JP5949395B2 - Ito粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧粉体にしたときに低い体積抵抗率を示すITO粉末の製造方法に関するものである。本明細書において、ITOとはインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide)をいう。
ITOは、Inに錫(Sn)をドープした化合物であり、1020〜1021cm−3の高いキャリア濃度を有し、スパッタリング法等の気相法で成膜したITO膜では、1×10−4Ωcm程度の低い抵抗率が得られる。しかしながら、ITO粉末の状態では、通常、その抵抗値は高抵抗であり、10Ωcm以上の範囲にある(例えば、特許文献1及び2参照。)。ITO粉末の抵抗値を低下させるために、特許文献1又は2に記載された方法では、アルコキシド法により調製されたITO粉末をアルコールガス又はヒドラジン水化物ガスを含有する不活性ガス雰囲気中で200〜450℃の温度で加熱して、脱酸素を行い、酸素の格子欠陥を生じさせている。これらの方法によれば、100kgf/cm(9.80MPa)の圧力を加えたとき、0.01〜0.50Ωcmの範囲に低抵抗化されたITO粉末が得られる。
またITO粉末を低抵抗化する別の方法として、塩化インジウム及び塩化錫の混合水溶液を、混合の最終pHが2〜8となる量のアンモニウム炭酸塩と5℃〜95℃で混合することによってインジウムと錫の水酸化物を共沈させ、得られた沈殿を400℃〜950℃で30〜8時間加水分解する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この製造方法によれば50kgf/cm(4.90MPa)の圧力を加えたとき、比抵抗が70Ωcm以下若しくは15Ωcm以下のITO粉末が得られる。またこの方法では、塩化錫として4価錫化合物であるSnCl水溶液を用いている。
特開平5−024837号公報(特許請求の範囲、段落[0005]、[0010]、[0011]) 特開平5−193940号公報(特許請求の範囲、段落[0005]、[0010]、[0011]) 特開平5−201731号公報(特許請求の範囲、段落[0012]〜[0015])
ITO粉末を低抵抗化するために、特許文献1及び2の方法では、ITO粉末をアルコールガス又はヒドラジン水化物ガスを含有する不活性ガス雰囲気中で加熱する後処理が必要があった。また従来の方法では、塩化錫として4価錫化合物であるSnClを用いるか、或いはSnClを用いている。即ち、単一の価数の原料を使用しているため、InイオンとSnイオンのイオン半径の違いにより、前駆体(例えば、水酸化物など)が不安定となり、Sn化合物が析出しやすく、十分にSnをドープすることができなかった。
本発明の目的は、粉末状態での後処理を要することなく、ITO粉末の圧粉体において従来より低い体積抵抗率を得ることができるITO粉末の製造方法を提供することにある。
また本発明の第の観点は、3価インジウム化合物と錫化合物の混合水溶液にアルカリ水溶液を混合して、インジウムと錫の共沈水酸化物を生成する工程と、前記沈殿物を純水又はイオン交換水で洗浄する工程と、前記沈殿物の上澄み液を捨ててインジウム錫水酸化物粒子が分散したスラリーを調製する工程と、前記スラリーを乾燥する工程と、前記乾燥したインジウム水錫酸化物を焼成してインジウム錫酸化物を得る工程とを含むITO粉末を製造する方法の改良である。その特徴ある点は、前記洗浄工程で、上澄み液の抵抗率が少なくとも5000Ω・cmになるまで洗浄し、前記焼成工程で、前記乾燥したインジウム水錫酸化物を大気中250〜800℃の範囲で0.5〜6時間焼成し、前記錫化合物が4価錫化合物と2価錫化合物の混合物であって、Sn4+:Sn2+の錫イオン比が90:10〜80:20の範囲にあることにある。
また本発明の第の観点は、第の観点に基づく発明であって、前記4価錫化合物がSnCl4水溶液であり、前記2価錫化合物がSnCl2・2H2O粉末であるITO粉末の製造方法である。
また本発明の第の観点は、第1又は第2の観点の方法により製造されたITO粉末を溶媒に分散させて分散液を製造する方法である。
更に本発明の第の観点は、第の観点の分散液からITO膜を製造する方法である。
