JP5249739B2 - 観察装置および観察方法 - Google Patents

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本発明は、観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する装置および方法に関するものである。
干渉光学系を用いて対象物を観察または測定する装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。この文献に開示された装置は、対象物からの反射光とミラーからの反射光とによる干渉縞の振幅ピークが両反射光の光路長差に依存することを利用して、干渉縞の振幅ピークに基づいて対象物を観察または測定する。
特開平9−218016号公報
しかしながら、特許文献1に開示された装置は、細胞等の対象物の詳細な情報(例えば、細胞膜付近における顆粒の挙動に関する情報)を得ることができない。本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、細胞等の対象物の詳細な情報を得ることができる観察装置および観察方法を提供することを目的とする。
本発明に係る観察装置は、観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する装置であって、(1) 光を出力する光源と、(2) 該光源から出力された光を2分岐して第1分岐光および第2分岐光として出力し、第1分岐光がミラーにより反射されて生じる第1反射光を入力するとともに、第2分岐光が観察対象物の表面または内部で反射されて生じる第2反射光を入力して、これら第1反射光と第2反射光とを干渉させて当該干渉光を出力する干渉光学系と、(3)干渉光学系から出力される干渉光を結像する結像光学系と、(4) 結像光学系により結像された干渉光像を撮像する撮像部と、(5) 光源から観察対象物の基準位置を経て撮像部に到るまでの光路長と、光源からミラーを経て撮像部に到るまでの光路長との、光路長差を調整する光路長差調整手段と、(6)光路長差が目標値になるように光路長差調整手段による光路長差調整動作を制御する制御部と、を備える。
本発明に係る観察装置は、撮像部により撮像された干渉光像に基づいて、観察対象物の表面または内部で生じた第2反射光の強度成分および位相成分それぞれの像を求め、位相成分の像に基づいて観察対象物の膜で第2分岐光が反射されて生じた第2反射光による干渉光像が得られた観察範囲を特定し、強度成分の像のうち少なくとも観察範囲内の像を時系列に画像表示して、この画像に基づいて観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察することを特徴とする。
本発明に係る観察方法は、観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する方法であって、上記のような光源,干渉光学系,結像光学系,撮像部,光路長差調整手段および制御部を用い、撮像部により撮像された干渉光像に基づいて、観察対象物の表面または内部で生じた第2反射光の強度成分および位相成分それぞれの像を求め、位相成分の像に基づいて観察対象物の膜で第2分岐光が反射されて生じた第2反射光による干渉光像が得られた観察範囲を特定し、強度成分の像のうち少なくとも観察範囲内の像を時系列に画像表示して、この画像に基づいて観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察することを特徴とする。
本発明に係る観察装置または本発明に係る観察方法では、強度成分の像のうち観察範囲内の像とともに位相成分の像のうち観察範囲内の像をも時系列に画像表示させて、これらの画像に基づいて観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察するのが好適である。
本発明に係る観察装置または本発明に係る観察方法では、制御部が、撮像部により撮像された干渉光像において観察範囲が所定範囲内に納まるように、光路長差調整手段による光路長差調整動作を制御するのが好適である。
本発明に係る観察装置は、光路長差を検出する光路長差検出手段を更に備え、光路長差検出手段による検出結果に基づいて光路長差調整手段が光路長差を調整するのが好適である。本発明に係る観察方法は、光路長差を検出する光路長差検出手段を更に用い、光路長差検出手段による検出結果に基づいて光路長差調整手段により光路長差を調整するのが好適である。
本発明に係る観察装置または本発明に係る観察方法では、(a) 光路長差調整手段が、観察対象物およびミラーのうち一方の第1対象物を移動させる第1移動手段と、観察対象物およびミラーのうち他方の第2対象物を移動させる第2移動手段とを含み、第1移動手段または第2移動手段による移動動作により光路長差を調整し、(b) 第1移動手段が、第2移動手段の作動範囲より狭い作動範囲を有するとともに、第2移動手段の位置精度より高い位置精度を有し、(c) 第2移動手段が、干渉光学系と第2対象物との間の光学系を維持したまま第2対象物を移動させ、(d)制御部が、光路長差の各目標値において第1移動手段による移動量が作動範囲内の所定範囲内となるように第2移動手段による移動動作を連続的または断続的に行わせ、第2移動手段による移動動作の際にも光路長差が各目標値になるように第1移動手段による移動動作をフィードバック制御するのが好適である。
本発明に係る観察装置または本発明に係る観察方法では、位相シフト法により光路長差調整手段により光路長差が各目標値に順次に設定されて撮像部により撮像された干渉光像に基づいて、観察対象物の表面または内部で生じた第2反射光の強度成分および位相成分それぞれの像を求めるのが好適である。
なお、撮像部により撮像された干渉光像の強度成分および位相成分を求める方法としては、位相シフト法に限らず種々の干渉縞解析方法を適用することが可能であり、例えば、空間的縞走査法,フーリエ変換法,ヒルベルト変換法が適用されてもよい。
本発明に係る観察装置または本発明に係る観察方法では、観察対象物の膜が細胞膜であるのが好適である。
本発明によれば、細胞等の対象物の詳細な情報(例えば、細胞膜付近における顆粒の挙動に関する情報)を得ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る観察装置1の構成図である。この図に示される観察装置1は、観察対象物9の表面または内部を観察するものであって、光源11,12、レンズ21〜25、アパーチャ31、光合波器41、光分波器42、ハーフミラー43、撮像部51、解析部52、表示部53、受光部61、変位検出部62、ピエゾアクチュエータ71、駆動部72、ミラー73、ステージ81、駆動部82および制御部90を備える。
