JP5953745B2 - 糖吸収抑制剤 - Google Patents

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本発明は、レスベラトロール誘導体を含有する糖吸収抑制剤に関するものである。
食生活の欧米化が進んだ現代社会において、糖尿病が大きな社会問題となっている。糖尿病は高脂肪、高カロリーな食事による過剰なエネルギー摂取とストレスや運動不足を原因とする疾患であると認識されている。
生活習慣病である糖尿病は、血液中のグルコース濃度が異常上昇する疾患である。厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」によると糖尿病患者および予備群は2210万人以上に上るとされている。これは日本の成人2割以上にあたり、その対策が急務となっている。世界的にも成人の総人口の3%程度の患者が発生しているといわれており、国際連合では11月14日を「世界糖尿病デー」として、その予防・治療・療養を啓発する運動を行っている。
糖尿病の治療にはインスリン投与がある。しかし、インスリン投与はインスリン抵抗性である2型糖尿病患者には効果が薄い。また定期的なインスリン注射が必要であり、患者の負担はもとより、高い自己管理能力が求められる。
スルホニルウレア剤は膵β細胞に作用し、インスリンの分泌を促進される薬剤である。糖尿病治療薬として最も古くからある医薬品であり、糖尿病患者の治療方法として選択される場合が多いが、インスリンの過剰分泌による低血糖が副作用として表れてしまう場合がある。
インスリン抵抗性改善剤としてビグアナイド系とチアゾリジン系がある。ビグアナイド系は糖新生の抑制や筋肉への糖の取り込み促進などにより血糖値を降下させるといわれているが、その作用機序には不明な点が多い。チアリゾン系は脂肪細胞の糖の取り込みを促進して血糖値を低下させる。これらの薬剤は2型糖尿病の治療薬として用いられているが、ビグアナイド系は乳酸アシドーシスの危険性があり、チアリゾン系は体重増加や骨芽細胞の減少による骨折リスクの増加が副作用として表れる場合がある。
α−グルコシダーゼ阻害剤は腸管内での多糖類の分解を阻害し、糖の吸収を抑制する。食後高血糖の予防に効果を示すが、腹痛や下痢などの副作用を示す。
上記のように糖尿病治療薬として様々なものが市販されているが、問題点も見受けられる。このような現状から新規な糖尿病治療薬の開発が求められている。
糖尿病治療薬の候補としてレスベラトロールが有望視されている。糖尿病の予防・治療に関するレスベラトロールの先行技術も報告されている。例えば、L-カルニチンまたはアルカノインとレスベラトロールを有効成分とする糖尿病性ノイロパティ予防・治療に適する医薬品組成物(特許文献1)、レスベラトロールを有効成分とする血糖値低下剤(特許文献2)がある。これらでは、レスベラトロールおよびこれを含む組成物を動物に投与することにより、効果を示すことが報告されている。
さらに、レスベラトロールを有効成分とするアディポネクチン産生促進剤(特許文献3)やレスベラトロールを有効成分とするAMP活性化プロテインキナーゼ活性化剤(特許文献4)など、生体内のホルモンや代謝制御を調節することにより糖尿病などの疾患に有効であることが示されている。
天然物であり、安全性が高いレスベラトロールであるが、糖尿病の治療薬として用いられた例はない。これは、レスベラトロールの有効濃度を摂取することが難しいことがその要因である。レスベラトロール自体では機能性に不足があるが、その機能性には注目が集まっており、レスベラトロールをシード化合物とした医薬品開発が進められている。
特開平9−165331号公報 特開2007−126390号公報 特開2008−255040号公報 特開2006−273834号公報
本発明者らは、糖尿病予防・治療薬とレスベラトロールに関する前記の状況を鑑みて、鋭利検討を行った。その結果、新たに作製したレスベラトロール誘導体類が、レスベラトロールにはない優れた糖吸収抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、レスベラトロールにはない糖吸収抑制作用を示すレスベラトロール誘導体類を有効成分とする新たな糖吸収抑制剤を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
〔1〕下記式(1):
Figure 0005953745
で示されるレスベラトロール誘導体およびその薬学的に許容可能な塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含有することを特徴とする糖吸収抑制剤、
に関する。
本発明の糖吸収抑制剤は、レスベラトロールにはない優れた糖吸収抑制作用を有していることから、新規の糖吸収抑制剤として有用である。
図1は実施例1で行ったUHA4002のHPLCのクロマトグラムを示す。R3は本発明品であるUHA4002に該当する。 図2は実施例2で行った培養細胞を用いたin vitroでの糖吸収試験結果を示す。レスベラトロールとUHA4002で処理した腸管上皮細胞を透過したグルコース量を定量した結果を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、「糖吸収抑制剤」とは、腸管上皮細胞からの糖の吸収を抑制することができる薬剤をいう。
