JP2008216375A - 能動消音装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期収束が速いFTFと誤差経路変動後も安定した収束を実現するLMSの両者の利点を組み合わせる。
【解決手段】能動消音装置において、適応アルゴリズムによりデジタルフィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新部と、制御音と低減対象音の合成音圧を検出し、合成音圧信号を出力する誤差マイクと、合成音圧信号を最小にする制御音信号の生成のためのフィルタ係数更新に必要な信号を算出し、フィルタ係数更新部に出力する信号算出部と、フィルタ係数更新のための適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える切替部と、を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音圧レベルが変動する場合を対象に誤差マイク及び制御用スピーカ等を用いて騒音源からの音を低減する能動消音に関し、特に、誤差マイク位置での音圧最小化を実現する能動消音装置に関する。
能動制御において、一般的に使用されている演算アルゴリズムとしてFilteredX−LMSアルゴリズムがある。このアルゴリズムは制御音源から誤差マイクまでの空間伝達経路の特性G(誤差経路)を事前に同定し、この特性が既知かつ時不変である仮定に基づいて制御フィルタCを更新するものである。つまり、空間伝達経路の特性Gを固定フィルタ係数とするもので、音圧レベルの変動が大きい騒音の場合や、誤差マイクや制御スピーカ位置の変動に伴い誤差経路が変動する場合には、制御効果が劣化し、あるいは発散し、収束させることができないといった制御が不安定になる問題をかかえる。
そこで考え出された対策が、制御音源から誤差マイクまでの空間伝達経路の特性Gを事前に同定しないという直接法アルゴリズムである。直接法アルゴリズムは、誤差経路Gが存在せず、制御フィルタCの更新には複数の制御フィルタ、適応フィルタを用いる。直接法アルゴリズムにおいて、制御フィルタCの係数を更新するための適応フィルタC以外に、1つの固定フィルタK、その適応フィルタK、及び適応フィルタDを設け、誤差マイク信号をもとに仮想誤差信号を生成し、これら適応フィルタ係数の更新を行うことを特徴としている。
ここで、それぞれの入出力信号に対する各適応フィルタのフィルタ係数をc,k,d(但し、i=0,1,...,L)とするフィルタ係数ベクトルをC,K,Dとすると各誤差信号は、
Figure 2008216375
と表される。また、制御音uと補助信号sは、
Figure 2008216375
と表される。ここで、式(1),(2)より、
Figure 2008216375
が成り立つ。式(3)より、e1k,e2kが0に収束し、かつCとKのフィルタ係数がある一定値に収束すれば、右辺の第2項と第3項が打ち消しあい、左辺も0となるのでe=0という関係が導かれ、実際の誤差を0にできることがわかる。
以上より、仮想誤差信号e1k,e2kを0にすることで制御を可能にしている。
ここで示した係数更新計算には、従来のFiltered−Xと同じ勾配方形のLMSアルゴリズムとFTFアルゴリズム(高速トランスバーサルフィルタ)が知られ、以下の非特許文献1乃至6に紹介されている。
雉本、他3名「誤差経路の変化に高速に追従するアルゴリズムを用いた能動的音響制御」 日本機械学会第14回環境工学総合シンポジウム2004講演論文集p42−p45 佐々木、他3名「外部入射騒音に対する能動的音響制御」 日本機械学会第13回環境工学総合シンポジウム2003講演論文集p42−p45 J. M. Chioffi, T. Kailath, "Fast Recursive-Least-Squares Transversal Filters for Adaptive Filtering", IEEE Trans. On Acoustic, Speech, and Signal Processing, Vol.32, No.2, pp.304-337, 1984. 今村泰理,雉本信哉,金光陽一,松田浩一,「高速に収束する適応アルゴリズムを用いた実空間での能動的音響制御」,日本機械学会第16回環境工学総合シンポジウム2006講演論文集,pp.39−42.
