JP3858056B2 - スペックルを用いた2方向変形同時計測装置 - Google Patents

スペックルを用いた2方向変形同時計測装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の表面に異なる2方向からレーザ光を照射して得られるスペックルパターンを用いてスペックル干渉縞を形成して物体の変形量と変形方向の計測を同時に行うことが可能なスペックルを用いた2方向変形同時計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光が物体表面の粗面等によって散乱反射することで生じるスペックルパターンを利用した変形量の計測は、一般的に粗面で構成される実構造物の表面の変形量の計測に非常に適している。また、レーザ光の可干渉性を利用しているため、高温又は低温下での物体の変形量の計測、静的及び動的な荷重が加えられる環境下での物体の変形量の計測が可能となっている。更に、理論的には、広範囲領域から微小領域に到るまでの変形量の計測が可能である。
スペックルパターンを利用した変形量の計測は、分解能が数十μmと比較的粗いスペックル相関法と、分解能が1μm以下となるスペックル干渉法に大別される。スペックル相関法は、直接スペックルパターンの移動より変形量を計測するため、変形方向を含めた変形量の絶対値計測が可能になるという利点があるが、分解能が粗いため精度の高い計測や微小な変形量の計測には適さないという問題がある。このため、精度の高い計測や微小な変形量の計測には、分解能が1μm以下となるスペックル干渉法が採用されている。
しかし、スペックル干渉法では物体の変形方向の変形量を直接計測することができず、スペックル干渉縞を形成するために照射するレーザ光の照射方向に関する変形量しか計測できないという問題がある、そのため、一般的な変形(物体の変形方向が照明方向からずれている)の場合は、物体に対して異なる2つの方向からレーザ光をそれぞれ照射して計測を行ない、各計測方向における計測結果を合成して、物体としての真の変形量と、その変形方向を求める必要があった。従って、スペックル干渉法を用いて物体の変形量を計測する場合は、レーザ光を異なる2方向から別々に照射する照射切替機構を計測装置に設けて、レーザ光の照射方向を切り換えながら、それぞれの方向の変形量を計測していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザ光の照射方向を切り換えながらそれぞれの方向の変形量を計測する場合、レーザ光の照射方向の切替には所定の時間を要するため、それぞれの方向の変形量を計測する時刻に、切替に必要な所定の時間だけの時間差が生じることになる。このため、変形速度が速い場合の計測や、非常に精度の高い計測を必要とする場合は、計測誤差が大きくなるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、物体の真の変形量を計測するに際し、異なる2方向から同時にレーザ光を照射して変形量と変形方向の計測が可能となるスペックルを用いた2方向変形同時計測装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置は、物体に2つの異なる方向からそれぞれ異なる波長のレーザ光L1、L2を同時に照射するレーザ光照射手段と、
前記各レーザ光L1、L2が前記物体の表面で同時に散乱して生じた散乱レーザ光から波長別に前記レーザ光L1、L2を検知する散乱レーザ光検知手段と、
前記散乱レーザ光検知手段で波長別に検知された前記各レーザ光L1、L2からそれぞれスペックル干渉縞を形成して該スペックル干渉縞の位相差を求めて2つの異なる方向別に前記物体の見掛けの変形量を求める第1の変形量演算手段と、前記第1の変形量演算手段で求めた前記各見掛けの変形量から前記物体に生じている真の変形量及び変形方向を演算する第2の変形量演算手段とを有し、
前記レーザ光L 1 は2つの異なる光路を経由して水平方向から、前記レーザ光L 2 は2つの異なる光路を経由して垂直方向から同時に前記物体に照射され、前記物体の見掛けの変形量は水平方向及び垂直方向別に求められる
【0005】
レーザ光照射手段により、例えば、波長がλ1のレーザ光L1を、物体に対して一方の方向(水平方向)から、その散乱レーザ光によりスペックルパターンが形成される条件で照射する。同時にレーザ光照射手段により、波長がλ2のレーザ光L2を、物体に対して他方の方向(垂直方向)から、その散乱レーザ光がスペックルパターンを形成する条件で照射する。このような構成とすることにより、物体の表面で散乱した散乱レーザ光は、水平方向から照射した波長がλ1のレーザ光L1と、垂直方向から照射した波長がλ2のレーザ光L2から構成されることになる。
【0006】
物体の表面で散乱したレーザ光L1、L2を、波長λ1と波長λ2を個別に検知する散乱レーザ光検知手段に入力すると、波長λ1のレーザ光L1の検知信号と、波長λ2のレーザ光L2の検知信号がそれぞれ個別に得られる。これらの各検知信号を第1の変形量演算手段に入力すると、波長λ1のレーザ光L1の検知信号からは波長λ1のレーザ光L1を物体に対して水平方向から照射したときに得られるスペックルパターンが得られ、波長λ2のレーザ光L2の検知信号からは波長λ2のレーザ光L2を物体に対して垂直方向から照射したときに得られるスペックルパターンがそれぞれ得られる。
