JP5934037B2 - 能動型振動騒音抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動または騒音を能動的に抑制する装置に関するものである。
特開2000−330572号公報(特許文献1)および特許第3572486号公報(特許文献2)には、二次経路における伝達関数を同定しておき、同定された当該関数をフィードフォワード係数とすることによって適応フィルタ係数を更新し、適応フィルタ係数により制御信号を生成することが記載されている。この種のアルゴリズムは、例えば、Filtered-X LMSアルゴリズムなどである。また、特許第4742226号公報(特許文献3)には、二次伝達関数を同定することなく、制御信号の適応フィルタ係数を更新することができる、直接法適応アルゴリズムについて記載されている。
また、上記特許文献1には、車室内のロードノイズの消音に際して、制御信号の適応フィルタ係数の更新をアイドリング中に行い、走行中には適応フィルタ係数の更新を行わないことが記載されている。特開2011−43636号公報(特許文献4)には、制御信号のフィルタ係数を連立方程式法により更新しながら制御信号を生成する場合と、記憶されたフィルタ係数を用いて制御信号を生成する場合とを、切り替えることが記載されている。
特開2000−330572号公報 特許第3572486号公報 特許第4742226号公報 特開2011−43636号公報
ところで、Filtered−X LMS適応アルゴリズムは、二次伝達関数を同定しておく必要があるが、評価点における振動または騒音の低減効果は高い。一方、直接法の適応アルゴリズムは、二次伝達関数を同定する必要はないが、Filtered-X LMS適応アルゴリズムに比べると、低減効果が劣る。これは、直接法は、適応フィルタの数が多いことが原因であると考えられる。
しかし、二次伝達関数は種々の要因によって変化するため、同定した当該関数をフィードフォワード係数として用いる適応アルゴリズムにおいては、当該関数を同定した状態から変化すると、評価点における振動または騒音を効果的に低減することができない場合がある。なお、上記特許文献1には、アイドリング中に当該関数の同定を行っている。つまり、アイドリング時と走行時とにおいて、二次伝達関数が変化すると、効果的に振動または騒音を低減することができないおそれがある。
また、車両にFiltered−X LMS適応アルゴリズムの制御装置を搭載した場合に、二次伝達関数の同定を停車時に行うと、乗員は同定処理に伴う振動や騒音によって不快を感じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、適応制御を行っていない時に二次伝達関数の同定を行うことなく、ロバスト性に優れた能動型振動騒音抑制装置を提供することを目的とする。
そこで、発明者らは、直接法に基づく適応アルゴリズムとフィードフォワード係数を用いる適応アルゴリズムを使い分けることを見出し、本発明を発明するに至った。すなわち、本手段に係る装置は、直接法に基づく適応アルゴリズムにより制御している際に二次伝達関数の相当値を取得し、当該相当値を取得した後には、当該相当値をフィードフォワード係数とする適応アルゴリズムにより制御することとした。
つまり、本手段に係る能動型振動騒音抑制装置は、能動的に更新される制御信号に基づいて駆動装置を駆動し、評価点における振動または騒音を能動的に抑制する装置であって、少なくとも、前記制御信号のフィルタ係数、および、前記制御信号を出力してから前記評価点までの二次伝達経路の伝達関数である二次伝達関数の相当値をそれぞれ適応フィルタとする直接法の第一適応アルゴリズムを用い、前記第一適応アルゴリズムにより前記制御信号を生成する第一制御部と、前記第一制御部によって適応フィルタとして適応的に更新される前記二次伝達関数の相当値を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記二次伝達関数の相当値をフィードフォワード係数とし、当該係数に基づいて適応フィルタとしての前記制御信号のフィルタ係数を更新する第二適応アルゴリズムを用い、前記第一制御部により前記制御信号を生成しない場合に前記第二適応アルゴリズムにより前記制御信号を生成する第二制御部とを備える。
本手段では、直接法の第一適応アルゴリズムにおける適応フィルタに、二次伝達関数の相当値が含まれていることを利用している。つまり、第二制御部にて用いるフィードフォワード係数の同定は、直接法の第一適応アルゴリズムを実行することにより行っている。従って、第一制御部により制御信号が生成されている際、すなわち、振動または騒音を能動的に抑制するように制御している際に、二次伝達関数の相当値(フィードフォワード係数)の同定を行っている。このように、フィードフォワード係数の同定は、予め得る必要はない。そして、同定時においても制御を実行しているため、同定のために振動または騒音を発生させることもなく、さらには同定時においても振動または騒音を低減することができる。
