JP2018150276A - フロレチン配糖体類の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】純度をより高めてフロレチン配糖体類を精製できる新規な技術を提供することを目的とする。【解決手段】フロレチン配糖体類を含むポリフェノールを合成吸着樹脂カラムに供してフロレチン配糖体類を当該カラムに吸着させ、エタノールの割合が溶液全体で5%以上45%(V/V)未満である水とエタノールの混合溶液を移動相として流した後に、エタノールの割合が溶液全体で45%以上100%未満(V/V)である水とエタノールの混合溶液、あるいはエタノールを移動相として流し、フロレチン配糖体類を含む画分を得ることを含む、フロレチン配糖体類の精製方法。【選択図】なし

Description

本発明はフロレチン配糖体類の精製に関する。
高尿酸血症は血中に存在する尿酸の量が通常よりも高い状態をいう。特に先進国においてその患者が増えており、日本においても過去数十年の間にその患者数が増加している。
高尿酸血症は痛風の原因となるのに加えて、高血圧などの心臓血管の疾患への関与も指摘されている。そのため、痛風の予防に加えて心臓血管の疾患の状態を改善するためにも尿酸レベルをより正常に近づけることが重要であると考えられている。
一方、リンゴの果実からの抽出物であるリンゴポリフェノールに、血中の尿酸量を抑えて高尿酸血症を改善する作用があることが知られている(例えば特許文献1)。
リンゴポリフェノールにはフロリジン等のフロレチン配糖体類、プロシアニジン、カテキン、エピカテキン、クロロゲン酸、ケルセチンなどが含まれている。
このうち、フロレチン配糖体類の精製方法としては、例えば特許文献2の方法が知られている。
特開2006-169227号公報 特表2014-506567号
本発明は純度をより高めてフロレチン配糖体類を精製できる新規な技術を提供することを目的とする。
通常、リンゴ由来のフロレチン配糖体類は、カラム等を用いての精製が行われる。
本発明者は、鋭意研究の結果、当該カラムを用いての精製において、所定の条件下で分離を行うことでフロレチン配糖体類をより高い割合で含む画分を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
[1] フロレチン配糖体類を含むポリフェノールを合成吸着樹脂カラムに供してフロレチン配糖体類を当該カラムに吸着させ、
エタノールの割合が溶液全体で5%以上45%未満(V/V)である水とエタノールの混合溶液を移動相として流した後に、エタノールの割合が溶液全体で45%以上100%未満(V/V)である水とエタノールの混合溶液、あるいはエタノールを移動相として流し、フロレチン配糖体類を含む画分を得ることを含む、フロレチン配糖体類の精製方法。
[2] フロレチン配糖体類を含むポリフェノールがリンゴに由来する[1]に記載のフロレチン配糖体類の精製方法。
[3] 前記合成吸着樹脂カラムが芳香族系樹脂カラムである[1]または[2]に記載のフロレチン配糖体類の精製方法。
[4] フロレチン配糖体類を合計含有量で60mg/l以上含み、クロロゲン酸の含有量が120mg/l以下の含有量である飲料。
[5] フロレチン配糖体類を合計含有量で60mg/l以上含み、プロシアニジン類の含有量が720mg/l以下の含有量である飲料。
[6] フロレチン配糖体類を合計含有量で25g/kg以上含み、クロロゲン酸の含有量が50g/kg以下である固体食品。
[7] フロレチン配糖体類を合計含有量で25g/kg以上含み、プロシアニジン類の含有量が300g/kg以下である固体食品。
本発明によれば、純度をより高めてフロレチン配糖体類を精製できる新規な技術を提供することができる。
実施例の飲料の官能評価に係るグラフである。 実施例の固体組成物の官能評価に係るグラフである。
以下、本発明の1つの実施形態について詳述する。
