JP6655435B2 - 能動型振動騒音制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車体の振動、又は前記振動に伴い発生する振動騒音を能動的に(アクティブに)制御する能動型振動騒音制御装置に関する。
特許文献1には、車体の振動、又は前記振動に伴い発生する騒音を能動的に制御する能動型振動騒音制御装置が開示されている。
この特許文献1に開示された能動型振動騒音制御装置では、伝達系の音又は振動の伝達特性を同定したときの前記伝達系の温度と前記伝達系の現在の温度との差に応じて発散抑制項を変更しフィルタ係数を小さくするように制御している(特許文献1の[0057]、[0074])。
なお、特許文献2には、この出願に関連する複数方向の振動を制振するダイナミックダンパを備える車載用能動型振動低減装置が開示されている。
特開2000−3180号公報 特許5479371号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、伝達特性の同定時温度と現在温度との間に差があるとフィルタ係数が小さくなり、振動騒音低減効果が抑制されてしまうという課題があり改良の余地がある。
さらに、特許文献1に開示された能動型振動騒音制御装置では、電磁アクチュエータのヨーク、あるいは支持弾性体に設けた専用の温度センサにより現在の温度を計測している(特許文献1の[0088])が、専用の温度センサは高コストであるという課題もあり改良の余地がある。
この発明はこのような種々の課題を考慮してなされたものであり、振動騒音低減対象の制御経路温度が変化しても、専用の温度センサを設けることなく、且つ振動騒音低減効果を抑制しない能動型振動騒音制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る車両用能動型振動騒音制御装置は、車両の特定の振動騒音低減対象の振動騒音信号を検出するセンサと、前記振動騒音信号と、前記振動騒音低減対象の振動に相関がある信号と、に基づいて制御信号を生成する制御信号生成器と、前記制御信号に基づくアクチュエータの駆動により前記振動騒音低減対象の振動騒音を抑制する能動型振動騒音制御装置であって、車両情報に基づいて、前記振動騒音低減対象の制御経路温度を推定する制御経路温度推定器と、推定された前記制御経路温度に応じて前記制御信号生成器が備える特性係数を切り替える特性係数切替器と、を備える。
この発明によれば、専用の温度センサを設けることなく制御経路温度を推定し、推定した前記制御経路温度に応じて前記制御信号生成器が備える特性係数を切り替えるように構成した。このため、前記制御信号生成器は、前記制御経路温度が変化しても、変化した制御経路温度に応じた適切な制御信号を生成できる。よって、低コストで且つ振動騒音低減効果を抑制しない能動型振動制御装置が提供される。
この場合、前記特性係数として学習速度パラメータを備えることが好ましい。特性係数としての学習速度パラメータは、ソフトウエアで切り替えることが可能であるので、コストを発生させることなく、安定的に振動騒音低減効果を発揮することができる。
また、前記特性係数として安定性補償係数を備えるようにしてもよい。特性係数としての安定性補償係数は、ソフトウエアで切り替えることが可能であるので、コストを発生させることなく、安定的に振動騒音低減効果を発揮することができる。
さらに、前記特性係数として構造伝達特性係数を備えるようにしてもよい。特性係数としての構造伝達特性係数は、ソフトウエアで切り替えることが可能であるので、コストを発生させることなく、安定的に振動騒音低減効果を発揮することができる。
前記の制御経路温度推定器は、外気温センサから外気温信号を取得して前記車両情報として用いることが好ましい。通常、外気温センサは、車両の必須の構成要素として該車両に設けられているので、専用の温度センサが不要となる結果、コストを発生させることなく、制御経路温度を推定することができる。
また、前記振動騒音低減対象がパワーユニットである場合、前記制御経路温度推定器は、前記パワーユニットを制御するパワーユニット制御装置から燃料噴射量信号を取得して前記車両情報として用いることが好ましい。燃料噴射量は温度上昇と相関があるので、コストを発生させることなく、制御経路温度を推定でき、安定的に一定の振動騒音低減効果を発揮することができる。
