JP2003139515A - スペックルを利用した変形量の絶対値計測方法 - Google Patents

スペックルを利用した変形量の絶対値計測方法

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JP2003139515A
JP2003139515A JP2001337373A JP2001337373A JP2003139515A JP 2003139515 A JP2003139515 A JP 2003139515A JP 2001337373 A JP2001337373 A JP 2001337373A JP 2001337373 A JP2001337373 A JP 2001337373A JP 2003139515 A JP2003139515 A JP 2003139515A
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Masakazu Uchino
正和 内野
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Fukuoka Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料試験や一般構造物の使用環境下の各種変
形に関して変形量と変形方向を同時に決定することが可
能なスペックルを利用した変形量の絶対値計測方法を提
供する。 【解決手段】 物体11の表面に2つ以上の異なる光路
を経由したレーザ光21を重ね合わせて照射して物体1
1の変形前後のスペックルパターンをそれぞれ撮像し、
変形前後のスペックルパターンを使用してスペックル干
渉縞を形成し、スペックル干渉縞の位相差を求めて物体
11の変形量を決定すると共に、変形前後のスペックル
パターンを比較しそれぞれのスペックルパターンに含ま
れる個々のスペックルの移動を求めて物体11の変形方
向を決定することにより物体11の変形量の絶対値計測
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般構造物が外力
や温度変化等の要因により変形する際に、表面の変形量
と変形方向を同時に決定することが可能なスペックルを
利用した変形量の絶対値計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試験片や構造物に発生した変形量
を求めるには、例えば、抵抗線ひずみゲージが使用され
ていた。抵抗線ひずみゲージは信頼性の高いセンサであ
るが、基本的には特定領域の特定方向に関する変形量を
検出するセンサである。このため、試験片や構造物にお
ける空間的な変形量の分布を求めるには、複数のひずみ
ゲージを組み合わせて使用する計測を行うことが必要で
あった。更に、ひずみ測定の対象となる領域は抵抗線ひ
ずみゲージのゲージ長に依存するため、微小領域のひず
み測定に対してはゲージ長との兼ね合いで限界が生じて
いた。一方、光学的手段による変形量の計測は、2次元
の観察面内の変形量の分布が容易に求まることが大きな
特徴となっている。特に、最近ではレーザ光源が容易に
利用できるようになり、更にCCDカメラの機能向上や
画像処理技術の向上とがあいまって、レーザ光を粗面に
照射したときに散乱反射することで生じるスペックルパ
ターンを利用した変形量の計測が行われるようになって
いる。スペックルパターンを利用した計測方法は、物体
の変形前後の個々のスペックルの移動を観測面全体にわ
たって求めることにより、変形方向を含めた変形量の分
布が容易に求まることが特徴となっている。計測におい
ては計測対象物の表面に現れている粗面をそのまま利用
するため、特に実構造物に対する計測に適しており、ま
た、非接触の計測方法であるため、高温及び低温での計
測、静的及び動的な荷重下での計測が可能である。更
に、スペックルパターンを得る際の結像系の倍率を調整
することにより、広範囲の計測から微小領域の計測まで
を行うことが可能になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】物体の変形前後のスペ
ックルパターンから物体の変形方向、変形量を求めるに
は、例えば、スペックル写真法、スペックル相関法、ス
ペックル干渉法等の種々の方法が提案されている。スペ
ックル写真法は、物体の変形前後の各スペックルパター
ンを写真フィルム上に2重に記録し、現像処理したネガ
