JP5937460B2 - 鞍乗り型車両の携帯端末収納構造 - Google Patents

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Description

本発明は、前部カバーに携帯端末を収納可能な収納部を設け、この収納部の上面に携帯端末を視認可能な透明な窓部を備えた鞍乗り型車両の携帯端末収納構造に関する。
スクータ型自動二輪車などの鞍乗り型車両には、前部カバーの後部にフロアトンネル部側に張出した張出部を設け、この張出部に、オーディオ装置を収納する収納室を設けた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の構成では、収納室内のオーディオ装置の表示部を透明な蓋で覆い、この透明な蓋の外側を後方側へスライド自在な不透明なカバーで覆っている。
特開2004−136734号公報
しかし、特許文献1の構成は、張出部の後端がフロアトンネル部の下端(フロアトンネル部の上面における最低高さ部分)よりも後方、すなわち、乗員シート側まで膨出しているため、乗員が乗り降りする際に跨ぎ難くなり、乗降性が悪化する、という課題がある。また、透明な蓋により内部を確認できるものの、張り出し部がフロアトンネル部側のひらけた領域に大きく張り出しているため、太陽光の影響を受けやすく、この収納室に携帯端末を収納しようとした場合は、携帯端末の視認性が悪化する上、太陽光により収納室内の温度が上昇しやすい、という課題もあった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、フロアトンネル部の跨ぎ性を良好に保ちながら、携帯端末の収納部への太陽光の影響を抑制することができる鞍乗り型車両の携帯端末収納構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、ヘッドパイプ(21)に回動自在に支持されるハンドル軸(25)に連結されるハンドル(27)と、前記ヘッドパイプ(21)の周囲を覆う前部カバー(55)と、前記前部カバー(55)の後下部と乗員シート(11)との間のフロアトンネル部(65)とを備え、前記前部カバー(55)に、前記乗員シート(11)側へ向けて膨出する膨出部(71)を設けるとともに、当該膨出部(71)に携帯端末(75)を収納可能な収納部(82)を設け、前記収納部(82)の上面に前記携帯端末(75)を視認可能な窓部(81)を備えた鞍乗り型車両の携帯端末収納構造において、前記膨出部(71)の後端は、前記フロアトンネル部(65)の上面における最低高さ部よりも前方に設けられ、前記窓部(81)は、前記ハンドル(27)の前端よりも後方、且つ、前記ハンドル(27)及び前記膨出部(71)の後端よりも前方であって、前記ハンドル(27)の上端よりも下方の領域に設けられ、前記窓部(81)は、後下がりに傾斜するとともに、前記前部カバー(55)に略連続する面を有し、前記収納部(82)は、前記窓部(81)よりも後下がりに急傾斜で前記携帯端末(75)が載置される載置面(89A)を有し、前記載置面(89A)により前記携帯端末(75)を後下がりに支持することを特徴とする。
この構成では、前部カバーの乗員シート側へ向けて膨出する膨出部の後端は、フロアトンネル部の上面における最低高さ部よりも前方に設けられ、携帯端末を視認可能な窓部は、ハンドルの前端よりも後方、且つ、ハンドル及び膨出部の後端よりも前方であって、ハンドルの上端よりも下方の領域に設けられているので、フロアトンネル部の跨ぎ性を良好に保ちながら、ハンドルを太陽光を遮蔽する庇として機能させて窓部、及び収納部への太陽光の影響を抑制し、携帯端末の視認性を良好にすることができる上、収納部内の温度上昇を抑えることができる。
また、前記窓部(81)は、後下がりに傾斜し、前記収納部(82)は、前記携帯端末(75)を後下がりに支持するので、窓部及び携帯端末を乗員の顔側に向けることができ、携帯端末の視認性を向上できるとともに、窓部及び携帯端末の配置に必要な前後スペースを小さくできる。
また、前記窓部(81)は、前記前部カバー(55)に略連続する面を有し、前記収納部(82)は、前記窓部(81)よりも後下がりに急傾斜で前記携帯端末(75)が載置される載置面(89A)を有するので、窓部の突出及び膨出部の後方への膨出を一層抑えながら、携帯端末の配置スペースを効率よく確保でき、携帯端末の配置の自由度を向上することができる。
また、上記構成において、前記ハンドル(27)を覆うハンドルカバー(72)を有するようにしても良い。この構成によれば、ハンドルカバーも太陽光を遮断する庇として機能し、太陽光の影響及び温度上昇をより抑制することができる。
また、上記構成において、前記ハンドルカバー(72)に、前記窓部(81)への日除けとなる庇部(72H)を設けるようにしても良い。この構成によれば、太陽光の影響及び温度上昇をより一層抑制することができる。
また、上記構成において、前記窓部(81)は、前記ハンドル(27)の最大転蛇時に車体平面視で前記ハンドル(27)の下方に重なる領域に設けられるようにしても良い。この構成によれば、ハンドルを最大転蛇して駐車する場合に、太陽光による携帯端末の温度上昇をより効果的に低減することができる。
