JP5927028B2 - 光電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換装置、及びその作製方法に関する。
近年、地球温暖化対策として、発電時に二酸化炭素の排出の無い光電変換装置が注目されている。その代表例としては、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどの結晶性シリコン基板を用いた太陽電池が知られている。
結晶性シリコン基板を用いた太陽電池では、結晶性シリコン基板の導電型とは逆の導電型となる層を不純物の拡散によって該結晶性シリコン基板の一方の面側に形成する、所謂ホモ接合を有する構成が広く用いられている。
また、結晶性シリコン基板の一方の面、または両面に、該結晶性シリコン基板とは光学バンドギャップ及び導電型の異なる非晶質シリコンを成膜してヘテロ接合を形成し、界面特性を向上させた太陽電池が特許文献1、及び特許文献2に開示されている。
特開平4−130671号公報 特開平10−135497号公報
上述したヘテロ接合を有する太陽電池では、単結晶半導体基板と接合形成用の一導電型を有する不純物半導体層との間に、非晶質の真性半導体層を設けてp−n接合を形成している。この構成は、単結晶半導体基板と局在準位を多く含む不純物半導体層を直接接合する場合と比べて、界面準位を低減させることができ、太陽電池の電気的特性を向上させる効果を有する。
一方で、接合部が多層構造となるため、界面の数が増加してしまうことが問題となる。界面の数が増加することで、新たな界面準位や、界面の汚染に起因する不純物準位が形成されてしまう。
また、上記真性半導体層として、単結晶半導体に比べて欠陥準位が多い非晶質半導体が用いられている点も問題となる。これらの局在準位は、上述した太陽電池の電気的特性を向上させる効果を阻害する一要因となっている。
つまり、接合部近傍での界面の数を低減し、更に欠陥の少ない材料を真性半導体層として用いることができれば、太陽電池の電気特性の更なる向上が望めることになる。
したがって、本発明の一態様は、接合部近傍での界面の数を低減した太陽電池、及びその作製方法を提供することを目的の一つとする。また、単結晶半導体基板と不純物半導体領域との間に不純物及び欠陥の少ない真性半導体領域を設けた太陽電池、及びその作製方法を提供することを目的の一つとする。
本明細書で開示する本発明の一態様は、単結晶半導体基板上に成長させた結晶領域及び非晶質領域を含む真性半導体領域が形成され、該真性半導体領域上に不純物半導体領域を形成した光電変換装置に関する。
本明細書で開示する本発明の一態様は、一対の電極間に、一導電型を有する単結晶シリコン基板と、単結晶シリコン基板の一方の面上に形成された結晶シリコン領域及び非晶質シリコン領域を含む第1のシリコン半導体領域と、第1のシリコン半導体領域上に形成された単結晶シリコン基板と同じ導電型で、単結晶シリコン基板よりもキャリア密度の高い第2のシリコン半導体領域と、単結晶シリコン基板の他方の面上に形成された結晶シリコン領域及び非晶質シリコン領域を含む第3のシリコン半導体領域と、第3のシリコン半導体領域上に形成された単結晶シリコン基板とは逆の導電型を有する第4のシリコン半導体領域と、第4のシリコン半導体領域上に形成された透光性導電膜と、を有することを特徴とする光電変換装置である。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、順序や数を限定するものではないことを付記する。
上記、第1のシリコン半導体領域及び第3のシリコン半導体領域に含まれる結晶シリコン領域は、単結晶シリコン基板の原子配列を受け継いだ結晶シリコンを含む領域であることが好ましい。
また、第1のシリコン半導体領域、及び第3のシリコン半導体領域は、i型の導電型を有するシリコン半導体で形成されており、表面は平坦であることが好ましい。