また本発明の第の観点のITO粉末の製造方法では、インジウムと錫の共沈水酸化物を生成する工程で、錫化合物が4価錫化合物と2価錫化合物の混合物であって、Sn4+:Sn2+の錫イオン比が90:10〜80:20の範囲である。この範囲にすることによりインジウム錫水酸化物の前駆体の構造が安定するものと考えられ、これにより、この前駆体中に取り込まれるSnの量が増加し、In23の格子歪を増加させて、ITO粉末からなる圧粉体の低い体積抵抗率を得ることができる。
更に本発明の第の観点のITO粉末の製造方法では、SnCl4水溶液とSnCl2・2H2O粉末とを混合して錫含有水溶液を調製する。この4価錫化合物と2価錫化合物の組合せは汎用性やコストの点で優れている。
ITO粉末の圧粉体の抵抗率を測定する装置の模式図である。 ITOの格子歪の逆数とその抵抗率との関係を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を説明する。ITO粉末の抵抗率は、このITO粉末から作られるITO膜の特性を評価するうえで重要な指標である。特にITO膜を導電性シートや電極として使用する場合には、高い導電性、即ち低い抵抗率が求められる。
このITOはInに錫(Sn)を固溶させた固溶体であり、Inサイトに置換固溶したSn原子1つに対し、1つのキャリア電子が生成することで、高い導電性を発現させることができる。また、In3+のイオン半径(Shannon半径)が0.80Åであり、Sn4+のイオン半径(Shannon半径)がこれより小さい0.69Åであることから、InのInサイトへSnが固溶すると、Inの結晶格子に歪が生じると考えられる。従って、これら二つを総合すると、置換したSnが多い、即ちSnから生成したキャリア電子が多い程、Inの結晶格子の格子歪が大きくなると考えられる。
図2に示すように、Inの結晶格子の格子歪の逆数とITO粉末の圧粉体の体積抵抗率に直線関係が得られることから、格子歪が大きいほど、圧粉体の低い体積抵抗率を得ることができる。この高い格子歪を作り出すためには、前駆体であるインジウム錫水酸化物をより安定な構造にして、Inへの錫(Sn)の固溶量を増加することが必要になる。
Inへの錫(Sn)の固溶に関して、In3+とSn4+とSn2+の各イオン半径に着目すると、前述したように、In3+のイオン半径(Shannon半径)が0.80Åであり、Sn4+のイオン半径(Shannon半径)がこの0.80Åより小さい0.69Åである。一方、Sn2+のイオン半径(Shannon半径)は0.80Åより大きい1.18Åである。このIn3+とSn4+とSn2+の各イオン半径の差異から、錫化合物を4価錫化合物と2価錫化合物との混合物とした場合、In3+よりイオン半径が小さいSn4+が固溶することにより生じる歪を、In3+よりイオン半径が大きいSn2+が緩和することで、インジウム錫水酸化物の構造が安定するものと推察される。この前駆体の構造が安定になれば、この前駆体中に取り込まれるSnの量が増加し、Inの結晶格子の格子歪を増加させて、ITO粉末からなる圧粉体の低い体積抵抗率を得ることができる。
本発明のITO粉末の格子歪は0.2〜0.8の範囲にある。0.2未満ではIn23への錫(Sn)の固溶量が少なく、低い体積抵抗率が得られない。また0.8を超える値は本発明の製造方法では得られていない。
本発明のITO粉末は、以下の方法で製造される。先ず、3価インジウム化合物に4価錫化合物と2価錫化合物の混合物を混合して混合水溶液を調製する。この混合水溶液にアルカリ水溶液を混合して、インジウムと錫の共沈水酸化物を生成し、この沈澱を乾燥し、焼成した後、得られたインジウム錫酸化物を粉砕することにより得られる。3価インジウム化合物としては3塩化インジウム(InCl)、硝酸インジウム(In(NO))、酢酸インジウム(In(CHCOO))などが挙げられ、4価錫化合物としては、4塩化錫(SnCl)水溶液、臭化スズ(SnBr)などが挙げられ、2価錫化合物としては、2塩化錫(SnCl・2HO)、硫酸錫(SnSO4)、臭化スズ(SnBr)などが挙げられる。この4価錫化合物と2価錫化合物の組合せとして、SnCl水溶液とSnCl・2HO粉末とを混合することが汎用性やコストの点で好ましい。アルカリ水溶液としては、アルカリ金属の残留の心配のない、アンモニア(NH)水、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)水などが挙げられる。
