JPH07260420A - 斜入射干渉計 - Google Patents

斜入射干渉計

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JPH07260420A
JPH07260420A JP6074219A JP7421994A JPH07260420A JP H07260420 A JPH07260420 A JP H07260420A JP 6074219 A JP6074219 A JP 6074219A JP 7421994 A JP7421994 A JP 7421994A JP H07260420 A JPH07260420 A JP H07260420A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1画面の干渉縞だけでのワンステップ位相シ
フト法を可能とし、測定サンプルの三次元形状の容易な
算出を行う。 【構成】 レーザ発振装置1からのレーザ光をミラー3
で反射し、測定サンプル6に斜めに入射させる。基準面
となるプリズム4の底面4aからの反射光と、測定サン
プル6からの反射光との干渉縞により測定するとき、プ
リズム4を傾けて基準面に傾き情報を与えて空間キャリ
ア周波数を与え、ワンステップ位相シフト法を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光波干渉を利用するこ
とにより非接触で三次元形状を測定する干渉計に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光波干渉による三次元計測では二次元に
広げたレーザ光等を何らかの方法で二光波に分け、一方
を参照光としてミラーなどの基準面で反射させ、もう一
方の光波を測定光として測定したいサンプルで反射さ
せ、両者を再び重ね合わせることによって干渉縞が生じ
る。
【0003】図3は従来より用いられているトワイマン
・グリーン干渉計を示す。同図において101はレーザ
発振装置、102は参照ミラー、103は測定サンプ
ル、104は半透過ミラー、105は位相シフトを行う
ための位相シフタとして参照ミラー102を動かすため
のピエゾアクチュエータ、106はカメラで結像させる
ためのレンズ、107は得られた干渉縞を検出するため
のCCDカメラ、108はレーザ光を広げた後、平行光
にするビームエキスパンダである。
【0004】前記レーザ発振装置101からのレーザ光
はビームエキスパンダ108によって広げられた上で平
行光となり、半透過ミラー104によって2光波に分け
られる。一方の光波は参照光として参照ミラー102に
よって反射し、この反射光が半透過ミラー104を透過
する。他方の光波は半透過ミラー104を透過して測定
サンプル103で反射するが、このとき測定サンプル1
03の形状に応じた位相差δを有し、半透過ミラー10
4で反射する。そして、これらの光波が干渉して干渉縞
画像を形成し、CCDカメラ107で検出される。この
画像データはコンピュータに送られ三次元情報として算
出される。ここで光強度Iは数1により算出される。数
1において、δは測定サンプルの表面形状によって生じ
る位相、φは初期位相である。
【0005】
【数1】
【0006】このときの測定サンプルの高さhは数2で
表わされる関係を有している。数2において、λはレー
ザ光の波長である。
【0007】
【数2】
【0008】このようにして得られる干渉縞の明線また
は暗線はサンプル形状の等高線であるが、これだけでは
コンピュータによって、面の凹凸の判別と縞の間の高さ
情報を得ることができない。そこで位相シフト法を従来
より用いている。この位相シフト法はピエゾアクチュエ
ータなどの電歪素子によって参照ミラー102を既知の
量移動させて、測定サンプル103の高さhに対応した
位相δを最小自乗法によって求めるものである。なお、
かかる参照ミラー102の移動は数1における初期位相
φを変化させるものであるが、φが0、π/2、π、3
/2πとなる4ステップ法が一般的に用いられている。
この一般的な4ステップ法によると位相δは数3で表わ
される関係を有する。数3において、I0 ,I1
3 ,I4 はそれぞれφが0,π/2,π,3/2πに
おける光強度である。
【0009】
【数3】
【0010】次に図4は斜入射による干渉縞を得るため
従来より用いられているアブラムソン干渉計を示す。同
図において、201はレーザ発振装置、202はレーザ
光を広げ平行光にするビームエキスパンダ、203は斜
入射を行うためのミラー、204はプリズム、205は
測定サンプル、206はスクリーン、207はCCDカ
メラ、208はCCDカメラ207からのデータをコン
ピュータに転送するためのA/Dコンバータ、209は
コンピュータである。この場合の基準面はプリズム20
4の底面204aである。