また、波長がλ1のレーザ光L1と波長がλ2のレーザ光L2を同時に2方向から物体に照射してその散乱レーザ光を検知している状態で物体の変形を行うと、各波長のレーザ光L1、L2に基づいた物体の変形前後のスペックルパターンを得ることができる。そして、検知した波長λ1、λ2の各レーザ光L1、L2から得られた変形前後のスペックルパターンよりスペックル干渉縞をそれぞれ形成することができる。
【0007】
スペックル干渉縞は、レーザ光を散乱する物体表面の散乱点の位置が変形前後で移動することによりレーザ光の光路長が変化し、レーザ光に位相差が生じることにより発生する。そして、位相差は、レーザ光の波長、レーザ光と物体法線がなす角度、及び変形前後の物体表面での散乱点の位置変化量に依存している。
従って、位相差を求めることにより、変形前後の物体表面での散乱点の位置変化量、すなわち物体表面の変形量を、レーザ光の波長、レーザ光と物体法線がなす角度から算出することができる。ここで、レーザ光と物体法線がなす角度は測定条件から決定でき、位相差は干渉縞の位相情報から別途求めることができる。
また、波長λ1のレーザ光L1のスペックル干渉縞は物体の水平方向に対する見掛けの変形量に起因した干渉縞であり、波長λ2のレーザ光L2のスペックル干渉縞は物体の垂直方向に対する見掛けの変形量に起因した干渉縞となっている。このため、波長λ1のレーザ光L1のスペックル干渉縞から求めた変形量は水平方向に対する見掛けの変形量に対応し、波長λ2のレーザ光L2のスペックル干渉縞から求めた変形量は垂直方向に対する見掛けの変形量に対応している。
従って、第1の変形量演算手段により、物体の水平方向に対する見掛けの変形量と、垂直方向に対する見掛けの変形量をそれぞれ求めることができる。
【0008】
第1の変形量演算手段により得られた物体の水平方向に対する見掛けの変形量と、垂直方向に対する見掛けの変形量を、第2の変形量演算手段に入力すると、水平方向に対する変形ベクトルと垂直方向に対する変形ベクトルがそれぞれ決定される。次いで、水平方向に対する変形ベクトルと垂直方向に対する変形ベクトルの合成演算が行われる。従って、得られた合成ベクトルの絶対値から物体としての真の変形量、合成ベクトルの方向から物体としての変形方向をそれぞれ決定することができる。
【0009】
本発明に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置において、前記散乱レーザ光検知手段には、前記散乱レーザ光を前記波長別のレーザ光L1、L2に分離する波長分離器と、前記波長分離器により分離された各レーザ光L1、L2をそれぞれ検知する2台の受光器が設けた構成とすることができる。
波長分離器を設けることにより、波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2からなる散乱レーザ光を、波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2に分離することができる。そして分離された波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2をそれぞれ専用の受光器で受光することにより、波長λ1のレーザ光L1の情報と、波長λ2のレーザ光L2の情報をそれぞれ個別に得ることができる。
【0010】
本発明に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置において、前記波長分離器は干渉によりレーザ光の波長の選択行う第1〜第3の波長選択フィルターを有し、前記第1の波長選択フィルターは前記物体の表面の法線に対して所定の角度をなして設けられ前記散乱レーザ光から前記レーザ光L1を選択透過させて前記レーザ光L2を反射し、前記第2の波長選択フィルターは前記レーザ光L1を検知する前記受光器の受光窓に取付けられ前記レーザ光L1のみを透過し、前記第3の波長選択フィルターは前記レーザ光L2を検知する前記受光器の受光窓に取付けられ前記レーザ光L2のみを透過することが好ましい。
第1の波長選択フィルターを物体の表面の法線に対して所定の角度をなして設けることにより、散乱レーザ光から一方の波長、例えば波長λ1のレーザ光L1を選択透過させ、他方の波長、例えば波長λ2のレーザ光L2を反射することができる。更に、波長λ1、λ2のレーザ光L1、L2からなる散乱レーザ光を、波長λ1のレーザ光L1及び波長λ2のレーザ光L2に分離すると共に、同時に光路の分離も行うことができる。
その結果、例えば、波長λ1のレーザ光L1を検知する受光器の受光窓に波長λ1のレーザ光L1を選択透過する第2の波長選択フィルターを配置し、波長λ2のレーザ光L2を検知する受光器の受光窓に波長λ2のレーザ光L2を選択透過する第3の波長選択フィルターを配置することにより、各受光器に受光される各レーザ光L1、L2の波長選択性の精度を向上させることができる。
ここで、所定の角度とは、例えば、30〜60°の範囲の角度であり、より好ましくは45°の角度である。一般的に市販されている波長選択フィルターは入射角が45°もしくは0°入射の仕様に設定されており、それをはずれた場合は、反射率、透過率が悪くなるという計測上の問題点が生じる。そのため、角度を45°に設定することで、第1の波長選択フィルターで分離される波長λ1のレーザ光L1の強度と波長λ2のレーザ光L2の強度を実質的に等しく調整することができる。