LMSは勾配法型のアルゴリズムであるため計算量が少なく安定性も高いことから、誤差経路の変動、すなわち誤差マイク位置の移動時にも安定していることが利点であるが、その一方で収束が遅いという欠点がある。FTFは最小二乗法に属する適応アルゴリズムであり、勾配法型のLMSと比べて計算量は大きいものの収束が速いことが利点であるが、誤差経路の変動、すなわち誤差マイク位置の移動時になると、その高速収束能を発揮できず、収束速度はLMSと同等あるいはそれ以下にまで劣化し、安定性にもかけるという欠点がある。したがって、誤差経路の同定が不要であることが特徴でありながら、誤差経路変動時には両者の欠点が影響し、変動前と同様の制御性能を維持することは困難である。
本発明は、初期収束が速いFTFと誤差経路変動後も安定した収束を実現するLMSの両者の利点を組み合わせることで初期収束を速くし、誤差経路の変動、すなわち誤差マイク位置移動後も制御効果を維持できる能動消音装置を提供することを目的とする。
本発明の一観点に係る能動消音装置は、音源から発せられた低減対象音を低減する能動消音装置において、制御音信号に従って制御音を発生する制御音源と、前記低減対象音の参照信号を生成する参照信号生成部と、前記参照信号をデジタルフィルタによって信号処理することにより前記制御音信号を生成するデジタルフィルタ演算部と、適応アルゴリズムにより前記デジタルフィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新部と、前記制御音と前記低減対象音の合成音圧を検出し、合成音圧信号を出力する誤差マイクと、前記合成音圧信号を最小にする制御音信号の生成のためのフィルタ係数更新に必要な信号を算出し、前記フィルタ係数更新部に出力する信号算出部と、前記適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える切替部と、を具備する。
本発明によれば、初期収束が速いFTFと誤差経路変動後も安定した収束を実現するLMSの両者の利点を組み合わせることで初期収束を速くし、誤差経路の変動、すなわち誤差マイク位置移動後も制御効果を維持できる能動消音装置を提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示す本実施形態の能動消音装置は、音源から発せられた低減対象音1を低減する能動消音装置であって、制御音信号に従って制御音を発生する制御音源2と、前記低減対象音1の参照信号を生成する参照信号生成部3と、前記参照信号をデジタルフィルタによって信号処理することにより前記制御音信号を生成するデジタルフィルタ演算部4と、適応アルゴリズムにより前記デジタルフィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新部5(5a〜5c)と、前記制御音と前記低減対象音1の合成音圧を検出し、合成音圧信号を出力する誤差マイク(エラーマイク)6と、前記合成音圧信号を最小にする制御音信号の生成のためのフィルタ係数更新に必要な信号を算出し、前記フィルタ係数更新部5に出力する信号算出部7と、前記適応アルゴリズムをFTF(高速トランスバーサルフィルタ)適応アルゴリズムとLMS(最小二乗平均)適応アルゴリズムとの間で切り替えるフィルタ更新方式切替部8と、を具備する。
従来の方式はFTF法あるいはLMS法のどちらか一方でフィルタを更新するものであったが、本実施形態に係る能動消音装置は、これら2つのアルゴリズムを備え、制御実行中にフィルタ更新方式切替部8が適切なアルゴリズムへの切替を行うことを特徴とする。
これについての実験システムを構築し、検証を行った。デジタル回路で作成した200[Hz]から5[kHz]のランダム信号をDA出力し、2[kHz]のローパスフィルタを介して模擬音源用スピーカから発生させる。この模擬音源用スピーカから約1m離れた正面に制御スピーカ及び誤差マイクを、互いに20cm程度の間隔を保って配置した。そして、2[kHz]のローパスフィルタ出力信号を参照信号に用いて適応制御を実施した。
図2にLMS法の結果を示す。横軸は時間、縦軸は誤差マイク音圧の電圧値を示している。誤差マイク音圧の電圧値の値が小さいほど音圧が低減していることを示す。制御開始後約1秒間は音圧が増大し、その後に収束が開始され、約2秒後に収束が終了している様子がわかる。続いて、制御開始から4秒後にマイクを移動させたときの挙動を図3に示す。5秒付近の突出した音はマイク自体を動かした際に発生した音であるため、実際は6秒付近の盛り上がりが収束する際の挙動である。マイクを移動しても非常に良好に収束している。
図4にFTF法の結果を示す。制御開始から約0.5秒間は変化ないが、そこから急激に音圧は下がり、瞬間的に収束が終了している。続いて、制御開始から4秒後にマイクを移動させたときの挙動を図5に示す。収束は進行するものの、その収束の速度は非常に遅いことがわかる。
以上のように、LMSは誤差マイク移動時にも安定しているが収束が遅いという欠点があり、FTF法は初期収束は速いが誤差マイク移動時は収束が遅い欠点があることを確認できた。