ただし、直接法の第一適応アルゴリズムのみにより制御したのでは、制御効果が低い。そのため、第一適応アルゴリズムによってフィードフォワード係数が同定された後には、フィードフォワード係数を用いて適応フィルタを更新する第二適応アルゴリズムを用いている。この第二適応アルゴリズムは、例えば、Filtered-X LMS適応アルゴリズムである。つまり、第二適応アルゴリズムを用いることで、高い制御効果を得ることができる。つまり、ロバスト性に優れる。
また、前記能動型振動騒音抑制装置は、車両に適用され、前記駆動装置は、参照点から評価点までの一次伝達経路における振動部材に対して振動を付与する加振器としてもよい。車両において、加振器と評価点との間は、1自由度または多自由度の減衰振動となる。当該減衰振動において、質量、ばね定数および減衰係数は、非常に変化しやすい。つまり、二次伝達関数が変化しやすいということになる。このように二次伝達関数が変化しやすい構成に、上述した手段を適用することにより、上記効果を確実に奏する。
また、前記能動型振動騒音抑制装置は、車両に適用され、前記第二制御部による制御中において、乗員数、外気温、誤差信号の大きさおよびタイヤの空気圧の何れかに基づいて、前記第二制御部による制御から前記第一制御部による制御に切り替え、前記第一制御部は、前記記憶部に記憶される前記二次伝達関数の相当値を更新するようにしてもよい。
このように、車両において、二次伝達関数の変化は、乗員数、外気温、誤差信号の大きさおよびタイヤの空気圧の変化に起因する。そこで、これらの何れかに基づいて第二制御部による制御から第一制御部による制御へ切り替えて、二次伝達関数の相当値を更新することで、現在の状態に応じた二次伝達関数の相当値(フィードフォワード係数)を取得することができる。その結果、第二制御部による制御において、振動または騒音を確実に抑制できる。
また、前記第一制御部による制御中において、当該第一制御部による制御開始からの経過時間、または、誤差信号の大きさに基づいて、前記第一制御部による制御から前記第二制御部による制御に切り替え、前記第二制御部は、更新された前記二次伝達関数の相当値に基づいて制御を開始してもよい。
第一制御部による制御の期間を上記のように規定することにより、第一制御部における二次伝達関数の相当値としての適応フィルタが安定した状態となる。つまり、二次伝達関数の相当値(フィードフォワード係数)の同定精度を向上することができる。その結果、第二制御部による制御において、振動または騒音を確実に抑制できる。
また、前記能動型振動騒音抑制装置は、車両に適用され、前記記憶部に記憶される前記二次伝達関数の相当値は、車両走行中に前記第一制御部が制御している際に生成した前記適応フィルタとしてもよい。
上述したように、フィードフォワード係数の同定、すなわち二次伝達関数の相当値の取得は、第一制御部による制御中に行うことができる。そこで、車両走行中であっても、フィードフォワード係数の同定を行うようにしたとしても、第一制御部による制御効果を発揮することができる。このように、第一制御部による制御は、車両停車中に限られず車両走行中であっても実行することができるため、記憶されている二次伝達関数の相当値が実際値からずれてきた場合に、直ちにフィードフォワード係数の同定を実行することができる。従って、フィードフォワード係数の同定精度を向上することができる。その結果、第二制御部による制御において、振動または騒音を確実に抑制できる。
本発明の第一実施形態:車両に適用した能動型振動騒音抑制装置の構造を示す図である。 図1において、車輪からフロアパネルまでの振動伝達経路における構造を示す図であって、車両の後方から見た図である。 図1のコントローラの機能ブロック図を示すと共に、振動または音の伝達系の制御ブロック図である。 図3の第一制御部により加振器を制御するための制御ブロック図である。 図3の第二制御部により加振器を制御するための制御ブロック図である。 図3の切替部による切替処理を示すフローチャートである。 本実施形態の場合、直接法に基づく適応アルゴリズムのみを適用した場合と、Filtered-X LMSアルゴリズムのみを適用した場合と、制御しない場合について、振動周波数に対する振動レベルを示すグラフである。 本発明の第二実施形態:車両に適用した能動型振動騒音抑制装置の構造を示す図である。
以下、本発明の能動型振動騒音抑制装置を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、当該装置は、能動的に振動を抑制する装置として適用することもでき、能動的に騒音を抑制する装置として適用することもできる。例えば、建物外にて発生した騒音を、建物内にいる人間の耳元にて消音することに適用できる。また、当該装置は、自動車などにおいて、車室内において、エンジンから発生する騒音やロードノイズ(路面から伝達される振動に起因するノイズ)を、乗員の耳元にて消音することに適用できる。また、乗員の耳元にて消音するのではなく、伝達経路の構成部材の振動を低減させることにより、車室内におけるロードノイズおよび振動を低減することに適用できる。