本実施形態はフロレチン配糖体類の精製方法に関し、フロレチン配糖体類を含むポリフェノールを合成吸着樹脂カラムに供してフロレチン配糖体類を吸着させ、エタノールの割合が溶液全体で5%以上45%未満(V/V)である水とエタノールの混合溶液(以下、5%以上45%未満のエタノールという)を移動相として流した後にエタノールの割合が溶液全体で45%以上100%未満(V/V)である水とエタノールの混合溶液、あるいはエタノール(以下45%以上100%以下のエタノールという)を移動相として流し、フロレチン配糖体類を含む画分を得ることを含んで構成される。
フロレチン配糖体類とは、ジヒドロカルコン配糖体類ともよばれ、フロレチンをアグリコンとする配糖体の総称である。フロレチン配糖体類としては、フロリジン、フロレチンキシログルコシド、フロリジン(フロレチン-2’-グルコシド)、フロレチン-4’-グルコシド、フロレチン-4-グルコシド、フロレチン-2’、4’-ジグルコシド、フロレチン-2’、4-ジグルコシド、フロレチン-4、4’-ジグルコシド、フロレチン-2’、4、4’-トリグルコシド、フロレチン-2’-キシログルコシド、フロレチン-4’-キシログルコシド、フロレチン-4-キシログルコシド、フロレチン-2’、4’-ジキシログルコシド、フロレチン-2’、4-ジキシログルコシド、フロレチン-4、4’-ジキシログルコシド、フロレチン-2’、4、4’-トリキシログルコシドなどを挙げることができる。
フロリジン、フロレチンキシログルコシドは、例えば実施例1に記載の方法を用いて定量することができる。また、フロレチン配糖体類は、酵素で処理し、フロレチンとして定量するようにしてもよい。
本実施形態においてフロレチン配糖体類を含むポリフェノールは、例えば、リンゴの果実に由来する。リンゴはバラ科リンゴ属植物であり、本実施形態ではその品種などは特に限定されない。例えば、つがる、王林、ふじ、ジョナゴールド、紅玉、グラニースミス、千秋、北斗、陸奥、デリシャス、さんさ、秋映、陽光、世界一、シナノスイート、旭、印度、国光、スターキング、ハックナイン等を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
また、果実は成熟果実、幼果のいずれでもよく、特に限定されない。
なお、以下においてはリンゴに由来するフロレチン配糖体類を含むポリフェノールを例に挙げて説明するが、これに限定されず、他のものに由来するフロレチン配糖体類を含むポリフェノールを本実施形態の精製方法に係る処理に供するようにしてもよい。
本実施形態に係るフロレチン配糖体類は、例えばリンゴ果汁などのフロレチン配糖体類を含むリンゴ果汁からの抽出物をカラムに供して精製することにより得ることができる。
本明細書において、果汁とは果物を搾汁した際に得られる液体成分をいう。搾汁は果物から液体成分を搾って分離する操作をいう。例えば、果物を適当な大ききに破砕し、当該破砕物を搾汁することにより、果汁が得られる。本実施形態において、果汁に対し濃縮や水による希釈などの処理が行われているか否かは特に限定されず、例えば使用するカラム等に応じて当業者が適宜設定することができる。
本実施形態のフロレチン配糖体類の精製方法を行う場合の一例を以下に説明する。
まず、リンゴ果汁を合成吸着樹脂カラムに供し、フロレチン配糖体類をカラムに吸着させる。
次いで、水とエタノールの混合溶液を移動相とした精製処理を行い、フロレチン配糖体類を得る。具体的には、5%以上45%未満のエタノールを移動相として流し(第1の溶出処理)、その後、45%以上100%以下のエタノールを移動相として流し(第2の溶出処理)、当該第2の溶出処理により得られる画分を回収して精製されたフロレチン配糖体類を得る。
本実施形態の精製方法においては、合成吸着樹脂カラムを用いることができる。当該カラムに用いられる合成吸着剤はマクロポアーを有する不溶性の三次元架橋構造ポリマーであり、van der Waals力により種々の有機物を吸着する。