また、上記構成において、前記窓部(81)は、車体平面視で前記ハンドル(27)の幅方向略中央位置に設けられるようにしても良い。この構成によれば、ハンドルを直進位置或いは左右に操舵しても常に見やすい位置に窓部を設けることができ、携帯端末の視認性を確保することができる。
また、上記構成において、前記窓部(81)は、前記携帯端末(75)に対して乗員側に配置され、当該鞍乗り型車両の運転中は透光状態に切り替わるとともに、非運転中は非透光状態に切り替わる透光量可変フィルタ(88)を有するようにしても良い。この構成によれば、非運転中に太陽光による携帯端末の温度上昇を抑制することができる。
本発明では、前部カバーの乗員シート側へ向けて膨出する膨出部の後端は、フロアトンネル部の上面における最低高さ部よりも前方に設けられ、携帯端末を視認可能な窓部は、ハンドルの前端よりも後方、且つ、ハンドル及び膨出部の後端よりも前方であって、ハンドルの上端よりも下方の領域に設けられているので、フロアトンネル部の跨ぎ性を良好に保ちながら、太陽光の影響を抑制して視認性を良好にすることができる上、収納部内の温度上昇を抑えることができる。
また、窓部は、後下がりに傾斜し、収納部は、携帯端末を後下がりに支持するようにすれば、携帯端末の視認性を向上できるとともに、窓部及び携帯端末の配置に必要な前後スペースを小さくできる。
また、窓部は、前部カバーに略連続する面を有し、収納部は、窓部よりも後下がりに急傾斜で携帯端末が載置される載置面を有するようにすれば、窓部の突出及び膨出部の後方への膨出を一層抑えながら、携帯端末の配置スペースを効率よく確保できる。
また、ハンドルを覆うハンドルカバーを有するようにすれば、太陽光の影響及び温度上昇をより抑制することができる。
また、ハンドルカバーに、窓部への日除けとなる庇部を設けるようにすれば、太陽光の影響及び温度上昇をより一層抑制することができる。
また、窓部は、ハンドルの最大転蛇時に車体平面視でハンドルの下方に重なる領域に設けられるようにすれば、ハンドルを最大転蛇して駐車する場合に、太陽光による携帯端末の温度上昇をより効果的に低減することができる。
また、窓部は、車体平面視で前記ハンドルの幅方向略中央位置に設けられるようにしても良い。この構成によれば、ハンドルを直進位置或いは左右に操舵しても常に見やすい位置に窓部を設けることができ、携帯端末の視認性を確保することができる。
また、窓部は、携帯端末に対して乗員側に配置され、当該鞍乗り型車両の運転中は透光状態に切り替わるとともに、非運転中は非透光状態に切り替わる透光量可変フィルタを有するようにすれば、非運転中に太陽光による携帯端末の温度上昇を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 車体前部を左側方から見た図である。 車体前部をシートに着座する乗員側から見た図である。 車体前部を上方から見た図である。 ハンドルを左側に最大転蛇した状態を上方から見た図である。 携帯端末収納部を周辺構成と共に示す斜視図である。 携帯端末収納部の縦断面図である。 第2実施形態に係る自動二輪車の携帯端末収納部の縦断面図である。 窓部を開いた状態の携帯端末収納部の縦断面図である。 窓部を取り除いた携帯端末収納部の斜視図である。 変形例の説明に供する車体前部を乗員側から見た図である。 ハンドルカバーを周辺構成と共に示す側断面図である。 変形例の説明に供する車体前部を上方から見た図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LEは車体左方を示している。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
自動二輪車(鞍乗り型車両)1は、乗員シート(以下、シートと言う)11に着座した乗員(運転者)RDが足を載せる低床のステップフロア12を有するスクータ型車両であり、車体フレームFの前方に前輪13を有し、駆動輪である後輪14は、車体フレームFの後部に連結されるユニットスイングエンジン(ユニットスイングパワーユニット)Uに軸支されている。車体フレームFは、合成樹脂製の車体カバーCによって覆われている。
車体フレームFは、前部に設けられるヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から後方に延出するダウンチューブ22と、ダウンチューブ22から後方に延出するリヤフレーム23とを有している。
ヘッドパイプ21は、ハンドル軸を構成するステアリングステム25を回動自在に支持する支持部材であり、このステアリングステム25の上部にハンドルホルダ26を介してバーハンドル(以下、ハンドルと言う)27が取り付けられるとともに、このステアリングステム25の下部に前輪13を軸支する左右一対のフロントフォーク28が取り付けられる。つまり、ステアリングステム25、ハンドル27及びフロントフォーク28によって、前輪13を左右に操舵する操舵系29が構成されている。
なお、ハンドル27には、左右一対のバックミラー31が取り付けられている。
