JP6131828B2 - ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物 - Google Patents

ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物 Download PDF

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Description

本発明は、抗癌活性を有する新規化合物、該新規化合物を含む抗癌剤、食品、医薬品及び医薬部外品に関する。また、本発明は、前記新規化合物の製造方法に関する。
ケルセチンは植物の二次代謝産物の一つであり、多くの植物、食品等に存在する。例えば、ケルセチンおよびその配糖体は、タマネギ、ソバ、グリーンアスパラおよびかんきつ類等に多く含まれていることが知られている。
ケルセチンおよびケルセチン誘導体に関しては、これまでにさまざまな研究がなされている。例えば、ケルセチンおよびケルセチン誘導体が、シクロオキシゲナーゼ2およびNFκBの生合成阻害作用(特許文献1)、骨密度の向上(特許文献2)、破骨細胞分化抑制因子産生促進(特許文献3)、カルシウム吸収促進(特許文献4)等の効果を有することが報告されている。また、リン酸化ケルセチン(特許文献5)、ジヒドロケルセチン誘導体(特許文献6)等の報告もなされている。また、心臓血管疾患を治療するためのケルセチンに富んだリンゴ果皮抽出物に関する報告もあり(特許文献7)、ケルセチンおよびケルセチンの配糖体を含有した飲料(特許文献8、9)、錠剤またはカプセルの形態の食品(特許文献10)に関する報告もなされている。
以上のようにケルセチンおよびケルセチン誘導体は、特定保健用食品の関与成分として配合されているなど注目されている成分である。
一方、p−クマル酸は、樹木の主成分であるリグニンやリグナンの前駆体となるほか、フラボノイド類やレスベラトロールなどのスチルベン類の機能性成分の前駆体にもなっており、天然界に比較的多く存在する成分である。また、p−クマル酸としては、プラムをはじめとして、多くの果物の果実や果皮、プロポリスなどにも含まれていることが知られている。
前記p−クマル酸については、その生理機能に関連した先行技術がある。例えば、p−クマル酸をはじめ、桂皮酸類を有効成分とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤(特許文献11)、フェルラ酸及び/又はp−クマル酸を有効成分とする皮膚改善剤(特許文献12)、クマル酸をはじめ、プロポリスの抽出物に含まれる桂皮酸類を有効成分とする血管新生抑制剤(特許文献13)が挙げられる。
また、p−クマル酸誘導体に関連した先行技術がある。例えば、クマル酸を化学合成させたリグニン類を有効成分とする抗菌剤(特許文献14)、カフェイン酸アミド誘導体又はエステル誘導体を有効成分とするアディポネクチン産生増強剤(特許文献15)、p−クマル酸二量体を原料とした抗菌剤であるベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法(特許文献16)が挙げられる。
また、前記p−クマル酸やp−クマル酸誘導体は、植物中にも多く含まれていることから、リンゴ、ナシ又はモモの未熟果実の果実ポリフェノールとして、p−クマル酸やp−クマル酸誘導体などを含む酸化防止剤、血圧降下剤、抗変異原性作用剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤及び消臭剤(特許文献17)が挙げられる。また、p−クマル酸が弱いながらも抗癌活性を有するとの報告もある(非特許文献1)。
このように、p−クマル酸、ケルセチン、これらの誘導体は、優れた有用性を示すものが多いことから、原料やリード化合物としてのこれらを効率的に製造する技術開示もなされている。例えば、組み換え体を用いた微生物によるp−ヒドロキシ桂皮酸(p−クマル酸)などの製造方法が知られている(特許文献18)。また、多糖類を用いたケルセチンの精製方法も報告されている(特許文献19)。
また、厚生労働省の調べによると、平成20年の日本人の死亡原因の約30%が悪性新生物つまり癌である。現在の抗癌剤の研究では、日常的に摂取できる天然物由来の化合物としては、ケルセチンをはじめとするフラボノイド類等が知られている(非特許文献2)。
また、医療技術や薬の発達により多くの癌の発生数が横這い又は減少しているのに対し、現在でも増加している癌の1つが口腔癌であり、癌発生の5%を占めている。また、2015年には現在の4倍の罹患数になると予想されている。現在の抗癌剤の研究では、日常的に摂取できる天然物由来の化合物としては、フラボノイド類が知られている(非特許文献3)。
しかし、より抗癌活性が強く、日常的に摂取できる安全な癌、特に口腔癌の治療薬、予防薬の開発が望まれている。