また、前記制御経路温度推定器は、車速センサからの車速信号を取得して車両情報として用いてもよい。車速は温度上昇と相関があるので、コストを発生させることなく、制御経路温度を推定でき、安定的に一定の振動騒音低減効果を発揮することができる。
さらに、前記制御経路温度推定器は、前記制御信号生成器から前記アクチュエータの駆動時間信号及び駆動電流信号を取得して前記車両情報として用いてもよい。アクチュエータの駆動時間及び駆動電流は、温度上昇と相関があるので、コストを発生させることなく、制御経路温度を推定でき、安定的に一定の振動騒音低減効果を発揮することができる。
なお、能動型振動騒音制御装置は、前記制御経路温度が所定温度閾値範囲外となった場合には、前記アクチュエータの駆動を停止することが好ましい。所定温度閾値範囲内で、安定的に振動騒音低減効果を発揮することができる。
この発明によれば、専用の温度センサを設けることなく制御経路温度を推定し、推定した前記制御経路温度に応じて前記制御信号生成器が備える特性係数を切り替えるように構成した。このため、前記制御信号生成器は、前記制御経路温度が変化しても、変化した制御経路温度に応じた適切な制御信号を生成できる。よって、低コストで且つ振動騒音低減効果を抑制しない能動型振動制御装置が提供される。
この実施形態に係る能動型振動騒音制御装置(AVNC装置)を備える車両の模式的構成図である。 制御経路温度と模擬伝達特性の対応表である。 AVNC装置による制御をオンとオフに切り替えた場合のステアリングホイールの上下方向の振動レベルを示す特性図である。 この実施形態に係る能動型振動騒音制御装置のブロック図である。 推定制御経路温度の値に基づく特性表を示す図である。 AVNC装置による制御をオンとオフに切り替えた場合のサブフレームの上下方向の振動レベルを示す特性図である。 温度推定器による推定制御経路温度の推定手順の説明に供されるフローチャートである。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、この実施形態に係る能動型振動騒音制御装置(以下、AVNC装置という。)10を備える車両12の模式的な構成を示している。
車両12は、フロアパネル14を有し、フロアパネル14の前方に振動源近傍部材であり一方の振動騒音低減対象(第1振動騒音低減対象)としてのサブフレーム16が取り付けられている。
サブフレーム16の上側には、制振ゴム18を介して振動源であるエンジン19(内燃機関)が搭載されている。なお、エンジン19は、車両12を駆動するパワーユニットでもあり、フロントフード28下のエンジンルーム30内に配置されている。
他方の振動騒音低減対象(第2振動騒音低減対象)であるステアリングホイール20を支持するステアリングシャフト22は、ステアリングハンガー24に回転自在に支持される。
ステアリングハンガー24は、例えば、図示しない両フロントサイドパネルに固定される。両フロントサイドパネルは、フロアパネル14及びサブフレーム16に連結されている。
したがって、エンジン19の振動が、エンジン19から制振ゴム18を通じた後、符号「C」の矢線で示す伝達経路26、すなわちサブフレーム16(フロアパネル14)から両フロントサイドパネル、ステアリングハンガー24、及びステアリングシャフト22への伝達経路26を通じてステアリングホイール20に伝達される。
サブフレーム16の下側には、このサブフレーム16を振動騒音低減対象とするダイナミックダンパとしてのマス一体型のアクチュエータ38が取り付けられている。
エンジンルーム内のアクチュエータ38からステアリングホイール20に至る上記の伝達経路26の伝達特性(位相特性と振幅特性)を上記の符号「C」で表す。この伝達特性Cは、測定若しくはシミュレーションにより予め求めておくことができる。測定若しくはシミュレーションにより求めた伝達特性を模擬伝達特性C^(Cハット)という。