3価インジウム化合物に混合する4価錫化合物と2価錫化合物の混合物の両者の混合割合は、Sn4+:Sn2+の錫イオン比で90:10〜10:90の範囲である。この範囲外となる、Sn4+が多すぎてSn2+が少なすぎる場合にはSnの水酸化物が析出しやすく、Snがドープされないため、導電性が低い不具合があり、Sn4+が少なすぎてSn2+が多すぎる場合にはSnOが析出しやすく、Snがドープされないため、導電性が低い不具合がある。好ましくは15:85〜85:15の範囲である。言い換えれば、3価インジウム化合物に混合する錫化合物が4価錫化合物のみの場合も、2価錫化合物のみの場合もSnがドープされにくい不具合がある。
インジウムと錫の水酸化物を共沈させるときの反応液の最終pHを3.5〜9.3、好ましくはpH5.0〜8.0、液温を5℃以上、好ましくは液温10℃〜80℃に調整することによって、インジウム錫の共沈水酸化物を沈澱させることができる。アルカリ水溶液の混合は、上記混合水溶液にアルカリ水溶液を滴下し、上記pH範囲に調整しながら行われるか、或いは上記混合水溶液とアルカリ水溶液とを同時に水に滴下し、上記pH範囲に調整しながら行われる。
上記共沈インジウム錫水酸化物の生成後、この沈殿物を純水又はイオン交換水で洗浄し、上澄み液の抵抗率が少なくとも5000Ω・cm、好ましくは少なくとも50000Ω・cmになるまで洗浄する。上澄み液の抵抗率が5000Ω・cmより低いと塩素等の不純物が十分に除去されておらず、高純度のインジウム錫酸化物粉末を得ることができない。抵抗率が5000Ω・cm以上となった上記沈殿物の上澄み液を捨て、インジウム錫水酸化物粒子が分散した粘度の高いスラリーを得る。
このスラリーを、大気中、好ましくは窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、100〜200℃の範囲で2〜24時間乾燥した後、大気中250〜800℃の範囲で0.5〜6時間焼成炉にて焼成する。この焼成により形成された凝集体をハンマーミルやボールミルなどを用いて粉砕してほぐし、ITO粉末を得る。このITO粉末を50〜95質量部の無水エタノールと5〜50質量部の蒸留水を混合した表面処理液に入れて含浸させた後、ガラスシャーレに入れて窒素ガス雰囲気下、200〜400℃の範囲で0.5〜5時間加熱すると、表面改質処理したITO粉末が得られる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。以下に示す実施例2、実施例3及び実施例5は実施例ではなく、参考例である。
<実施例1>
〔表面改質処理したITO粉末の製法〕
In金属濃度が24質量%の塩化インジウム(InCl)水溶液に、濃度55質量%の四塩化錫(SnCl)水溶液と二塩化錫(SnCl2HO)粉末とを混合した錫含有水溶液を添加し、攪拌して原料液を調製した。このとき、錫含有水溶液はSn4+:Sn2+の錫イオン比で表1に示す割合で四塩化錫と二塩化錫を混合して調製した。また原料液は錫含有水溶液を錫(Sn):インジウム(In)の質量比を表1に示すように混合した。
45℃に加温した純水中に、上記原料液と25質量%のアンモニア(NH)水溶液とをpHを調整しながら同時に滴下した。このとき反応温度を45℃、最終の反応液のpHを8.0に調整した。生成したインジウム錫共沈水酸化物である沈殿物をイオン交換水によって繰り返し傾斜洗浄を行った。上澄み液の抵抗率が5000Ω・cm以上になったところで、上記沈殿物の上澄み液を捨て、インジウム錫水酸化物粒子が分散した粘度の高いスラリーを得た
このスラリーを、大気中、110℃で10時間乾燥した後、大気中600℃で3時間焼成し、凝集体を粉砕してほぐし、ITO粉末を得た。このITO粉末を無水エタノールと蒸留水を混合した表面処理液(混合比率はエタノール95質量部に対して蒸留水5質量部)に入れて含浸させた後、ガラスシャーレに入れて窒素ガス雰囲気下、400℃にて2時間加熱して表面改質処理したITO粉末を得た。
〔ITO膜の製造〕
この表面改質処理したITO粉末20gを、蒸留水(0.020g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3G](23.8g)、無水エタノール(2.1g)、リン酸ポリエステル(1.0g)、2−エチルヘキサン酸(2.0g)、2,4−ペンタンジオン(0.5g)の混合液に入れて分散させた。調製した分散液を無水エタノールで固形分であるITO粉末の含有量が10質量%になるまで希釈した。この希釈した分散液をスピンコーティングにより石英ガラス板に塗布して成膜し、厚さ0.2μmのITO膜を得た。