特開2001−233768号公報 特開2002−234844号公報 特開2007−137775号公報 米国特許第5,478,579号明細書 特表2012−505251号公報 特許第4790561号公報 特表2013−528163号公報 特許第5298232号公報 特開2012−183063号公報 特開2013−27403号公報 特開平11−106335号公報 特許第3330961号公報 特開2007−223948号公報 特許第4395623号公報 特許第5246833号公報 特開2008−189554号公報 特許第4142859号公報 特表2005−522180号公報 国際公開第2007/136068号
Cancer Epidemiology,Biomarkers & Prevention,9,1163−1170(2000) Medical Research Reviews,23(4),519−534(2003) Journal of Dental Research,84,401−406(2008)
本発明者らは、ケルセチンやp−クマル酸に関する前記の状況を鑑みて、新規な生理活性又は強力な生理活性を有するケルセチンやp−クマル酸の誘導体の探索と、それらの製造方法を確立すべく鋭意検討した結果、意外にもケルセチンとp−クマル酸とを金属塩存在下で加熱するという簡便且つ安全な方法により、ケルセチン及びp−クマル酸に比べて優れた抗癌活性、特に口腔癌細胞に対しても優れた抗癌活性を有する新規化合物を製造することに成功し、本発明を完成させた。
したがって、本発明は、ケルセチン及びp−クマル酸よりも優れた抗癌活性を有する新規化合物を提供し、さらに該新規化合物を効率よく、安全に製造する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記新規化合物を含有することを特徴とする抗癌剤、口腔癌細胞に対する抗癌剤、さらには、食品、医薬品及び医薬部外品を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
〔1〕ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物であって、式(1):
Figure 0006131828
で表される新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩、
〔2〕ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物であって、式(2):
Figure 0006131828
で表される新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩、
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する抗癌剤、
〔4〕前記〔1〕又は〔2〕記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する口腔癌細胞に対する抗癌剤、
〔5〕前記〔1〕又は〔2〕記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する食品、医薬品又は医薬部外品、
〔6〕ケルセチンとp−クマル酸を金属塩存在下で加熱することにより、目的の化合物を生成することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩の製造方法、
に関する。
本発明である前記式(1)又は(2)で表される新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩(以下、「新規化合物」という。)は、ケルセチン及びp−クマル酸と比べて、抗癌活性に優れていることから、新規な抗癌剤として有用である。また、本発明の新規化合物は、口腔癌細胞に対する抗癌剤としても有用である。
また、本発明の新規化合物は、前記のような生理活性に優れることから、食品、医薬品及び医薬部外品に配合することで、抗癌活性に優れた食品、医薬品及び医薬部外品を提供することができる。
図1は、実施例1で得られたクロマトグラムを示す。上から、反応前のクロマトグラム、(1)金属塩としてミネラルウォーターを用いたクロマトグラム、(2)リン酸三マグネシウム八水和物を用いたクロマトグラムを示している。図中、A、Bのピークは本発明の新規化合物を含むピークを示す。なお、Aのピークは前記式(1)で表される新規化合物、Bのピークは前記式(2)で表される新規化合物を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の新規化合物は、ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物であって、式(1):
Figure 0006131828
又は式(2):
Figure 0006131828
で示される新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
