JP7285329B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本開示は荷電粒子線装置に関する。
微細な構造を観察するために荷電粒子線装置が使われている。例えば半導体製造プロセスにおいては、半導体デバイスの寸法や形状の計測または検査に電子ビーム等の荷電粒子線を利用する荷電粒子線装置が使用されている。その一例にScanning Electron Microscope(SEM)がある。SEMは電子源から発生する電子ビーム(以下、一次ビーム)を観察したい試料に照射し、それにより発生する信号電子を検出器で検出して電気信号に変換し、画像を生成する。
測長や検査等の用途に使用されるSEMは、スループットが求められている。そのため、複数の一次ビームを試料に照射し、複数の検出器を含む分割検出器によって複数の信号電子ビームを同時に検出する、マルチビームSEMが提案されている。また、SEM像コントラストの向上のため、一本の一次電子ビームにより生成される異なる情報の信号電子ビームを弁別検出することが提案されている。例えば、特許文献1は、マルチビーム方式の検査装置を開示している。
特開2017-151155号公報
従来のマルチビーム型SEMは、複数の信号電子ビームがそれぞれ異なる検出器で検出される場合、正確なSEM像を形成することができる。しかし、一つの信号電子ビームが複数の検出器にまたがると、SEM像にアーチファクトが発生する。
このように、複数の信号電子ビームから正確な像を生成するためには、複数の信号荷電粒子ビームの情報が混在しないように、複数の信号荷電粒子ビームそれぞれの強度を正確に測定することが求められる。しかし、例えば、レンズやスキャン偏向器等の影響により、信号荷電粒子ビームが広がることがある。また、試料が帯電すると、信号荷電粒子ビームがシフトするため各信号電子ビームの強度を正確に測定することが困難である。同様のことは、複数の検出器に跨る一つの信号電子ビームの検出においても起こり得、一つの信号電子ビームの各部分の強度を正確に測定することが困難となる。
本開示の一例の荷電粒子線装置は、試料に対する1以上の一次荷電粒子ビームの照射に起因する、1以上の信号荷電粒子ビームを検出する複数の検出器と、制御システムと、を含む。前記制御システムは、前記複数の検出器で検出された前記1以上の信号荷電粒子ビームの強度分布を測定し、補正関数を使用して前記強度分布を補正し、補正された前記強度分布に基づき画像を生成する。
本開示の一態様によれば、複数の検出器によって1以上の信号荷電粒子ビームを検出して画像を生成する荷電粒子線装置において、より正確な画像を生成することができる。
実施例1において、走査電子顕微鏡(SEM)の概略構成を示す。 実施例1において、制御端末のハードウェア構成例を示す。 実施例1において、ステージ上に設置されている試料の例を示す。 実施例1において、分割検出器の検出面における理想的な信号電子ビーム分布の例を示す。 図4Aに示す信号電子ビーム分布から生成されるSEM画像を示す。 実施例1において、分割検出器検出面における信号電子ビーム分布の他の例を示す。 図5Aに示す信号電子ビーム分布から、補正を行うことなく生成したSEM画像を示す。 実施例1において、信号電子ビームの検出強度分布を補正することなく生成したSEM画像及び信号電子ビームの検出強度分布を補正してから生成したSEM画像の例を示す。 実施例1において、補正マトリックスM-1を決定するためのキャリブレーション例を説明する図である。 補正マトリックスM-1を決定するための上記キャリブレーション例を説明する図である。 補正マトリックスM-1を決定するための上記キャリブレーション例を説明する図である。 実施例1において、補正マトリックスM-1を決定するための他のキャリブレーション例を説明する図である。 補正マトリックスM-1を決定するための上記他のキャリブレーション例を説明する図である。 補正マトリックスM-1を決定するための上記他のキャリブレーション例を説明する図である。 制御端末で出力されるSEM観察条件の表示画面の例である。 キャリブレーション結果を表示する画面の例である。 実施例2に係るキャリブレーションを模式的に示す。 実施例3に係る分割検出器の検出面(複数検出器)及び検出面上の信号電子ビームの分布の例を示す。 実施例4に係る分割検出器の複数検出器及び複数検出器上の信号電子ビーム分布を模式的に示す。 図13Aに示す状態に対応する検出マトリックスMを示す。 実施例5に係る試料を使用してキャリブレーションを行っているSEMを示している。 実施例5に係る試料の構成を模式的に示す。 実施例6において、SEM画像の撮像期間と、キャリブレーション期間との関係の例を示す。
以下、図面を用いて実施例を説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略される。以下において具体的に説明される荷電粒子線装置の例は、一次荷電粒子ビームとして電子ビームを使用して、信号荷電粒子ビームとして信号電子ビームを検出することにより、試料を観察する装置(電子顕微鏡)である。本開示の特徴は、他の荷電粒子線装置、例えば、一次荷電粒子ビームとしてイオンビームを使用し及び/または信号荷電粒子ビームとしてイオンビームを検出するする装置、計測装置又は検査装置にも適用できる。
図1は、荷電粒子線装置の一例である、走査電子顕微鏡(SEM)の概略構成を示す図である。SEMは、電子ビームを使用した試料の観察装置である。まず、装置構成について説明する。図1は、試料に複数の一次ビーム(電子ビーム)を照射するマルチビーム型SEMを示す。マルチビーム型SEMは、複数の一次ビームで広い視野を同時観察することで観察時間を短縮し、スループットを向上できる。
