JP6379807B2 - 新規レスベラトロール誘導体 - Google Patents
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Description
また、前記レスベラトロールの誘導体として、天然にはレスベラトロールの重合体、例えばε−ビニフェリン(二量体)、α−ビニフェリン(三量体)、バチカノールC(四量体)等が数々報告されている。非天然型のレスベラトロール誘導体についての報告もあるが(特許文献1)、本発明の新規レスベラトロール誘導体を特定し、その生理活性を詳細に報告した例は見られない。
また、本発明は、前記新規レスベラトロール誘導体を含有することを特徴とする代謝促進剤、さらには食品、医薬品、医薬部外品を提供することを目的とする。
〔1〕式(1):
〔2〕前記〔1〕記載の新規レスベラトロール誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する代謝促進剤、
〔3〕前記〔1〕記載の新規レスベラトロール誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する食品、医薬品又は医薬部外品
に関する。
また、本発明の新規レスベラトロール誘導体は、前記のような生理活性に優れることに加えて、安全性にも優れることから、食品、医薬品及び医薬部外品に配合することができる。
本発明の新規レスベラトロール誘導体は、式(1):
ただし、本発明の新規レスベラトロール誘導体の回収率の観点からは、レスベラトロール換算で5重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。
前記レスベラトロールとしては、ブドウ果皮・茎・葉、ピーナッツの渋皮、メリンジョ、イタドリ、リンゴンベリー等の原料からの抽出物、凍結乾燥品等を使用してもよい
ただし、新規レスベラトロール誘導体の回収量の観点からは、カフェ酸が5重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。このような原料としては、様々な果実やジュース、濃縮果汁、又は、破棄されることの多い果皮の抽出物、あるいは先行技術に示されるような微生物発酵によるカフェ酸含有培養液や酵素反応後のカフェ酸含有溶液等が挙げられる。
前記溶媒にレスベラトロール及びカフェ酸を混合して得られるレスベラトロール、カフェ酸、又はレスベラトロールとカフェ酸との混合物を含有する溶液中のレスベラトロール及びカフェ酸の濃度に制限はない。それぞれの濃度が高いほど、溶媒使用量が少ない等のメリットもあるため、レスベラトロール及びカフェ酸の濃度は各々の溶媒に対しレスベラトロール及びカフェ酸がそれぞれ飽和する濃度又はそれ以上にすることが好ましい。
また、複数の金属塩を含む混合物として、ミネラルウォーターも挙げることができる。
なお、前記金属塩の含有量としては、新規レスベラトロール誘導体を生成可能な量であればよく、特に限定はない。
また、安全な原料のみを用いた工程で新規レスベラトロール誘導体を製造した場合には、前記新規レスベラトロール誘導体を含む混合物の状態で食品、医薬品又は医薬部外品に使用することが可能である。例えば、天然由来のレスベラトロール、カフェ酸を含水エタノール溶媒に溶解し、ミネラルウォーター等を用い、加熱処理した場合には、得られる反応液を食品原料の一つとして使用することが可能である。
例えば、食品の場合には、水、アルコール、澱粉室、蛋白質、繊維質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、安定剤、防腐剤等のような食品に通常配合される原料又は素材と組み合わせることができる。
医薬部外品の場合には、主剤、基材、界面活性剤、起泡剤、湿潤剤、増粘剤、透明剤、着香料、着色料、安定剤、防腐剤、殺菌剤等組み合わせ、常法に基づいて、液状、軟膏状あるいはスプレー噴射可能な最終形態等にすることができる。
トランス−レスベラトロール(東京化成工業(株)製)100mg、カフェ酸(和光純薬工業(株)製)100mgをエタノール2mLに溶解し、(1)ミネラルウォーター(商品名「ゲロルシュタイナー」サッポロ飲料(株)製。以下の実施例も同じ。)2mL、(2)リン酸マグネシウム・3水和物(和光純薬工業(株)製)100mg、水2mLをそれぞれ加えて、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液(pH:(1)5.1、(2)5.0)を2種類調製した。これらのレスベラトロール、カフェ酸含有溶液をオートクレーブ(三洋電機(株)製、「SANYO LABO AUTOCLAVE」)にて130℃、30分間加熱した。得られた反応溶液のうち1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、このうちの10μLをHPLCにより分析した。
カラム:逆相用カラム「Develosil(登録商標)」(4.6mmi.d.×250mm)
移動相:A・・・H2O(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)), B・・・アセトニトリル(0.1%TFA)
流速:1mL/min
注入:10μL
検出:254nm
勾配(容量%):80%A/20%Bから20%A/80%Bまで30分間、20%A/80%Bから100%Bまで5分間、100%Bで10分間(全て直線)
例えば、図中、Bのピークは、カフェ酸の分解物であり、それ以外で、反応前後で生成量に顕著な差があったのが、後述する新規レスベラトロール誘導体であるAのピークである。なお、(1)、(2)の反応溶液の間では、Aのピーク成分の生成量の差は殆どなく、つまり、今回用いた金属塩の種類による新規レスベラトロール誘導体の生成量の差は小さかった。
