各ステップの差分形状を平面に近似する。得られた平面近似式を重なり領域以外にも展開して輪帯状位相測定領域31全体にわたる平面近似形状を計算し、各ステップの形状補正値とする。最後に形状補正値を各ステップの形状から引くことで、重なり領域の形状が平均形状と合致するように補正を行なう。
また、形状補正値が複数存在する場合は、形状補正値同士をさらに平均した値を形状補正値とする。例えば、第iステップに着目し、隣接する第i+1ステップとの重なり領域より得られた形状補正値と、第i‐1ステップとの重なり領域より得られた形状補正値との2つが存在する場合、2つの形状補正値の平均値を求めて第iステップの形状補正値とする。
以上がステップS14のステップ間比較工程の内容であるが、ステップ間比較工程の目的は干渉縞位相の測定誤差を低減することにある。以下ステップ間比較工程により測定誤差が低減する理由について説明する。
干渉縞ゾーンスキャン法では非球面軸部分の干渉縞位相と輪帯状位相測定領域の干渉縞位相との差pにより非球面形状を特徴付けているが、位相差pを用いることで干渉縞位相の測定誤差の影響を低減できることが背景にある。干渉縞位相は位相シフト法により高精度に求めることが一般的であるが、振動やステージ移動誤差、波長誤差などによって位相シフト量に誤差が発生した場合、位相測定値に誤差が発生する。しかしながら、位相シフト量誤差による影響は非球面軸部分の位相にも輪帯状位相測定領域の位相にも同様に発生するため、位相差pを計算すると位相測定誤差が相殺され、位相シフト量誤差の影響を低減することができる。
このように位相差pを測定値として採用することで高精度測定が可能となるが、位相シフト量誤差の影響は位相シフト開始時の初期位相の値によって若干変化する。非球面軸部分の初期位相と輪帯状位相測定領域の初期位相は通常異なるため、位相測定誤差の相殺効果にも限界がある。
輪帯状位相測定領域31の初期位相はワークWのアライメントが正しくなされていればほぼ一様の値となる。アライメントがずれてワークWがわずかに傾いたり平行移動したりすると初期位相分布に傾き成分が加わることになる。このため、このため、位相シフト量誤差による位相測定誤差の分布も一様成分と傾き成分の重ね合わせ、すなわち平面状の分布をもつ。したがってステップS14のステップ間比較工程によりステップ間の重なり領域の平均形状に合うように平面状の補正値を加えることで、位相シフト量誤差による位相測定誤差の影響を低減し、より高精度な測定を行なうことができる。
なお、第1及び第2の実施の形態では、被検非球面Wsの非球面軸方向に移動可能にワークWを支持する移動ステージによって、基準レンズ3及び光源2を有する上記光学系4と被検非球面Wsとの間の相対距離を変化させたが、光学系4側を移動させても良い。
また、本実施の形態では、非球面軸部分の干渉縞位相と輪帯ヌル領域の干渉縞位相とを利用して形状計測しているが、輪帯ヌル領域の複数点の位相データを用いることによって、非球面軸部分の干渉縞位相を用いずに形状計測を行なっても良い。
また、上記実施の形態中に記載された発明は、どのように組み合わせても良いことは当然である。
1:形状計測装置、3:基準レンズ(フィゾーレンズ)、7:撮像装置、23:移動ステージ、102:演算装置、Lr:参照光、Lm:測定光、Li:干渉光、W:ワーク、S5,S8:位相測定工程、S7:走査工程、S10:第1形状計算工程(垂直入射領域形状計算工程)、S11:第2形状計算工程(非垂直入射領域形状計算工程)、S12:形状合成工程(全面形状計算工程)、S14:形状補正工程(ステップ間比較工程)、CPR:形状計測プログラム

Claims (5)

  1. 演算装置が、光源から出射された光を分割して形成された測定光及び参照光の内、被検非球面に反射された測定光と参照光とが重ね合わされて形成された干渉光を検出することにより得られた干渉縞画像の光強度から干渉光の位相情報を計算する位相計算工程と、
    前記演算装置が、測定光及び参照光を形成する光学系と前記被検非球面との間の相対距離を、該被検非球面の非球面軸方向に変化させ、前記干渉縞画像上で干渉縞が縞一色となるヌル領域の位置を径方向に遷移させる走査工程と、
    前記演算装置が、前記ヌル領域の内、測定光が前記被検非球面に垂直に入射した垂直入射領域について、前記位相計算工程にて求めた該垂直入射領域の位相情報及び前記相対距離の変化量である走査量を用いて形状データの計算を行う第1形状計算工程と、