図1に示すマルチビーム型SEMは、電子光学系と、電子光学系を制御し、さらに検出された信号から画像を生成する制御システムと、を含む。図1の構成例において、制御システムは、演算器111及び制御端末112を含む。制御端末112は、電子光学系の構成要素(電子光学素子)を制御する。
電子光学系において、電子源101(荷電粒子源)から試料200へ向けて引き出された一次ビームの軌道上に、レンズ102、アパーチャアレイ103、ブランカアレイ104、ビームセパレータ105、走査用偏向器106、対物レンズ107が、これらの順で配置されている。
レンズ102は電子源101からの一次ビームを略平行にする。アパーチャアレイ103は、1次元または2次元に配列された複数の開口を有する板であり、レンズ102からの一次ビーム250を、複数の一次ビーム251に分割する。アパーチャアレイ103は、一次ビームを分割する分割器である。なお、図1は、例として、分割された一つの一次ビームを符号251で指示する。
以下に説明する例において、アパーチャアレイ103は4つの開口を有し、電子源101からの一次ビーム250は4本の一次ビーム251に分割される。一次ビーム251は、電子源101により生成された一次ビームである。図1は、4本の一次ビーム251のうちの3本を示している。なお、以下に説明する例においては一次ビームの本数が4本であるが、一次ビームの本数はこれより多くとも少なくともよい。また、以下に説明する例は、単一の電子源101が発生する一次ビーム250を分割することによって複数の一次ビーム251を生成するが、複数の電子源を用いて複数の一次ビームを生成してもよい。
ブランカアレイ104は、分割された複数の一次ビーム251を、選択的に通過させる。ブランカアレイ104は、分割された複数の一次ビーム251それぞれに対応する偏向器と、分割された複数の一次ビーム251それぞれに対応する開口を有するアパーチャアレイを有する。制御端末112は、各一次ビーム251に対応する偏向器を制御することで、ブランカアレイ104を通過する1又は複数の一次ビーム251を選択することができる。1又は複数の一次ビーム251を選択するために、ブランカアレイと異なる機構を使用することができる。
試料200の撮像のため、全ての一次ビーム251がブランカアレイ104を通過する。ブランカアレイ104を通過した一次ビーム251は、ビームセパレータ105内を通過する。本例においては、一次ビーム251が直進するようにビームセパレータ105が設定されている。
一次ビーム251は、ビームセパレータ105から出射した後、走査用偏向器106及び対物レンズ107を通過した後に、試料200上で集束される。走査用偏向器106の励磁電流は、一次ビーム251がそれぞれ試料200上の異なる領域を走査するように、制御端末112により制御される。
試料200には、例えば、負電圧が印加されており、一次ビーム251は減速された後、試料200に照射される。なお、印加電圧に制限はなく、0kVでもよい。試料200に照射された一次ビーム251は表面付近の物質と相互に作用し、試料の形状や材料に応じて反射電子やそれ以外の信号電子が発生する。本実施例では、試料200から放出され分割検出器110で検出される電子を信号電子と呼ぶ。
試料200における一次ビーム251それぞれの照射位置から発生した信号電子は、信号電子ビーム261を形成する。なお、図1は、複数の信号電子ビームを破線で表し、例として、複数の信号電子ビームの内の一つの信号電子ビームを符号261で指示する。
試料200は、ステージ108の上に配置されている。試料200に照射された一次ビーム251それぞれは、試料200の表面付近の物質と相互に作用し、信号電子ビーム261を生成する。信号電子ビーム261は、一次ビーム251の軌道を逆戻りする。信号電子ビーム261は、対物レンズ107及び走査用偏向器106を通過した後、ビームセパレータ105に入射する。
信号電子ビーム261に作用する光学素子として、信号電子ビームを分割検出器110へ導くビームセパレータ105及び振り戻し偏向器109が配置されている。振り戻し偏向器109は、分割検出器110とビームセパレータ105との間に配置されている。
ビームセパレータ105は、信号電子ビーム261を偏向させて、それらの軌道を一次ビーム251の軌道から分離させるように設定されている。信号電子ビーム261は、振り戻し偏向器109を通過して、分割検出器110に到達する。分割検出器110は、複数の検出器を含む。検出器の数及び配置レイアウトは、装置の設計に依存する。例えば、検出器は一列に配置されていてもよく、複数列に配置されていてもよい。検出器の数は、信号電子ビームの数以上である。
以下の例において、分割検出器110は、4つの検出器を含む。理想的な状態において、信号電子ビーム261は、互いに混ざり合うことなく分割検出器110に到達し、対応する検出器それぞれに独立に検出される。
振り戻し偏向器109は、ビームセパレータ105からの信号電子ビーム261を偏向する。試料200上で信号電子ビーム261が発生する位置は走査と同期して変化する。また、信号電子ビーム261は、走査用偏向器106の偏向作用を受ける。制御端末112は、各一次ビーム251によって発生する各信号電子ビーム261が、その一次ビーム251の走査に依らず、分割検出器110の一定の位置に到達するように、振り戻し偏向器109を走査用偏向器106と同期して制御する。