<第一実施形態>
(能動型振動騒音抑制装置の概要)
能動型振動騒音抑制装置は、自動車などの車両に適用され、ロードノイズを低減するための装置である。当該装置は、車室内において、スピーカから制御音を発生することにより、ロードノイズを低減するものではない。ロードノイズは、図1に示すように、自動車の走行によって生じる路面振動が車輪10からサスペンション装置80を介してフロアパネル21に伝搬される結果、フロアパネル21が振動することによって車室内70に発生する。
そこで、フロアパネル21の振動を低減することができれば、フロアパネル21の振動に起因するロードノイズは低減できる。ただし、本実施形態の装置は、フロアパネル21の振動を直接低減させるのではなく、車輪10からフロアパネル21に振動が伝達される経路の途中のうち、特に剛性の高い部位の振動を低減することにより、結果としてフロアパネル21の振動を低減する。ここで、ロードノイズは、フロアパネル21の振動の他に、板状内装品、例えば、フロントガラス、リヤガラス、ドアパネル等の板状内装品23の振動によって発生する。本実施形態においては、フロアパネル21による場合について、以下に詳細に説明する。
当該装置は、ナックル41(参照点)に取り付けられた加速度センサからなる参照信号検出器62により参照信号としての車両上下振動を検出し、タイヤハウス22に取り付けられた加速度センサからなる誤差信号検出器63により誤差信号としての車両上下振動を検出し、誤差信号を小さくするようにタイヤハウス22に取り付けられた加振器61を適応制御する。
(車輪からフロアパネルまでの連結機構)
車輪10からフロアパネル21までの連結機構について図1および図2を参照して説明する。図1および図2に示すように、車輪10とフロアパネル21との間には、サスペンション装置80によって連結されている。具体的には、車輪10のタイヤ11を保持しているホイール12には、アクスル30が連結されている。このアクスル30には、図示しないディファレンシャルを介して、駆動源からの回転駆動力が伝達されることで、車輪10を回転させる。
このアクスル30をナックル41が回転可能に支持する。つまり、ナックル41は、ホイール12が回転径方向に移動した場合に、ホイール12の径方向移動に伴って移動する。つまり、ナックル41は、タイヤ11を介してホイール12に伝達された振動によって振動する。
ナックル41には、粘弾性体からなるブッシュ42,43を介して、サスペンションアームとしてのロアアーム44およびアッパーアーム45に連結されている。ロアアーム44およびアッパーアーム45は、粘弾性体からなるブッシュ46,47を介してサスペンションメンバ48に連結されている。サスペンションメンバ48とフロアパネル21の下面との間には、粘弾性体からなるメンバマウント49が取り付けられている。
ロアアーム44には、ショックアブソーバ51の下端が固定されている。ショックアブソーバ51の上端には、粘弾性体からなるアッパーサポート52が取り付けられている。アッパーサポート52は、車両ボディのタイヤハウス22(タイヤ11を収容する部材)に連結されている。タイヤハウス22は、フロアパネル21に連結されている。
上記のような構造により、車両ボディ(フロアパネル21およびタイヤハウス22を含む)を確実に支持しつつ、走行によって路面から入力される振動が車輪10から車両ボディに伝達されにくくしている。ここで、サスペンション装置80は、ナックル41、ロアアーム44、アッパーアーム45、サスペンションメンバ48、メンバマウント49、ショックアブソーバ51、アッパーサポート52、各ブッシュ42,43,46,47を含む装置である。
さらに、加振器61が、タイヤハウス22に設けられている。加振器61は、タイヤハウス22のうちフロアパネル21よりアッパーサポート52に近い位置、具体的にはアッパーサポート52の取付部位の近傍(剛性の高い部位)に設けられている。加振器61は、例えば、ソレノイドやボイルコイルなどの電磁アクチュエータを備えており、電流が供給されることで能動的に加振力を発生する。つまり、加振器61は、加振器61が設置されているタイヤハウス22に対して振動を付与する。この加振力は、主として車両上下方向の力としている。そして、加振器61を駆動するための制御信号は、コントローラ100によって生成される。なお、加振器61に用いられる電磁アクチュエータの構造は公知であるため、詳細の説明は省略する。
さらに、参照信号検出器62としての加速度センサが、ナックル41に設けられている。この参照信号検出器62は、ナックル41の車両上下方向の振動を検出する。また、タイヤハウス22には、誤差信号検出器63としての加速度センサが設けられている。特に、誤差信号検出器63は、タイヤハウス22のうちサスペンション装置80を支持する部位、具体的には、タイヤハウス22のうち加振器61が取り付けられている部位に設けられている。この誤差信号検出器63は、タイヤハウス22における加振器61の取付部位の車両上下方向の振動を検出する。つまり、この誤差信号検出器63は、車輪10から伝達された振動と加振器61によって発生された加振力とを合成した振動を検出する。
