JP2005187667A - 耐白化性に優れた透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐白化性に優れた透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物の提供。
【解決手段】 重量平均粒子径が0.05〜0.15μmであるゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル、シアン化ビニルおよび/または(メタ)アクリル酸エステル系の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなるグラフト重合体(a−1)および重量平均粒子径が0.2〜0.5μmであるゴム状重合体の存在下に上記単量体から選ばれた1種以上を重合してなるグラフト重合体(a−2)からなる二峰性の粒子径分布を有するグラフト重合体(A)と上記単量体から選ばれた1種以上を重合してなる共重合体(B)からなるゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対し帯電防止剤(C)を3〜30重量部配合してなる樹脂組成物であって、かつ樹脂成形品(3mm厚み)とした時のヘイズが15未満である耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ白化特性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物に関する。
HIPS樹脂、ABS樹脂などの名称にて製造・販売されているゴム強化スチレン系樹脂は、外観、機械的特性ならびに成形加工性に優れ、車両部品、電気製品など種々の分野にて利用されている。
このようなゴム強化スチレン系樹脂は一般的に不透明であるが、製品によってはPMMAやポリカーボネート樹脂のような透明性が要求される場合がある。このような要求に対しては、例えば特許文献1(特開平4−180907号公報)に記載されているように、樹脂を構成する各構成成分の組成割合を調整することによりゴム強化スチレン系樹脂においても透明性を得ることが知られている。
さらに使用される用途によっては、透明性のみならず帯電防止性が必要とされる場合があり、帯電防止性については帯電防止剤の添加により付与できる。
このような帯電防止剤の選定は、一般に界面活性剤などの低分子量タイプあるいは特定ポリマーからなる高分子量タイプのものが挙げられる。一般に低分子量タイプは持続性に乏しいが、高分子量タイプは持続性に優れ熱的性質を保持する。特に高分子量タイプとしては、ポリエーテルエステルアミド系が多く使用されている。
しかしながら、これら樹脂は優れた特性を示す反面、射出成形における金型からの離型時や、製品組み付け時に、応力の集中する部分で白化現象が発生するという問題がある。
ここでは、金型からの離型時の白化現象を成形白化と表現し、製品組み付けなどの二次加工時の白化現象を応力白化と表現する。
何れの白化現象も製品の外観を損なうことになり、特に透明部位など目立ちやすい用途においては、製品価値を著しく低下させるため、その改良が望まれている。
一般に成形白化を改良する方法として、例えば各種離型剤を添加することが知られているが、十分な成形加工性を得るべく樹脂中に大量に添加した場合には金型を汚染するなどの不具合を生じるためその添加量には限界があった。
また、応力白化を改良する方法としては、例えば特許文献2(特開平9−202839号公報)に記載されているように、樹脂の粒子径を限定することによって応力白化を低減する試みもあるが、衝撃強度が大きく低下するという問題があった。さらに、特許文献3(特開2003−147152号公報)には、ゴム強化スチレン系樹脂とポリエーテルエステルアミドからなる透明帯電防止性樹脂組成物が記載されているが、成形白化および応力白化の点で不十分であった。
従って、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐白化性(成形白化および応力白化)に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物が望まれていた。
特開平4−180907号公報 特開平9−202839号公報 特開2003−147152号公報
本発明は、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐白化性(成形白化および応力白化)に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、かかる課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定のゴム強化スチレン系樹脂中に分散するゴム粒子の粒子径分布が二峰性で、かつ大粒子と小粒子の平均粒子径が特定の範囲にあり、さらに特定の帯電防止剤(特にポリエーテルエステルアミド)を混ぜ合わせることにより、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に達したものである。
本発明の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物は、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐白化性に優れるものであり、透明性が要求され、かつ帯電防止性の必要とされる家電・OA機器、ゲーム機等の分野にて好適に使用することができる。
すなわち、本発明は、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなり、前記ゴム状重合体粒子が重量平均粒子径0.05〜0.15μmであるグラフト重合体(a−1)およびゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなり、前記ゴム状重合体粒子が重量平均粒子径0.2〜0.5μmであるグラフト重合体(a−2)からなる二峰性の粒子径分布を有するグラフト重合体(A)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体等の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる共重合体(B)からなるゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対し帯電防止剤(C)を3〜30重量部配合してなる樹脂組成物であって、かつ樹脂成形品(3mm厚み)とした時のヘイズが15未満である耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
以下に、本発明の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物につき詳細に説明する。
本発明において使用されるゴム強化スチレン系樹脂とは、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなり、前記ゴム状重合体粒子が重量平均粒子径0.05〜0.15μmであるグラフト重合体(a−1)およびゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなり、前記ゴム状重合体粒子が重量平均粒子径0.2〜0.5μmであるグラフト重合体(a−2)からなる二峰性の粒子径分布を有するグラフト重合体(A)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体等の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる共重合体(B)からなるゴム強化スチレン系樹脂である。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)におけるグラフト重合体(a−1)およびグラフト重合体(a−2)を構成するゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合体、ポリクロロプレンなどのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン(エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等)共重合体などのエチレン−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレートなどのアクリル系ゴムなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