ダウンチューブ22は、ヘッドパイプ21から後下がりに延びる左右一対の上部ダウンチューブ22Aと、上部ダウンチューブ22Aの下方にてヘッドパイプ21から後下がりに延びる左右一対の下部ダウンチューブ22Bとを有している。上部ダウンチューブ22Aは、シート11の下方に向かって緩やかな傾斜で後下がりに延び、シート11下方で下部ダウンチューブ22Bに連結される。
下部ダウンチューブ22Bは、上部ダウンチューブ22Aよりも急傾斜で後下がりに延びた後、屈曲して略水平に後方へ延び、この水平部分に上部ダウンチューブ22Aの後端部が連結され、この連結部よりも後方で後ろ上がりに延びてリヤフレーム23に連結される。
リヤフレーム23は、左右一対の上部ダウンチューブ22Aにおけるシート11前方位置から後上がりに各々延出し、自動二輪車1の後部まで延出する。このリヤフレーム23は、シート11を支持するとともに、シート11の下方に位置する不図示の収納ボックスを支持する。この収納ボックスは、上方に開口し、その上方に配置されるシート11によって開閉される。
上部及び下部ダウンチューブ22A,22Bで囲まれる領域には、燃料タンク34が配置され、これによって燃料タンク34がシート11より前方、且つ、下方に配置される。この燃料タンク34の前方において、下部ダウンチューブ22Bと前輪13との間には、ユニットスイングエンジンUを冷却するためのラジエータ35が配置されている。
ユニットスイングエンジンUは、その前部が下部ダウンチューブ22Bの後部に揺動自在に支持されることにより、燃料タンク34の後方、且つ、シート11の下方に配置される。このユニットスイングエンジンUは、エンジンEと、ベルト式の無段変速機構が収容された伝動ケースMとが一体化されたユニットスイング式であり、伝動ケースMの後部に後輪14が軸支され、後輪14を揺動自在に支持するスイングアームとしても機能する。伝動ケースMとリヤフレーム23との間には、リヤクッション36が介挿されている。
また、ユニットスイングエンジンUとシート11との間に空くスペースには、自動二輪車10の各部に電力を供給するためのバッテリー38やエンジン吸気系(不図示)などが配設される。また、車体フレームFには、自動二輪車1を駐車する場合に使用するサイドスタンド39やセンタースタンド40が収納自在に設けられている。なお、サイドスタンド39は、自動二輪車1を地面に対して左側に傾斜させた状態で自立させるスタンドであり、センタースタンド40は、自動二輪車1を地面に対して垂直の状態で自立させるスタンドである。
シート11は、自動二輪車1の前後の中央部から後部まで延びる前後に長いシートであり、運転者(乗員RD)が着座する前部シート11Aと、前部シート11Aよりも一段高く形成されて同乗者が着座する後部シート11Bとを一体に有している。
車体カバーCは、ヘッドパイプ21及びステアリングステム25の前方及び左右を覆うフロントカバー51と、ヘッドパイプ21の後方を覆うようにフロントカバー51に車体後方から取り付けられる上部インナーカバー52と、ハンドル27の下方でフロントカバー51と上部インナーカバー52との間を上方から覆い、メーター66(後述する図3参照)を囲うメーターカバーとしても機能する上面カバー53と、上部インナーカバー52の下部に連結される下部インナーカバー54とを有し、これらによって車体前部を覆う前部カバー(フロントカウルとも称する)55が構成される。
また、車体カバーCは、ステップフロア12の下方を覆うフロアスカート58と、シート11の下方で車体側方を覆うボディサイドカバー59などを有している。
図2は、車体前部を左側方から見た図である。
フロントカバー51の前端には、ヘッドライト61とウインカー62が支持され、フロントカバー51の前上部には、後上がりに傾斜してフロントカバー51よりも上方まで延びるウインドスクリーン63が設けられている。
上部インナーカバー52及び下部インナーカバー54の前部は、前部シート11Aに着座した乗員RD(図1)の脚の前方を覆うように車幅方向に張り出すとともに上下に延在し、レッグシールド部64を構成している。
また、下部インナーカバー54の前後中間部から後端の間は、上部ダウンチューブ22Aを上方から覆って車体前部とシート11との間を前後に延在して左右のステップフロア12間を上方に膨出し、これによってフロアトンネル部65を構成している。
詳述すると、フロアトンネル部65は、後下がりに傾斜する傾斜面を形成する前側フロアトンネル部65Aと、この前側フロアトンネル部65Aから後方へ延びるとともに、前側フロアトンネル部65Aよりも水平に近い傾斜で後方へ延びる後側フロアトンネル部65Bとを備えている。一般に、シート11の位置が決まれば、シート11に乗降する乗員RDが足を跨ぐ可能性の高い位置はおおよそ定まる。
本実施形態では、シート11に対して所定長さだけ前方に離れた位置P1を、予め想定した乗員RD(例えば、平均的な体格の乗員)が足を跨ぐ基準位置に設定し、この基準位置P1を、フロアトンネル部65の上面における最も低い部分(最低高さ部)に設定している。また、このフロアトンネル部65の最低高さ部P1よりも前方に、ハンドル(直進位置に設定したハンドル)27の後端位置P2を設定し、このハンドル27の後端位置P2よりも前方に、上部インナーカバー52及び上面カバー53によって形成されるシート11側へ膨出する膨出部71の後端位置P3を設定し、この後端位置P3よりも前方に、ハンドル27の前端位置P4を設定している。
