JP5940460B2 - 有機el装置の製造方法、有機el装置の製造装置、光電変換装置の製造方法及び光電変換装置の製造装置 - Google Patents
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Description
また有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL素子は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
有機EL装置は、自発光デバイスであるため、ディスプレイ材料として使用すると高コントラストの画像を得ることができる。また、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。また白熱灯や蛍光灯に比べて厚さが極めて薄く、且つ面状に発光するので、設置場所の制約が少ない。
また機能層203は、複数の有機化合物の薄膜が積層されたものである。代表的な機能層203の層構成は、図47の通りであり、正孔注入層210、正孔輸送層211、発光層212、及び電子輸送層213を有している。
ここで上記した各層の内、透明電極層202は、酸化インジウム錫(ITO)等の透明導電膜層であり、主にスパッタ法あるいはCVD法によって成膜される。
機能層203は、前記した様に複数の有機化合物の薄膜が積層されたものであり、各薄膜はいずれも真空蒸着法によって成膜される。
裏面電極層205は、アルミニウムや銀等の金属薄膜であり、真空蒸着法によって成膜される。
即ち真空蒸着装置は、真空室と、薄膜材料を蒸発させる蒸発装置によって構成されるものである。真空室は、ガラス基板を設置することができるものである。
蒸発装置は電気抵抗や電子ビームを利用した加熱装置と、薄膜材料を入れる坩堝とによって構成されている。
そして坩堝内の薄膜材料が、電気抵抗等によって加熱され、蒸発して上方に向かって飛散し、ガラス基板の下面に付着して成膜される。
本発明者らが開発した有機EL装置100は、集積型の有機EL装置である。集積型の有機EL装置100は、短冊状に形成された有機EL素子(以下、「単位EL素子」と称する)を電気的に直列に接続したものである。
即ち、集積型の有機EL装置100は、ガラス基板101に透明電極層102と機能層103及び裏面電極層104が順次積層されたものであるが、各層に溝110,111,112,113が形成されている。
さらに機能層103の第三溝112と裏面電極層104に設けられた第四溝113が連通し、全体として深い共通溝たる単位EL素子分離溝115が形成されている。
即ち外部から供給される電流は、透明電極層102側から機能層103を経て裏面電極層104側に向かって流れるが、裏面電極層104の一部が発光層分離溝111を介して透明電極層102と接しており、最初の単位EL素子120aを経て隣の単位EL素子120bの透明電極層102に流れる。この様に集積型の有機EL装置100では、各単位素子が全て直列に電気接続され、全ての単位素子が発光する。
即ち集積型の有機EL装置100を製造する際には、最初の工程として図45(a)の様にガラス等の透光性を有する基材101の上に、透明電極層102を成膜する。
透明電極層102には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2 )酸化亜鉛(ZnO)等が用いられる。透明電極層102はスパッタ法やCVD法によって基板101に形成される。
この工程は、透明電極層102が蒸着された基板101を真空蒸着装置から取り出し、レーザースクライブ装置に設置して行う。即ち大気環境下で第一レーザースクライブ工程を行う。
即ち第一レーザースクライブ工程を終え、さらに洗浄を終えた基板101を別途用意した真空蒸着装置に入れ、正孔注入層210を成膜する。
その後に基板101を真空蒸着装置から取り出し、さらに別途用意した真空蒸着装置に入れて正孔輸送層211を成膜する。
同様の手順で、発光層212及び電子輸送層213を別々の真空蒸着装置で成膜する。
即ち上記した製造方法では、機能層103を大気雰囲気中でレーザースクライブ(第二レーザースクライブ工程)する。また第二レーザースクライブ工程の後に、飛散した皮膜を除去するために表面を洗浄する。
しかしながら、有機EL素子を構成する膜のなかで、機能層103は酸化されやすい性質を持つ。また機能層103は吸湿性を持っている。そのため機能層103が露出した状態で基板101を大気中に暴露すると、大気中の湿度を吸収してしまう。また大気中の酸素によって酸化されてしまう。
さらに表面を洗浄する工程においても、吸湿や酸化の危険がある。
そのため、上記した工程を経て有機EL装置を製造すると、機能層103の信頼性が低下する。
即ち他の真空室で第1電極層を成膜し、第一レーザースクライブ工程を実施した後に、有機発光層を成膜する真空室に導入してもよい。もちろん、第1電極層の成膜と、有機発光層の成膜を同一の真空室で行ってもよい。
本様相の有機EL装置の製造方法では、有機発光層等の機能層の成膜と、機能層に対するレーザースクライブ工程を、真空雰囲気中で行う。加えて、本様相によると、レーザースクライブ工程を終えた基材を真空環境に維持した状態で、第2電極層を積層する。そのため真空環境下で、機能層に第2電極層を設けることができる。この状態で大気中に暴露しても、機能層が第2電極層によって被覆されているので、機能層が吸湿することはなく、機能層が酸化することもない。
さらに本様相では、レーザースクライブ工程を真空中で行うので、レーザースクライブ後の洗浄を省略することができる。即ち真空中でレーザースクライブを行うと、加熱部の周囲の気圧が低いので、レーザーによって瞬間的に蒸発した気体が急激に拡散する。そのため真空中でレーザースクライブを行うと、スクライブの際に発生する粉や飛沫が溝内に止まることは少ない。