光源11は、コヒーレント長が比較的短い光λを出力するものであり、例えば、波長帯域600nm〜900nmの広帯域光を出力することができるタングステンランプやハロゲンランプである。また、光源11は、波長フィルタリングして所定波長範囲の光を出力するようにしてもよい。光源11から出力される光λのコヒーレンス長は5μm以下であるのが好ましい。特に観察対象物9が細胞であって、その細胞の膜を観察する場合には、光源11から出力される光λのコヒーレンス長は、その細胞の厚みと比べて充分に短いことが好ましく、例えば細胞の厚みの3分の1より短いことが好ましい。
一方、光源12は、コヒーレント長が比較的長い光λを出力するものであり、例えば波長1.31μmのレーザ光を出力する半導体レーザ光源である。光合波器41は、光源11から出力されてレンズ21およびアパーチャ31を経て到達した光λを反射させるとともに、光源12から出力されて到達した光λを透過させて、これらの光を合波してレンズ22へ出力する。
ハーフミラー43は、光合波器41により合波されてレンズ22を経て到達した光λ,λを2分岐して第1分岐光および第2分岐光とし、第1分岐光をレンズ23へ出力し、第2分岐光をレンズ24へ出力する。また、ハーフミラー43は、第1分岐光がレンズ23を経てミラー73により反射されて生じる第1反射光を再びレンズ23を経て入力するとともに、第2分岐光がレンズ24を経て観察対象物9の表面または内部で反射されて生じる第2反射光を再びレンズ24を経て入力して、これら第1反射光と第2反射光とを干渉させて当該干渉光をレンズ25へ出力する。すなわち、ハーフミラー43は、干渉光学系を構成する要素である。また、観察対象物9に対向するレンズ24は、焦点深度が短いことが好ましく、例えば1μm未満であることが好ましい。
光分波器42は、ハーフミラー43から出力されてレンズ25を経た光を入力し、そのうち光λを反射させて撮像部51へ出力し、光λを透過させて受光部61へ出力する。レンズ23〜25は、ハーフミラー43から出力されて光分波器42により分波された干渉光λを撮像部51の撮像面上に結像する結像光学系を構成する要素である。撮像部51は、その結像された干渉光λの像を撮像するものであり、例えばCCDカメラである。受光部61は、ハーフミラー43から出力されて光分波器42により分波された光λの強度を検出するものであり、例えばフォトダイオードである。
ここで、ハーフミラー43からミラー73により反射されて再びハーフミラー43に到るまでの光路長と、ハーフミラー43から観察対象物9の基準位置により反射されて再びハーフミラー43に到るまでの光路長との光路長差をΔLとする。なお、観察対象物9の基準位置は、観察対象物9の最も高い位置(レンズ24に最も近い位置)であってもよいし、観察対象物9を載せる台であってもよし、これらの中間の位置であってもよし、また、その他の位置であってもよい。
前述したように、光源12から出力され受光部61に到達する光λのコヒーレント長は比較的長いので、図2(a)に示されるように、受光部51に到達する光λの強度は、比較的広い光路長差ΔLの範囲において周期的に変化する。これに対して、光源11から出力され撮像部51に到達する光λのコヒーレント長は比較的短いので、図2(b)に示されるように、撮像部61に到達する光λの強度は、比較的狭い光路長差ΔLの範囲において周期的に変化し、しかも、光路長差ΔLが値0に近いほど干渉の振幅が大きい。
このことを利用して、解析部52は、光路長差が複数の目標値それぞれに設定されたときに撮像部51により撮像された光λの干渉光像を取得する。この干渉光像は、ハーフミラー43からミラー73までの光路長と、ハーフミラー43から観察対象物9の或るスライス面までの光路長とが互いに略等しいときに、ミラー73で生じた第1反射光と該スライス面(および、該スライス面を中心とする光λのコヒーレンス長程度の範囲)で生じた第2反射光との干渉による像である。さらに、解析部52は、取得した干渉光像に基づいて所定の解析を行う。表示部53は、解析部52による解析の結果を画像表示する。解析部52による解析および表示部53による画像表示については後述する。
観察対象物9は、好適には例えば図3に示されるように、略平坦な基板91の主面に形成された薄膜92の上に置かれた半透明の細胞93である。薄膜92は、光λを高い反射率で反射させることで、後述するフィードバック制御の際の基準面として好適に用いられる。観察対象物9としての細胞93の断面としてスライス面Sが設定される。このスライス面Sは、レンズ24の光軸に垂直な面であり、また、その光軸方向に関して位置が可変である。
変位検出部62は、受光部61により検出された光λの強度の変化から、光路長差(または、或る基準値に対する相対的な光路長差の変化量)を求める。すなわち、光源12、受光部61および変位検出部62は、光路長差を検出する光路長差検出手段を構成する要素である。なお、ピエゾアクチュエータ71によりミラー73に微小振動を与えて、或る光路長差を中心にして変調を与えることで、より正確に光路長差を検出することができる。
ピエゾアクチュエータ71,駆動部72,ステージ81および駆動部82は、光路長差を調整する光路長差調整手段を構成する要素である。ピエゾアクチュエータ71は、駆動部72により駆動されて、ハーフミラー43とミラー73との間の光学系の光軸に平行な方向に、ミラー73を移動させる。このとき、レンズ23を移動させることなく、ハーフミラー43とミラー73との間の光学系を維持したままとする。レンズ23のフォーカス面は、焦点深度(例えば0.5μm)の精度でミラー73の反射面に一致している。
ステージ81は、駆動部82により駆動されて、ハーフミラー43と観察対象物9との間の光学系の光軸に平行な方向に観察対象物9を移動させる。このとき、レンズ24を移動させることなく、ハーフミラー43と観察対象物9との間の光学系を維持したままとする。すなわち、ハーフミラー43から測った観察対象物9側のフォーカス面までの距離を維持したままとする。
ピエゾアクチュエータ71(第1移動手段)の作動範囲は、ステージ81(第2移動手段)の作動範囲より狭い。また、ピエゾアクチュエータ71の位置精度は、ステージ81の位置精度より高い。なお、ステージ81を移動させるための駆動部82としては、例えば長距離移動型のピエゾアクチュエータや、ステッピングモータによる回転機構を用いることが可能である。