分割検出器110は、複数の信号電子ビーム261の強度分布を検出し、検出信号に変換する。検出信号は、分割検出器100の複数の検出器それぞれによる検出強度を示す。強度分布は、一次ビーム251が照射する位置での試料200の形状や材質に応じて変化する。
演算器111は、分割検出器110からの信号強度分布を示す検出信号に対して、所定の演算を行う。演算器111による処理の詳細は後述する。制御端末112は、演算器111の演算結果からSEM画像を生成し、SEM画像を表示する。
図1は、マルチビーム型SEMの構成を模式的に示し、マルチビーム型SEMは図示されていない他の構成要素、例えば、他のレンズ、アライナ、スティグメータ等が付加されてもよい。SEMの光学素子(レンズ、偏向器、セパレータ、ブランカアレイ等)は、電場、磁場、又は磁場及び電場の複合を生成し、電子ビームに対して作用を及ぼす。
上記の全ての光学素子は、制御端末112によって制御される。例えば、制御端末112は各光学素子へ与える電流量や電圧を制御する。ユーザは、制御端末112を用いて、各光学素子の設定を確認及び変更することができる。制御端末112は、例えば、入出力デバイスを伴う計算機である。なお、制御端末112は演算器111の機能を含んでもよい。
図2は、制御端末112のハードウェア構成例を示す。制御端末112は、計算機構成を有することができる。制御端末112は、プロセッサ121、メモリ(主記憶装置)122、補助記憶装置123、出力装置124、入力装置125、及び通信インタフェース(I/F)127を含む。上記構成要素は、バスによって互いに接続されている。メモリ122、補助記憶装置123又はこれらの組み合わせは記憶装置であり、プロセッサ121が使用するプログラム及びデータを格納している。
メモリ122は、例えば半導体メモリから構成され、主に実行中のプログラムやデータを保持するために利用される。プロセッサ121は、メモリ122に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。プロセッサ121がプログラムに従って動作することで、様々な機能部が実現される。補助記憶装置123は、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどの大容量の記憶装置から構成され、プログラムやデータを長期間保持するために利用される。
プロセッサ121は、単一の処理ユニットまたは複数の処理ユニットで構成することができ、単一もしくは複数の演算ユニット、又は複数の処理コアを含むことができる。プロセッサ121は、1又は複数の中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロ計算機、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ステートマシン、ロジック回路、グラフィック処理装置、チップオンシステム、及び/又は制御指示に基づき信号を操作する任意の装置として実装することができる。
補助記憶装置123に格納されたプログラム及びデータが起動時又は必要時にメモリ122にロードされ、プログラムをプロセッサ121が実行することにより、制御端末112の各種処理が実行される。したがって、以下において制御端末112により実行される処理は、プロセッサ121又はプログラムによる処理である。
入力装置125は、ユーザが制御端末112に指示や情報などを入力するためのハードウェアデバイスである。出力装置124は、入出力用の各種画像を提示するハードウェアデバイスであり、例えば、表示デバイス又は印刷デバイスである。通信I/F127は、ネットワークとの接続のためのインタフェースである。
制御端末112の機能は、1以上のプロセッサ及び非一過性の記憶媒体を含む1以上の記憶装置を含む1以上の計算機からなる計算機システムに実装することができる。複数の計算機はネットワークを介して通信する。例えば、制御端末112の複数の機能の一部が一つの計算機に実装され、他の一部が他の計算機に実装されてもよい。
以下において、分割検出器110による信号電子ビームの強度分布の検出及び制御端末112による強度分布の補正について説明する。図3は、視野220内の試料200の部分(構造部)230の例を示す。以下の説明において、構造部230は、一例として、円形、平坦であり、均一な材料で形成されているとする。したがって、いずれの照射位置においても信号強度が同一であるとする。視野220は、それぞれ異なる一次ビームによって走査される4つのセクション221_1~221_4で構成されている。
図4Aは、分割検出器110の検出面における理想的な信号電子ビーム分布の例を示す。図4Bは、図4Aに示す信号電子ビーム分布による、構造部230の画像360を含むSEM画像350を示す。図4Aに示すように、分割検出器110は、4つの検出器301_1~301_4からなる検出面を含む。図4Aの例において、検出器301_1~301_4は、四角形を形成するように二次元マトリックス状に配置されており、それらの形状は同一の四角形である。4つの信号電子ビーム261_1~261_4は、完全に分離してそれぞれ対応する検出器301_1~301_4に入射し、より検出されている。
信号電子ビーム261_1~261_4は、それぞれ、複数の検出器に跨ることなく、各信号電子ビームの全ての信号電子が一つのみの検出器に入射している。具体的には、検出器301_1~301_4は、それぞれ、信号電子ビーム261_1~261_4(の強度)のみを検出し、また、対応する信号電子ビームの全信号電子を検出する。