そのためレーザースクライブ後に洗浄を行わなくても粉や飛沫が溝内に止まることは少ない。
さらに本様相の有機EL装置の製造方法によると、基材の出し入れ作業や、真空室内の圧力を大気圧に戻す作業、真空室を高真空状態に減圧する作業の回数が軽減される。
また本様相によると、基材の出し入れ作業や、真空室内の圧力を大気圧に戻す作業、真空室を高真空状態に減圧する作業の回数が軽減される。
本様相の有機EL装置の製造装置では、真空室内に基材を搬入したり、基材を搬出する用途のために基材を直線的に移動させる機能を持つことが推奨される。そこで本様相では、真空室内に基材側移動装置を設け、基材側移動装置と直交する方向にレーザー光学系部材を移動させる光学系移動装置を真空室の外に設けることとした。
一方、発光層分離溝は、直線状であり、且つ幅が狭いからレーザー光線を透過する幅は狭く且つ長いものであれば足る。
そこで本様相では、上記したように、真空室の透光性を有する部位をスリット状に構成することが好ましい。
図1,2に示す本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の製造装置(以下、「有機EL製造装置」と略する)250は、真空室251と、蒸着装置252と、レーザースクライブ装置301を有する。ここで、真空室251と蒸着装置252によって、1つの真空蒸着装置254が構成されている。換言すると、有機EL製造装置250は、真空蒸着装置254とレーザースクライブ装置301とで構成されている。
真空室251は、密閉空間を作ることができる部屋であり、本実施形態では、略直方体をしている。
真空室251の内部には、図示しない真空ポンプが配置されており、真空室251内を真空にすることができる。
蒸気チャンバー255は、厚みがある直方体の壁状をしている。即ち蒸気チャンバー255は、大面積の表面部257と裏面部258を有し、これと小面積の天面部260と側面部261,262及び底面部263によって直方体を構成している。
そして各小部屋266a,266b,266c,266d,266eには坩堝256a,256b,256c,256d,256eが一個ずつ内蔵されている。坩堝256a,256b,256c,256d,256eには図示しない電気ヒータが内蔵されており、薄膜材料を加熱して蒸発させることができる。
また蒸気チャンバー255は図示しない移動装置上に設置されており、直線的に移動することができる。即ち蒸気チャンバー255は、ガラス板253と平行に直線移動することができる。
本実施形態のレーザースクライブ装置301は、X・Yテーブル(移動装置)302と、レーザー光学系部材306によって構成されている。またレーザー光学系部材306は、4基のレーザー発生装置303a,303b,303c,303dと光学系部材305によって構成されている。
レーザー発生装置の台数は、レーザースクライブ工程の処理時間に応じて決まり、台数が多いほど処理時間は短くなるが、設備コストは上昇する。通常は2台〜8台程度が処理時間とコストを両立させる点から望ましい。
そのため移動テーブル315は平面上を移動可能である。
また本実施形態では、移動テーブル315上にレーザー光学系部材306が載置される。そのためレーザー光学系部材306は、移動テーブル315と共に垂直平面上を移動する。
さらに具体的には、本実施形態で採用するレーザー発生装置303a,303b,303c,303dは、2重クラッド型ファイバーレーザー装置である。2重クラッド型ファイバーレーザー装置で使用する光ファイバーは、コア部の周囲に当該コア部よりも屈折率の低い第一クラッド部があり、その外側にさらに屈折率が低い第二クラッド部を備える。
そして2重クラッド型ファイバーレーザー装置では、例えば半導体レーザーが励起光として光ファイバー内に導入される。
光ファイバー内に導入された励起光は、第一クラッド部と第二クラッド部の屈折率差による全反射により第一クラッド部に閉じ込められた状態を保ちながら伝搬する。そしてこの伝搬の際に励起光はコア部を繰り返し通過し、コア部のレーザー活性物質を励起する。
より具体的には、第1坩堝256aに正孔注入層210用の薄膜材料を入れ、第2坩堝256bに正孔輸送層211の薄膜材料を入れ、第3坩堝256cに発光層212の薄膜材料を入れ、第4坩堝設置室256dに電子輸送層213用の薄膜材料を入れる。
また残る第5坩堝256eに裏面電極層104を形成する成膜材料を入れる。
またガラス基板7の向きは、ガラス基板7側が真空室251の一面たるガラス板253に面し、透明電極層102は、蒸気チャンバー255側に面している。
ガラス基板7を真空室251の所定位置に配置した後、図示しない真空ポンプで、真空室251内を減圧する。
本実施形態では、この工程は、ガラス基板7を真空室251に設置した状態で行う。即ちガラス基板7を真空雰囲気中に置き、真空室251の外に設けられたレーザースクライブ装置301を使用して第一レーザースクライブ工程を行う。
ここでX・Yテーブル302は、真空室251の外であって、真空室251の一面を構成する透明なガラス板253に面した位置に設置されている。そのためレーザー光線は、図5に示すようにガラス板253を透過し、真空室251内のガラス基板7に照射される。ここでレーザー光線の焦点は、図5の様にガラス基板7と透明電極層102との境界部分に合わされる。その結果、透明電極層102のガラス基板7との境界部分が瞬間的に爆発し、そのガスで透明電極層102が吹き飛ばされる。
ここで真空室251内は真空であり、圧力が低いから、前記した爆発の勢いは大気中よりも強く、溝内に残渣を残さない。
その結果、透明電極層102に透明電極層分離溝110が形成される。
なお本実施形態では、4基のレーザー発生装置303a,303b,303c,303dを備えており、レーザ光の照射点は、略水平に並んでいるから、図7の様に、4条の透明電極層分離溝110が一度に形成される。