合成吸着樹脂カラムとしては、スチレン−ジビニルベンゼン系やアクリル系などの芳香族系樹脂カラム、アクリル系樹脂カラム、アクリロニトリル系樹脂カラムなどを挙げることができ、当業者が適宜設定することができる。このうち、フロレチン配糖体類の純度をより高めることができる観点から、芳香族系樹脂カラムを用いることが好ましく、より好ましくはスチレン−ジビニルベンゼン系の芳香族系樹脂カラムである。スチレン−ジビニルベンゼン系の芳香族系樹脂カラムとしては、例えばセパビーズ(SEPABEADS、登録商標、以下同じ)SP70、ダイヤイオン(DIAION、登録商標、以下同じ)HP20(三菱化学株式会社製)などを挙げることができる。
第1の溶出処理においては、5%以上45%未満、好ましくは30%以上40%以下のエタノールを移動相として流す。このとき、溶出液の容量は、例えば、SV(空間速度(space velocity, CV/h))=1,CV(カラムボリューム(樹脂容量))=2〜4とすることができる。また、溶出液のpHについても特に限定されないが、例えばpH7以下とすることができる。
第2の溶出処理においては、45%以上100%以下、好ましくは60%以上80%以下のエタノールを移動相として流す。このとき、例えば、溶出液の容量はSV=1,CV=2以上とすることができる。また、溶出液のpHについても特に限定されないが、例えばpH7以下とすることができる。
例えば、りんご濃縮果汁(Brix60〜70程度)を3倍希釈し、当該果汁をSP70カラムに供することでフロレチン配糖体類をカラムに吸着させる。具体的には、SV=1として果汁を全量通液する。次いで、SV=1、CV=1.5で水を通液し、カラムを洗浄する。カラム出口でBrixが0.2%以下に下がっていることを確認した後、SV=1、CV=3で37%エタノールを通液し(第1の溶出処理)、その後、SV=1、CV=3で70%エタノールを通液する(第2の溶出処理)。
なお、カラムに吸着させる対象はリンゴ果汁を例に挙げて説明したがこれに限定されず、例えばリンゴ果汁等から得られるポリフェノール粗生成物であってもよい。当該ポリフェノール粗生成物は公知の方法により得ることができ、例えば、リンゴ果汁に含まれる成分を合成吸着樹脂カラムに吸着させた後、エタノールの割合が溶液全体で5〜40%(V/V)である水とエタノールの混液を移動相とする溶出処理に供することにより得ることができる。
得られたフロレチン配糖体はそのまま利用してもよいほか、濃縮・乾燥等の工程を経た後、次の工程に用いるようにしてもよい。
本実施形態に係るフロレチン配糖体は、特に限定されないが、これを含む医薬品、医薬部外品、飲食品等を製造するために使用することができる。例えば本実施形態に係るフロレチン配糖体を有効成分として用いるとともに、賦型剤、結合剤、安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、懸濁剤、コーティング剤、その他の任意の成分と適宜混合して定法に従い製剤化することができる。剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、シロップ剤等を挙げることができ、好ましくは摂取のし易さの観点から錠剤とすることができる。
または、特に限定されないが、飲食品としての態様で製造される場合、通常の飲食品のほか、特定保健用食品等の特別用途食品や栄養機能食品などであってもよい。飲食品の具体例としては、例えば、栄養補助食品(錠剤形態のサプリメントなど)、清涼飲料水、ヨーグルト、ゼリー、キャンディ、パン、ビスケット、クラッカー、ピッツァクラスト、バターケーキ、アイスクリーム、グミ、ガムなどの菓子・パン類、流動食、病者用食品等を挙げることができる。
また、飲料については、例えば容器詰飲料とすることができる。また、アルコールが添加されてアルコール飲料として構成されていてもよい。
さらに、ヒトのための食品等に限らず、例えば家畜用のための飼料に添加されるようにしてもよい。
以上、本実施形態によれば、その純度をより高めてフロレチン配糖体類を精製できる新規な技術を提供することができる。