フィルムにレーザ光を照射して回折光の中に現れる干渉
縞(ヤング縞)の間隔から物体の面内変形量を、ヤング
縞の方向から変形方向をそれぞれ決定する方法である。
この方法は、スペックルパターンの記録に写真処理が必
要で、ヤング縞の間隔と方向を求めるのに長時間を要す
ることが有り、動的な荷重が加えられる試験や一般構造
物での計測をリアルタイムで行うには不向きであった。
スペックル相関法は、変形前後でスペックルパターン内
の個々のスペックルが移動することに着目して、変形前
後における個々のスペックルの位置変化から変形量を、
位置変化の方向から変形方向を求める方法である。スペ
ックル相関法は、変形量分布の絶対値計測(変形量と変
形方向の同時計測)が可能な方法であるが、変形量の計
測における分解能が悪いため(例えば、数〜数百μ
m)、変形量が小さい場合では計測誤差が大きくなって
計測ができないという問題がある。
【0004】スペックル干渉法は、例えば、変形前後で
スペックルパターンの形状が変化することを利用して、
変形前後のスペックルパターンを組み合わせてスペック
ル干渉縞を形成させ、この干渉縞の位相差を求めて変形
量を決定する方法である。スペックル干渉縞の位相差
は、レーザ光の波長、レーザ光と物体法線がなす角度、
及び変形前後の物体表面での散乱点の位置変化量(すな
わち物体表面の変形量)に依存して決定されることが判
明しているので、位相差を別の手段で求め、レーザ光と
物体法線がなす角度を測定条件から求めると、物体表面
の変形量はレーザ光の波長のオーダーで、例えば0.5
〜0.005μmのオーダーで決定することができると
いう利点がある。しかし、得られたスペックル干渉縞か
らだけでは変形方向を直接決定することができないた
め、スペックル干渉法は材料試験等の予め変形方向が判
明している場合の計測に限られるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、材料試験
や一般構造物の使用環境下の各種変形に関して変形量と
変形方向を同時に決定することが可能なスペックルを利
用した変形量の絶対値計測方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るスペックルを利用した変形量の絶対値計測方法は、
物体の表面に2つ以上の異なる光路を経由したレーザ光
を重ね合わせて照射して前記物体の変形前後のスペック
ルパターンをそれぞれ撮像し、変形前後の前記スペック
ルパターンを使用してスペックル干渉縞を形成し、該ス
ペックル干渉縞の位相差を求めて前記物体の変形量を決
定すると共に、変形前後の前記スペックルパターンを比
較しそれぞれの前記スペックルパターンに含まれる個々
のスペックルの移動を求めて前記物体の変形方向を決定
することにより前記物体の変形量の絶対値計測を行う。
【0006】スペックルパターンは、レーザ光で物体表
面の粗面を照射したときに、拡散光の中や結像面にスク
リーンを置いたときに形成される不規則でコントラスト
の高い斑点状の模様(画像)である。スペックルは、粗
面の各点で散乱した光波が互いに不規則な位相関係で干
渉し合うことにより生成するもので、個々のスペックル
の大きさの分布等の統計的性質は粗面の構造とは無関係
で、光学系の絞り調節(開口数)のみに依存する。ま
た、物体が変形すると、物体の変形に伴って表面の粗面
も移動するので、変形前後のスペックルパターンを比較
すると、スペックルパターンに含まれる個々のスペック
ルは輝度を変えて移動している。従って、スペックルパ
ターンに含まれる個々のスペックルを物体表面に張り付
けた目印と考えると、物体の変形前後の個々のスペック
ルの移動状況、すなわち、移動量と移動方向をスペック
ルパターンの観察面全体にわたって求めることにより、
物体表面の変形状態、すなわち、変形量と変形方向をそ
れぞれ決定することができ、これによって変形量の絶対
値計測を行うことができる。
【0007】物体表面の粗面上の1点における散乱を考
えると、物体が変形すると物体表面の粗面も変形し、そ
れに伴って粗面上の各散乱点の位置も変化する。粗面上
の各散乱点の位置が変化すると、粗面で反射して結像面
に至るレーザ光の光路長に変化が生じるので、変形前の
個々のスペックルの輝度に対して変形後の個々のスペッ
クルの輝度は変化する。このため変形前後のスペックル
パターン同士を重ね合わせると、レーザ光の光路長の変
