JP5927067B2 - 計測検査装置、及び計測検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板(ウェハ)などの試料(対象物)の計測または検査などを行う装置(計測検査装置)、及びそれを用いて計測または検査などを行う方法(計測検査方法)、等に関する。また、走査型電子ビーム方式の電子顕微鏡装置(SEM)などに関する。
半導体製造プロセスにおいて、半導体基板(ウェハ)上に形成される回路パターンの微細化が急速に進んでおり、それらのパターンが設計通りに形成されているか否か等を監視するプロセスモニタリングの重要性が益々増加している。例えば、半導体製造プロセスにおける異常や不良(欠陥)の発生を早期に或いは事前に検知するために、各製造工程の終了時に、ウェハ上の回路パターン等の計測及び検査が行われる。
上記計測・検査の際、走査型電子ビーム方式を用いた電子顕微鏡装置(SEM)などの計測検査装置及び対応する計測検査方法においては、対象のウェハ(試料)に対して電子ビーム(電子線)を走査(スキャン)しながら照射し、これにより発生する二次電子などのエネルギーを検出する。そしてその検出に基づき信号処理・画像処理などにより画像(計測画像や検査画像)を生成し、当該画像に基づいて計測及び検査が行われる。
例えば、回路パターンにおける欠陥の検査を行う装置(検査装置、検査機能)の場合は、検査画像を用いて、同様の回路パターンの画像同士を比較し、それらの差が大きい箇所を欠陥として判定・検出する。また回路パターンにおける計測を行う装置(計測装置、計測機能)の場合は、二次電子などの発生量が試料の凹凸(表面形状)によって変化するので、その二次電子の信号の評価処理により、試料の表面形状の変化などを捉えることができる。特に、回路パターンのエッジ部で二次電子の信号が急激に増減することを利用して、当該回路パターンの画像内でのエッジ位置を推定することで、回路パターンの寸法値などを計測することができる。そしてその計測結果に基づいて、当該回路パターンの加工の良否などを評価することができる。
上記計測・検査に係わる先行技術例として、特開2006−093251号公報(特許文献1)、特開平7−326314号公報(特許文献2)、特開2006−13388号公報(特許文献3)などがある。
特許文献1では、パターンの断面形状上の所望の位置におけるパターン寸法を計測する技術などが記載されている。特許文献1では、「走査型電子顕微鏡を用いて試料の二次電子画像を取得し、この取得した二次電子画像の中で寸法を計測するパターンの画像プロファイルを二次電子画像を用いて作成し、予め記憶しておいた断面の形状と寸法とが既知で形状が異なる複数のパターンのそれぞれの二次電子画像から得られた複数のパターンのそれぞれに対応する複数のモデルプロファイルの中から作成した画像プロファイルと最も一致するモデルプロファイルを検索し、この検索して得たモデルプロファイルの情報を用いてパターンの寸法を求めるようにした寸法計測方法およびその装置」等が記載されている。
特許文献2では、「絶縁物、あるいは、半導体試料に一次荷電粒子ビームを照射して試料から得られる信号を検出する走査荷電粒子ビーム装置において、試料の帯電現象を著しく少なくすることができる走査荷電粒子ビーム装置を実現する」等が記載されている。
特許文献3では、ブランキング制御(後述)に関して、ブランキング制御回路からブランキング制御電極までの伝送線路の補正などについて記載されている。
特開2006−093251号公報 特開平7−326314号公報 特開2006−13388号公報
前記走査型電子ビーム方式を用いた電子顕微鏡装置(SEM)などの計測検査装置及び対応する計測検査方法においては、試料に対する電子ビームの照射時、試料の正負の帯電の影響により、正確な計測・検査ができなくなる(精度が低下する)問題がある。この帯電量は、試料のパターンや走査方式などにも依存する。例えばラスタ走査方式では、パターンにおける横方向(X方向)のラインに対してはビームが連続的に照射されるので、相対的に帯電量が大きく、例えば正の帯電となるが、縦方向(Y方向)のラインではビームが非連続的に照射されるので、相対的に帯電量が小さく、例えば負の帯電となる(後述図12,図14等)。
計測・検査の精度を向上するためには、上記のような不要な帯電を抑制することが必要である。即ち、無用なビームの照射時間を短縮することが必要である。
上記帯電の抑制(照射時間の短縮)のための手段として、ブランキング制御(ビームの照射(遮断)のON/OFFを切り替える制御)が挙げられる(後述図15等)。
しかし従来のブランキング制御では、照射(遮断)のON/OFFを切り替える時に、ブランキング制御電極に印加するブランキング制御信号(電圧)において、リンギングや応答遅れ等が発生し、正確な計測・検査ができない時間であるセットリングタイム(静定時間)が生じる(後述図16,図17等)。これに対応して、検出される画像では、ビーム照射(走査)位置ずれに対応したひずみが発生し、正確な計測・検査ができない領域となる。
上記計測・検査の精度を向上するために、高速な走査制御、及び高速なブランキング制御を実現するためには、上記セットリングタイムの短縮が必要である。
なお、前記特許文献1では、試料の帯電現象により計測・検査の精度が劣化する課題やその解決手段などについては記載されていない。
前記特許文献2では、主な解決手段として、補助電子照射器を用いて、一次電子ビームの照射により発生した帯電現象を中和することが記載されている。但し、補助電子照射器を設置することは、装置の構造とコストに対して大きな負担になる。更に、特許文献2にも記載のように、補助電子照射器においてもブランキング制御を用いて試料へのビームの照射と遮蔽の制御が必要である。この場合にも、セットリングタイムの問題が生じるが、その解決手段などは開示されていない。
前記特許文献3では、解決しようとする課題は、複数駆動回路と電極間のばらつきの低減や、高速制御に対応するタイミングずれである。特許文献3でも、ビームの高速走査(高速ブランキング制御)のために必要なセットリングタイムの問題(短縮の課題)が生じるが、その解決手段などは開示されていない。
以上を鑑み、本発明の主な目的は、走査型電子ビーム方式の半導体(試料)の計測検査装置及び方法などに関して、高速走査及び高速ブランキング制御を実現するために、ブランキング制御信号のリンギング等に起因したセットリングタイムの短縮を実現でき、これにより計測・検査の高精度化を実現できる技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のうち代表的な形態は、走査型電子ビーム方式の半導体(試料)の計測検査装置及び計測検査方法などであって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
本形態は、走査型電子ビーム方式で試料(半導体などの対象物)の計測または検査の少なくとも一方を行う計測検査装置であって、前記計測または検査を含む全体を制御する全体制御部と、前記計測または検査を含む作業のためのユーザインタフェースを提供するインタフェース部と、前記試料に対して電子ビームを照射するための光学レンズを含む電子光学系と、前記電子光学系を制御する電子光学制御部と、前記試料に対する電子ビームの走査制御のために照射位置を偏向により制御するための偏向器と、前記偏向器に対する制御信号を生成して印加する偏向制御回路と、前記電子ビームの照射により試料から発生する二次電子またはその他のエネルギーを検出する検出器と、前記検出器で検出した信号を処理して当該計測または検査の画像を生成しユーザに対して出力する信号処理系と、前記計測または検査に関するデータ情報を記憶する記憶部と、前記試料に対する電子ビームの照射の遮断を制御するための主ブランキング手段と、前記主ブランキング手段に対する補正のための補正ブランキング手段と、前記電子ビームを遮断するためのアパーチャと、を有する。
前記主ブランキング手段は、主ブランキング電極と、前記主ブランキング電極に対して主ブランキング制御信号を生成して印加する主ブランキング制御回路と、を有する。前記補正ブランキング手段は、補正ブランキング電極と、前記補正ブランキング電極に対して補正ブランキング制御信号を生成して印加する補正ブランキング制御回路と、を有する。前記主ブランキング制御回路からの主ブランキング制御信号を主ブランキング電極に印加して前記電子ビームの遮断のONからOFF状態へ切り替える時、前記補正ブランキング制御回路からの補正ブランキング制御信号を補正ブランキング電極に印加することにより、前記主ブランキング制御信号によるリンギング等に起因する前記電子ビームの照射の位置ずれを補正する。
本発明のうち代表的な形態によれば、走査型電子ビーム方式の半導体(試料)の計測検査装置及び方法などに関して、高速走査及び高速ブランキング制御を実現するために、ブランキング制御信号のリンギング等に起因したセットリングタイムの短縮を実現でき、これにより計測・検査の高精度化を実現できる。