図2に示すように、測定若しくはシミュレーションにより求めた模擬伝達特性C^は、制御経路温度(この実施形態は、ほぼ外気温度)Taに対応して特性A(Ta=−50[℃]〜−30[℃])、特性B(Ta=−20[℃]〜0[℃])、特性C(Ta=10[℃]〜30[℃])、特性D(Ta=40[℃]〜60[℃])のように変化する。
アクチュエータ38は、レシプロモータ、ピエゾアクチュエータ、ボイスコイル型アクチュエータ、リニアソレノイド等のアクチュエータ本体と、アクチュエータ本体をモールドする硬質ゴムとから構成されている。硬質ゴムの重量とアクチュエータ本体の重量を合わせた重量、すなわちアクチュエータ38の重量が、ダイナミックダンパとして機能するアクチュエータ38のマスに相当する。
図3の特性101に示すように、ステアリングホイール20は、エンジン19の振動に基づくサブフレーム16の振動を原因として複数の周波数f1、f2、f3で大きく振動する。ステアリングホイール20の振動とエンジン19の振動には強い相関があることが分かった。
したがって、アクチュエータ38が発生する上下方向ULの力により、これら複数の周波数f1、f2、f3でサブフレーム16及びステアリングホイール20に発生する上下方向ULの不要な振動騒音を低減し得る。
複数の周波数f1、f2、f3でアクチュエータ38に上下方向ULの力を発生させるため、図1に示すように、アクチュエータ38に、電気信号である制御信号Scを供給するケーブル44の一端を接続し、アクチュエータ38より延びるケーブル44の他端を、能動振動騒音制御器(AVNCECUという。)46に接続する。
ここで、AVNCECU46は、ダッシュボード内の適位置に固定されている。一方、エンジン19が配置される室であるエンジンルーム30には、適位置に燃料噴射制御器(FIECUという。)48が取り付けられている。FIECU48とAVNCECU46は、通信線50により接続される。
また、ステアリングホイール20の中央部(中心部)に埋め込まれてステアリングホイール20の振動を検出する振動センサ52と、AVNCECU46と、が通信線50により接続される。
図4は、AVNC装置10の構成例を示している。
AVNC装置10において、FIECU48からAVNCECU46に対して通信線50を通じてエンジンパルスEpが供給される。エンジンパルスEpは、図示しないピストンが上死点に来たときにハイレベルとされるものであり、エンジン19が4気筒エンジンであれば、図示しないクランク軸が1/2回転(180°回転)する毎にエンジンパルスEpがハイレベルになる、振動騒音低減対象であるサブフレーム16の振動に相関がある信号である。
また、振動センサ52からステアリングホイール20の振動が通信線50を通じて誤差信号Ea(振動騒音信号)としてAVNCECU46に供給される。
FIECU48及びAVNCECU46は、マイクロコンピュータ、メモリ、入出力回路等のハードウェアから構成される。
AVNCECU46は、FIECU48からのエンジンパルスEpと、振動センサ52からの誤差信号Eaとに基づいて制御信号Scを生成し増幅器72により増幅して出力し、アクチュエータ38を通じてサブフレーム16を上下方向UL(上方向Upと下方向Lw)に作動させる。
周波数検出器60は、エンジンパルスEpからエンジン回転周波数f[Hz]を検出して出力する。
基準信号生成器62は、エンジン回転周波数fの調波の周波数fd(制御周波数という。)を有する基準信号Sbを生成する。基準信号Sb、実際には、正弦波信号と余弦波信号からなり、これらが並列に制御信号生成器70に供給される。
制御信号生成器70は、基準信号Sbに対し適応フィルタ処理を施して制御信号Sc(Sc=Sb×W)を生成するものであり、同値のフィルタ係数Wが設定される適応フィルタ66、67と、参照信号生成器64と、フィルタ係数更新器68と、安定化補償係数乗算器69と、加算器80とを有する。
参照信号生成器64は、基準信号生成器62から出力された基準信号Sbに対して伝達特性処理を行うことで参照信号Sr(濾波基準信号ともいう。)を生成し、フィルタ係数更新器68に出力する。参照信号生成器64には、伝達経路26の伝達特性(位相特性と振幅特性)Cを模擬した上述の模擬伝達特性C^が設定されている。