【0011】
本発明に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置において、前記散乱レーザ光検知手段には、前記散乱レーザ光を一括して受光し、受光した前記散乱レーザ光から波長別に前記レーザ光L1、L2を選択検知してその検知信号を出力することが可能な波長識別受光器を設けた構成とすることができる。
散乱レーザ光検知手段に、使用する波長λ1とλ2の各レーザ光L1、L2を選択検知することができる波長識別受光器を用いることにより、波長λ1及びλ2の各レーザ光L1、L2からなる散乱レーザ光より、波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2の各情報を直接得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置の構成を示す概念図、図2は同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置の散乱レーザ光検知手段の構成を示す概念図、図3は同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置のブロック構成図、図4は同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置の計測部本体の構成を示すブロック図、図5は同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置の変形例に係る散乱レーザ光検知手段の構成を示す概念図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置10は、物体11に水平方向から波長λ1のレーザ光L1、垂直方向から波長λ2のレーザ光L2を同時に照射するレーザ光照射手段14と、各レーザ光L1、L2が物体11の表面で散乱して生じた散乱レーザ光15を波長別に分離して波長λ1のレーザ光L1及び波長λ2のレーザ光L2としてそれぞれ検知する散乱レーザ光検知手段16を有している。
また、スペックルを用いた2方向変形同時計測装置10には、散乱レーザ光検知手段16から出力される波長λ1のレーザ光L1及び波長λ2のレーザ光L2の各検知信号からそれぞれスペックル干渉縞を形成しスペックル干渉縞から物体11の水平方向の見掛けの変形量と垂直方向の見掛けの変形量を算出して物体11としての真の変形量と変形方向を決定する計測部本体17が設けられている。以下、これらについて詳細に説明する。
【0013】
レーザ光照射手段14は、例えば、波長λ1のレーザ光L1を発振するレーザ発振器19と、波長λ2のレーザ光L2を発振するレーザ発振器20と、ハーフミラー21、22と、ミラー23、24、25と、レンズ26、26a、27、27a、28、28a、29、29aを備えている。レーザ発振器19で得られた波長λ1のレーザ光L1の進行方向内にハーフミラー21を配置し、レーザ光L1の光束の一部をハーフミラー21で反射させてレーザ光L1の光束の一部を分岐すると共に、レーザ光L1の残りの光束はハーフミラー21を透過させる。そして、透過したレーザ光L1の進行方向内にレンズ26、26aを配置しレーザ光L1を平行光線として、物体11に対して水平方向から、更に、物体11の法線に対して入射角θ1で照射するようにする。また、ハーフミラー21で反射して分岐したレーザ光L1の進行方向内にミラー23を配置して、ミラー23で反射したレーザ光L1がレンズ27、27aを介し平行光線として、物体11に対して水平方向から、更に、物体11の法線に対してレンズ26、26aを介して照射されるレーザ光L1と対称となる方向から入射角θ1で照射するようにする。
レーザ発振器20で得られた波長λ2のレーザ光L2の進行方向内にハーフミラー22を配置し、レーザ光L2の光束の一部をハーフミラー22で反射させてレーザ光L2の光束の一部を分岐すると共に、レーザ光L2の残りの光束はハーフミラー22を透過させる。そして、ハーフミラー22で分岐したレーザ光L2の進行方向内にミラー25を配置して、ミラー25で反射したレーザ光L2がレンズ29、29aを介し平行光線として、物体11に対して垂直方向から、更に、物体11の法線に対して入射角θ2で照射するようにする。また、ハーフミラー22を透過したレーザ光L2の進行方向内にミラー24を配置して、ミラー24で反射したレーザ光L2がレンズ28、28aを介し平行光線として、物体11に対して垂直方向から、物体11の法線に対してレンズ29、29aを介して照射するレーザ光L2と対称となる方向から入射角θ2で照射するようにする。
【0014】
このような構成とすることにより、レーザ発振器19で発生させた波長λ1のレーザ光L1を2つの異なる光路を経由するレーザ光L1として、物体11に対して水平方向から、更に、物体11の法線に対してそれぞれ対称の関係となる入射角θ1で重ね合わせて照射することができる。
また、レーザ発振器20で発生させた波長λ2のレーザ光L2を2つの異なる光路を経由するレーザ光L2として、物体11に対して垂直方向から、更に、物体11の法線に対してそれぞれ対称の関係となる入射角θ2で重ね合わせて照射することができる。