また、上記前側フロアトンネル部65Aには、図1に示すように、燃料タンク34に設けられた給油口34Aの上方で開閉するフューエルリッド65Cが設けられ、このフューエルリッド65Cを開くことによって給油できるように構成されている。
図3は、車体前部をシート11に着座する乗員RD側から見た図であり、図4は、車体前部を上方から見た図である。
図2乃至図4に示すように、本自動二輪車1は、ハンドル27を覆うハンドルカバー72を備えている。ハンドル27は、車幅方向中央に位置してハンドルホルダ26に支持されるホルダ支持部27Aと、ホルダ支持部27Aの両端から後上がりに立ち上がる左右一対の立ち上がり部27Bと、立ち上がり部27Bの上端部から左右に延び、乗員RDが把持する左右一対の乗員把持部27Cとを一体に有している。そして、ハンドルカバー72は、車体側面視で、上面カバー53の前後略中央位置から後ろ上がりに立ち上がり、ホルダ支持部27Aおよび左右一対の立ち上がり部27Bの周囲を覆う上方凸のカバー部材に形成されている。なお、図2及び図4に示す符号P5は、ハンドル27の上端位置(高さ)であり、符号P6は、ハンドルカバー72の後端位置であり、符号P7はハンドルカバー72の前端位置である。
ハンドル27のホルダ支持部27Aは、前掲図2に示すように、上面カバー53における前後略中央位置に設けられており、このホルダ支持部27Aを境にした前側のスペースには、車両情報(車速など)を表示するメーター66(図3)が配置されており、ホルダ支持部27Aを境にした後側のスペースには、キーシリンダ67(図3,図4)が配置されている。
さらに、同図3に示すように、上部インナーカバー52の上部背面には、開閉自在な左右一対のリッド52Rが設けられ、これらリッド52Rによって前部カバー55内(フロントカバー51内)に設けた左右一対の前部収納ボックス(不図示)を開閉できるように構成されている。
ここで、ホルダ支持部27Aを境にした後側のスペース、つまり、前部カバー55におけるシート11側に膨出する膨出部71は、乗員RDの前方であって、乗員RDの顔に比較的近い位置にあり、特に乗員RDが見やすい位置である。そこで、本構成では、この膨出部71の上面に透明な窓部81(図3,図4)を設け、この窓部81を通して携帯端末75を視認可能に収納する携帯端末収納部82(図3,図4)を設けるようにしている。
まず、携帯端末収納部82のレイアウト及び周辺構造について説明する。
携帯端末収納部82は、携帯端末75として、乗員RDが携帯する携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの小型電子機器を収納するものであり、膨出部71の上面に設けられた窓部81の直下に携帯端末75を保持する。本実施形態の携帯端末75は、略薄側長方形の筐体の同一面に、表示画面75A(図3,図4)と操作子75B(図3,図4)を備えた携帯端末を図示するが、携帯端末75は、この構成に限らない。
図3及び図4に示すように、窓部81は、膨出部71における車幅方向中央に、前後方向よりも車幅方向に長い略矩形形状に形成され、膨出部71の上面を構成する上面カバー53の内部を視認可能に配置される。
この場合、窓部81は、図4に示すように、車体平面視で、ハンドル27のホルダ支持部27Aよりも後方であって、且つ、直進状態のハンドル27の左右一対の立ち上がり部27Bの間に納まるスペース内に設けられている。
また、上面カバー53は、図2、図7に示すように、車体側面視で後下がりに傾斜し、この上面カバー53の傾斜に沿って窓部81が配置されることにより、窓部81は、上面カバー53の上面と略連続する面を構成し、シート11に着座する乗員RD(図1)の顔側に傾斜する。
ここで、図5は、ハンドル27を左側に最大転蛇した状態を上方から見た図である。この操舵状態は、不図示のハンドルロック装置によってハンドルロックが可能な位置であり、サイドスタンド39又はセンタースタンド40を用いて駐車する際にハンドルロックすることで、この操舵状態に保持される。
この操舵状態でも、窓部81はハンドル27のホルダ支持部27Aよりも後方、且つ、車幅方向中央に配置されているので、この窓部81の殆どは、ハンドル27の左右一対の立ち上がり部27Bの間から上方に露出し、乗員RDに視認可能である。
但し、本実施例の窓部81は、様々な大きさの携帯端末75を視認可能にするために車幅方向に大きく形成しており、同図5に示すように、この窓部81の車幅方向一方側(左側)の一部が最大転蛇時のハンドル27の下に隠れるが、その殆どの領域は上方に露出し、内部の携帯端末75を乗員RDが十分に視認可能に構成されている。
これによって、ハンドル27を左右に操舵しても、窓部81を通して携帯端末75を乗員RDが視認することができ、視認性を維持することができる。なお、窓部81を、最大転蛇時のハンドル27の下に隠れないように小型にしても良い。
本構成では、図2に示すように、膨出部71の後端位置P3は、フロアトンネル部65の最低高さ部P1よりも前方に設けた構成とし、この構成の下、上記窓部81を、ハンドル27の前端位置P4よりも後方、且つ、ハンドル27の後端位置P2よりも前方であって、ハンドル27の上端位置P5よりも下方の領域に設けている。