また、第2のシリコン半導体領域、及び第4のシリコン半導体領域は、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンで形成されていることが好ましい。
また、本明細書で開示する本発明の他の一態様は、一導電型を有する単結晶シリコン基板の一方の面上に、結晶シリコン領域、及び非晶質シリコン領域を含む第1のシリコン半導体領域を連続形成し、第1のシリコン半導体領域上に、単結晶シリコン基板と同じ導電型で、単結晶シリコン基板よりもキャリア密度の高い第2のシリコン半導体領域を形成し、単結晶シリコン基板の他方の面上に、結晶シリコン領域、及び非晶質シリコン領域を含む第3のシリコン半導体領域を連続形成し、第3のシリコン半導体領域上に、単結晶シリコン基板とは逆の導電型を有する第4のシリコン半導体領域を形成し、第4のシリコン半導体領域上に透光性導電膜を形成し、第2のシリコン半導体領域上に第1の電極を形成し、透光性導電膜上に第2の電極を形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法である。
上記結晶シリコン領域は、単結晶シリコン基板の原子配列を受け継いだ結晶シリコンを含んで形成することが好ましい。
なお、本明細書等における連続形成とは、第1の形成物の形成工程と第2の形成物の形成工程が連続していることをいい、例えばプラズマCVD法等を用いた形成工程において、第1の形成物の形成プロセス終了後に第2の形成物の形成プロセスが他の工程を介さずに行われることをいう。または、第1の形成物の形成プロセスが終了する前に第2の形成物の形成プロセスが始まることをいう。この連続形成によって、第1の形成物及び第2の形成物の間には不純物濃度の高い領域や酸化層などが形成されず、明瞭な界面を無くすことができる。つまり、第1の形成物及び第2の形成物は、実質的に連続した構造、または連続的に変化する構造を有するようになる。
本発明の一態様である単結晶シリコン基板上に成長したi型の結晶シリコン及び該結晶シリコン上に連続形成される非晶質シリコンを用いることにより、実質的に接合領域が多層構造とならないヘテロ接合型の光電変換装置を形成することができる。したがって、光電変換装置の接合領域における不純物及び欠陥の低減、並びに界面数を削減させることができ、光電変換装置の電気特性を向上させることができる。
光電変換装置を説明する断面図。 光電変換装置を説明する断面図。 光電変換装置の作製方法を説明する工程断面図。 光電変換装置の作製方法を説明する工程断面図。 単結晶シリコン基板上に形成したシリコン半導体領域の断面TEM写真。 光電変換装置の変換効率を比較するグラフ。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することがある。
本実施の形態では、本発明の一態様における光電変換装置、及びその作製方法について説明する。
図1(A)は、本発明の一態様における光電変換装置を例示した断面図であり、一導電型を有する単結晶シリコン基板100の一方の面上に第1のシリコン半導体領域110、第2のシリコン半導体領域120、第1の電極170が順に形成されており、単結晶シリコン基板100の他方の面上には、第3のシリコン半導体領域130、第4のシリコン半導体領域140、透光性導電膜160、第2の電極190が順に形成された構成を有している。なお、第2の電極190はグリッド電極であり、第2の電極190が形成された面が受光面となる。また、第1の電極170もグリッド電極とし、両面を受光面とする構成としても良い。その場合は、第2のシリコン半導体領域120と第1の電極170との間に、透光性導電膜を設けることが好ましい。
単結晶シリコン基板100は一導電型を有し、第4のシリコン半導体領域140は、単結晶シリコン基板100の導電型とは逆の導電型を有する不純物半導体領域である。したがって、単結晶シリコン基板100と第4のシリコン半導体領域140との間には、第3のシリコン半導体領域130を介してp−n接合が形成される。なお、第4のシリコン半導体領域140は、導電性を付与する不純物を含む非晶質シリコンまたは微結晶シリコンで形成することができる。
