JPH1089930A - 焦点調節方法、およびそれを使用する形状測定器 - Google Patents

焦点調節方法、およびそれを使用する形状測定器

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JPH1089930A
JPH1089930A JP26380696A JP26380696A JPH1089930A JP H1089930 A JPH1089930 A JP H1089930A JP 26380696 A JP26380696 A JP 26380696A JP 26380696 A JP26380696 A JP 26380696A JP H1089930 A JPH1089930 A JP H1089930A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察物体の形状を、再現性および精度良く測
定できる焦点調節方法を提供する。 【解決手段】 干渉光学系23により生成される観察物体
24の形状情報を含む干渉像を、結像光学系28により所定
の結像面29に形成するにあたり、結像面29に形成される
干渉像から得られる特異点を用いて、観察物体24に対す
る結像光学系28の焦点位置を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、焦点調節方法、
およびそれを使用して微小物体の形状を測定、検査する
形状測定器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】干渉計を用いて物体の形状を測定、検査
する形状測定器は、例えば、 D.Malacara, "Optical Sh
op Testing", John Wiley and Sons, New York (1978)
に示されているように、従来種々提案されている。特
に、フリンジスキャンを用いた位相計測は、使用波長の
1/100以下の精度で表面凹凸を検出することが可能
なことから、物体の微細表面形状の測定に広く用いられ
ている。
【0003】ところで、物体表面に段差がある場合、そ
の回折光には、段差の近傍に位相の飛び(特異点)が発
生することが、例えば、 C.Bouwhius,et.al., "Princip
lesof Optical Disc Systems", Inten.Trens in Optic,
Acad. Press(1991) に示されている。この大きさ無限
小の特異点は、段差に限らず、物体の光学物性的不連続
点(異なる2つの物質の境界または段差位置等)の極く
近傍に発生することが多い。したがって、特異点の位置
を高い精度で測定することにより、その発生原因となっ
ている光学物性的不連続点を高い精度で測定することが
できる。
【0004】図3は、従来の形状測定器の構成を示すも
のである。この形状測定器は、トワイマン・グリーンタ
イプの干渉計を用いたもので、レーザ光源1から平行光
となって射出されたコヒーレントな照明光は、ビームエ
キスパンダ2により適当な径に広げられたのち、ハーフ
ミラーよりなる干渉装置3により、観察物体4へ向かう
観察光路5と、参照物体6へ向かう参照光路7とに分割
される。観察物体4および参照物体6で反射された光
は、観察光路5および参照光路7を引き返し、干渉装置
3で合成されて干渉する。この合成された光は、対物レ
ンズ8を通ることにより、観察物体4と参照物体6との
合成像が、所定の結像位置に配置されたCCDよりなる
撮像装置9上に形成され、その像がコントローラ10を
経て画像表示装置11に表示される。
【0005】ここで、撮像装置9の撮像面上に投影され
る合成像には、干渉装置3から観察物体4で反射されて
再び干渉装置3まで戻る観察光路5の光路長と、干渉装
置3から参照物体6で反射されて再び干渉装置3まで戻
る参照光路7の光路長との局所的な差に応じた干渉縞が
発生している。したがって、コントローラ10により位
相変調器12を駆動して、参照物体6を光軸方向に移動
させ、これにより光路長差を少しずつ変化させて、干渉
縞を移動させながら複数の干渉画像を撮像装置9によっ
て取り込めば、それらの干渉画像に基づいて観察物体表
面近辺の位相分布を算出することができる。なお、フリ
ンジスキャンなどの複数の干渉画像より位相分布を算出
する方法は、Catherine Creath, "PHASE-MEASUREMENT I
NTERFEROMETRY TECHNIQUES", Progress in Qptics XXV
I, Amsterdam 1988, pp350-393 、および特開平5−2
32384号公報に詳しく説明されている。
【0006】しかし、観察物体表面近傍における特異点
の検出には、以下の問題がある。すなわち、D.M.Gale,
et.al., "Linnik Microscope Imaging", Applied Optic
s,35(1996), pp131-148 に示されているように、観察さ
れる位相分布が、観察物体に対する対物レンズの焦点位
置に著しく敏感であることである。例えば、上記文献で
は、開口数NA=0.9の対物レンズに、波長λ=0.