この場合、膨出部71の後端位置P2がフロアトンネル部65の最低高さ部P1よりも前方に位置するので、乗員RDがフロアトンネル部65を跨ぐ際に膨出部71が邪魔にならず、跨ぎ性を良好に保つことができるとともに、窓部81が、上方に立ち上がるハンドル27及び上方凸形状のハンドルカバー72の後下方に近接して配置されるので、太陽が自動二輪車1の前方に位置する場合に、太陽光をハンドル27及びハンドルカバー72で遮り易く、窓部81への直射を抑えることができる。
これによって、ハンドル27周辺の車体構成部品を効果的に利用して、窓部81への太陽光の直射を抑えることができるようになる。しかも、同図2に示すように、窓部81は、ハンドルカバー72の後端位置P6より前方、且つ、前端位置P7より後方に位置するので、ハンドルカバー72によって窓部81への直射を効果的に抑えることが可能である。また、太陽の位置によっては、ハンドル27に設けた左右一対のバックミラー31によって窓部81への直射を抑えることも可能になる。
さらに、太陽が自動二輪車1の左右に位置する場合でも、ハンドル27の左右一対の立ち上がり部27Bや乗員把持部27Cが窓部81の左右に位置するので、ハンドル27などによって太陽光を遮り易く、窓部81への直射を抑えることが可能である。なお、太陽光が後方に位置する場合は、乗員RDによって太陽光が遮断されるので、窓部81への直射を抑えることができる。
これらにより、この自動二輪車1では、フロアトンネル部65の跨ぎ性を確保しながら、太陽がいずれの方向にあっても、ハンドル27などを利用して窓部81への直射を抑え、窓部81を日陰に位置させやすいようにすることができる。従って、太陽光による携帯端末75の視認性悪化や携帯端末75の温度上昇を抑えることができる。
しかも、本構成では、図2乃至図5に示すように、膨出部71の後下がりに傾斜する上面における車幅方向中央に、窓部81を同じ傾斜で設け、この窓部81を通して、シート11に着座する乗員RDが携帯端末75を視認可能に構成しているので、膨出部71のスペースを効率的に利用しながら、窓部81を乗員RD側に向けて配置することができ、携帯端末75を視認し易くできる。
また、図5に示すように、ハンドル27を最大転舵した場合にも乗員RD側に露出する領域に、窓部81を設けているので、ハンドル位置に依存せず、携帯端末75の視認性を確保できる。
また、ハンドル27の最大転蛇時には、車体平面視でハンドル27が窓部81に近接するので、この状態で駐車する場合に、窓部81への太陽光の直射をハンドル27やハンドルカバー72によってより遮り易くなる。従って、万が一、携帯端末75を収納した状態のまま長時間駐車した場合でも、ハンドル27を最大転蛇した状態(ハンドルロックを掛けた状態)にしておけば、太陽光による携帯端末75の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
次いで、携帯端末収納部82の構造を説明する。
図6は、携帯端末収納部82を周辺構成と共に示す斜視図であり、図7は、携帯端末収納部82の縦断面図である。
図6に示すように、膨出部71には、上面から背面に渡って連続する開口部71Bが形成され、この開口部71Bは、携帯端末収納部82の主フレームを構成する蓋部材85で覆われる。なお、この開口部71A内には、携帯端末75の下方にバッテリー38(図1)に接続された電力供給口77が設けられており、電力供給口77と携帯端末75とを配線接続することにより、携帯端末75の動作電力又は充電電力を、バッテリー38から得ることが可能である。
図7も参照して、蓋部材85は、膨出部71の上面の一部を構成するとともに窓部81が設けられる第1蓋部85Aと、膨出部71の背面の一部を構成する第2蓋部85Bとを有しており、蓋部材85の下縁近傍に設けられた回動軸85Cを支点として開閉自在に支持されている。
第1蓋部85Aには、後上方に向けて開口する開口部85Dが形成されており、この開口部85Dの内縁には、前下方に向かって突出する凸条部85Eが連続して設けられている。窓部81は、上記開口部85Dを覆う透明材料で形成される第1窓部87と、第1窓部87の下方に配置される第2窓部88とを有している。
第1窓部87は、その外縁に前下方に向かって凹む凹状部87Aを連続して備えており、この凹状部87A内に、シール部材91を介して、開口部85Dの凸条部85Eが挿入され、これによって、第1窓部87と開口部85Dとの隙間が閉塞される。
第2窓部88は、第1窓部87の下方を覆うように複数の複数の締結部材(本実施形態ではボルト)92を用いて第1蓋部85Aに固定されており、この第2窓部88の下方に、携帯端末75を載置する載置面89Aを構成する載置台89が設けられている。
図7に示すように、載置台89は、上面カバー53及び窓部81よりも後下がりに急傾斜で携帯端末75を少なくとも横置き可能な載置面89Aを構成する載置部89Bと、この載置部89Bの後下端から上方に立ち上がって載置部89B上の携帯端末75の後下方への移動を規制する立上壁89Cとを一体に有し、これらは上面カバー53に一体に形成されている。