前記細胞の糖吸収抑制作用は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の糖吸収抑制剤は、下記式(1):
Figure 0005953745
で示されるレスベラトロール誘導体およびその薬学的に許容可能な塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含有することを特徴とする。
前記レスベラトロール誘導体において、炭素−炭素2重結合は、トランスまたはシスであってよく、シス体とトランス体との混合物を含む。
前記レスベラトロール誘導体の薬学的に許容可能な塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アルミニウムヒドロキシド塩等の金属ヒドロキシド塩;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、アルキレンジアミン塩、シクロアルキルアミン塩、アリールアミン塩、アラルキルアミン塩、複素環式アミン塩等のアミン塩;α−アミノ酸塩、ω−アミノ酸塩等のアミノ酸塩;ペプチド塩またはそれらから誘導される第1級、第2級、第3級若しくは第4級アミン塩等が挙げられる。これらの薬理的に許容し得る塩は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明で使用する前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、レスベラトロールを原料として、金属塩の存在下で加熱処理して得ることができる。
以下に、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造方法について具体的に説明する。
前記製造方法では、前駆体としてレスベラトロールを用いる。レスベラトロールにはトランス体とシス体の構造異性体が存在するが、加熱や紫外線によってトランス体とシス体の変換が一部生じる。したがって、レスベラトロールとしては、トランス体でもシス体でも、あるいはトランス体とシス体の混合物であってもよい。レスベラトロールは、ブドウ果皮から抽出・精製した天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のレスベラトロールを用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み最終的に本発明で用いる前記レスベラトロール誘導体が得られるから、レスベラトロール以外の成分を含む混合物も使用できる。また、レスベラトロールには、塩、エーテル、エステル等の誘導体もあるが、前記製造方法では、これらの誘導体も原料として使用することができる。
ただし、前記レスベラトロール誘導体の回収率の観点からは、レスベラトロール換算で1重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。
前記レスベラトロールとしては、ブドウ果皮、ピーナッツ等の原料からの抽出物、凍結乾燥品等を使用してもよい。
本発明では、レスベラトロールを適切な溶媒に溶解させる。この際、溶媒が水のみであれば、レスベラトロールの溶解度が著しく低いために、水と有機溶媒の混合液や、有機溶媒のみに溶解させればよい。水と有機溶媒の配合比や、有機溶媒の種類については特に制限はなく、レスベラトロールが十分に溶解すれば良い。中でも、メタノールやエタノールのみの溶媒や、水とメタノール、水とエタノール等の混合液を使用することが、安全性やコスト面から好ましい。新規レスベラトロール誘導体を含む反応後組成物に対して最終的な精製を十分に適用せずにその組成物を食品に使用する場合には、安全性や法規面から溶媒としてエタノールや含水エタノールを使用することが望ましい。
前記のようにして得られるレスベラトロールを含有する溶液中のレスベラトロールの濃度について特に制限はないが、それぞれの濃度が高いほど、溶媒使用量が少ない等のメリットもあるため、レスベラトロールの濃度は各々の溶媒に対しレスベラトロールがそれぞれ飽和する濃度近くが好ましい。
また、レスベラトロールは前記溶液中において生成反応前に完全に溶解していなくともよい。
次に、前記レスベラトロールを含有する溶液(以下、レスベラトロール含有溶液)のpHを8以上に調整することが好ましい。調整方法として、例えば、レスベラトロール含有溶液を調製した後にpH調整剤を添加してpHを調整しても良いし、前記溶液の調製時に前もって溶媒のpHを調整しておいても良い。レスベラトロール含有溶液の反応開始時のpHは8.0以上であれば、効率的に後述の反応が進むので好ましく、pH13.0を越えると反応と同時に、他の反応や目的化合物の分解も一方で生じるために最終的なレスベラトロール重合化合物類の回収量が低下する。したがって、反応開始時のpHは8以上13未満が望ましい。