本実施形態において、フロレチン配糖体はリンゴ等に由来するポリフェノールをカラム精製した後、樹脂に吸着したフロレチン配糖体を洗い出すことによって得ている。従来においては40 %程度のエタノールを用いて一度の溶出処理を行うことによりフロレチン配糖体を精製していたが、本実施形態の方法では今までは廃棄処分していた画分を有効利用するといった従来にない発想に基づく方法で製造している。この方法によって得られたフロレチン配糖体は先行技術によっては得られない高純度のフロレチン配糖体画分である。通常のリンゴジュースに含まれるフロレチン配糖体濃度では尿酸値低減などの薬理効果は得られないため、フロレチン配糖体濃度を高めたポリフェノール画分抽出素材を溶解し、高濃度に調整しても、夾雑物の影響により味の面(苦味、渋みが多い)において問題があり、また、褐変なども生じるなどの課題があった。一方、本実施形態の高純度のフロレチン配糖体を用いて初めて、十分な薬理効果の得られる飲料が製造され得る。
リンゴポリフェノールにおいておいしさを低下させたり、褐変を引き起こす物質としてはクロロゲン酸やプロシアニジン類が知られている。
なお、本明細書において、クロロゲン酸とは、3−カフェオイルキナ酸をいう。
また、プロシアニジン類とは、カテキン類のn重合体(n>1、但し、nは整数)又はそれらの総称であり、n=1のカテキン類は含まない。カテキン類としては、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキンが含まれるが、特にこれらに限定されるものではない。プロシアニジン類としては、カテキン類のn重合体又はそれらの混合物であれば特に限定されるものではない。また、天然のプロシアニジン類でもよく、合成されたプロシアニジン類であってもよい。
クロロゲン酸は実施例1に記載の定量方法に基づき定量することができ、また、プロシアニジン類は特開2009−156813号公報に記載の方法に基づき定量することができる。
例えば、本実施形態によれば、フロレチン配糖体類、好ましくはフロリジンおよびフロレチンキシログルコシドを合計含有量で60mg/l以上含み、クロロゲン酸の含有量が120mg/l以下および/またはプロシアニジン類の含有量が720mg/lである飲料を構成することができる。すなわち、本実施形態の精製方法によればクロロゲン酸の含有量を120mg/l以下および/またはプロシアニジン類の含有量が720mg/lとしてフロレチン配糖体類の含有量を60mg/kg以上とすることができるので、苦味、渋みが抑えられておいしさが改善され、褐変も抑えられた、フロレチン配糖体をより多く含む飲料を提供することができる。
また、従来においては、フロレチン配糖体類を一回のカラム処理で十分に精製することができなかったため、血液中の尿酸濃度低下に効果のある錠剤形態のサプリメントを構成するためには、多くの精製を繰り返す必要があった。その結果、コスト等の面から当該サプリメントを現実的には製造することができなかった。
一方、本実施形態によれば、より高純度のフロレチン配糖体類を得ることができるので、より安価に当該サプリメントを製造することが可能である。すなわち、本実施形態によれば、血液中の尿酸濃度を低下させることが可能なフロレチン配糖体類を含むサプリメントの実現にも寄与することができる。
例えば、本実施形態によれば、フロレチン配糖体類、好ましくはフロリジンおよびフロレチンキシログルコシドを合計含有量で25g/kg以上含み、クロロゲン酸の含有量が50g/kg以下、および/またはプロシアニジン類の含有量が300g/kg以下である錠剤などの固体である食品(固体食品)を提供することができる。
また、苦味、渋みがより抑えられておいしさがさらに改善され、褐変もより抑えられるので、フロレチン配糖体類、好ましくはフロリジンおよびフロレチンキシログルコシドを合計含有量で25g/kg以上含み、クロロゲン酸の含有量が20g/kg以下、および/またはプロシアニジン類の含有量が150g/kg以下である固体食品とすることが好ましい。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
[リンゴポリフェノール粗生成物の調製]
