JP5945124B2 - 電源回路 - Google Patents

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本発明は電源回路に関し、特に各種電気機器を動作させる低電圧駆動の基準電圧発生回路に適用して有用なものである。
電子機器の基準電圧発生回路として、例えば特許文献1の基準電圧用半導体装置が知られている。これは、同特許文献1の第3図に示されるように、デプレッション型のMOSトランジスタをゲートとソースを結線して定電流源とし、その電流をゲートとドレインを結線したエンハンスメント型のMOSトランジスタに流し込み、エンハンス型のMOSトランジスタMのVGSとして、エンハンス型のMOSトランジスタのVTNEとデプレッション型のMOSトランジスタMのVTNDとの差を出力させるように構成してある。
他にも、この種の基準電圧発生回路を開示する文献として特許文献2が知られている。また、これらの電子回路の基礎となる半導体物性に関する理論を開示する非特許文献1が知られている。
特公平4−65546号公報 特開2008−293409号公報
S.M.ジー著 「半導体デバイス」(第2版)
特許文献1に開示する基準電圧用半導体装置は、出力電圧(VTNE−VTND)が大きいのに加え、デプレッション型のMOSトランジスタMを飽和領域で動作させるため、デプレッションのVDSとして−VTND以上が必要となるので、最低動作電圧として(VTNE−2×VTND)という比較的大きな電圧が必要となる。
これに対し、近年の電子機器の小形化、実装密度の高密度化に伴い、より低い動作電圧で動作し、しかも温度特性等による影響を可及的に低減して長期に亘り安定した動作を維持し得る基準電圧発生回路ないし電圧検出回路の出現が待望されている。
本発明は、上記問題点に鑑み、最低動作電圧が小さく、低電圧の基準電圧を出力することができ、しかも正の温度特性、負の温度特性、またはフラットな温度特性を任意に得ることができる電源回路を提供することを目的とする。
まず、上記目的を達成する本発明の原理について説明しておく。ゲート・ソース電圧(以下、VGS)が0V以下で電流を流すことのできるデプレッション型のMOSトランジスタを、ドレイン・ソース電圧(以下、VDS)が小さくても飽和領域で動作するようにVGSを0V以下にバイアスし低電圧動作を可能とする。つまり、ゲートにはソースより低い電圧が印加される。すなわち、図1の回路図に示すように、デプレッション型のMOSトランジスタMのソースを接地し、ゲートにVGSの電圧を印加する。このときのドレイン電流(以下、Id)は、式(1)で与えられる。
Figure 0005945124
上式(1)において、KはMOSトランジスタMの導電計数、Vtはその閾値電圧である。
この結果、図4のId−VGS特性図に示すように、Idは右上がりの2次関数となる。
一方、図2の回路図に示すように、デプレッション型のMOSトランジスタMのゲートを接地し、ソースにVGSの電圧を印加すると、Idは、式(1)で与えられるので、図4において、右下がりの2次関数となる。図4において、図1の特性と図2の特性とはIds軸(VGS=0)に対して左右対称になる。また、ゲートを接地せずに、ソース電圧より低い一定電圧を印加しても、デプレッション型のMOSトランジスタMは飽和領域で動作することになり、図2の回路と同様の特性を示す。よって、回路動作の説明を分かりやすくするため、以後デプレッション型のMOSトランジスタMのゲートは接地されている場合についてのみ説明する。
ここで、図2の電圧源を、デプレッション型のMOSトランジスタMに流れる電流で電圧を発生し、負帰還のループを形成するように抵抗に置き換える。かかる回路を図3に示す。図3に示す回路では、抵抗負荷の直線と右下がりの2次関数の交点が動作点となるよう負帰還がかかる。ここで、ドレイン電流と抵抗負荷電流は等しいので、式(2)を得る。
Figure 0005945124
上式(2)において、V1はMOSトランジスタMのソースと抵抗Rとの接続点の電圧(出力電圧)である。ここで、R=−1/KVtとすれば、V1として(sqrt3−2)VTND(以下、VTNDはN型のデプレッショントランジスタの閾値電圧を意味する)を取り出すことができる。
かかる原理に基づく本発明の第1の態様は、
ドレインが電源に接続されデプレッション型の第1のMOSトランジスタと、一端が前記第1のMOSトランジスタのソースに接続されるとともに他端が接地されて前記第1のMOSトランジスタとの接続点に自己バイアスによる所定の基準電圧を発生させる負荷とを有する電源回路において、
前記第1のMOSトランジスタのゲートにソースより低い所定電圧を印加し、前記負荷を、ゲートとドレインとを結線したデプレッション型の第2のMOSトランジスタで構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する電源回路において、
前記負荷を、ゲートとドレインとを結線したエンハンスメント型の第3のMOSトランジスタで構成するとともに、前記第1のMOSトランジスタと第3のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第3の態様は、
第2の態様に記載する電源回路において、
前記第1のMOSトランジスタの代わりにそのゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタで構成されるとともに、前記第3のMOSトランジスタの代わりにそのゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタで構成され、前記第4のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第4の態様は、