本発明では、前記レスベラトロール含有溶液中に金属塩を添加する。前記金属塩としては、酸性塩、塩基性塩、正塩のいずれでもよく、また、単塩、複塩、錯塩のいずれでもよい。さらに、金属塩は1種類であっても、複数種類の混合物であってもよい。金属塩の例としては、食品添加物として認可されているものが安全性の面で好ましい。例えば、食品に添加することが認められているマグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、銅塩等が挙げられる。
また、前記金属塩の混合物としては、例えば、ミネラルプレミックス(田辺製薬株式会社、グルコン酸亜鉛、クエン酸鉄アンモニウム、乳酸カルシウム、グルコン酸銅、リン酸マグネシウムを主成分としたミネラル混合物)のように金属塩を数種類含む物質が挙げられる。また、複数の金属塩を含む混合物として、ミネラルウォーターも挙げることができる。
なお、前記金属塩の含有量としては、前記レスベラトロール誘導体を生成可能な量であればよく、特に限定はない。
次に、金属塩存在下で、レスベラトロール含有溶液を加熱処理する。この加熱処理により、新規レスベラトロール誘導体の生成反応を行う。生成反応を効率的に進ませるために、レスベラトロール含有溶液の加熱温度は110℃以上に調整することが好ましい。また、使用する溶媒の沸点から考え、加圧加熱が望ましい。例えば、開放容器にレスベラトロール含有溶液を入れ、溶媒の沸点を超える高温で前記容器を加熱する、密閉容器にレスベラトロール含有溶液を入れて前記容器を加熱する、レトルト装置やオートクレーブを用いて加圧加熱する等、少なくとも部分的に溶液温度が110℃以上に達するように加熱することが好ましい。回収効率の面から、溶液温度が均一に110℃〜150℃になることが、さらに好ましい。加熱時間も加熱温度と同様に限られたものではなく、効率的に目的の反応が進行する時間条件とすればよい。特に、加熱時間は加熱温度との兼ね合いによるものであり、加熱温度に応じた加熱時間にすることが望ましい。例えば、130℃付近で加熱する場合は、5分〜120分の加熱時間が望ましい。また、加熱は、一度でも良いし、複数回に分けて繰り返し加熱しても良い。複数回に分けて加熱する場合、蒸発した溶媒を補うために溶媒を新たに追加して加熱を行うことが好ましい。
前記加熱処理によるレスベラトロール誘導体の生成反応の終了は、例えば、HPLCによる成分分析によりレスベラトロール誘導体の生成量を確認して判断すればよい。
得られる反応液中には、本発明で用いるレスベラトロール誘導体が含有されている。
また、安全な原料のみを用いた工程でレスベラトロール誘導体を製造した場合には、前記レスベラトロール誘導体を含む混合物の状態で食品、医薬品または医薬部外品に使用することが可能である。例えば、天然由来のレスベラトロールを含水エタノール溶媒に溶解し、ミネラルウォーターやミネラルプレミックスを添加して加熱処理した場合には、得られる反応液を食品原料の一つとして使用することが可能である。
また、風味面での改良やさらなる高機能化を望む場合は、前記反応液を濃縮してレスベラトロール誘導体の濃度を高める、あるいは前記反応液を精製しレスベラトロール誘導体の純品を得ることができる。濃縮、精製は、公知の方法で実施可能である。例えば、クロロホルム、酢酸エチル、エタノール、メタノール等を用いた溶媒抽出法や炭酸ガスによる超臨界抽出法等で抽出してレスベラトロール誘導体を濃縮できる。また、カラムクロマトグラフィーを利用して濃縮や精製を施すことも可能である。再結晶法や限外ろ過膜等の膜処理法も適用可能である。
また、前記反応液から式(1)で表されるレスベラトロール誘導体を分離して回収する場合には、カラムクロマトグラフィー、HPLC等を用いてもよい。
前記濃縮物や精製物を、必要に応じて、減圧乾燥や凍結乾燥して溶媒除去することで、粉末状のレスベラトロール誘導体を得ることができる。
また、得られたレスベラトロール誘導体は、必要に応じて、当該分野で公知の方法により、レスベラトロール誘導体の塩としたり、レスベラトロール誘導体のヒドロキシ基をエーテル化またはエステル化してもよい。
前記のレスベラトロール誘導体は、レスベラトロールにはない優れた糖吸収抑制作用を有する。
したがって、本発明は、前記レスベラトロール誘導体を有効成分として含有する糖吸収抑制剤を提供することができる。
次に本発明を実施例に基いて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1:UHA4002の生成および単離・精製)
トランス−レスベラトロール(東京化成)700mgをエタノール14mLに溶解し、2.5%NaHCO3水溶液を14mL加えて、レスベラトロール含有溶液(pH9.9)を得た。このレスベラトロール含有溶液をオートクレーブ(三洋電機(株)、「SANYO LABO AUTOCLAVE」、以下同じ)にて130℃、20分間加熱した。次いで、1回目のオートクレーブ処理にて得られた反応溶液に、エタノール14mLと5.0%NaHCO3水溶液を14mL加え、再度、オートクレーブにて130℃、20分間加熱した。得られた反応溶液のうち1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、このうちの10μLをHPLCにより分析した。その結果を図1に示す。
前記のHPLC分析は以下の条件にて行った。
カラム:逆相用カラム「Develosil(登録商標)C−30−UG−5」(4.6mmi.d.×250mm)