図4Bに示すように、制御端末112により生成されるSEM画像350は、それぞれ検出器301_1~301_4に対応する4つのセクション351_1~351_4で構成されている。セクション351_1~351_4は、それぞれ、検出器301_1~301_4による検出信号から生成される。セクション351_1~351_4は、それぞれ、信号電子ビーム261_1~261_4の捜査範囲の画像である。画像360は、セクション351_1~351_4それぞれに含まれる4つの部分で構成されている。複数の一次ビームを使うことにより、一括で広い視野のSEM像を取得することができる。
図5Aは、分割検出器110の検出面における信号電子ビーム分布の他の例を示す。図5Aは、分割検出器110に入射する信号電子ビームが変形している例を示す。レンズや偏向器などの光学素子の影響により、信号電子ビームの分布形状が変形し、信号電子ビームが検出面上で広がることがあり得る。図5Aに示すように、一つの信号電子ビームが複数の検出器に跨り、複数の信号電子ビームの一部が一つの検出器上に混在し得る。例えば、検出器301_2は、信号電子ビーム261_2だけではなく信号電子ビーム261_1も検出する。このような場合、一つの検出器の信号に複数の信号電子ビームの情報が混在する。
図5Bは、図5Aに示す信号電子ビーム分布に対応する信号電子ビーム強度分布から、補正を行うことなく生成したSEM画像355を示す。SEM画像355は、構造部230の画像360に加え、アーチファクト362を含む。検出器301_2は、信号電子ビーム261_1の一部及び261_2の一部を検出する。そのため、検出器301_2に対応するセクション356_2は、信号電子ビーム261_2による画像360の一部と信号電子ビーム261_1によるアーチファクト362の一部を含む。
また、検出器301_4は、信号電子ビーム261_3の一部及び261_4の一部を検出する。そのため、検出器301_4に対応するセクション356_4は、信号電子ビーム261_4による画像360の一部と信号電子ビーム261_3によるアーチファクト362の一部を含む。
このように、例えば偏向器やレンズに起因して信号電子ビームが変形し、複数の検出器で検出される場合、異なる信号電子ビームの情報を分離しないと、アーチファクトが現れる。本実施例の荷電粒子線装置は、分割検出器110による信号電子ビームの検出信号の強度分布を補正し、より正確なSEM画像を生成する。以下において、信号電子ビームの強度分布の補正及びSEM画像の生成方法を説明する。
図6は、信号電子ビームの検出強度分布を補正することなく生成したSEM画像355及び信号電子ビームの検出強度分布を補正してから生成したSEM画像357の例を示す。検出強度分布は、分割検出器110が複数の検出器によって1以上の信号電子ビームを検出することによって、当該複数の検出器の数だけ出力する信号強度の分布を示す。本実施例に係る演算器111は、分割検出器110から取得した複数の検出器それぞれの信号強度からなる強度分布を補正する。制御端末112は、演算器111から補正した信号強度分布を取得し、それに基づいてSEM画像357を生成する。
図6に示すように、信号強度分布の補正は、補正マトリックスM-1と信号強度分布の積により実行され、補正マトリックスM-1は補正関数を表す。なお、補正関数は、補正マトリックスによる演算と異なる演算を行うことができ、例えば、機械学習によるモデルであってもよい。補正マトリックスM-1は、後述する検出マトリックスMの逆行列である。演算器111は、分割検出器110によって検出される検出強度分布Sから、補正マトリックスM-1に基づき、補正後強度分布Cを算出する。検出強度分布S及び補正後強度分布Cはベクトル(マトリックスの一つ)で表わすことができる。補正マトリックスMの構成は、分割検出器110における複数検出器のレイアウトに基づき決定される。
演算器111は、補正後強度分布Cが図4Aに示す理想的な状態における検出分布に近づくように、検出強度分布Sを補正する。演算器111による補正によって、制御端末112は、より正確なSEM画像を生成することができる。図6の例において、補正前SEM画像355において見られるアーチファクト362が、補正後SEM画像357においては見られない。
演算器111は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のような、プログラム可能な回路であり、高速な演算が可能である。制御端末112は、補正マトリックスM-1を用いた演算(補正関数)を実行するように、演算器111を設定する。演算器111の機能は制御端末112に組み込んでもよい。
図7Aから7Cは、補正マトリックスM-1を生成するためのキャリブレーション例を説明する図である。試料200は、上述のように、平坦とする。制御端末112は、4本の一次ビームから1本の一次ビームを順次選択する。制御端末112は、選択した一次ビームが発生する信号電子ビームの分割検出器110における検出強度分布から、検出マトリックスMを決定する。
図7Aに示すように、制御端末112は、ブランカアレイ104を制御して、複数の一次ビーム251から1本の一次ビーム、図7Aにおいて一次ビーム251_1を選択する。制御端末112は、分割検出器110から、一次ビーム251_1に対応する信号電子ビーム261_1の検出強度分布を取得する。制御端末112は、分割検出器110から直接に、又は、無補正演算に設定された演算器111を介して検出強度分布を取得する。
図7Bは、分割検出器110の検出面における信号電子ビーム261_1の分布の例を示している。信号電子ビーム261_1は、検出器301_1及び検出器301_2(の検出面)に入射している。検出器301_1及び301_2は、それぞれ信号電子ビーム261_1の異なる一部を検出する。他の検出器301_3、301_4は、信号電子ビーム261_1を検出しておらず、それらの検出強度は0である。