トランス−レスベラトロール1g、カフェ酸1gをエタノール20mLに溶解し、ミネラルウォーター20mLを加えて、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液(pH=5.1)を得た。このレスベラトロール、カフェ酸含有溶液をオートクレーブにて130℃、90分間加熱した。得られた反応溶液のうち1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、実施例1と同様にHPLCにより分析し、実施例1と同様のクロマトグラムが確認できた。
実施例2で得られた反応物のうち、図1のAで示したピークに含まれる化合物をSephadex LH−20(GEヘルスケア製)ゲルカラムクロマト、分取HPLCにより単離し、常法により乾燥したところ新規化合物(以下UHA6052)を60.5mg得た。単離精製したUHA6052は、褐色粉末状物質となった。
理論値C22H18O5(M+):362.3753
分子式C22H18O5
値はδ、ppmで、溶媒はメタノール−d3で測定した。
(性状)
褐色粉末
(溶解性)
水:難溶
メタノール:溶解
エタノール:溶解
DMSO:溶解
クロロホルム:溶解
酢酸エチル:溶解
UHA6052の代謝活性化効果を評価するために、HepG2細胞(ヒト由来肝臓癌細胞)を用いて評価を行った。培養細胞は培地に添加されているグルコースを代謝することで、ATPを産生し、さらに、代謝が活性化することで培地中への乳酸の放出が大きくなり、培地の酸性化が亢進する。通常、細胞の培養では培地中に炭酸水素ナトリウムを加え、二酸化炭素存在下で培養することで培地に緩衝能を与え、培地の過剰な酸性化を防いでいるが、今回は、代謝活性化に伴う乳酸の放出及び培地酸性化を明快に観察するため、炭酸緩衝能の無い培地を用い、培地の酸性化を比較した。
培養終了後、培地上清をサンプリングし、pHをpHメーター(「ツイン・ウォータープルーフB−212」;堀場製作所製)で測定した。さらに、培地中に添加されているフェノールレッドの吸光度(450nm、570nm)を測定した。また、細胞の生存は培地中の乳酸脱水素酵素活性を測定し確認した。
一方、化合物に細胞毒性がある場合、細胞死を引き起こし、本来細胞内に留められる乳酸及び乳酸脱水素酵素が培地中に溶出するため、培地pHの上昇とLDH活性の増加が観察される。UHA6052を20μm添加した場合、有意なLDH活性の増加が見られなかったことから、観察された培地の酸性化は細胞死に伴うものではなく、細胞の代謝が活性化した結果引き起こされたものであることが明らかとなった。
レスベラトロール100mg、カフェ酸100mg、エタノール2mL、ミネラルウォーター2mLの混合溶液(pH=5.1)を、オートクレーブにて80℃、100℃、130℃の各温度条件で20分間加熱した。それぞれの温度条件で得られた反応後組成物1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、実施例1と同様にHPLCにより分析した。
ブドウ果皮抽出エキスパウダー(レスベラトロール原料)10g、キウィフルーツジュース濃縮物10g、エタノール10mL、ミネラルウォーターを10mL加えて調製した混合溶液を、オートクレーブにて130℃、90分間加熱した。得られた反応溶液を減圧加熱させて乾固し、UHA6052含有エキスを14g得た。得られたUHA6052エキス14g中には、実施例3と同様の手法で確認したところUHA6052が0.056g含有されていた。必要に応じてこの作業を繰り返した。
実施例6で得たUHA6052含有エキス1gをあらかじめ100mLのエタノールに溶解させ、これにパラチニット500g(パラチニット社製)、還元麦芽糖水飴(株式会社東和化成工業製、Bx70)714g(固形分500g)からなる糖液を真空釜で混合し、真空度−600mmHgの条件で155℃まで炊き上げた。これを冷却盤にあけ、約100℃で、クエン酸15g、レモン香料1.1mL、色素1mLを添加、混合後に固化してノンシュガーハードキャンディを得た。このノンシュガーハードキャンディは、菓子として食べ易いものであることはもちろん、定期的に摂取することで代謝を促進して体への脂肪の蓄積を抑制することによるメタボリックシンドロームの予防及び治療を期待した機能性食品として利用できる。
実施例2,3と同様の方法で得たUHA6052をエタノールに溶解し、これを微結晶セルロースに添加して吸着させた後に、減圧乾燥させた。この吸着物を用いて常法に従い、打錠品を得た。処方は、UHA6052を10重量部、コーンスターチ23重量部、乳糖12重量部、カルボキシメチルセルロース8重量部、微結晶セルロース32重量部、ポリビニルピロリドン4重量部、ステアリン酸マグネシウム3重量部、タルク8重量部の通りである。本打錠品は、代謝を促進して体への脂肪の蓄積を抑制することによるメタボリックシンドロームの予防及び治療を目的とする医薬品として有効に利用できる。
実施例2、3の方法で得たUHA6052 1.2gを10mLのエタノールに溶解し、タウリン20g、ビタミンB1硝酸塩0.12g、安息香酸ナトリウム0.6g、クエン酸4g、ポリビニルピロリドン10gを全て精製水に溶解させ、1000mLにメスアップした。なお、pHは、希塩酸を用いて3.2に調整した。得られた溶液1000mLのうち50mLをガラス瓶に充填し、80℃で30分間滅菌して、医薬部外品であるドリンク剤を完成させた。本ドリンク剤は、栄養補給の目的に加えて、代謝促進作用、例えば、体の各部においてグルコースや脂質の代謝を促進することによる抗肥満作用及び代謝を促進して体への脂肪の蓄積を抑制することによるメタボリックシンドロームの予防及び治療作用を目的とする医薬部外品として有効に利用できる。
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