この工程を繰り返すことにより、図8に示す様に、ガラス基板7の全面に透明電極層分離溝110を形成する。
ガラス基板7の全面に透明電極層分離溝110を形成し終えると、図45(c)の工程たる機能層103の成膜を行う。
正孔注入層210用の薄膜材料は、第1坩堝256aから蒸発し、蒸気チャンバー255内部の第1小部屋266aを通過し、薄膜材料放出部267aからガラス基板7に向かって正孔注入層210用の薄膜材料を放出する(図9)。
また図示しない移動装置を動作させて、蒸気チャンバー255を直線的に移動させ、ガラス基板7上の透明電極層102の全面に、正孔注入層210を成膜する。
正孔注入層210の成膜を終えると、第1坩堝256a内の電気ヒータを停止し、薄膜材料放出部267aから放出される蒸気を停止する。
以下、同様の手順を踏んで、発光層212と電子輸送層213用を積層し、図45(c)の機能層103の成膜を終える。
第二レーザースクライブ工程は、前記した図45(b)の第一レーザースクライブ工程と同様の作業であり、本実施形態では、この工程をガラス基板7を真空室251に設置した状態で行う。即ち、先の工程たる機能層103の成膜に引き続いて第二レーザースクライブ工程を実行するものであり、真空室251は真空状態を維持している。
本実施形態では、ガラス基板7の位置及び姿勢ならびにガラス基板7が置かれる環境は、先の工程たる機能層103の成膜終了直後と何ら変わらず、ガラス基板7は真空雰囲気中に置かれ、且つガラス基板7の裏面側(成膜面とは反対側)は、真空室251の一面を構成する透明なガラス板253に面している。
即ち真空室251外に設けられたX・Yテーブル302を使用し、X方向ガイド312を動作させて移動テーブル315のX方向(水平方向)の位置を決め、レーザー光線を照射しつつ移動テーブル315をY方向(垂直方向)に移動させる(図10)。
X・Yテーブル302は、真空室251の外であって、真空室251の一面を構成する透明なガラス板253に面した位置に設置されており、レーザー光線は、図10に示すようにガラス板253を透過し、真空室251内のガラス基板7に照射される。ここでレーザー光線の焦点は、図10の様に透明電極層102と機能層103の境界部分に合わされる。その結果、透明電極層102と機能層103の境界部分が瞬間的に爆発し、そのガスで機能層103が吹き飛ばされる。
前記した様に、真空室251内は真空状態を維持しており、圧力が低いから、前記した爆発の勢いは大気中よりも強く、溝内に機能層103の残渣を残さない。
この工程を繰り返すことにより、図11に示す様に、ガラス基板7の全面に発光層分離溝111を形成する。これにより、有機発光層たる機能層103が複数の小発光領域に分割される。
ガラス基板7の全面に発光層分離溝111を形成し終えると、図45(e)の工程たる裏面電極層104の成膜を行う。
裏面電極層104用の薄膜材料は、第5坩堝256eから蒸発し、蒸気チャンバー255内部の第5小部屋266eを通過し、薄膜材料放出部267eからガラス基板7に向かって裏面電極層104用の薄膜材料を放出する(図12)。
また図示しない移動装置を動作させて、蒸気チャンバー255を直線的に移動させ、ガラス基板7上の機能層103の全面に、裏面電極層104を成膜する。
裏面電極層104の成膜を終えると、第5坩堝256e内の電気ヒータを停止し、薄膜材料放出部267eから放出される蒸気を停止する。
第三レーザースクライブ工程は、前記した第一及び第二レーザースクライブ工程と同様の作業であり、本実施形態では、この工程をガラス基板7を真空室251に設置した状態で行う。即ち、先の工程たる裏面電極層104の成膜に引き続いて第三レーザースクライブ工程を実行するものであり、真空室251は真空状態を維持している。
またガラス基板7の位置及び姿勢ならびにガラス基板7が置かれる環境は、先の工程たる裏面電極層205の成膜終了直後と何ら変わらず、ガラス基板7は真空雰囲気中に置かれ、且つガラス基板7の裏面側(成膜面とは反対側)は、真空室251の一面を構成する透明なガラス板253に面している。
単位EL素子分離溝115を形成する手順は、図13に示すとおりであり、前述した第一レーザースクライブ工程による透明電極層分離溝110の形成や、第二レーザースクライブ工程による発光層分離溝111の形成と同一であるから詳細な説明を省略する。
一つ特記すべき事項として、レーザー光線の焦点は、図13の様に透明電極層102と機能層103の境界部分に合わせる。その結果、透明電極層102と機能層103の境界部分が瞬間的に爆発し、そのガスで機能層103とその上の裏面電極層104が共に吹き飛ばされ、共通の溝たる単位EL素子分離溝115が形成される。
例えばYAGレーザーや、炭酸ガスレーザーを使用することもできる。
この様に上記した実施形態では、1基のレーザー発生装置303で1本の分離溝を形成するものであるが、レーザー発生装置303が発生するレーザ光を分岐することにより、1基のレーザー発生装置303を使用して複数本の分離溝を同時に形成することも可能である。例えば1基のレーザー発生装置303が発生するレーザ光を分岐して2〜8本の溝を同時に形成することができる。
例えば発光領域と非発光領域を分離するための溝や空隙を形成する工程を有機EL製造装置250内で行ってもよい。
具体的には、レーザースクライブ装置301を利用して真空室251内に設置したガラス基板7にレーザ光線を照射しつつ移動テーブル315を移動させ、所望の領域の積層体を除去する。
同様に非発光領域の積層物を除去する工程を有機EL製造装置250内で行ってもよい。非発光領域の積層物を除去する工程は、例えばガラス基板7の縁部分の積層体を除去する工程であり、当業者の間で、縁研磨スクライブとも称すべき工程である。実際の方法は、前記した溝や空隙を形成する方法と同様である。
