JP4217523B2 - 耐暗所変色性に優れた透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐暗所変色性に優れた透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐暗所変色性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
HIPS、ABSなどの名称にて製造・販売されているゴム強化スチレン系樹脂は、外観、機械的特性ならびに成形加工性に優れ、車両部品、電気製品など種々の分野にて利用されている。
このようなゴム強化スチレン系樹脂は一般的に不透明であるが、製品によってはPMMAやポリカーボネート樹脂のような透明性が要求される場合がある。このような要求に対しては、例えば特許文献1(特開平4−180907号公報)に記載されているように、樹脂を構成する各構成成分の組成割合を調整することによりゴム強化スチレン系樹脂においても透明性を得ることが知られている。
さらに用途によっては、透明性のみならず帯電防止性が必要とされる場合があり、帯電防止剤が添加されるケースがある。
帯電防止剤の選定は、一般に低分子量タイプあるいはポリマータイプ(高分子量タイプ)のものが挙げられ、低分子量タイプは持続性に乏しいが、高分子量タイプは持続性に優れ熱的性質を保持する。特に高分子量タイプとしては、ポリエーテルエステルアミド系が多く使用されている。
しかしながら、このようなゴム強化スチレン系樹脂に含まれるゴム成分および上記ポリエーテルエステルアミドの製造時には、熱劣化を防ぐために添加されるフェノール系酸化防止剤が原因で暗所変色という不良現象を引き起こすことが知られており、酸化防止剤の添加を避けることも暗所変色性改良には有効な手法ともいえるが、熱劣化性を十分保持することが難しくなる。
暗所変色とは、暗所において樹脂が黄色に変色する現象をいい、太陽光等の光による耐光変色性、熱による熱変色性とは全く異なる。具体的には、成形品及び製品が梱包され販売までの間に倉庫等の暗所にて保管される場合があるが、この保管中に初期よりも黄色への色相変化を起こす不良現象のことである。
暗所変色は製品の色調を損なうことになり、特に透明性等変色が目立ちやすい用途においては、製品価値を著しく低下させるため、その改良が望まれている。
また、これまで、例えば特許文献2(特開平8−134317号公報)、特許文献3(特開平9−85818号公報)、特許文献4(特開平9−216981号公報)等に暗所変色の改良についての提案がなされているが、これらはそれそれ特殊な酸化防止剤や安定剤を使用するものであり、結果として高価なものとなり易く、その自由度が制限されるという懸念がある。また、これらにおいては透明性や帯電防止性については何ら言及されていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−180907号公報
【特許文献2】
特開平8−134317号公報
【特許文献3】
特開平9−85818号公報
【特許文献4】
特開平9−216981号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、該課題を解決すべくなされたもので、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐暗所変色性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定のゴム強化スチレン系樹脂と、特定の2種以上のポリエーテルエステルアミド、さらには特定の屈折率を有する高分子化合物を混ぜ合わせることにより、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐暗所変色性に優れる透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に達したものである。
すなわち、本発明は、
(1)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなるグラフト重合体(a−1)または該グラフト共重合体(a−1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体等の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる共重合体(a−2)からなるゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量部に対し、少なくとも屈折率の異なる(屈折率差が0.01以上)2種以上のポリエーテルエステルアミド(B)を3〜30重量部および該ゴム強化スチレン系樹脂(A)とその屈折率差が0.01以上0.04以下であり、かつその固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)が0.2〜0.8dl/gである高分子化合物(C)1〜10重量部を配合してなる樹脂成形品(3mm厚み)とした時の暗所変色度(明細書にて規定)が3未満である耐暗所変色性に優れた透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物、
(2)グラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径が0.05〜2.0μ、ゴム強化スチレン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)が0.2〜0.8dl/gである(1)記載の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物、
(3)高分子化合物(C)が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主体としてなる重合体である(1)〜(2)記載の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物、
(4)高分子化合物(C)が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体50〜99重量%と芳香族ビニル系単量体1〜50重量%からなる共重合体である(1)〜(3)記載の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物、
(5)ポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率が1.40〜1.60である(1)〜(4)記載の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物、
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物につき詳細に説明する。