制御部90は、変位検出部62による光路長差検出結果に基づいて、光路長差が複数の目標値に順次になるように、駆動部72,82を介してピエゾアクチュエータ71およびステージ81による光路長差調整動作を制御する。特に、制御部90は、複数の目標値それぞれにおいて、ピエゾアクチュエータ71による移動量が作動範囲内の所定範囲内となるように、ステージ81による移動動作を連続的または断続的に行わせる。また、制御部90は、ステージ81による移動動作の際にも、変位検出部62による光路長差検出結果に基づいて、光路長差が各目標値になるようにピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する。
図4は、ピエゾアクチュエータ71およびステージ81による光路長差調整動作について説明する図である。この図には、ハーフミラー43とミラー73との間の光学系が示され、ハーフミラー43と観察対象物9との間の光学系が示され、また、光路長差を調整するピエゾアクチュエータ71およびステージ81が示されている。ここで、ハーフミラー43とレンズ23との間の間隔をxとし、レンズ23とミラー73との間の間隔をxとする。また、ハーフミラー43とレンズ24との間の間隔をyとし、レンズ24と観察対象物9との間の間隔をyとする。なお、観察対象物9が図3に示される構成である場合には、yはレンズ24から観察対象物9の或るスライス面までの間隔とする。間隔xは、ピエゾアクチュエータ71による移動動作により調整される。間隔yは、ステージ81による移動動作により調整される。ピエゾアクチュエータ71またはステージ81により、間隔(x+x)又は間隔(y+y)を変更することで、光路長差ΔLを調整することができる。
仮に、ステージ81による移動動作により間隔yのみを調整する場合、ステージ81の作動範囲が比較的広いことから、広いダイナミックレンジで光路長差を調整することができる。しかし、この場合、ステージ81の位置精度が比較的低いことから、高精度で光路長差を調整することができず、したがって、高精度に観察対象物9の形状等を測定することができない。
一方、仮に、ピエゾアクチュエータ71による移動動作により間隔xのみを調整する場合、ピエゾアクチュエータ71の位置精度が比較的高いことから、高精度で光路長差を調整することができる。しかし、この場合、ピエゾアクチュエータ71の作動範囲が比較的狭いことから、広いダイナミックレンジで光路長差を調整することができず、したがって、広いダイナミックレンジで観察対象物9の形状等を測定することができない。
また、仮に、ピエゾアクチュエータ71の作動範囲内であっても広い範囲に亘って移動動作を行わせると、レンズ23の焦点距離と間隔xとの差が大きくなる場合があり、その場合には、結像光学系による干渉光の結像面と撮像部51の撮像面とが互いに大きくずれてしまい、撮像部51により撮像される干渉光像が不鮮明となって、観察対象物9の形状等の測定を高精度に行うことができない。
そこで、本実施形態では、高精度かつ広ダイナミックレンジで観察対象物の表面または内部を測定する為に、制御部90は、複数の目標値それぞれにおいて、ピエゾアクチュエータ71による移動量が作動範囲内の所定範囲内となるように、ステージ81による移動動作を連続的または断続的に行わせる。また、制御部90は、ステージ81による移動動作の際にも、変位検出部62による光路長差検出結果に基づいて、光路長差が各目標値になるようにピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する、以下では、ピエゾアクチュエータ71およびステージ81それぞれの好適な2つの動作態様について説明する。
図5は、本実施形態に係る観察装置1の第1動作態様を説明するフローチャートである。また、図6は、この第1動作態様における間隔x,間隔yおよび光路長差{(y+y)−(x+x)}それぞれの時間的変化を示す図である。この第1動作態様では、制御部90は、駆動部82を介して、ステージ81による移動動作を連続的に行わせる。
初めに、ステップS11では、制御部90は、駆動部82を介してステージ81による移動動作を開始させる。光路長差を或る目標値から次の目標値に一定時間間隔Δtで移行させるとし、その移行の際の間隔yの変化量をΔyとしたときに、ステージ81の移動速度は「Δy/Δt」に設定される。これにより、レンズ24と観察対象物9との間の間隔yは、時間の経過とともに略リニアに変化していく。しかし、ステージ81の位置精度が比較的低いことから、間隔yの時間的変動は比較的大きい。
そこで、ステップS12では、制御部90は、光路長差が該目標値になるように、駆動部72を介してピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する。このとき、ピエゾアクチュエータ71により間隔xが調整されて、光路長差{(y+y)−(x+x)}が高精度に設定される。
ステップS13では、制御部90は、光路長差が或る目標値に設定されてから一定時間Δtが経過したか否かを判断し、一定時間Δtが経過したら次のステップS14の処理に進む。ステップS14では、制御部90は、次の目標値が有るか否かを判断し、次の目標値が有れば次のステップS15の処理に進み、次の目標値が無ければステップS18の処理に進む。
ステップS15では、制御部90は、光路長差が次の目標値に移行される前に、その移行後の目標値においてピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲から外れるか否かを判断する。そして、制御部90は、その移動量xが所定範囲から外れると判断した場合にはステップS16を経てステップS17の処理に進み、また、その移動量xが所定範囲内にあると判断した場合には直ちにステップS17の処理に進む。ステップS16では、制御部90は、次の目標値に移行した後にピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲内に入るようにステージ81による移動動作の速さを調整する。
ステップS17では、制御部90は、光路長差を次の目標値に設定し、駆動部72を介してピエゾアクチュエータ71をΔxだけステップ的に移動させる。その後、ステップS12の処理に戻って、制御部90は、光路長差が新たな目標値になるように、駆動部72を介してピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する。ステップS18では、制御部90は、駆動部82を介してステージ81による移動動作を終了させる。
このように第1動作態様では、制御部90は、ステージ81による移動動作を連続的に行わせ、光路長差が或る目標値から次の目標値に移行される際に、ピエゾアクチュエータ71による移動動作をステップ的に行わせ、また、光路長差が或る目標値に設定されている期間には、光路長差が該目標値になるようにピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する。このように制御部90がピエゾアクチュエータ71およびステージ81それぞれの移動動作を制御することにより、ステージ81の移動動作の広いダイナミックレンジと、ピエゾアクチュエータ71の移動動作の高い位置精度とを、共に活かすことができて、高精度かつ広ダイナミックレンジで観察対象物9の表面形状等を測定することができる。