即ちレーザースクライブ工程は、レーザー光線の焦点を直線状に移動させて所望の溝を設けるものであるから、レーザー光線が通過可能な幅のガラス等を真空室350の壁面にはめ込んだものであってもよい。
図14に示す真空室350では、真空室350の外郭が金属で作られている。そして真空室350の一面の壁に複数のスリット351が平行に設けられている。そして細長いガラス352がはめ込まれている。
本実施形態で採用する真空室350は、ガラス部分が小さいので、ガラス自体の剛性は低いもので足る。
本実施形態では、スリット351に沿って、移動テーブル315を移動させることとなる。
そしてレーザースクライブ部365を構成する外郭の一面にガラス板362がはめ込まれている。またレーザースクライブ装置301は、真空室361の外であって、ガラス板362の近傍に設けられている。
また真空室361の内部には、ガラス基板7を搬送する搬送装置(図示せず)が設けられており、当該搬送装置によってガラス基板7は成膜部363とレーザースクライブ部365の間を行き来する。
即ち既に透明電極層102が成膜されたガラス基板7を真空室361に入れ、図16で示されるように、ガラス基板7をレーザースクライブ部365に移動させて第一レーザースクライブ工程を行い、図45(b)の様に、透明電極層分離溝110を形成する。
さらにその後、ガラス基板7を成膜部363に移動させ、図45(e)の工程たる裏面電極層104の成膜を行う。
そしてさらに再度ガラス基板7をレーザースクライブ部365に移動させて図45(f)の工程たる第三レーザースクライブ工程を行って単位EL素子分離溝115を形成する。
そこで図17に示す有機EL製造装置370(第4実施形態)の様に、成膜部371,372を二箇所に設け、その間にレーザースクライブ部373を設ける。
本実施形態では、例えば第1成膜部371で機能層103を成膜し、第2成膜部372で裏面電極層104を成膜する。
その後に、ガラス基板7を第2成膜部372に移動させて裏面電極層104を成膜する。
さらに後に、ガラス基板7を中央のレーザースクライブ部373に移動させ、第三レーザースクライブ工程を行って、単位EL素子分離溝115を設ける。
図18,19に示す有機EL製造装置380は、真空室381の外部にレーザースクライブ装置382を備えているが、レーザースクライブ装置382は、Y軸方向にのみレーザー光線の焦点を移動させることができるものである。即ちレーザースクライブ装置382の移動装置(光学系移動装置)383は、二列一組のY方向ガイド385を備え、このY方向ガイド385に移動テーブル386が取り付けられている。従って移動テーブル386は、上下方向にのみ移動し、左右には動かない。
また真空室381の内部には、ガラス基板7を直線移動させる移動装置(基材側移動装置)388が設けられている。本実施形態の有機EL製造装置370では、ガラス基板7を一旦ガラス板387の前で停止し、レーザー光線を照射しつつ移動テーブル386を上下に移動させて、レーザースクライブを行う。
あるいは、ガラス基板7を直線移動しつつ、レーザー光線をガラス基板7に照射し、水平方向に延びる溝を形成してもよい。
図20に示す有機EL製造装置390では、成膜時には、ガラス基板7が蒸気チャンバー255側の位置にあり、均一に蒸着を行うことができる。
一方、スクライブ工程を行う場合には、ガラス基板7を真空室251の壁面を構成するガラス板253側に移動させる。例えばガラス基板7をガラス板253に密着させる。
そしてレーザー光線を照射しつつ、X方向ガイド312に隣接するX方向送りネジ321を回転させて、移動テーブル315をX方向(水平方向)に一定速度で移動させる。例えば、Y方向ガイド311を上から下に向かって移動させる。
その結果、透明電極層102に4条の透明電極層分離溝110が一度に形成される。
そして本実施形態の製造ライン500では、開閉扉505が搬送レール501側に向くように配置されている。
また搬送チャンバー502内には、図示しない搬送レール及び搬送駆動装置があり、有機EL製造装置250からガラス基板7を受け渡しすることができる。
その後、有機EL製造装置250内でガラス基板7に所定の成膜とスクライブが実行される。
先にガラス基板7を搬入した有機EL製造装置250内で所定の工程を終えたならば、搬送チャンバー502が再度その有機EL製造装置250の前に移動し、さらに前進してドッキングする。そして成膜されたガラス基板7を有機EL製造装置250側から搬送チャンバー502に移載し、搬送チャンバー502を走行して成膜されたガラス基板7を所定の位置に搬送する。
しかしながら、一つの真空室内で複数種類の層を積層するための方策は、これに限定されるものではなく、各種の構造が考えられる。以下、この構成を説明する(第10〜第18実施形態)。以下の説明において、レーザースクライブ装置301は、先の実施形態と同一であるから図示するだけに止め、詳細な説明を省略する。
また真空蒸着装置1は、第1坩堝設置室12aと、第2坩堝設置室12bと、第3坩堝設置室12cと、第4坩堝設置室12dと、第5坩堝設置室12eを持つ。
さらに真空蒸着装置1は、各部の温度を調節するための制御装置62を備えている。
真空室2は、気密性を有している。また真空室2には、真空ポンプ9が接続されており、内部を高真空雰囲気に保つことができる。また真空室2の一つの壁面520には、先の実施形態と同様にガラス板253で作られている。
坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12eの外周面には、設置室側電気ヒータ(発生部保温手段)18a,18b,18c,18d,18eが取り付けられている。さらに坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12eには設置室側温度センサー28a,28b,28c,28d,28eが設けられている。
坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12eの内部には、それぞれ蒸発装置5a,5b,5c,5d,5eが一個ずつ収納されている。
即ち蒸気チャンバー6の坩堝設置部16は、最も下部の位置にあって比較的広い空間を有し、その内部に前記した坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12eが並べて設置されている。また前記した様に坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12e内には、それぞれ蒸発装置5a,5b,5c,5d,5eが一個ずつ収納されている。
平面部20,21を繋ぐ側壁部22,23及び天面壁部24は、前記した平面部20,21よりも面積が小さい。
本実施形態では、平面部20,21と側壁部22,23及び天面壁部24によって縦方向蒸気通過部15が囲まれ、この縦方向蒸気通過部15が図26の様に坩堝設置部16と連通している。
薄膜材料放出部25は、当業者の間で、エリアソースと称される原料供給方式を採用するものであり、後記する様に各孔27から気化した薄膜材料を放出する。
即ち図26のレイアウトに示す様に、蒸気チャンバー6の坩堝設置部16は真空室2の下部にあり、蒸気チャンバー6の縦流路形成部26は真空室2の一方側に寄った位置に立設している。縦流路形成部26の平面部20(薄膜材料放出部25)は、真空室2の一方の壁面520に面し、薄膜材料放出部25の孔27は、いずれも当該壁面520側に向かって開いている。
なおガラス基板7の大きさは、薄膜材料放出部25と略等しい。
本実施形態では、5組の設置室側電気ヒータ(発生部保温手段)18a,18b,18c,18d,18eは、それぞれ個別に制御される。そのため本実施形態では、坩堝設置室(蒸発装置設置部)12a,12b,12c,12d,12eの温度を個別に制御することができる。即ち本実施形態では、坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12eの目標温度を制御装置62によって個別に制御することができる。
より具体的には、制御装置62は、第1坩堝設置室12aの目標温度を設定する第1温調節器62aと、第2坩堝設置室12bの目標温度を設定する第2温調節器62bと、第3坩堝設置室12cの目標温度を設定する第3温調節器62cと、第4坩堝設置室12dの目標温度を設定する第4温調節器62dと、第5坩堝設置室12eの目標温度を設定する第5温調節器62eとを備えている。
より具体的には、制御装置62は、蒸気通過部13の目標温度を設定する第5温調節器63を備えている。
そしてそれぞれの薄膜材料を蒸発させる。なお各坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12eの切り換えシャッター17a,17b,17c,17d,17eは閉じておく。
即ち第1温調節器62aの設定温度を正孔注入層210用の薄膜材料の蒸気を保温するのに適する温度に設定する。同様に第2温調節器62bの設定温度を正孔輸送層211用の薄膜材料の蒸気を保温するのに適する温度に設定し、第3温調節器62cの設定温度を発光層212用の薄膜材料の蒸気を保温するのに適する温度に設定し、第4温調節器62dの設定温度を電子輸送層213用の薄膜材料の蒸気を保温するのに適する温度に設定する。また第5温調節器62eの設定温度を裏面電極層104用の薄膜材料の蒸気を保温するのに適する温度に設定する。
なお、薄膜材料の蒸気を保温するのに適する温度は、真空下における各薄膜材料の沸点よりも、摂氏10度から摂氏30度程度高い温度である。
即ち第5温調節器63の設定温度を、第1温調節器62aから第5温調節器62eの設定温度の中で、最も高い温度に一致させる。
即ち、図31(a)の様に、第1坩堝設置室12aに設けられた切り換えシャッター17aを開き、第1坩堝設置室12aの開口14aを開放する。その結果、第1坩堝10aで蒸発した正孔注入層210用の薄膜材料の蒸気が、切り換えシャッター17aから横方向蒸気通過部67内に入り、さらに縦方向蒸気通過部15を経て薄膜材料放出部25の孔27からガラス基板7に向かって放出される。
より具体的には、第1坩堝設置室12a内の薄膜材料の蒸気は、横方向蒸気通過部67(各坩堝設置室12a,12b,12c,12d,12eの上面65と、蒸気チャンバー6における坩堝設置部16の天井面66との間に形成された空間)を図面横方向に流れる。そしてさらに蒸気は、横方向蒸気通過部67から縦流路形成部26内に形成された縦方向蒸気通過部15に入る。さらにその蒸気は、薄膜材料放出部25の孔27からガラス基板7に向かって放出される。
さらにガラス基板7の外側の面には、基板保持壁3が接しており、基板保持壁3には冷却機能があるから、ガラス基板7の温度は、低温に維持されている。
また蒸気が蒸気通過部13(横方向蒸気通過部67と縦方向蒸気通過部15)を通過するのに要する時間は、極めて短いから、薄膜材料が変質することもない。
即ち、図31(b)の様に、第1坩堝設置室12aに設けられた切り換えシャッター17aを閉じ、開閉弁45を短時間だけ開いて、蒸気通過部13(横方向蒸気通過部67と縦方向蒸気通過部15)に不活性ガスを極僅かだけ導入する。
即ちボンベ47から供給される不活性ガスは、大気圧以下の圧力であるが、横方向蒸気通過部67は、高真空に減圧されているから、不活性ガスが横方向蒸気通過部67に導入され、さらに縦方向蒸気通過部15を通過して薄膜材料放出部25の孔27から放出される。
その結果、蒸気通過部13(横方向蒸気通過部67と縦方向蒸気通過部15)内に残留する薄膜材料の蒸気は、不活性ガスに押し出され、蒸気通過部13内が不活性ガスで置換される。