なお、波長λ1のレーザ光L1としては、例えば赤色レーザ光、波長λ2のレーザ光L2としては、例えば青色レーザ光をそれぞれ使用することができる。
【0015】
図2に示すように、散乱レーザ光検知手段16には、散乱レーザ光15から波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2を分離する波長分離器37と、波長分離器37により分離された波長λ1のレーザ光L1を検知する受光器の一例であるCCDカメラ40と、波長λ2のレーザ光L2を検知する受光器の一例であるCCDカメラ41が設けられている。
また、波長分離器37は、干渉によりレーザ光の波長の選択を行なう第1〜第3の波長選択フィルター42、43、44を使用して構成している。すなわち、波長分離器37は、例えば、物体11の表面の法線に対して45°の角度をなして設けられ散乱レーザ光15から波長λ1のレーザ光L1のみを透過させて、波長λ2のレーザ光L2を反射する第1の波長選択フィルター42が設けられている。更に、波長分離器37には、透過した波長λ1のレーザ光L1を検知するCCDカメラ40の受光窓に取付けられ波長λ1のレーザ光L1のみを透過する第2の波長選択フィルター43と、第1の波長選択フィルター42で反射した波長λ2のレーザ光L2を検知するCCDカメラ41の受光窓に取付けられ波長λ2のレーザ光L2のみを透過する第3の波長選択フィルター44が設けられている。なお、CCDカメラ40に設けられたレンズ部40a、CCDカメラ41に設けられたレンズ部41aにはそれぞれ絞りが設けられており、この絞りを調節することにより、各CCDカメラ40、41の解像限界よりも十分に粗いスペックルパターンが得られるように調整する。
【0016】
このような構成とすることにより、始めに、散乱レーザ光15を第1の波長選択フィルター42により波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2とに分離すると共に、波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2の進行方向もそれぞれ分離することができる。そして、波長λ1のレーザ光L1は第2の波長選択フィルター43を介してCCDカメラ40に導入されるので、CCDカメラ40では波長λ1のレーザ光L1のみに関する情報、すなわち、物体11に対して水平方向から照射されて物体11で散乱されたレーザ光に関する情報のみを出力することができる。同時に、波長λ2のレーザ光L2は第3の波長選択フィルター44を介してCCDカメラ41に導入されるので、CCDカメラ41では波長λ2のレーザ光L2のみに関する情報、すなわち、物体11に対して垂直方向から照射されて物体11で散乱されたレーザ光に関する情報のみを出力することができる。
【0017】
図3、図4に示すように、計測部本体17は、散乱レーザ光検知手段16で散乱レーザ光15から波長別に分離されてそれぞれ検知された波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2からそれぞれスペックルパターンを形成し、スペックルパターンからスペックル干渉縞を形成して干渉縞の位相差を求め、物体11の水平方向及び垂直方向の各見掛けの変形量を求める第1の変形量演算手段45を有している。更に、計測部本体17は第1の変形量演算手段45で求めた物体11の水平及び垂直方向の各見掛けの変形量から物体11としての真の変形量と変形方向を演算する第2の変形量演算手段46を有している。
【0018】
第1の変形量演算手段45には、波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2からそれぞれスペックル情報を求めるλ1演算系47とλ2演算系48が設けられている。λ1演算系47には、CCDカメラ40からの出力信号に基づいてスペックルパターンを形成するスペックルパターン形成部49と、変形前後のスペックルパターンの輝度の差の絶対値、すなわち、減算スペックルパターンの強度を求めることによりスペックル干渉縞を形成するスペックル干渉縞形成部50と、得られた干渉縞の画像からフーリエ変換を利用して位相差を演算する位相情報演算部51と、位相情報演算部51の演算結果に基づいて水平方向の見掛けの変形量を演算しその結果を出力する変形量演算部52が設けられている。
同様に、λ2演算系48には、CCDカメラ41からの出力信号に基づいてスペックルパターンを形成するスペックルパターン形成部53と、変形前後のスペックルパターンの輝度の差の絶対値、すなわち、減算スペックルパターンの強度を求めることによりスペックル干渉縞を形成するスペックル干渉縞形成部54と、得られた干渉縞の画像からフーリエ変換を利用して位相差を演算する位相情報演算部55と、位相情報演算部55の演算結果に基づいて垂直方向の見掛けの変形量を演算しその結果を出力する変形量演算部56が設けられている。ここで、CCDカメラ41で撮像される画像は、第1の波長選択フィルター42で反射されたレーザ光L2により形成されるものであるため、物体11から実際に得られる画像と比較して反転した画像となっている。このため、スペックルパターン形成部53ではスペックルパターンを形成する際に画像の反転処理を行って、物体11から実際に得られる画像に戻している。