633μmの光源を用いているので、対物レンズの焦点
深度Δは、Δ=λ/2NA2 から、Δ=0.4μmとな
るが、観測される位相分布は、焦点位置を0.1μmず
らしただけでも大きく変化してしまう。
【0007】さらに、本発明者による観察物体表面近傍
における詳細かつ入念な電場解析によれば、特異点は必
ずしも観察物体表面上に焦点が合ったときに現れるわけ
ではないことが判明した。このことを図4および図5を
用いて説明する。
【0008】図4(a)は、本発明者が電場解析に用い
た観察物体(回折格子)のモデルを示すものである。こ
のモデルは、酸化シリコン(SiO2 )基板15上に、
2μmの周期で、幅1.5μm、間隔0.5μm、厚さ
0.2μmの窒化シリコン(Si3 4 )膜16を形成
したものである。SiO2 基板15およびSi3 4
16の屈折率nは、それぞれn=1.5およびn=2と
した。この観察物体に、上方から波長λ=0.63μm
で、溝に沿って平行(紙面に垂直)な電場を持つP偏光
の平面波を垂直に入射させる。
【0009】図4(b)は、図4(a)に示した観察物
体を、NA=0.9の対物レンズから見たときに、観察
物体表面近傍にできる見かけの電場の位相分布の等高線
を示すものである。この場合、観察物体の構造に基づく
特異点は、観察物体の表面ではなく、SiO2 基板15
の内側約0.08μmの位置に現れる。
【0010】図5は、図4(a)に示した観察物体に対
し、図4(b)に示した特異点が現れる深さ位置z0
ら、その焦点深度(±0.4μm)の範囲内で、0.1
μm毎に焦点位置を変化させたときに、NA=0.9の
対物レンズによって測定される位相分布の変化を示した
ものである。ここで、z0+は特異点のごく僅か上方の位
置を、z0-はそのごく僅か下方の位置を示す。図5から
明らかなように、対物レンズの焦点位置が、上方からz
0 を経て下方へ通過すると、特異点の位置z0における
位相の飛びが、+180°から−180°へと変化す
る。これは、位相の飛び+180°と−180とが数学
的に等価であることに起因する。ただし、位相軸の原点
は任意にとれるので、z0 における特異点での位相の飛
びの根元を0とした。
【0011】対物レンズの焦点がz0 に合焦している場
合は、特異点において鋭い位相の飛びが見られるととも
に、特異点を境にして位相の飛びの方向が±180°逆
転する。この飛びの横位置は、観察物体の表面段差の横
位置にほぼ一致するので、その段差の横位置xは、この
位相飛び位置の測定精度で求まることになる。
【0012】一方、対物レンズが、z0 −0.4μmま
たはz0 +0.4μmの位置に合焦している場合は、特
異点近傍において急激な位相の変化があるものの、位相
の飛びが見られないため、特異点の位置の特定が難しく
なる。
【0013】以上のように、特異点近傍では、対物レン
ズの焦点深度0.4μmの範囲の焦点位置の変化でも、
位相分布が大きく変化する。したがって、特異点をもと
に観察物体の形状を測定するには、対物レンズの焦点位
置を正確に特異点に合わせることが望ましく、しかも、
その特異点は、観察物体の表面にあるとは限らない、と
いうことが分かる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
形状測定器では、観察物体の明視野像を見ながら、その
像が鮮鋭に見えるように対物レンズの位置を調整する
か、あるいは自動合焦装置(AF)を用いて対物レンズ
の位置を調整するようにしているため、いずれの場合
も、通常の焦点深度程度の焦点誤差を含むことになる。
このため、観察物体の形状を測定しようとしても、常に
特異点が現れる位置で測定することができず、再現性お
よび精度の良い計測値を求めることが非常に困難である
という問題がある。
【0015】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、その第1の目的は、観察物体の
形状を、再現性および精度良く測定できる焦点調節方法
を提供しようとするものである。
【0016】さらに、この発明の第2の目的は、上記の
焦点調節方法を適用して、再現性および精度の良い形状
測定ができるよう適切に構成した形状測定器を提供しよ
うとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、この発明に係る焦点調節方法は、干渉光学系に
より生成される観察物体の形状情報を含む干渉像を、結
像光学系により所定の結像面に形成するにあたり、前記