本発明の実施の形態1の走査型電子ビーム方式の半導体の計測検査装置を含むシステム全体の構成を示す図である。 (a),(b)は、実施の形態1(及び従来)におけるブランキング電極の構成を示す俯瞰図である。 実施の形態1におけるブランキング電極とその回路、及び感度に関する構成を模式的に示す図である。 主BLK制御信号と補正BLK制御信号の波形の関係などを示す図である。 主BLK制御と補正BLK制御とを合わせた効果を示す図である。 実施の形態1における補正データ計算処理のフローを示す図である。 実施の形態1におけるリアルタイムの補正処理のフローを示す図である。 相関テーブルの構成例を示す図である。 GUI画面例のイメージを示す図である。 (a),(b)は、実施の形態2におけるブランキング電極の構成を示す俯瞰図である。 従来の走査型電子ビーム方式の半導体の計測検査装置を含んで成るシステム全体の構成を示す図である。 従来(及び本実施の形態)におけるラスタ走査方式を示す図である。 従来(及び本実施の形態)における図4Aのラスタ走査方式の場合のビームの偏向制御信号とブランキング制御信号の波形例を示す図である。 従来(及び本実施の形態)における電子ビームの走査方式を模式的に示す斜視図である。 従来(及び本実施の形態)におけるベクタ走査方式の場合のビームの走査軌跡、偏向制御信号、及びブランキング制御信号の波形例を示す図である。 従来(及び本実施の形態)におけるブランキング制御信号の理想波形および実波形の例を示す図である。 (a)は、従来(及び本実施の形態)における(主)ブランキング制御信号の実波形のリンギングによるビーム照射位置ずれの一例を示す図であり、(b)は、(a)のビーム照射位置ずれによる計測画像ひずみの一例を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態(計測検査装置、計測検査方法)を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、計測検査装置(計測検査方法)とは、計測のみを行う場合、検査のみを行う場合、計測と検査の両方が可能な場合、を含むとする。適宜、ブランキング:BLKと略す。
本形態の計測検査装置は、試料に対するビームの照射(遮断)の高速切り替え制御(高速走査、高速ブランキング制御)の手段として、主ブランキング手段(主BLK制御電極10、主BLK制御回路201など)と、補正ブランキング手段(補正BLK制御電極20、補正BLK制御回路202など)とを有する構成である。本装置は、主BLK制御手段の信号によるビーム照射の遮断ONからOFF状態に切り替える時に生じるリンギング等の現象(それによるビーム照射位置ずれ)に対して、補正BLK制御手段の信号による補正制御(主BLKの波形に対する補正用の波形の印加)により、リンギング等をリアルタイムで補正する。これにより、セットリングタイムを短縮し、高速制御を実現し、測定・検査の高精度化を実現する。また事前計測による上記主BLKの波形のプロファイルのデータに基づいて、上記補正BLK用の波形(基本補正BLKデータ)を計算して得る。そして、実際の計測・検査時には、主BLKの波形と同期させてリアルタイムで補正BLKの波形を生成して印加する。
<前提>
本実施の形態を詳細に説明する前に、背景・前提となる技術部分(従来のSEM方式の計測検査装置及び方法における主BLK制御手段)や課題の詳細などについて、以下、図11〜図17等を用いて簡単に説明する(なおこれらの図面は本実施の形態の説明でも共通に用いる)。
[前提(1)]
前記SEM等の計測検査装置及び方法における電子ビームの走査方式について以下である。例えばCD−SEM(測長SEM)における通常の走査をTV走査、ラスタ走査などと呼び、1画面あたりの走査時間が約26μsである。またTV走査を基準としてそのn倍速とした走査をn倍速走査と呼び、例えば4倍速走査の場合、1画面の走査時間が約26/4=6μsとなる。図12には、ラスタ走査方式を示している。
上記方式において、試料に対して入射するビーム(一次電子ビーム)と試料との相互作用によって試料から二次電子が放出される。その入射電子1個当たりの放出電子数を二次電子放出率(η)と呼ぶ。ηはビームの照射エネルギー、試料の材質や形状などに依存する。η<1の場合、ビーム照射によって試料に負の電荷が蓄積するため、負帯電になる。一方、η>の場合、試料に正の電荷が蓄積するため正帯電になる。
ここで例えば、上記負帯電した試料上で一次電子ビームを走査して試料からの二次電子を検出してその画像(二次電子像)を得ても、試料の(負)帯電部分が明るく光ってしまい、試料の表面状態の観察(測定や検査)が不可能または低精度となる問題がある。逆に、正帯電した試料上でビームを走査して二次電子像を得ても、試料の(正)帯電部分が暗くなってしまい、同様に観察が不可能または低精度となる問題がある。特に試料が絶縁物の場合は上記の現象が顕著となる。
また上記帯電量は、試料のパターンの形状(及びそれに対する走査方式)などにも依存する。例えばパターンの横ラインを走査するとき(ラスタ走査方式でX方向のラインを走査する場合)(図12の404)、その横ライン上でビームを連続的に照射することになるので、蓄積する電荷量が多くなる。よって帯電による電位上昇が大きく、試料に引き戻される二次電子数が増え、画像コントラストが低下する。一方、同パターンの縦ライン(上記横ラインと同じ長さ・面積とする)を走査するとき(同ラスタ走査方式)では(図12の405)、走査が非連続的で複数回の横方向(X方向)の部分ごとに分かれることになるため、その縦ライン上での連続的な照射時間は短くなる。よって帯電による電位上昇が小さく、検出できる二次電子数は、縦ラインの方が多く、コントラストの良い画像が得られる。
上記のようにラスタ走査でパターンの縦・横ラインを観察すると、縦ラインに比べて横ラインのコントラストが低下し、例えばラインのエッジが消失する問題が生じる。即ちビーム走査による試料の帯電の影響などによる計測・検査の精度の問題がある。
上記問題を解決・改善するためには、上記のような不要な帯電を抑制することが必須である。言い換えると、ビーム照射(連続的な照射)による試料の表面の電位上昇を抑制することにより、試料に戻される二次電子数を少なくする(帯電量を少なくする)ことが必要である。そこで、ビームによる試料に対する無用な照射時間を短縮することが有効である。
上記照射時間の短縮を実現する一手段として、高速ブランキング制御を用いる。従来のSEM(図11)におけるブランキング制御では、BLK電極や偏向器やアパーチャを用いて、試料に対するビームの照射/遮断を切り替え制御する。例えば通常は照射(遮断OFF)状態とし、一時的・部分的に非照射(遮断ON)状態に切り替える。特に高速・詳細な切り替え制御ができれば、その分、無用な照射時間を短縮することができる。
[前提(2)]
図11は、従来のSEMの装置(システム)の構成の一例を示している。なお本実施の形態(図1)との主な違いとしては、補正BLK手段(20,202等)の有無である。ブランキング制御手段として、BLK制御回路201及びBLK制御電極10等を有する構成である。通常、ブランキング(遮断)OFFによる照射時は、ビームがA1,A4の流れで試料110に照射され、それによる二次電子A11が検出器107で検出される。ブランキングONによる非照射時は、ビームがA1,A5の流れでアパーチャ106で遮蔽される。
なお図11では、試料110から発生する二次電子A11を検出器107で検出する構成であるが、それに限らず、試料110から発生する透過電子もしくは吸収電子などの他のエネルギーを検出する構成としてもよい。
[前提(3)]
以下、図12,図14等で、従来の走査型電子ビーム方式におけるラスタ走査方式の場合を示す。
図12には、ラスタ走査方式を示している。400は、図14の試料110(試料台112)上の走査領域301(ビーム走査軌跡300)と対応した領域(全体的なイメージ)を示す。401は、X方向(図14のX方向と対応)のライン毎のビームの連続的な走査(照射)を示す。402は、Y方向(図14のY方向と対応)のライン順次のビームの連続的な移動(送り)を示す。403は、X方向のライン間でのビームの戻しの軌跡(非照射・遮断状態)を示す。404は、パターン(照射対象領域)におけるX方向のライン(横ライン)の例(連続的照射領域となる)、405は、Y方向のライン(縦ライン)の例(非連続的な照射領域となる)である。
計測・検査時、ビームをX方向の1ライン(401)ごとに走査(照射)を開始し、当該1ラインの終点まで達して当該1ラインの走査が終了すると、Y方向での移動(402)と共に、当該ビームをX方向の左の始点(次の1ラインの先頭)に振り戻し(403)、次の1ラインの走査が開始され、同様に繰り返しである。
[前提(4)]
図14は、SEM方式の計測検査装置(図11)、及びラスタ走査方式(図12)における電子ビームの走査方向などを示している。図示するZ方向は、試料110(ないし試料台112)の平面に対して垂直なビームA1の照射方向である。X,Yの方向(座標)は、例として、ラスタ走査方式におけるビームA1のライン毎の走査方向をX方向とし、それに対して直交するビームA1(或いは試料台112)の移動方向(送り方向)をY方向としている。X方向では連続的な走査(照射)領域となり、Y方向では非連続的な走査(照射)領域となる。
例えばビーム(或いは試料110を載せた試料台112)をY方向へ連続的に移動させながら、X方向のライン毎に繰り返し走査する。その繰り返し走査になるように、偏向制御回路206からの偏向制御信号(c1,c2)により偏向器108での偏向を制御する。また上記X方向のライン毎の走査に同期させて、試料110から発生する二次電子A11を検出器107で検出する。これにより信号検出部207、画像処理部208を通じて二次元の画像(計測画像,検査画像)が得られる。