蒸気の流れの詳細は、前記した正孔注入層210の成膜と同様であり、横方向蒸気通過部67を横切って縦流路形成部26内に形成された縦方向蒸気通過部15に入り、さらに薄膜材料放出部25の孔27からガラス基板7に向かって放出される。
また蒸気が蒸気通過部13を通過するのに要する時間は、極めて短いから、薄膜材料が変質することもない。
掃気の方法及び作用は、前記した正孔注入層210の成膜後の掃気と同一である。
具体的には、図33(e)の様に、第3坩堝設置室12cに設けられた切り換えシャッター17cを開き、第3坩堝設置室12cを開放する。その結果、第3坩堝10cから蒸発した発光層212用の薄膜材料の蒸気が、切り換えシャッター17cから横方向蒸気通過部67内に入り、さらに縦方向蒸気通過部15を経て薄膜材料放出部25の孔27から、ガラス基板7に向かって放出される。
そしてさらに続いて電子輸送層213を成膜する。
具体的には、図34(g)の様に、第4坩堝設置室12dに設けられた切り換えシャッター17dを開き、第4坩堝設置室12dを開放する。その結果、第4坩堝10dから蒸発した電子輸送層213用の薄膜材料の蒸気が、切り換えシャッター17dから横方向蒸気通過部67内に入り、さらに縦方向蒸気通過部15を経て薄膜材料放出部25の孔27から、ガラス基板7に向かって放出される。
即ち図35(i)の様に、第5坩堝設置室12eに設けられた切り換えシャッター17eを開き、第5坩堝設置室12eを開放する。その結果、第5坩堝10dから蒸発した裏面電極層104用の薄膜材料の蒸気が、切り換えシャッター17eから横方向蒸気通過部67内に入り、さらに縦方向蒸気通過部15を経て薄膜材料放出部25の孔27から、ガラス基板7に向かって放出される。
その後、ガラス基板7を真空室2から搬出し、封止部206の形成、等を経て、集積型の有機EL装置100が完成する。
第10実施形態では、多数の孔27を有する薄膜材料放出部25を例示した。即ち、第10実施形態では、いずれもエリアソース(area source)と称される原料供給方式を採用するものであり、多数の孔27が面状に分布しているが、他の方式の原料供給方式を採用してもよい。
図36(第11実施形態)は、ポイントソース(point source)と称される原料供給方式を採用するものであり、一つの開口から原料を放出するものである。
即ち図36に示す真空蒸着装置70では、坩堝設置部71から管状の蒸気通過部72が突出している。そして蒸気通過部72は先端部分が水平方向に折り曲げられ、その開口75が、ガラス基板7に対向している。
また蒸気通過部72には、流路保温用電気ヒータ(通路保温手段)73が取り付けられている。
本実施形態においても、各坩堝設置室(蒸発装置設置部)の保温温度をそれぞれ個別に設定及び制御することができる。また蒸気通過部72の目標温度についても、各坩堝設置室とは独立して個別に設定及び制御することができる。
他の構成は、第10実施形態と同一である。
なお図37の構成を採用する場合には、ガラス基板7を開口列77に対して相対的に移動させる必要がある。
開口列77の近傍には、流路保温用電気ヒータ(通路保温手段)76が取り付けられている。
本実施形態においても、各坩堝設置室(蒸発装置設置部)の保温温度をそれぞれ個別に設定及び制御することができる。また蒸気通過部の目標温度についても、各坩堝設置室とは独立して個別に設定及び制御することができる。
他の構成は、第10実施形態と同一である。
図38(第13実施形態)に示す真空蒸着装置85では、5個の坩堝設置室(蒸発装置設置部)93a,93b,93c,93d,93eを有し、5個の坩堝設置室93a,93b,93c,93d,93eは、いずれも真空室2の外にある。また真空室2内には、前記した蒸気チャンバー6の蒸気通過部13に相当する蒸気チャンバー86が設けられている。そして5個の坩堝設置室93a,93b,93c,93d,93eと真空室2内の蒸気通過部13が管路88で接続されている。
管路88は主管部(主流路部)83と当該主管部83に接続された複数の分岐管部(分岐流路部)87とを有している。具体的には、管路88は、6個の導入側ポートと1個の吐出側ポートを有するマニホールド96を有し、吐出側ポートが真空室2内の蒸気通過部13に接続されている。
本実施形態で採用する開閉弁(切り換え手段)97a,97b,97c,97d,97eは、全閉状態にすることが可能である。
本実施形態の真空蒸着装置85では、各坩堝設置室93a,93b,93c,93d,93e内の坩堝10a,10b,10c,10d,10eに異なる種類の薄膜材料が投入される。
本実施形態の真空蒸着装置85では、開閉弁97a,97b,97c,97d,97eを切り換えることにより、ガラス基板7に向かって放出される薄膜材料を変更することができる。
第10実施形態の真空蒸着装置1(図26)と同様に、本実施形態の真空蒸着装置85においても、制御装置62によって流路保温用電気ヒータ(通路保温手段)50,51,53と設置室側電気ヒータ(発生部保温手段)18a,18b,18c,18d,18eが制御されている。そして、流路保温用電気ヒータ(通路保温手段)50,51,53と、設置室側電気ヒータ(発生部保温手段)18a,18b,18c,18d,18eとは、別個に温度設定が可能である。また設置室側電気ヒータ(発生部保温手段)18a,18b,18c,18d,18eは、それぞれ、個別に温度設定が可能である。
他の掃気方法としては、例えば図39(第14実施形態)の様に、空の小チャンバー55をマニホールド96の1つの導入側ポートに開閉弁56を介して接続し、掃気に際して開閉弁56を開き、小チャンバー55内の空気を真空室2の真空で吸引させる構成を採用することもできる。また小チャンバー55内を予め低真空に減圧しておき、真空室2内に吸引させる気体の量を少量に制限することもできる。同様の理由から、小チャンバー55の容積を真空室2や管路88及び蒸気チャンバー86の容積に対して十分小さなものとすることによって、真空室2内に吸引させる気体の量を少量に制限する方策も考えられる。