適応フィルタ66は、例えば、ノッチフィルタであり、基準信号Sbにフィルタ係数Wを用いた適応フィルタ処理を施して、上下方向ULの複数の周波数f1、f2、f3の不要振動に対する相殺振動を発生させる制御信号Scを生成する。制御信号Scは、増幅器72により増幅されて増幅後の制御信号Scとしてアクチュエータ38に供給される。
適応フィルタ67も、同様にノッチフィルタであり、参照信号Srにフィルタ係数Wを用いたフィルタ処理を施して、模擬相殺振動騒音信号Sk(振動センサ52の位置で検出される相殺振動騒音信号の推定信号)を生成し(Sk=Sr×W)、安定性補償係数乗算器98に供給する。
安定性補償係数乗算器98は、模擬相殺振動騒音信号Skに安定性補償係数α(0<α<1)を乗算した安定化信号α・Skを加算器80の一方の入力ポートに供給する。
加算器80の他方の入力ポートには、振動センサ52により検出された誤差信号Eaが供給される。加算器80は、誤差信号Eaが安定化信号α・Skにより補正された、次の(1)式に示す誤差信号e(n)をフィルタ係数更新器68に供給する。
e(n)=Ea+α・Sk …(1)
フィルタ係数更新器68は、適応フィルタ66、67のフィルタ係数Wを逐次演算・更新する。フィルタ係数更新器68は、適応アルゴリズム演算{例えば、最小二乗法(LMS)アルゴリズム演算}を用いてフィルタ係数Wを演算する。すなわち、参照信号生成器64からの参照信号Srと誤差信号e(n)とに基づいて、誤差信号e(n)の二乗e(n)2をゼロとするようにフィルタ係数Wを、公知のように、次の(2)式により演算する。
すなわち、更新後のフィルタ係数W(n+1)は、更新前のフィルタ係数W(n)と、誤差信号e(n)と、参照信号Sr(n)と、ステップサイズパラメータμ(学習速度パラメータ)とから次の(2)式で計算される。
W(n+1)=W(n)−μ・e(n)・Sr(n) …(2)
なお、ステップサイズパラメータμは、一般に、小さくした場合、各制御周波数f1、f2、f3を中心と振動騒音の周波数範囲は狭まり振動騒音低減効果が高まるが、目標出力までの収束時間が長くなる。大きくした場合には、振動騒音の周波数範囲が広がり振動騒音低減効果が低くなるが、目標出力までの収束時間が短くなる。
また、安定性補償係数αは、安定性補償係数αを大きくした場合、誤差信号e中の安定化信号α・Skの割合が高まるので、制御周波数fd(周波数f1、f2、f3)での安定性が向上する。しかし、安定性補償係数αを大きくしすぎると(値1に近づけすぎると)、振動センサ52で検出する振動騒音の大きさの変化に対する反応がにぶくなるので、振動騒音制御の意味をなさなくなることが分かる。
したがって、ステップサイズパラメータμ及び安定性補償係数αは、的確に設定する必要がある。
この実施形態において、伝達特性C^、ステップサイズパラメータμ、及び安定性補償係数αの各値は、特性係数切替器74により切り替え可能になっている。
この実施形態において、特性係数切替器74は、温度推定器(制御経路温度推定器)76により推定された制御経路温度(推定制御経路温度)Teaの値に基づき予め定められた特性表100(マップ)(図5)を参照して、所定の組み合わせ[伝達特性C^,ステップサイズパラメータμ,及び安定性補償係数α]を選択・設定するように構成されている。
図5は、推定制御経路温度Teaの値に基づく特性表100の例を示している。一定の繰り返し性をもって各値が選択されることが分かる。
このように構成した図4のAVNC装置10(上述した前後方向FRの不要な振動を振動騒音低減する機構に相当する。)によれば、図2の特性図に示したエンジン回転周波数fの調波の周波数である制御周波数fd=周波数f1、f2、f3に対応した広帯域な周波数範囲(幅広い周波数範囲)での上下方向ULの振動を低減することができる。
図6は、AVNC装置10による制御をオンとオフに切り替えた場合のサブフレーム6における上下方向ULの振動レベルの特性を示している。点線で示す特性101が制御オフ時の制振前の特性であり、実線で示す特性102が制御オン時の制振時(振動が低減されたとき)の特性である。
ここで、推定制御経路温度Teaは、温度推定器76によって推定される。