【0007】
本発明において使用されるゴム強化スチレン系樹脂(A)とは、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなるグラフト重合体(a−1)または該グラフト重合体(a−1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体等の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる共重合体(a−2)からなるゴム強化スチレン系樹脂である。
【0008】
ゴム強化スチレン系樹脂(A)におけるグラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合体、ポリクロロプレンなどのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン(エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等)共重合体などのエチレン−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレートなどのアクリル系ゴムなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
【0009】
グラフト重合体(a−1)または共重合体(a−2)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
また、本発明においては、上記芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共に必要に応じて他の共重合可能な単量体、例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等を使用することも可能である。
【0010】
本発明で用いるグラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径については0.05〜2.0μ、またゴム強化スチレン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)は0.2〜0.8dl/gの範囲にあることが好ましい。
ここで、グラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径が0.05μ未満では耐衝撃性に劣り、また2.0μを超えると透明性が低下する。
また、ゴム強化スチレン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度が0.2dl/g未満では耐衝撃性に劣り、また0.8dl/gを超えると成形加工性が低下する。
【0011】
また、本発明において使用されるポリエーテルエステルアミド(B)としては、少なくとも屈折率の異なる2種以上を併用することが必要である。この屈折率の異なる2種以上のポリエーテルエステルアミドを使用することにより、ゴム強化スチレン系樹脂(A)の透明性を維持したままで帯電防止性に加えて、優れた耐衝撃性を付与した材料が供給できるものである。このようなポリエーテルエステルアミドとしては、炭素数6以上のアミノカルボン酸、炭素数6以上のラクタムおよびジアミンとジカルボン酸とから得られる炭素数6以上のナイロン塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアミド系化合物およびジカルボン酸から誘導される両末端カルボキシル基を含有するポリアミドとポリオキシアルキレングリコールおよび/またはビスフェノール類のエチレンオキシド付加物からなるポリエーテルジオールとを重縮合させて得られる化合物等が挙げられ、分子量、構造および/または組成の異なる2種以上用いることができる。
また、本発明においては、上記のとおりポリエーテルエステルアミド(B)として少なくとも屈折率の異なる(屈折率差が0.01以上)2種以上を併用することが必要である。2種以上のポリエーテルエステルアミドを併用しない場合、または併用してもその屈折率差が0.01未満では耐衝撃性に劣るため好ましくない。また、屈折率の異なる2種以上のポリエーテルエステルアミドの混合割合には特に制限はないが、例えば2種の場合には99/1〜1/99(重量比)の範囲であることが好ましい。
【0012】
上記ポリエーテルエステルアミド(B)の使用割合については、ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量部に対して3〜30重量部であることが好ましい。ポリエーテルエステルアミド(B)が3重量部未満では十分な帯電防止性が得られず、また30重量部を超えると透明性及び耐熱性が低下する。
【0013】
また、上記ポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率は、30℃以下の使用環境下において1.40〜1.60であることが好ましい。ポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率が1.40未満または1.60以上ではゴム強化スチレン系樹脂(A)の屈折率と異なるため透明性が低下する。
【0014】
また、本発明においては、上記ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量部に対し、該ゴム強化スチレン系樹脂(A)とその屈折率差が0.01以上0.04以下であり、かつその固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)が0.2〜0.8である高分子化合物(C)1〜10重量部を配合することが必要である。通常、その屈折率差の相異する高分子化合物を添加することは、透明性といった観点からは望ましくはないものであるが、本発明においては、この若干の屈折率の相異する高分子化合物を少量添加することにより、ゴム強化スチレン系樹脂の透明性を阻害せず、耐暗所変性を改良できることを見出したものである。上記の屈折率差が0.01未満では耐暗所変色性に劣るため好ましく、またその上限が0.04を超えると透明性を低下させるため好ましくない。
【0015】
また、高分子化合物(C)の添加量は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量部に対して1〜10重量部であるが、1重量部未満では、耐暗所変色性が改良されず、また10重量部を超えると透明性が低下するため好ましくない。
また、その固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)が0.2未満では衝撃強度が著しく劣り、0.8を超えると成形加工性が劣るため好ましくない。