次に、制御実行中にアルゴリズムをFTF法からLMS法に切り替える本実施形態の手法を実行した結果を示す。誤差マイク位置を固定した状態で制御開始から2秒後にアルゴリズムの切替を実施した結果を図6に示す。FTF法で算出されたフィルタ係数のままLMS法で適応制御を開始しても、収束に悪影響が出ておらず、制御は良好であることがわかる。続いて、制御開始から2秒後にアルゴリズムをFTF法からLMS法に切り替えたのち、その2秒後にマイクを移動させたときの結果を図7に示す。マイクを移動しても非常に良好に収束している様子が確認できる。
本実験では、制御開始時点ではFTF法を実行し、その2秒後にFTF法からLMS法に切り替えた。この2秒という数値は、後述するヘッドレストへの応用を考えると次の点で妥当である。
すなわち、耳元近くに誤差マイクを配する構成(後述する)では、誤差マイクの音圧低減効果が直接、ユーザの聴感に反映される。特に、制御直後の高速収束は減音効果を実感できる。2秒間以内というのは、ユーザが頭部を動かさずにいられる時間であって、かつFTF制御により高速収束が完了する時間に相当する。写真撮影時や顔認証などにおいても同様である時間である。この2秒という時間が経過した後は、すでにLMSに切り替わっていることから、誤差マイクが移動しても安定した制御が実現し、頭部を動かすことも可能となる。
本実施形態において、フィルタ更新方式切替部8は、制御の開始時点からの経過時間に沿ってどのタイミングで適応アルゴリズムを切り替えればよいかを示す時間テーブルを備える。例えば本実施形態では、2秒という値が時間テーブルに事前に設定されているものとする。制御が開始されると、フィルタ更新方式切替部8は時間テーブルを参照し、制御の開始時点から2秒が経過したらフィルタ更新のための適応アルゴリズムを当初のFTF適応アルゴリズムから、LMS適応アルゴリズムに切り替える。なお、2秒という値はあくまで一例であることは言うまでもない。また、本発明は適応アルゴリズムの切替制御に時間テーブルを用いることのみに限定されない。
さらに、フィルタ更新方式切替部8は、適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムからLMS適応アルゴリズムに切り替えることのみならず、LMS適応アルゴリズムからFTF適応アルゴリズムに切り替える制御を行っても良い。
LMS法からFTF法への切替について説明する。
LMS法に基づく適応アルゴリズム演算は推定スピードが遅い場合には安定な推定動作が行われることが知られているが、実用上は頭部を移動した場合でもその頭部移動速度とほぼ同様の推定スピードが求められる。この場合、その移動スピードによっては適応アルゴリズムのスピードが追いつかずに、LMS法の推定動作そのものが発散していく場合がある。この推定動作の失敗については、制御音源2に対してデジタルフィルタ演算部4が出力する制御音信号の振幅を監視することで容易に推察できる。フィルタ更新方式切替部8は、制御音源2自身が発することが可能な振幅以上の信号がデジタルフィルタ演算部4より指示されたことを検知する。後述する図11に示す構成では、制御スピーカ3a,3bに対して制御フィルタ8a,8bが指示する出力振幅を監視し、スピーカ3a,3b自身が発することが可能な振幅以上の信号が制御フィルタ8a,8bより指示されたことを検知する構成とする。
LMS法の推定動作の発散が検知されたら、制御系はリセット動作が必要となり、そのリセット動作では全てのフィルタブロックのフィルタ係数が初期化される。フィルタ係数が初期化されてからの推定については収束の速いFTF法を用いるのが良い。そこで、フィルタ更新方式切替部8はLMS法からFTF法にアルゴリズムの切替を行う。
次に、FTF法からLMS法への切替について説明する。FTF法からLMS法への切替にあたっては、前記時間テーブルという判断基準に加えて以下の三つの明確な条件を使用することもできる。
一つ目の条件は、誤差マイク6から出力される信号(合成音圧信号)の信号振幅のRMS(Root Mean Square:平均二乗誤差)値の監視に基づくものである。適応アルゴリズムの推定において、適応と収束の正しい方向性を確認する手段として前記誤差マイク信号のRMS値振幅が挙げられる。誤差マイク信号の低減量は、その低減対象音の性質、周囲環境などに大きく依存するものであるが、推定が進むことによってRMS値の値は着実に減少へ向かう。このRMS値の減少が止まったときはFTF法が収束したことを意味し、LMSへの切替を行う明確な判断基準の一つとなる。
二つ目の条件は、前記誤差マイク信号のうち、参照信号との相関を有する信号についてRMS値の監視を行うものである。一つ目の条件においては誤差マイク信号のみを用いてRMS値の評価を行っているが、誤差マイク信号においては、低減対象音以外にも様々な騒音が観測される場合があり、特にそのような外乱騒音が多い場合には一つ目の条件では正しい観測ができない場合がある。そのような場合には前記誤差マイク信号のなかで前記参照信号との相関のある信号のみについてRMS値を求め、そのRMS値信号の減少が止まったときはFTF法が収束したことを意味し、LMSへの切替を行う明確な判断基準の一つとなる。