第1の態様に記載する電源回路における第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとの接続点の電圧が、第3の態様に記載する電源回路における第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成するとともに、第3の態様に記載する電源回路における前記第4のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第5の態様は、
前記第4のMOSトランジスタと、ゲート電極の不純物濃度が、前記第4のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度であるゲートとソースとを結線した第6のMOSトランジスタとを直列に接続して接続点から基準電圧を取り出すように構成するとともに、第3の態様に記載する電源回路における出力電圧が前記第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第6の態様は、
第5の態様に記載する電源回路において、
前記第4のMOSトランジスタと第6のMOSトランジスタとで差動増幅器を構成するとともに、第3の態様に記載する電源回路における出力電圧が前記第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成するとともに、前記差動増幅器の出力として基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第7の態様は、
直列に接続した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタとゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタとの対と、直列に接続した、ゲート電極の不純物濃度が前記第4のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度である第6のMOSトランジスタおよびゲートとドレインを結線した前記第5のMOSトランジスタとの対とを並列に接続するとともに、前記第5のMOSトランジスタ同士がカレントミラー回路を構成するとともに、前記第4のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第8の態様は、
直列に接続した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタとゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタとの対と、直列に接続した前記第4のMOSトランジスタおよびゲートとドレインを結線し、ゲート電極の不純物濃度が前記第5のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度である第7のMOSトランジスタとを並列に接続するとともに、前記第7のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタでカレントミラー回路を構成するとともに、前記第4のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第9の態様は、
ゲートとドレインとを結線した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタと、直列に接続した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタおよびゲートとドレインを結線し、ゲート電極の不純物濃度が前記第5のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度である第7のMOSトランジスタと、前記第5のMOSトランジスタと第7のMOSトランジスタに流れる電流を等しくするカレントミラー回路とを有するとともに、前記第5のMOSトランジスタのドレインから基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
本発明の第10の態様は、
第5〜第9の態様のいずれか一つに記載する電源回路において、
同一半導体型でゲート電極の不純物濃度が一桁以上異なる濃度である各MOSトランジスタは、前記ゲート電極の不純物型が各MOSトランジスタのソース−ドレインと異種の半導体型であることを特徴とする電源回路。
本発明によれば、最低動作電圧を低くすることができるばかりでなく、従来よりも低電圧の基準電圧を容易かつ安定的に出力させることができる。
また、正の温度特性、負の温度特性を任意に実現し得るので、これらの組み合わせにより回路の温度特性をフラットなものとすることができる。
本発明の原理を説明するための第1の回路の回路図である。 本発明の原理を説明するための第2の回路の回路図である。 本発明の原理を説明するための第3の回路の回路図である。 上記第1〜第3の回路におけるId−VGS特性を示す特性図である。 本発明の実施の形態を示す各図面で使用するトランジスタの種類に応じたシンボルおよびそれぞれの特性等を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図6におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図8におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図10におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第4の実施の形態に係る基準電圧発生回路の原理を説明するための回路図である。 図12におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第4の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 本発明の第5の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図15におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第6の実施の形態に係る定電圧発生回路を示す回路図である。 