なお、各スペックルパターン形成部49、53で得られた各スペックルパターン、各スペックル干渉縞形成部50、54で得られた各スペックル干渉縞、及び各変形量演算部52、56で得られた各見掛けの変形量は、モニター57にそれぞれ表示することができる。
【0019】
第2の変形量演算手段46には、各変形量演算部52、56からの出力信号に基づいて、各見掛けの変形量に対する変形ベクトルを求めるベクトル演算部58と、求めた各変形ベクトルを合成して物体11としての合成ベクトルを求めるベクトル合成部59が設けられている。また、ベクトル合成部59では、合成ベクトルの方向を物体11の変形方向、合成ベクトルの絶対値を物体11の真の変形量としてモニター57にそれぞれ出力する。
ここで、計測部本体17としては、例えばパーソナルコンピュータを使用することができ、モニター57としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマ・ディスプレイなどの各種表示機器が使用できる。
【0020】
次に、本発明の一実施の形態に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置10の使用方法について詳細に説明する。
レーザ光照射手段14のレーザ発振器19、ハーフミラー21、ミラー23、レンズ26、26a、27、27aの位置をそれぞれ調整して、レーザ発振器19で発生させた波長λ1のレーザ光L1の内でハーフミラー21を透過したレーザ光L1がレンズ26を介して物体11に対して水平方向から、更に、物体11の法線に対して入射角θ1で照射するようにする。同時に、ハーフミラー21で反射したレーザ光L1が再度ミラー23で反射してレンズ27を介して物体11に対して水平方向から、更に、物体11の法線に対してレンズ26を介して照射されるレーザ光L1と対称となる入射角θ1の方向から照射するようにする。
同時に、レーザ光照射手段14のレーザ発振器20、ハーフミラー22、ミラー24、25、レンズ28、28a、29、29aの位置をそれぞれ調整して、レーザ発振器20で発生させた波長λ2のレーザ光L2の内でハーフミラー22を透過したレーザ光L2がミラー24で反射しレンズ28を介して物体11に対して垂直方向から、更に、物体11の法線に対して入射角θ2で照射するようにする。同時に、ハーフミラー22で反射したレーザ光L2が再度ミラー25で反射しレンズ29を介して物体11に対して垂直方向から、更に、物体11の法線に対してレンズ28を介して照射されるレーザ光L2と対称となる入射角θ2の方向から照射するようにする。
【0021】
続いて、散乱レーザ光検知手段16、計測部本体17、モニター57をそれぞれ起動する。
先ず、レーザ発振器19を発振させてレーザ光L1をハーフミラー21とミラー23により2つのレーザ光L1に分けて物体11に対して水平方向から照射し、物体11の表面で散乱したレーザ光L1をCCDカメラ40で受光し、スペックルパターン形成部49により形成させたスペックルパターンをモニター57に表示する。表示されたスペックルパターンの状況を見ながら、レーザ発振器19の出力を調整してスペックルパターンの輝度調整を行うと共に、CCDカメラ40のレンズ部40aに設けられている絞りを調節して、CCDカメラ40の解像限界よりも十分に粗いスペックルパターンが得られるようにする。
次いで、レーザ発振器20を発振させてレーザ光L2をハーフミラー22とミラー24、25により2つのレーザ光L2に分けて物体11に対して垂直方向から照射し、物体11の表面で散乱したレーザ光L2をCCDカメラ41で受光し、スペックルパターン形成部53により形成させたスペックルパターンをモニター57に表示する。表示されたスペックルパターンの状況を見ながら、レーザ発振器20の出力を調整してスペックルパターンの輝度調整を行うと共に、CCDカメラ41のレンズ部41aに設けられている絞りを調節して、CCDカメラ41の解像限界よりも十分に粗いスペックルパターンが得られるようにする。
レーザ発振器19、20の出力と、各CCDカメラ40、41のレンズ部40a、41aにそれぞれ設けられている絞りの調整が完了すると、散乱レーザ光検知手段16からの出力信号をデータ処理してその結果をモニター57に表示させる計測条件を計測部本体17に入力する。
【0022】
レーザ発振器19を発振させてレーザ光L1をハーフミラー21とミラー23により2つのレーザ光L1に分けて物体11に対して水平方向から照射し、更に、レーザ発振器20を発振させてレーザ光L2をハーフミラー22とミラー24、25により2つのレーザ光L2に分けて物体11に対して垂直方向から照射しながら、物体11に変形を加える。このとき、物体11で散乱した散乱レーザ光15を、第1の波長選択フィルター42により波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2とに分離し、波長λ1のレーザ光L1は第2の波長選択フィルター43を介してCCDカメラ40で受光し、波長λ2のレーザ光L2は第3の波長選択フィルター44を介してCCDカメラ41で受光させる。そして、各CCDカメラ40、41は、受光した波長λ1のレーザ光L1と波長λ2のレーザ光L2の検知信号をそれぞれ出力する。