前記新規化合物の薬学的に許容可能な塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アルミニウムヒドロキシド塩等の金属ヒドロキシド塩;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、アルキレンジアミン塩、シクロアルキルアミン塩、アリールアミン塩、アラルキルアミン塩、複素環式アミン塩等のアミン塩;α−アミノ酸塩、ω−アミノ酸塩等のアミノ酸塩;ペプチド塩又はそれらから誘導される第1級、第2級、第3級若しくは第4級アミン塩等が挙げられる。これらの薬学的に許容可能な塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の新規化合物は、当該分野で周知の方法に従って化学合成することも可能ではあるが、反応工程が複雑となり、人体に有害な試薬、触媒、溶媒等を必要とする。また、化学合成では不純物を除去する煩雑さもあり、さらに安全性の観点から、前記新規化合物の精製を徹底する必要もあり、製造コストの面で工業的には不向きな方法である。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、ケルセチンとp−クマル酸とを金属塩存在下で加熱することで、前記の化学合成法のように有害な試薬等や煩雑な工程を必要とせずに、本発明の新規化合物を効率的かつ安全に製造することができることを見出した。以下に、本発明の新規化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という)について具体的に説明する。
本発明の製造方法では、前駆体としてケルセチンを用いる。ケルセチンは、天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のケルセチンを用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み最終的に本発明の新規化合物が得られるから、ケルセチン以外の成分を含む混合物も使用できる。また、ケルセチンには、塩等の誘導体も含まれる。
ただし、本発明の新規化合物の回収率の観点からは、ケルセチン換算で1重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。
前記ケルセチンとしては、かんきつ類やタマネギの鬼皮、マメ科のエンジュの花蕾等の原料からの抽出物、凍結乾燥品等を使用してもよい
また、本発明の製造方法では、前駆体としてp−クマル酸を用いる。p−クマル酸は、天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のp−クマル酸を用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み最終的に本発明の新規化合物が得られるのであれば、p−クマル酸以外の成分を含む混合物も使用できる。
ただし、本発明の新規化合物の回収量の観点からは、p−クマル酸換算で1重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。このようなp−クマル酸の原料としては、例えば、様々な果実やジュース、濃縮果汁、又は、破棄されることの多い果皮の抽出物、プロポリス又はその抽出物あるいは前記特許文献18等に記載されるような微生物発酵によるp−クマル酸含有培養液等が挙げられる。
本発明の製造方法では、ケルセチンやp−クマル酸、又はケルセチンとp−クマル酸との混合物を適切な溶媒に溶解させる。水と有機溶媒の配合比や、有機溶媒の種類については特に制限はなく、ケルセチンやp−クマル酸が十分に溶解すれば良い。中でも、水、メタノールやエタノールのみの溶媒、水とメタノール、水とエタノール等の混合液を使用することが、安全性やコスト面から好ましい。特に、本発明の新規化合物を含む反応後の組成物を、十分な精製をせずに食品等の原料として使用する場合には、安全性や法規面から溶媒として水、エタノールまたは含水エタノールを使用することが望ましい。
得られるケルセチンやp−クマル酸を含有する溶液中のケルセチンやp−クマル酸の濃度については特に制限はないが、ケルセチンやp−クマル酸の濃度が高いほど溶媒使用量が少ない等のメリットがあるため、ケルセチンやp−クマル酸の濃度は各々の溶媒に対しケルセチンやp−クマル酸がそれぞれ飽和する濃度近くが好ましい。また、ケルセチンやp−クマル酸は前記溶液中において生成反応前に完全に溶解していなくともよい。例えば、ケルセチン含有溶液とp−クマル酸含有溶液とを混合する場合、それぞれの溶液中のケルセチン濃度、p−クマル酸濃度がともに飽和濃度以上であっても、混合液とした場合には、飽和濃度近くになるように調整しておけばよい。
次に、前記ケルセチン及びp−クマル酸を含有する溶液(以下、ケルセチン、p−クマル酸含有溶液)のpHを8未満に調整することが好ましい。調整方法として、例えば、ケルセチン、p−クマル酸含有溶液を調製した後にpH調整剤を添加してpHを調整してもよいし、前記溶液の調製時に前もって溶媒のpHを調整しておいてもよい。ケルセチン、p−クマル酸含有溶液の反応開始時のpHは8.0以上であれば、他の反応や目的化合物の分解も一方で生じるために最終的な本発明の新規化合物の回収量が低下する傾向がある。したがって、反応開始時のpHは3以上8未満が望ましい。
