JP5935127B2 - ジヒドロカルコン精製方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、工業的リンゴ加工から生じる乾燥ポリフェノール画分から出発する、ジヒドロカルコンが富化された、かつより特定的にはフロリジンが富化された抽出物の、改善された調製方法に関する。本発明はまた、当該方法により得ることができるジヒドロカルコン抽出物に関する。
世界的な園芸工業の発展により、大量の果物廃棄物が発生している。こうした残渣は、一般的に、炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、および他の生物活性二次代謝産物の、良好な供給源である。リンゴ果実は、様々な種類のアップルケーキ、アップルジュースおよびリンゴ果汁発酵飲料を製造するために食品工業において大規模に使用され、並行して、ともに多量の栄養学的に興味深い代謝産物を含有する、多量のリンゴ絞りかすまたはリンゴ果皮廃棄物流れを発生させている。リンゴ絞りかすは、種子、芯、茎、果皮、および柔組織の不均一混合物の形態を取る。リンゴ絞りかすは、一般的な食品ゲル化剤であるペクチンの主要供給源のうちの1つであり、生物工学的生産のためにも使用され得る。リンゴ中のフェノール化合物は、果実の様々な部分に存在しており、ヒドロキシ桂皮酸誘導体、モノマーおよびオリゴマーのフラバン−3−オール、ジヒドロカルコン、フラボノールなどといった、いくつかのクラスに分類され得る。リンゴ副生物の有効利用は、ますます話題となっており、リンゴ工業における収益性および/または持続可能性の達成に向けた重要なプロセスと考えられ得る。
フロリジン(グルコース、1−[2−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−4,6−ジヒドロキシフェニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノン);CAS No.:60−81−1は、有機化合物のジヒドロカルコンクラスのメンバーである。これは、グルコース部分とアルキルスペーサーにより連結された2個の芳香環とからなるものである。フロリジンは天然物であり、種々の果樹(リンゴ樹木の根、樹皮、シュート、葉および果実を含む)において見出され、それらから単離されており、イチゴ植物体のあらゆる部分からも単離されている。さらに、フロリジンは、非病理的形態の肥満を処置するために使用される(欧州特許第1338270号明細書)公知の強力なグルコース吸収遮断薬(uptake blocker)(国際公開第2001/15706号パンフレット)である。
フロリジンおよび/またはフロリジンが富化された天然抽出物は、通常さらなる高価なクロマトグラフィー工程を必要とする、複数の抽出工程(国際公開第2007/124102号パンフレット;欧州特許第1243586号明細書)、または選択的酵素工程(Will et al.LWT(2007),40:1344−1351)によって調製され得る。しかしながら、これまでの先行技術に記載されている精製技術は、それらは全てクロマトグラフィー工程または酵素工程を有するので、比較的高価であり、時間がかかり、工業廃棄物流れから出発して工業規模で運転することが困難である。
市場におけるフロリジンに対する需要が絶えず増加し続けていることから、本発明の目的は、実施が容易であり、かつ高収率の結果として経済的利益をもたらす、フロリジンの調製方法を提供することであった。さらに、本発明の方法は、より安定で、かつ非常に少ない量の望ましくないオルト−ジヒドロキシフェノール構造物(例えば、ケルセチンおよびその誘導体、フラボノール類、フラバノール類、ならびにヒドロキシ桂皮酸類)を含有する、より純粋な製品をもたらす。このことは、フロリジン調製物中の少量のケルセチンおよびその誘導体が貯蔵の間に酸化する傾向があり、それによってそのフロリジン調製物を茶色く変色させ、これは食品配合物における使用にとって望ましくないので、特に重要である。
驚くべきことに、本発明の方法は、他の技術の使用と比較して非常に低い加工費で、より高いジヒドロカルコン収率およびより少ないオルト−ジヒドロキシフェノール構造物をもたらすことが見出された。さらに、本発明の方法は、抽出および望ましくない副産物の選択的沈殿しか必要とせず、それにより、本方法は、先行技術のどの方法と比較しても著しくより費用効果の高いものとなっている。
したがって、本発明は、ジヒドロカルコンおよびその誘導体が富化された抽出物の調製方法であって、
(a)乾燥ポリフェノール抽出物を食品グレードの溶媒で抽出する工程と、
(b)(a)からの抽出物をアルカリ化する工程と、
(c)(b)からの結果として生じる溶液を酸化する工程と、
(d)(c)の混合物を濾過または遠心分離する工程と、
(e)任意選択で、(d)の結果として生じる溶液をエバポレートして残留溶媒を除去し、乾燥物を水に可溶化する工程と、
(f)結果として生じる抽出物を乾燥させる工程と
を含む方法を提供する。