本発明の第7の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図18におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第8の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図20におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第9の実施の形態に係る電圧検出回路を示す回路図である。 図22における入出力特性を示す特性図である。 本発明の第10の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図24におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の第11の実施の形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 図26におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係るMOSトランジスタの構造の第1の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るMOSトランジスタの構造の第2の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るMOSトランジスタの構造の第3の例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、各実施の形態を示す図面で使用するトランジスタの種類に応じたシンボルおよびそれぞれの特性等を図5にまとめて示しておく。なお、同図に示すように、本発明においてVBSは、主要因ではないので、VBS=0とする。つまり、すべてのMOSトランジスタについてソースとバックゲートをショートさせる記述となっている。バックゲートを独立させ、MOSトランジスタを四端子素子として記述しておき、バックゲート端子MOSの外部でGND電位に接続しても上側のMOSトランジスタにバックゲートバイアス効果を生じるだけで、本文説明において本質的な変更は生じない。
<第1の実施の形態>
図6は本形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る電源回路である基準電圧発生回路Iは、デプレッション型のMOSトランジスタM1に負荷として、ドレインとゲートとを結線したデプレッション型のMOSトランジスタM2を直列に接続して構成してある。すなわち、図3に示す回路の抵抗RをMOSトランジスタM2で置換した構成となっている。
かかる基準電圧発生回路において、高電位側のMOSトランジスタM1、低電位側のMOSトランジスタM2に流れるドレイン電流Idは等しいので次式(3)で表される。
Figure 0005945124
上式(3)において、KはMOSトランジスタM1の導電係数、KはMOSトランジスタM2の導電係数、VtはMOSトランジスタM1の閾値電圧(本形態ではVt=VTND)、V1は出力電圧である。
ここで、K=Kとすれば、V1=−VTND/4を得る。上式(3)のルートを取ると次式(4)となる。
Figure 0005945124
したがって、本形態におけるVGSとIdの平方根(以下、「sqrtId」と表記する)との特性は図7に示すようになる。同図に示すように、本形態における出力電圧V1は、右下がりの直線として与えられるMOSトランジスタM1の特性と、右上がりの曲線として与えられるMOSトランジスタM2の特性との交点として与えられる。
ここで、K=αKとすると、式(5)の関係が成立するので、これを解くことにより出力電圧V1は式(6)で与えられる。
Figure 0005945124
上式(5)においてαは正の整数である。
Figure 0005945124
同様に、K=0.2Kとすれば、V1=−VTND/2となる。
ここで、本形態におけるMOSトランジスタM1,M2は、いずれもデプレッション型であるので、VTNDのマッチングが良い。
かくして、K,Kの比率を変えることで、0<V1<−VTNDの範囲の出力電圧V1を取り出すことができる。K,Kの比率を変えても最低動作電圧は−VTNDである。また、VTNDの温度特性は負であるから、本形態における出力電圧V1としては正の温度特性を持ち、K,Kの比率で温度係数を任意に設定できる。
<第2の実施の形態>
図8は本形態に係る電源回路である基準電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る基準電圧発生回路IIは、デプレッション型のMOSトランジスタM1に負荷として、ドレインとゲートとを結線したエンハンスメント型のMOSトランジスタM3を直列に接続して構成してある。すなわち、図6に示す第1の実施の形態に係る基準電圧発生回路Iのデプレッション型のMOSトランジスタM2をエンハンスメント型のMOSトランジスタM3で置換したものである。
かかる基準電圧発生回路IIにおいて、高電位側のMOSトランジスタM1、低電位側のMOSトランジスタM3に流れるドレイン電流Idは等しいので次式(7)で表される。
Figure 0005945124
上式(7)において、KはMOSトランジスタM1の導電係数、KはMOSトランジスタM3の導電係数、VtはMOSトランジスタM1の閾値電圧(本形態ではVt=VTND)、VtはMOSトランジスタM3の閾値電圧(本形態ではVt=VTNE(以下、VTNEはN型のエンハンストランジスタの閾値電圧を意味する))、V1は出力電圧である。
上式(7)のルートを取ると次式(8)となる。
Figure 0005945124