三つ目の条件は、FTF法におけるゲインフィルタの挙動である。FTF法の推定ブロック内の演算については前記参照信号と前記誤差マイク信号を材料とした複雑な推定アルゴリズムが実行されるが、この推定アルゴリズムには大きく分けて二つのゲインフィルタが内蔵されており、推定開始時においては非常に大きな値を示したのち、急激に値が小さくなっていく。この推定開始時の大きな値がFTF法における高速な収束を可能にしており、言い換えればこのゲインフィルタの値が、収束したかどうかに対する明確な指標になることが分かる。図8は初期化されたFTF単一ブロック推定に際して、ゲインフィルタのひとつの挙動を示したものである。図8に示すように推定開始当初はゲインフィルタ値は急速に発達して非常に大きな値を示した後、すぐに急激に減少することが分かる。よってこの急速な増加の後の減少を確認できれば、それはFTF法の収束の終了を意味することとなり、FTF法からLMS法への切替を行う明確な判断基準の一つとなる。
FTF法の初期収束性能を生かすとい観点においては、これら三つの条件についてどれか一つが満たされていることが好ましいが、特に満たされていない場合においてFTF法からLMS法へ切り替えたとしても適応アルゴリズムはシステムとしての問題は生じないことは言うまでもない。また、FTF法からLMS法への切替は音響伝達経路の変更が行われたときに初めて必要とするものであるから、音響伝達経路の変更が行われることを検知し、そのときはじめてFTF法からLMS法へ切り替えるという方法を採用することも可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態の応用例に係り、ヘッドレストに能動消音装置を導入した場合について検討したものである。
ヘッドレストの場合は両耳制御のため、図9に示すように誤差マイク及び制御フィルタを2組設けた2チャンネルのシステム構成を基本とする。従来の能動消音技術を搭載したヘッドレストは、図10に示すFiltered−Xアルゴリズムが使用されている。しかしながら、従来法の問題点としては、制御スピーカから誤差マイクまでの伝達関数G11,G12,G21,G22は事前に同定し、適応制御フィルタの更新過程においては固定フィルタとして使う方式であり、上記伝達関数は変動しないことが絶対条件であった。能動消音機能を備えたこれまでのヘッドレスト技術はすべてこの方式である。伝達関数が変動した場合は、その都度同定し直す必要があり、スピーカから校正音を出力することによる同定作業も実用的ではない。
特に、実環境では以下の理由により上記伝達関数G11,G12,G21,G22が変動する。
・消音ユニット(エラーマイク・スピーカ)自体が移動すること
・仮に消音ユニットが固定であっても、頭部(反射体)が移動すること
よって、従来法では安定した制御効果を実現することはできない。これに対して、以下の特徴を有する直接法LMSアルゴリズムを用いると、(1)伝達関数Gの事前同定が不要(校正音の発生なし)であり、(2)伝達関数G変動時も実時間で対応可能である。
伝達関数の変化にも追従できることから、頭部の位置移動や、消音ユニットの位置調整による実環境変動への応答性を有する、図11に示すようなシステム構成が可能となる。。
第1のシステム構成例に係る耳元消音装置を図12(a)(b)を参照しながら説明する。
この耳元消音装置は、頭部を背面から支えるヘッドレスト本体1と、第1の誤差マイク2a及び第1の制御スピーカ3aを内蔵し、前記頭部を耳元の一方の側面から支える第1の消音ユニット部4aと、第2の誤差マイク2b及び第2の制御スピーカ3bを内蔵し、前記頭部を耳元の他方の側面から支える第2の消音ユニット部4bと、位置調整が可能なように前記第1の消音ユニット部4aを前記ヘッドレスト本体1に接続する第1の調整部5aと、位置調整が可能なように前記第2の消音ユニット部4bを前記ヘッドレスト本体1に接続する第2の調整部5bと、騒音源6から発せられた騒音の参照信号を出力する参照マイク部7と、前記参照信号を第1のデジタルフィルタによって信号処理することにより、前記第1の誤差マイク2aからの音圧信号を最小化するような制御音信号を生成し、前記第1の制御スピーカ3aに出力する第1の制御フィルタ部8aと、前記参照信号を第2のデジタルフィルタによって信号処理することにより、前記第2の誤差マイク2bからの音圧信号を最小化するような制御音信号を生成し、前記第2の制御スピーカ3bに出力する第2の制御フィルタ部8bと、前記参照信号及び前記第1の誤差マイク2aからの音圧信号に基づいて前記第1のデジタルフィルタのフィルタ係数を更新し、前記フィルタ係数の更新のための適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える制御を行う第1の更新部9aと、前記参照信号及び前記第2の誤差マイク2bからの音圧信号に基づいて前記第2のデジタルフィルタのフィルタ係数を更新し、前記フィルタ係数の更新のための適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える制御を行う第2の更新部9bと、を具備する。