ジヒドロカルコンおよびその誘導体とは、フロリジン、フロレチン、フロレチン−2’−O−β−D−キシロピラノシル−(1−6)−β−D−グルコピラノシド、および他のフロレチングリコシドから選択される、任意の化合物を意味する。
特定の実施形態において、出発材料として使用される原料は、工業的リンゴ加工から得られる乾燥ポリフェノール抽出物である。リンゴという語は、国産および野生のリンゴと解釈されるべきである。原料は、アップルジュースまたはリンゴ果汁発酵飲料製造からの残渣としてのリンゴ絞りかす、またはリンゴ絞りかすから得られるさらに精製されたポリフェノール抽出物、またはリンゴ果皮であり得る。より好ましくは、出発材料として使用される原料は、リンゴペクチン製造プロセスから得られる乾燥ポリフェノール抽出物である。さらにより好ましくは、国際公開第2001/78859号パンフレットに記載されているようなペクチン製造プロセスの結果として生じる乾燥ポリフェノール抽出物である。さらに、乾燥ポリフェノール抽出物が工業的リンゴ加工から得られる場合、好ましくは、それは、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも8重量%のフロリジンを含む。当該乾燥ポリフェノール抽出物はまた、5%までのケルセチンおよびその誘導体も含み得る。
別の実施形態において、本発明に従う方法の抽出工程(工程(a))は、純粋な食品グレードの溶媒、水、または水−溶媒混合物を用いて行われる。水−溶媒混合物は、1から最大99体積%の水、好ましくは最大50体積%、より好ましくは最大30体積%、さらにより好ましくは最大10体積%の水を含む。本発明に従う好ましい食品グレードの溶媒は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、3−メチル−1−ブタノール、プロパン−1−オール、2−メチル−1−プロパノール、イソプロパノール、1−ペンタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、エチルエーテル、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、アニソール、クメンから選択される。
さらなる実施形態において、工程(a)の抽出溶媒は、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールから選択される。さらにより好ましい食品グレードの抽出溶媒は、フロリジンを抽出することにおけるその有効性ならびにケルセチンおよびその誘導体の抽出に不利なその選択性から考えて、100%イソプロパノールである。
高い収率および迅速な抽出プロセスを確保するためには、本発明に従う抽出工程(工程(a))が可能な限り効率的であることが重要である。したがって、別の実施形態において、溶媒添加後の乾燥ポリフェノール抽出物は、粒子の完全な可溶化または分散に至るまで、超音波で処理される。好ましい実施形態において、100〜1000ワットのある量の超音波が、10リットルの水浴中で印加される。次いで、抽出は、当業者に知られている標準的な手順に従って最も良く行われる。これは、使用される温度および圧力に応じて抽出時間を調整しながら、抽出物−溶媒混合物に剪断力を導入する任意の従来の手段により行われ得る。好ましい実施形態において、抽出は、少なくとも10分間、周囲温度(18℃〜25℃の間)で混合しながら行われる。
さらなる実施形態において、工程(a)の抽出プロセスは、500/1〜10/1 リットル/キログラムの間、好ましくは500/1〜50/1 リットル/キログラムの間、より好ましくは300/1〜80/1 リットル/キログラムの間に含まれる溶媒と乾燥ポリフェノール抽出物との比を用いて行われる。
さらなる実施形態において、アルカリ化工程(b)は、pHがpH7〜pH14の間に含まれる、好ましくはpH8〜pH14の間に含まれる、さらにより好ましくはpH9〜pH14の間に含まれるまでの塩基の添加により行われる。このアルカリ化工程のために、4.5より小さい、好ましくは2より小さいpKを有する任意の強塩基が使用され得る。好ましくは、抽出溶媒に多量のアルカリ水溶液を添加するのを避けるために、水酸化ナトリウム(NaOH)が、可能な限り高い濃度で使用される。任意選択で、アルカリ化工程は、抽出プロセスの開始時に、同じ条件で行われ得る。
さらなる実施形態において、酸化工程(工程(c))は、工程(b)のアルカリ化された抽出物中に大気空気を通気することによって行われる。酸化の程度は、溶媒の体積およびポリフェノールの量に応じて調整される。好ましい実施形態において、1gの乾燥ポリフェノール抽出物を含有する溶媒100ml当たり、10〜80リットルの空気が通気される。酸化の程度は、HPLCにより、オルト−ジヒドロキシフェノール構造物の完全な酸化の測定によって、最も良く制御される。