また、第1動作態様では、制御部90は、光路長差が或る目標値から次の目標値に移行される前に、その移行後の目標値においてピエゾアクチュエータ71による移動量が所定範囲から外れる場合に、該移動量が該所定範囲内に入るようにステージ81による移動動作の速さを調整する(ステップS15,S16)。このように制御部90がステージ81の移動速度を調整することにより、ステージ81の移動速度や目標値変更の時間間隔Δtの精度が不充分である場合であっても、ピエゾアクチュエータ71による移動量を所定範囲内に維持することができるので、観察対象物9の表面形状等の高精度測定を維持することができる。なお、光路長差の目標値の個数をNとしたときに、N・Δtの時間内にステージ81を速度「Δy/Δt」で等速移動させたときの移動距離が充分な精度(例えば誤差が±1μm以下)であれば、ステップS15,16は不要であり、ステップS14の後に直ちにステップS17の処理に進めばよい。
図7は、本実施形態に係る観察装置1の第2動作態様を説明するフローチャートである。また、図8は、この第2動作態様における間隔x,間隔yおよび光路長差{(y+y)−(x+x)}それぞれの時間的変化を示す図である。この第2動作態様では、制御部90は、駆動部82を介して、ステージ81による移動動作を断続的に行わせる。
ステップS21では、制御部90は、光路長差が目標値になるように、駆動部72を介してピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する。このとき、ステージ81は移動していないが、ステージ81の位置精度が比較的低いことから、間隔yの時間的変動は比較的大きい。しかし、ピエゾアクチュエータ71により間隔xが調整されて、光路長差{(y+y)−(x+x)}が高精度に設定される。
ステップS22では、制御部90は、光路長差が或る目標値に設定されてから一定時間Δtが経過したか否かを判断し、一定時間Δtが経過したら次のステップS23の処理に進む。ステップS23では、制御部90は、次の目標値が有るか否かを判断し、次の目標値が有れば次のステップS24の処理に進み、次の目標値が無ければ終了する。
ステップS24では、制御部90は、光路長差が次の目標値に移行される前に、その移行後の目標値においてピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲から外れるか否かを判断する。そして、制御部90は、その移動量xが所定範囲から外れると判断した場合にはステップS25を経てステップS26の処理に進み、また、その移動量xが所定範囲内にあると判断した場合には直ちにステップS26の処理に進む。
ステップS25では、制御部90は、次の目標値に移行した後にピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲内に入るようにステージ81を移動させた後に停止させ、また、そのステージ81が移動している期間にも、そのときの光路長差が各目標値になるようにピエゾアクチュエータ71による移動動作を制御する。なお、このときのステージ81の移動に際しては、次の目標値においてピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲の上限を超える場合には、ピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲の下限の近くになるようにする。逆に、次の目標値においてピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲の下限を超える場合には、ピエゾアクチュエータ71による移動量xが所定範囲の上限の近くになるようにする。
ステップS26では、制御部90は、光路長差を次の目標値に設定し、駆動部72を介してピエゾアクチュエータ71をΔxだけステップ的に移動させる。その後、ステップS21の処理に戻って、制御部90は、光路長差が新たな目標値になるように、駆動部72を介してピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する。
このように第2動作態様では、制御部90は、光路長差が各目標値になるようにピエゾアクチュエータ71による移動動作をフィードバック制御する。このように制御部90がピエゾアクチュエータ71およびステージ81それぞれの移動動作を制御することにより、ステージ81の移動動作の広いダイナミックレンジと、ピエゾアクチュエータ71の移動動作の高い位置精度とを、共に活かすことができて、高精度かつ広ダイナミックレンジで観察対象物9の表面形状等を測定することができる。なお、ステージ81の位置精度が悪い場合には、第1動作態様より第2動作態様の方が有効である。
次に、本実施形態に係る観察装置1および本実施形態に係る観察方法における観察対象物9の観察(特に解析部52による解析および表示部53による画像表示)について更に詳細に説明する。
観察対象物9の表面または内部で反射されて撮像部51の撮像面に到達する第2反射光E(x,y)は、振幅成分R(x,y)および位相成分φ(x,y)を含んでいて、下記(1)式で表される。撮像部51により撮像される干渉像は、光λのコヒーレンス長の程度で第1反射光および第2反射光それぞれの光路長が一致するような該第2反射光が生じる観察対象物9のスライス面(および、該スライス面を中心とする光λのコヒーレンス長程度の範囲)の情報を反映したものである。なお、x,yは、該スライス面における直交2軸の座標値を表す。
第2反射光E(x,y)の振幅成分R(x,y)は、該スライス面における光λの反射率、すなわち、反射体の有無の情報を表す。また、第2反射光E(x,y)の位相成分φ(x,y)は、該スライス面における反射体のz方向(光軸に平行な方向)の位置の情報を表す。例えば、観察対象物9の該スライス面に存在する反射体(例えば、細胞膜、核小体の膜、リソソームの膜、等)がz方向にΔzだけ移動した場合、撮像部51の撮像面に到達する第2反射光E(x,y)の位相成分φ(x,y)は 4πnΔz/λ だけ変化する。ここで、nは観察対象物9の屈折率である。すなわち、位相成分φ(x,y)の変化量は、スライス面における反射体のz方向の位置変化量を表す。