図7Cに示すように、制御端末112は、検出器301_1~301_4の検出強度(測定値)から、検出マトリックスMにおいて信号電子ビーム261_1に対応する列265_1の要素を決定する。実際の信号電子ビームの強度分布Bと検出マトリックスMとの積が、検出強度分布Sと等しくなる。強度分布Bにおいて、B1~B4は、それぞれ信号電子ビーム261_1~261_4の強度に対応する。検出強度分布Sにおいて、S1~S4は、それぞれ検出器301_1~301_4の検出強度に対応する。
図7Cの例において、制御端末112は、検出器301_1~301_4による検出強度の比を、列の要素と決定する。各信号電子ビームの強度が分かっている場合はマトリックスの各列の和がその列に対応する信号電子ビームの強度に比例するように規格化してもよい。また、4つの信号電子ビームの強度が同一であることが想定されている場合、信号電子ビームの最も大きい検出強度を1として、各検出器による各信号電子ビームの検出強度の比を決定してもよい。
制御端末112は、全ての一次ビームそれぞれについて上述のように測定を行い、検出マトリックスMのそれぞれの列の要素を決定する。以上の方法で計算された検出マトリックスMから制御端末112は、検出マトリックスMの逆行列である補正マトリックスM-1を計算する。以上により、補正マトリックスM-1(補正関数)が生成される。制御端末112は、演算器111が図6の式に基づいて検出信号を演算するように演算器111を設定する。これにより、演算器111は、実際の信号電子ビーム強度分布Bを出力するように設定される。制御端末112は、実際の信号電子ビーム強度分布Bを画像化することにより正確なSEM画像の生成が可能となる。
制御端末112は、対象試料の観察において、演算器111により、検出強度分布Sと補正マトリックスM-1の積により、補正後信号電子ビーム強度分布Cを得る。制御端末112は、その強度分布Cから、SEM画像を生成する。補正後信号電子ビーム強度分布Cは、検出強度分布Sから計算された実際の信号電子ビーム強度分布であり、補正後信号電子ビーム強度分布Cは、信号電子ビーム強度分布Bと近い値を示す。補正マトリックスM-1による補正により、より正確で高画質なSEM画像を生成できる。
SEMの光学系に起因する信号電子ビームの理想状態からの変化は、一般に、試料の種類や試料における照射位置への依存度が小さい。したがって、キャリブレーションに使用する試料は、実際に観察する対象の試料と同一種類の試料でも異なる種類の試料でもよい。また、一次ビームをスキャンすることなく特定照射位置における信号電子ビームの形状を測定し、補正マトリックスを決め、SEM画像内の全画素(スキャンした全範囲)に共通に適用することで、効率的なキャリブレーションが可能となる。
図8A~8Cは、補正マトリックスM-1を決定するための他のキャリブレーション例を説明する図である。以下において、図7A~7Cを参照して説明したキャリブレーション例との相違点を主に説明する。本例は、選択した複数の一次ビームを同時に試料に照射し、複数の一次ビームそれぞれに起因する信号電子ビームに対する検出マトリックス要素を同時に決定する。これにより、キャリブレーション時間の短縮が可能となる。
図8Aに示す例において、制御端末112は、ブランカアレイ104を制御して、4本の一次ビームから2本の一次ビーム、図8Aにおいて一次ビーム251_1、251_4を選択する。制御端末112は、分割検出器110から、一次ビーム251_1、251_4それぞれに対応する信号電子ビーム261_1、261_4の検出強度分布を取得する。
図8Bは、分割検出器110の検出面における信号電子ビーム261_1、261_4の分布の例を示している。信号電子ビーム261_1は、検出器301_1及び検出器301_2(の検出面)に入射している。信号電子ビーム261_4は、検出器301_4(の検出面)に入射している。
検出器301_1及び301_2は、それぞれ信号電子ビーム261_1の異なる一部を検出する。他の検出器301_3、301_4は、信号電子ビーム261_1を検出しておらず、それらの検出強度は0である。検出器301_4は、信号電子ビーム261_4の一部を検出する。他の検出器301_1~301_3は、信号電子ビーム261_4を検出しておらず、それらの検出強度は0である。
図8Bに示すように、信号電子ビーム261_1、261_4は、異なる検出器によって検出され、信号電子ビーム261_1、261_4が、共通の検出器に検出されることはない。このように、異なる1又は複数の検出器により検出される信号電子ビームは、補正マトリックスの生成のために同時に測定することが可能である。図8Cに示すように、制御端末112は、検出器301_1~301_4の検出強度分布から、検出マトリックスMにおいて信号電子ビーム261_1、261_4それぞれに対応する列265_1、265_4の要素を決定する。
上記信号電子ビーム強度分布補正は、マルチビーム型SEMと異なるタイプの荷電粒子線装置に適用できる。例えば、SEM画像のコントラストを向上するため、上記信号電子ビーム強度分布補正は、一つの一次ビームを試料に照射し、複数の検出器にまたがる一つの信号電子ビームを検出するSEMに適用できる。
SEMは、試料から発生した信号電子ビームを、例えば、その放出角度に応じて異なる検出器で検出することによって信号電子ビームの放出角度信号弁別を行う。信号電子ビームの空間的分布は、試料200から放出された信号電子のエネルギ及び角度分布に依存する。