なお上記ビームの走査制御のための構成例として、偏向制御によりビームをX方向でライン順次に走査すると共に、機構系制御部230により試料110を載せた試料台(ステージ)112をX,Y方向で連続的に移動制御可能な構成としたが、これに限らず可能である。例えば、試料台112側を固定として電子ビーム(照射系など)側を移動制御する構成としてもよい。また試料台112を固定とし、偏向制御によりビームをX,Y方向で任意の方向に走査するようにしてもよい。また、機構系制御部230により試料台112を物理的に回転制御し、XまたはY方向の一方向のみに連続的に移動する構成でもよい。
[前提(5)]
図2の(a)は、図14に対応して、電子ビームの遮断を制御するための要素であるBLK制御電極10の構成例を、図14のX,Y方向の平面での俯瞰図で示す。BLK制御電極10は、従来一般的には、2枚1組の金属板(10a,10b)が平行・対向して配置される構成である。BLK制御回路201からのBLK制御信号(ON/OFFの波形)(図13)により、BLK電極10(10a,10b)に印加された電圧差によって、当該電極間に電界を生じさせる。これにより当該電極間を通過する位置(311)のビームにクーロン力を生じさせることで偏向させる。
通常、BLK制御信号(図13の(b))のOFF時(421)には、BLK制御電極10間の電界(偏向電界)を生じず、ビーム(A4)が、BLK制御電極10の下のアパーチャ106の真中の穴を通過して試料110に照射される。また、同BLK制御信号のON時(422)には、BLK制御電極10間の電界(偏向電界)を生じ、ビーム(A5)が偏向させられてアパーチャ106の穴から外れて遮蔽され、試料110には照射されない。
上記BLK制御電極10へ印加されるBLK制御信号の電圧は、約数十〜100Vの範囲である。なおBLK制御電極10の2枚の金属板(10a,10b)に対し、片方(BLK制御信号の信号ラインa1)には所定電圧が印加され、もう片方(BLK制御信号のグランドラインa2)がグランドされる場合を示しているが、両者に正負(±)の電圧が印加される場合もある。
[前提(6)]
図13には、図12の走査に対応した、(a)偏向制御信号、及び(b)BLK制御信号の電圧波形を示している。(a)は、図12の400の軌跡(領域)になるようにビームの偏向を制御するための偏向制御信号の波形を示し、偏向制御回路206から偏向器108へ印加される偏向制御信号(c1,c2)に対応する。(b)は、BLK制御でビームの遮断ON/OFFを制御するためのBLK制御信号の波形を示し、BLK制御回路201からBLK制御電極10へ印加するBLK制御信号(a1,a2)に対応する。(a)の波形のうち、411は、計測画像(データ)の取得時におけるX方向の1ライン(401)毎の走査(照射)時のビーム偏向制御の部分である。412は、X方向の1ライン(401)の終点まで走査が終了して始点へ戻る時(403)のビーム偏向制御の部分(振り戻し期間)である。(b)の波形のうち、421は、(a)の411と同期してBLK制御信号をOFFする時(ブランキングOFF状態)を示し、422は、(a)の412と同期してBLK制御信号をONする時(ブランキングON状態)を示す。またt1は上記ONからOFFへの切り替え時点を示す。ブランキングOFF時の電圧をVoff(例えば0[V])とし、ブランキングON時の電圧をVon(Vb)とする。
上記403のようなビームの振り戻し時には、試料110に対してビームを無用に照射しないようにするために、412,422のようにBLK制御信号のONによりビームを偏向させてアパーチャ106で遮断する。
更に、1ライン(401)上においても、BLK制御信号を適宜ONに切り替えるようにすれば、その部分ではビームの照射が遮断されることになる。そのON/OFFの切り替えを高速・詳細に実現できれば、極力無用な照射時間を無くして精度を向上できることになる。
[前提(7)]
また、上記ラスタ走査方式以外の走査方式も存在する。例えば最近のSEMでは、ベクタ走査方式などに対応したものがある。ベクタ走査方式では、X−Y平面における任意の方向で走査を制御する。例えば試料における測定したいパターン形状の方向に沿って走査の方向を制御可能であり、所望の座標点(画素数など)のデータを取得可能である。上記ラスタ走査方式(図12,図14のように単純にライン毎に順次に走査する場合)に対し、ベクタ走査方式を使用する場合は、特に前述の帯電問題の改善に対して、更に有利である。それは、測定・検査の対象の試料の領域(パターン形状など)に対して、ビームの走査方向や照射(遮断)のON/OFFを詳細に制御できるためである。
図15は、ベクタ走査方式の一例を示す。なお図15で示す方式は、上述のラスタ走査方式におけるライン毎の走査の途中にブランキングON/OFFを詳細に切り替える方式(飛び走査方式ともいう)の説明図として捉えることもできる。500は、試料110上、X−Y平面におけるビームの走査(移動)の軌跡(領域)を示す。ここでは前述同様にX方向のラインとして示しているが、この方向は任意の方向(例えばXを0度としたときの45度の方向)にとることができ可変である。500のライン中、501は、計測対象となる一部のパターン、即ちビームを照射する対象の領域(画素領域)を示す。502は、ビームの非照射領域(遮断領域)を示す。ライン(500)の全部分に対してビームを照射すると余分な帯電が生じるため、照射が必要な領域(501)と不要な領域(502)とに分け、必要な領域(501)にのみ照射し、不要な領域(502)では遮断して照射しないようにする。
上記に対応して、(a)は前述同様に偏向制御信号を示し、(b)はBLK制御信号を示す。(b)によるブランキング(遮断)のON/OFFの切り替えを制御する。照射領域(501)ではOFF信号(521)、遮断領域(502)ではON信号(522)にする。t1はON(522)からOFF(521)への切り替え時点である。
[前提(8)]
前述のように、SEMにおいてビームを試料に照射して計測や検査を行う際、パターンや走査方式などに応じて、試料に余分な正負の帯電が生じると、正確な計測・検査ができない。そのため、不要な帯電の抑制(無用な照射時間の短縮)が必要である。そのための手段として、ブランキング制御(高速ブランキング制御)が挙げられる。しかしながら、ラスタ走査方式やベクタ走査方式などと共に高速ブランキング制御を行う場合、以下のような問題がある。
前述のビームの戻し時(403)などのように、非照射領域から照射領域へ戻る(入る)際、即ち一時的なブランキングON状態(遮断状態)からOFF状態へ切り替える際には、BLK制御電極10へ印加するBLK制御信号の電圧差を0へ戻す必要がある(所定電圧値(Von)から所定電圧値(Voff)へ戻す必要がある)。
図16には、上記に関する従来のBLK制御信号の理想波形および実波形の例を示す。600は前述同様に対象の試料110のパターンの領域(X方向のラインの場合)を示す。601は、計測対象の部分を示す。(a)は、図15の(b)と同様であるが、BLK制御電極10へ印加する理想的なBLK制御信号の電圧波形である。612はON時(Von:Vb)、611はOFF時(Voff:0)である。(b)は(a)に対応した実波形である。
BLK制御信号の電圧波形は、BLK制御信号を生成するBLK制御回路201の特性と、BLK制御回路201からカラム100内(真空)に設置されたBLK制御電極10までの伝送線路(信号ライン)の特性との影響を受ける。この影響により、BLK制御電極10へ実際に印加されたBLK制御信号は、(a)のような理想波形ではなく(b)のような実波形になる。
(b)の実波形のうち、ON/OFFの電圧は、高速切り替えにより、ON時(622)の高電圧(Von)からOFF時(621)の0V(Voff)へ戻るとき(時点t1〜t2)等に、どうしても603のようなリンギング(電圧リンギング、収束遅れ)(過渡波形)が発生する。
上記リンギング(603)の発生により、ビームが遮断状態(非照射領域)から照射領域へ戻る(入る)ときに、試料110上の本来(理想)のビーム照射位置(例えば600のX方向の直線上)と実際の位置とで誤差(ずれ)が生じる。この誤差(ずれ)により、検出された計測画像において、ひずみ等として現れることになり、即ち精度低下となる。
[前提(9)]
図17(a)には、上記BLK制御の際のビーム照射位置ずれについて示している。700は、X,Y方向の平面における計測対象の試料(ウェハ)上のパターン(特に単純な検出用エッジパターン)に対するビーム照射位置のイメージを示す。701のX方向の直線が、600のパターンのラインに対応した理想的なビーム照射位置とする。しかし上記リンギング(603)により、702(実際の照射位置の軌跡)のように、Y方向でのビーム照射位置のずれ(揺れ)が生じる。
図17(b)で、710は、図17(a)に対応した計測画像(そのひずみ)を示す。712は、702に対応した、リンギング(ずれ)によるひずみの領域を示す。713は、702,712の領域に対応した、リンギングが十分に小さく収束するまでの時間を示す(図16の時点t1〜t2と対応)。713の時間(対応する空間領域)においては、正確な画像(データ)の取得が不可能となる(計測不可能領域となる)。
713の時間を、ビームのセットリングタイム(settling time)(静定時間)(STとする)と定義する。このセットリングタイムSTを短縮できれば、その分、高速走査・高速BLK制御が実現できる。