また、第2のシリコン半導体領域120は、単結晶シリコン基板100と同じ導電型を有し、該単結晶シリコン基板よりもキャリア密度の高い不純物半導体領域である。単結晶シリコン基板100と第2のシリコン半導体領域120との間には、第1のシリコン半導体領域110を介してp−pまたはn−n接合が形成される。つまり、第2のシリコン半導体領域120は、BSF(Back Surface Field)層として作用する。BSF層を設けることにより、少数キャリアがp−n接合側にはね返されることから、第1の電極170近傍でのキャリアの再結合を防止することができる。なお、第2のシリコン半導体領域120は、導電性を付与する不純物を含む非晶質シリコンまたは微結晶シリコンで形成することができる。
第1のシリコン半導体領域110及び第3のシリコン半導体領域130は、i型のシリコン半導体で形成されており、単結晶シリコン基板100の表面欠陥を終端することができる。なお、本明細書において、i型の半導体とは、フェルミ準位がバンドギャップの中央に位置する所謂真性半導体の他、半導体に含まれるp型を付与する不純物、およびn型を付与する不純物が、それぞれ1×1020cm−3以下の濃度であり、暗伝導度に対して光伝導度が100倍以上である半導体を指す。
また、本発明の一態様において、第1のシリコン半導体領域110及び第3のシリコン半導体領域130は、結晶シリコン領域及び非晶質シリコン領域で構成されている。ここでは、図1(B)に示す図1(A)のA領域を拡大した図を用いて、第3のシリコン半導体領域130の近傍の詳細を説明する。
図1(B)に示す結晶シリコン領域131は、単結晶シリコン基板100の原子配列を受け継いだ、結晶成長領域である。したがって、単結晶シリコン基板100と結晶シリコン領域131との間には、明瞭な界面は形成されず、両者は実質的に一体となっている。すなわち、結晶シリコン領域131は、単結晶シリコン基板100と同程度の良好な結晶品質を有し、極めて不純物や欠陥の少ない領域であるといえる。また、単結晶シリコン基板100の導電型がn型またはp型であるのに対し、結晶シリコン領域131はi型である。
なお、SIMS分析における単結晶シリコン基板100と結晶シリコン領域131との間の領域における大気成分等の不純物濃度は、酸素を5×1020cm−3以下、炭素を3×1019cm−3以下、窒素を2×1018cm−3以下とすることが好ましい。これらの濃度より多い該不純物が該領域に存在していると、結晶成長を不完全とさせる要因や光電変換装置の電気特性を低下させる要因となる。
また、第3のシリコン半導体領域130において、結晶シリコン領域131上には、非晶質シリコン領域132が形成されている。該非晶質シリコン領域は、該結晶シリコン領域と連続形成された領域である。例えば、第3のシリコン半導体領域130は、プラズマCVD法などを用いて該結晶シリコン領域を形成した後に、洗浄や搬送などを含む他の工程を一切介さずに該非晶質シリコン領域を形成する。または、該結晶シリコン領域の形成プロセス終了前に該非晶質シリコン領域の形成プロセスを開始することにより形成する。
このように、他の工程が行われずに連続形成された結晶シリコン領域131と非晶質シリコン領域132の間には、不純物濃度の高い領域や酸化層などが生成されることなく、明瞭な界面が形成されない。したがって、両者は実質的に連続した構造、または連続的に変化する構造を有しているということができる。
なお、第3のシリコン半導体領域130において、結晶シリコン領域131が占める割合は高いほど好ましいが、結晶シリコンの表面は未結合手などの欠陥が多いため、少なくとも結晶シリコン領域131が、第3のシリコン半導体領域130の表面に露出することがないように水素を含む非晶質シリコン領域132で覆い、該欠陥を終端する構成とする。