(能動型振動騒音抑制装置の制御ブロック)
次に、能動型振動騒音抑制装置の制御ブロックについて、図3を参照して説明する。加振器61の制御を行うコントローラ100は、適応制御を適用し、参照信号検出器62により検出される参照信号と誤差信号検出器63により検出される誤差信号とを用いて、誤差信号を小さく(キャンセル)するように制御する。
コントローラ100は、直接法の適応アルゴリズム(以下「第一適応アルゴリズム」と称する)を用いる第一制御部110と、フィードフォワード係数を利用する適応アルゴリズム(以下、「第二適応アルゴリズム」と称する)を用いる第二制御部130と、フィードフォワード係数を記憶する記憶部140と、車両情報に基づいて第一制御部110と第二制御部130との適用対象を切り替える切替部150とを備える。つまり、第一制御部110による適応制御と、第二制御部130による適応制御は、選択的に適用される。
第一,第二制御部110,130は、いずれも、参照信号検出器62から参照信号rkを取得し、かつ、誤差信号検出器63から誤差信号ekを取得し、両信号を用いて加振器61を制御するための制御信号ukを生成する。そうすると、評価点(誤差信号検出器63の位置)において、参照信号rkが一次伝達経路(当該経路の伝達関数をWとする)を介して伝達された振動または騒音dkと、制御信号ukが二次伝達経路(当該経路の伝達関数をGとする)を介して伝達された制御振動または制御音ykとが合成される。制御振動または制御音ykが、振動または騒音dkに対して、同一振幅であって逆位相である場合には、評価点63において振動または騒音dkを完全にキャンセルできる。
ここで、図3において、Gは、二次伝達経路の伝達関数であって、G2は、加振器61から評価点63までの伝達関数である。つまり、Gは、入力を制御信号ukとし、出力をykとしたときの伝達関数となる。
(第一制御部による制御ブロック図)
次に、第一制御部110による制御ブロック図について、図4を参照して説明する。第一制御部110は、直接法に基づく第一適応アルゴリズムを適用し、参照信号検出器62により検出される参照信号rkと誤差信号検出器63により検出される誤差信号ekとを用いて、誤差信号ekを小さく(キャンセル)するように制御する。
つまり、制御信号ukのフィルタ係数を適応フィルタとする。この適応フィルタC1(以下、「制御信号用適応フィルタ」と称する)の更新は、直接法に基づく第一適応アルゴリズムを用いる。ここでは、直接法LMSアルゴリズムを用いる場合を例にあげる。なお、詳細な説明はしないが、直接法RLSアルゴリズム、直接法FDAアルゴリズムを適用できる。
直接法ではない適応アルゴリズムであれば、二次伝達関数Gを同定する必要があるが、直接法に基づく第一適応アルゴリズムを用いるため、二次伝達関数Gを同定する必要がない。具体的には、直接法に基づく第一適応アルゴリズムを用いることで、二次伝達関数Gに相当する適応フィルタKを設置しておき、当該適応フィルタKを適応アルゴリズムによって更新することで、当該適応フィルタKを現在の二次伝達関数Gに適応させることができる。
そして、本実施形態の第一適応アルゴリズムにおいては、制御信号用適応フィルタC1および二次伝達関数の相当値としての適応フィルタKの他に、一次伝達関数Wの正負逆転させた関数の相当値Dを適応フィルタとする。なお、以下において、Kは、第二経路用適応フィルタと称し、Dは第一経路用適応フィルタと称する。また、図4において、記号の上に付している「^」は、ハットと称し、仮想値を意味する。ただし、記載の都合上、以下の説明において、数式中は「^」を用いるが、文章中は「^」を「h」として記載する。
車輪10に入力された振動xkが一次伝達経路(伝達関数W)を介して評価点63に伝達される。このときの伝達振動はdkである。この関係は、式(1)にて表される。式(1)において、*は、畳み込み演算子であり、添え字kは、サンプリング数(時間ステップ)を表す。
Figure 0005934037
一方、第一制御部110において、制御信号生成部111が、参照信号検出器62(図4においては「Wref」と示す)により検出された参照信号rkに対して制御信号用適応フィルタC1によって信号処理することにより、式(2)にて表される、電気信号である制御信号ukを生成する。
Figure 0005934037
そして、加振器61が、制御信号ukに応じた制御振動を出力する。加振器61が発生した制御振動は、伝達関数G2を介して評価点63に伝達される。このときの伝達制御振動はykである。上記の関係は、式(3)にて表される。また、評価点63における誤差信号は、式(4)に示すように、ekとなる。
Figure 0005934037
Figure 0005934037