したがって、本形態におけるVGSとsqrtIdとの特性は図9に示すようになる。同図に示すように、本形態における出力電圧V1は、右下がりの直線として与えられるMOSトランジスタM1の特性と、右上がりの直線として与えられるMOSトランジスタM3の特性との交点として与えられる。したがって、K=Kとすれば、V1=(VTNE−VTND)/2で与えられる。
ここで、K=αKとすると、上式(8)を解くことにより出力電圧V1は式(9)で与えられる。
Figure 0005945124
このように、K,Kの比率を変えることで、VTNE<V1<−VTNDの範囲の出力電圧V1を取り出すことができる。K,Kの比率を変えても最低動作電圧は−VTNDである。なお、本形態においては、図8から明らかな通り、Vt<−Vtの関係が成立しているのが前提となる。また、VTND,VTNEの温度特性は負であるので、導電係数K,Kの比率で温度係数を任意に設定できる。
<第3の実施の形態>
図10は本形態に係る電源回路である基準電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態におけるデプレッション型のMOSトランジスタM11はそのゲートを濃度NNのN型半導体で構成してある。また、MOSトランジスタM31はデプレッション型のMOSトランジスタのゲートを高濃度NPのP型半導体で構成して、エンハンスメント型として動作するように構成してある。かくして、本形態に係る基準電圧発生回路IIIは、デプレッション型のMOSトランジスタM11の負荷として、ドレインとゲートとを結線するとともに、高濃度NPのP型半導体でゲートを構成したエンハンスメント型のMOSトランジスタM31を直列に接続した構成となっている。すなわち、本形態に係る基準電圧発生回路IIIは、図8に示す第2の実施の形態に係る基準電圧発生回路IIのエンハンスメント型のMOSトランジスタM3をMOSトランジスタM31で置換したものである。
ここで、前記非特許文献1の38ページの図28および39ページの図29によると真性フェルミ準位から測ったフェルミ準位は、それぞれは次式(10)、(11)となる。
Figure 0005945124
Figure 0005945124
ここで、ゲート酸化膜厚、チャネル部のプロファイルを同じにすれば閾値電圧の差は、ゲートのフェルミ準位差となり式(12)を得る。
Figure 0005945124
ここで、(MOSトランジスタM11の導電係数K11)=(MOSトランジスタM31の導電係数K31)とすれば、V1=(VTNE−VTND)/2=VPN/2となり、十分濃度が濃ければ(例えば、1017〜1021/cm)、VPN(=VTNE−VTND)はシリコンのバンドギャップに近づく。
したがって、本形態では、出力電圧V1としてバンドギャップの半分の電圧を取り出すことができる。ただし、(MOSトランジスタM31の閾値電圧Vt31)<−(MOSトランジスタM11の閾値電圧Vt11)、すなわち(VTND+VPN)<−VTNDとともに、VTND+VPN>0の条件が必要になる。MOSトランジスタM31がエンハンスメント型のMOSトランジスタであるからである。
本形態に係る基準電圧発生回路IIIのVGSとsqrtIdとの特性は図11に示すようになる。同図に示すように、本形態における出力電圧V1は、右下がりの直線として与えられるMOSトランジスタM11の特性と、右上がりの直線として与えられるMOSトランジスタM31の特性との交点として与えられる。
前記特許文献1では、MOSトランジスタM1の動作点がVGS=0となっているのに対し、本形態では負帰還によりVGSを下げているためチャネルの反転レベルが下がる。K31=αK11として上式(9)を、VTND,VPNで表すと次式(13)を得る。
Figure 0005945124
ここで、VPN,VTNDはともに負の温度係数をもつ。例えば、VPNの温度特性を−1mV/℃、VTNDの温度特性を−2mV/℃とするとα=4/9=0.44で温度特性がフラットとなる。
ただ、αを0.44とすることは、図11に示すようにMOSトランジスタM11の動作点がチャネルの反転レベルをさらに下げる方向に動く。50度温度を下げれば、VTNDは100mV下がるため、温度特性をフラットにしようとしてα=0.44にするのが逆効果となっている。したがって、反転レベルに一番マージンのあるα=1近傍で使うのが現実的である。
<第4の実施の形態>
まず、図12に示す回路を説明する。同図に示すように、本回路IVは、第3の実施の形態である図10に示す基準電圧発生回路IIIのMOSトランジスタM11のゲートに電圧V2を印加したものである。ここで、K11=K31とすると、電圧V2=0のときには、第3の実施の形態においてK11=K31とした場合と同様の特性となる。
このときのVGSとsqrtIdとの特性を図13に示す。同図に示すように、電圧V2=0のとき、出力電圧V1(V2=0)は、M11(V2=0)の特性とM31の特性との交点で与えられる。かかる状態で電圧V2を上昇させると、出力電圧V1(V2≠0)は、図13の右方向にM11(V2=0)の特性をV2だけ平行移動させたM11(V2≠0)の特性とM31の特性との交点で与えられる。すなわち、出力電圧V1(V2≠0)は次式(14)で与えられる。なお、図13において、Vt11はMOSトランジスタM11の閾値電圧、Vt31はMOSトランジスタM31の閾値電圧である。
Figure 0005945124
本形態に係る電源回路である基準電圧発生回路Vは、図14に示すように、図12に示す回路IVの電圧V2を図6に示す第1の実施の形態に示す基準電圧発生回路Iの出力として得ている。すなわち、基準電圧発生回路Iと図12に示す回路IVとを組み合わせて基準電圧発生回路Iの出力電圧V1を電圧V2として回路IVのMOSトランジスタM11のゲートに印加するように構成したものである。
本形態の基準電圧発生回路Vは、MOSトランジスタM11のゲートが濃度NNのN型半導体、MOSトランジスタM31のゲートが濃度がNPのP型半導体として構成されており、チャネルの反転レベルのマージンを確保するため、導電係数K11、K31を揃えると、出力電圧V1は、V1=(VPN+V2)/2となる。