グラフト重合体(a−1)およびグラフト重合体(a−2)または共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
同様にシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
同様に(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
また、本発明においては、上記芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共に必要に応じて他の共重合可能な単量体、例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等を使用することも可能である。
上記グラフト重合体(a−1)およびグラフト重合体(a−2)または共重合体(B)を構成するそれぞれの芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、それぞれ必ずしも同一でなくてもよい。
本発明で用いるグラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径については0.05〜0.15μm、およびグラフト重合体(a−2)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径については0.2〜0.5μmであって、二峰性の粒子径分布を有することが必要であり、それぞれのゴム状重合体の重量平均粒子径が当該範囲外のものを使用した場合には本発明の目的を達成することができないものであるが、特に、グラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径が0.05μ未満では耐衝撃性に劣り、0.15μmを超えると耐白化性に劣る。またグラフト重合体(a−2)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径が0.2μm未満では耐衝撃性に劣り、0.5μmを超えると透明性および耐衝撃性が低下する。
さらに、グラフト重合体(A)に占めるグラフト重合体(a−1)の構成割合は、10〜90重量%あることが好ましい。グラフト重合体(a−1)の割合が90重量%を超えると耐衝撃性に劣り、10重量%未満では、耐白化性が低下する。
上記ゴム強化スチレン系樹脂(A)および共重合体(B)に占めるグラフト重合体(A)の構成割合は、5〜95重量%であることが好ましい。グラフト重合体(A)の割合が95重量%を超えると透明性および成型加工性に劣り、5重量%未満では、耐衝撃性が低下する。
本発明において使用される帯電防止剤(C)としては、低分子量タイプあるいは高分子量タイプいずれも使用することができ、用途に応じて使い分けもしくは併用することが可能である。
低分子量タイプの帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸エステルやポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などが挙げられ、また高分子量タイプの帯電防止剤としては、ポリエチレンオキシドやポリエーテルエステルアミドなどが挙げられる。これらのうち、特にポリエーテルエステルアミドが好ましい。
さらに、本発明においては、ポリエーテルエステルアミドとして、屈折率の異なる2種以上を併用することが好ましい。この屈折率の異なる2種以上のポリエーテルエステルアミドを使用することにより、上記ゴム強化スチレン系樹脂の透明性を維持したままで、帯電防止性に加えて、優れた耐衝撃性を付与した材料が供給できるものである。このようなポリエーテルエステルアミドとしては、炭素数6以上のアミノカルボン酸、炭素数6以上のラクタムおよびジアミンとジカルボン酸とから得られる炭素数6以上のナイロン塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアミド系化合物およびジカルボン酸から誘導される両末端カルボキシル基を含有するポリアミドとポリオキシアルキレングリコールおよび/またはビスフェノール類のエチレンオキシド付加物からなるポリエーテルジオールとを重縮合させて得られる化合物等が挙げられ、分子量、構造および/または組成の異なる2種以上用いることができる。また、上記ポリエーテルエステルアミドの屈折率は、30℃以下の使用環境下において1.40〜1.60であることが好ましい。また、屈折率の異なる2種以上のポリエーテルエステルアミドを使用する場合の混合割合には特に制限はないが、例えば2種の場合には99/1〜1/99(重量比)の範囲であることが好ましい。
上記帯電防止剤(C)の使用割合については、ゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対して3〜30重量部である。帯電防止剤(C)が3重量部未満では十分な帯電防止性が得られず、また30重量部を超えると透明性及び耐熱性が低下する。
さらに本発明においては、上記ゴム強化スチレン系樹脂に帯電防止剤(C)を配合してなる樹脂組成物であって、かつ樹脂成形品(3mm厚み)とした時のヘイズが15未満となる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物である。
該樹脂成形品のヘイズを15未満とするには、グラフト重合体(A)中の単量体の種類およびその使用割合、グラフト重合体(a−1)およびグラフト重合体(a−2)の重量平均粒子径、グラフト率、さらにこれら特定のグラフト重合体(A)と組み合せて使用する共重合体(B)および帯電防止剤(C)の種類およびその使用割合によって適宜設定することができる。
本発明における各成分の混合方法には特に制限はなく、押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダー等を用いて混合することができる。
また、本発明の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物には、公知の添加剤、例えば酸化防止剤〔2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2、2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト等が例示される。〕、紫外線吸収剤〔p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示される。〕、滑剤〔パラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド等が例示される。〕、着色剤〔例えば酸化チタン、カーボンブラック〕、充填剤〔例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等が例示される。〕等を必要に応じて添加することができる。