なお、第1のシリコン半導体領域110は第3のシリコン半導体領域130と同様の構成である。したがって、単結晶シリコン基板100と第1のシリコン半導体領域110との間、及び第1のシリコン半導体領域に含まれる結晶シリコン半導体領域と非晶質シリコン半導体領域との間にも明瞭な界面は形成されない。
以上の説明の通り、本発明の一態様における光電変換装置の構成では、単結晶シリコン基板100と第1のシリコン半導体領域110との間、及び単結晶シリコン基板100と第3のシリコン半導体領域130との間に明瞭な界面が形成されないため、界面に存在する欠陥や不純物により形成される局在準位の影響を排除することができる。また、第1のシリコン半導体領域110及び第3のシリコン半導体領域130は、欠陥の少ない結晶シリコン領域を含むため、キャリアの再結合が起きにくい。
なお、図1(A)の構成から第1の電極170、第2の電極190、及び透光性導電膜160を除いたサンプルにおいて、第1のシリコン半導体領域110及び第3のシリコン半導体領域130に非晶質シリコンを用いたサンプルのキャリアライフタイムは、200μsec以下である。一方、該半導体領域に結晶シリコン領域及び非晶質シリコン領域を含むサンプルのキャリアライフタイムは、1500μsec以上となる。このようなキャリアライフタイムの違いは、光電変換装置の電気特性に反映され、キャリアライフタイムの数値が大きいほど、良好な電気特性が得られる。
本発明の一態様における光電変換装置の構成は、図2(A)に示すように、単結晶シリコン基板100の両面に凹凸を形成した構造であっても良い。該構造は、凹凸を形成するエッチング加工時にマスクを用いず、面方位に対するエッチングレートの違いを利用して単結晶シリコンの両面をエッチング加工することにより形成することができる。また、図2(B)に示すように、単結晶シリコン基板100の片面のみに凹凸を形成した構造としても良い。該構造は、凹凸を形成するエッチング加工時に、単結晶シリコン基板100の他方の面をマスクで覆うことによって、単結晶シリコン基板100の一方の面のみをエッチング加工することにより形成することができる。
凹凸加工された面では入射光が多重反射し、単結晶シリコン基板100内では光が斜めに進行することから光路長が増大する。また、裏面反射光が表面で全反射する、所謂光閉じ込め効果を起こさせることもでき、光電変換装置の電気特性を向上させることができる。
なお、第1のシリコン半導体領域110及び第3のシリコン半導体領域130に含まれる結晶シリコン領域はナノメートルサイズの凹凸形状をしており、この形状も上記同様の光学的作用を有する。したがって、図2(A)、(B)のような光電変換装置は、マイクロメートルサイズの凹凸の表面にナノメートルサイズの凹凸を有する構成となるため、光学的作用が非常に大きい特徴を有している。
次に、図1(A)に示した光電変換装置の作製方法について図3及び図4を用いて説明する。
本発明の一態様に用いることのできる単結晶シリコン基板100の導電型、及び製法は限定されず、実施者が適宜選択すれば良い。本実施の形態では、n型の単結晶シリコン基板を用いる例を説明する。
なお、図2(A)、(B)の構成のように、単結晶シリコン基板100の表裏に凹凸加工を行う場合は、単結晶シリコン基板の表面に(100)面を有する基板を用い、以下の工程を行う。
初期の単結晶シリコン基板100がスライス加工のみである基板の場合は、単結晶シリコン基板100の表面から10〜20μmに残留するダメージ層をウエットエッチング工程にて取り除く。エッチング液には、比較的高濃度のアルカリ溶液、例えば、10〜50%の水酸化ナトリウム水溶液、または同濃度の水酸化カリウム水溶液を用いることができる。または、フッ酸と硝酸を混合した混酸や、それらに酢酸を混合した混酸を用いても良い。
次に、ダメージ層除去後の単結晶シリコン基板表面に付着している不純物を酸洗浄で取り除く(図3(A)参照)。酸としては、例えば、0.5%フッ酸と1%過酸化水素水の混合液(FPM)などを用いることができる。またはRCA洗浄などを行っても良い。なお、この酸洗浄工程は省いても良い。