上記BLK制御信号のON時の高電圧(ハイレベル)(Von:Vb)は、例えば従来一般的には数十〜100V程度である。一方、計測画像における1画素の位置ずれを生じるBLK制御信号の電圧は、約数mV〜1mV以下である。そのため、セットリングタイムSTは、BLK制御信号の電圧(Von:Vb)の立ち下がりの開始時点(t1)からリンギングの振幅の大きさが電圧(Von:Vb)の振幅の0.001%以内に収まるまで(これを時点t2とする)の時間として定義できる。
上述のように高速走査・高速BLK制御によるビームの無用な照射時間の短縮のためには、上記セットリングタイムSTのような時間を短縮する必要がある。
なお上記リンギング等の現象は、図16のように、信号ON→OFF切り替え(立ち下がり)時だけでなく、OFF→ON切り替え(立ち上がり)時にも同様に発生する。この時についても、後述のように補正(短縮)の対象として同様に適用可能である。
また図16では電圧リンギングの例を示したが、他にも応答遅れ等が発生し得る。応答遅れは、例えばON→OFF切り替え時(t1)に、電圧波形がすぐには立ち下がらずに少し遅れて立ち下がることを指す。このような応答遅れの時間についても、上記リンギングと同様に、後述のように補正(短縮)の対象として同様に適用可能である。
<実施の形態1>
上記前提を踏まえ、図1〜図9等を用いて、本発明の実施の形態1の走査型電子ビーム方式の半導体の計測検査装置及びそれを用いた計測検査方法について説明する。実施の形態1(図1等)では、電子ビームの高速走査に伴う高速BLK制御(照射・遮断の高速なON/OFF切り替え制御)を行うための要素であるBLK制御電極として、従来(図11)の主BLK手段(主BLK制御電極10、主BLK制御201等)に対し、新たに補正BLK手段(補正BLK制御電極20、補正BLK制御回路202等)を追加した構成である。走査方式は、前述のラスタ走査方式やベクタ走査方式などが適用可能である。電極構成として、図2のように、主BLK及び補正BLKのそれぞれで、2枚の金属板による構成とした。即ち特定の一方向のBLK制御を行う構成とした。
また補正データ計算処理機能として、事前計測による主BLK制御信号(特にON→OFF切り替え時の波形)の実測値(プロファイル)をもとに、補正BLK用(補正BLK制御信号の波形の生成用)の基本データ(基本補正BLKデータ)を計算して得る機能を有する。そして、補正処理機能として、計測・検査時に、主BLK制御電極10に対する主BLK制御信号(特にON→OFF切り替え時の波形)の印加と同期させて、リアルタイムで、上記基本補正BLKデータをもとに生成した補正BLK制御信号(特にON→OFF切り替え時の波形)を補正BLK制御電極20に印加する。これにより、主BLKの波形によるON→OFF切り替え時のリンギング等を補正BLKの波形で打ち消すことで、セットリングタイムを短縮化し、高速走査・高速BLK制御を実現する。
[計測検査装置(システム)]
図1は、本実施の形態1の計測検査装置を含んで成るシステム全体の構成を示す。従来(図11)との主な違いは、補正BLK制御手段(20,202等)を有することである。なおこの追加要素(補正BLK制御手段)に対応して、本実施の形態では、信号処理系(コンピュータ200の全体制御部210など)の各処理内容なども異なる。実施の形態1の計測検査装置は、対象の半導体ウェハ(試料110)の自動計測および自動検査を可能とする適用例である。本計測検査装置は、半導体ウェハ(試料110)の回路パターンにおける寸法値を計測する計測機能、及び同パターンにおける欠陥(異常や不良)を検出する検査機能を備える。
本計測検査装置(システム)は、カラム100、測定・検査の対象物である試料110を載置する試料台112(ステージ)、コンピュータ200(ないし信号処理系)、等を有する構成である。コンピュータ200は、例えば制御ラックにPCや制御ボードなどの形態で格納される構成である。コンピュータ200の各部は、例えばプロセッサ及びメモリ等によるソフトウェアプログラム処理、あるいは専用回路の処理などで実現される。
コンピュータ200には、全体制御部210と、電子光学制御部220(BLK制御回路201、補正BLK制御回路202)と、偏向制御回路206と、機構系制御部230と、信号検出部(二次電子信号検出回路)207と、画像処理部(二次電子信号処理回路)208と、GUI部(ユーザインタフェース部)250、等を備える。
カラム100内(真空)には、照射系(電子光学系)として、電子ビームA1を射出する電子銃101、射出された電子ビームA1が通る集束レンズ(第1コンデンサレンズ)102、絞り103、集束レンズ(第2コンデンサレンズ)104、主ブランキング制御電極10(主BLK電極)、補正ブランキング制御電極20(補正BLK電極)、アパーチャ106、偏向器108、対物レンズ109等を有する。またカラム100は、検出系として、照射された電子ビームA1(A4)により試料110から発生した二次電子A11を検出する検出器107を備える。
カラム100内(真空)において、電子銃101より生成・射出された電子ビームA1は、第1コンデンサレンズ(集束レンズ)102,絞り103,第2コンデンサレンズ(集束レンズ)104を通じて集束され、偏向器108を介して偏向制御され、対物レンズ109等を経て試料110上を走査しながら照射される。ビームA1(A4)が照射されると、試料110からは二次電子A11が発生し、検出器107で検出される。検出器107で検出された信号(アナログ信号)は、信号検出部207(二次電子信号検出回路)によってデジタル信号に変換される。そしてそのデジタル信号をもとに画像処理部208(二次電子信号処理回路)で二次元の画像が生成処理され、GUI画面で表示される。この画像内に基づいて回路パターンが計測される(計測機能の場合)。
GUI部250は、ユーザ(測定・検査者)に対するインタフェース(GUI画面など)を提供する処理を行う。GUI部250では、検査条件などを入力(設定)するGUI画面や、検査結果(二次元の画像など)を表示するGUI画面などを提供する。GUI部250は、キーボードやディスプレイ等の入出力装置や通信インタフェース部などを含む。ユーザは、GUI画面で計測機能や検査機能を選択実行可能である。
全体制御部210は、GUI部250での指示に従い、本システム(装置)の全体(220,230,207,208,206等)を制御する処理を行う。例えば全体制御部210は、GUI部250の画面でユーザにより入力された計測・検査条件や指示などに応じて、電子光学制御部220、偏向制御部206、機構系制御部230などを制御することで、計測・検査の処理を行う。例えば全体制御部210は、計測・検査の実行時、信号検出部207及び画像処理部208を通じて生成された二次元の画像などのデータ情報を受信し、GUI部250の画面で表示させる。
電子光学制御部220は、全体制御部210からの制御に従い、カラム100内の電子光学系(照射系)を制御する。特に、主BLK制御回路201及び補正BLK制御回路202から信号ライン(a1,a2,b1,b2)等を通じて主BLK制御電極10及び補正BLK制御電極20に対して制御信号(主BLK制御信号、補正BLK制御信号)を同期的に印加することにより高速BLK制御を行う。115は各ラインをつなぐドライバ回路/端子を示す。
偏向制御回路206は、全体制御部210からの制御に従い、偏向器108に対して信号ライン(c1,c2)を通じて偏向制御信号を印加することにより、電子ビームの偏向による走査を制御する。
機構系制御部230は、試料台112等を含む機構系を制御する。例えば電子ビームの走査制御に対応させて試料台112をY方向に移動制御することが可能である(図14)。
なお、図1のコンピュータ200(全体制御部210等)において、計測機能と検査機能の両方を備えるが、一方のみ備える形態としてもよい。画像処理部208は、計測時(計測機能)の場合は、計測画像を生成し、当該画像内のパターン寸法値の計算などを行い、また、検査時(検査機能)の場合は、検査画像を生成し、当該画像内の欠陥を検出・判定する処理などを行う。
また、コンピュータ200内の全体制御部210等(他の部位としてもよい)において、補正BLK制御手段に関する、後述の補正データ計算処理(図6)を行う機能(A)、及びリアルタイム補正処理(図7)を行う機能(B)などを備える。
また、記憶部260には、後述のテーブル270を含む、計測・検査に関する各種データ情報(設定情報や結果情報などを含む)が格納・管理される。
[BLK電極構成]
図2で、(a)の主BLK制御電極10の構成は、前述の従来と同様の2枚1組の構成である。対応して、(b)の補正BLK制御電極20の構成は、主BLK制御電極10の構成に合わせた2枚1組の構成である。特にY方向で対向配置された構成である。詳しくは後述する。
[主BLK制御及び補正BLK制御]
補正BLK制御回路202は、主BLK制御回路201による主BLK制御と同期して、補正BLK制御信号(電圧)を生成し、補正BLK制御電極20へ印加する。この補正BLK制御(補正BLK制御信号)は、主BLK制御(主BLK制御信号)に伴い発生するリンギング等をリアルタイムで補正するものである。
電子ビームを試料110に照射しない場合(遮断ON時、ブランキングON状態)は、主BLK制御回路201から主BLK制御電極10へ信号ライン(a1,a2)を経由して主BLK制御信号でのON信号(所定電圧)を生成して印加する(図13)。これにより主BLK制御電極10(図2の(a))に発生した電界により、電子ビームにクーロン力が発生して偏向される。偏向されたビーム(A5)は、アパ−チャ106の中心の穴から外れ、試料110へ照射できなくなり、即ち遮蔽される。
