JP5952056B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
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Description
[1]
ゴム質重合体にシアン化ビニル系単量体を含む単量体混合物をグラフトしたグラフト共
重合体(A)10〜50質量%と、
シアン化ビニル系単量体由来の単位成分の含有量5〜15質量%、芳香族ビニル系単量体由来の単位成分の含有量40〜55質量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体由来の単位成分の含有量25〜50質量%からなる熱可塑性樹脂(B)50〜90質量%からなる熱可塑性樹脂組成物であって、
(1)グラフト共重合体(A)中のゴム質重合体が熱可塑性樹脂(B)中に分散している、
(2)グラフト共重合体(A)のゴム質重合体の体積平均粒子径が、0.10〜0.60μm、
(3)グラフト共重合体(A)の線膨張係数が12.5〜17.0×10-5/℃、
(4)熱可塑性樹脂(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による測定で検出される溶出曲線が、前記グラフト共重合体(A)を合成した際に形成される熱可塑性樹脂(B−I)を含む少なくとも2つのピークを有する、
(5)グラフト率が70〜180%である、
前記熱可塑性樹脂組成物。
[2]
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体由来の単位成分において、メタクリル酸メチル単量体由来の単位成分の含有量が92〜99.5質量%である、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]
[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品。
本発明の熱可塑性樹脂組成物をアセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分とアセトン不溶分とに分離する。この時、アセトンに不溶な成分はゴム質重合体、及びゴム質重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)であり、本発明において「グラフト共重合体(A)」とみなすことができる。アセトンに溶解する成分は、本発明において「熱可塑性樹脂(B)」とみなすことができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物のグラフト共重合体(A)をエポキシ樹脂に包埋させ、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム等の染色剤にて染色処理して、超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行い、超薄切片の任意の範囲10μm×10μmを撮影する。染色部が上記ゴム質重合体部分として観察され、染色部の体積平均粒子径を測定し、上記ゴム質重合体の体積平均粒子径とする。
1)グラフト重合における、ゴム質重合体に対するシアン化ビニル系単量体を含む単量体混合物の比率を増加させることで、グラフト共重合体(A)の線膨張係数を低下させることができる。
2)重合開始剤の添加量を増やすことで、グラフト共重合体(A)の線膨張係数を低下させることができる。
3)連鎖移動剤の初添及び追添を合計した総添加量を減らすことで、グラフト共重合体(A)の線膨張係数を低下させることができる。
ポリオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、α−オレフィンなどの少なくとも1種以上から生成される組成物が挙げられ、これらは該組成物を原料に誘導された組成物も含む。
上記オキシカルボン酸化合物としては、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸などが挙げられ、これらのアルキル、アルコキシ及びハロゲン置換体も含まれる。これらのオキシカルボン酸化合物は、単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、ポリエステルエラストマーの製造のために、ε−カプロラクトンなどのラクトン化合物を用いることもできる。
ISO179に準じて評価した。ノッチ付シャルピー衝撃強度が5kJ/m2以上で、家電、ゲーム機、自動車の内装材等で実用上問題なく使用できる。ノッチ付シャルピー衝撃強度が5kJ/m2未満のものを可、5kJ/m2以上を良とした。
ISO−6272に準じて評価した。デュポン衝撃強度が40cm・kg以上で、家電、ゲーム機、自動車の内装材等で実用上問題なく使用できる。デュポン衝撃強度が40cm・kg未満のものを不可、40cm・kg以上を良とした。
ISO178に準じて評価した。
ISO306に準じて評価した。
透明性の基準として、全光線透過率(%)を用いた。東芝機械製射出成型機EC60Nを用いて、シリンダー温度=250℃、金型温度=60℃にて5cm×9cm、厚み2.5mmの平板を射出成型した。得られた平板を、ISO13468に従って全光線透過率(%)の測定を行った。全光線透過率が70%以下のものを不可、70%以上を良とした。
(5)で成形された平板を、−30℃雰囲気下に24時間放置し、透明性の保持率を観察した。透明性の保持率は以下の式により求めた。