ここで、例えば、VPNの温度特性を−1mV/℃、VTNDの温度特性を−2mV/℃とすると、電圧V2を−VTND/2とすることで出力電圧V1の温度特性はフラットとなる。このためには、すでに第1の実施の形態で示したように、K=0.2Kとすればよい。この結果、温度特性をフラットにした本形態に係る基準電圧発生回路Vの出力電圧V1は次式(15)で与えられる。
Figure 0005945124
本形態に係る基準電圧発生回路Vにおける最低動作電圧は、M1−M2の経路が−VTND、M11−M31の経路がV2−VTND=−(5/4)・VTNDである。
<第5の実施の形態>
図15は本形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る基準電圧発生回路VIは、MOSトランジスタM11と、ソースとゲートとを結線したデプレッション型のMOSトランジスタM12を直列に接続して構成してある。ここで、MOSトランジスタM11はゲートを濃度NNのN型半導体で形成してあり、MOSトランジスタM12はゲートを濃度NNよりも一桁以上小さい濃度NNLのN型半導体で構成してある。
また、MOSトランジスタM11のゲートには、第3の実施の形態と同様の基準電圧発生回路IIIの出力である電圧V2を印加するように構成してある。
すなわち、本形態に係る基準電圧発生回路VIは、図14に示すMOSトランジスタM31をMOSトランジスタM12で置換するとともに、基準電圧発生回路Iを基準電圧発生回路IIIで置換したものである。
かかる本形態において、MOSトランジスタM11およびMOSトランジスタM12のゲートのフェルミ準位は次式(16)、(17)で表される。
Figure 0005945124
Figure 0005945124
ゲート酸化膜厚、チャネル部のプロファイルを同じにすれば閾値電圧の差(Vt12−Vt11)は、ゲートのフェルミ準位差となり、次式(18)で表される。
Figure 0005945124
上式(18)は、絶対温度に比例する電圧でもある。
本形態におけるVGSとsqrtIdとの特性を図16に示す。同図に示すように、M12のVGS=0である。ここで、(MOSトランジスタM11の導電係数K11)=(MOSトランジスタM12の導電係数K12)とすればM11の特性を表す直線とM12の特性を表す直線とは平行になり、M11のVGSは、VGS=−VPTATとなる。
したがって、出力電圧V1は次式(19)で与えられる。
Figure 0005945124
例えば、VPNの温度特性を−1mV/℃とすると、VPTATで0.5mV/℃の温度特性を持たせれば、出力電圧V1の温度特性はフラットとなる。
絶対温度300度でのkt/qは26mVであるので、次式(20)を解くことにより必要な濃度比が320であることが分かる。
Figure 0005945124
<第6の実施の形態>
図17は本形態に係る電源回路である定電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る定電圧発生回路VIIは、図10に示す第3の実施の形態の基準電圧発生回路IIIと、MOSトランジスタM11およびMOSトランジスタM12で形成した差動増幅器とを組み合わせて構成してある。ここで、第3の実施の形態と同様に、M11の導電係数K11=M31の導電係数K31である。したがって、V2=VPN/2となる。
また、M11のゲートは濃度NNのN型半導体、M12のゲートは濃度NNより一桁以上小さい濃度NNLのN型半導体としてある。そして、差動増幅器を構成するMOSトランジスタM11およびMOSトランジスタM12のそれぞれのソース同士が結線されており、M11を非反転入力,M12を反転入力としてある。なお、M11,M12はエンハンスメント型のMOSトランジスタで代替することもできる。
かくして、オフセットVPTATをもつ差動アンプの出力でPch型のMOSトランジスタM4を駆動し、MOSトランジスタM4のドレインとGND間の分割抵抗r,rを経由し、負帰還をかければ、V1=(VPN/2)+VPTATとなり、MOSトランジスタM4のドレインにはV1×(r+r)/rの電圧を得る。また、第5の実施の形態と同様に濃度比でVPTATを変え、V1の温度特性をフラットにすることができる。
なお、本形態においてVddに接続されている2個のソース電流限の電流値をiとすると、GNDに接続されている1個のシンク電流限には2iの電流値の電流が流れる。このことによりソース側と、シンク側との電流値が一致し、MOSトランジスタM11およびMOSトランジスタM12が作動入力回路となる。
<第7の実施の形態>
図18は本形態に係る電源回路である基準電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る基準電圧発生回路VIIIは、デプレッション型のMOSトランジスタM12,M11とエンハンスメント型のMOSトランジスタM31,M31とで構成されている。ここで、MOSトランジスタM11とゲート同士が結線されているMOSトランジスタM12のゲートは、MOSトランジスタM11の濃度NNよりも一桁以上薄い濃度NNLの同一半導体型であるN型の半導体となっている。一方、MOSトランジスタM31のゲートは濃度NPのP型半導体であり、MOSトランジスタM12に直列に接続されるMOSトランジスタM31とMOSトランジスタM11に直列に接続されるMOSトランジスタM31とでカレントミラー回路が構成されている。
ここで、(MOSトランジスタM12の導電係数K12)=(MOSトランジスタM31の導電係数K31)としてある。したがって、電圧V2=VPN/2である。ただし、本形態ではMOSトランジスタM12の濃度がNNLであるので、VPNは次式(21)で与えられる。
Figure 0005945124