続いて、参照信号rk、制御信号uk、誤差信号ek、制御信号用適応フィルタC1、第二経路用適応フィルタK、第一経路用適応フィルタDを用いて、第一仮想誤差算出部121および第二仮想誤差算出部122のそれぞれにおいて、第一仮想誤差eh1kおよび第二仮想誤差eh2kのそれぞれを算出する。そして、算出した第一仮想誤差eh1kおよび第二仮想誤差eh2kに基づくLMSアルゴリズムにより、制御信号用適応フィルタC1、第一経路用適応フィルタD、第二経路用適応フィルタKを更新する。
第一仮想誤差eh1kおよび第二仮想誤差eh2kは、式(5)(6)により表される。ここで、式(5)(6)中、第一仮想信号yh1k、第二仮想信号(-dhk)、第四仮想信号yh2kは、以下のとおりである。第一仮想信号yh1kは、第一仮想信号生成部112において、制御信号ukを第二経路用適応フィルタKによって信号処理することにより生成される。第二仮想信号(-dhk)は、第二仮想信号生成部113において、参照信号rkを第一経路用適応フィルタDによって信号処理することにより生成される。また、第四仮想信号yh2kは、第三仮想信号生成部114において参照信号rkを第二経路用適応フィルタKによって信号処理して生成された第三仮想信号skを、第四仮想信号生成部115において制御信号用適応フィルタC1によって信号処理することにより生成される。
Figure 0005934037
Figure 0005934037
さらに、第一フィルタ更新部116により、LMSアルゴリズムを適用して、第一仮想誤差eh1kをゼロにするように第二経路用適応フィルタKを更新する。具体的には、第一フィルタ更新部116は、制御信号ukおよび第一仮想誤差eh1kに基づいてLMSアルゴリズムを適用することにより、第二経路用適応フィルタKを更新する。つまり、第一仮想誤差eh1kの二乗である評価関数J1が極小となるような第二経路用適応フィルタKを求める。そうすると、第二経路用適応フィルタKの更新式は、式(7)となる。なお、式(7)において、添え字(k+1)、(k)は、更新値を明確にするためにカッコ書とした。また、μ1は、ステップサイズパラメータである。
Figure 0005934037
また、第二フィルタ更新部117により、LMSアルゴリズムを適用して、第一仮想誤差eh1kをゼロにするように第一経路用適応フィルタDを更新する。具体的には、第二フィルタ更新部117は、参照信号rkおよび第一仮想誤差eh1kに基づいてLMSアルゴリズムを適用することにより、第一経路用適応フィルタDを更新する。つまり、第一仮想誤差eh1kの二乗である評価関数J2が極小となるような第一経路用適応フィルタDを求める。そうすると、第一経路用適応フィルタDの更新式は、式(8)となる。なお、式(8)において、添え字(k+1)、(k)は、更新値を明確にするためにカッコ書とした。また、μ2は、ステップサイズパラメータである。
Figure 0005934037
また、第三フィルタ更新部118により、LMSアルゴリズムを適用して、第二仮想誤差eh2kをゼロにするように制御信号用適応フィルタC1を更新する。具体的には、第三フィルタ更新部118は、参照信号rkおよび第二仮想誤差eh2kに基づいてLMSアルゴリズムを適用することにより、制御信号用適応フィルタC1を更新する。つまり、第二仮想誤差eh2kの二乗である評価関数J3が極小となるような制御信号用適応フィルタC1を求める。そうすると、制御信号用適応フィルタC1の更新式は、式(9)となる。なお、式(9)において、添え字(k+1)、(k)は、更新値を明確にするためにカッコ書とした。また、μ2は、ステップサイズパラメータである。
Figure 0005934037
そして、制御信号生成部111は、第三フィルタ更新部118により更新された制御信号用適応フィルタC1を用いて、制御信号ukを生成する。さらに、第一フィルタ更新部116は、更新した第二経路用適応フィルタKを記憶部140に記憶する。つまり、記憶部140に記憶される係数は、第一フィルタ更新部116によって生成された第二経路用適応フィルタKの更新値、すなわち、二次伝達関数Gの相当値としての適応フィルタの更新値となる。記憶部140に記憶された係数Kは、第二制御部130による適応制御にて用いる。
(第二制御部による制御ブロック図)
次に、第二制御部130による制御ブロック図について、図5を参照して説明する。第二制御部130は、フィードフォワード係数Ghを用いた第二適応アルゴリズムを適用し、参照信号検出器62により検出される参照信号rkと誤差信号検出器63により検出される誤差信号ekとを用いて、誤差信号ekを小さく(キャンセル)するように制御する。
本実施形態においては、適用制御アルゴリズムの例として、Filtered-X LMSアルゴリズムを適用する。ただし、この他に、LMSアルゴリズム、RLSアルゴリズム、FDAアルゴリズムを適用することもできる。