温度推定器76には、外気温センサ82で検出される外気温Ta、車速センサ78により検出される車速Vs、アクチュエータ38の駆動電流Id、及びFIECU48の燃料噴射量Sfiの各信号が通信線50を通じて入力されている。
なお、外気温センサ82は、フロントグリル内部であってラジエターの前に取り付けられている既存の外気温センサ82が利用に供されている。
次に、温度推定器76による推定制御経路温度Teaの推定手順について、図7のフローチャートを参照して説明する。
図示しないパワースイッチがON状態にされエンジン19が駆けられる(ON状態にされる)と図7のフローチャートに対応するプログラムが開始し、ステップS1にて、外気温センサ82から外気温Taを取り込む。
ステップS2にて、ステップS1にて取り込んだ外気温Taを、推定制御経路温度Teaの初期温度値に設定する。
ステップS3にて、特性係数切替器74は、この初期温度を制御経路推定温度Teaとし、特性表100を参照して、使用テーブルである特性の組(セット)[μ、α、C^]を選択し、AVNC装置10の動作を開始させる。
次いで、ステップS4にて、外気温Ta、アクチュエータ38の駆動電流Id、燃料噴射量Sfi、及び車速Vsの各情報(各信号)を取り込む。
次に、ステップS5にて、次の(3)式にて、現在(今回)の推定制御経路温度Tea(t)を推定(予測)する。
Tea(t)=Tea(t−1)
+Vs×(Tea(t−1)−Ta)×K1
+Sfi×K2
+Id×K3 …(3)
ここで、Tea(t)は今回の推定制御経路温度、Tea(t−1)は前回推定した推定制御経路温度、Vsは車速、Taは外気温、K1は走行影響係数、Sfiは燃料噴射量、K2はエンジン熱影響係数、Idはアクチュエータ駆動電流、K3はアクチュエータ38の熱変換係数である。
(3)式の右辺第2項の走行影響係数K1は、予め実機により測定され設定されているエンジンルーム30内での車速Vsに比例する風流速に係わる係数である。
(3)式の右辺第3項のエンジン熱影響係数K2は、予め実機により測定され設定されているエンジン放射熱に関連し、燃料使用量Sfiに比例する係数である。
(3)式の右辺第4項の熱変換係数は、予め実機により測定され設定されているアクチュエータ駆動電流Idの電流量(駆動電流値×時間)に比例する係数である。
次いで、ステップS6にて、(3)式により推定した推定制御経路温度Tea(t)が所定温度閾値Tthl〜Tthh内の温度であるか否かを判定する(Tthl<Tea<Tthh)。なお、下限温度閾値Tthlは、Tthl=−50[℃]に設定され、上限温度閾値Tthhは、Tthh=60[℃]に設定される。
推定制御経路温度Tea(t)が所定温度閾値Tthl〜Tthh外の温度(ステップS6:NO)である場合には、増幅器72の増幅度を0値とすることで、アクチュエータ38の駆動電流Idを0値にし、アクチュエータ38の動作を停止させ、ステップS1にもどる。
推定制御経路温度Tea(t)が所定温度閾値Tthl〜Tthh内の温度(ステップS6:YES)である場合には、ステップS8にて、特性係数切替器74は、ステップS5で推定した制御経路推定温度Teaにより図5に示した特性表100を参照して、使用テーブルである特性の組(セット)(μ、α、C^)を選択し、AVNC装置10の振動騒音低減動作・制御を継続させる。なお、AVNC装置10の振動騒音低減動作・制御は、ステップS9に示すように、図示しないパワースイッチがオフ状態にされエンジン19がオフ状態にされるまで継続される。
[実施形態のまとめ及び変形例]
上述した実施形態に係るAVNC装置10は、車両12の特定の振動騒音低減対象であるサブフレーム16及び又はステアリングホイール20の振動騒音信号としての誤差信号Eaを検出する振動センサ52と、誤差信号Eaとサブフレーム16及び又はステアリングホイール20の振動に相関がある信号である基準信号Sbと、に基づいて制御信号Scを生成する制御信号生成器70と、制御信号Scに基づくアクチュエータ38の駆動によりサブフレーム16及び又はステアリングホイール20の振動騒音を低減する。