なお、高分子化合物(C)としては、該ゴム強化スチレン系樹脂(A)との屈折率を考慮のうえ、適宜選定することができ、各種の高分子化合物を使用することができるが、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主体としてなる重合体、さらには(メタ)アクリル酸エステル系単量体50〜99重量%と芳香族ビニル系単量体1〜50重量%からなる共重合体を使用することが好ましい。
【0016】
本発明は、上記のとおり、特定のゴム強化スチレン系樹脂(A)と2種以上のポリエーテルエステルアミド(B)と特定の高分子化合物(C)からなり、樹脂成形品(3mm厚み)とした時の暗所変色度が3未満である(なお、暗所変色度の測定方法は実施例中に記載のとおりである)。暗所変色度が3以上では本発明の目的とする耐暗所変色性を満足することができない。
【0017】
さらに、本発明においては、上記樹脂成形品(3mm厚み)とした時の全光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが10.0以下であることが、その透明性といった観点からみて好ましい。
該樹脂成形品の全光線透過率を80%以上、かつヘイズを10.0以下とするには、(A)におけるゴム状重合体と単量体の種類およびその使用割合、グラフト重合体(a−1)の重量平均粒子径、グラフト率、(A)のアセトン可溶分の固有粘度、さらにこれら特定のゴム強化スチレン系樹脂(A)と組み合せて使用するポリエーテルエステルアミド(B)および高分子化合物(C)の種類およびその使用割合によって設定することができる。
【0018】
本発明における各成分の混合方法には特に制限はなく、押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダー等を用いて混合することができる。
【0019】
また、本発明の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物には、公知の添加剤、例えば酸化防止剤〔2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2、2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト等が例示される。〕、紫外線吸収剤〔p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示される。〕、滑剤〔パラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド等が例示される。〕、着色剤〔例えば酸化チタン、カーボンブラック〕、充填剤〔例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等が例示される。〕等を必要に応じて添加することができる。
【0020】
さらに、本発明においてはポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリオキシメチレン、塩素化ポリエチレン等の他の熱可塑性樹脂を必要に応じて透明性を保持する範囲内にて混合することができる。
【0021】
本発明をさらに具体的に説明するために以下に実施例及び比較例を挙げて説明する。しかし、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0022】
〔実施例〕
−ゴム強化スチレン系樹脂(A)−
グラフト重合体(a−1−1):窒素置換した反応器にポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.30μ、ゲル含有量85%)50部(固形分)、水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第2鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、アクリロニトリル3部、スチレン12部、メタクリル酸メチル35部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(a−1−1)を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率およびアセトン可溶成分の固有粘度はそれぞれ52%および0.50dl/gであった。
【0023】
グラフト重合体(a−1−2):ポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.50μ、ゲル含有量90%)20部、アクリロニトリル5部、スチレン19部、メタクリル酸メチル56部、およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部、キュメンハイドロパーオキサイド0.3部に変更した以外は(a−1−1)と同様にして、グラフト共重合体(a−1−2)を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率およびアセトン可溶成分の固有粘度は、それぞれ60%および0.45dl/gであった。
【0024】
共重合体(a−2):容積が20リットルの完全混合型反応槽1基からなる連続的重合装置を用い、スチレン24重量部、メタクリル酸メチル66重量部、エチルベンゼン10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.2重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.015重量部からなる重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を50.5重量%にした。このときの重合温度は150℃であり、また反応槽の攪拌数は150rpmに調整した。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給した後、押出機を経て固有粘度0.48のスチレン系共重合体(a−2)を得た。スチレン系共重合体(a−2)の屈折率は1.52であった。
【0025】
高分子化合物(C−1):容積が20リットルの完全混合型反応槽1基からなる連続的重合装置を用い、スチレン13重量部、メタクリル酸メチル67重量部、エチルベンゼン20重量部、t−ドデシルメルカプタン0.15重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.02重量部からなる重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を53.0重量%にした。このときの重合温度は150℃であり、また反応槽の攪拌数は150rpmに調整した。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給した後、押出機を経て固有粘度0.52のスチレン系高分子化合物(C−1)を得た。このスチレン系高分子化合物(C−1)の屈折率は1.51であった。