図5に示すように、第二制御部130は、制御信号生成部131と、フィードフォワード係数取得部132と、フィルタ更新部133とを備える。制御信号生成部131は、参照信号検出器62により検出された参照信号rkと、フィルタ更新部133により更新される制御信号用適応フィルタC2を用いて、制御信号ukを生成する。この制御信号ukは、式(10)にて表される。
Figure 0005934037
フィードフォワード係数取得部132は、記憶部140に記憶されている第二経路用適応フィルタKを取得する。上述したように、第二経路用適応フィルタKは、二次伝達関数Gの相当値としての適応フィルタである。そして、当該取得部132は、取得した第二経路用適応フィルタKをフィードフォワード係数Ghとする。
フィルタ更新部133は、参照信号rk、誤差信号ek、および、フィードフォワード係数Ghに基づいて、制御信号用適応フィルタC2を更新する。フィルタ更新部133は、例えば、Filtered-X LMSアルゴリズムを用いる場合を例にあげる。つまり、フィルタ更新部133は、LMSアルゴリズムを適用して、誤差信号ekをゼロにするように制御信号用適応フィルタC2を更新する。具体的には、誤差信号ekの二乗である評価関数J4が極小となるような制御信号用適応フィルタC2を求める。そうすると、制御信号用適応フィルタC2の更新式は、式(11)となる。なお、式(11)において、添え字(k+1)、(k)は、更新値を明確にするためにカッコ書とした。また、μ4は、ステップサイズパラメータである。
Figure 0005934037
(切替部の切替処理)
次に、切替部150による第一制御部110と第二制御部130との切替処理について、図6を参照して説明する。
まず、車両が走行中であるかを判定する(S1)。走行中でなければ(S1:N)、リターン処理をする。車両が走行中の場合には(S1:Y)、第一制御部110による制御中であるかを判定する(S2)。第一制御部110による制御中の場合には(S2:Y)、第一条件を満たすか否かを判定する(S3)。第一条件とは、車両情報に基づいて判定するための条件である。例えば、第一条件は、第一制御部110による制御を開始してからの経過時間が設定値に達すること、第一制御部110による制御中における誤差信号ekの大きさが設定値以下となることの何れかである。
そして、第一条件を満たさない場合には(S3:N)、リターン処理をする。第一条件を満たす場合には(S3:Y)、第一フィルタ更新部116によってフィードフォワード係数(「FW係数」と称する)を記憶部140に記憶させる(S4)。なお、ここでは、第一条件を満たす場合にFW係数を記憶することとしたが、第一フィルタ更新部116が動作している間、逐次FW係数を記憶部140に更新して記憶させるようにしてもよい。
続いて、S4のFW係数を記憶した後には、第一制御部110による制御を停止して、第二制御部130による制御に切り替える(S5)。つまり、FW係数を用いた第二適応アルゴリズムによって制御信号ukを生成し、加振器61を駆動する。そして、リターン処理をする。
一方、第一制御部110による制御中でない場合には(S2:N)、FW係数が、記憶部140に記憶されているかを判定する(S6)。記憶されていなければ(S6:N)、第一制御部110による制御を実行し(S7)、ステップS3へ進む。また、ステップS6において、FW係数が記憶部140に記憶されていれば(S6:Y)、第二制御部130による制御中であるかを判定する(S8)。第二制御部130による制御中でなければ(S8:N)、ステップS5に進み、第二制御部130による制御を実行する。
一方、第二制御部130による制御中である場合には(S8:Y)、第二条件を満たすか否かを判定する(S9)。第二条件とは、車両情報に基づいて判定するための条件である。例えば、第二条件は、乗員数が設定値を超えること、外気温が設定値を超えること、誤差信号ekの大きさが設定値を超えること、タイヤ11の空気圧が設定値を超えることの何れかである。そして、第二条件を満たす場合には(S9:Y)、ステップS7に進み、第二制御部130による制御を停止して、第一制御部110による制御に切り替える。一方、第二条件を満たさない場合には(S9:N)、リターン処理をする。
上記の切替処理によれば、以下のような動作となる。第一の動作として、初期状態、すなわち記憶部140にFW係数が記憶されていない場合を考える。この場合、S1→S2:N→S6:N→S7となり、第一制御部110による制御、すなわち直接法に基づく第一適応アルゴリズムによる適応制御が実行される。そして、ステップS3の第一条件を満たす状態となるまで、第一制御部110による制御が継続される。
例えば、第一制御部110による制御開始からの経過時間が設定値に達することが第一条件である場合には、時間経過すると、FW係数を記憶部140に記憶した後に、第一制御部110による制御から第二制御部130による制御に切り替える。つまり、第一制御部110による制御の時間がある程度経過すると、第二経路用適応フィルタKは、実際の二次伝達関数Gに十分に近い値となる。そこで、二次伝達関数Gの相当値である当該フィルタKを取得できれば、第一制御部110による制御は終了する。一方、実際の二次伝達関数Gに十分に近いFW係数を取得できれば、第二制御部130による制御は、十分に振動または騒音を低減することができる。