化に伴う位相差を反映したスペックル干渉縞(明暗の縞
模様)を形成することができる。また、位相差は、レー
ザ光の波長、レーザ光と物体法線がなす角度、及び変形
前後の物体表面での散乱点の位置変化量に依存する。従
って、位相差を求めること(スペックル干渉法)によ
り、変形前後の物体表面での散乱点の位置変化量、すな
わち物体表面の変形量を、レーザ光の波長、レーザ光と
物体法線がなす角度、及び位相差を用いて算出すること
ができる。ここで、レーザ光と物体法線がなす角度は測
定条件から決定でき、位相差は干渉縞の位相情報から別
途求めることができるので、物体表面の変形量は、レー
ザ光の波長のオーダーで、例えば0.5〜0.005μ
mの分解能で決定することができる。
【0008】本発明に係るスペックルを利用した変形量
の絶対値計測方法において、前記スペックル干渉縞は、
前記変形前のスペックルパターンの輝度と前記変形後の
スペックルパターンの輝度との比較演算を行うことによ
り形成されることができる。変形前後の各スペックルパ
ターンの輝度の比較演算として、例えば、変形前後のス
ペックルパターンの輝度の差の絶対値の演算、変形前後
のスペックルパターンの輝度の差の自乗の演算を行うこ
とができる。これらの比較演算を行うと、位相差がπの
偶数倍となる領域では比較演算の結果は0に、位相差が
πの奇数倍となる領域では比較演算の結果は最大とな
り、コントラストの高いスペックル干渉縞を得ることが
できる。このため、スペックル干渉縞の縞模様から位相
差を容易に求めることができる。
【0009】本発明に係るスペックルを利用した変形量
の絶対値計測方法において、前記個々のスペックルの移
動は、変形前後のそれぞれの前記スペックルパターンの
相互の相関演算を行うことにより求めることができる。
相関演算とは、スペックルパターンを構成する各スペッ
クルの変形前後における対応関係を求める演算であり、
変形前後における各スペックルの対応関係が求まると、
変形前のスペックルが変形後どの位置に移動したかが判
り、この移動から物体の表面で変形がどの方向にどれだ
け発生したかを求めることができる。また、各スペック
ルの変形前後における対応関係を求める演算としては、
例えば、画像を矩形の画素ブロックに分割し、それを基
準として(例えば、31×31画素で、その中心画素を
移動の中心とする)、変形後の画像の画素ブロックとの
間における対応する画素毎の輝度の分布状態を定量的に
比較してその同一性を評価するマッチング関数法を採用
することができる。ここで、マッチング関数とは、例え
ば、画素ブロックに含まれるスペックルを構成する各画
素について、変形前後の画素ブロック内で対応する位置
の画素同士で変形前の輝度Bb と変形後の輝度Ba との
差の絶対値|Bb −Ba |を求めて、これらの総和で定
義される関数である。例えば、変形前のp番目の画素ブ
ロックに対して、変形後のq番目の画素ブロックとの間
で求まるマッチング関数Mpqは、画素ブロック内の画素
数をm個とすると、 Mpq=|Bpb1 −Bqa1 |+|Bpb2 −Bqa2 |+・・
・+|Bpbm −Bqam | となる。なお、Bpb1 は変形前のp番目の画素ブロック
内の1番目の位置の画素の輝度を示し、Bqa1 は変形後
のq番目の画素ブロック内の1番目の位置の画素の輝度
を示す。変形後のスペックル画像に対して、変形前の画
素ブロックを1画素毎に前後左右にずらしていきながら
マッチング関数を演算し、最小となるマッチング関数を
求める。更に、画素以下の精度で移動量を得るために、
最小となるマッチング関数の前後のマッチング関数を用
いて、画素間の補完を行い、高精度な移動量を求めるこ
とができる。このような操作を変形前の画素ブロック毎
に行うと、変形前の画素ブロックがそれぞれ変形後のど
の位置に移動しているかを決定でき、その結果から物体
表面で変形がどの方向にどれだけ発生したかを求めるこ
とができる。
【0010】本発明に係るスペックルを利用した変形量
の絶対値計測方法において、前記スペックル干渉縞の形
成、及び前記スペックルパターンの相互の相関演算は、
いずれも変形前後の前記スペックルパターンの画像処理
によって行うことができる。変形前後のスペックルパタ
ーンを画像処理して直接スペックル干渉縞を形成するの
で、精度の高い干渉縞を迅速、かつ容易に形成すること
ができる。また、変形前後のスペックルパターンの画像
データからスペックルパターンの相互の相関関数を演算