保持率(%)=(低温白化試験後の全光線透過率)/(低温白化試験前の全光線透過率)×100
○:透明性保持率70%以上、100%未満
△:透明性保持率60%以上、70%未満
×:透明性保持率60%未満
(5)で成形された平板を、80℃の雰囲気下に24時間放置した後、−30℃雰囲気下に24時間放置し、同様にして透明性の保持率を観察した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品は、無塗装かつ高外観であることを実現したものであるが、実用的には、日常の使用において通常行われる程度の、汚れの清掃・ふき取り等の行為により、外観性が低下しないことが必要である。ふき取り作業により外観性が低下するのは、成形品表面に細かい傷が生じるためである。すなわち耐擦過傷性の尺度として、繊維摩擦試験を用いることができる。
この平板を23℃雰囲気下に24時間放置した後、スガ試験機製多光源分光側色計MSC−5N−GV5にて明度(L*)を評価した。明度評価条件は以下の通りである。
・分光5nm光学反射
・光源:C光2°視野
・正反射光を除いた測定(d/8)条件
・観察視野:直径15mm
・ティッシュ : エルモア(カミ商事(株)製)、3回折(8枚重ね)
・摺動方向 : 繊維方向(裂け易い方向)に平行
・荷重 : 1000g
・ストローク : 60mm
・摺動スピード: 50mm/sec
・往復回数 : 20往復
乾燥した遠沈管を1サンプルにつき2本準備し、遠沈管はデシケーター中で15分以上放冷後、電子天秤で0.1mgまで精秤する。本発明の熱可塑性樹脂組成物約1gを遠沈管に計量し、0.1mgまで精秤する。メスシリンダーでアセトン約20mlを採取し遠沈管に入れ、シリコーン栓をして振とう機で2時間振とうする。振とう後、シリコーン栓に付着しているサンプルは、少量のアセトンを用いて遠沈管内へ落とす。2本の遠沈管を日立高速冷却遠心機のローターへ対角線上にセットする。遠心分離機を操作して、回転数20000rpmで60分間遠心分離する。遠心分離終了後、沈殿管をローターから取り出し、上澄み液をデカンテーションする。メスシリンダーでアセトン約20mlを採取し遠沈管に入れシリコーン栓をした後、振とう機で1時間振とうする。この操作をもう一度繰り返した後、回転数20000rpmで50分間遠心分離する。遠心分離終了後、沈殿管をローターから取り出し、上澄み液をデカンテーションする。2回目のデカンテーションと同様の操作をもう一度行う。メスシリンダーでメタノール約20mlを採取する。回転数20000rpmで30分間遠心分離する。遠心分離終了後、沈殿管をローターから取り出し上澄み液をデカンテーションする。80℃で30分間乾燥した後、130℃で30分間乾燥する。乾燥後デシケーター中で30分以上放冷する。十分に放冷後電子天秤で0.1mgまで精秤し、以下の式により算出する。
アセトン不溶分(質量%)=[アセトン不溶分量(g)÷サンプル採取量(g)]×100
グラフト共重合体(A)の線膨張係数測定試料は、(8)におけるデカンテーション後、沈殿物を乾燥させ、熱コンプレッション成形等で固めたものを用いる。線膨張係数の測定は、ASTM D696に従って行う。
熱可塑性樹脂(B)をGPCにより測定した。条件は以下の通りである。
測定装置:日本分析工業製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(LC−908)
カラム:JAIGEL−4H 1本及びJAIGEL−2H 2本を直列接続
検出器:RI(示差屈折検出器)
検出感度:2.4μV/sec
GPC測定で得られた溶出時間とRI(示差屈折検出器)による検出強度から得られるGPC溶出曲線から、ピーク数が求められる。
熱分解装置:FRONTIER LAB製Py−2020D
カラム:DB−1(長さ30m、内径0.25mm、液相厚0.25μm)
カラム温度プログラム:40℃で5min保持後、50℃/minの速度で320℃まで昇温し、
320℃を4.4分保持
熱分解炉温度:550℃
カラム注入口温度:320℃
ガスクロマトグラフィー:Agilent製GC6890
キャリアー:純窒素、流速1.0ml/min
注入法:スプリット法(スプリット比1/200)
検出器:日本電子製質量分析装置Automass Sun
検出方法:電子衝撃イオン化法(イオン源温度:240℃、インターフェース温度:320℃)
サンプル0.1gのクロロホルム10cc溶液を熱分解装置用白金試料カップ(10μl)に採取し、150℃で2時間真空乾燥後、試料カップを熱分解炉に入れ、上記条件でサンプルの組成分析を行った。メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルのトータルイオンクロマトグラフィー上のピーク面積と以下の標準サンプルの検量線を元に熱可塑性樹脂(B−III)及び、熱可塑性樹脂(B)の組成比を求めた。
検量線用標準サンプルの作成:メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルの割合が(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル)=(100%/0%)、(98%/2%)、(94%/6%)、(90%/10%)(80%/20%)の合計5種の溶液各50gにラウロイルパーオキサイド0.25%、n−オクチルメルカプタン0.25%を添加した。この各混合溶液を100ccのガラスアンプル瓶にいれて、空気を窒素に置換して封じた。そのガラスアンプル瓶を80℃の水槽に3時間、その後150℃のオーブンに2時間入れた。室温まで冷却後、ガラスを砕いて中のメタクリル樹脂を取り出し、組成分析を行った。検量線用標準サンプルの測定によって得られた(メタクリル酸メチルの面積値)/(メタクリル酸メチルの面積値+アクリル酸メチルの面積値)及びメタクリル酸メチルの仕込み比率とのグラフを検量線として用いた。