    前記演算装置が、前記ヌル領域の内、前記垂直入射領域から外れた非垂直入射領域について、前記垂直入射領域の形状に対する相対形状として形状データの計算を行う第2形状計算工程と、
    前記演算装置が、前記位相計算工程と走査工程とを交互に繰り返すことによって取得された複数の前記位相情報及び走査量のそれぞれを用いて、前記第1及び第2形状計算工程にて計算された複数の前記被検非球面の部分的な形状データを合成する形状合成工程と、を備え、
    前記第1形状計算工程は、前記垂直入射領域の横座標を求めると共に、前記垂直入射領域の位相と前記非球面軸部分の位相との位相差を求め、この求めた位相差と前記走査量とから前記垂直入射領域の形状を計算し、
    前記第2形状計算工程は、横座標及び前記非球面軸部分の位相との位相差における前記垂直入射領域と前記非垂直入射領域との差分を相対値としてそれぞれ求め、これら位相差及び横座標の相対値を用いて、前記非垂直入射領域の形状計測を前記垂直入射領域の相対形状として計算する、
    ことを特徴とする非球面形状計測方法。
  2. 前記第2形状計算工程の前に、前記第1形状計算工程によって、取得した複数の前記干渉縞画像のそれぞれについて、前記垂直入射領域の形状データを計算し、
    前記第2形状計算工程は、前記第1形状計算工程によって求めた垂直入射領域の形状データのそれぞれについて、前記干渉縞画像上の座標系である極座系と、前記被検非球面の実座標系との関係を示すディストーション情報を求め、これら求めた複数の垂直入射領域のディストーション情報に補間計算を行なって、前記被検非球面全面に亘るディストーション情報を求め、この求めた非球面全面に亘るディストーション情報及び前記被検非球面の設計式を用いて、前記干渉縞画像上の前記垂直入射領域と前記非垂直入射領域との間の極座標の差を前記横座標の相対値に変換する、
    請求項記載の非球面形状計測方法。
  3. 前記演算装置が、形状計測を行った複数の前記非垂直入射領域の内、他の干渉縞画像の前記非垂直入射領域と計測領域が重なる重なり領域について、この重なり領域の平均形状を求め、該重なり領域を形成する各形状データについて、この重なり領域の形状データと前記平均形状との差分形状を計算し、この差分形状を平面に近似して求めた平面近似式から求められる形状補正値を用いて、前記重なり領域を有する各干渉縞画像の前記垂直入射領域及び前記非垂直入射領域の形状を補正する形状補正工程を、更に備えた、
    請求項又は記載の非球面形状計測方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項記載の非球面形状計測方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  5. 光源と、
    被検非球面を有するワークと、
    前記光源及び被検非球面の間の光路中に配置されると共に、前記光源から出射された光の一部を反射して参照光とし、透過した光を測定光とする参照球面を有する基準レンズと、
    前記被検非球面の非球面軸方向に移動可能に前記ワークを支持する移動ステージと、
    前記被検非球面に反射された測定光及び参照光からなる干渉光を検出する撮像装置と、
    前記撮像装置が検出した干渉縞画像で干渉縞が縞一色となるヌル領域の内、測定光が前記被検非球面に垂直に入射した垂直入射領域については、前記干渉縞画像から求めた該垂直入射領域の位相情報及び前記ワークの初期位置からの移動量を用いて形状データの計算を行い、前記ヌル領域の内、前記垂直入射領域から外れた非垂直入射領域について、前記垂直入射領域の形状に対する相対形状として形状データの計算を行う演算装置と、を備え、
    前記演算装置は、
    前記垂直入射領域については、前記垂直入射領域の横座標を求めると共に、前記垂直入射領域の位相と前記非球面軸部分の位相との位相差を前記干渉縞画像から求め、この求めた位相差と前記ワークの初期位置からの移動量とから形状データの計算を行い、
    前記垂直入射領域から外れた非垂直入射領域については、横座標及び前記非球面軸部分の位相との位相差における前記垂直入射領域と前記非垂直入射領域との差分を相対値としてそれぞれ求め、これら位相差及び横座標の相対値を用いて、前記垂直入射領域の相対形状として形状データの計算を行う、
    ことを特徴とする形状計測装置。
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