<実施例2〜5>
実施例1と同じ塩化インジウムと四塩化錫と二塩化錫を用いて、表1に示す錫イオン比で、四塩化錫と二塩化錫を混合して錫含有水溶液を調製し、かつ表1に示す質量比で、この錫含有水溶液と原料液とを混合した。上記錫イオン比と上記質量比を変えた以外は、実施例1と同様にして、表面改質したITO粉末を得た。
<比較例1>
In金属濃度が24質量%の塩化インジウム(InCl)水溶液に、濃度55質量%の四塩化錫(SnCl)水溶液を添加混合し、InCl−SnCl混合溶液を調製した。このとき、混合溶液は錫(Sn):インジウム(In)の質量比が表1に示すように混合した。以下、実施例1と同様にして、表面改質したITO粉末を得た。
<比較例2>
In金属濃度が24質量%の塩化インジウム(InCl)水溶液に、二塩化錫(SnCl2HO)粉末を添加混合し、InCl−SnCl混合溶液を調製した。このとき、混合溶液は錫(Sn):インジウム(In)の質量比が表1に示すように混合した。以下、実施例1と同様にして、表面改質したITO粉末を得た。
<比較試験>
〔ITO粉末の格子歪〕
BrukerAXS社製、X線回折装置D8 Advanceを用いて、この装置に付属する試料ホルダーに実施例1〜5及び比較例1、2で得られた各ITO粉末を充填して2θ/θ=15〜90degの範囲でX線を照射し、得られた回折線からRietveld解析ソフトであるTOPAS(BrukerAXS社製)を使用し、プロファイル関数としてFPを用いたPawley法にて解析し、ローレンツ関数成分の半値幅から結晶子サイズと格子歪を算出した。測定は、CuKaを管球として用い、40kV、40mAとし、特定X線(波長1.54Å)でステップ間隔を0.05degとして行った。その結果を表1に示す。
〔ITO粉末の体積抵抗率〕
実施例1〜5及び比較例1、2で得られた各ITO粉末の体積抵抗率を図1に示す測定装置(三菱化学アナリティック製 MCP-PD51)を用いて測定した。その結果を表1に示す。具体的には、各ITO粉末の体積抵抗率の測定は、図1に示す、内径φが25mmのシリンダー1にITO粉末2.00gを充填し、4.9MPa(50kgf/cm)の圧力を加えて、実施例1〜5及び比較例1、2で得られたITO粉末の抵抗率をそれぞれ測定した。圧力は図示しない圧力センサにより、抵抗率は直流4端子法で測定した。図1において、2はITO粉末の圧粉体である。
Figure 0005949395
<評価>
表1から明らかなように、4価錫化合物のみの比較例1及び2価錫化合物のみの比較例2では、ITO粉末の格子歪がそれぞれ0.075%、0.155%であり、この場合には体積抵抗率が0.239Ωcm、0.201Ωcmであったのに対して、Sn4+:Sn2+の錫イオン比が90:10〜10:90の範囲にある実施例1〜5では、ITO粉末の格子歪が0.2〜0.8の範囲にあり、この場合には体積抵抗率は0.20Ωcm以下の範囲にあった。これにより格子歪が0.2〜0.8の範囲のITO粉末は体積抵抗率が低いことが立証された。

Claims (4)

  1. 3価インジウム化合物と錫化合物の混合水溶液にアルカリ水溶液を混合して、インジウムと錫の共沈水酸化物を生成する工程と、前記沈殿物を純水又はイオン交換水で洗浄する工程と、前記沈殿物の上澄み液を捨ててインジウム錫水酸化物粒子が分散したスラリーを調製する工程と、前記スラリーを乾燥する工程と、前記乾燥したインジウム水錫酸化物を焼成してインジウム錫酸化物を得る工程とを含むITO粉末を製造する方法において、
    前記洗浄工程で、上澄み液の抵抗率が少なくとも5000Ω・cmになるまで洗浄し、
    前記焼成工程で、前記乾燥したインジウム水錫酸化物を大気中250〜800℃の範囲で0.5〜6時間焼成し、
    前記錫化合物が4価錫化合物と2価錫化合物の混合物であって、Sn4+:Sn2+の錫イオン比が90:10〜80:20の範囲にあることを特徴とするITO粉末の製造方法。
  2. 前記4価錫化合物がSnCl4水溶液であり、前記2価錫化合物がSnCl2・2H2O粉末である請求項記載の製造方法。
  3. 求項1又は2記載の方法により製造されたITO粉末を溶媒に分散させて分散液を製造する方法。
  4. 請求項記載の分散液からITO膜を製造する方法。
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