ブタジエンモノマー95質量部、アクリロニトリル5質量部、脱イオン水(鉄濃度:0.02ppm未満)135質量部、オレイン酸カリウム3.0質量部、過硫酸カリウム0.3質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.2質量部、及び水酸化カリウム0.18質量部を撹拌機の付いた耐圧容器に収納して、温度を70℃に上げ、重合を開始した。重合時間15時間で日機装(株)社製マイクロトラック粒度分析計「nanotrac150」(商品名)にて測定した質量平均粒子径80nm、固形分40質量%のポリブタジエンラテックス(L−1)を得た。
参考例1で得られたポリブタジエンゴムラテックス(L−1)に次の化学式(1)で示される乳化剤をラテックスの固形分100質量部に対して0.1質量部加え、5分間攪拌後、酢酸0.65質量部を添加した。ついで、水酸化カリウム0.65質量部を加えてポリブタジエンゴムラテックス(2)を得た。該ラテックスは、質量平均粒子径が250nmの粒子径分布を持ったラテックスであり、コアギュラムを副成せず、固形分37質量%の高濃度凝集ラテックスであった。350nm以上の質量平均粒子径のラテックスの質量分率は11質量%であった。
ブタジエンモノマー18質量部、アクリロニトリル2質量部、脱イオン水(鉄濃度:0.02ppm未満)160質量部、ロジン酸カリウム0.067質量部、オレイン酸カリウム0.033質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.1質量部、水酸化ナトリウム0.03質量部、過硫酸ナトリウム0.075質量部、重炭酸ナトリウム0.10質量部を真空に脱気した撹拌機の付いた耐圧容器に収納して、温度を65℃に上げ、重合を開始した。重合時間後2.5時間目から5時間かけて、ブタジエンモノマー80質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.3質量部、不均化ロジン酸カリウム0.67質量部、オレイン酸カリウム0.33質量部、過硫酸ナトリウム0.1質量部、水酸化ナトリウム0.05質量部、重炭酸ナトリウム0.15質量部、脱イオン水50質量部を連続的に添加した後、系を80℃に昇温し、重合開始後14時間目に冷却して重合を終了した。重合率は97%、質量平均粒子径は165nm、固形分41.8質量%であった。
参考例1で得られたポリブタジエンゴムラテックス(L−1)に酢酸と水酸化カリウムの量を変化させた以外は参考例2と同様の方法で製造した。ポリブタジエンゴムラテックス(L−4)は、質量平均粒子径が600nmの粒子径分布を持ったラテックスであり、コアギュラムを副成せず、固形分37質量%の高濃度凝集ラテックスであった。700nm以上の質量平均粒子径のラテックスの質量分率は11質量%であった。
参考例2で製造したポリブタジエンゴムラテックス(L−2)30質量部(固形分)に、脱イオン水(鉄濃度:0.02ppm未満)95質量部を加え、気相部を窒素置換し、これに脱イオン水20質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.0786質量部、硫酸第一鉄0.0036質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.0408質量部を溶解してなる水溶液を加えた後、55℃に昇温した。続いて、1.5時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル24.5質量部、スチレンを45.5質量部、クメンハイドロパーオキシド0.1質量部よりなる単量体混合液、及び脱イオン水35質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1305質量部を溶解してなる水溶液を5時間にわたり添加した。添加終了後にクメンハイドロパーオキシド0.02質量部を加えた後、さらに1時間、反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させ、ロジン酸カリウム0.5質量部を添加した。
表1に記載の処方とした以外は、参考例5と同様に製造した。
アクリロニトリル13質量部、スチレン52質量部、溶媒としてトルエン35質量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.05質量部からなる混合物を、窒素ガスを用いてバブリングさせた後、特許第3664576号の実施例2に記載されたものと同様の二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を供えた内容積150lの反応槽に、スプレーノズルを用いて連続的に37.5kg/時間の速度で供給した。重合温度は130℃とし、反応槽内での反応液の充満率が70容量%を維持できるように、供給液量と同量の反応液を連続的に抜き出した。反応槽の液相部相当部分には温調のためのジャケットが設けられ、ジャケット温度は128℃であった。また、攪拌所要動力は4kW/m、重合転化速度は39.8wt%/hrであった。抜き出した反応液は、250℃、10mmHgの高真空に保たれた揮発分除去装置へ導入し、未反応単量体、有機溶剤を脱気回収し、生成した熱可塑性樹脂(B―II−1)をペレットとして回収した。熱可塑性樹脂(B―II−1)の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル20.8質量%、スチレン79.2質量%であった。また、還元粘度は0.75dl/gであった。