このような第2反射光E(x,y)の振幅成分R(x,y)および位相成分φ(x,y)は好適には位相シフト法により求められる。位相シフト法では、制御部90および駆動部72による制御によりピエゾアクチュエータ71が駆動されて光路長差ΔLがλ/4ずつシフトされ、順に撮像部51により4枚の干渉光像I(x,y),I(x,y),I(x,y),I(x,y)が撮像される。ここで、λは、光源11から出力される低コヒーレント光の中心波長である。これら4枚の干渉光像から、下記(2)式に従って、干渉光像の正弦成分X(x,y)および余弦成分Y(x,y)が得られる。
そして、これら干渉光像の正弦成分X(x,y)および余弦成分Y(x,y)から、下記(3)式に従って、第2反射光E(x,y)の振幅成分R(x,y),強度成分A(x,y)および位相成分φ(x,y)が得られる。強度成分A(x,y)は振幅成分R(x,y)の2乗の値を有するので、両者は実質的には互いに同種の情報を表す。なお、正弦成分X(x,y)および余弦成分Y(x,y)は、第2反射光E(x,y)の振幅成分R(x,y)および位相成分φ(x,y)を用いて、下記(4)式のように表される。また、干渉光像の複素振幅C(x,y)は、下記(5)式または(6)式で表される。解析部52は、このような振幅成分R(x,y),強度成分A(x,y)および位相成分φ(x,y)を求める。
位相シフト法には様々な改良アルゴリズムが存在するが、何れのアルゴリズムが用いられてもよい。例えば、Schwider-Hariharan Algorithm として知られるアルゴリズムに従って、5枚の干渉光像I(x,y)〜I(x,y)に基づいて、下記(7)式に従って、干渉光像の正弦成分X(x,y)および余弦成分Y(x,y)が求められてもよく、さらに、これらから、第2反射光E(x,y)の振幅成分R(x,y),強度成分A(x,y)および位相成分φ(x,y) が求められてもよい。
また、7枚の干渉光像I(x,y)〜I(x,y)に基づいて、下記(8)式に従って、干渉光像の正弦成分X(x,y)および余弦成分Y(x,y)が求められてもよく、さらに、これらから、第2反射光E(x,y)の振幅成分R(x,y),強度成分A(x,y)および位相成分φ(x,y) が求められてもよい。
本実施形態では任意の位相シフト法のアルゴリズムが用いられ得る。ただし、上記(2)式に従う位相シフト法の基本アルゴリズムと比べると、上記(7)式または(8)式に従う位相シフト法の改良アルゴリズムは、位相シフト量の誤差に対してロバストである等の利点があり、本実施形態のように光λのコヒーレンス長が比較的短い場合に好適に用いられる。
図9は、本実施形態に係る観察装置1を用いて複数組の正弦成分X(x,y)および余弦成分Y(x,y)を時系列で取得する場合の位相シフト量の時間的変化の様子を示す図である。ここでは、4枚の干渉光像I(x,y)〜I(x,y)から上記(2)式に従って第2反射光E(x,y)の振幅成分R(x,y)および位相成分φ(x,y) を求める場合について説明する。この図に示されるように、制御部90および駆動部72による制御によりピエゾアクチュエータ71が駆動されて光路長差ΔLが一定時間毎にλ/4ずつシフトされて、位相シフト量が0と3λ/4との間で増減が繰り返される。これにより、順次に干渉光学像I,I,I,I,I,I,I,I,I,I,…が得られる。そして、第1の干渉光学像Iから第4の干渉光学像Iまでが用いられて、1番目のX,Y,Rおよびφが得られる。また、第4の干渉光学像Iから第7の干渉光学像Iまでが用いられて、2番目のX,Y,Rおよびφが得られる。さらに、第7の干渉光学像Iから第10の干渉光学像Iまでが用いられて、3番目のX,Y,Rおよびφが得られる。
このようにして、干渉光像の正弦成分Xおよび余弦成分Y ならびに 第2反射光の振幅成分Rおよび位相成分φが一定時間間隔で順次に得られる。また、強度成分Aも一定時間間隔で順次に得られる。以降では、これらは、正弦成分X(x,y,n)、余弦成分Y(x,y,n)、振幅成分R(x,y,n),強度成分A(x,y,n)および位相成分φ(x,y,n) と表記される場合がある。ここで、各成分の表記におけるnは、その成分がn番目に得られたものであることを示すものであり、時間変数に相当するものである。
前述したとおり、位相成分φ(x,y,n)は、ハーフミラー43からミラー73までの光路長と、ハーフミラー43から観察対象物9の或るスライス面までの光路長とが互いに略等しいときに、該スライス面における反射体のz方向(光軸に平行な方向)の位置の情報を表す。また、位相成分φ(x,y,n)の変化量は、該スライス面における反射体のz方向の位置変化量を表す。そこで、解析部52により、一定時間間隔で複数枚の位相成分φ(x,y,n)が得られると、これらが表示部53により時系列に画像表示(動画表示)されることで、観察対象物9のスライス面における反射体のz方向の位置変化の様子が観察され得る。
観察対象物9のスライス面における反射体のz方向の位置変化の様子の観察は、一定時間間隔で取得された複数枚の位相成分φ(x,y,n)に基づいて以下のような数理処理手法によることが可能である。各位置(x,y)について、通常は2πの幅の範囲でしか値を有しない位相成分φ(x,y,n)は、このままでは定量的な評価には不適当であるので、図10に示されるように、時系列に見たときに位相が不連続になっている箇所を繋ぎ合わせる処理(すなわち、位相アンラッピング)が行われる。
位相アンラッピング前の位相成分を小文字でφ(x,y,n)と表し、位相アンラッピング後の位相成分を大文字でΦ(x,y,n)と表すことにする。図10(a)は、位相アンラッピング前の位相成分φ(x,y,n)の時間変化の様子を示す。同図(b)は、位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y,n)の時間変化の様子を示す。以下では、一定時間間隔で順にN枚の位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y,1)〜Φ(x,y,N)が得られたとする。
また、位相成分φ(x,y,1)〜φ(x,y,N)(または、位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y,1)〜Φ(x,y,N))に対応して、振幅成分R(x,y,1)〜R(x,y,N) または 強度成分A(x,y,1)〜A(x,y,N) が時系列に得られる。前述したとおり、振幅成分R(x,y,n)および強度成分A(x,y,n)は、ハーフミラー43からミラー73までの光路長と、ハーフミラー43から観察対象物9の或るスライス面までの光路長とが互いに略等しいときに、該スライス面における光λの反射率、すなわち、反射体の有無の情報を表す。なお、振幅成分R(x,y,n)と強度成分A(x,y,n)とは実質的には互いに同種の情報を表すので、以下では強度成分A(x,y,n)を用いて説明することにする。