するので、相関ピークを迅速に得ることができると共
に、個々のスペックルの移動方向を変形前後の各スペッ
クルパターンと対応させて決定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るスペックルを利用した変形量の絶対値計測方法
を適用した変形量計測システムの構成を示す模式図、図
2は同変形量計測システムのブロック構成図である。図
1に示すように、本発明の一実施の形態に係るスペック
ルを利用した変形量の絶対値計測方法を適用した変形量
計測システム10は、レーザ光を物体(被測定物)11
に照射する光学計測手段12と、物体11からの散乱光
を受光して得られるスペックルパターンを形成(撮像)
して各種の画像処理を行う画像処理手段13とを有して
いる。以下、これらについて詳細に説明する。
【0012】光学計測手段12は、例えば、レーザ発振
器15と、ハーフミラー16と、ミラー17、18と、
レンズ19、19a、20、20aを備えている。レー
ザ発振器15で得られたレーザ光21の進行方向内にハ
ーフミラー16を配置し、レーザ光21の光束の一部を
ハーフミラー16で反射させて反射光22を形成させる
と共に、レーザ光21の残りの光束はハーフミラー16
を通過させて透過光23を形成させる。また、反射光2
2及び透過光23が、物体11の法線nに対してそれぞ
れ異なる方向から等しい入射角θで物体11を照射する
ように、反射光22及び透過光23のそれぞれの進行方
向内にミラー17、18を配置する。更に、ミラー17
で反射した反射光22の進行方向内にレンズ19、19
aを、ミラー18で反射した透過光23の進行方向内に
レンズ20、20aをそれぞれ配置する。
【0013】レンズ19、19aを介することにより、
ミラー17で反射した反射光22を平行光線にして物体
11の表面の計測領域24に照射することができる。ま
た、レンズ20、20aを介することにより、ミラー1
8で反射した透過光23を平行光線にして物体11の表
面の計測領域24に照射することができる。その結果、
レーザ発振器15で発生させたレーザ光21を2つの異
なる光路を経由させて、物体11の表面の計測領域24
内に等しい入射角となるようにして重ね合わせて照射す
ることができる。なお、レーザ光21としては、例え
ば、ヘリウム−ネオンレーザから発振させたレーザ光を
使用することができる。
【0014】図1、図2に示すように、画像処理手段1
3は、例えば、物体11の計測領域24内で散乱したレ
ーザ光を受光するCCDカメラ25と、CCDカメラ2
5からの出力信号を用いてスペックルパターンを形成す
るスペックルパターン形成部26を有する画像処理機本
体27と、画像処理機本体27が形成したスペックルパ
ターンを表示するモニター28を備えている。なお、C
CDカメラ25のレンズ部25aには絞りが設けられて
おり、この絞りを調節することによりCCDカメラ25
の結像限界よりも十分粗いスペックルパターンが得られ
るようにする。ここで、画像処理機本体27としては、
例えばパーソナルコンピュータを使用することができ、
モニター28としては、例えば、CRTディスプレイ、
液晶ディスプレイ、プラズマ・ディスプレイなどの各種
表示機器が使用できる。また、画像処理機本体27に
は、例えば、2つのスペックルパターンの輝度の差の自
乗、すなわち、減算スペックルパターンの強度を求める
ことによりスペックル干渉縞を形成するスペックル干渉
縞形成部29と、得られた干渉縞の位相情報を演算する
位相情報演算部30と、位相情報演算部30の演算結果
に基づいて変形量を演算する変形量演算部31が設けら
れている。なお、スペックル干渉縞形成部29で得られ
たスペックル干渉縞、及び変形量演算部31で得られた
変形量は、モニター28にそれぞれ表示することができ
る。
【0015】更に、画像処理機本体27には、スペック
ルパターン形成部26で得られたスペックルパターン
を、例えば、矩形の画素ブロックに分割し、変形前の画
素ブロック毎に変形後の各画素ブロックとの間でマッチ
ング関数(差の絶対値の和)を演算し、変形前の各画素
ブロックにマッチング関数が最小となる変形後の位置を
特定する相関演算部32と、相関演算部32で得られた
変形前後の各画素ブロック間の対応関係から、変形前の
画素ブロックの中心を起点とした変位ベクトルの方向を
演算して変形方向を求める変形方向決定部33が設けら
れている。なお、相関演算部32で得られた変位ベクト