本形態においては、(M11の導電係数K11)=(M12の導電係数K12)=(M31の導電係数K31)としてある。MOSトランジスタM31同士はカレントミラー回路となるように結線してあり同じ電流を流すようになっているので、このときのVGSとsqrtIdとの特性は図19に示すようになる。同図において、MOSトランジスタM11の動作点はM31の特性とM11の特性との交点として与えられる。かくして、本形態におけるMOSトランジスタM12のソース電圧である電圧V2=VPN/2となり出力電圧V1=(VPN/2)+VPTATを得る。
かかる本形態によれば、第5の実施の形態と同様に、濃度比でVPTATを変えることにより出力電圧V1の温度特性をフラットにすることができる。
<第8の実施の形態>
図20は本形態に係る電源回路である基準電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る基準電圧発生回路IXは、デプレッション型のMOSトランジスタM11,M11と、カレントミラー回路を構成しているエンハンスメント型のMOSトランジスタM32,M31とで構成されている。ここで、MOSトランジスタM32のゲートは、MOSトランジスタM31の濃度NPよりも一桁以上薄い濃度NPLの同一半導体型であるP型の半導体となっている。一方、MOSトランジスタM31のゲートは濃度NPのP型半導体である。
ここで、(MOSトランジスタM11の導電係数K11)=(MOSトランジスタM32の導電係数K32)としてある。したがって、電圧V2=VPN/2である。ただし、本形態ではMOSトランジスタM32の濃度がNPLであるので、VPNは次式(22)で与えられる。
Figure 0005945124
本形態においては、(M32の導電係数K32)=(M11の導電係数K11)=(M31の導電係数K31)とし、MOSトランジスタM32,M31はオフセットVPTATを持ったカレントミラー回路となるように結線してある。
このときのVGSとsqrtIdとの特性を図21に示す。同図に示すように、MOSトランジスタM11,M32にはM11の特性とM32の特性との交点の電流が流れ、MOSトランジスタM11,M31にはM11の特性とM31の特性との交点の電流が流れる。
かくして、ゲートとソースをそれぞれ結線した、同一導電型で一桁以上濃度の異なるMOSトランジスタM32,M31を負荷としたデプレッション型のMOSトランジスタM11のソース電圧である電圧V2=VPN/2となり、出力電圧V1=(VPN/2)+VPTATとなる。
MOSトランジスタM31およびMOSトランジスタM32のゲートのフェルミ準位は次式(23)、(24)で表される。
Figure 0005945124
Figure 0005945124
ゲート酸化膜厚、チャネル部のプロファイルを同じにすれば、閾値電圧の差(VPTAT)は、ゲートのフェルミ準位差となり、次式(25)で表される。
Figure 0005945124
上式(25)は、絶対温度に比例する電圧でもある。
かかる本形態によれば、第5の実施の形態と同様に、濃度比でVPTATを変えることにより出力電圧V1の温度特性をフラットにすることができる。
<第9の実施の形態>
図22は本形態に係る電源回路である電圧検出回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る電圧検出回路Xは、デプレッション型のMOSトランジスタM11とエンハンスメント型のMOSトランジスタM32,M32、M31とを有しており、第3の実施の形態のMOSトランジスタM31をMOSトランジスタM32に代えたV2=VPN/2を非反転入力とし、さらにMOSトランジスタM32,M31を用いたオフセットVPTATをもつコンパレーターで構成してある。
かくして、MOSトランジスタM32のゲートを非反転入力、MOSトランジスタM31のゲートを反転入力、ドレインを出力端子として構成してある。
かかる本形態によれば、図22における入出力特性を示す特性図である図23に示すように、V1=(VPN/2)+VPTATを閾値電圧としてそれよりも入力電圧Vinが小さい場合に出力電圧Voutが「1」となる。このことにより、入力電圧VinのV1に対する大小関係を検出することができる。
<第10の実施の形態>
図24は本形態に係る電源回路である電圧検出回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る電圧検出回路XIは、デプレッション型のMOSトランジスタM11と、エンハンスメント型のMOSトランジスタM32,M31と、カレントミラー回路とMOSトランジスタM11,M31の閾値Vtの差を分割するMOSトランジスタM1のソースフォロア回路で構成されている。
ここで、MOSトランジスタM32のゲートは、MOSトランジスタM31の濃度NPよりも一桁以上薄い濃度NPLの同一半導体型であるP型の半導体となっている。一方、MOSトランジスタM31のゲートは濃度NPのP型半導体である。
本形態においては、電圧V2を得るため直列に接続された(M11の導電係数K11)=(M31の導電係数K31)とし、オフセットVPTATのコンパレーターをなす(M32の導電係数K32)=(M31の導電係数K31)としてある。MOSトランジスタM32、M31はカレントミラー回路により同じ電流が流れるように構成してある。
ここで、オフセット電圧VPTATは前記式(25)で与えられる。また、電圧V2=VPNであり、前記式(12)で与えられる。電圧V3はMOSトランジスタM1のソースフォロア回路により次式(26)で与えられる。
Figure 0005945124
オフセットコンパレーターの反転レベルV1は電圧V3にオフセットVPTATを加えた式(27)となる。
Figure 0005945124
ここで、MOSトランジスタM31のゲートVinとドレインVoutを結線すれば、Voutに出力電圧Vinを得る。
かかる本形態によれば、抵抗R1,R2の分割比を変えることにより出力電圧Voutの温度特性をフラットにすることができる。