本実施形態では、解析部52は、位相シフト法により光路長差調整手段(ピエゾアクチュエータ71,駆動部72,ステージ81および駆動部82)により光路長差が各目標値に順次に設定されて撮像部51により撮像された干渉光像に基づいて、観察対象物9の表面または内部で生じた第2反射光の強度成分A(x,y,n)および位相成分φ(x,y,n)それぞれの像を求める。
そして、解析部52は、位相成分φ(x,y,n)の像に基づいて観察対象物9の膜で第2分岐光が反射されて生じた第2反射光による干渉光像が得られた観察範囲を特定し、強度成分A(x,y,n)の像のうち少なくとも観察範囲内の像を時系列に表示部53により画像表示させる。また、解析部52は、強度成分A(x,y,n)の像のうち観察範囲内の像とともに、位相成分φ(x,y,n)またはΦ(x,y,n)の像のうち観察範囲内の像をも、時系列に表示部53により画像表示させるのが好適である。
表示部53により強度成分A(x,y,n)の像を表示するに際しては、各画素の強度値に応じてグレイスケールまたは擬似カラー等により表示する。同様に、表示部53により位相成分φ(x,y,n)またはΦ(x,y,n)の像を表示するに際しては、各画素の位相値に応じてグレイスケールまたは擬似カラー等により表示する。また、位相成分を色相に反映させ、強度成分を彩度または明度に反映させて、HSV色空間で画像を表示するのも好適である。
観察範囲の特定に際しては、位相アンラッピング前の位相成分φ(x,y,n)の像の中で、縞模様状に表示される範囲が選ばれる。または、位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y,n)の像の中で、空間的位相変化率が基準値より小さい範囲が選ばれる。このようにして特定される観察範囲は、観察対象物9の膜の近傍で第2分岐光が反射されて生じた第2反射光による干渉光像が得られた範囲を表す。
観察範囲の特定に用いられる位相成分φ(x,y,n)またはΦ(x,y,n)の像は、観察範囲特定後に時系列に表示部53により画像表示される位相成分の像の何れかであってもよいし、これらとは別に得られた位相成分φ(x,y)またはΦ(x,y)の像(ただし、観察対象物9における同一スライス面の位相成分像)であってもよい。
図11〜図15は、本実施形態に係る観察装置1により得られた画像例等を示す。観察対象物9としてHeLa細胞が用いられた。図11は、位相アンラッピング前の位相成分φ(x,y)の画像を示す図である。図12は、位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y)の画像を示す図である。図13は、強度成分A(x,y)の画像を示す図である。図14は、位相成分または強度成分の画像における膜の範囲を説明する図である。図15は、観察対象物9におけるスライス面Sを説明する図である。なお、位相アンラッピング前の位相成分φ(x,y)の画像(図11)、および、位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y)の画像(図12)は、各画素の位相値をグレイスケールで表しているが、位相変化に対する諧調値変化の大きさが相違している。また、強度成分A(x,y)の画像(図13)は、各画素の強度値をグレイスケールで表しており、強度値が大きい画素ほど濃度を大きく示している。
図14において、位相成分または強度成分の画像における観察範囲がハッチングで示されている。このハッチングで示された観察範囲は、位相アンラッピング前の位相成分φ(x,y)の画像(図11)において縞模様状に表示される範囲であり、位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y)の画像(図12)において空間的位相変化率が基準値より小さい範囲である。また、強度成分A(x,y)の画像(図13)中の観察範囲においては強度のコントラストが大きい。
これらの画像から、図15に示されるように、観察対象物9において最も高い地点(レンズ24に最も近い地点)より幾らか低いところ(レンズ24から幾らか遠ざかったところ)にスライス面Sが設定されていて、観察対象物9である細胞の膜のうちスライス面S近傍の範囲が観察範囲となっていることが判る。
図16は、強度成分A(x,y)の5枚の画像を示す図である。同図(a)〜(e)の5枚の画像は、図13の強度成分A(x,y)の画像のうち観察範囲内の一部を示すものであって、1.2秒間隔で順に得られたものである。図中で、矢印で指示された黒点は、観察対象物9である細胞の膜の付近にある反射体である顆粒を表している。この顆粒が細胞膜に略沿って移動していることが判る。図17は、強度成分A(x,y)の時系列の画像から得られた顆粒の移動の軌跡を示す図である。この図は、顆粒が21.6秒間に位置Pから位置Pまで図中の線に沿って移動したことを示している。なお、同図中の3点A,B,Cは、細胞膜における基準点を示す。図18は、位相成分φ(x,y)またはΦ(x,y)の時系列の画像から得られたz方向の顆粒の移動の様子を示す図である。この図は、細胞膜における基準点A,B,Cが何れもz方向に殆ど変化していないのに対して、顆粒Pが21.6秒間にz方向に約600nm移動したことを示している。
図16〜図18から以下のことが判る。すなわち、強度成分A(x,y)の時系列の画像から高反射率の顆粒の2次元的な移動の様子を観察することが可能であり、また、強度成分A(x,y)および位相成分φ(x,y)の双方の時系列の画像から高反射率の顆粒の3次元的な移動の様子を観察することが可能である。一方、この顆粒の軌跡とは僅かに離れた基準点A,B,Cは何れもz方向に殆ど変化しない。したがって、観察期間中、細胞膜の全体のz方向位置は殆ど変わることがなく、この細胞膜を基準として常に略同じ高さのスライス面S近傍の観察範囲における顆粒の移動を観察することができる。
図19は、強度成分A(x,y)の画像を示す図である。同図(b)は、同図(a)中の矩形の範囲を拡大して示すものである。同図中に5点A,B,C,D,Eが示されている。そのうち4点B〜Eは点Aの周囲に配置されている。図20は、強度成分A(x,y)の5枚の画像を示す図である。同図(a)〜(e)の5枚の画像は、図19(b)の強度成分A(x,y)の画像1.2秒間隔で順に示すものである。この図は、特に点Aの濃度が変化していること、すなわち、点Aにおける反射強度が変化していることを示している。図21は、強度成分A(x,y)の5点A〜Eそれぞれの反射強度の時間変化の様子を示す図である。この図は、4点B〜Eそれぞれの反射強度の変化に比べて点Aの反射強度の変化が大きいことを示している。図22は、位相成分φ(x,y)から得られた5点A〜Eそれぞれのz方向位置の時間変化の様子を示す図である。この図は、4点B〜Eの何れもz方向に殆ど変化していないのに対して、点Aのz方向位置の変化が大きいことを示している。