結像面に形成される前記干渉像から得られる特異点を用
いて、前記観察物体に対する前記結像光学系の焦点位置
を調整することを特徴とするものである。
【0018】さらに、上記第2の目的を達成するため、
この発明に係る形状測定器は、観察物体と参照物体とに
よる干渉像を生成する干渉光学系と、前記干渉像を所定
の結像面に形成する結像光学系と、前記結像面に配置し
た撮像素子と、該撮像素子からの画像情報に基づいて前
記観察物体の位相分布を算出する演算処理装置と、前記
位相分布における特異点の位置が特定できるように前記
観察物体に対する前記結像光学系の焦点位置を調節する
焦点調節手段とを有することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明による形状測定器では、
測定した位相分布の特異点が明確に現れるように、焦点
調節手段により観察物体に対する結像光学系の焦点位置
を調節することにより、観察物体の形状を再現性および
精度良く測定することを可能としている。
【0020】ここで、再び図4および図5を用いて、こ
の発明に係る形状測定器を用いる特異点の検出方法につ
いて説明する。実際の測定に際しては、まず、観察物体
の明視野像を用いて、結像光学系を構成する対物レンズ
の焦点位置を観察物体のほぼ表面に合わせる。その際、
例えば、対物レンズが観察物体の表面に正確に合焦する
と、その焦点位置は、図4(b)より、z0 の位置から
対物レンズ側(上方)に0.28μm離れた位置、すな
わちz0 からSiO2 基板15の表面までの距離0.0
8μmと、Si3 4 膜16の高さ0.2μmとを加え
た位置にあるので、観察される位相分布は、図5に、z
0 +0.3μmで示すようなカーブとなる。しかし、こ
の位相分布は、全体的に滑らかで、急激な位相の飛びの
部分が存在していないため、特異点の位置の特定は困難
となる。
【0021】次に、焦点位置を0.1μm上方に移動し
てみると、観察される位相分布は、z0 +0.4μmで
示されるカーブとなる。この場合は、以前よりも位相分
布がより滑らかになり、特異点の特徴が薄れるので、間
違った方向に焦点移動したと判断することができる。
【0022】そこで、次に下方に焦点位置を移動して行
くことにする。0.1μm毎に焦点位置を下方に移動し
ながら位相分布を測定して行くと、図5のz0 +0.2
μmで示されるカーブ、およびz0 +0.1μmで示さ
れるカーブのように、次第に特異点付近での位相の立ち
上がりが急になり、z0 で遂に特異点での180°の位
相の飛びが観測され、これにより特異点の位置を精度良
く容易に特定することができる。
【0023】焦点位置を特異点の下方より始めた場合も
同様である。この場合も、特異点の特徴である位相の飛
びが大きくなるように上方に焦点を合わせ直してゆく
と、遂には、180°の位相の飛びが観測される焦点位
置に到着するので、特異点を精度良く求めることができ
る。
【0024】なお、焦点位置の一回当たりの移動量は、
0.1μmに限らず、特異点から遠い位置においては、
移動量を大きくして早く特異点近傍に到着するように
し、特異点近傍においては、移動量を小さくして特異点
に精密に近づけるようにすることにより、特異点の位置
を効率良く、しかも精度良く特定することができる。
【0025】以上の説明では、180°の位相の飛びが
観測されることを前提にしたが、実際には、光学的ノイ
ズや電気的ノイズ等の外乱要因によって、必ずしも18
0°の位相の飛びを検出できるわけではない。また、観
察物体によっては、特異点における位相の飛びが180
°より小さく、かつその上下において位相が逆転しない
場合もある。そのような場合には、位相の飛びが最大と
なるように焦点位置を調節すれば良い。また、特異点近
傍での位相変化の傾きの微分値を算出し、その微分値が
最大となるように焦点位置を調節しても良い。
【0026】さらに、位相の飛びとある閾値とを比較
し、その比較結果に基づいて、焦点位置を調節するよう
にしても良い。例えば、観察物体の材質や形状の見当が
予め付いている場合は、理論的または経験的に特異点近
辺における位相の飛びの量が予想できるので、実用上許
容できる焦点範囲における位相飛びの値に基づいてある
閾値を予め設定し、観察される位相飛びの量がその閾値
を越えるように焦点位置を調節しても良い。
【0027】また、特異点の上下では、位相の飛びの方
向が反転するので、その性質を利用して焦点位置を特異
点に近づけるようにしてもよい。この場合は、初めは焦