本発明の製造方法では、前記ケルセチン、p−クマル酸含有溶液中に金属塩を添加する。前記金属塩としては、酸性塩、塩基性塩、正塩のいずれでもよく、また、単塩、複塩、錯塩のいずれでもよい。さらに、金属塩は1種類であっても、複数種類の混合物であってもよい。金属塩の例としては、食品添加物として認可されているものが安全性の面で好ましい。例えば、食品に添加することが認められているマグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、銅塩等が挙げられる。
また、前記金属塩の混合物としては、例えば、ミネラルプレミックス(田辺製薬株式会社、グルコン酸亜鉛、クエン酸鉄アンモニウム、乳酸カルシウム、グルコン酸銅、リン酸マグネシウムを主成分としたミネラル混合物)のように金属塩を数種類含む物質が挙げられる。また、複数の金属塩を含む混合物として、ミネラルウォーターも挙げることができる。
なお、前記金属塩の含有量としては、本発明の新規化合物を生成可能な量であればよく、特に限定はない。
次に、金属塩存在下で、ケルセチン、p−クマル酸含有溶液を加熱処理する。この加熱処理により、本発明の新規化合物の生成反応を行う。生成反応を効率的に進ませるために、ケルセチン、p−クマル酸含有溶液の加熱温度は110℃以上に調整することが好ましい。例えば、開放容器にケルセチン、p−クマル酸含有溶液を入れ、溶媒の沸点を超える高温で前記容器を加熱する、密閉容器にケルセチン、p−クマル酸含有溶液を入れて前記容器を加熱する、レトルト装置、オートクレーブ、超臨界装置、プレッシャークッカー等を用いて加圧加熱する等、少なくとも部分的に溶液温度が110℃以上に達するように加熱することが好ましい。また、使用する溶媒の沸点から考え、加圧加熱が望ましい。回収効率面から、溶液温度が均一に110℃〜150℃になることが、さらに好ましい。加熱時間も加熱温度と同様に限られたものではなく、効率的に目的の反応が進行する時間条件とすればよい。特に、加熱時間は加熱温度との兼ね合いによるものであり、加熱温度に応じた加熱時間にすることが望ましい。例えば、130℃付近に加熱する場合は、5分〜600分の加熱時間が望ましい。また、加熱は、一度でも良いし、複数回に分けて繰り返し加熱しても良い。複数回に分けて加熱する場合、蒸発した溶媒を補うために溶媒を新たに追加して行うことでより効率よく本発明の新規化合物が生成できるので好ましい。
前記加熱処理による本発明の新規化合物の生成反応の終了は、例えば、HPLCによる成分分析により本発明の新規化合物の生成量を確認して判断すればよい。
得られる反応溶液中には、生成した本発明の新規化合物が含有されている。
また、安全な原料のみを用いた工程で本発明の新規化合物を製造した場合には、本発明の新規化合物を含む混合物の状態で食品、医薬品又は医薬部外品に使用することが可能である。例えば、天然由来のケルセチン、p−クマル酸を含水エタノール溶媒に溶解し、ミネラルウォーターやミネラルプレミックスを添加して加熱処理した場合には、得られる反応溶液を食品、医薬品又は医薬部外品の原料の一つとして使用することが可能である。
また、風味面での改良やさらなる高機能化を望む場合は、前記反応液を濃縮して本発明の新規化合物の濃度を高める、あるいは前記反応液を精製し本発明の新規化合物の純品を得ることができる。濃縮、精製は、公知の方法で実施可能である。例えば、クロロホルム、酢酸エチル、エタノール、メタノール等を用いた溶媒抽出法や炭酸ガスによる超臨界抽出法等で抽出して本発明の新規化合物を濃縮できる。また、カラムクロマトグラフィーを利用して濃縮や精製を施すことや、再結晶法や限外ろ過膜等の膜処理法も適用可能である。
また、前記反応液から本発明の新規化合物を分離して回収する場合には、カラムクロマトグラフィー、HPLC等を用いてもよい。
前記濃縮物や精製物を、必要に応じて、減圧乾燥や凍結乾燥して溶媒除去することで、粉末状の本発明の新規化合物を得ることができる。
以上のようにして得られる本発明の新規化合物は、ケルセチン、p−クマル酸に比べて、優れた抗癌活性、中でも口腔癌細胞に対する抗癌活性を有する。したがって、本発明の新規化合物を有効成分として含有する抗癌剤、口腔癌細胞に対する抗癌剤を提供することができる。
特に、本発明の新規化合物の生理活性分野を考慮すると、癌予防・治療等の健康増進、さらには疾病治癒分野において用いることが好ましい。
なお、本発明の新規化合物が持つさらなる効果効能は、得られた生理活性データより類推できる範囲で使用できる。
本発明の新規化合物の原料であるケルセチン及びp−クマル酸はいずれも食物由来であり安全性にも優れるといえるため、本発明の新規化合物の安全性も同様に優れたものであると考えられる。
したがって、本発明の新規化合物は、食品、医薬品、医薬部外品等に配合して使用することができる。このような食品、医薬品、医薬部外品は、抗癌作用を有する食品、医薬品、医薬部外品となる。特に、抗癌作用が知られていない材料のみからなる抗癌作用のない食品、医薬品、医薬部外品でも、本発明の新規化合物を配合することで、簡単に抗癌作用を付与することができる。