このように、上面カバー53及び窓部81よりも後下がりに急傾斜で携帯端末75を載置することにより、膨出部71の後方への膨出量を抑えながら携帯端末75を膨出部71内へ収納することができ、また、膨出部71内の限られたスペースを利用して、比較的大型の携帯端末75を配置したり、より小型の携帯端末であれば縦置きにして配置することができ、配置の自由度を向上させることができる。
第2窓部88は、乗員RDと携帯端末75との間の透光量を可変する透光量可変フィルタである。より具体的には、この第2窓部88は、第1窓部87の下方を覆う大きさの透過型液晶パネルで形成されており、偏向フィルムの配置方向の設定により、電力が供給されない状態で黒表示(非透光状態)になるノーマリー・ブラック・モード(NBモード)に設定されている。
この自動二輪車1では、キーシリンダ67(図3〜図5)にキーを装着して所定操作によりキーオンした状態になると、バッテリー38からの電力が第2窓部88に供給され、キーオフした状態に切り替わると、バッテリー38から第2窓部88への電力供給が遮断されるように構成されている。
キーオン時は、エンジンE(ユニットスイングエンジンU)を始動してエンジン運転が可能な動作状態であり、自動二輪車1の運転中に相当する。このため、自動二輪車1の運転中は、透光量可変フィルタである第2窓部88が明表示(透光状態)に切り替わり、第2窓部88及び窓部81を介して乗員RDが携帯端末75を視認可能に維持される。
一方、キーオフ時は、エンジンE(ユニットスイングエンジンU)を停止して自動二輪車1の運転をしない状態であり、自動二輪車1の非運転中に相当する。この非運転中は、透光量可変フィルタである第2窓部88が黒表示(非透光状態)に切り替わるので、第2窓部88を光が通過せず、乗員RDが携帯端末75を視認不能になり、且つ、携帯端末75への太陽光が遮断される。
これによって、自動二輪車1に乗員RDが乗った運転中では、携帯端末75を視認可能にするとともに、乗員RDが自動二輪車1から降りた非運転中は、太陽光による携帯端末75の温度上昇を抑制することができる。この場合、電力遮断によって不透明となる第2窓部88を用いるので、駐車中の消費電力を抑えることも可能である。また、非運転中は視認不能になるため、万が一携帯端末75を置き忘れてしまった場合にも、外部から携帯端末75を目視されないようにすることができ、第三者によるいたずら等の防止、抑制を図ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、前部カバー55のシート11側へ向けて膨出する膨出部71の後端位置P3を、フロアトンネル部65の上面における最低高さ部P1よりも前方に設け、膨出部71の上面に設けられて携帯端末75を視認可能な窓部81を、ハンドル27の前端位置P4よりも後方、且つ、ハンドル27及び膨出部71の後端位置P2よりも前方であって、ハンドル27の上端位置P5よりも下方の領域に設けているので、フロアトンネル部65の跨ぎ性を良好に保ちながら、ハンドル27を太陽光を遮蔽する庇(ひさし)として機能させて窓部81、及び携帯端末収納部82への太陽光の影響を抑制し、携帯端末75の視認性を良好にすることができる上、収納部82内の温度上昇を抑えることができる。
また、窓部81は、後下がりに傾斜し、携帯端末収納部82は、携帯端末75を後下がりに支持するので、窓部81及び携帯端末75を乗員RDの顔側に向けることができ、携帯端末75の視認性を向上できるとともに、窓部81及び携帯端末75の配置に必要な前後スペースを小さくできる。
また、窓部81は、前部カバー55の一部を構成する上面カバー53に略連続する面を有し、携帯端末収納部82は、窓部81よりも後下がりに急傾斜で携帯端末75が載置される載置面89Aを有するので、窓部81の突出及び膨出部71の後方への膨出を一層抑えながら、携帯端末75の配置スペースを効率よく確保でき、携帯端末75の配置の自由度を向上することができる。
また、ハンドル27を覆うハンドルカバー72を有するので、このハンドルカバー72も太陽光を遮断する庇として機能し、太陽光の影響及び温度上昇をより抑制することができる。
さらに、窓部81は、車体平面視でハンドル27の幅方向略中央位置に設けられているので、ハンドル27を直進位置或いは左右に操舵しても常に見やすい位置に窓部81を設けることができ、携帯端末75の視認性を確保することができる。
また、ハンドル27の最大転蛇時には、図5に示すように、車体平面視でハンドル27が窓部81に近接するので、ハンドル27による庇効果がより向上し、ハンドル27を最大転蛇した駐車時に、携帯端末75の温度上昇をより抑制することができる。
また、窓部81は、携帯端末75に対して乗員RD側に配置され、自動二輪車1の運転中は透光状態に切り替わるとともに、非運転中は非透光状態に切り替わる透光量可変フィルタである第2窓部88を有するので、非運転中は太陽光による携帯端末75の温度上昇をより一層抑制することができる。
しかも、第2窓部88は、自動二輪車1の運転中にバッテリー38からの電力で透光状態に切り替わり、非運転中は電力の供給が遮断されて非透光状態に切り替わるので、非運転中である駐車中の消費電力を抑えることができる。
また、第2窓部88の上方を第1窓部87で覆っているので、第2窓部88へ雨水が付着することを効果的に防止できる。