CCDカメラ40、41からの各出力信号を、第1の変形量演算手段45に設けられたλ1演算系47、λ2演算系48にそれぞれ入力する。λ1演算系47に入力されたCCDカメラ40の出力信号は予め設定されたデータ収集速度、すなわち予め設定された時間間隔でスペックルパターン形成部49に入力されて逐次スペックルパターンを形成する。これによって、物体11の変形に伴う波長λ1のレーザ光L1に基づくスペックルパターンが逐次形成されることになる。また、λ2演算系48に入力されたCCDカメラ41の出力信号は予め設定されたデータ収集速度、すなわち予め設定された時間間隔でスペックルパターン形成部53に入力されて逐次スペックルパターンを形成する。これによって、物体11の変形に伴う波長λ2のレーザ光L2に基づくスペックルパターンが逐次形成されることになる。
【0023】
スペックルパターン形成部49、53で得られた各スペックルパターンのデータは、それぞれスペックル干渉縞形成部50、54に入力される。各スペックル干渉縞形成部50、54では、変形前のスペックルパターンの輝度IBと変形後のスペックルパターンの輝度IAとの差の絶対値|IB−IA|を演算する。ここで、a1、a2を物体11の表面の法線に対して対称となる2つの方向から照射されるレーザ光の振幅、φを反射レーザ光及び透過レーザ光の位相、Δφを変形により生じた位相差とすると、|IB−IA|は次式で表される。
|IB−IA|=
2|a12{cosφ−cos(φ+Δφ)}| ・・・・・(1)
(1)式では、位相差Δφがπの奇数倍のときは|IB−IA|=4|(a12cosφ)|となって強度が最大となる。一方、位相差Δφがπの偶数倍のときは0となって強度が最低となる。これによって、変形前後のスペックルパターンからスペックル干渉縞が形成される。
従って、各スペックル干渉縞形成部50、54からは、形成された各スペックル干渉縞の画像データが出力されて、それぞれ位相情報演算部51、55に入力される。各位相情報演算部51、55では、各スペックル干渉縞の画像データからフーリエ変換を利用して位相差Δφがそれぞれ求められる。得られた各位相差Δφは、各変形量演算部52、56に入力される。
なお、モニター57には、スペックルパターン形成部49、53で得られた各スペックルパターン、スペックル干渉縞形成部50、54で得られた各スペックル干渉縞を表示する。
【0024】
いま、物体11が変形して、水平方向にu、垂直方向にvだけのそれぞれ見掛けの変形量が発生したとすると、スペックルを形成する散乱点の位置も水平方向にu、垂直方向にvだけ移動している。このため、波長λ1のレーザ光L1を2つのレーザ光L1に分けて物体11に対して水平方向から照射して散乱したレーザ光L1をCCDカメラ40で受光する場合、変形前後で2つのレーザ光L1の各光路の間に光路差が生じて、CCDカメラ40に到達する2つのレーザ光L1の位相に差が生じる。このときの位相差Δφ1は次式で表される。
Δφ1=4πu(sinθ1)/λ1 ・・・・・(2)
従って、変形量演算部52では(2)式から、位相情報演算部51で出力された位相差Δφ1を用いて物体11の水平方向の見掛けの変形量uを求める。一干渉縞当たりの変形量は、Δφ1=2πなので、u=λ1/(2sinθ1)となる。
また、波長λ2のレーザ光L2を2つのレーザ光L2に分けて物体11に対して垂直方向から照射して物体11の表面で散乱したレーザ光L2をCCDカメラ41で受光する場合、変形前後で2つのレーザ光L2の各光路の間に光路差が生じて、CCDカメラ41に到達する2つのレーザ光L2の位相に差が生じる。このときの位相差Δφ2は次式で表される。
Δφ2=4πv(sinθ2)/λ2 ・・・・・(3)
従って、変形量演算部56では(3)式から、位相情報演算部55で出力された位相差Δφ2を用いて物体11の垂直方向の見掛けの変形量vを求める。一干渉縞当たりの変形量は、Δφ2=2πなので、v=λ2/(2sinθ2)となる。
【0025】
変形量演算部52で求められた物体11の水平方向に対する見掛けの変形量uと、変形量演算部56で求められた物体11の垂直方向に対する見掛けの変形量vは、第2の変形量演算手段46に設けられたベクトル演算部58に入力される。ベクトル演算部58では、各変形量演算部52、56から入力された水平及び垂直方向の各見掛けの変形量u、vから、それぞれ変形ベクトルを演算する。そして、得られた各変形ベクトルは、ベクトル合成部59に入力されて各変形ベクトルのベクトル和である合成ベクトルが演算される。このとき得られる合成ベクトルの方向が物体11の変形方向に対応し、合成ベクトルの絶対値が物体11の変形方向に対する真の変形量に対応する。得られた物体11の変形方向及び真の変形量は、モニター57に入力されて表示される。
【0026】
また、図5に変形例に係る散乱レーザ光検知手段の構成図を示す。