電子ビームを試料110に照射する場合(遮断OFF時、ブランキングOFF状態)は、主BLK制御回路201から主BLK制御電極10へ信号ライン(a1,a2)を経由して主BLK制御信号でのOFF信号(0V)を生成して印加する(図13)。ブランキングOFF時は、主BLK制御電極10に印加された電圧差が0になるので、当該主BLK制御電極10間の電界も無くなる。これにより当該電極で偏向されていたビーム(A5)が、フリーの状態になり、当該電極の下のアパーチャ106の中心の穴を再度通過して、試料110へ照射される。
本実施の形態では、上記主BLK制御によりブランキングONからOFF状態へ切り替えるとき(時点t1)、それに合わせて、補正BLK制御回路202から補正BLK制御電極20への補正BLK制御信号で特徴的な補正用制御信号(波形)を印加する(図4等)。この補正BLK制御信号は、各計測条件で事前測定した主BLK制御信号の電界リンギングのプロファイルデータ(D1)に基づいて作成した基本補正BLKデータ(D2)をもとに生成される。
図4で、図3の各制御信号の波形(8A,8B)について示している。8Aは、主BLK制御電極10に印加される主BLK制御信号の実電圧波形の一例として、ON→OFF切り替え時(t1)の付近の一部分を示している。901(t1〜t2)は、前述の電界リンギング(電圧リンギング)の部分であり、前述の従来のセットリングタイムST(補正前)と対応する。8Bは、8Aに対応したタイミング(t3〜t2)で補正BLK制御電極20に印加される補正BLK制御信号の実電圧波形の一例(補正用制御信号)を示している。902(t3〜t2)は、補正用制御信号の主な印加時間及び波形を示し、901のリンギングの波形の位相に対して逆位相的な波形となる。
また図5では、計測試料1500における主BLK及び補正BLKによるビーム照射位置ずれ及び補正などを示している。1550は理想の照射位置(検出用エッジパターンの場合)、1551は主BLK制御信号の波形(8A)による位置ずれ、1552は補正BLK制御信号の波形(8B)による位置補正、1553は、それら主BLKと補正BLKを合わせた効果の波形である。
図4,図5のように、上記の補正用制御信号(8B)は、主BLK制御信号のON→OFF切り替え時の波形(8A)に対して、そのリンギング等を打ち消して結果的にフラットに近付けることができるように、逆位相的な波形となっている。この補正用制御信号(8B)に基づいて、補正BLK制御電極20間には、主BLK制御電極10間に発生したリンギング電界とは逆方向の電界が生じる。この補正用制御信号(8A)による電界によるビーム位置軌跡の補正(1552)の効果により、主BLK制御電極10間のリンギング電界により発生したビームの照射位置ずれ(図17(a)の702や、図5の1551)を、1553のように、本来(理想)の位置(1550)にフラットに近付ける(収束を早める)ようにビームを照射することができる。
これにより、ブランキングON→OFF状態へ切り替える時のビーム照射位置ずれの領域(対応する時間)が、従来の1554に比べて本形態では1555のように小さくなり、即ちセットリングタイムSTが短縮される。即ち、ビームの高速走査・高速BLK制御(高速化)が実現でき、計測・検査の精度が向上できる。
[感度設計]
図3を用いて、主BLK制御電極10、補正BLK制御電極20、主BLK制御回路201、補正BLK制御回路202の構成、及びその感度の設計などについて説明する。
主BLK制御回路201は、主BLK制御信号電圧生成部201a、ドライバ回路201bなどで構成される。主BLK制御信号電圧生成部201aは、主BLK制御信号(図13の(b)と対応する)を生成し、ドライバ回路201bへ与える。ドライバ回路201b(図1のドライバ115と対応する)は、カラム100内の伝送線路81a,81b(図1の信号ラインa1,a2と対応関係)を介して、カラム100内の主BLK制御電極10(10a,10b)に対して主BLK制御信号(例えば8Aのような波形)を印加する。
補正BLK制御回路202は、補正BLK制御信号電圧生成部202a、DAC(デジタルアナログ変換器)202b、ドライバ回路202cなどで構成される。補正BLK制御信号電圧生成部202aは、補正BLK制御信号(後述)を生成し、DAC202bへ与える。DAC202bは、デジタルの補正BLK制御信号をアナログ信号に変換し、ドライバ回路202cへ与える。ドライバ回路202c(図1のドライバ115と対応する)は、カラム100内の伝送線路82a,82b(図1の信号ラインb1,b2と対応関係)を介して、カラム100内の補正BLK制御電極20(20a,20b)に対して補正BLK制御信号(例えば8Bのような波形)を印加する。
また図3で、主BLK制御電極10による感度をSmとし、補正BLK制御電極20による感度をScとして示す。感度の単位は[nm/mV](電圧あたりの偏向距離)である。本実施の形態では、補正しやすいように、補正BLKの感度Scを主BLKの感度Smよりも小さくし、補正BLKでは主BLKよりも相対的に大きな制御電圧で補正を可能とする(感度が高い主BLK制御電極10でのビーム照射位置ずれの大きさに対して、感度が低い補正BLK制御電極20で同じ大きさの位置補正を生じさせるためには、主BLKに対して相対的に大きな制御電圧を要する)。本形態では、主BLKの感度Smを10、補正BLKの感度Scを1といったように1/10(1/10以下の関係)にする。この場合、主BLKでは、ノイズ電圧(誤差)が例えば0.1mVのとき、それに起因して生じるずれが1nmとなり、対応して、補正BLKでは、ノイズ電圧(制御電圧)を1mVとしたとき、ずれ(位置補正)が1nmとなる。即ち補正BLKでは、扱いやすい1mVの単位によって、1nmの位置ずれの補正が可能となる。
前記主BLK制御信号の電圧リンギングにより生じるビーム照射位置ずれの大きさは、リンギング電圧の振幅および主BLK制御電極10の感度と比例する。また、BLK電極の感度は、電極間距離や電極サイズと関係がある。例えば電極間距離が長いほど感度が低く、また電極サイズが小さいほど感度が低い。上記感度Sm,Scの設計は、各BLK電極(10,20)の電極間距離や電極サイズなどによって調整可能である。図2で、主BLK制御電極10(10a,10b)間の距離をd1、同電極(金属板)のサイズ(長さ、面積など)をs1、補正BLK制御電極20(20a,20b)間の距離をd2、同電極(金属板)のサイズをs2とする。
図3で感度Smに対して感度Scを1/10にする場合、例えば電極間距離d1に対してd2を大きくし、あるいはサイズs1に対してs2を小さくすることにより調整する。本測定検査装置は、上記電極構成により、予め上記感度Sm,Scを1/10の関係に設計した構成である。なお上記電極間距離や電極サイズを可変可能な装置構成とすれば、上記感度も可変に調整可能となるので、そのような形態としてもよい。
[プロファイル、基本補正BLKデータ]
図4で、D1は、主BLK制御信号のON→OFF切り替え時の波形(8A,901)に対応した電界リンギングのプロファイル(主BLKセットリングプロファイル)を示す。このデータ(D1)は、本計測検査装置での事前計測の処理により、テーブル270(図8)に格納される。D2は、補正BLK制御信号の波形(8B,902)に対応したデータ(基本補正BLKデータ)を示す。このデータ(D2)は、上記プロファイルデータ(D1)をもとに、本計測検査装置での図1の(A)補正データ計算処理(図6)により作成され、テーブル270(図8)に格納される。D1,D2は計測条件(D0)と関連付けて管理される。
本計測検査装置での主BLK制御回路201からの主BLK制御信号の波形(8A)の印加時には、図1の(B)補正処理(図7)により、基本補正BLKデータ(D2)をもとに生成した波形(8B)を含む補正BLK制御信号を用いる。即ち主BLK制御信号の印加と同期させてリアルタイムで、補正BLK制御回路202から補正BLK制御信号を補正BLK制御電極20へ印加する。
[(A)補正データ計算処理]
次に図6を用いて、本計測検査装置(コンピュータ200に備える補正データ計算処理機能)及び方法において、ブランキングON→OFF切替時のビーム位置のリンギング等に対する補正データ(補正条件)を計算する処理について説明する。なお以下では計測機能の場合で説明するが検査機能の場合も同様である(例えば計測条件を検査条件などに読み替えればよい)。この補正データ計算処理の例では、図4の主BLKセットリングプロファイルデータ(D1),基本補正BLKデータ(D2)を得る。
(S11) まずステップS11で、GUI部250の画面からユーザ操作により、実計測中に使用する可能な計測条件、且つBLK電極(10,20)の偏向の感度(Sm,Sc)が変化するIP電流や加速電圧などの全ての計測条件を、リスト化して順番に設定する。例えば画面で予めリスト化されている条件項目の値を表示しユーザが確認または更新する。当該計測条件(D0)のデータ情報を保持する。
(S12) 本計測検査装置は、上記設定された計測条件においてユーザ実行指示に基づき計測を開始し、全体制御部210からの制御により各部を動作させ、試料110に対してビームを照射し、検出器107、画像処理部208等を通じて計測画像(計測データ)を取得する。この際、主BLK制御回路201からは主BLK制御信号を主BLK制御電極10へ印加する。主BLKのプロファイルデータ(D1)を得るために、ここでは補正BLKは行わない(例えば全体制御部210から補正BLKの機能をオフ状態に制御する)。