さらなる実施形態において、工程(c)の酸化プロセスの終わりに、タンパク質が、酸化溶液に添加され、ここで、このタンパク質は、酸化溶液のpHにおいて正に荷電するものである。この正に荷電するタンパク質は、強力な清澄剤として作用する。任意の正に荷電するタンパク質が使用され得るが、好ましい実施形態においては、ゼラチンが使用される。正に荷電するタンパク質の濃度は、標準的な清澄手順に従って、酸化溶液の組成に応じて最適化されるべきである。
さらなる実施形態において、リジンおよび/またはシステインに富むタンパク質が、酸化溶液に添加される。好ましいリジンおよび/またはシステインに富むタンパク質は、植物由来のタンパク質である。特定の実施形態において、リジンおよび またはシステインに富むタンパク質は、リジンおよびシステインにより代表されるアミノ酸を少なくとも8%、好ましくは少なくとも10%、12%、14%、16%、18%、20%、または少なくとも22%含有する。
さらなる実施形態において、タンパク質が添加される場合、酸化された溶液のpHは、反応の終わりに酸または塩基を用いて上述のタンパク質の等電点に調整される。
濾過または遠心分離工程(d)は、あらゆる非可溶化粒子を除去するために、標準的な手順に従って行われる。次いで、結果として生じる上清は、任意選択で、溶媒のエバポレーションに供される。これは、任意の標準的なエバポレーション技術により行われ得る。乾燥工程(f)は、凍結乾燥または噴霧乾燥により、標準的な手順に従って行われ得る。
本発明はまた、本発明の方法により得ることができるジヒドロカルコン抽出物を提供する。好ましい実施形態において、ジヒドロカルコン抽出物は、1重量%未満のオルト−ジヒドロキシフェノール構造物を含む。より好ましくは、当該ジヒドロカルコン抽出物は、0.5重量%未満のケルセチンおよび/またはその誘導体を含む。
好ましい実施形態において、本発明に従うジヒドロカルコン抽出物は、10%より多くのジヒドロカルコン、ならびに1重量%未満のケルセチンおよび/またはその誘導体、より好ましくは、0.5重量%未満のケルセチンおよび/またはその誘導体を含む。
本発明はまた、本発明に従うジヒドロカルコン抽出物を含む、食品または機能性食品製品を提供する。
本発明を、以下の実施例によりさらに説明する。
[実施例]
[実施例1:ポリフェノール抽出物からのジヒドロカルコン、特にフロリジンの富化]
本実験においては、水浴中、100mlのねじ蓋ガラスフラスコ中で、0.5g(±0.0025g)の量のポリフェノール抽出物(Herbstreith&Fox;Neuenbuerg,DE)を、50mlのエタノールと共に、300rpmで30分間撹拌し、この試料を、最初の30秒以内において超音波に曝露した。全ての実験を、四重反復試験で行った。
UPLC−DAD/MS分析用に、2mlのアリコートを遠心分離し(13.2000rpmで3分)、次にこれを、メタノール/水(1:1、v:v)で1:6(v:v)に希釈した。残りを、NaOHを添加することによってpH値11に調整し、次に、2mlのアリコートを、UPLC−DAD/MS分析用に取り出した。その後、その塩基性抽出物を、1.3リットル/分の流量で空気を通気することによって15分間酸化し、沈殿物を、遠心分離(3220rcf、15分間)により分離した。上清を、50ml容量フラスコに移し、エタノールで満たした。これらの溶液の200μlのアリコートを、UPLC−DAD/MS分析用に取り出した。さらに、エタノールを、ロータリーエバポレーターを用いて30℃で除去し、残留物を、重量測定により定量化した。
さらに、全ての試料を凍結乾燥させた。この目的のために、ロータリーエバポレーションにより乾燥させた試料に、それらを溶解させるために5mlの水を添加した後、それらをイソプロパノール−ドライアイス混合物中で凍結させ、続いて凍結乾燥させた。
UPLC−DAD/MSによりλmax=285nmで定量化した酸化前および酸化後のエタノール抽出物のフロリジン含有量に基づき、凍結乾燥物のフロリジン量および凍結乾燥物中のその割合を求めた(表1)。さらに、プロセスの間のケルセチン含有量およびその誘導体の減少を、UPLC−DAD/MSによりλmax=370nmでモニタリングした。
Figure 0005935127

凍結乾燥後、抽出物重量(4つの実験の平均)は256mgであった。凍結乾燥物は、14.9重量%のフロリジン、および203mgの非フロリジン化合物を含有していた。
[実施例2:ポリフェノール抽出物からのジヒドロカルコン、特にフロリジンの富化]
本実験においては、水浴中、100mlのねじ蓋ガラスフラスコ中で、0.5g(±0.0025g)の量のポリフェノール抽出物(Herbstreith & Fox;Neuenbuerg,DE)を、50mlのイソプロパノールと共に、300rpmで30分間撹拌し、この試料を、最初の30秒以内において超音波に曝露した。全ての実験を、四重反復試験で行った。