ル、及び変形方向決定部33で得られた変形方向は、モ
ニター28にそれぞれ表示することができる。画像処理
手段13を上記のような構成とすることにより、物体1
1の計測領域24から散乱されたレーザ光をCCDカメ
ラ25で受光することにより、変形前後の計測領域24
の表面のスペックルパターンを得ることができる。ま
た、変形前後のスペックルパターンを用いて、スペック
ル干渉縞を形成させて各干渉縞の位相差を求めること
で、計測領域24内の変形量の2次元分布を得ることが
できる。更に、変形前後のスペックルパターン間の相関
演算を行うことで、計測領域24内の変形方向の2次元
分布を得ることができる。
【0016】次に、本発明の一実施の形態に係るスペッ
クルを利用した変形量の絶対値計測方法について詳細に
説明する。物体11の計測領域24の法線nに対して入
射角θとなる対称な2方向からレーザ発振器15で発生
したレーザ光21が照射されるように、光学計測手段1
2のハーフミラー16、ミラー17、18、レンズ1
9、19a、20、20aをそれぞれ所定の位置に配置
する。先ず、レーザ発振器15を発振させてレーザ光2
1を物体11の計測領域24に照射し、その散乱光をC
CDカメラ25で受光し、スペックルパターン形成部2
6により形成させたスペックルパターンをモニター28
に表示する。表示されたスペックルパターンの状況を見
ながら、レーザ発振器15の出力を調整してスペックル
パターンの輝度調整を行うと共に、CCDカメラ25の
レンズ部25aに設けられている絞りを調節して、CC
Dカメラ25の解像限界よりも十分に粗いスペックルパ
ターンが得られるように調整する。レーザ発振器15の
出力と、CCDカメラ25のレンズ部25aに設けられ
ている絞りの調整が完了すると、CCDカメラ25から
の出力信号をデータ処理してその結果をモニター28に
表示させる計測条件を画像処理機本体27に入力する。
【0017】レーザ発振器15で発生したレーザ光21
をハーフミラー16により反射光22と透過光23の2
つに分離し、反射光22はミラー17で反射した後にレ
ンズ19、19aを介して計測領域24に対して一方の
側から入射角θで計測領域24に照射させ、透過光23
はミラー18で反射した後にレンズ20、20aを介し
て計測領域24に対して他方の側から入射角θで照射さ
せながら、物体11の変形を計測する。計測領域24で
散乱した散乱光をCCDカメラ25で受光し、予め設定
されたデータ収集速度、すなわち予め設定された時間間
隔でCCDカメラ25からの出力信号をスペックルパタ
ーン形成部26に入力してスペックルパターンを形成す
る。これによって、物体11の変形に伴うスペックルパ
ターンが逐次形成されることになる。更に、これらのス
ペックルパターンのデータをスペックル干渉縞形成部2
9に入力する。また、これらのスペックルパターンのデ
ータを相関演算部32に入力する。
【0018】スペックルパターンのデータがスペックル
干渉縞形成部29に入力されると、変形前のスペックル
パターンの輝度IBと変形後のスペックルパターンの輝
度IAとの差の自乗(IB−IA)2 が演算される。こ
こで、a1 を反射光22の振幅、a2 を透過光23の振
幅、φを反射光22及び透過光23の位相とすると、
(IB−IA)2 は次式で表される。 (IB−IA)2 = 4[a12 {cosφ−cos(φ+Δφ)}]2 ・・・・・(1) (1)式では、変形により生じた位相差Δφがπの奇数
倍のときは(IB−IA)2 =16(a12 cos
φ)2 となって強度が最大となる。一方、変形により生
じた位相差Δφがπの偶数倍のときは0となって強度が
最低となる。これによって、変形前後のスペックルパタ
ーンからスペックル干渉縞が形成される。形成されたス
ペックル干渉縞のデータは位相情報演算部30に入力さ
れ、スペックル干渉縞の画像データを基にフーリエ変換
を利用して位相差Δφを求める。得られた位相差Δφ
は、変形量演算部31に入力される。
【0019】いま、計測領域24において、変形前後で
uだけの変形が生じたとすると、スペックルを形成する
散乱点の位置もuだけ移動している。このため、変形前
後で反射光22と透過光23の2つの光路の間に光路差
が生じて、変形前後でCCDカメラ25に到達する反射
光22と透過光23の位相に差が生じる。このときの位
相差Δφは次式で表される。ここで、λはレーザ光21
(すなわち、反射光22、透過光23)の波長、θは計