この主BLK制御の際、前述(図16等)のように、まず一回ブランキングON状態にする(主BLK制御電極10への印加電圧を所定電圧(Von)に設定する)ことにより、ビームを試料110から遮蔽する(A1→A5)。そしてON状態からOFF状態に切り替える(主BLK制御電極10への印加電圧を0V(Voff)に設定する)ことにより、ビームを照射状態に戻す。
このとき、本装置(補正データ計算処理機能)は、208等を通じて得た計測画像から、上記ブランキングON→OFF切り替え時のセットリングタイムSTに相当する時間でのリンギングや応答遅れ等の波形のプロファイルのデータを求める(図4,8A)。これは主BLKセットリングプロファイルデータ(D1)として保持する。
(S13) 次に本装置は、上記計測条件(D0)でのビーム位置ずれ(対応するプロファイル(D1)の波形)を補正するために必要な補正BLK用の制御信号の電圧波形(図4,8B)を計算する。これを基本補正BLKデータ(D2)として保持する。
(S14,S15) 本装置は、上記S12〜S13の処理・作業を、S11の全ての計測条件(D0)の各々について同様に行う。全条件(D0)について処理を終了した後、S15に移る。S15で、本装置は、装置使用時にBLK電極(10,20)の偏向の感度(Sm,Sc)が変化する可能な計測条件(D0)と、それに対応する主BLKセットリングプロファイル(D1)と、それに対応する基本補正BLKデータ(D2)とを、相関マップ(ルックアップテーブル)等の形に纏め、条件(D0)毎のレシピ(リスト)として、図8のテーブル270に格納する。
[テーブル]
図8は、図6等に従い求めた各データ(D0,D1,D2)を格納するテーブル270(相関テーブル)の構成例を示す。本テーブル270は、項目(列)として、aの「条件」(ここでは計測条件)と、bの「主BLKセットリングプロファイル」と、cの「基本補正BLKデータ」とを有する。aの条件1〜Nごとに、bのプロファイルと、cの基本補正BLKデータとが関連付けられて格納される。なおaの1つの行の条件は、詳細には、複数の条件要素(パラメータ等)の設定値などから成るレシピとすることができる。
aの条件(D0)は、GUI部250などでユーザ設定可能である。bのプロファイル(D1)は、前述の主BLK制御回路201で生成する主BLK制御信号による実計測値(特にON→OFF切り替え時のセットリングタイムSTの波形(8A)を含む)によるデータ情報である。cの基本補正BLKデータ(D2)は、補正BLK制御回路202で補正BLK制御信号を生成するために用いる基本的な波形(補正用制御信号(8B)を含む)のデータ情報である。
なお上記事前計測で主BLKのプロファイルのデータ(D1)を取得する際には、本計測検査装置の計測機能で実現してもよいし、既存の装置(主BLK制御手段のみ備える装置)で計測して取得してもよい。またプロファイルのデータ(D1)は、本計測検査装置での計測機能により随時取得可能な構成としてもよいし、本装置の製造時点で予め設定されてもよい。
[GUI画面]
図9は、本実施の形態でGUI部250により表示するGUI画面例のイメージを示す。特に、主BLKセットリングタイムのプロファイル(D1)に対して、その基本補正BLKデータ(D2)を求め、それらの相関マップをテーブル270に設定する例を示す。
本画面で、1401は、前述の計測・検査条件(D0)に関する情報を、条件ごと及び要素(日付、ID、位置、電流、電圧など)ごとに表示する。1402は、主BLKのセットリングタイムSTのビーム走査(照射)位置ずれに関する検出用エッジパターンであり、プロファイル(D1)の取得のための単純なパターンを示す。1403は、主BLKのセットリングタイムSTのビーム走査(照射)位置ずれに関する、実際(事前)に計測して得られたビームのリンギング等による走査(照射)位置ずれを示す波形(その画像)であり、プロファイル(D1)のデータに対応する。1404は、1403のずれを補正するために用いる補正BLK用の基本補正BLKデータ(D2)の波形(その画像)を示す。1405は、1401〜1404に対応した情報を含む図8のテーブル270の内容の表示である。ユーザはこれらの内容を適宜確認・調整できる。
[(B)補正処理]
次に図7を用いて、本計測検査装置(コンピュータ200に備える(A)補正処理機能)及び方法において、実計測・検査中、高速走査・高速BLK制御を実現するために、主BLKのON→OFF切り替え時にリンギング等(ビーム照射位置ずれ)を補正BLKによりリアルタイムで補正する処理について説明する。
(S21) 最初にステップS21で、本計測検査装置は、通常の計測及び検査が必要な事前調整、条件設定(レシピ設定)などを行い、実計測及び検査を開始する(一般的な動作であるため説明省略する)。なおテーブル270に設定されている条件(D0)を参照・使用可能である。また、当該条件(D0)に関連付けられるプロファイル(D1)及び基本補正BLKデータ(D2)を以下の処理で用いる。
(S22) S22で、本装置は、ビームの高速走査制御(偏向制御回路206からの偏向制御など)に伴い、主BLK制御回路201から主BLK制御信号を主BLK制御電極10に対して印加する。特に、その波形のうち、主BLKのON状態からOFF状態へ切り替える。
(S23) 上記S22に同期してS24で補正BLKのON→OFF切り替えを行うが、そのためにS23では、前述のテーブル270の基本補正BLKデータD2(S21で選択された条件(D0)に対応したデータ)の参照に基づき、主BLKの波形(8A)による位置ずれに対する補正用制御信号の波形(8B)を生成する。基本BLK補正データの波形に対する簡単な演算により実印加電圧波形を生成できる。
(S24) S24では、S22の主BLKの動作と同期させて、上記S23で生成した波形(8B)を含む補正BLK制御信号を、補正BLK制御回路202から信号ライン等を通じて補正BLK制御電極20へ印加する。これにより前述のように、補正BLK制御電極20間に主BLK制御電極10間に発生したリンギング電界と逆方向の電界を生じさせ、主BLKによるビーム照射位置ずれを補正する。即ちブランキングON→OFF切り替え時(S22,S24)のセットリングタイムSTが短縮される。
(S25,S26) S25,S26では、同様に、主BLK及び補正BLKの各制御信号で、主BLKのOFFからON状態への切り替え、及び補正BLKのOFFからON状態への切り替えを同期させて行う。以降同様に繰り返しであり、所定条件を満たすと測定・検査を終了する。
[効果等]
上述した実施の形態1において、ビームの高速走査に伴い、主BLKのON→OFF切り替え時に発生していたリンギングや応答遅れ等をリアルタイムで補正することができるので、従来のビーム走査で障害となっていたセットリングタイムSTを短縮することができ、高速走査・高速BLK制御を実現でき、結果、計測・検査の高精度化ができる。これにより、試料110に対する帯電の影響により生じる回路パターン寸法の計測誤差や欠陥検出精度が低下する擬似欠陥などの問題を解決できる。即ち、パターン寸法の計測精度の向上や欠陥検出精度(検査精度)の向上などが実現できる。更に、複数の装置(計測検査装置)間の機差の低減などにも利用可能である。
<実施の形態2>
次に、図10を用いて、本発明の実施の形態2の走査型電子ビーム方式の半導体の計測検査装置を説明する。実施の形態2の装置の基本構成は、実施の形態1(図1等)と同様であり、異なる部分について以下である。実施の形態2では、図10のように、BLK電極構成として、主BLK制御電極10及び補正BLK制御電極20のそれぞれで、4枚の金属板による構成とした。即ちX,Y方向で独立に制御することで任意の方向のBLK制御を可能とする構成とした。実施の形態2では、任意の方向のBLK制御が可能なので、任意のパターン形状の走査についても柔軟に対応が可能である(適用可能な形状・方向などの制約が小さくなる)。なお実施の形態2では、上記電極構成に対応して、図1のコンピュータ200内(全体制御部210や補正BLK制御回路202等)の制御処理内容などが一部異なる構成となる。
図10で、実施の形態2の計測検査装置に設けるBLK制御電極(10,20)の構成の俯瞰図(X−Y平面)である。(a)は、主BLK制御電極10(10a〜10d)であり、X,Y方向でそれぞれ対向して正方形のように配置される4枚の金属板から成る。これに対応して、(b)は、補正BLK制御電極20(20a〜20d)であり、同様に、X,Y方向で対向配置される4枚の金属板から成る。それぞれ、X方向の2つの電極(例:10c,10d)で1組(Xb)、及びY方向の2つの電極(例:10a,10b)で1組(Yb)である。それぞれ、BLK制御回路(201,202)からの制御信号によるX方向の電極(Xb)間及びY方向の電極(Yb)間の電界の制御により、X−Y平面における任意の方向へのビームの偏向(遮蔽)の制御が可能である。
また例えば、主BLK及び補正BLKのそれぞれで、直交するX,Y方向の2組の電極(Xb,Yb)については、各組に対応して独立に設けたBLK制御回路(例えばXb用の第1の主BLK制御回路、Yb用の第2の主BLK制御回路)からの各BLK制御信号により独立に制御可能な構成である。且つ、上記の各BLK制御回路は、生成したBLK制御信号を、従来同様のハイレベル(Von用、例えば100V)とローレベル(Voff用、例えば0V)だけではなく、ローレベルとハイレベルの間の任意のレベルのアナログ電圧信号を発生可能な構成とする。