消音ユニット部4a、4b(誤差マイク2a,2b及び制御スピーカ3a、3b)の位置を任意に調整しても、誤差マイク2a,2bを通じて得られる音圧低減効果を発散させることなく維持できることを特徴とする耳元消音機能付ヘッドレストである。
制御フィルタの係数更新のための適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える構成としているから、制御開始直後に耳元近くにある誤差マイクを高速収束させることができることから聴感上も低減効果の違いを実感でき、その後、頭部の動きに応じて誤差マイクが移動した場合でも、LMSアルゴリズムに切り替えられていることから安定した収束性能を維持できる。適応アルゴリズムの切替の制御を具体的にどのようにして行うかについては、上述した第1の実施形態と同様の手法を2系統のそれぞれに適用すればよい。
なお、本システムにおいては上記制御スピーカも誤差マイクも消音ユニットに内蔵されていることから、頭部がヘッドレスト本体1内に位置していない状態ではこれら2点間の空間伝達関数は一定であり、ユニットを動かさない限りは従来のfiltered−xアルゴリズムでも適応可能である。しかし、上述したように、頭部がヘッドレスト本体1内に位置する状態では頭部自体が反射体となり、制御スピーカから出た音波が頭部で反射して誤差マイクに伝わり、伝達関数が変化してしまう。したがって、消音ユニット(スピーカ・マイク)がたとえ固定されたとしても、頭部をヘッドレストに押し付けるような本来の使い方はできない。
これに対して、第1の実施形態では、上述したように伝達関数の変動にも追従可能であるため、頭部をヘッドレストに押し付けながら、さらに前後左右に動かしても消音効果を維持できる。
続いて、第2のシステム構成例に係る耳元消音装置を図13に示す。この構成例は、制御スピーカ3a,3bが消音ユニット4a,4bではなくヘッドレスト本体1の内部に設けられる点で図12に示したものと異なっている。
以上説明した2つのシステム構成例において、消音ユニット4a,4bは調整部5a,5bを介してヘッドレスト本体1に接続されているため、消音ユニット4a,4bの位置を耳元の位置に合わせるように左右任意に調整させることができる。ここで、図14(a)〜(d)に示すように、消音ユニット4a,4bをノイズキャンセルヘッドホンの形態とし、これらをフレキシブルな支持機構によって接続することにより、ユーザのより耳位置に近づくよう、前後左右の方向で任意に動かすことが可能なように構成してもよい。
図15(b)に示すようなノイズキャンセルヘッドホンの場合は完全に耳穴を覆うため、圧迫感があり、周囲音を遮断してしまうが、図15(a)に示すようなノイズキャンセルヘッドホンの場合はユニットを耳に押し付けても、覆うわけでないため圧迫感はなく、周囲音も遮断されない。また、図16(a)(b)に示す誤差マイクを内蔵したノイズキャンセルヘッドホンの場合は、このヘッドホンを仮に本システムのように圧迫感解消のため耳から密着させずに離すと、効果が劣化してしまう(図16(b))。したがって、ユニットを耳に押し付けても圧迫感なく、耳元に消音エリアを創ることができる図15(a)の構成例が好ましい。
ここで、図17(a)〜(c)に示すように、消音ユニット170内に複数の誤差マイク171を設け、該複数の誤差マイク171からのすべての信号を利用することで消音エリアを拡大でき、あるいはそのうちの一部を選択することで消音エリアの位置を微調整できる。この場合、消音ユニット170の支持機構で微調整が行えない分については電気回路処理で補正することが好ましい。
誤差マイクを複数個設けることで、消音領域を拡大できることについて以下に説明する。
まず図18に示すような従来の構成では、制御音源(スピーカ)、制御フィルタ、誤差マイクをそれぞれ1個有する1チャンネルの制御システムにおいて、主音源の体積速度をq、制御音源の体積速度をq、主音源から誤差マイクまでの伝達関数をHp1、制御音源から誤差マイクまでの伝達関数をHs1とすると、適応制御により誤差マイクにおいてこれらの合成音圧Pe1が理論上はゼロになることから、制御音源の体積速度が式(2)となる。
Figure 2008216375
ここで、
Figure 2008216375
とすると、誤差マイクから距離L[m]離れた減音対象点における制御効果は以下に示すLの実験条件式(5)(6)より、式(7)となる。
Figure 2008216375
上記Lを波長λの倍数と定義すると、式(9)の無次元式を得る。
Figure 2008216375
したがって、d=1,rp1=0.97,d=0.12,rs1=0.15[m]、L=0.03[m]の実験条件の場合、音速c=340[m/s]とすると、680[Hz]以下が減音の条件となる。
Figure 2008216375
5[kHz]までを対象に計算した結果を図19に示す。確かに式(10)に示すように680[Hz]までは低減し、これ以上からは逆に音が増加しているのがわかる。また、この結果は図20に示す実験結果の傾向とも概ね一致する。