第二の動作として、例えば一度走行後に、再び走行し始める場合を考える。この場合、既にFW係数は記憶部140に記憶されている。そうすると、S1→S2:N→S6:Y→S8:N→S5となり、第二制御部130により制御される。
第一,第二の動作に共通して、現在、第二制御部130により制御中の場合に、第二条件を満たす状態になると(S9:Y)、第一制御部110による制御に切り替え、FW係数を更新させる。そして、更新されたFW係数を用いて、再び、第二制御部130による制御を実行する。
本実施形態では、直接法の第一適応アルゴリズムにおける適応フィルタに、二次伝達関数Gの相当値が含まれていることを利用している。つまり、第二制御部130にて用いるFW係数の同定は、直接法の第一適応アルゴリズムを実行することにより行っている。従って、第一制御部110により制御信号ukが生成されている際、すなわち、振動または騒音を能動的に抑制するように制御している際に、二次伝達関数Gの相当値(FW係数)の同定を行っている。このように、FW係数の同定は、予め得る必要はない。そして、同定時においても第一制御部110により制御を実行しているため、同定のために振動または騒音を発生させることもなく、さらには同定時においても振動または騒音を低減することができる。
ただし、直接法の第一適応アルゴリズムのみを適用した場合には、制御効果が低い。一方、二次伝達関数Gを予め同定したときに、Filtered-X LMSアルゴリズムを適用した場合には、制御効果が高い。そのため、本実施形態によれば、第一適応アルゴリズムによってFW係数が同定された後には、FW係数を用いて適応フィルタを更新する第二適応アルゴリズムを用いている。この第二適応アルゴリズムは、例えば、Filtered-X LMS適応アルゴリズムである。つまり、第二適応アルゴリズムを用いることで、高い制御効果を得ることができる。つまり、ロバスト性に優れる。
解析結果について、図7を参照して説明する。図7において、太実線は制御なしを示し、細実線は本実施形態における第二制御部130を実行した場合を示し、一点鎖線は直接法の適応アルゴリズムのみを適用した場合を示し、二点鎖線は二次伝達関数Gを予め同定したときに、Filtered-X LMSアルゴリズムを適用した場合を示す。
図7から分かるように、直接法のみ(一点鎖線)よりも、Filtered-X LMSアルゴリズムのみ(二点鎖線)の方が、振動抑制効果が高いことが分かる。また、本実施形態(細実線)は、直接法(一点鎖線)よりも、振動抑制効果が高くなっている。そして、周波数によって異なるものの、本実施形態(細実線)は、Filtered-X LMSアルゴリズムのみ(二点鎖線)と同等の効果であると言える。
また、本実施形態においては、車両において、参照点から評価点までの一次伝達経路における振動部材に対して振動を付与する加振器61を用いている。ここで、車両において、加振器61と評価点63との間は、1自由度または多自由度の減衰振動となる。当該減衰振動において、質量、ばね定数および減衰係数は、非常に変化しやすい。つまり、二次伝達関数Gが変化しやすいということになる。このように二次伝達関数Gが変化しやすい構成に、上述した手段を適用することにより、上記効果を確実に奏する。
そして、車両において、質量、ばね定数および減衰係数は、乗員数、外気温、誤差信号の大きさおよびタイヤ11の空気圧の変化に起因する。つまり、二次伝達関数Gの変化は、乗員数、外気温、誤差信号の大きさおよびタイヤ11の空気圧の変化に起因する。そこで、これらの何れかに基づいて第二制御部130による制御から第一制御部110による制御へ切り替えて、二次伝達関数Gの相当値Gh(K)を更新することで、現在の状態に応じた二次伝達関数Gの相当値(FW係数)を取得することができる。その結果、第二制御部130による制御において、振動または騒音を確実に抑制できる。
第一制御部110による制御から第二制御部130による制御への切り替えは、第一制御部110による制御開始からの経過時間、または、誤差信号ekの大きさに基づいて行っている。これらにより、第一制御部110における二次伝達関数Gの相当値としての適応フィルタKが安定した状態となる。つまり、二次伝達関数Gの相当値(FW係数)の同定精度を向上することができる。その結果、第二制御部130による制御において、振動または騒音を確実に抑制できる。
ところで、本実施形態においては、第一,第二制御部110,130による制御は、車両走行中のみに実行している。そもそも停車中には、ロードノイズが発生しないためである。そして、上述したように、FW係数の同定、すなわち二次伝達関数Gの相当値(適応フィルタK)の取得は、第一制御部110による制御中に行うことができる。つまり、車両走行中において、FW係数の同定を行うようにしたとしても、第一制御部110による制御効果を発揮することができる。ただし、図7に示したように、制御効果としては劣るために、適切なFW係数を取得した後には、直ちに第二制御部130による制御に切り替えることが好ましい。