従来のSEM等の計測検査装置では、BLK電極(及びBLK制御回路)は、ビームの照射・遮蔽のON/OFF切り替え制御機能のためだけに必要な構成である。そのため、前述のように一般的には2枚の金属板で構成されており、ビームの偏向制御は特定の一方向にしかできない。前記図2の(a)の例では、2枚の電極(10a,10b)がY方向で対向配置されている。この場合、当該電極間に印加される電圧信号あるいは残った電圧信号により発生する電界はいつもY方向しか有り得ず、BLK制御によってビームはいつもY方向に沿って偏向(遮蔽)される。この構成に対応して、試料110上の走査領域では、X方向のラインごとに走査される(図14)。
上記の場合、ブランキングONからOFFへ切り替えるときに発生する電圧のリンギング等については、Y方向のビームの走査(照射)位置ずれしか生じない(図17(a)等)。もし試料110上の計測対象のパターン方向(対応するライン走査の方向)がX方向しか無い場合には、上記Y方向の位置ずれは、そのX方向のパターンに対しては影響が小さい。そのため、実施の形態1では、補正BLK制御の効果により、計測画像のパターンでも影響が小さく、計測画像でひずみは生じない。よって、高速走査の障害になるセットリングタイムSTの長さに関して短縮が実現可能である。
しかしながら、対象の試料110のパターンの方向は任意の方向があり得る。この任意の方向の場合については、実施の形態1のような固定の方向のBLK制御の構成では柔軟に対応することはできない。そこで実施の形態2として、上記のようにX,Y方向の4枚のBLK電極でX,Yの両方向のビームの偏向制御を可能とし、更にX方向(Xb)とY方向(Yb)とで異なるレベルの制御電圧の同時印加の制御を可能とし、これによりX−Y平面における任意の方向でビームの偏向制御を可能とした構成である。これにより、測定・検査の対象の試料110上の任意方向のパターンの走査についても柔軟に対応可能である。
上記構成で、ブランキングON→OFF切り替え時、変動する任意のパターン方向に応じてビームを戻す方向を制御する(例えばパターン方向に対して直交方向となるように制御する)ようにすれば、主BLK制御の電界で少しリンギング等が生じたとしても、補正BLK制御の効果と合わせることで、計測画像のパターンではひずみが生じないようにできる。即ちセットリングタイムSTの短縮による高速走査が実現できる。
<変形例>
他の実施の形態(変形例)として、上記実施の形態2のようなBLK電極が4枚の構成に限らず、ビーム偏向方向を所望の方向に制御できるように考慮した、複数の電極(金属板)及び制御回路による構成としてもよい。例えば4枚の正方形のような配置に限らず、6枚以上で円状の配置にしてもよい。
また変形例として、実施の形態1,2のように主BLK及び補正BLKの各電極構成(数、方向)を同じに揃えることに限らず、例えば主BLK制御電極10を2枚(図2の(a))、補正BLK制御電極20を4枚(図10の(b))という組合せの構成としてもよい。即ちこの場合、固定方向の主BLKに対して、補正BLKによる細かい調整が可能な構成となる。
また図2では、X方向で対向配置の構成としたが、これに限らず、特定の一方向(例えばXに対して45度の方向)で対向配置した構成としてもよい。
また、補正BLK手段が無い測定検査装置の構成においても、主BLK制御電極10(及び対応する回路等)のみについて、上記4枚(2組)の電極などによる任意の方向に制御可能な構成としてもよい。この場合は、補正BLKによる補正の効果は得られないが、任意の方向でのBLK(遮断)の制御による相応の効果が得られる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1…計測検査装置(システム)、10…(主)ブランキング制御電極(主BLK電極)、20…補正ブランキング制御電極(補正BLK電極)、100…カラム、101…電子銃、102…第1コンデンサレンズ(集束レンズ)、103…絞り、104…第2コンデンサレンズ(集束レンズ)、106…アパーチャ、107…検出器(二次電子検出器)、108…偏向器、109…対物レンズ、110…試料、112…試料台(ステージ)、115…ドライバ回路/端子、200…コンピュータ(信号処理系)、201…(主)ブランキング制御回路、202…補正ブランキング制御回路、206…偏向制御回路、207…信号検出部(二次電子信号検出回路)、208…画像処理部(二次電子信号処理回路)、210…全体制御部、220…電子光学制御部、230…機構系制御部、250…GUI部、260…記憶部、270…テーブル、A1,A4,A5…電子ビーム、A11…二次電子。

Claims (14)

  1. 走査型電子ビーム方式で試料の計測または検査の少なくとも一方を行う計測検査装置であって、
    前記計測または検査を含む全体を制御する全体制御部と、
    前記計測または検査を含む作業のためのユーザインタフェースを提供するインタフェース部と、
    前記試料に対して電子ビームを照射するための光学レンズを含む電子光学系と、
    前記電子光学系を制御する電子光学制御部と、
    前記試料に対する電子ビームの走査制御のために照射位置を偏向により制御するための偏向器と、
    前記偏向器に対する制御信号を生成して印加する偏向制御回路と、
    前記電子ビームの照射により試料から発生する二次電子またはその他のエネルギーを検出する検出器と、
    前記検出器で検出した信号を処理して当該計測または検査の画像を生成しユーザに対して出力する信号処理系と、
    前記計測または検査に関するデータ情報を記憶する記憶部と、
    前記試料に対する電子ビームの照射の遮断を制御するための主ブランキング手段と、
    前記主ブランキング手段に対する補正のための補正ブランキング手段と、
    前記電子ビームを遮断するためのアパーチャと、を有し、
    前記主ブランキング手段は、主ブランキング電極と、前記主ブランキング電極に対して主ブランキング制御信号を生成して印加する主ブランキング制御回路と、を有し、
    前記補正ブランキング手段は、補正ブランキング電極と、前記補正ブランキング電極に対して補正ブランキング制御信号を生成して印加する補正ブランキング制御回路と、を有し、
    前記補正ブランキング電極は、前記偏向器及び前記アパーチャよりも、前記主ブランキング電極側に配置され、
    前記主ブランキング制御回路からの主ブランキング制御信号を主ブランキング電極に印加して前記電子ビームの遮断のONからOFF状態へ切り替える時、前記補正ブランキング制御回路からの補正ブランキング制御信号を補正ブランキング電極に印加することにより、前記主ブランキング制御信号による前記電子ビームの照射の位置ずれを補正すること、を特徴とする計測検査装置。
  2. 請求項1記載の計測検査装置において、
    予めユーザにより設定された条件で、事前計測で前記補正ブランキング手段をオフとして所定の検出用パターンを用いて、前記主ブランキング制御回路からの主ブランキング制御信号を主ブランキング電極に印加して、前記電子ビームの遮断のONからOFF状態へ切り替える時の、リンギングに対応する第1の波形を含むプロファイルのデータを取得する処理と、
    前記プロファイルのデータを用いて、前記主ブランキング制御信号の第1の波形を打ち消してフラットに近付けるための第2の波形を含んだ、前記補正ブランキング制御信号を生成するための補正用データを計算する処理と、
    前記条件、プロファイル、及び補正用データを関連付けてテーブルに格納し、前記記憶部に保存する処理と、を行う補正データ計算部を有すること、を特徴とする計測検査装置。
  3. 請求項1記載の計測検査装置において、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    ユーザにより設定された条件に基づき、所定の走査方式で、計測または検査を行う際、
    前記試料に対する電子ビームの走査制御に応じて、前記偏向制御回路からの制御信号を前記偏向器に印加することにより、前記電子ビームをX,Y方向の平面内で偏向させる処理と、
    前記走査制御に同期させた、前記試料に対する電子ビームの主ブランキング制御に応じて、前記主ブランキング制御回路からの主ブランキング制御信号を主ブランキング電極に印加することにより、前記電子ビームをX,Y方向の平面内で偏向させて前記アパーチャで遮断する処理と、
    前記主ブランキング制御に同期させた、前記試料に対する電子ビームの補正ブランキング制御に応じて、前記補正ブランキング制御回路からの補正ブランキング制御信号を補正ブランキング電極に印加することにより、前記電子ビームをX,Y方向の平面内で偏向させる処理と、を行う補正処理部を有し、
    上記構成により、前記主ブランキング手段による電子ビームの位置ずれをリアルタイムで前記補正ブランキング手段により補正すること、を特徴とする計測検査装置。
  4. 請求項1記載の計測検査装置において、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    前記主ブランキング電極は、X,Y方向の平面における特定の第1の方向で対向する2枚1組の金属板で構成され、