【0011】レーザ発振装置201からのレーザ光はビ
ームエキスパンダ202によって広げられた上で平行光
となり、プリズム204への斜入射を行うためミラー2
03に斜め入射される。この光がプリズム204に入射
し、光線の一部はプリズム204の底面204aで反射
する。一方、プリズム204を透過した光は、測定サン
プル205で反射し、この反射の際にサンプル205の
形状に応じた位相差δを有し、再びプリズム204に戻
り、プリズム204の底面204aでの反射光と干渉し
てスクリーンに干渉縞として結像し、これがCCDカメ
ラ207で検出される。この画像データはA/Dコンバ
ータ208を介してコンピュータ209に送られ三次元
情報として算出される。
【0012】ここでプリズム204の底面204aを基
準面とした場合、測定サンプル205までの高さhは数
4により算出される。数4において、αはプリズム20
4の底面204aからの出射角、n0 は空気の屈折率で
あり、通常は1.0となる、nはプリズム204の屈折
率、δは干渉縞の位相である。
【0013】
【数4】
【0014】このようなアブラムソン干渉計で得られた
干渉縞によって凹凸を含む三次元形状の解析を行う場合
においては、図3に示すフィゾー干渉計と同様に数4に
おける位相δを求める必要がある。このため数3を用い
た位相ソフト法を行うが、斜入射干渉計の場合、フィゾ
ー干渉計と同様にプリズムを電歪素子を用いて上下に移
動させるかプリズムとサンプルの間にガス等を用いて屈
折率を変化させ、干渉縞をπ/2ごとに変化させてその
各々の光強度を検出している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】アブラムソン干渉計を
はじめとして各種の斜入射干渉計に上述した位相ソフト
法を適用する場合においては、以下の問題がある。 (1)干渉縞のみを観察することは容易であるが、凹凸
の判断や1フリンジの間を読み取ることが困難である。 (2)位相シフト法を適用する場合、位相シフタに参照
光の光路を変化させる必要がある。このため、電歪素子
であるピエゾアクチュエータを用いて参照ミラーを移動
させることによって行っている。ところが、これを斜入
射干渉計に適用すると干渉縞画像が移動する不都合があ
る。また4画面取込み中は振動、温度変化、空気流など
の外乱があるが、この外乱に対して安定している必要が
ある。ガスによって空気の屈折率を変化させる方法では
シフト量の決定が非常に不安定である。加えて、4画面
の干渉縞が必要となるところから、算出に大量の画像メ
モリを必要としている。
【0016】本発明はこのような問題点を考慮してなさ
れたものであり、1画面の干渉縞画像のみでの位相シフ
ト法を可能とすると共に、1フリンジ以下の干渉縞の読
み取りおよび凹凸の判別を可能とし、三次元形状の容易
な算出を可能とした斜入射干渉計を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の斜入
射干渉計は、測定物体の測定面に光を斜めに入射させ測
定物体からの反射光と基準光とを重ね合わせて干渉させ
る斜入射干渉計において、干渉縞の画像解析のための空
間キャリア周波数を与える機能を備え、ワンステップ位
相シフト方式による縞画像解析を行うことを特徴とす
る。
【0018】上記構成においては基準プリズムの下にス
ペーサーを設置し、基準面に既知の傾き情報を与えるこ
とで、空間キャリア周波数を与え、これによりワンステ
ップ位相シフトを行うことが可能になる。これによって
1フリンジ以下の位相解析および凹凸の判定が可能にな
る。
【0019】
【実施例】図1は本発明の一実施例における光学系を示
し、レーザ光を発するレーザ発振装置1の出射側にレー
ザ光を広げると共に平行光とするビームエキスパンダ2
が配され、このビームエキスパンダ2の後側にプリズム
4へレーザ光を斜入射させるミラー3が配されている。
【0020】ここでビームエキスパンダ2は、レーザ発
振装置1からのレーザ光を対物レンズによって、スペー
シャルフィルタとしてのピンホールを介して広げ、波面
収差を防ぐように組み合わせたレンズ系によって平行光
にしている。ミラー3は、広げられたレーザ光を斜めに
反射させて、プリズム4への入射角、すなわち測定サン
プル6への入射角の変化を可能にする。
【0021】プリズム4にはミラー3からのレーザ光が
斜めに入射し、このプリズム4を通過したレーザ光が測
定サンプル6に入射する。7は干渉縞が結像するスクリ
ーン、8はスクリーンで結像した干渉縞を検出するCC
Dカメラである。CCDカメラで検出したデータはA/
Dコンバータ9を介してコンピュータ10に転送され
る。
【0022】図2はプリズム4と測定サンプル6との関
係を示し、プリズム4に入射した光の一部は基準面であ
るプリズム4の底面4aで反射してプリズム4から出射
し、他の光はプリズム4を通過し、測定サンプル6で反