但し、第2窓部88を防水構造や防滴構造に形成する場合は、第1窓部87を省略しても良い。また、第1窓部87と第2窓部88を一体構造で形成しても良いし、いずれかの窓部87,87を省略しても良く、様々なバリエーションを適用することができる。
<第2実施形態>
図8は第2実施形態に係る自動二輪車1の携帯端末収納部82の縦断面図である。
第2実施形態は、携帯端末収納部82が異なる点を除いて第1実施形態と同じである。この第2実施形態では、膨出部71の上面だけに開口部71Bが形成され、この開口部71Bを覆う透明な窓部81に携帯端末収納部82が一体に設けられている。
この窓部81は、開口部71Bを閉塞する透明な板部材で形成され、上面カバー53の上面と略連続する面を構成するとともに、開口部71Bを開閉自在に覆う蓋部材85としても機能し、閉じた際に膨出部71の上面の一部を構成する。つまり、第2実施形態の窓部81は、第1実施形態の第1窓部87に相当している。
この窓部81の下面には、携帯端末収納部82の主部を構成する載置台89が一体的に連結されており、この載置台89は、窓部81の下方に間隔を空けて、携帯端末75を載置する載置面89Aを構成する載置部89Bを有し、窓部81が閉じた状態では、載置面89Aを後下がりに傾斜する面にする。
また、膨出部71には、窓部81が閉じた位置にて載置部89Bを下方から支える支持板71Eと、この支持板71Eから後上がりに立ち上がり、載置部89B上の携帯端末75の後下方への移動を規制する立上壁71Fとが一体に形成されている。
この載置部89Bは、前上方に設けられた回動軸85Cを支点に回動自在に支持されている。
図9は、窓部81を開いた状態の携帯端末収納部82の縦断面図である。
この図に示すように、載置部89Bを回動軸85Cを支点に回動させて窓部81を開いた状態では、窓部81と載置部89Bとの間に、乗員RD側である後方に開口する開口部81Kが空き、この開口部81Kを通して、携帯端末75を携帯端末収納部82内に容易に出し入れ可能になる。
図10は、窓部81を取り除いた携帯端末収納部82の斜視図である。
この図に示すように、膨出部71には、載置台89の左右及び後方を囲うようにU字状に延びる内外二重の溝部71L,71Mが設けられており、内側の溝部71Lは、シール部材を入れるシール溝に形成され、外側の溝部71Mは、シール部材を入れない溝に形成される。
窓部81には、上記内外の溝部71L,71Mに対応する内外二重の凸条部94,95を有している。これら凸条部94,95は、窓部81から下方に向けて突出し、内側の凸条部94は、内側の溝部71L内のシール部材91に接触し、窓部81との間の隙間を閉塞し、外側の凸条部95は、外側の溝部71M内に入り、窓部81を膨出部71に位置決めさせる。
これによって、窓部81を閉じた状態に位置決めさせるとともに、窓部81との間の隙間を閉塞できる。
本構成においても、第1実施形態と同様に、前部カバー55からシート11側へ向けて膨出する膨出部71の後端位置P3を、フロアトンネル部65の上面における最低高さ部P1よりも前方に設け、膨出部71の上面に設けられて携帯端末75を視認可能な窓部81を、ハンドル27の前端位置P4よりも後方、且つ、ハンドル27及び膨出部71の後端位置P2よりも前方であって、ハンドル27の上端位置P5よりも下方の領域に設けているので、フロアトンネル部65の跨ぎ性を良好に保ちながら、ハンドル27を太陽光を遮蔽する庇として機能させて窓部81、及び携帯端末収納部82への太陽光の影響を抑制し、携帯端末75の視認性を良好にすることができる上、収納部82内の温度上昇を抑えることができる、という第1実施形態と同様の各種効果を得ることができる。
さらに、本構成では、図9及び図10に示すように、携帯端末収納部82が膨出部71の上部だけに形成されるので、携帯端末収納部82をコンパクトに形成することができるとともに、蓋部材85を兼用する窓部81の開閉量が、携帯端末75の厚さ程度で済み、窓部81の開閉に必要な上方スペースも小さく済む。
しかも、同図9及び図10に示すように、携帯端末75を、後下がりの窓部81と平行に載置しているので、携帯端末75の収納に要する上下スペースを短く形成でき、これによっても携帯端末収納部82をコンパクトに形成することができる。このため、膨出部71内の空きスペースが少ない場合に、本実施形態の構成を採用することが好ましい。
なお、携帯端末75を、窓部81及び上面カバー53と平行に配置する場合に限らず、第1実施形態のように、携帯端末75を、窓部81や上面カバー53よりも後下がりに急傾斜で配置するようにしても良く、要は、携帯端末75を視認可能な角度で配置すれば良い。さらに、本実施形態においても、携帯端末75に対して乗員RD側に、透光量可変フィルタを構成する第2窓部88(図7)を配置しても良い。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記各実施形態では、ハンドルカバー72によって窓部81への太陽光の直射を抑える場合について説明したが、ハンドルカバー72に、窓部81への日除けとなる庇部72Hを設けるようにしても良い。