点移動量を大きく取りながら位相分布を測定し、位相の
飛びの方向が反転したら、焦点移動の方向を逆にすると
共に、その移動量を小さくまたは半分にして、同様の動
作を繰り返せば、特異点に速く到達することができる。
【0028】さらに、特異点に合焦している場合は、2
つの特異点の間で位相分布が平坦になるので、その性質
を利用して、位相分布の差分をとり、その絶対値の最大
が小さくなるように、焦点位置を調節しても良い。
【0029】また、特異点は、複数の干渉像から観察物
体面近辺の位相を算出しなくても、干渉像そのものから
観察することもできる。すなわち、干渉計測において
は、一般に、観察物体の干渉計に対する共役像に対して
参照物体を若干傾け、観察物体の像上にほぼ一定間隔で
並んだほぼ直線よりなる干渉縞を生成させるようにして
いる。この場合、特異点に合焦したときに生じる干渉縞
は、位相分布を高さで表したときの断面に近い形状を示
す。例えば、図4に示した回折格子モデルにおいて、特
異点に合焦した場合には、その干渉縞は、図6に拡大写
真で示すようになる。すなわち、特異点近傍において
は、位相が急激に変化するので、干渉縞の形もそこだけ
急激に変化することになる。したがって、画像処理等の
方法によって干渉像の差分画像をとれば、その値は特異
点近傍のみ大きくなるので、前述した位相の飛びを干渉
像の差分で置き換えることにより、特異点の位置を特定
することができる。
【0030】なお、以上の説明は、上述したトワイマン
・グリーンタイプを含む二光束干渉計に限らず、マイケ
ルソンタイプを含むシェアリング干渉計、サバール偏光
器等の共通光路干渉計等、およそ観察物体の形状に応じ
た干渉画像を生成できる種々の干渉計を用いる場合も同
様である。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は、この発明に係る形状測定器の第
1実施例を示すものである。この形状測定器では、レー
ザ光源21より平行光となって射出されるコヒーレント
な照明光を、ビームエキスパンダ22により適当な径に
広げたのち、ハーフミラーよりなるトワイマン・グリー
ンタイプの干渉装置23により、観察物体24へ向かう
観察光路25と参照物体26へ向かう参照光路27とに
分割する。また、観察物体24および参照物体26で反
射される光は、観察光路25および参照光路27を引き
返して、干渉装置23によって再び合成して干渉させ、
その合成像を結像光学系を構成する対物レンズ28によ
り、所定の結像面に配置した例えばCCDよりなる撮像
装置29上に形成して、その像をコントローラ30に取
り込むようにする。
【0032】コントローラ30では、撮像装置29から
取り込んだ干渉像を明視野像として画像表示装置31に
表示したり、あるいは取り込んだ複数の干渉像から位相
分布を演算して画像表示装置31に表示するようにす
る。なお、観察物体24は、例えばピエゾ素子からなる
焦点調節装置32上に固定し、参照物体26は、例えば
ピエゾ素子からなる位相変調装置33に固定して、これ
ら焦点調節装置32および位相変調装置33をコントロ
ーラ30により駆動制御するようにする。
【0033】この実施例における観察物体24の観察方
法は、次の通りである。まず、画像表示装置31で明視
野像を観察しながら、対物レンズ28の焦点を観察物体
24の表面に合わせる。なお、この焦点合わせは、撮像
装置29からの信号に基づいて、コントローラ30によ
り焦点調節装置32を駆動して自動的に行うAFでもよ
い。次に、コントローラ30により位相変調装置33を
駆動して、いわゆる4バケット方式に代表されるフリン
ジスキャン法などに基づいて、参照物体26を光軸方向
に、例えば1/4波長づつ移動させながら、例えば4〜
5枚の干渉像を取り込み、その複数の画像から観察物体
24上の現在の焦点位置における位相分布を算出する。
【0034】その後、コントローラ30により焦点調節
装置32を駆動して、観察物体24を光軸方向に僅かに
移動し、その状態で、同様の手順により、当該焦点位置
における位相分布を算出する。次に、コントローラ30
において、上記のようにして算出した2つの位相分布か
ら、より特異点の特徴が出ている焦点位置を自動的に選
択して、次の位相分布を測定する焦点位置を設定し、同
様な手順を繰り返す。特異点を明確に特定できる焦点位
置に到達したら、その位置での位相分布により観察物体
24の形状を測定する。
【0035】なお、図1では、レーザ光源21を用いた
が、それに代えて白熱光源を用いることもできる。その