    前記補正ブランキング電極は、前記主ブランキング電極と同じ特定の第1の方向で対向する2枚1組の金属板で構成されること、を特徴とする計測検査装置。
  5. 請求項1記載の計測検査装置において、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    前記主ブランキング電極は、X,Y方向の平面における第1の方向で対向する2枚1組の金属板と、第2の方向で対向する2枚1組の金属板との計4枚で構成され、
    前記補正ブランキング電極は、前記主ブランキング電極と同じ第1の方向及び第2の方向で対向する計4枚の金属板で構成され、
    前記主ブランキング電極の第1の方向の組の電極を制御する第1の制御回路、及び第2の方向の組の電極を制御する第2の制御回路を有し、これにより電子ビームの偏向をX,Y方向で独立に制御可能であり、
    前記補正ブランキング電極の第1の方向の組の電極を制御する第1の制御回路、及び第2の方向の組の電極を制御する第2の制御回路を有し、これにより電子ビームの偏向をX,Y方向で独立に制御可能であること、を特徴とする計測検査装置。
  6. 請求項1記載の計測検査装置において、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    前記主ブランキング電極は、X,Y方向の平面における特定の第1の方向で対向する2枚1組の金属板で構成され、
    前記補正ブランキング電極は、前記主ブランキング電極と同じ第1の方向で対向する2枚1組の金属板と、第2の方向で対向する2枚1組の金属板との計4枚の金属板で構成され、
    前記補正ブランキング電極の第1の方向の組の電極を制御する第1の制御回路、及び第2の方向の組の電極を制御する第2の制御回路を有し、これにより電子ビームの偏向をX,Y方向で独立に制御可能であること、を特徴とする計測検査装置。
  7. 請求項1記載の計測検査装置において、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    所定の走査方式として、ラスタ走査方式を用い、前記電子ビームをX方向のラインごとに走査し、Y方向で移動させ、
    前記主ブランキング制御及び補正ブランキング制御では、前記電子ビームをY方向で偏向させることで、遮断のON/OFFを切り替え制御し、
    前記主ブランキング制御では、前記X方向のラインごとの走査時には、遮断のON状態にし、前記X方向のライン間で電子ビームの位置を戻す時には、遮断のOFF状態にし、前記X方向のライン中の非照射領域ごとに、遮断のOFF状態にすること、を特徴とする計測検査装置。
  8. 請求項1記載の計測検査装置において、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    所定の走査方式として、ベクタ走査方式を用い、前記電子ビームをX,Y方向の平面における任意の方向のラインごとに走査し、
    前記主ブランキング制御及び補正ブランキング制御では、前記電子ビームをX,Y方向の平面における任意の方向で偏向させることで、遮断のON/OFFを切り替え制御し、
    前記主ブランキング制御では、前記任意の方向のラインごとの走査時には、遮断のON状態にし、前記任意の方向のライン間で電子ビームの位置を戻す時には、遮断のOFF状態にし、前記任意の方向のライン中の非照射領域ごとに、遮断のOFF状態にすること、を特徴とする計測検査装置。
  9. 請求項1記載の計測検査装置において、
    電圧あたりの偏向距離である、前記主ブランキング電極の感度に対して、前記補正ブランキング電極の感度の方を低くした構成により、前記主ブランキング制御信号の電圧に対して前記補正ブランキング制御信号の電圧を大きくしたこと、を特徴とする計測検査装置。
  10. 請求項9記載の計測検査装置において、
    前記主ブランキング電極及び補正ブランキング電極の感度は、前記主ブランキング電極の電極間距離に対して前記補正ブランキング電極の電極間距離の方を広くした構成、または前記主ブランキング電極の電極サイズに対して前記補正ブランキング電極の電極サイズの方を小さくした構成であること、を特徴とする計測検査装置。
  11. 請求項1記載の計測検査装置において、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    前記試料を載置してX,Y方向の平面内で移動制御するための機構系と、
    前記機構系を制御する機構系制御部と、を有し、
    前記機構系及び機構系制御部により前記試料をX,Y方向の平面内で第1の方向へ移動させながら、前記電子ビームをX,Y方向の平面内で第2の方向へ走査すること、を特徴とする計測検査装置。
  12. 走査型電子ビーム方式で試料の計測または検査の少なくとも一方を行う計測検査装置を用いて、計測または検査の少なくとも一方を行う計測検査方法であって、
    前記計測検査装置は、
    前記計測または検査を含む全体を制御する全体制御部と、
    前記計測または検査を含む作業のためのユーザインタフェースを提供するインタフェース部と、
    前記試料に対して電子ビームを照射するための光学レンズを含む電子光学系と、
    前記電子光学系を制御する電子光学制御部と、
    前記試料に対する電子ビームの走査制御のために照射位置を偏向により制御するための偏向器と、
    前記偏向器に対する制御信号を生成して印加する偏向制御回路と、
    前記電子ビームの照射により試料から発生する二次電子またはその他のエネルギーを検出する検出器と、
    前記検出器で検出した信号を処理して当該計測または検査の画像を生成しユーザに対して出力する信号処理系と、
    前記計測または検査に関するデータ情報を記憶する記憶部と、
    前記試料に対する電子ビームの照射の遮断を制御するための主ブランキング手段と、
    前記主ブランキング手段に対する補正のための補正ブランキング手段と、
    前記電子ビームを遮断するためのアパーチャと、を有し、
    前記主ブランキング手段は、主ブランキング電極と、前記主ブランキング電極に対して主ブランキング制御信号を生成して印加する主ブランキング制御回路と、を有し、
    前記補正ブランキング手段は、補正ブランキング電極と、前記補正ブランキング電極に対して補正ブランキング制御信号を生成して印加する補正ブランキング制御回路と、を有し、
    前記補正ブランキング電極は、前記偏向器及び前記アパーチャよりも、前記主ブランキング電極側に配置され、
    前記主ブランキング制御回路からの主ブランキング制御信号を主ブランキング電極に印加して前記電子ビームの遮断のONからOFF状態へ切り替える時、前記補正ブランキング制御回路からの補正ブランキング制御信号を補正ブランキング電極に印加することにより、前記主ブランキング制御信号による前記電子ビームの照射の位置ずれを補正するステップを有すること、を特徴とする計測検査方法。
  13. 請求項12記載の計測検査方法において、
    前記計測検査装置で、
    予めユーザにより設定された条件で、事前計測で前記補正ブランキング手段をオフとして所定の検出用パターンを用いて、前記主ブランキング制御回路からの主ブランキング制御信号を主ブランキング電極に印加して、前記電子ビームの遮断のONからOFF状態へ切り替える時の、リンギングに対応する第1の波形を含むプロファイルのデータを取得する処理ステップと、
    前記プロファイルのデータを用いて、前記主ブランキング制御信号の第1の波形を打ち消してフラットに近付けるための第2の波形を含んだ、前記補正ブランキング制御信号を生成するための補正用データを計算する処理ステップと、
    前記条件、プロファイル、及び補正用データを関連付けてテーブルに格納し、前記記憶部に保存する処理ステップと、を行うこと、を特徴とする計測検査方法。
  14. 請求項12記載の計測検査方法において、
    前記計測検査装置で、
    前記試料に対して電子ビームを照射する方向をZ方向とし、前記Z方向に対して垂直な平面の方向をX,Y方向とし、
    ユーザにより設定された条件に基づき、所定の走査方式で、計測または検査を行う際、
    前記試料に対する電子ビームの走査制御に応じて、前記偏向制御回路からの制御信号を前記偏向器に印加することにより、前記電子ビームをX,Y方向の平面内で偏向させる処理ステップと、
    前記走査制御に同期させた、前記試料に対する電子ビームの主ブランキング制御に応じて、前記主ブランキング制御回路からの主ブランキング制御信号を主ブランキング電極に印加することにより、前記電子ビームをX,Y方向の平面内で偏向させて前記アパーチャで遮断する処理ステップと、
    前記主ブランキング制御に同期させた、前記試料に対する電子ビームの補正ブランキング制御に応じて、前記補正ブランキング制御回路からの補正ブランキング制御信号を補正ブランキング電極に印加することにより、前記電子ビームをX,Y方向の平面内で偏向させる処理ステップと、を行い、
    上記構成により、前記主ブランキング手段による電子ビームの位置ずれをリアルタイムで前記補正ブランキング手段により補正すること、を特徴とする計測検査方法。
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