図19〜図22から以下のことが判る。すなわち、4点B〜Eそれぞれは反射強度の変化が僅かでz方向の移動も僅かであるのに対して、点Aは、反射強度の変化が認められ、これに続いてz方向位置の変化が認められる。したがって、図23に示されるように、顆粒Pは、細胞膜9aの点Aの下方にあった状態(同図(a))から次第に上方に移動していき、細胞膜9aと相互作用する状態(同図(b))に変化したものと推測される。このように、観察期間中、細胞膜の全体のz方向位置は殆ど変わることがなく、この細胞膜を基準として常に略同じ高さのスライス面S近傍の観察範囲における顆粒の移動を観察することができる。
なお、上記の例では、運動性が比較的低いHeLa細胞が観察対象物9として用いられたことから、観察期間中において細胞膜の全体の位置は殆ど変わることがなかった。しかし、細胞の種類によっては細胞膜の全体の位置が上下に大きく動く場合がある。細胞膜の全体の位置が上下に動くと、観察範囲が変化して、注目する顆粒が観察範囲の外に出る事態が生じる場合があるが、そのような事態は好ましくない。そこで、制御部90は、撮像部51により撮像された干渉光像において観察範囲が所定範囲内に納まるように、光路長差調整手段(ピエゾアクチュエータ71,駆動部72,ステージ81および駆動部82)による光路長差調整動作を制御することが好ましい。例えば、図16〜図18に示された例における3点A〜Cそれぞれの高さの平均値の変動や、図19〜図23に示された例における4点B〜Eそれぞれの高さの平均値の変動が、所定範囲(例えば300nm)内に納まるようにすることが好ましい。
以上のように、本実施形態では、細胞膜の運動性が低い細胞を観察対象物9とする場合には、一定の高さのスライス面S近傍の観察範囲を保証した上で、強度成分A(x,y)の時系列の画像から顆粒の2次元的な移動の様子を観察することが可能であり、また、強度成分A(x,y)および位相成分φ(x,y)の双方の時系列の画像から顆粒の3次元的な移動の様子を観察することが可能である。また、強度成分A(x,y)および位相成分φ(x,y)の双方の時系列の画像から、細胞膜と顆粒との相互作用をも観察することができる。一方、本実施形態では、細胞膜の運動性が高い細胞を観察対象物9とする場合には、撮像部51により撮像された干渉光像において観察範囲が所定範囲内に納まるように、光路長差調整手段による光路長差調整動作を制御することにより、注目する顆粒が観察範囲の外に出る事態を回避することができる。なお、特許文献1に開示された技術では、常に同じ高さのスライス面S近傍の観察範囲を観察することの保証はなく、本実施形態のような観察を行うことは困難である。
本実施形態に係る観察装置1の構成図である。 撮像部51または受光部51に到達する光の強度と光路長差との関係を示す図である。 観察対象物9の構成例を示す図である。 ピエゾアクチュエータ71およびステージ81による光路長差調整動作について説明する図である。 本実施形態に係る観察装置1の第1動作態様を説明するフローチャートである。 本実施形態に係る観察装置1の第1動作態様における間隔x,間隔yおよび光路長差{(y+y)−(x+x)}それぞれの時間的変化を示す図である。 本実施形態に係る観察装置1の第2動作態様を説明するフローチャートである。 本実施形態に係る観察装置1の第2動作態様における間隔x,間隔yおよび光路長差{(y+y)−(x+x)}それぞれの時間的変化を示す図である。 本実施形態に係る観察装置1を用いて複数組の正弦成分X(x,y)および余弦成分Y(x,y)を時系列で取得する場合の位相シフト量の時間的変化の様子を示す図である。 位相アンラッピングを説明する図である。 位相アンラッピング前の位相成分φ(x,y)の画像を示す図である。 位相アンラッピング後の位相成分Φ(x,y)の画像を示す図である。 強度成分A(x,y)の画像を示す図である。 位相成分または強度成分の画像における膜の範囲を説明する図である。 観察対象物9におけるスライス面Sを説明する図である。 強度成分A(x,y)の5枚の画像を示す図である。 強度成分A(x,y)の時系列の画像から得られた顆粒の移動の軌跡を示す図である。 位相成分φ(x,y)またはΦ(x,y)の時系列の画像から得られたz方向の顆粒の移動の様子を示す図である。 強度成分A(x,y)の画像を示す図である。同図(b)は、同図(a)中の矩形の範囲を拡大して示すものである。 強度成分A(x,y)の5枚の画像を示す図である。 強度成分A(x,y)の5点A,B,C,D,Eそれぞれの反射強度の時間変化の様子を示す図である。 位相成分φ(x,y)から得られた5点A,B,C,D,Eそれぞれのz方向位置の時間変化の様子を示す図である。 細胞膜9aと顆粒Pとの相互作用の様子を示す図である。
符号の説明
1…観察装置、9…観察対象物、11,12…光源、21〜25…レンズ、31…アパーチャ、41…光合波器、42…光分波器、43…ハーフミラー、51…撮像部、52…解析部、53…表示部、61…受光部、62…変位検出部、71…ピエゾアクチュエータ、72…駆動部、73…ミラー、81…ステージ、82…駆動部、90…制御部。

Claims (13)

  1. 観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する装置であって、
    光を出力する光源と、
    該光源から出力された光を2分岐して第1分岐光および第2分岐光として出力し、前記第1分岐光がミラーにより反射されて生じる第1反射光を入力するとともに、前記第2分岐光が観察対象物の表面または内部で反射されて生じる第2反射光を入力して、これら第1反射光と第2反射光とを干渉させて当該干渉光を出力する干渉光学系と、
    前記干渉光学系から出力される干渉光を結像する結像光学系と、
    前記結像光学系により結像された干渉光像を撮像する撮像部と、
    前記光源から前記観察対象物の基準位置を経て前記撮像部に到るまでの光路長と、前記光源から前記ミラーを経て前記撮像部に到るまでの光路長との、光路長差を調整する光路長差調整手段と、
    前記光路長差が目標値になるように前記光路長差調整手段による光路長差調整動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記撮像部により撮像された干渉光像に基づいて、前記観察対象物の表面または内部で生じた前記第2反射光の強度成分および位相成分それぞれの像を求め、前記位相成分の像に基づいて前記観察対象物の膜で前記第2分岐光が反射されて生じた前記第2反射光による干渉光像が得られた観察範囲を特定し、前記強度成分の像のうち少なくとも前記観察範囲内の像を時系列に画像表示して、この画像に基づいて前記観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する、