場合は、レーザ光特有のスペックルノイズを回避するこ
とができるので、精度の良い測定が可能となる。ただ
し、この場合は、白熱光源と観察物体24との間の照明
光学系に、照明光のコヒーレンス度を調整する明るさ絞
り(AS)および単色フィルタを挿入する必要がある。
これらASの径および単色フィルタのバンド幅は、干渉
像の明るさと、観察物体24上でのコヒーレンス度との
兼ね合いにより選択する。
【0036】また、位相変調装置33は、使用する光の
周波数を変調する周波数変調手段をもって構成すること
もできる。すなわち、観察光路25と参照光路27との
光路長差が物理的に固定されている場合には、使用する
光の波長を変えると、それに反比例して位相差も変化す
るので、周波数変調手段により光の波長を変えれば、上
述したと同様の作用を行わせることができる。この場合
の周波数変調手段は、例えば、レーザ光源21と撮像装
置29との間の光路中に波長可変フィルタを挿入した
り、あるいはレーザ光源21として、半導体レーザ等の
波長可変光源を用いて構成することができる。
【0037】図2は、この発明に係る形状測定器の第2
実施例を示すものである。この形状測定器は、ハーフミ
ラー41、サバール板42およびアナライザ43を有す
る共通光路干渉計を用いるもので、レーザ光源44より
平行光となって射出されるコヒーレントな照明光を、ビ
ームエキスパンダ45により適当な径に広げたのち、ハ
ーフミラー41に入射させ、ここで反射させる照明光を
サバール板42を経て観察物体46に照射する。サバー
ル板42は、入射した光線をサバール板に固有の直交す
る2方向の偏光成分に分解し、その一方をある量(シェ
ア量)だけ横に平行移動して射出する。したがって、そ
の一方の偏光成分の光路を観察光路47とし、他方の偏
光成分の光路を参照光路48とすれば、観察物体46自
身をサバール板42のシェア量だけ横ずらしした参照物
体とみなすことができる。
【0038】観察物体46で反射される直交する偏光成
分は、サバール板42で再びひとつの光路としてハーフ
ミラー41に入射させ、このハーフミラー41を透過す
る反射光をアナライザ43に入射させる。ここで、サバ
ール板42に入射する互いに直交する偏光成分の観察物
体46からの反射光は干渉を起こさないが、これらの反
射光はアナライザ43によって偏光成分が揃えられるの
で、ここで干渉を起こすことになる。このアナライザ4
3に形成される干渉像は、結像光学系を構成する対物レ
ンズ49により、所定の結像面に配置した例えばCCD
よりなる撮像装置50上に投影して、その像をコントロ
ーラ51に取り込むようにする。
【0039】コントローラ51では、第1実施例と同様
に、撮像装置50から取り込んだ干渉像を明視野像とし
て画像表示装置52に表示したり、あるいは取り込んだ
複数の干渉像から位相分布を演算して画像表示装置52
に表示するようにする。なお、観察物体46は、例えば
ピエゾ素子からなる焦点調節装置53上に固定し、この
焦点調節装置53をコントローラ51により駆動して、
観察物体46を対物レンズ49の光軸方向に移動させる
ようにする。
【0040】また、観察光路47を通る偏光成分と参照
光路48を通る偏光成分との位相差を調整するため、レ
ーザ光源44とアナライザ43との間の任意の光路中、
図2ではビームエキスパンダ45とハーフミラー41と
の間の光路中に位相変調装置54を配置する。この位相
変調装置54は、偏光補償板54aと、その駆動装置5
4bとを用いて構成し、コントローラ51により駆動装
置54bを駆動して偏光補償板54aを、例えば光軸を
中心に回動させるようにする。
【0041】この実施例においても、第1実施例と同様
にして、まず、画像表示装置52で明視野像を撮像しな
がら、対物レンズ49の焦点を観察物体46の表面に合
わせ、その状態で、コントローラ51により位相変調装
置54を駆動して、直交する成分の位相差を変調して複
数枚の干渉像を取り込み、その複数の画像から観察物体
46上の現在の焦点位置における位相分布を算出する。
【0042】その後、コントローラ51により焦点調節
装置53を駆動して、観察物体46を光軸方向に僅かに
移動し、その状態で、同様の手順により、コントローラ
51において当該焦点位置における位相分布を算出し
て、前回算出した位相分布と比較し、その比較からより
特異点の特徴が出ている焦点位置を自動的に選択して、
次の位相分布を測定する焦点位置を設定し、同様な手順
を繰り返す。特異点を明確に特定できる焦点位置に到達