なお、食品、医薬品、医薬部外品には、前記式(1)で表される新規化合物または前記式(2)で表される新規化合物をそれぞれ単独で配合してもよいし、両者を併用してもよい。また、特に記述のない場合は、後述の本発明の新規化合物の量は全ての本発明の新規化合物の量を示す。
前記食品としては、例えば、飲料、アルコール飲料、ゼリー、菓子等、どのような形態でもよく、菓子類の中でも、その容量等から保存や携帯性に優れた、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、タブレット等が挙げられるが、特に限定はない。また、本発明の新規化合物は、癌の中でも口腔癌に対する優れた抗癌活性を有することから、癌、口腔癌に対する予防を目的に、容易に摂取できるキャンディー、グミキャンディ、タブレット等にすることができる。なお、食品には、機能性食品、健康食品、健康志向食品等も含まれる。
また、前記食品には、ヒトが食べる食品だけでなく、例えば、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤又は飼料に配合してもよい。飼料としては、例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、イヌ、ネコ、小鳥、リス等に用いるペットフードが挙げられる。
前記医薬品としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤等の固形製剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、ゲル剤等が挙げられる。錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤等の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施してもよいし、胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、前記の製剤に公知の可溶化処理を施すこともできる。常法に基づいて、前記液剤を注射剤、点滴剤に配合して使用してもよい。
医薬部外品としては、口腔に用いられる医薬部外品、例えば、歯磨き、マウスウォッシュ、マウスリンス、ドリンク剤が挙げられる。
本発明の新規化合物を用いて食品、医薬品又は医薬部外品を調製する場合、本発明の効果が損なわれない範囲内で食品、医薬品又は医薬部外品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。
例えば、食品の場合には、水、アルコール、澱粉質、蛋白質、繊維質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、安定剤、防腐剤のような食品に通常配合される原料又は素材と組み合わせることができる。
医薬品や医薬部外品の場合には、主剤、基材、界面活性剤、起泡剤、湿潤剤、増粘剤、透明剤、着香料、着色料、安定剤、防腐剤、殺菌剤等に組み合わせ、常法に基づいて、液状、軟膏状又はスプレー噴射可能な最終形態等にすることができる。
また、本発明の新規化合物を食品に添加する場合には、該食品中に、通常は0.001〜20重量%添加することが好ましい。
本発明の新規化合物を医薬用途で使用する場合、例えば、その摂取量は、所望の改善、治療又は予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常、薬剤の態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。前記摂取量は、例えば、1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。
本発明の新規化合物を医薬部外品に添加する場合には、該医薬部外品中に、通常0.001〜30重量%添加するのが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1:ケルセチンとp−クマル酸との反応生成検討)
ケルセチン二水和物(東京化成工業(株)製)100mg、p−クマル酸(和光純薬工業(株)製)100mgをエタノール2mLに溶解し、これに(1)ミネラルウォーター(商品名「ゲロルシュタイナー」サッポロ飲料(株)製)2mL又は(2)リン酸三マグネシウム八水和物(和光純薬工業(株)製、ミネラルプレミックスの主成分)100mg、水2mLを加えて、ケルセチン、p−クマル酸含有溶液(pH:(1)4.9、(2)5.5)を2種類調製した。このケルセチン、p−クマル酸含有溶液をオートクレーブ(三洋電機(株)製、「SANYO LABO AUTOCLAVE」)にて130℃、60分間加熱した。得られた反応溶液からそれぞれ1mLを取り出して、メタノールにて50mLにメスアップし、このうちの10μLをHPLCにより分析した。
HPLC分析は以下条件にて行った。