AVNC装置10は、車両情報に基づいて、サブフレーム16及び又はステアリングホイール20の制御経路温度Teaを推定する制御経路温度推定器76と、制御経路温度推定器76により推定された制御経路温度Teaに応じて制御信号生成器70が備える特性係数を切り替える特性係数切替器74と、を備える。
このように、専用の温度センサを設けることなく制御経路温度Teaを推定し、推定した制御経路温度Teaに応じて制御信号生成器70が備える特性係数を切り替えるように構成した。このため、制御信号生成器70は、制御経路温度Teaが変化しても、変化した制御経路温度Teaに応じた適切な制御信号Scを生成できる。よって、低コストで且つ振動騒音低減効果を抑制しないAVNC装置10が提供される。
前記特性係数は、推定制御経路温度Teaに応じて、学習速度パラメータとしてのステップサイズパラメータμ、安定性補償計数α、構造伝達係数としての伝達特性C^のいずれか1つのみを切り替えるようにしても一定の振動騒音低減効果が発揮される。特性表100に示したように、使用テーブルである特性の組(セット)(μ、α、C^)で切り替えることが好ましい。
どのように切り替える場合にも、ソフトウエアで切り替えることが可能であるので、コストを発生させることなく、安定的に振動騒音低減効果を発揮することができる。
また、前記車両情報として、制御経路温度推定器76は、外気温センサ82から外気温Taの信号を取得して用いることができる。外気温センサ82は、車両12の必須の構成要素として該車両12に設けられているので、専用の温度センサが不要となる結果、コストを発生させることなく、制御経路温度Teaを推定することができる。
また、前記振動騒音低減対象がサブフレーム16上に搭載されたパワーユニットとしてのエンジン19である場合、制御経路温度推定器76は、エンジン19の燃焼を制御するパワーユニット制御装置としてのFIECU48から燃料噴射量信号Sfiを取得して前記車両情報として用いることが好ましい。
燃料噴射量は温度上昇と相関があるので、コストを発生させることなく、制御経路温度Teaを推定でき、安定的に一定の振動騒音低減効果を発揮することができる。
制御経路温度推定器76は、車速センサ78からの車速信号Vsを取得して車両情報として用いることが好ましい。車速Vsは温度上昇と相関があるので、コストを発生させることなく、制御経路温度Teaを推定でき、安定的に一定の振動騒音低減効果を発揮することができる。
制御経路温度推定器76は、制御信号生成器70からアクチュエータ38の駆動時間信号及び駆動電流信号Idを取得して前記車両情報として用いることが好ましい。アクチュエータ38の駆動時間及び駆動電流Idは、温度上昇と相関があるので、コストを発生させることなく、制御経路温度Teaを推定でき、安定的に一定の振動騒音低減効果を発揮することができる。
制御経路温度推定器76は、(3)式に示したように、外気温Ta、アクチュエータ38の駆動電流Id、燃料噴射量Sfi、及び車速Vsの各情報(各信号)を取り込んで車両情報として用いることで、安定的に最も効果的な振動騒音低減効果を発揮することができる。
なお、制御経路温度Teaが所定温度閾値範囲外となった場合には、アクチュエータ38の駆動を停止するようにしたので、所定温度閾値範囲内で、安定的に振動騒音低減効果を発揮することができる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、例えば、以下に示す変形例のように種々の構成を採りうる。
第1に、前後方向FR(前方向Frと後方向Rr)の力を発生するアクチュエータ38を用いることで、左右方向LRの振動騒音をも低減することができる。
第2に、パワーユニットがシリーズハイブリッド車両の発電機を駆動するエンジンであってもこの発明を適用することができる。
第3に、パワーユニットが燃料電池車両の空気を供給するエアポンプであってもこの発明を適用することができる。
第4に、振動騒音がエンジンこもり音であり、振動騒音信号を検出センサがマイクロホンであり、アクチュエータがスピーカであって、乗員が感じるエンジンこもり音を打ち消す、いわゆるANC(Active Noise Control)装置にもこの発明を適用することができる。
10…能動型振動騒音制御装置(AVNC装置)