なお、図25は図24におけるVGS−sqrtId特性を示す特性図である。
<第11の実施の形態>
図26は本形態に係る電源回路である基準電圧発生回路を示す回路図である。同図に示すように、本形態に係る基準電圧発生回路XIIは、デプレッション型のMOSトランジスタM11と、エンハンスメント型のMOSトランジスタM32,M31と、カレントミラー回路で構成されている。ここで、MOSトランジスタM32のゲートは、MOSトランジスタM31の濃度NPよりも一桁以上薄い濃度NPLの同一半導体型であるP型の半導体となっている。一方、MOSトランジスタM31のゲートは濃度NPのP型半導体である。
また、(MOSトランジスタM11の導電係数K11)=(MOSトランジスタM31の導電係数K31)=(MOSトランジスタM32の導電係数K32)としてある。
このときのVGSとsqrtIdとの特性を図27に示す。同図に示すように、MOSトランジスタM11,M32にはM11の特性とM32の特性との交点の電流i1が流れ、MOSトランジスタM31にはPchのカレントミラー回路により同じ電流i1が流れる。したがって、基準電圧V1は電圧V2にVPTATを加えた次式(28)で与えられる。
Figure 0005945124
ただし、本形態ではMOSトランジスタM32の濃度がNPLであるので、VPNは前式(22)で、VPTATは前式(25)で与えられる。
また、MOSトランジスタM31のゲートとドレインを切り離せば、第9の実施の形態と同様にゲートを入力、ドレインを出力とする電圧V1の検出回路にも出来る。
<第12の実施の形態>
本形態は、上記第5〜第11の実施の形態に適用するMOSトランジスタの構造に関するものである。これらの各実施の形態においては、ゲートの不純物濃度を調整して所望の特性を得ている。この場合において、ゲートの半導体型とソース−ドレインの半導体型が同じ場合として図18に示す第7の実施の形態を例にとり考察する。
PTATを生むペアトランジスタはN型低濃度ゲートのMOSトランジスタM12およびMOSトランジスタM11からなる。
ここで、チャネルが形成される時の様子を模式的に図28および図29に示す。両図に示すように、P−well側では、反転層として、少数キャリアの電子がゲート酸化膜との界面に形成されるとともに、多数キャリアの正孔は電界により追い払われチャネル空乏層が形成される。ゲート側では、反転層として、正孔が酸化膜との界面に形成されるとともに多数キャリアの電子は電界により追い払われポリゲート空乏層が形成される。
この結果、実効的なゲート酸化膜厚は、ゲート酸化膜厚+ポリゲートの空乏層厚となり、ポリゲートの空乏層厚が不純物濃度により変わるので、少数キャリアがゲートにたまるペアトランジスタで導電係数を揃えることが困難となる。
一方、図20に示す第8の実施の形態のように、PTATを生むペアトランジスタのゲートがソース−ドレインと異なる半導体型であれば、図30に示すように、チャネル形成時にポリゲートにたまる電荷は多数キャリアとなるので空乏層は発生しない。
したがって、ゲート酸化膜が薄いときでも第7の実施の形態の場合のように導電係数を揃えることが困難とはならない。
したがって、PTATを生むペアトランジスタのゲートはソース−ドレインと異なる半導体型であるのが望ましい。
なお、上記実施の形態とともに自己バイアスのデプレッション型のMOSトランジスタを用いた低電圧動作の可能な、デプレッション型のMOSトランジスタのVtの取り出し回路、バンドギャップの半分のHBG電圧発生回路、ゲート電荷が多数キャリアのVPTAT、それらを用いた温度特性フラットな電圧発生回路、電圧検出回路を説明してきた。これらは全てペア性を基本としている。ペアのVBSを揃えたり、VBSに対するVtシフトが理論どおりのエピ基板を使えばプロセスマージンが増える。
ここで、VPTATを与えるMOSトランジスタの組み合わせはデプレッション型のMOSトランジスタに限らない。エンハンスメント型のMOSトランジスタであっても勿論構わない。Vtインプラ無しのウェル濃度だけ、さらにはエピ基板の濃度だけで決まるようにするとプロセスマージンが増える。
導電係数の比率は、MOSトランジスタのチャネル長、チャネル幅で精度良く制御できる。VBS=0に制限しない。γによりVTHOが下がるだけである。
上記、各実施の形態では、ゲートの不純物濃度で決まるVPN、VPTATをNchで説明したが、Pchでも同様である。VPNはNch、VPTATはPch等でも構わない。結線は、同電位とするのが目的であり、電流の流れない経路であれば抵抗を介しての接続も同義である。
ゲート電極の不純物濃度は、ゲート酸化膜との界面が最も閾値電圧に影響を及ぼす。
不純物濃度は、拡がり抵抗測定で測定できる電気的に活性なキャリア濃度でも、SIMSで測定できる原子でも良い。
上記実施の形態においてはMOSトランジスタのサブストレート電位には、制限をしていない。サブストレートとソースの電位差VBSによりVthは小さくなるが、最低動作電圧を小さくできるのはVGSに負帰還をかけ、飽和動作に必要なVDSを下げていることが主要因である。
前述の特許文献2では、図1の高電位側のトランジスタのゲートとサブストレート電位を共通にすることも、請求項にし、(1)式、図2で出力電圧Vrefの説明をするなど、誤りが多い。また、サイズ比により、温度変動を低減させることができるとあるが、説明してきたようにサイズ比を小さくすればM1、サイズ比を大きくすればM2の反転レベルを小さくしてしまう。
本発明は各種の基準電圧発生回路を製造・販売する産業分野で有効に利用することができる。
I〜III,V,VI,VIII,IX,XII 基準電圧発生回路
VII 定電圧発生回路
X,XI 電圧検出回路
M1,M2,M3,M11,M31,M12,M32 MOSトランジスタ

Claims (10)

  1. ドレインが電源に接続されデプレッション型の第1のMOSトランジスタと、一端が前記第1のMOSトランジスタのソースに接続されるとともに他端が接地されて前記第1のMOSトランジスタとの接続点に自己バイアスによる所定の基準電圧を発生させる負荷とを有する電源回路において、