射した後、プリズム4に戻って出射する。
【0023】このような図2において、プリズム4の底
面4aを基準面としたときの測定サンプルまでの高さ
(距離)hは数5の関係を有している。数5において、
αはプリズム4の底面4aからの出射角、n0 は空気の
屈折率(通常はn0 =1.0)、nはプリズム4の屈折
率、δは干渉縞の位相である。
【0024】
【数5】
【0025】数5において、参照面であるプリズム底面
4aからの出射角αを79度とした場合、干渉縞の等高
線間隔は1.66ミクロンとなり、斜入射を行わない場
合の等高線間隔0.32ミクロンに対して約5倍に感度
を低下させることができる。また、この角度を調整する
ことによって、数5に従う任意の等高線間隔を得ること
が可能となる。さらに、この干渉系は分離する2光波間
が短いために、非常に安定な干渉系を形成しており、振
動や大気の揺らぎなどの外乱の影響に非常に強い干渉系
とすることができる。
【0026】図1に示す構成において、ビームエキスパ
ンダ2によって広げられた平行光は、ミラー3によって
一定の角度を与えられてプリズム4に至り、一部は参照
光の基準面であるプリズム底面4aで反射して出射し、
一方、プリズム4を透過した光波は測定サンプル6の測
定面に斜めに入射することによって鏡面のように反射
し、再びプリズム4を透過する。この際、空間キャリア
周波数を与えるためにプリズム4を傾けることによって
基準面(プリズムの底面4a)にティルトを与える。こ
の2光波が干渉して、干渉縞としてスクリーン7に投影
される。このスクリーン7への投影ではサンプルへの入
射光が斜入射のため、実際の形状倍率が変わって検出さ
れることを防ぐことができる。ワンステップ位相シフト
を行うためのキャリア周波数を作るためのプリズム4の
ティルトの関係は、CCDカメラ8で検出した干渉縞が
CCDカメラ8の画素上で干渉縞の明暗の関係が1周期
4画素になるように調整することにより行われる。
【0027】このように空間キャリア周波数を与えるこ
とにより、ワンステップ位相シフト法によって測定サン
プルの位相分布を求めることができる。ここで、空間的
に得られる光強度分布IはCCDカメラ8内の結像面の
画素位置(i,j)において数6となる。数6におい
て、i,jはCCDカメラの画素、aは干渉縞バイアス
成分、bは干渉縞のコントラスト、φは測定サンプルの
形状の高さに対応した位相である。
【0028】
【数6】
【0029】次に連続する3画素を用いたワンステップ
位相シフト法により、位相は数7となる。
【0030】
【数7】
【0031】この位相情報を用いることにより、三次元
形状がコンピュータ10によって算出される。この場
合、位相シフト法は悪く見積もっても干渉縞一周期を1
00分割できるので、約10ナノメールの測定感度を持
つ。
【0032】また、CCDカメラによる干渉縞の検出に
おいてはスクリーンに投影する必要がなく、直接検出す
ることも可能であるし、回転ディフューザ等を用いた強
度調節を経て検出することもできるが、これらの場合は
斜入射による縦横の倍率を考慮して行われる。
【0033】さらに、プリズムは一体である必要はな
く、プリズムの頂点から二つに分割したものを用いても
よい。また、バーチの斜入射干渉計等に代表されるよう
に回析格子を用いて測定物体に斜入射を与える干渉計に
適用することも可能である。なおプリズムの形状も三角
形である必要はなく、たとえば四角形のガラス板でもよ
い。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は空間キャ
リア周波数を導入することにより、ワンステップ位相シ
フト法を用いて干渉縞の凹凸の判断を含む位相解析を1
画面のみで可能にし、従来の干渉計よりも凹凸の大きい
ものや表面反射率の低い物体の表面形状に対して非接触
での三次元測定が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図。
【図2】空間キャリア周波数を与える側面図。
【図3】トワイマン・グリーン干渉計の構成図。
【図4】アブラムソン干渉計の構成図。
【符号の説明】
1 レーザ発振装置 2 ビームエキスパンダ 3 ミラー 4 プリズム 6 測定サンプル 7 スクリーン 8 CCDカメラ 9 A/Dコンバータ 10 コンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定物体の測定面に光を斜めに入射させ
    測定物体からの反射光と基準光とを重ね合わせて干渉さ
    せる斜入射干渉計において、干渉縞の画像解析のための
    空間キャリア周波数を与える機能を備え、ワンステップ
    位相シフト方式による縞画像解析を行うことを特徴とす
    る斜入射干渉計。
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