したら、その位置での位相分布により観察物体46の形
状を測定する。
【0043】この実施例によれば、参照物体が観察物体
46そのものであるので、コントラストの極めて高い干
渉縞を得ることができると共に、観察光路47および参
照光路48がほぼ共通なので、観察物体46の干渉計に
対する振動による影響を受けにくいという利点がある。
また、偏光補償板54aにより、観察光路47を通る偏
光成分と参照光路48を通る偏光成分との位相差を変調
するようにしているので、位相差を精度良く安定して制
御できる利点がある。したがって、観察物体46の形状
をより再現性および精度良く測定することができる。
【0044】付記項 1.光源と、該光源から発した光を観察物体および参照
物体に導く照明手段と、前記観察物体および参照物体か
らの光を干渉させる干渉手段と、該干渉手段により生成
される干渉像を所定の結像面に形成する結像手段と、該
結像手段の焦点合わせを行う焦点調節手段とを有する形
状測定器において、前記焦点調節手段は、少なくとも前
記干渉像によって観察される特異点を用いて、前記観察
物体に対する前記結像手段の焦点合わせを行う機能を有
することを特徴とする形状測定器。 2.付記項1記載の形状測定器において、前記焦点調節
手段は、少なくとも2種類の焦点調節機能を有し、その
うちの1つが前記干渉像によって観察される特異点を用
いて焦点合わせを行うことを特徴とする形状測定器。 3.付記項2記載の形状測定器において、前記焦点調節
手段は、前記干渉像の明視野像を用いて焦点合わせを行
う機能を有することを特徴とする形状測定器。 4.付記項1記載の形状測定器において、前記焦点調節
手段は、少なくとも2種類の自動焦点調節機能を有し、
そのうちの1つが前記干渉像によって観察される特異点
を用いて焦点合わせを自動的に行うことを特徴とする形
状測定器。 5.付記項1〜4のいずれか記載の形状測定器におい
て、前記焦点調節手段は、前記結像手段の焦点位置が前
記特異点から離れた位置にあるときは、焦点合わせの移
動量を大きくし、前記焦点位置が前記特異点の近傍の位
置にあるときは、焦点合わせの移動量を小さくすること
を特徴とする形状測定器。 6.付記項1〜5のいずれか記載の形状測定器におい
て、前記特異点は、前記観察物体上の位相分布を測定し
て検出することを特徴とする形状測定器。 7.付記項6記載の形状測定器において、前記焦点調節
手段は、前記特異点における位相の飛びが大きくなるよ
うに焦点合わせを行うことを特徴とする形状測定器。 8.付記項6記載の形状測定器において、前記焦点調節
手段は、前記特異点における前記位相の飛びがある閾値
を越えるように焦点合わせを行うことを特徴とする形状
測定器。 9.付記項6記載の形状測定器において、前記焦点調節
手段は、前記特異点における前記位相の飛びの符号が逆
転する位置近傍に焦点合わせを行うことを特徴とする形
状測定器。 10.付記項9記載の形状測定器において、前記干渉像
によって観察される特異点を用いて前記焦点調節手段に
より前記結像手段の焦点位置を調節する際に、まず1回
あたりの焦点合わせの移動量を比較的大きくとり、前記
特異点における前記位相の飛びの符号が逆転したら、焦
点合わせの移動方向を逆にすると共に、その移動量を小
さくまたは半分にする動作を繰り返し行うことを特徴と
する形状測定器。 11.付記項6記載の形状測定器において、前記焦点調
節手段は、2つの特異点間における位相分布が平坦にな
るように焦点合わせを行うことを特徴とする形状測定
器。 12.付記項6記載の形状測定器において、前記焦点調
節手段は、2つの特異点間における位相分布の差分の絶
対値の最大値が小さくなるように焦点合わせを行うこと
を特徴とする形状測定器。 13.付記項6〜12のいずれか記載の形状測定器にお
いて、前記位相分布は、前記撮像手段で撮像した複数の
干渉像に基づいて測定することを特徴とする形状測定
器。 14.付記項13記載の形状測定器において、前記位相
分布は、フリンジスキャンにより算出することを特徴と
する形状測定器。 15.付記項1〜5のいずれか記載の形状測定器におい
て、前記特異点は、前記干渉像の差分画像に基づいて検
出することを特徴とする形状測定器。 16.付記項15記載の形状測定器において、前記焦点
調節手段は、前記特異点における前記干渉像の差分が大
きくなるように焦点合わせを行うことを特徴とする形状
測定器。 17.付記項15記載の形状測定器において、前記焦点
調節手段は、前記干渉像の差分値が所定の閾値を越える