    前記第1のMOSトランジスタのゲートにソースより低い所定電圧を印加し、前記負荷を、ゲートとドレインとを結線したデプレッション型の第2のMOSトランジスタで構成したことを特徴とする電源回路。
  2. 請求項1に記載する電源回路において、
    前記負荷を、ゲートとドレインとを結線したエンハンスメント型の第3のMOSトランジスタで構成するとともに、前記第1のMOSトランジスタと第3のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
  3. 請求項2に記載する電源回路において、
    前記第1のMOSトランジスタの代わりにそのゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタで構成されるとともに、前記第3のMOSトランジスタの代わりにそのゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタで構成され、前記第4のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
  4. 請求項1に記載する電源回路における第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとの接続点の電圧が、請求項3に記載する電源回路における第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成するとともに、請求項3に記載する電源回路における前記第4のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
  5. 前記第4のMOSトランジスタと、ゲート電極の不純物濃度が、前記第4のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度であるゲートとソースとを結線した第6のMOSトランジスタとを直列に接続して接続点から基準電圧を取り出すように構成するとともに、請求項3に記載する電源回路における出力電圧が前記第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成したことを特徴とする電源回路。
  6. 請求項5に記載する電源回路において、
    前記第4のMOSトランジスタと第6のMOSトランジスタとで差動増幅器を構成するとともに、請求項3に記載する電源回路における出力電圧が前記第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成するとともに、前記差動増幅器の出力として基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
  7. 直列に接続した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタとゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタとの対と、直列に接続した、ゲート電極の不純物濃度が前記第4のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度である第6のMOSトランジスタおよびゲートとドレインを結線した前記第5のMOSトランジスタとの対とを並列に接続するとともに、前記第5のMOSトランジスタ同士がカレントミラー回路を構成するとともに、前記第4のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
  8. 直列に接続した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタとゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタとの対と、直列に接続した前記第4のMOSトランジスタおよびゲートとドレインを結線し、ゲート電極の不純物濃度が前記第5のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度である第7のMOSトランジスタとを並列に接続するとともに、前記第7のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタでカレントミラー回路を構成するとともに、前記第4のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタとの接続点から基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
  9. ゲートとドレインとを結線した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のP型半導体であるエンハンスメント型の第5のMOSトランジスタと、直列に接続した、ゲート電極の不純物が所定の濃度のN型半導体であるデプレッション型の第4のMOSトランジスタおよびゲートとドレインを結線し、ゲート電極の不純物濃度が前記第5のMOSトランジスタと同一半導体型で一桁以上異なる濃度である第7のMOSトランジスタと、前記第5のMOSトランジスタと第7のMOSトランジスタに流れる電流を等しくするカレントミラー回路とを有するとともに、前記第5のMOSトランジスタのドレインから基準電圧を得るように構成したことを特徴とする電源回路。
  10. 請求項5〜請求項9のいずれか一つに記載する電源回路において、
    同一半導体型でゲート電極の不純物濃度が一桁以上異なる濃度である各MOSトランジスタは、前記ゲート電極の不純物型が各MOSトランジスタのソース−ドレインと異種の半導体型であることを特徴とする電源回路。
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