図41(第16実施形態)は、ガラス基板7を水平姿勢に保持して成膜を行う真空蒸着装置の例を示すものである。
図41に示す真空蒸着装置80は、基板保持壁81が真空室2の天面側に水平に配されている点と、薄膜材料放出部25及びこれを構成する流路形成部82が水平姿勢である点を除いて、図38に示す真空蒸着装置と同一の構造である。
そのため同一の部材に同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
図43に示す有機EL製造装置620では、真空室2の二面にレーザースクライブ装置301が設けられている。
本実施形態では、加熱装置603は、加熱源を内部に擁するプレート部分(図示せず)を備え、このプレート部分にガラス基板7を接触させてガラス基板7を加熱可能な構成となっている。また、プレート部分の横方向の中心部分と、その中心部分の外側に位置する両端部分の3つの部分がそれぞれ独立して温度調節可能となっている。そして、プレート部分にガラス基板7を接触させて加熱するとき、ガラス基板7の横方向の中心部部分とその両端部分とを、それぞれ独立して温度調節しつつ加熱可能となっている。このことにより、ガラス基板7をプレート部分に接触させて加熱するとき、ガラス基板7の横方向の中心部部分とその両端部分との間で温度のムラを無くし、ガラス基板7を均一に加熱することができる。
本実施形態では、冷却装置604は、冷却源を内部に擁するプレート部分(図示せず)を備え、このプレート部分にガラス基板7を接触させてガラス基板7を冷却可能な構成となっている。この冷却装置604のプレート部分もまた、プレート部分の横方向の中心部分と、その中心部分の外側に位置する両端部分の3つの部分がそれぞれ独立して温度調節可能となっている。そして、プレート部分にガラス基板7を接触させて冷却するとき、ガラス基板7の横方向の中心部部分とその両端部分とを、それぞれ独立して温度調節しつつ冷却可能となっている。このことにより、ガラス基板7をプレート部分に接触させて冷却するとき、ガラス基板7の横方向の中心部部分とその両端部分との間で温度のムラを無くし、ガラス基板7を均一に冷却することができる。
即ち、既に透明電極層102が成膜されたガラス基板7を真空室601に入れ、ガラス基板7をレーザースクライブ部365に移動させてレーザースクライブ工程(第一レーザースクライブ工程)を行い、図45(b)の様に、透明電極層分離溝110を形成する。続いて、ガラス基板7を成膜部363に移動させて図45(c)の工程たる機能層103の成膜を行う。
このように、ガラス基板7をレーザースクライブ部365と成膜部363との間で移動させ、レーザースクライブ工程と、ガラス基板7に対する成膜とをそれぞれ実施していく。
またその場合、成膜部363側からレーザースクライブ部365側へと向かうとき、そのまま縦方向の他方側よりの位置(図50における上側の位置)でガラス基板7を移動させてもよい。
ガラス基板7の搬送経路は、適宜変更してよい。
なお、成膜部363側からレーザースクライブ部365側へガラス基板7を搬送する場合も同様に、ガラス基板7が隙間L2,L1を乗り越えて進んでいく。
Claims (18)
- 基材上に少なくとも第1電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置の製造方法において、少なくとも第1電極層が成膜された基材を真空室に設置して少なくとも有機発光層を真空蒸着法によって成膜し、前記真空室にある基材を前記真空室内で真空環境下においた状態で基材にレーザー光線を照射して前記発光層分離溝を形成し、さらに前記真空室にある基材を前記真空室内で真空環境下においた状態で基材に第2電極層を積層することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
- 前記基材上に積層される各層を形成する薄膜のうち、複数の薄膜を同一の真空室で成膜することを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
- 有機EL装置は、有機発光層の小片部と第2電極層の小片部を一組とする単位EL素子に分割されており、有機発光層と第2電極層とを連通する単位EL素子分離溝によって単位EL素子が隣接する単位EL素子と分離され、第2電極層を積層した後に基材にレーザー光線を照射して前記単位EL素子分離溝を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置の製造方法。
- 基材側からレーザー光線を照射して前記発光層分離溝を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法。
- 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、前記真空室中において前記基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに前記真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに前記真空室中において前記基材に第二電極層を成膜可能であることを特徴とする有機EL装置の製造装置。
- 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
前記レーザースクライブ装置はレーザー光学系部材と、レーザー光学系部材を移動させる光学系移動装置を備え、前記光学系移動装置は真空室の外にあることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