そして、車両走行中であっても、二次伝達関数Gが変化することもある。つまり、車両がどのような状況であっても、現在の二次伝達関数Gに近いFW係数を取得することができ、当該FW係数を用いて第二制御部130による制御を行うことができるため、振動または騒音に対して高い抑制効果を得ることができる。
なお、上記においては、ロードノイズを対象とした場合には、停車中にFW係数の同定を行う必要がない。しかし、ロードノイズでなく、例えば、エンジン振動に起因する振動または騒音を抑制対象とする場合には、アイドリング中であれば、当該振動または騒音が発生する。そこで、このような場合には、停車中においても、第一制御部110による制御を実行して、FW係数を取得することもできる。もちろん、走行中において、第一制御部110による制御を実行してFW係数を取得することができることは上記同様である。そして、エンジン振動に起因する振動または騒音を抑制対象とする場合にも、走行中にFW係数の同定を行うことにより、二次伝達関数Gの変化に適応することができるため、振動または騒音の高い抑制効果がある。
<第二実施形態>
第二実施形態について、図8を参照して説明する。ここで、第一実施形態と同一構成については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。第二実施形態は、第一実施形態に対して、誤差信号検出器263が車室内70に設置されたマイクロフォンであることが異なる。つまり、マイクロフォンの位置が、評価点となる。この場合、加振器61がタイヤハウス22に加振力を付与することで、車室内70に設置された誤差信号検出器263(マイクロフォン)の騒音のうち、車輪10から入力される成分を低減することができる。このような構成においても、上記実施形態と同様に、第一制御部110と第二制御部130を選択的に適用することで、車室内70におけるロードノイズを低減することができる。
11:タイヤ、 61:加振器(駆動装置)、 62:参照信号検出器(参照点)、 63,263:誤差信号検出器(評価点)、 110:第一制御部、 130:第二制御部、 140:記憶部、 150:切替部、 C1,C2,K,D:適応フィルタ、 G:二次伝達関数、 Gh:フィードフォワード係数、 uk:制御信号

Claims (5)

  1. 能動的に更新される制御信号に基づいて駆動装置を駆動し、評価点における振動または騒音を能動的に抑制する装置であって、
    少なくとも、前記制御信号のフィルタ係数、および、前記制御信号を出力してから前記評価点までの二次伝達経路の伝達関数である二次伝達関数の相当値をそれぞれ適応フィルタとする直接法の第一適応アルゴリズムを用い、前記第一適応アルゴリズムにより前記制御信号を生成する第一制御部と、
    前記第一制御部によって適応フィルタとして適応的に更新される前記二次伝達関数の相当値を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記二次伝達関数の相当値をフィードフォワード係数とし、当該係数に基づいて適応フィルタとしての前記制御信号のフィルタ係数を更新する第二適応アルゴリズムを用い、前記第一制御部により前記制御信号を生成しない場合に前記第二適応アルゴリズムにより前記制御信号を生成する第二制御部と、
    を備える能動型振動騒音抑制装置。
  2. 前記能動型振動騒音抑制装置は、車両に適用され、
    前記駆動装置は、参照点から評価点までの一次伝達経路における振動部材に対して振動を付与する加振器である、請求項1の能動型振動騒音抑制装置。
  3. 前記能動型振動騒音抑制装置は、車両に適用され、
    前記第二制御部による制御中において、乗員数、外気温、誤差信号の大きさおよびタイヤの空気圧の何れかに基づいて、前記第二制御部による制御から前記第一制御部による制御に切り替え、
    前記第一制御部は、前記記憶部に記憶される前記二次伝達関数の相当値を更新する、請求項1または2の能動型振動騒音抑制装置。
  4. 前記第一制御部による制御中において、当該第一制御部による制御開始からの経過時間、または、誤差信号の大きさに基づいて、前記第一制御部による制御から前記第二制御部による制御に切り替え、
    前記第二制御部は、更新された前記二次伝達関数の相当値に基づいて制御を開始する、請求項3の能動型振動騒音抑制装置。
  5. 前記能動型振動騒音抑制装置は、車両に適用され、
    前記記憶部に記憶される前記二次伝達関数の相当値は、車両走行中に前記第一制御部が制御している際に生成した前記適応フィルタとする、請求項1〜4の何れか一項の能動型振動騒音抑制装置。
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