測領域24に対する反射光22及び、透過光23の入射
角である。 Δφ=4πu(sinθ)/λ ・・・・・(2) 従って、変形量演算部31では(2)式から、位相情報
演算部30で出力された位相差Δφを用いてuを求め
る。変形量が得られるとその結果を、例えば、変形前後
の各スペックルパターン図、変形前後のスペックルパタ
ーンから得られたスペックル干渉縞図と共にモニター2
8に表示する。
【0020】変形前後のスペックルパターンのデータが
相関演算部32に入力されると、相関演算部32では入
力された各スペックルパターンを、例えば、矩形の画素
ブロックに分割し、変形後のスペックル画像に対して、
変形前の画素ブロックを1画素毎に前後左右にずらして
いきながらマッチング関数を演算し、最小となるマッチ
ング関数を特定し、更に、最小となるマッチング関数の
前後のマッチング関数を用いて、画素間の補完を行うこ
とで高精度な移動量を求める。その演算結果を変形方向
決定部33に入力する。変形方向決定部33では、相関
演算部32で得られた変形前後の各画素ブロック間の対
応関係に基づいて、変形前の各画素ブロックを起点とし
た変位ベクトルを求め、変形方向を決定する。変形方向
が決定されると、その結果を、例えば、変形後のスペッ
クルパターン図にスペックルの移動方向を重ね合わせて
表示した図として、変形前のスペックルパターン図と共
にモニター28に表示する。以上のことから、変形前後
のスペックルパターンを求めて、その画像処理を行うこ
とにより変形量と変形方向がそれぞれ決定され、決定さ
れた変形量と変形方向を組み合わせることにより、変形
量の絶対値計測が完了する。
【0021】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、
例えば、レーザ発振器から得られたレーザ光はハーフミ
ラーとミラーを用いて2光路のレーザ光としたが、レー
ザ発振器から得られたレーザ光を光ファイバーに導入し
50:50の光カプラを介して接続した2本の光ファイ
バーに更に導入することにより、2光路のレーザ光を得
ることも可能である。また、物体にレーザ光を照射する
際は2個のレンズを使用して平行光線としたが、光ファ
イバーで2光路のレーザ光を形成した場合、各光ファイ
バーの端部から放射されるレーザ光を凹面鏡で反射させ
て平行光線とすることも可能である。また、変形の時間
経過と共に変化するスペックルパターンを順次撮像して
画像処理機に設けた記憶部に取り込むと共に、それらの
スペックルパターンを記憶部から順次読み出して画像処
理を行うことにより、動的試験環境下における変形量の
絶対値計測、一般構造物の実使用環境下における変形量
の絶対値計測を行うことができる。更に、画像処理機本
体に設けたスペックル干渉縞形成部、位相情報演算部、
変形量演算部、相関演算部、変形方向決定部は、いずれ
も各機能を発現させるプログラムをパーソナルコンピュ
ータに搭載することにより形成したが、スペックル干渉
縞形成部、位相情報演算部、変形量演算部、相関演算
部、変形方向決定部の全て、あるいは一部を専用のマイ
クロコンピュータを用いて構成することも可能である。
各機能を専用のマイクロコンピュータを使用して構成す
ることにより、画像処理の高速化が可能になって、動的
環境下での変形量の絶対値計測が容易となる。
【0022】
【発明の効果】請求項1〜4記載のスペックルを利用し
た変形量の絶対値計測方法においては、物体の表面に2
つ以上の異なる光路を経由したレーザ光を重ね合わせて
照射して物体の変形前後のスペックルパターンをそれぞ
れ撮像し、変形前後のスペックルパターンを使用してス
ペックル干渉縞を形成し、スペックル干渉縞の位相差を
求めて物体の変形量を決定すると共に、変形前後のスペ
ックルパターンを比較しそれぞれのスペックルパターン
に含まれる個々のスペックルの移動を求めて物体の変形
方向を決定することにより物体の変形量の絶対値計測を
行うので、動的試験環境下での変形量の計測、実構造物
の稼働状況下での変形量の計測が可能になる。更に、部
品や装置の表面の変形量の分布が高精度に計測できるこ
とから、その結果を有限要素法の境界条件とすること
で、部品や装置の内部における変形量や応力の各分布を
正確に把握することができ、製品の信頼性を向上させる
ことが可能となる。
【0023】特に、請求項2記載のスペックルを利用し
た変形量の絶対値計測方法においては、スペックル干渉