前記レーザースクライブ装置はレーザー光学系部材と、基材又はレーザー光学系部材を移動させる移動装置を備え、真空室は一部又は全部が透光性を有し、レーザー光学系部材は真空室の外にあって、真空室の外からレーザー光線を照射して有機発光層に発光層分離溝を形成することが可能であることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
レーザー光学系部材を移動させる光学系移動装置と、基材を移動させる基材側移動装置を有し、光学系移動装置は真空室の外にあり、基材側移動装置は真空室の中にあり、光学系移動装置と基材側移動装置はそれぞれの移動対象物を相対的に直交方向に移動するものであることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
基材を真空室内で移動させる基材側移動装置を備え、前記真空室は一部又は全部が透光性を有するものであり、
前記基材は、前記真空室の透光性を有する部位に対して、前記真空室の内部側から近接可能及び/又は離反可能であることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 真空室の透光性を有する部位は、スリット状であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の有機EL装置の製造装置。
- 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
レーザースクライブ装置は、真空室内にあることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
レーザースクライブ装置はレーザー光線の焦点を変更可能であることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
基材を移動させる基材側移動装置を備え、
蒸着装置とレーザースクライブ装置とが基材の移動方向において離反した位置に設けられ、
前記基材上に積層される薄膜のうちの少なくとも1つの薄膜の成膜と、レーザースクライブ装置による溝の形成とを同一の真空室内の異なる領域で実施することを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
基材を移動させる基材側移動装置を備え、
複数の蒸着装置を有し、当該蒸着装置が同一真空室内の離反した位置にそれぞれ設けられており、
前記基材上に積層される薄膜のうちの少なくとも1つの薄膜と、他の少なくとも1つの薄膜とを同一真空室内の異なる位置で成膜することを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
前記蒸着装置は、基材上に積層される薄膜の材料を貯蔵可能な坩堝と、蒸着装置の内外を連通する薄膜材料放出部とを備え、
薄膜材料放出部は、複数設けられており、
前記蒸着装置の内部は、複数の領域に仕切られており、仕切られた領域のうちの複数の領域は、前記坩堝が配される坩堝配置領域を形成するものであって、
複数の坩堝配置領域がそれぞれ別の薄膜材料放出部と連続していることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第一電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層され、有機発光層が発光層分離溝によって複数の小発光領域に分割され、前記小発光領域が直列に接続された有機EL装置を製造する有機EL装置の製造装置において、真空室と蒸着装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、当該基材に少なくとも有機発光層を成膜可能であり、さらに真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって発光層分離溝を形成可能であり、さらに当該基材に第二電極層を成膜可能であり、
前記蒸着装置は、基材上に積層される薄膜の材料を貯蔵可能な坩堝と、蒸着装置の内外を連通する薄膜材料放出部とを備え、
前記蒸着装置の内部は、複数の領域に仕切られており、仕切られた領域のうちの複数の領域は、前記坩堝が配される坩堝配置領域を形成するものであって、
複数の坩堝配置領域が1つの薄膜材料放出部と連続していることを特徴とする有機EL装置の製造装置。 - 基材上に少なくとも第1電極層と、光発電機能又は発光機能を有する機能層と、第2電極層が積層され、機能層が機能層分離溝によって複数の小領域に分割され、前記小領域が直列に接続された光電変換装置の製造方法において、少なくとも第1電極層が成膜された基材を真空室に設置して機能層を成膜し、前記真空室にある基材を前記真空室内で真空環境下においた状態で基材にレーザー光線を照射して前記機能層分離溝を形成し、さらに前記真空室にある基材を前記真空室内で真空環境下においた状態で基材に第2電極層を積層することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
- 基材上に少なくとも第一電極層と、光発電機能又は発光機能を有する機能層と、第2電極層が積層され、機能層が機能層分離溝によって複数の小領域に分割され、前記小領域が直列に接続された光電変換装置を製造する製造装置において、真空室と成膜装置とレーザースクライブ装置を有し、真空室中に少なくとも第1電極層が成膜された基材を設置可能であると共に、前記真空室中において前記当該基材に機能層を成膜可能であり、さらに前記真空室中に基材を設置した状態でレーザースクライブ装置によって機能層分離溝を形成可能であり、さらに前記真空室中において前記基材に第二電極層を成膜可能であることを特徴とする光電変換装置の製造装置。
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