カラム:逆相用カラム「Develosil(登録商標)C−30−UG−5」(4.6mmi.d.×250mm)
移動相:A・・・H2O(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)), B・・・アセトニトリル(0.1%TFA)
流速:1mL/min
注入:10μL
検出:254nm
勾配(容量%):100%A/0%Bから0%A/100%Bまで33分間、100%Bで7分間(全て直線)
得られたクロマトグラムを図1に示す。上から、反応前、(1)、(2)の反応溶液のクロマトグラムをそれぞれ示している。反応後の(1)、(2)の反応溶液中から、ケルセチンやp−クマル酸以外のピークが検出され、複数の化合物が生成されていることが確認された。
反応前後で生成量に顕著な差があったのが、後述する新規化合物であるA、Bのピークである。
(実施例2:ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物の大量生成)
ケルセチン二水和物1g、クマル酸1gをエタノール20mLに溶解し、ミネラルウォーター20mLを加えて、ケルセチン、p−クマル酸含有溶液(pH=4.9)を得た。このケルセチン、p−クマル酸含有溶液をオートクレーブにて130℃、180分間加熱した。得られた反応溶液のうち1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、実施例1と同様にHPLCにより分析したところ、実施例1と同様のクロマトグラムが確認できた。
(実施例3:新規化合物の単離・構造決定)
実施例2で得られた反応生成物のうち、図1のA、Bで示したピークに含まれる化合物を分取HPLCにより単離し、常法により乾燥したところ、Aのピークからは黄色粉末状の物質215mg、Bのピークからは黄色粉末状の物質81.3mgを得て、Aのピークから得た物質をUHA7047、Bのピークから得た物質をUHA7048と命名した。
次いで、前記UHA7047及びUHA7048の分子量を高分解能Negative−FAB−MS(Fast Atom Bombardment−Mass Spectrometry)にて測定したところ、測定値はそれぞれ421.3755及び541.5256であり、理論値との比較から、以下の分子式を得た。
理論値C23H17O8(M−H-):421.3763
分子式C23188
理論値C31H25O9(M−H-):541.5248
分子式C31269
次に、前記UHA7047を核磁気共鳴(NMR)測定に供し、1H−NMR、13C−NMR及び各種2次元NMRデータの解析から、前記UHA7047が前記式(1)で表される構造を有する新規化合物であることを確認した。したがって、前記式(1)で表される新規化合物は本発明の方法で効率的に生成できることが示された。
なお、前記NMR測定値については、UHA7047を
Figure 0006131828
として、その1H核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトルを表1に示す。
値はδ、ppmで、溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO−d6)で測定した。
Figure 0006131828
次に、前記UHA7048を核磁気共鳴(NMR)測定に供し、1H−NMR、13C−NMR及び各種2次元NMRデータの解析から、前記UHA7048が前記式(2)で表される構造を有する新規化合物であることを確認した。したがって、前記式(2)で表される新規化合物は本発明の方法で効率的に生成できることが示された。
なお、前記NMR測定値については、UHA7048を
Figure 0006131828
として、その1H核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトルを表2に示す。
値はδ、ppmで、溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO−d6)で測定した。
Figure 0006131828
また、UHA7047、UHA7048の物理化学的性状は、以下のようになった。
(性状)
黄色粉末
(溶解性)
水:難溶
メタノール:溶解
エタノール:溶解
DMSO:溶解
クロロホルム:溶解
酢酸エチル:溶解
(実施例4:UHA7047、UHA7048のヒト骨髄球性白血病細胞に対する抗癌作用)
次に癌細胞に対する実施例3で得られたUHA7047、UHA7048の効果を見るため、HL−60細胞(Human promyelocytic leokemia cells:ヒト骨髄球性白血病細胞)を用いた癌細胞増殖抑制作用について試験した。