分割検出器110は、これら信号電子ビームを、複数の検出器によって検出する。信号電子ビームの信号弁別を行うことによって、試料から放出される信号電子の放出角度起因のコントラストを向上することが可能となる。他の例において、ウィーンフィルタ等の光学素子を信号電子の光学系に含めることによって、信号電子の放出エネルギに応じた信号弁別を行うことが可能である。制御端末112は、自ら補正することなく、予め用意されている補正マトリックスを使用して対象試料の観察像のための補正を行ってもよい。
図9は、制御端末112で出力されるSEM観察条件の表示画面の例である。ユーザは、SEM観察画面では、電子ビームの加速電圧、電流量、レンズの励磁強度等の観察条件を設定することができる。ユーザが観察条件を設定した後に撮像ボタンを押すことにより、SEM像が撮像され、SEM観察画面上に表示される。補正マトリックスの調整が必要な場合は、ユーザは、補正キャリブレーションボタンを押すことによって制御端末が補正マトリックスのキャリブレーションを開始する。キャリブレーションにより取得された補正マトリックスは表示ボタンを押すことによって表示することができる。
図10は、キャリブレーション結果を表示する画面の例である。各信号電子ビームの検出強度分布が検出マトリックス枠に表示される。また、同画面に表示されている検出マトリックスを用いた場合の補正前と補正後のSEM像を確認することができる。キャリブレーションによって取得した検出マトリックスは保存ボタンで保存できる。また、保存済みの補正マトリックスを保存ファイル選択枠で選択し、使用することもできる。
本実施例によれば、検出信号を補正することにより、アーチファクトを抑制したSEM像を撮像できる。
以下において、実施例2を説明する。実施例1における補正マトリックスは、各信号電子ビームの検出強度分布が偏向器に依存しない場合に有効である。しかし、振り戻し偏向器の調整が不十分な場合、または全て信号電子ビームを精度よく分割検出器上で信号電子ビームの照射位置を固定することが困難な場合は、偏向器に連動して信号電子ビームの検出強度分布が変動してしまう。すなわち、一次ビームの試料上の照射位置毎に補正マトリックスが必要となる。
図11は、実施例2に係るキャリブレーションを模式的に示す。実施例2に係る制御端末112は、一次ビームの異なるスキャン位置に対応する補正マトリックスを作成する。信号電子ビームは、一次ビームのスキャンに連動して、偏向器によって偏向される。そのため、分割検出器110の検出面における信号電子ビームの理想状態からの変化は、スキャン位置に依存し得る。信号電子ビームの検出強度分布のスキャン位置依存を予め測定することで、検出強度分布の一次ビーム照射位置に応じた検出信号の補正を行い、より正確なSEM画像を得ることができる。
以下において、実施例1との相違点を主に説明する。図11は、例として、3つのスキャン位置A、B、Cにおける一次ビーム、分割検出器110における信号電子ビーム分布、及び、検出マトリックスを示す。図11は、複数の一次ビームの内の一つを例として符号251で指示し、複数の信号電子ビームの内の一つを例として符号261で指示する。各一次ビーム照射位置における検出マトリックスの決定方法は、実施例1と同様でよい。図11の例において、試料200は平坦であり、信号電子ビームの強度は予め又は測定によりわかっている。
一例において、SEM画像の各ピクセルに対応する補正マトリックスが用意される。これにより、より正確なSEM画像を生成できる。制御端末112は、実施例1において説明したキャリブレーションを適用することで、ピクセルそれぞれに対応する補正マトリックスを生成することができる。ピクセルと一次ビームの照射位置とは予め対応付けられている。制御端末112は、ピクセルそれぞれに対応する補正マトリックスに基づいて、演算器111の設定をスキャンに連動して変更する。
用意される補正マトリックスの数は撮像時の画像の精度によって設計され、複数ピクセルに対して一つの補正マトリックスが用意されてもよい。または、複数のピクセル毎に補正マトリックスを用意してもよい。また、補正マトリックスを用いた補正処理は、リアルタイムではなく、SEM像撮像後にまとめて行ってもよい。
本実施例によれば、画像のピクセル毎に検出信号を補正することにより、アーチファクトを抑制したSEM像が撮像できる。
以下において、実施例3を説明する。主に、実施例1との相違点を説明する。実施例3に係る制御端末112は、試料の観察中の信号電子ビームの変化に対する補正を行う。前実施例における補正方法は、検出マトリックスが観察中に変化しないことが前提である。しかし、観察中に試料が帯電すると、試料付近で電界が発生し、信号電子ビームがレンズ作用や偏向作用を受ける。さらに、信号電子ビームのエネルギが変化するため、偏向器などの光学素子を通過する際の偏向感度が変化してしまう。これらにより、信号電子ビームの検出強度分布が変化し、事前にキャリブレーションで取得した補正マトリックスが有効ではなくなる。制御端末112は、このような信号電子ビームに対する試料の帯電の影響を補正することができる。
図12は、実施例3に係る分割検出器210の検出面(複数検出器)及び検出面上の信号電子ビームの分布の例を示す。図12に示す構成例において、分割検出器210は、16の検出器301_1~301_16を有している。
実施例1と同様に、分割検出器210は、4本の信号電子ビーム281_1~281_4を検出する。理想状態において、4本の信号電子ビーム281_1~281_4は、それぞれ、検出器301_1~301_4によって検出され、各信号電子ビームは、一つの検出器のみに検出される。