リンゴ(ふじ)の幼果から得たリンコ果汁をSEPABEADS SP-70 (三菱化学株式会社)を充填したカラム処理に供した。吸着された化合物を純水により洗浄した後、EtOH-H2O (37:63, w/w)で溶出した。溶出画分を濃縮してスプレードライを行い、粉末状のポリフェノール抽出物を得た。
[第1の溶出処理および第2の溶出処理]
ポリフェノール抽出物(10 g)を水に溶かした後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 7.0に調整した。ポリフェノール水溶液をDiaion HP-20 (180 mL, 三菱化学株式会社)を充填したカラムに供し、水(720 mL)で洗浄した。
吸着されなかった画分を回収し、HClでpH 2.7に調整し、固相抽出により脱塩した。
吸着された化合物は、水とエタノールを用いて段階溶出を行うことにより分画した。
まず、21% エタノール (v/v, 540 mL)を流し、溶出処理を行った(第1の溶出処理)。
次に、70% エタノール (v/v, 360 mL)を流し、溶出処理を行った(第2の溶出処理)。
濃縮、凍結乾燥を行い、得られた各画分をアモルファスパウダーとして得た(吸着しなかった画分(PA):2.47 g, 24.7%、第1の溶出処理により得られた画分(FV):4.83 g, 48.2%、第2の溶出処理により得られた画分(DC):1.95 g, 19.5%)。
[定量分析]
得られた各画分における含有物の割合をRP-UPLCを用いて以下の条件で分析した。結果を表1に示す。
カラム:AQQUITY UPLC BEH C18 1.7 μm φ2.1 x 100 mm (equipped with VANGUARD BEH C18 guard column)
移動相A: 0.1% TFA aq
移動相B: acetonitrile
流速: 0.5 mL/min
カラム温度: 45 °C
インジェクションボリューム: 2 μL
ダイオードアレイ検出: 280 nm, 305 nm
蛍光検出: ex 276 nm, em 316 nm.
グラジェントプログラム: 0-3 min, 8% B; 3-7 min, 8-40% B; 7-8 min, 40-90% B; 8-10 min, 90% B; 10-13 min, 8% B
表1から、第2の溶出処理により得られた画分(DC)において、フロレチン配糖体類(ジハイドロカルコン)が他の画分と比較して非常に高い純度で得られたことが理解できる。
[実施例2]
リンゴ(ふじ)の幼果から得たリンゴ濃縮果汁(Brix60〜70)60gを3倍希釈し、SEPABEADS SP-70 (三菱化学株式会社)が60mL充填されたカラムにSV=1で全量通液した。次いで、SV=1、CV=1.5で純水を通液し、カラムを洗浄した。カラム出口でBrixが0.2%以下に下がっていることを確認した後、SV=1、CV=3でEtOH-H2O (37:63, w/w)を通液し(第1の溶出処理)、その後、SV=1、CV=3で70%エタノール(v/v)を通液した(第2の溶出処理)。溶出液は、濃縮、凍結乾燥を行い、得られた各溶出液を粉末として得た(第1の溶出処理により得られた画分(First fraction):7.5 g, 8.3%、第2の溶出処理により得られた画分(Second fraction):0.92 g, 0.09%)。
[定量分析]
得られた各画分をRP-UPLCを用いて実施例1と同様の条件で分析した。得られた各画分における含有物の割合を表2に示す。
表2から、第2の溶出処理により得られた画分において、フロレチン配糖体類(ジハイドロカルコン)が第1の溶出画分と比較して非常に高い純度で得られたことが理解できる。
[実施例3]
実施例2と同様の条件により溶出処理を行った。
[比較例1]
溶出処理を1度のみとし、SV=1、CV=3で80%EtOHを通液した(80%EtOH溶出画分;2.5g)以外は実施例2と同様の条件で処理を行った。
実施例3と比較例1の、得られた各画分における含有物の割合を表3に示す。定量分析は実施例1、2と同様の方法で行った。