UPLC−DAD/MS分析用に、2mlのアリコートを遠心分離し(13.2000rpmで3分)、次にこれを、メタノール/水(1:1、v:v)で1:6(v:v)に希釈した。残りを、1.1mlの1M NaOHを添加することによって10.50〜10.98の間のpH値に調整し、次に、2mlのアリコートを、UPLC−DAD/MS分析用に取り出した。その後、その塩基性抽出物を、1.3リットル/分の流量で空気を通気することによって15分間酸化し、沈殿物を、遠心分離(3220rcf、15分間)により分離した。上清を、50ml容量フラスコに移し、イソプロパノールで満たした。これらの溶液の200μlのアリコートを、UPLC−DAD/MS分析用に取り出した。さらに、イソプロパノールを、ロータリーエバポレーターを用いて30℃で除去し、残留物を、重量測定により定量化した。
さらに、全ての試料を凍結乾燥させた。この目的のために、ロータリーエバポレーションにより乾燥させた試料に、それらを溶解させるために5mlの水を添加した後、それらをイソプロパノール−ドライアイス混合物中で凍結させ、続いて凍結乾燥させた。
UPLC−DAD/MSによりλmax=285nmで定量化した酸化前および酸化後のイソプロパノール抽出物のフロリジン含有量に基づき、凍結乾燥物のフロリジン量および凍結乾燥物中のその割合を求めた(表1)。さらに、プロセスの間のケルセチン含有量およびその誘導体の減少を、UPLC−DAD/MSによりλmax=370nmでモニタリングした。
乾燥ポリフェノール抽出物中のケルセチンおよびその誘導体の量:10mg
精製生成物中のケルセチンおよびその誘導体の量:0.2mg未満
Figure 0005935127

酸化および凍結乾燥後、抽出物重量(4つの実験の平均)は111.7mgであった。凍結乾燥物は、24.5重量%のフロリジンを含有していた。

Claims (11)

  1. フロリジンが富化された抽出物の調製方法であって、
    (a)乾燥ポリフェノール抽出物を食品グレードの溶媒で抽出する工程と、
    (b)(a)からの前記抽出物をアルカリ化する工程と、
    (c)(b)からの結果として生じる溶液を酸化する工程と、
    (d)(c)の混合物を濾過または遠心分離する工程と、
    (e)任意選択で、(d)の結果として生じる溶液をエバポレートして残留溶媒を除去し、乾燥物を水に可溶化する工程と、
    (f)結果として生じる抽出物を乾燥させる工程と
    含み、前記乾燥ポリフェノール抽出物が、リンゴペクチン製造プロセスから得られるものである、方法。
  2. 工程(a)が、純粋な食品グレードの溶媒、水、または水−溶媒混合物を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶媒が、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、3−メチル−1−ブタノール、プロパン−1−オール、2−メチル−1−プロパノール、イソプロパノール、1−ペンタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、エチルエーテル、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、アニソール、クメンから選択される、請求項に記載の方法。
  4. 工程(a)で使用される前記溶媒が、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールから選択される、請求項または3に記載の方法。
  5. 工程(a)において、溶媒と乾燥ポリフェノール抽出物との比が、500/1〜10/1 リットル/Kgの間に含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程(b)の前記アルカリ化が、pHがpH7〜pH14の間に含まれるまでの塩基の添加により行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記酸化工程(c)が、前記溶液中に大気空気を通気することによって行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(c)において、タンパク質が、清澄剤として前記酸化された溶液に添加され、前記タンパク質は、前記酸化された溶液のpHにおいて正に荷電するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程(c)において、リジンおよび/またはシステインに富むタンパク質が、前記酸化された溶液に添加される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(c)において、前記酸化された溶液のpHが、前記タンパク質の等電点に調整される、請求項またはに記載の方法。
  11. 前記乾燥工程(f)が、噴霧乾燥により行われる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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