上述のように、試料の観察している間(試料のSEM像を生成している間)に、試料が帯電すると、分割検出器210による信号電子ビーム281_1~281_4の検出強度分布が変化する。図12の例において、信号電子ビーム281_1~281_4は、分割検出器210の検出面上で移動している。矢印は、理想位置からの信号電子ビームの移動を示している。
上述のように、試料の帯電の影響は、信号電子ビームのエネルギ変化により偏向感度が変化することで発生することがあり、分割検出器210の検出面において、信号電子ビームの検出位置を移動させる。全ての信号電子ビームの移動の態様は同様であることもあれば、異なることもある。本実施例は、信号電子ビームの移動(移動方向及び移動量)を検出し、検出した移動に基づいて信号電子ビームの検出強度分布を補正する。
図12に示すように、分割検出器210は、検出すべき信号電子ビームの数より多くの検出器を含む。具体的には、分割検出器210は、中央の4つの検出器301_1~301_4に加え、それらの周囲に配置された検出器301_5~301_16を含む。理想状態において、全ての信号電子ビーム281_1~281_4は、検出器301_1~301_4により検出される。周囲の検出器301_5~301_16の検出値を参照することで、信号電子ビーム281_1~281_4の移動を検出し、それに応じたリアルタイムの補正が可能となる。
制御端末112は、信号電子ビーム281_1~281_4の検出強度分布をモニタし、その統計値に基づき、信号強度分布の補正マトリックスを決定する。例えば、制御端末112は、信号電子ビーム281_1~281_4の検出強度分布の重心位置を算出し、その重心位置に基づき予め設定されている演算式に従って補正マトリックスを決定する。これにより、信号電子ビーム全体が移動した場合に、適切なリアルタイム補正が可能となる。
他の例において、制御端末112は、重心位置に代えて又は加えて、検出信号強度分布の分散に基づき予め設定されている演算式に従って補正マトリックスを決定してもよい。これにより、信号電子ビームが異なる方向に移動した場合に、適切なリアルタイム補正が可能となる。
制御端末112は、所定の条件が満たされている場合に、信号電子ビームの移動に対する補正を行ってもよい。補正マトリックスにより補正を行う条件は、例えば、全ての信号電子ビームが検出されていること及び周囲検出器301_5~301_16の少なくとも一つが信号電子ビームを検出していることを、を含んでもよい。
制御端末112は、実施例1又は実施例2において説明した光学系に起因する検出強度分布変化の補正を行うことなく、本実施例の補正を行うことができる。または、制御端末112は、実施例1又は実施例2において説明した検出強度分布変化の補正を行うと共に、本実施例の補正を行うことができる。
本実施例によれば、検出信号を補正することにより、試料帯電等の予期せぬ検出信号分布の変化に起因するアーチファクトを抑制したSEM像が撮像できる。
以下において、実施例4を説明する。主に、実施例1との相違点を説明する。図13Aは、実施例4に係る分割検出器の複数検出器及び複数検出器上の信号電子ビーム分布を模式的に示す。分割検出器310は、六角形の7つの検出器311_1~311_7を含む。検出器311_1~311_7は隙間なく並べられている。なお、検出器の数は設計により変化する。理想状態において、検出器311_1~311_7は、それぞれ、信号電子ビーム361_1~361_7を検出する。信号電子ビーム361_1~361_7は、それぞれ、異なる一つの検出器にのみ検出される。
図13Bは、図13Aに示す状態に対応する検出マトリックスMを示す。実際の信号電子ビーム強度分布Bと検出マトリックスMとの積が、検出された信号電子ビーム強度分布Sと等しくなる。強度分布Bにおいて、B1~B7は、それぞれ信号電子ビーム361_1~361_7の強度に対応する。強度分布Sにおいて、S1~S7は、それぞれ検出器311_1~311_7の検出強度に対応する。検出した強度分布Sの補正は、実施例1と同様に行うことができる。
上述のように、様々な形状及び配列の検出器を含む分割検出器310における検出信号を適切に補正することができる。
以下において、実施例5を説明する。主に実施例1との相違点を説明する。本実施例は、キャリブレーション用の試料を使用することで、選択的に信号電子ビームを生成する。図14Aは、実施例5に係る試料400を使用してキャリブレーションを行っているSEMを示している。図1に示す構成と比較して、ブランカアレイが省略されている。試料400により、構成や制御が複雑なブランカアレイを省略できる。
図14Bは、試料400の構成を模式的に示す。試料400は、信号電子ビーム放出率が高い領域402と、信号電子ビーム放出率が低い領域404とを含む。信号電子ビーム放出率が高い領域402は局所的であり、全ての一次ビームの内、一つの一次ビームのみが照射される。
図14Aの例においては、一次ビーム251_1のみが領域402に照射され、他の全ての一次ビームは、信号電子ビーム放出率が低い領域404に照射されている。試料400は、信号電子ビーム放出率が高い領域402照射された一次ビーム251_1に起因する信号電子ビーム261_1のみを放出する。
上述のように、信号電子ビーム放出率が高い局所的領域を有する試料を使用することで、ブランカアレイを使用することなく、キャリブレーションのための信号電子ビームを選択することができる。例えば、一次ビーム251_1~251_4それぞれのために、信号電子ビーム放出率が高い領域の位置が異なるキャリブレーション試料を用意する。これにより、各一次ビームに起因する各信号電子ビームを個別に測定できる。図8A~8Cを参照して説明したように、複数の信号電子ビームを同時測定するためには、複数の高放出率領域を有する試料を使用する。