図11及び図12は、第1実施形態のハンドルカバー72に庇部72Hを一体に設けた例を示しており、図11は、車体前部を乗員RD側から見た図であり、図12は、ハンドルカバー72を周辺構成と共に示す側断面図である。これら図に示すように、庇部72Hは、車体平面視(図11)でキーシリンダ67よりも後方に位置し、窓部81の幅をカバーするように車幅方向に延在し、車体側面視(図12)で、窓部81より上方にて車体後方に延出する。
また、庇部72Hの後端は、窓部81の後端よりも車体前方に設けられ、乗員RDは、庇部72Hで遮られることなく窓部81を視認可能となっている。
このように、窓部専用の庇部72Hを設けるようにすれば、窓部81への太陽光の影響及び温度上昇をより一層抑制することができる。また、庇部72Hをハンドルカバー72に一体に設けたため、ハンドルカバー72の成型時に庇部72Hを一体で形成することができ、部品点数の増大を回避でき、従来と同様の取付作業で取り付けもでき、コストアップを抑えることができる。
さらに、上述の実施形態では、窓部81の位置を、車体平面視でハンドル27の幅方向略中央位置にする場合を説明したが、これに限らず、窓部81の位置は、ハンドル27の前端よりも後方、且つ、ハンドル27及び膨出部71の後端よりも前方であって、ハンドル27の上端よりも下方の領域内で変更しても良い。この場合、窓部81をハンドル27と車体平面視で重なる位置に設けるようにすれば、効果的に窓部81周囲に日陰部分を形成することができる。
また、図13に示すように、窓部81の略全体を、ハンドル27の最大転蛇時に車体平面視でハンドル27の下方に重なる領域に配置するようにしても良い。この構成によれば、ハンドル27を最大転蛇して駐車する場合に、太陽光による携帯端末75の温度上昇をより効果的に低減することができる。
さらに、本発明は、図1に示した自動二輪車1に適用する場合に限らず、他の自動二輪車や自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両に適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
11 乗員シート
21 ヘッドパイプ
25 ステアリングステム(ハンドル軸)
55 前部カバー
65 フロアトンネル部
71 膨出部
72 ハンドルカバー
75 携帯端末
81 窓部
82 携帯端末収納部(収納部)
87 第1窓部
88 第2窓部(透光量可変フィルタ)
89A 載置面

Claims (6)

  1. ヘッドパイプ(21)に回動自在に支持されるハンドル軸(25)に連結されるハンドル(27)と、前記ヘッドパイプ(21)の周囲を覆う前部カバー(55)と、前記前部カバー(55)の後下部と乗員シート(11)との間のフロアトンネル部(65)とを備え、前記前部カバー(55)に、前記乗員シート(11)側へ向けて膨出する膨出部(71)を設けるとともに、当該膨出部(71)に携帯端末(75)を収納可能な収納部(82)を設け、前記収納部(82)の上面に前記携帯端末(75)を視認可能な窓部(81)を備えた鞍乗り型車両の携帯端末収納構造において、
    前記膨出部(71)の後端は、前記フロアトンネル部(65)の上面における最低高さ部よりも前方に設けられ、
    前記窓部(81)は、前記ハンドル(27)の前端よりも後方、且つ、前記ハンドル(27)及び前記膨出部(71)の後端よりも前方であって、前記ハンドル(27)の上端よりも下方の領域に設けられ
    前記窓部(81)は、後下がりに傾斜するとともに、前記前部カバー(55)に略連続する面を有し、
    前記収納部(82)は、前記窓部(81)よりも後下がりに急傾斜で前記携帯端末(75)が載置される載置面(89A)を有し、前記載置面(89A)により前記携帯端末(75)を後下がりに支持することを特徴とする鞍乗り型車両の携帯端末収納構造。
  2. 前記ハンドル(27)を覆うハンドルカバー(72)を有することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の携帯端末収納構造。
  3. 前記ハンドルカバー(72)に、前記窓部(81)への日除けとなる庇部(72H)を設けたことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両の携帯端末収納構造。
  4. 前記窓部(81)は、前記ハンドル(27)の最大転蛇時に車体平面視で前記ハンドル(27)の下方に重なる領域に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の携帯端末収納構造。
  5. 前記窓部(81)は、車体平面視で前記ハンドル(27)の幅方向略中央位置に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の携帯端末収納構造。
  6. 前記窓部(81)は、前記携帯端末(75)に対して乗員側に配置され、当該鞍乗り型車両の運転中は透光状態に切り替わるとともに、非運転中は非透光状態に切り替わる透光量可変フィルタ(88)を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の携帯端末収納構造。
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