HL−60細胞の培養には、4mMグルタミン(L−Glutamine シグマアルドリッチジャパン社製)、1%アンチバイオティック−アンチマイコティック(Antibiotic−Antimycotic、ギブコ(GIBCO)社製)、10%ウシ胎児血清(Foetal Bovine Serum:FBS Biological industries社製)を含む高栄養培地「RPMI−1640」(シグマアルドリッチジャパン社製)を使用した。試験には細胞培養用96ウェルプレート(コーニングジャパン(株)製)を用い、5×105cells/mLとなるように細胞数を調整したHL−60細胞を1ウェルあたり100μLずつ播種して試験に使用した。
試料は、実施例3で得られたUHA7047、UHA7048、原料のケルセチン、p−クマル酸の4種類を用いた。試料調製は、各々の化合物をジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide:DMSO、和光純薬工業(株)製)にて溶解し、HL−60細胞培養液中の最終濃度がそれぞれ6.3μM、12.5μM、25μM、50μM及び100μMとなるように添加して、37℃、5%CO2の培養条件下で試験を開始した。なお、溶媒であるDMSOのみを同量添加したものをネガティブコントロールとした。
生存細胞数の定量は「Cell counting kit−8」((株)同人化学研究所製)を用いたMTT法にて行った。つまり、試験開始より24時間後、各ウェルにCell counting kit−8溶液を10μL添加し、よく攪拌した。37℃、5%CO2条件下で1時間の遮光反応を行った。その後にプレートリーダー(「MULTISKAN FC」、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて測定波長450nmの吸光度測定を行い、得られたデータをもとに細胞生存率を算出した。細胞生存率とは、溶媒であるDMSOのみを添加した培養液の生存細胞数を100%とし、各化合物の濃度下における細胞の生存細胞数を相対値として算出した値である。各化合物濃度と細胞生存率の関係から、細胞増殖を50%抑制する濃度IC50(50%阻害濃度)を算出した。その結果を表3に示す。
表3に示す結果から、UHA7047、UHA7048に優れた癌細胞増殖抑制能が認められた。この抗癌作用は、ケルセチンよりも高く、p−クマル酸よりも高い抗癌活性を示した。したがってケルセチンとp−クマル酸を前記式(1)又は(2)で表される新規化合物に変換する高い有意性が示された。
Figure 0006131828
(実施例5:UHA7047、UHA7048のヒト口腔癌細胞に対する抗癌作用)
次に口腔癌細胞に対するUHA7047、UHA7048の効果を見るため、SCC−4細胞(ヒト舌扁平上皮癌細胞、ATCC社製)を用いた口腔癌細胞増殖抑制作用について試験した。
SCC−4細胞の培養には、400ng/mLヒドロコルチソン(Hydrocortisone、シグマアルドリッチジャパン社製)、1%アンチバイオティック−アンチマイコティック(Antibiotic−Antimycotic、ギブコ(GIBCO)社製)、10%FBS(ATCC社製)を含むDMEM/F−12(1:1)培地(ギブコ社製)を使用した。試験には細胞培養用96ウェルプレート(コーニングジャパン(株)製)を用い、5×105cells/mLとなるように細胞数を調整したSCC−4細胞を1ウェルあたり100μLずつ播種した。これを37℃、5%CO2条件下で24時間培養し、80%コンフルエント以上の状態で試験に使用した。
試料は、実施例3で得られたUHA7047、UHA7048、ケルセチン及びp−クマル酸の4種類を用いた。試料調製は、各々の化合物をDMSOにて溶解し、0.63mM、1.25mM、2.5mM、5mM、10mMとなるように調製した。これをSCC−4細胞培養液中の最終濃度がそれぞれ6.3μM、12.5μM、25μM、50μM、及び100μMとなるように添加して37℃、5%CO2培養条件下で試験を開始した。なお溶媒であるDMSOのみを同量添加したものをネガティブコントロールとした。
生存細胞数の定量は、実施例4と同様に、「Cell counting kit−8」を用いたMTT法にて行った。つまり、試験開始より48時間後、各ウェルにCell counting kit−8溶液を10μL添加して、よく攪拌した。37℃、5%CO2条件下で20分間の遮光反応後にプレートリーダーを用いて測定波長450nmの吸光度測定を行い、得られたデータをもとに細胞生存率を算出した。各化合物濃度と細胞生存率の関係から、細胞増殖を50%抑制する濃度IC50を算出した。その結果を表4に示す。
表4に示す結果から、UHA7047、UHA7048に優れた口腔癌細胞増殖抑制能が認められた。この抗癌作用は、ケルセチン及びp−クマル酸には全く認められなかった。したがってケルセチンとp−クマル酸を前記式(1)又は(2)で表される新規化合物に変換する高い有意性が示された。
Figure 0006131828
(実施例6:加熱温度によるUHA7047、UHA7048の生成量の違い)
ケルセチン二水和物100mg、p−クマル酸100mg、エタノール2mL、ミネラルウォーター2mLの混合溶液(pH=4.9)を、オートクレーブにて70℃、90℃、110℃、130℃の各温度条件で20分間加熱した。それぞれの温度条件で得られた反応後組成物1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、実施例1と同様にHPLCにより分析した。