ように焦点合わせを行うことを特徴とする形状測定器。 18.付記項15記載の形状測定器において、前記焦点
調節手段は、前記特異点における前記干渉像の差分値の
符号が逆転する位置近傍に焦点合わせを行うことを特徴
とする形状測定器。 19.付記項18記載の形状測定器において、前記干渉
像によって観察される特異点を用いて前記焦点調節手段
により前記結像手段の焦点位置を調節する際に、まず1
回あたりの焦点合わせの移動量を比較的大きくとり、前
記特異点における前記干渉像の差分値の符号が逆転した
ら、焦点合わせの移動量を小さくすると共に、その移動
方向を逆にする動作を繰り返し行うことを特徴とする形
状測定器。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明の焦点調節方法
によれば、所定の結像面に形成される観察物体の干渉像
から得られる特異点を用いて、観察物体に対する結像光
学系の焦点位置を調整するようにしたので、その焦点位
置を観察物体の形状を測定するのに適した位置に精度良
く調整でき、したがって観察物体の形状を再現性および
精度良く測定することが可能となる。
【0046】さらに、この発明の形状測定器によれば、
上記の焦点調節方法を適用して観察物体に対する結像光
学系の焦点位置を調節するようにしたので、従来の形状
測定器では困難であった特異点の位置を精度良く再現で
き、したがって再現性および精度良く観察物体の形状を
測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る形状測定器の第1実施例を示す
図である。
【図2】同じく、第2実施例を示す図である。
【図3】従来の形状測定器を示す図である。
【図4】本発明者が行った観察物体表面近傍における電
場解析を説明するための図である。
【図5】同じく、位相分布の変化を示す図である。
【図6】特異点に合焦したときに得られる干渉縞の拡大
写真である。
【符号の説明】
21 レーザ光源 22 ビームエキスパンダ 23 干渉装置 24 観察物体 25 観察光路 26 参照物体 27 参照光路 28 対物レンズ 29 撮像装置 30 コントローラ 31 画像表示装置 32 焦点調節装置 33 位相変調装置 41 ハーフミラー 42 サバール板 43 アナライザ 44 レーザ光源 45 ビームエキスパンダ 46 観察物体 47 観察光路 48 参照光路 49 対物レンズ 50 撮像装置 51 コントローラ 52 画像表示装置 53 焦点調節装置 54 位相変調装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉光学系により生成される観察物体の
    形状情報を含む干渉像を、結像光学系により所定の結像
    面に形成するにあたり、前記結像面に形成される前記干
    渉像から得られる特異点を用いて、前記観察物体に対す
    る前記結像光学系の焦点位置を調整することを特徴とす
    る焦点調節方法。
  2. 【請求項2】 観察物体と参照物体とによる干渉像を生
    成する干渉光学系と、前記干渉像を所定の結像面に形成
    する結像光学系と、前記結像面に配置した撮像素子と、
    該撮像素子からの画像情報に基づいて前記観察物体の位
    相分布を算出する演算処理装置と、前記位相分布におけ
    る特異点の位置が特定できるように前記観察物体に対す
    る前記結像光学系の焦点位置を調節する焦点調節手段と
    を有することを特徴とする形状測定器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009525493A (ja) * 2005-12-30 2009-07-09 データロジック・エス・ペー・アー レーザ光ビームの焦点調節装置およびその方法
JP2011508286A (ja) * 2007-12-31 2011-03-10 コーニング インコーポレイテッド 光信号の偏光変調のためのシステム及び方法
JP2012027183A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Mitsutoyo Corp オートフォーカス装置
CN102878930A (zh) * 2012-10-19 2013-01-16 华南师范大学 一种位相物体位相分布的定量测量方法和装置及其应用

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