誤差マイクと減音対象点までの距離Lが3[cm]のとき、680[Hz]であることから、3400[Hz]まで低減させるには、その1/5に相当する6[mm]以内に近づけなければならない(次式(11))。その計算結果を図21に示す。
Figure 2008216375
したがって、本システムを高音域まで対象とするには、誤差マイクの直近でしか低減できる保証はなく、例えば耳元消音(耳元のみ消音させる)に適用する場合を考えると、高音域(4[kHz]程度)まで低減させるには誤差マイクを減音対象点、すなわち耳穴に設置することが必須条件となる。耳穴には誤差マイクを置くことは圧迫感につながることから極力これを回避したい。この問題を解決する方式を図22の構成図に沿って説明する。
騒音源1から発せられた騒音を検出する参照信号検出部2と、騒音源1の参照信号をもとに制御音信号を生成する制御フィルタ部3と、制御フィルタ部3のフィルタ係数を更新する係数更新部4と、制御音信号に従って制御音を放射する制御スピーカ5と、複数個の誤差マイク7と、該複数の誤差マイク7の信号を加算する信号加算部8とを具備し、複数個の誤差マイク7を減音対象点6である耳穴から等距離に配し、信号加算部8により得られる加算信号を最小化する。これにより減音対象点6の減音性能を誤差マイクを単数配置する場合に比べて向上することができる。
これを式(1)と同様に計算すると、誤差マイクから距離L[m]離れた減音対象点における制御効果は次式(12)となる。
Figure 2008216375
この式の意味ついては、絶対値内の分数の分子は主音源を表し、第1項は主音源から見て一番手前の誤差マイク位置を表し、第2項は一番遠い反対側の誤差マイク位置を表し、第3、4項は中間のマイク位置を表す。同様に分母は制御音源について表す。したがって、各音源から見て幾何学配置を工夫することでこの分数の値を1に近づけると絶対値内部はゼロに近づき、理論上ではマイナス無限大の低減効果が得られる。
上式(12)を元に、d=1,rp1=0.97,d=0.12,rs1=0.15[m]、L=0.03[m]という実験条件の寸法にて計算した減音対象点における音圧低下量を図23(a)〜(d)に示す。誤差マイクの個数が増えるほど、低減する周波数帯域が高音域まで広がり、低下量も向上する。これを確かめるために、図24に示す適応制御システムにて評価試験を実施した。
その結果、誤差マイクの加算信号は図25(a)〜(d)に示す通りとなった。誤差マイクの個数の違いによらず、広い帯域で10[dB]以上低減し、式の右辺を満足し、理論どおりに最適な振幅位相を制御音源から出力できること、制御系は正常動作していることを確認した。減音対象点における制御効果を図26(a)〜(d)に示す。制御前後の音圧変化分、すなわち、低下量のレベルを横軸にとった結果を図27(a)〜(d)に示す。マイクが複数個になっても1個の場合と同様に傾向は計算結果と一致し、実験でも個数を増加する方が効果的である結果が確認できる。
したがって、このシステムを耳元消音に適用する場合、従来は耳穴に1個の誤差マイクを配さなければ高音域まで低減できなかったが、図28に示すような誤差マイク配置によって、耳穴を塞ぐことなく耳穴付近を高音域まで低減させることができる。なお、波長が長く周囲の環境の影響を受けやすい高音域は以上のような計算で効果を確認する必要があるが、500[Hz]以下の低域に限定すれば、以下の概算により、おおよその効果を見積もることができる。
耳元消音システムへの適用を想定し、制御音源は主音源位置に比べて誤差マイク位置の近くにあるという以下の条件下、すなわち、騒音源から減音対象点までの距離をdとし、制御スピーカから減音対象点までの距離dとし、
Figure 2008216375
であるという条件の下で、さらに音源−マイク間距離が以下の条件を満たす場合、すなわち図29に示すような関係を満たす場合に、式(12)は式(15)に近似できる。
Figure 2008216375
したがって、誤差マイクが2個の場合について説明すると図30の配置パターンでは次式(16)となる。
Figure 2008216375
図31の配置パターンでは次式(17)となる。制御音源のみ等距離になり、nが小さくなるほど、つまり、距離L一定の条件下では主音源が遠くなるほど効果が上がる。
Figure 2008216375
図32の配置パターンでは次式(18)となる。両者が等距離になるため、最も効果的である。
Figure 2008216375
図33の配置パターンでは次式(19)となる。主音源が等距離となり、この場合は、mが小さくなるほど、つまり制御音源の距離が遠くなるほど効果が上がる。
Figure 2008216375
これらを計算した結果を図34(a)〜(d)に示す。図34(a)(b)は騒音源からの音が2つの誤差マイクに時間遅れで到達する場合であり、図34(c)(d)は騒音源からの音が2つの誤差マイクに同時に到達する場合である。これらを比較すると、各音源から誤差マイクまでの距離が等距離の配置パターンが最も効果的であることがわかる。