図5では、散乱レーザ光検知手段として、散乱レーザ光63を一括して受光し各波長のレーザ光L1、L2を選択検知してその検知信号をそれぞれ出力することが可能な波長識別受光器の一例である3CCDカメラ62を使用している。3CCDカメラ62には、赤色レーザ光、青色レーザ光、及び緑色レーザ光をそれぞれ個別に検知する受光素子が設けられている。このため、レーザ発振器19に赤色レーザ光の発振器を用いて、物体11に対して水平方向から照射し、レーザ発振器20に青色レーザ光の発振器を用いて、物体11に対して垂直方向からそれぞれ照射する。物体11で散乱した散乱レーザ光63は赤色レーザ光と青色レーザ光から構成されることになるので、散乱レーザ光63を3CCDカメラ62で受光すると、赤色レーザ光は赤色レーザ光の受光素子により、青色レーザ光は青色レーザ光の受光素子でそれぞれ検知されて、3CCDカメラ62からは赤色レーザ光と青色レーザ光の各検知信号が出力されることになる。なお、3CCDカメラ62が受光するレーザ光L1、L2の光量の制御は、3CCDカメラ62のレンズ部62aに設けられた絞りを調節することにより行う。
従って、レーザ発振器19で赤色レーザ光を物体11に対して水平方向から照射し、レーザ発振器20で青色レーザ光を物体11に対して垂直方向からそれぞれ照射しながら物体11に変形を加える。その際に、物体11で散乱した散乱レーザ光63を3CCDカメラ62で検知し、赤色レーザ光と青色レーザ光の各検知信号を計測部本体17に入力すると、赤色レーザ光から得られるスペックルパターンから物体11の水平方向に対する見掛けの変形量が得られる。また、青色レーザ光から得られるスペックルパターンから物体11の垂直方向に対する見掛けの変形量が得られる。そして、水平及び垂直の各方向の見掛けの変形量から、物体11としての変形方向とその方向に対する真の変形量が求まる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、例えば、レーザ発振器から得られたレーザ光はハーフミラーとミラーを用いて2光路のレーザ光を得たが、レーザ発振器から得られたレーザ光を光ファイバーに導入し50:50に分ける光ファイバーカプラを介して接続した2本の光ファイバーに導入することにより2光路のレーザ光を得ることも可能である。また、物体にレーザ光を照射する際は2個のレンズを使用して平行光線としたが、光ファイバーで2光路のレーザ光を形成した場合、凹面鏡やレンズ等を使用してレーザ光を平行光線とすることも可能である。
変形の時間経過と共に変化するスペックルパターンを順次形成して計測部本体に設けた記憶部に取り込むと共に、それらのスペックルパターンを記憶部から順次読み出して解析を行うことにより、動的試験環境下における変形量の絶対値計測、一般構造物の実使用環境下における変形量の絶対値計測を行うことができる。また、計測部本体に設けたスペックル干渉縞形成部、位相情報演算部、変形量演算部、ベクトル演算部、ベクトル合成部は、いずれも各機能を発現させるプログラムをパーソナルコンピュータに搭載することにより形成したが、上記各部の全て、あるいは一部を専用のマイクロコンピュータを用いて構成することも可能である。各機能を専用のマイクロコンピュータを使用して構成することにより、スペックルパターンの形成とその処理の高速化が可能になって、動的環境下での変形量の絶対値計測が更に容易となる。
更に、波長の異なる2つのレーザ光L1、L2として、赤色レーザ光と青色レーザ光を使用したが、レーザ光の波長(色)は赤、緑、青の3色の中から任意に選択した2色の組合せであってもよい。
【0028】
【発明の効果】
請求項1〜4記載のスペックルを用いた2方向変形同時計測装置においては、物体に2つの異なる方向からそれぞれ異なる波長のレーザ光L1、L2を同時に照射するレーザ光照射手段と、各レーザ光L1、L2が物体の表面で同時に散乱して生じた散乱レーザ光から波長別にレーザ光L1、L2を検知する散乱レーザ光検知手段と、散乱レーザ光検知手段で波長別に検知された各レーザ光L1、L2からそれぞれスペックル干渉縞を形成してスペックル干渉縞の位相差を求めて2つの異なる方向別に物体の見掛けの変形量を求める第1の変形量演算手段と、第1の変形量演算手段で求めた各見掛けの変形量から物体に生じている真の変形量及び変形方向を演算する第2の変形量演算手段とを有するので、各波長別に求めた変形量が各波長のレーザ光L1、L2を照射した方向の見掛けの変形量に対応することから、物体の2方向に対する見掛けの変形量を同時に計測することが可能となる。その結果、異なる2方向の見掛けの変形量を計測する際に各方向の計測時刻に時間差が生じないため、変形速度が速い場合の物体の真の変形量及び変形方向の計測、非常に精度の高い物体の真の変形量及び変形方向の計測が可能となる。
【0029】
特に、請求項2記載のスペックルを用いた2方向変形同時計測装置においては、散乱レーザ光検知手段には、散乱レーザ光を波長別のレーザ光L1、L2に分離する波長分離器と、波長分離器により分離された各レーザ光L1、L2をそれぞれ検知する2台の受光器が設けられているので、波長別の各レーザ光L1、L2の情報をそれぞれ得ることができ、各波長別のレーザ光L1、L2のスペックルパターン及びスペックル干渉縞を容易に形成することが可能となる。
【0030】
請求項3記載のスペックルを用いた2方向変形同時計測装置においては、波長分離器は干渉によりレーザ光の波長の選択を行う第1〜第3の波長選択フィルターを有し、第1の波長選択フィルターは物体の表面の法線に対して所定の角度をなして設けられ散乱レーザ光からレーザ光L1を選択透過させてレーザ光L2を反射し、第2の波長選択フィルターはレーザ光L1を検知する受光器の受光窓に取付けられレーザ光L1のみを透過し、第3の波長選択フィルターはレーザ光L2を検知する受光器の受光窓に取付けられレーザ光L2のみを透過するので、各受光器に受光されるレーザ光L1、L2の波長選択の精度を向上させて精緻なスペックルパターン及びスペックル干渉縞を得ることができ、精度の高い真の変形量の絶対値計測を行うことが可能となる。