【0026】
高分子化合物(C−2):容積が20リットルの完全混合型反応槽1基からなる連続的重合装置を用い、スチレン35重量部、メタクリル酸メチル55重量部、エチルベンゼン10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.4重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.015重量部からなる重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を53.5重量%にした。このときの重合温度は150℃であり、また反応槽の攪拌数は150rpmに調整した。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給した後、押出機を経て固有粘度0.50のスチレン高分子化合物(C−2)を得た。このスチレン高分子化合物(C−2)の屈折率は1.53であった。
【0027】
高分子化合物(C−3):容積が20リットルの完全混合型反応槽1基からなる連続的重合装置を用い、スチレン79重量部、メタクリル酸メチル17重量部、エチルベンゼン4重量部、t−ドデシルメルカプタン0.005重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.03重量部からなる重合原料をプランジャーポンプを用いて14kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を48.0重量%にした。このときの重合温度は140℃であり、また反応槽の攪拌数は150rpmに調整した。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給した後、押出機を経て固有粘度0.55のスチレン高分子化合物(C−3)を得た。スチレン系高分子化合物(C−3)の屈折率は1.57であった。
【0028】
−ポリエーテルエステルアミド(B)−
B−1:ペレスタット NC6321(三洋化成工業株式会社製 屈折率:1.516)
B−2:ペレスタット NC7530(三洋化成工業株式会社製 屈折率:1.536)
【0029】
B−I:ポリエチレンオキサイド(住友精化株式会社製 炭素数:8〜10)
B−II:ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
【0030】
〔実施例1〜3、比較例1〜5〕
上記各成分につき、表1に示された配合割合で混合し、40mm二軸押出機を用いて200℃で溶融混練し、ペレットを得た。
また、得られたペレットにつき東芝機械製IS−90B射出成形機を用い、シリンダー設定温度200℃にて各試験片を作成し、次の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
なお、実施例及び比較例にて使用するゴム強化スチレン系樹脂の固有粘度については、上記の混合とは別に、表1に示した割合にてグラフト重合体および共重合体を押出機にて混合した後、アセトン可溶成分を抽出し、固有粘度を測定した。
【0031】
全光線透過率:厚さ3mmの試験片を用いて、(株)村上色彩技術研究所製反射・透過率計HR−150で測定した。
【0032】
ヘイズ:全光線透過率測定と同一試験片を用いて、(株)村上色彩技術研究所製反射・透過率計HR−150で測定した。
【0033】
耐衝撃性:ISO 179準じてノッチ付シャルピー衝撃強度を測定。単位:kJ/m
【0034】
成形加工性:ISO 1133に準じてメルトボリュームレイトを測定した。
220℃×10kg、単位:cm3/10min。
【0035】
暗所変色性:厚さ3mmの射出成形された各試験片を用い、23℃、湿度50%RHの暗所下で15日間状態調整し、各試験片を2枚重ねて(株)村上色彩技術研究所製色差計にてYI値(黄色度)を測定した。
【0036】
帯電防止性:厚さ3mmの射出成形された角試験片を用い、1ヶ月間23℃、湿度50%RH下で状態調整し、水洗処理前後の表面固有抵抗値を東亞電子工業(株)製ウルトラメガオームメーターSN8210にて測定した。単位:Ω
【0037】
【表1】
Figure 0004217523
【0038】
【発明の効果】
上記のとおり、本発明の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物は、透明性、帯電防止性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、かつ耐暗所変色性に優れるものであり、透明性が要求され、かつ帯電防止性の必要とされる家電・OA機器、ゲーム機等の分野にて好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなるグラフト重合体(a−1)または該グラフト共重合体(a−1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体等の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる共重合体(a−2)からなるゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量部に対し、少なくとも屈折率の異なる(屈折率差が0.01以上)2種以上のポリエーテルエステルアミド(B)を3〜30重量部および該ゴム強化スチレン系樹脂(A)とその屈折率差が0.01以上0.04以下であり、かつその固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)が0.2〜0.8dl/gである(メタ)アクリル酸エステル系単量体50〜99重量%と芳香族ビニル系単量体1〜50重量%からなる共重合体(C)1〜10重量部を配合してなる樹脂成形品(3mm厚み)とした時の暗所変色度(明細書にて規定)が3未満である耐暗所変色性に優れた透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
  2. グラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径が0.05〜2.0μ、ゴム強化スチレン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)が0.2〜0.8dl/gである請求項1記載の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
  3. ポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率が1.40〜1.60である請求項1〜記載の透明持続性帯電防止熱可塑性樹脂組成物。
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