その結果、110℃以上でUHA7047、UHA7048の生成は確認できた。ケルセチンおよびp−クマル酸の合計量からのUHA7047の生成比率(重量%)は、70℃、90℃が非生成、110℃が極微量、130℃が10.3%、UHA7048の生成比率(重量%)は、70℃、90℃が非生成、110℃が極微量、130℃が4%、となり、130℃での加熱により最も多くのUHA7047、UHA7048が生成していた。
(実施例7:UHA7047、UHA7048含有エキスの調製)
ケルセチン1g(メディエンス(株))、プロポリス(アピ(株)、p−クマル酸含有素材)10g、エタノール10mL、ミネラルウォーター10mLを加えて調製した混合溶液(pH=3.5)を、オートクレーブにて130℃、180分間加熱した。得られた反応溶液を減圧加熱させて乾固し、UHA7047、UHA7048含有エキスを11g得た。得られたUHA7047、UHA7048含有エキス11g中には、実施例3と同様の手法で確認したところUHA7047が0.0015g、UHA7048が0.0003g含有されていた。必要に応じてこの作業を繰り返した。
(実施例8:UHA7047、UHA7048を含有する食品)
実施例7で得たUHA7047、UHA7048含有エキス11gをあらかじめ100mLのエタノールに溶解させ、これに砂糖500g、水飴400gを混合溶解し、生クリーム100g、バター20g、練乳70g、乳化剤1.0gを混合した後、真空釜にて−550mmHg減圧させ、115℃の条件下で濃縮し、水分値3.0重量%のミルクハードキャンディを得た。
(実施例9:UHA7047、7048を含有する医薬品)
実施例2,3と同様の方法で得たUHA7047をエタノールに溶解し、これを微結晶セルロースに添加して吸着させた後に、減圧乾燥させた。この吸着物を用いて常法に従い、打錠品を得た。処方は、UHA7047を10重量部、コーンスターチ23重量部、乳糖12重量部、カルボキシメチルセルロース8重量部、微結晶セルロース32重量部、ポリビニルピロリドン4重量部、ステアリン酸マグネシウム3重量部、タルク8重量部の通りである。本打錠品は、癌の治癒を目的とする医薬品として有効に利用できる。
また、UHA7047のかわりに実施例2,3と同様の方法で得たUHA7048を用いた以外は上記と同様の方法を用いて、UHA7048を含有する医薬品を得た。
(実施例10:UHA7047、UHA7048を含有する医薬部外品)
実施例2、3の方法で得たUHA7047 1.2gを10mLのエタノールに溶解し、これにタウリン20g、ビタミンB1硝酸塩0.12g、安息香酸ナトリウム0.6g、クエン酸4g、砂糖60g、ポリビニルピロリドン10gを溶解させた精製水を混合し、さらに精製水で1000mLにメスアップした。なお、pHは、希塩酸を用いて3.2に調整した。得られた溶液1000mLのうち50mLをガラス瓶に充填し、80℃で30分間滅菌して、医薬部外品であるドリンク剤を完成させた。本ドリンク剤は、栄養補給の目的に加えて、癌患者における癌の拡散のリスクを低減したり、癌の発症のリスクを低減したり、癌の予防を目的とする医薬部外品として有効に利用できる。
また、UHA7047のかわりに実施例2,3と同様の方法で得たUHA7048を用いた以外は上記と同様の方法を用いて、UHA7048を含有する医薬部外品を得た。

Claims (6)

  1. ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物であって、式(1):
    Figure 0006131828
    で表される新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  2. ケルセチンとp−クマル酸との反応生成物であって、式(2):
    Figure 0006131828
    で表される新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  3. 請求項1又は2記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する抗癌剤。
  4. 請求項1又は2記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する口腔癌細胞に対する抗癌剤。
  5. 請求項1又は2記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する食品、医薬品又は医薬部外品。
  6. ケルセチンとp−クマル酸を金属塩存在下で加熱することにより、目的の化合物を生成することを特徴とする請求項1又は2記載の新規化合物又はその薬学的に許容可能な塩の製造方法。
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