移動相:A・・・H2O(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)), B・・・アセトニトリル(0.1%TFA)
流速:1mL/min
注入:10μL
検出:254nm
勾配(容量%):80%A/20%Bから20%A/80%Bまで30分間、20%A/80%Bから100%Bまで5分間、100%Bで10分間(全て直線)
図1に示すように、反応後溶液のクロマトグラムでは、複数のピークが確認され、原料であるレスベラトロールのピークとは相違しているR1〜R5のピークのうち、R3のピークに含まれる化合物をUHA4002と命名した。
R3のピークに含まれるUHA4002を分取HPLCにより精製し、常法により乾燥したところ、褐色粉末状の物質であった。
なお、UHA4002の分子量を高分解能FAB−MS(高速原子衝撃質量分析)にて測定したところ、439.4803であり、理論値との比較から、以下の分子式を得た。
理論値C28H23O5(M+H)+ :439.4792
分子式C28225
次に、前記UHA4002を核磁気共鳴(NMR)測定に供し、1H−NMR、13C−NMRおよび各種2次元NMRデータの解析から、前記UHA4002が前記式(1)で表される構造を有することを確認した。
(実施例2 糖吸収抑制作用の検討)
実施例1で得られたUHA4002の糖吸収抑制作用を評価するために、小腸膜モデルとして繁用されるCaco−2細胞(ヒト由来結腸癌細胞株)を用いて評価を行った。
試料にはレスベラトロール、本発明品であるUHA4002の2種類を用いた。各試料をジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬工業(株)社製)に2mMの濃度で溶解させて試験に使用した。
培養は、10%ウシ胎児血清(FBS:バイオロジカル・インダストリーズ社製)、1%アンチバイオティック−アンチマイコティック(ギブコ(GIBCO)社製)を含むMEM培地(ギブコ(GIBCO)社製)を用いて行った。試験に使用する細胞は定法に従って調整した。つまり、細胞培養用12ウェル3D培養ディッシュ(トランスウェル(商標)、孔径0.4μm、コーニング社製)にCaco−2細胞を1×105cells/mLで500μL播種して37℃、5%CO2条件下で2週間培養したものを使用した。
試験は以下のように行った。試料をDMSOで希釈し、2mM、1mM、0.2mMに調整した。これをHanks緩衝液(シグマ(Sigma)社製)に終濃度10μM、5μM、1μMとなるように添加した(DMSO添加量0.5%)。DMSOのみを0.5%添加したものをコントロールとした。この試料を含むHanks緩衝液500μLをCaco-2細胞が培養されたカップ(腸管側)に添加した。また溶媒であるDMSOのみを0.5%添加したものをコントロールとした。ディッシュ(血管側)にはグルコースを除いたHanks緩衝液を1mL添加した。添加後、ミリセル(登録商標)ERS2電気抵抗計(ミリポア(Millipore)社製)でCaco−2のバリア機能(経上皮電気抵抗(TER))を測定し、電気抵抗値が200Ω・CM2以上のウェルを実験に使用した。
添加後、37℃、5%CO2条件下で4時間インキュベートし、再度バリア機能を測定した。電気抵抗値が200Ω・CM2以上の腸管側のサンプルを用いて解析を行った。腸管側の緩衝液を回収し、グルコース濃度の測定を行った。緩衝液中のグルコース濃度を「グルコース・アッセイ・キット」(商品名、バイオ・ビジョン(Bio Vision)社製)を用いて定量した。
方法はキット付属のプロトコールに準じて行った。具体的には、回収した緩衝液をグルコースアッセイバッファーで任意の倍率に希釈した。この希釈サンプルを96ウェルマイクロプレートに50μLずつ添加し、これに「リアクションミックス(Reaction Mix)」(商品名、46μL グルコースアッセイバッファー、2μL グルコースエンザイムミックス、2μL グルコースサブストレートミックス)50μLを混合し、室温、暗所で30分間反応させた。反応後、プレートリーダー(「BIO−RAD Model 680」、バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(株)製)を用いて測定波長450nmの吸光度測定を行った。グルコース濃度はグルコーススタンダードを用いた検量線から算出し、DMSOを添加した細胞の糖透過率を100%としたときの相対値から糖透過率を評価した。結果は図2に示した。
図2の結果より、UHA4002は、濃度が増加するにつれてグルコース透過率が低下したのに対して、レスベラトロールは変化がなかったことから、UHA4002は、レスベラトロールにはない優れた糖吸収抑制作用を有することが確認された。

Claims (1)

  1. 下記式(1):
    Figure 0005953745
    で示されるレスベラトロール誘導体およびその薬学的に許容可能な塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含有することを特徴とする糖吸収抑制剤。
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