さらに、本発明においてはポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリオキシメチレン、塩素化ポリエチレン等の他の熱可塑性樹脂を必要に応じて透明性を保持する範囲内にて混合することができる。
本発明をさらに具体的に説明するために以下に実施例及び比較例を挙げて説明する。しかし、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
〔実施例〕
−ゴム強化スチレン系樹脂(A)−
グラフト重合体(a−1):窒素置換した反応器にポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.10μm、ゲル含有量90%)50部(固形分)、水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第2鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部を入れ、60℃に加熱後、アクリロニトリル5部、スチレン19部、メタクリル酸メチル56部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.3部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(a−1)を得た。
グラフト重合体(a−2):ポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.30μm、ゲル含有量85%)50部、アクリロニトリル3部、スチレン12部、メタクリル酸メチル35部、およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、キュメンハイドロパーオキサイド0.2部に変更した以外は(a−1)と同様にして、グラフト共重合体(a−2)を得た。
グラフト重合体(a−3):ポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.60μm、ゲル含有量90%)40部、アクリロニトリル3部、スチレン15部、メタクリル酸メチル42部、およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部、キュメンハイドロパーオキサイド0.3部に変更した以外は(a−1)と同様にして、グラフト共重合体(a−3)を得た。
−共重合体(B)−
共重合体(b−1):容積が20リットルの完全混合型反応槽1基からなる連続的重合装置を用い、スチレン24重量部、メタクリル酸メチル66重量部、エチルベンゼン10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.2重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.015重量部からなる重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を50.5重量%にした。このときの重合温度は150℃であり、また反応槽の攪拌数は150rpmに調整した。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給した後、押出機を経て固有粘度0.48のスチレン系共重合体(b−1)を得た。スチレン系共重合体(b−1)の屈折率は1.52であった。
−帯電防止剤(C)−
c−1:ポリエーテルエステルアミド ペレスタット NC6321
(三洋化成工業株式会社製 屈折率:1.516)
c−2:ポリエーテルエステルアミド ペレスタット NC7530
(三洋化成工業株式会社製 屈折率:1.536)
c−3:ポリエチレンオキサイド(住友精化株式会社製 炭素数:8〜10)
c−4:ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
〔実施例1〜4、比較例1〜5〕
上記各成分につき、表1に示された配合割合で混合し、40mm二軸押出機を用いて200℃で溶融混練し、ペレットを得た。
また、得られたペレットにつき東芝機械製IS−90B射出成形機を用い、シリンダー設定温度200℃にて各試験片を作成し、次の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
ヘイズ:全光線透過率測定と同一試験片を用いて、(株)村上色彩技術研究所製反射・透過率計HR−150で測定した。
耐衝撃性:ISO 179準じてノッチ付シャルピー衝撃強度を測定。単位:kJ/m
成形加工性:ISO 1133に準じてメルトボリュームレイトを測定した。
220℃×10kg、単位:cm3/10min。
白化特性(応力白化):ISO 178に準じる曲げ試験において、目視にて白化が発現するたわみ量を測定した。単位:mm。このたわみ量が大きい値であるほど、白化特性に優れる。
白化特性(成形白化):前記射出成形機において、箱型金型において、エジェクター突き出し速度を30mm/secにした時の成形品の外観を目視確認した。
○:白化は確認できなかった。
△:白化が1〜4箇所確認された。
×:白化が5箇所以上確認された。
帯電防止性:厚さ3mmの射出成形された角試験片を用い、1ヶ月間23℃、湿度50%RH下で状態調整し、水洗処理前後の表面固有抵抗値を東亞電子工業(株)製ウルトラメガオームメーターSN8210にて測定した。単位:Ω
Figure 2005187667
上記のとおり、本発明の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物は、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ白化特性に優れるものであり、透明性が要求され、かつ帯電防止性の必要とされる家電・OA機器、ゲーム機等の分野にて好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなり、前記ゴム状重合体粒子が重量平均粒子径0.05〜0.15μmであるグラフト重合体(a−1)およびゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなり、前記ゴム状重合体粒子が重量平均粒子径0.2〜0.5μmであるグラフト重合体(a−2)からなる二峰性の粒子径分布を有するグラフト重合体(A)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体等の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる共重合体(B)からなるゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対し帯電防止剤(C)を3〜30重量部配合してなる樹脂組成物であって、かつ樹脂成形品(3mm厚み)とした時のヘイズが15未満である耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
  2. ゴム強化スチレン系樹脂(A)における、グラフト重合体(a−1)の割合が10〜90重量%である請求項1記載の耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
  3. 帯電防止剤(C)が、ポリエーテルエステルアミドである請求項1〜2記載の耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
  4. 帯電防止剤(C)が、少なくとも屈折率の異なる(屈折率差が0.01以上)2種以上のポリエーテルエステルアミドであり、いずれの屈折率も1.40〜1.60である請求項1〜3記載の耐白化性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
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