    ことを特徴とする観察装置。
  2. 前記強度成分の像のうち前記観察範囲内の像とともに前記位相成分の像のうち前記観察範囲内の像をも時系列に画像表示させて、これらの画像に基づいて前記観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する、ことを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
  3. 前記制御部が、前記撮像部により撮像された干渉光像において前記観察範囲が所定範囲内に納まるように、前記光路長差調整手段による光路長差調整動作を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
  4. 前記光路長差を検出する光路長差検出手段を更に備え、
    前記光路長差検出手段による検出結果に基づいて前記光路長差調整手段が前記光路長差を調整する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
  5. 前記光路長差調整手段が、前記観察対象物および前記ミラーのうち一方の第1対象物を移動させる第1移動手段と、前記観察対象物および前記ミラーのうち他方の第2対象物を移動させる第2移動手段とを含み、前記第1移動手段または前記第2移動手段による移動動作により前記光路長差を調整し、
    前記第1移動手段が、前記第2移動手段の作動範囲より狭い作動範囲を有するとともに、前記第2移動手段の位置精度より高い位置精度を有し、
    前記第2移動手段が、前記干渉光学系と前記第2対象物との間の光学系を維持したまま前記第2対象物を移動させ、
    前記制御部が、前記光路長差の各目標値において前記第1移動手段による移動量が前記作動範囲内の所定範囲内となるように前記第2移動手段による移動動作を連続的または断続的に行わせ、前記第2移動手段による移動動作の際にも前記光路長差が各目標値になるように前記第1移動手段による移動動作をフィードバック制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
  6. 位相シフト法により前記光路長差調整手段により前記光路長差が各目標値に順次に設定されて前記撮像部により撮像された干渉光像に基づいて、前記観察対象物の表面または内部で生じた前記第2反射光の強度成分および位相成分それぞれの像を求める、ことを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
  7. 観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する方法であって、
    光を出力する光源と、
    該光源から出力された光を2分岐して第1分岐光および第2分岐光として出力し、前記第1分岐光がミラーにより反射されて生じる第1反射光を入力するとともに、前記第2分岐光が観察対象物の表面または内部で反射されて生じる第2反射光を入力して、これら第1反射光と第2反射光とを干渉させて当該干渉光を出力する干渉光学系と、
    前記干渉光学系から出力される干渉光を結像する結像光学系と、
    前記結像光学系により結像された干渉光像を撮像する撮像部と、
    前記光源から前記観察対象物の基準位置を経て前記撮像部に到るまでの光路長と、前記光源から前記ミラーを経て前記撮像部に到るまでの光路長との、光路長差を調整する光路長差調整手段と、
    前記光路長差が目標値になるように前記光路長差調整手段による光路長差調整動作を制御する制御部と、
    を用い、
    前記撮像部により撮像された干渉光像に基づいて、前記観察対象物の表面または内部で生じた前記第2反射光の強度成分および位相成分それぞれの像を求め、前記位相成分の像に基づいて前記観察対象物の膜で前記第2分岐光が反射されて生じた前記第2反射光による干渉光像が得られた観察範囲を特定し、前記強度成分の像のうち少なくとも前記観察範囲内の像を時系列に画像表示して、この画像に基づいて前記観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する、
    ことを特徴とする観察方法。
  8. 前記強度成分の像のうち前記観察範囲内の像とともに前記位相成分の像のうち前記観察範囲内の像をも時系列に画像表示させて、これらの画像に基づいて前記観察対象物の膜および膜の近傍における顆粒の挙動を観察する、ことを特徴とする請求項7に記載の観察方法。
  9. 前記制御部が、前記撮像部により撮像された干渉光像において前記観察範囲が所定範囲内に納まるように、前記光路長差調整手段による光路長差調整動作を制御する、ことを特徴とする請求項7に記載の観察方法。
  10. 前記光路長差を検出する光路長差検出手段を更に用い、
    前記光路長差検出手段による検出結果に基づいて前記光路長差調整手段により前記光路長差を調整する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の観察方法。
  11. 前記光路長差調整手段が、前記観察対象物および前記ミラーのうち一方の第1対象物を移動させる第1移動手段と、前記観察対象物および前記ミラーのうち他方の第2対象物を移動させる第2移動手段とを含み、前記第1移動手段または前記第2移動手段による移動動作により前記光路長差を調整し、
    前記第1移動手段が、前記第2移動手段の作動範囲より狭い作動範囲を有するとともに、前記第2移動手段の位置精度より高い位置精度を有し、
    前記第2移動手段が、前記干渉光学系と前記第2対象物との間の光学系を維持したまま前記第2対象物を移動させ、
    前記制御部が、前記光路長差の各目標値において前記第1移動手段による移動量が前記作動範囲内の所定範囲内となるように前記第2移動手段による移動動作を連続的または断続的に行わせ、前記第2移動手段による移動動作の際にも前記光路長差が各目標値になるように前記第1移動手段による移動動作をフィードバック制御する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の観察方法。
  12. 位相シフト法により前記光路長差調整手段により前記光路長差が各目標値に順次に設定されて前記撮像部により撮像された干渉光像に基づいて、前記観察対象物の表面または内部で生じた前記第2反射光の強度成分および位相成分それぞれの像を求める、ことを特徴とする請求項7に記載の観察方法。
  13. 前記観察対象物の膜が細胞膜であることを特徴とする請求項7に記載の観察方法。
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