距離Lが一定の条件下では各音源を遠ざけるほど効果は向上するが、実環境及びシステム構成を考慮すると、主音源は遠方にあることは容易に想像できるものの、制御音源は遠方に配することは考えにくい。特に上述したヘッドレストへの組みこみを考える場合は、制御音源は誤差マイク近傍が必須条件といえる。したがって、このような状況では、誤差マイクに近い制御音源を優先し、制御音源からの距離が一定になるような誤差マイク配置(図32、図31)が効果的である。つまり、図32、図31、図33、図30の配置パターンの順で効果が上がる。
同様に、図35に示す4個の場合の概算は式(20)となる。誤差マイク配置と制御効果(低音域減少)の関係の計算結果を図36(a)〜(d)に示す。
Figure 2008216375
したがって、誤差マイクの個数を増やすほど、距離L一定の条件下では各音源を遠ざけるほど効果的となる。汎用的なヘッドレストへの応用例を図37に示す。この応用例では、図28に示した耳周囲に誤差マイクを配置する方式とは違い、誤差マイク及びスピーカはすべてヘッドレスト側に組み込まれている。圧迫感は解消されるが、このシステムでは誤差マイクは1本のため、このマイクの近くに耳穴を近づけない限り、前述の計算結果のように高音域まで低減しない。これに対して、上述に従って誤差マイクを複数配置する構成とすれば、減音効果を向上することができる。なお、制御スピーカから音楽も流し、AVオーディオとしても機能させる場合には周囲への音漏れ問題も発生するが、図38に示すようにできるだけ耳近くにスピーカを配する構成を採用することで問題を解決することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば初期収束が速いFTFと誤差経路変動後も安定した収束を実現するLMSの両者の利点を組み合わせることで初期収束を速くし、誤差経路の変動、すなわち誤差マイク位置移動後も制御効果を維持できる能動消音装置及び耳元消音装置を提供できる。
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1の実施形態に係る能動消音装置を示すブロック図 LMS法の実験結果を示すグラフ LMS法の実験結果を示すグラフ(マイク移動あり) FTF法の実験結果を示すグラフ FTF法の実験結果を示すグラフ(マイク移動あり) アルゴリズムの切替を実施した結果を示すグラフ アルゴリズムの切替を実施した結果を示すグラフ(マイク移動あり) FTF単一ブロック推定におけるゲインフィルタの挙動を示すグラフ 第2の実施形態に係る2系統のシステム構成例を示す図 Filtered−Xアルゴリズムを示す図 耳元消音装置のシステム構成例を示す図 第1のシステム構成例に係る耳元消音装置を示す図 第2のシステム構成例に係る耳元消音装置を示す図 ノイズキャンセルヘッドホンの構成例を示す図 ノイズキャンセルヘッドホンの構成例を示す図 ノイズキャンセルヘッドホンの構成例を示す図 消音エリア拡大について説明するための図 従来の1チャンネルの制御システムを示す図 減音効果の計算結果を示すグラフ 減音効果の実験結果を示すグラフ 減音効果の計算結果を示すグラフ 誤差マイクを複数配置する構成例を示す図 減音対象点における音圧低下量の計算結果を示すグラフ 実験システム構成を示す図 誤差マイク加算信号の測定結果を示すグラフ 減音対象点における制御効果を示すグラフ 観測点における制御前後の音圧低下量を示すグラフ 複数誤差マイクの配置構成例を示す図 音源−マイク間距離の条件を示す図 誤差マイクが2個の場合の第1の配置パターンを示す図 誤差マイクが2個の場合の第2の配置パターンを示す図 誤差マイクが2個の場合の第3の配置パターンを示す図 誤差マイクが2個の場合の第4の配置パターンを示す図 4つの配置パターンについて制御効果の計算結果を示すグラフ 誤差マイクの配置数を4個とした場合を示す図 誤差マイクの配置数を4個とした場合の制御効果の計算結果を示すグラフ 汎用的なヘッドレストへの応用例を示す図 耳元消音と共にAVオーディオとしても機能させる場合の例を示す図
符号の説明
1…低減対象音;
2…制御音源;
3…参照信号生成部;
4…デジタルフィルタ演算部;
5…フィルタ係数更新部;
6…誤差マイク;
7…信号算出部;
8…フィルタ更新方式切替部

Claims (10)

  1. 音源から発せられた低減対象音を低減する能動消音装置において、
    制御音信号に従って制御音を発生する制御音源と、
    前記低減対象音の参照信号を生成する参照信号生成部と、
    前記参照信号をデジタルフィルタによって信号処理することにより前記制御音信号を生成するデジタルフィルタ演算部と、
    適応アルゴリズムにより前記デジタルフィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新部と、
    前記制御音と前記低減対象音の合成音圧を検出し、合成音圧信号を出力する誤差マイクと、
    前記合成音圧信号を最小にする制御音信号の生成のためのフィルタ係数更新に必要な信号を算出し、前記フィルタ係数更新部に出力する信号算出部と、