縞は、変形前のスペックルパターンの輝度と変形後のス
ペックルパターンの輝度との比較演算を行うことにより
形成されるので、縞模様から位相差を正確、かつ容易に
求めることができ、精度の高い変形量の計測を容易に行
うことが可能となる。
【0024】請求項3記載のスペックルを利用した変形
量の絶対値計測方法においては、個々のスペックルの移
動は、変形前後のそれぞれのスペックルパターンの相互
の相関演算を行うことにより求められるので、変形前の
スペックルパターンの個々のスペックルが変形後にはど
の方向に移動したかを直接求めることができ、物体表面
の各散乱点が変形後どの方向にどのくらい移動したかを
容易に求めることができ、物体表面の変形方向の決定が
可能になると共に、圧縮変形あるいは引張変形の区別を
行うことが可能となる。
【0025】請求項4記載のスペックルを利用した変形
量の絶対値計測方法においては、スペックル干渉縞の形
成、及びスペックルパターンの相互の相関演算は、いず
れも変形前後のスペックルパターンの画像処理によって
行うので、スペックル干渉縞の形成、及びスペックルパ
ターンの相互の相関演算を迅速に行うことができ、変形
量や変形方向を迅速に決定することが可能となる。その
結果、荷重変化や温度変化が生じる動的環境下での変形
量の絶対値計測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスペックルを利用
した変形量の絶対値計測方法を適用した変形量計測シス
テムの構成を示す模式図である。
【図2】同変形量計測システムのブロック構成図であ
る。
【符号の説明】
10:変形量計測システム、11:物体、12:光学計
測手段、13:画像処理手段、15:レーザ発振器、1
6:ハーフミラー、17、18:ミラー、19、19
a、20、20a:レンズ、21:レーザ光、22:反
射光、23:透過光、24:計測領域、25:CCDカ
メラ、25a:レンズ部、26:スペックルパターン形
成部、27:画像処理機本体、28:モニター、29:
スペックル干渉縞形成部、30:位相情報演算部、3
1:変形量演算部、32:相関演算部、33:変形方向
決定部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の表面に2つ以上の異なる光路を経
    由したレーザ光を重ね合わせて照射して前記物体の変形
    前後のスペックルパターンをそれぞれ撮像し、変形前後
    の前記スペックルパターンを使用してスペックル干渉縞
    を形成し、該スペックル干渉縞の位相差を求めて前記物
    体の変形量を決定すると共に、変形前後の前記スペック
    ルパターンを比較しそれぞれの前記スペックルパターン
    に含まれる個々のスペックルの移動を求めて前記物体の
    変形方向を決定することにより前記物体の変形量の絶対
    値計測を行うことを特徴とするスペックルを利用した変
    形量の絶対値計測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスペックルを利用した変
    形量の絶対値計測方法において、前記スペックル干渉縞
    は、前記変形前のスペックルパターンの輝度と前記変形
    後のスペックルパターンの輝度との比較演算を行うこと
    により形成されることを特徴とするスペックルを利用し
    た変形量の絶対値計測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のスペックルを利用
    した変形量の絶対値計測方法において、前記個々のスペ
    ックルの移動は、変形前後のそれぞれの前記スペックル
    パターンの相互の相関演算を行うことにより求められる
    ことを特徴とするスペックルを利用した変形量の絶対値
    計測方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のスペックルを利用した変
    形量の絶対値計測方法において、前記スペックル干渉縞
    の形成、及び前記スペックルパターンの相互の相関演算
    は、いずれも変形前後の前記スペックルパターンの画像
    処理によって行うことを特徴とするスペックルを利用し
    た変形量の絶対値計測方法。
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