実施例3において第2の溶出を行った画分(Second fraction)のフロレチン配糖体類が68.7%であるのに対して、比較例1において80%EtOHで一度溶出を行った抽出物のフロレチン配糖体類は10.7%であった。
[官能評価および吸光度測定]
実施例3で得られた第1の溶出画分と第2の溶出画分をそれぞれ用いて飲料および固体組成物を製造し、官能評価に供した。なお、プロシアニジン類については特開2009−156813号公報に記載の方法に基づきその含有量を特定した。
(1)飲料の調製
表4の構成比で水1Lに第1の溶出画分、第2の溶出画分、フロリジン2水和物試薬(phloridzin dihydrate, SIGMA, 7061-54-3)を加え、官能評価に供した。
第1の溶出画分を用いて得られた飲料を比較例2と、第2の溶出画分を用いて得られた飲料を実施例4とした。
(2)サプリメント(固体組成物)の調製
第1の溶出画分、第2の溶出画分、フロリジン2水和物試薬(phloridzin dihydrate, SIGMA, 7061-54-3)を加え、官能評価に供した。
(3)官能評価
基本5味を識別できるパネリスト6名に対して、「苦味」「渋み」「色(濃さ)」「褐色(褐色であるか否か)」の強度についての7段階評価、及び自由回答とした。「苦味」、「渋み」については最も強いものを7と、最も弱いものを1とした。色については最も濃いものを7と、最も薄いものを1とした。褐色については最も褐色であると認識できるものを7と、最も褐色でないと認識できるものを1とした。また、7段階評価における尺度の間隔は等間隔と仮定した。
各サンプル評価の間には、感覚疲労の回復のため、水とクラッカーで口直ししながら3分間のインターバルをとらせた。1サンプルあたり50mLまたは5g提示し、飲用順は事前に決めてバランスをとった。
飲料についての結果を図1に、固体組成物についての結果を図2に示す。
図1から理解できるように、実施例4の飲料は、比較例2の飲料に対し、全ての群間で有意な差が認められた。このことから従来よりも苦味、渋味がなく、色及び褐色が薄いフロリジン高濃度含有飲料を実施例として作成することができたことが理解できる。
また、図2から理解できるように、実施例5のサプリメントも、比較例3のサプリメントに対し、全ての項目に於いて有意な差が認められた。このことから従来よりも苦味、渋味がなく、色及び褐色が薄いフロリジン高濃度含有のサプリメントを実施例として作成することができたことが理解できる。
(4)吸光度測定
実施例4、比較例2、およびフロリジン2水和物試薬を用いて製造した飲料について、吸光度を測定した。結果を表6に示す。実施例4の飲料は比較例2の飲料と比べて褐色が薄い結果となった。


Claims (7)

  1. フロレチン配糖体類を含むポリフェノールを合成吸着樹脂カラムに供してフロレチン配糖体類を当該カラムに吸着させ、
    エタノールの割合が溶液全体で5%以上45%(V/V)未満である水とエタノールの混合溶液を移動相として流した後に、エタノールの割合が溶液全体で45%以上100%(V/V)未満である水とエタノールの混合溶液、あるいはエタノールを移動相として流し、フロレチン配糖体類を含む画分を得ることを含む、フロレチン配糖体類の精製方法。
  2. フロレチン配糖体類を含むポリフェノールがリンゴに由来する請求項1に記載のフロレチン配糖体類の精製方法。
  3. 前記合成吸着樹脂カラムが芳香族系樹脂カラムである請求項1または2に記載のフロレチン配糖体類の精製方法。
  4. フロレチン配糖体類を合計含有量で60mg/l以上含み、クロロゲン酸の含有量が120mg/l以下である飲料。
  5. フロレチン配糖体類を合計含有量で60mg/l以上含み、プロシアニジン類の含有量が720mg/l以下である飲料。
  6. フロレチン配糖体類を合計含有量で25g/kg以上含み、クロロゲン酸の含有量が50g/kg以下である固体食品。
  7. フロレチン配糖体類を合計含有量で25g/kg以上含み、プロシアニジン類の含有量が300g/kg以下である固体食品。
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