    前記適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える切替部と、を具備することを特徴とする能動消音装置。
  2. 制御の開始時点からの経過時間に沿ってどのタイミングで適応アルゴリズムを切り替えればよいかを示す時間テーブルを具備し、
    前記切替部は、前記時間テーブルが示すタイミングで前記適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替えることを特徴とする請求項1に記載の能動消音装置。
  3. 前記切替部は、前記制御音源に対して前記デジタルフィルタ演算部が出力する制御音信号の振幅が、前記制御音源が発することが可能な振幅以上となったことを検知したら、前記適応アルゴリズムをLMS適応アルゴリズムからFTF適応アルゴリズムに切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の能動消音装置。
  4. 前記切替部は、前記誤差マイクから出力される信号について、信号振幅の平均二乗誤差値の減少傾向を監視し、該平均二乗誤差値の減少が止まったときに、前記適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムからLMS適応アルゴリズムに切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の能動消音装置。
  5. 前記切替部は、前記誤差マイクから出力される信号のうち、前記参照信号との相関を有する信号について、前記平均二乗誤差の減少傾向を監視することを特徴とする請求項4に記載の能動消音装置。
  6. 前記切替部は、前記FTF適応アルゴリズムに用いられるゲインフィルタの値を監視し、前記値が増加から減少に転じた時点で、前記適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムからLMS適応アルゴリズムに切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の能動消音装置。
  7. 頭部を背面から支えるヘッドレスト本体と、
    第1の誤差マイク及び第1の制御スピーカを内蔵し、前記頭部を耳元の一方の側面から支える第1の消音ユニット部と、
    第2の誤差マイク及び第2の制御スピーカを内蔵し、前記頭部を耳元の他方の側面から支える第2の消音ユニット部と、
    位置調整が可能なように前記第1の消音ユニット部を前記ヘッドレスト本体に接続する第1の調整部と、
    位置調整が可能なように前記第2の消音ユニット部を前記ヘッドレスト本体に接続する第2の調整部と、
    騒音源から発せられた騒音の参照信号を出力する参照マイク部と、
    前記参照信号を第1のデジタルフィルタによって信号処理することにより、前記第1の誤差マイクからの音圧信号を最小化するような制御音信号を生成し、前記第1の制御スピーカに出力する第1の制御フィルタ部と、
    前記参照信号を第2のデジタルフィルタによって信号処理することにより、前記第2の誤差マイクからの音圧信号を最小化するような制御音信号を生成し、前記第2の制御スピーカに出力する第2の制御フィルタ部と、
    前記参照信号及び前記第1の誤差マイクからの音圧信号に基づいて前記第1のデジタルフィルタのフィルタ係数を更新し、前記フィルタ係数の更新のための適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える制御を行う第1の更新部と
    前記参照信号及び前記第2の誤差マイクからの音圧信号に基づいて前記第2のデジタルフィルタのフィルタ係数を更新し、前記フィルタ係数の更新のための適応アルゴリズムをFTF適応アルゴリズムとLMS適応アルゴリズムとの間で切り替える制御を行う第2の更新部と、を具備することを特徴とする耳元消音装置。
  8. 前記第1の制御スピーカを前記第1の消音ユニット部に代えて前記ヘッドレスト本体に配置し、前記第2の制御スピーカを前記第2の消音ユニット部に代えて前記ヘッドレスト本体に配置したことを特徴とする請求項7に記載の耳元消音装置。
  9. 前記第1及び第2の調整部は、前記第1及び第2の消音ユニットの位置を耳元にあわせて前後左右の任意の方向に調整可能なように該第1及び第2の消音ユニットを前記ヘッドレスト本体に接続するフレキシブルな支持機構からなることを特徴とする請求項7又は8に記載の耳元消音装置。
  10. 前記第1の誤差マイクを前記第1の消音ユニット部に複数配置するとともに、該複数の第1の誤差マイクを減音対象点から等距離に配置し、
    前記第2の誤差マイクを前記第2の消音ユニット部に複数配置するとともに、該複数の第2の誤差マイクを前記減音対象点から等距離に配置したことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の耳元消音装置。
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