12…車両 14…フロアパネル
16…サブフレーム 19…エンジン
20…ステアリングホイール 26…伝達経路
38…アクチュエータ
46…AVNCECU(能動振動騒音制御器) 52…振動センサ
70…制御信号生成器 74…特性係数切替器
76…制御経路温度推定器

Claims (8)

  1. 車両の特定の振動騒音低減対象の振動騒音信号を検出するセンサと、
    前記振動騒音信号と、前記振動騒音低減対象の振動に相関がある信号と、に基づいて制御信号を生成する制御信号生成器と、
    前記制御信号に基づくアクチュエータの駆動により前記振動騒音低減対象の振動騒音を抑制する能動型振動騒音制御装置であって、
    車両情報に基づいて、前記振動騒音低減対象の制御経路温度を推定する制御経路温度推定器と、
    推定された前記制御経路温度に応じて前記制御信号生成器が備える特性係数を切り替える特性係数切替器と、
    を備え
    前記振動騒音低減対象がパワーユニットであり、
    前記制御経路温度推定器は、
    前記パワーユニットを制御するパワーユニット制御装置から燃料噴射量信号を取得して前記車両情報として用いる
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  2. 車両の特定の振動騒音低減対象の振動騒音信号を検出するセンサと、
    前記振動騒音信号と、前記振動騒音低減対象の振動に相関がある信号と、に基づいて制御信号を生成する制御信号生成器と、
    前記制御信号に基づくアクチュエータの駆動により前記振動騒音低減対象の振動騒音を抑制する能動型振動騒音制御装置であって、
    車両情報に基づいて、前記振動騒音低減対象の制御経路温度を推定する制御経路温度推定器と、
    推定された前記制御経路温度に応じて前記制御信号生成器が備える特性係数を切り替える特性係数切替器と、
    を備え
    前記制御経路温度推定器は、
    前記制御信号生成器から前記アクチュエータの駆動時間信号及び駆動電流信号を取得して前記車両情報として用いる
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の能動型振動騒音制御装置において、
    前記制御信号生成器は、
    前記特性係数として学習速度パラメータを備える
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  4. 請求項1又は2に記載の能動型振動騒音制御装置において、
    前記制御信号生成器は、
    前記特性係数として安定性補償係数を備える
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  5. 請求項1又は2に記載の能動型振動騒音制御装置において、
    前記制御信号生成器は、
    前記特性係数として構造伝達特性係数を備える
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  6. 請求項1又は2に記載の能動型振動騒音制御装置において、
    前記制御経路温度推定器は、
    外気温センサから外気温信号を取得して前記車両情報として用いる
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  7. 請求項1、2又は6に記載の能動型振動騒音制御装置において、
    前記制御経路温度推定器は、
    車速センサからの車速信号を取得して前記車両情報として用いる
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の能動型振動騒音制御装置において、
    該能動型振動騒音制御装置は、
    前記制御経路温度が所定温度閾値範囲外となった場合には、前記アクチュエータの駆動を停止する
    ことを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
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