【0031】
請求項4記載のスペックルを用いた2方向変形同時計測装置においては、散乱レーザ光検知手段には、散乱レーザ光を一括して受光し、受光した散乱レーザ光から波長別にレーザ光L1、L2を選択検知してその検知信号を出力することが可能な波長識別受光器が設けられているので、2つの波長のレーザ光L1、L2を有する散乱レーザ光から各波長別のレーザ光L1、L2の情報を直接得ることができ、散乱レーザ光検知手段の構成を簡単にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスペックルを用いた2方向変形同時計測装置の構成を示す概念図である。
【図2】同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置の散乱レーザ光検知手段の構成を示す概念図である。
【図3】同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置のブロック構成図である。
【図4】同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置の計測部本体の構成を示すブロック図である。
【図5】同スペックルを用いた2方向変形同時計測装置の変形例に係る散乱レーザ光検知手段の別の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
10:スペックルを用いた2方向変形同時計測装置、11:物体、14:レーザ光照射手段、15:散乱レーザ光、16:散乱レーザ光検知手段、17:計測部本体、19、20:レーザ発振器、21、22:ハーフミラー、23〜25:ミラー、26、26a、27、27a、28、28a、29、29a:レンズ、37:波長分離器、40:CCDカメラ、40a:レンズ部、41:CCDカメラ、41a:レンズ部、42:第1の波長選択フィルター、43:第2の波長選択フィルター、44:第3の波長選択フィルター、45:第1の変形量演算手段、46:第2の変形量演算手段、47:λ1演算系、48:λ2演算系、49:スペックルパターン形成部、50:スペックル干渉縞形成部、51:位相情報演算部、52:変形量演算部、53:スペックルパターン形成部、54:スペックル干渉縞形成部、55:位相情報演算部、56:変形量演算部、57:モニター、58:ベクトル演算部、59:ベクトル合成部、62:3CCDカメラ、62a:レンズ部、63:散乱レーザ光

Claims (4)

  1. 物体に2つの異なる方向からそれぞれ異なる波長のレーザ光L1、L2を同時に照射するレーザ光照射手段と、
    前記各レーザ光L1、L2が前記物体の表面で同時に散乱して生じた散乱レーザ光から波長別に前記レーザ光L1、L2を検知する散乱レーザ光検知手段と、
    前記散乱レーザ光検知手段で波長別に検知された前記各レーザ光L1、L2からそれぞれスペックル干渉縞を形成して該スペックル干渉縞の位相差を求めて2つの異なる方向別に前記物体の見掛けの変形量を求める第1の変形量演算手段と、前記第1の変形量演算手段で求めた前記各見掛けの変形量から前記物体に生じている真の変形量及び変形方向を演算する第2の変形量演算手段とを有し、
    前記レーザ光L 1 は2つの異なる光路を経由して水平方向から、前記レーザ光L 2 は2つの異なる光路を経由して垂直方向から同時に前記物体に照射され、前記物体の見掛けの変形量は水平方向及び垂直方向別に求められることを特徴とするスペックルを用いた2方向変形同時計測装置。
  2. 請求項1記載のスペックルを用いた2方向変形同時計測装置において、前記散乱レーザ光検知手段には、前記散乱レーザ光を前記波長別のレーザ光L1、L2に分離する波長分離器と、前記波長分離器により分離された各レーザ光L1、L2をそれぞれ検知する2台の受光器が設けられていることを特徴とするスペックルを用いた2方向変形同時計測装置。
  3. 請求項2記載のスペックルを用いた2方向変形同時計測装置において、前記波長分離器は干渉によりレーザ光の波長の選択を行う第1〜第3の波長選択フィルターを有し、前記第1の波長選択フィルターは前記物体の表面の法線に対して所定の角度をなして設けられ前記散乱レーザ光から前記レーザ光L1を選択透過させて前記レーザ光L2を反射し、前記第2の波長選択フィルターは前記レーザ光L1を検知する前記受光器の受光窓に取付けられ前記レーザ光L1のみを透過し、前記第3の波長選択フィルターは前記レーザ光L1を検知する前記受光器の受光窓に取付けられ前記レーザ光L2のみを透過することを特徴とするスペックルを用いた2方向変形同時計測装置。
  4. 請求項1記載のスペックルを用いた2方向変形同時計測装置において、前記散乱レーザ光検知手段には、前記散乱レーザ光を一括して受光し、受光した前記散乱レーザ光から波長別に前記レーザ光L1、L2を選択検知してその検知信号を出力することが可能な波長識別受光器が設けられていることを特徴とするスペックルを用いた2方向変形同時計測装置。
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