(参考例13)熱可塑性樹脂(B―III−1)の製造
メタクリル酸メチル68.6質量部、アクリル酸メチル1.4質量部、エチルベンゼン30質量部からなる単量体混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン150ppm、及びn−オクチルメルカプタン1500ppmを添加し、均一に混合した。この溶液を内容積10リットルの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度135℃、平均滞留時間2時間で重合した。この重合液を反応器に接続された貯槽に連続的に送り出し、重合体と未反応単量体及び溶液と分離し、重合体を押出機にて連続的に溶融状態で押出して、熱可塑性樹脂(B―III−1)のペレットを得た。熱可塑性樹脂(B―III−1)の還元粘度は、0.35dl/gであり、熱分解ガスクロマトグラフィー及び質量分析装置を用いて組成分析した結果、メタクリル酸メチル98質量%、アクリル酸メチル2質量%であった。
メタクリル酸メチル63質量部、アクリル酸メチル7質量部、エチルベンゼン30質量部からなる単量体混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及びn−オクチルメルカプタンの量を変化させた以外は参考例OOと同様の方法で製造した。熱可塑性樹脂(B―III−2)の還元粘度は、0.32dl/gであり、熱分解ガスクロマトグラフィー及び質量分析装置を用いて組成分析した結果、メタクリル酸メチル90質量%、アクリル酸メチル10質量%であった。
充分に乾燥し、水分除去を行った後、表1に記載の配合組成のグラフト共重合体(A−1)19.6質量部、熱可塑性樹脂(B―I−1)5.4質量部、熱可塑性樹脂(B―II−1)40質量部、熱可塑性樹脂(B―III−1)35質量部、エチレンビスステアロアマイド1質量部を混合した後、これをホッパーに投入し、二軸押出機(PCM−30、L/D=28、池貝鉄工(株)製)を使用して、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数200rpm、混練樹脂の吐出速度15kg/hrの条件で混練して樹脂ペレット(熱可塑性樹脂組成物)を得た。
配合組成を表2に記載した。
グラフト共重合体(A−1)の組成比は、フーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)(日本分光(株)製)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル8.5質量%、スチレン34.0質量%、ブタジエン57.5質量%、であり、ゴム質重合体を除く単量体由来単位成分中のシアン化ビニル系単量体の平均含有量は20.0質量%であった。一方、熱可塑性樹脂(B)の組成比は、フーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)及び、熱分解ガスクロマトグラフィー、質量分析装置を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル11.4質量%、スチレン45.1質量%、メタクリル酸メチル42.6質量%、アクリル酸メチル0.9質量%、であった。
評価結果を表3に記載した。
実施例1と同様にして樹脂ペレットを得て、評価を行った。評価結果を表3に示す。実施例1〜5は、透明性、及び耐衝撃性、耐擦過傷性、耐低温白濁性に優れている。
Claims (3)
- ゴム質重合体にシアン化ビニル系単量体を含む単量体混合物をグラフトしたグラフト共重合体(A)10〜50質量%と、
シアン化ビニル系単量体由来の単位成分の含有量5〜15質量%、芳香族ビニル系単量体由来の単位成分の含有量40〜55質量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体由来の単位成分の含有量25〜50質量%からなる熱可塑性樹脂(B)50〜90質量%からなる熱可塑性樹脂組成物であって、
(1)グラフト共重合体(A)中のゴム質重合体が熱可塑性樹脂(B)中に分散している、(2)グラフト共重合体(A)のゴム質重合体の体積平均粒子径が、0.10〜0.60μm、
(3)グラフト共重合体(A)の線膨張係数が12.5〜17.0×10-5/℃、
(4)熱可塑性樹脂(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による測定で検出される溶出曲線が、前記グラフト共重合体(A)を合成した際に形成される熱可塑性樹脂(B−I)を含む少なくとも2つのピークを有する、
(5)グラフト率が70〜180%である、
熱可塑性樹脂組成物。 - 不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体由来の単位成分において、メタクリル酸メチル単量体由来の単位成分の含有量が92〜99.5質量%である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品。
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