本実施例によれば、複雑なブランカアレイを使用せずに検出信号分布のキャリブレーションを行うことができる。
以下において、実施例6を説明する。主に実施例1との相違点を説明する。本実施例は、SEM画像取得期間外にキャリブレーション(補正マトリックス生成処理)を実行する。これにより、SEM画像の生成中の各信号電子ビームの変化に適切に対応する補正を行い、より正確なSEM画像を生成することができる。
図15は、SEM画像の撮像期間と、キャリブレーション期間との関係の例を示す。制御端末112は、一つのSEM画像の生成において、走査用偏向器106を制御して、試料200上のスキャンラインの撮像を順次行う。図15において、グラフは、走査用偏向器106への制御信号(スキャン信号)の時間変化を示しており、例えば、X方向へのスキャンのための電圧信号の時間変化を示す。
図15の例において、SEM撮像期間501は、一つのスキャンラインを撮像する期間である。制御端末112は、各SEM撮像期間501において検出された信号電子ビームの強度分布に基づいて、対応するスキャンラインの画像を生成する。制御端末112は、連続するSEM撮像期間501の間の期間503おいて、キャリブレーションを実行する。制御端末112は、期間503において、例えば、実施例1において説明を行ったキャリブレーションを実行する。スキャンラインを変更する期間にキャリブレーションを実行することで、撮像時間に影響を及ぼすことなく補正マトリックスを取得することができる。
一例において、制御端末112は、各SEM撮像期間501の前又は各期間503に、キャリブレーションを実行する。他の例において、全てのSEM撮像期間501から選択された一部のSEM撮像期間501それぞれの前において、又は一部の期間503において、キャリブレーションを実行する。キャリブレーション頻度は、SEMの設計に応じて決定される。なお、SEM撮像期間は、一つのスキャンラインの撮像期間と一致していなくてもよい。一つの期間503において、複数の信号電子ビームの一部のみ、例えば、1本の信号電子ビームについてのキャリブレーションを行ってもよい。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成・機能・処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

Claims (6)

  1. 試料に対する1以上の一次荷電粒子ビームの照射に起因する、1以上の信号荷電粒子ビームを検出する複数の検出器と、
    制御システムと、を含み、
    前記制御システムは、
    前記複数の検出器で検出された前記1以上の信号荷電粒子ビームの強度分布を測定し、
    補正関数を使用して前記強度分布を補正し、
    補正された前記強度分布に基づき画像を生成し、
    前記1以上の一次荷電粒子ビームは複数の一次荷電粒子ビームで構成されている、荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記制御システムは、前記補正関数の生成処理を行い、
    前記生成処理において、
    前記複数の一次荷電粒子ビームの異なる一部を順次選択して、前記試料又は前記試料と異なる試料に照射し、
    前記複数の検出器で検出された前記異なる一部それぞれに起因し、前記複数の検出器において分離された1以上の信号荷電粒子ビームの強度分布を測定し、
    前記異なる一部それぞれの前記強度分布に基づき、前記補正関数を生成する、荷電粒子線装置。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記異なる一部は、単一の一次荷電粒子ビームで構成されている、荷電粒子線装置。
  4. 請求項1に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記複数の検出器の数は、前記複数の一次荷電粒子ビームの数よりも多い、荷電粒子線装置。
  5. 請求項1に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記1以上の信号荷電粒子ビームは複数の信号荷電粒子ビームで構成され、
    前記制御システムは、前記複数の一次荷電粒子ビームそれぞれに対応するキャリブレーション試料を使用して、前記複数の一次荷電粒子ビームそれぞれに起因する信号荷電粒子ビームの前記複数の検出器における強度分布を測定し、
    前記キャリブレーション試料のそれぞれにおいて、対応する一次荷電粒子ビームの放出率が他の一次荷電粒子ビームの放出率よりも高く、
    前記制御システムは、前記複数の信号荷電粒子ビームそれぞれの強度分布に基づき、前記補正関数を生成する、荷電粒子線装置。
  6. 荷電粒子線装置の制御システムが画像を生成する方法であって、
    前記荷電粒子線装置は、試料に対する1以上の一次荷電粒子ビームの照射に起因する、1以上の信号荷電粒子ビームを検出する複数の検出器を含み、
    前記1以上の一次荷電粒子ビームは複数の一次荷電粒子ビームで構成され
    前記方法は、
    前記制御システムが、前記複数の検出器で検出された前記1以上の信号荷電粒子ビームの強度分布を測定し、
    前記制御システムが、補正関数を使用して前記強度分布を補正し、
    前記制御システムが、補正された前記強度分布に基づき画像を生成する、方法。
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