凹凸は、結晶シリコンのアルカリ溶液によるエッチングにおいて、面方位に対するエッチングレートの違いを利用して形成する。エッチング液には比較的低濃度のアルカリ溶液、例えば、1〜5%の水酸化ナトリウム水溶液、または同濃度の水酸化カリウム水溶液を用いることができ、好ましくは、数%のイソプロピルアルコールを添加する。エッチング液の温度は70〜90℃とし、30〜60分間、単結晶シリコン基板をエッチング液に浸漬する。この処理により、単結晶シリコン基板100表面に、微細な略四角錐状の複数の凸部、及び隣接する凸部間で構成される凹部からなる凹凸を形成することができる。
次に、上述の凹凸を形成するためのエッチング工程では、シリコンの表層に不均一な酸化層が形成されるため、該酸化層を取り除く。また、該酸化層にはアルカリ溶液の成分が残存しやすいため、それを取り除く目的もある。アルカリ金属、例えばNaイオンやKイオンがシリコン中に侵入するとライフタイムキラーとなり、光電変換装置の電気特性が著しく低下してしまう。なお、この酸化層を除去するには、1〜5%の希フッ酸を用いれば良い。
次に、フッ酸と硝酸を混合した混酸、または、それらに酢酸を混合した混酸を用いて単結晶シリコン基板100の表面をエッチングし、金属成分などの不純物を除去することが好ましい。酢酸を混合することで、硝酸の酸化力を維持し、エッチング工程を安定にする効果、及びエッチングレートを調整する効果が得られる。例えば、各酸の体積比率は、フッ酸(約50%):硝酸(60%以上):酢酸(90%以上)=1:(1.5〜3):(2〜4)とすることができる。なお、本明細書では、フッ酸、硝酸及び酢酸の混酸液をフッ硝酢酸と呼ぶ。また、このフッ硝酢酸を用いたエッチング工程では、凸部の頂点の断面における角度を大きくする方向に変化させることから、表面積が低減し、表面欠陥の絶対量を低減することができる。なお、このフッ硝酢酸を用いたエッチングを行う場合は、上述の希フッ酸を用いた酸化層の除去工程を省くこともできる。
次いで、適切な洗浄の後、単結晶シリコン基板100の一方の面上にプラズマCVD法を用いて第1のシリコン半導体領域110を形成する。第1のシリコン半導体領域110は、前述したように単結晶シリコン基板100から結晶成長した結晶シリコン領域、及び該結晶シリコン領域上に連続形成される非晶質シリコン領域を含んで構成されるi型の半導体領域である。第1のシリコン半導体領域110の厚さは、3nm以上50nm以下とすることが好ましい。
第1のシリコン半導体領域110は、例えば、反応室にモノシランを導入し、反応室内の圧力を100Pa以上200Pa以下、電極間隔を10mm以上40mm以下、カソード電極の面積を基準とする電力密度を8mW/cm以上50mW/cm以下、基板温度を150℃以上300℃以下とする条件で形成することができる。
上記の条件で形成工程を行うことにより、形成初期は、単結晶シリコン基板100の原子配列を受け継いだ結晶シリコンの成長が進むが、次第に非晶質シリコンが成長する領域が現れ、やがて全ての領域において非晶質シリコンが成長するようなる。その結果、第1のシリコン半導体領域110は、凹凸形状を有する結晶シリコン領域とそれを覆う非晶質シリコン領域で形成され、その表面は平坦になる。つまり、形成開始から終了までに同一条件で結晶シリコンと非晶質シリコンを形成することができる。
次いで、第1のシリコン半導体領域110上に第2のシリコン半導体領域120を形成する(図3(B)参照)。第2のシリコン半導体領域120の厚さは3nm以上50nm以下とすることが好ましい。本実施の形態において、第2のシリコン半導体領域120はn型の非晶質シリコンであり、膜厚は10nmとする。
第2のシリコン半導体領域120は、反応室にモノシラン:水素ベースのホスフィン(0.5%)=1:(1〜50)の流量比率で導入し、反応室内の圧力を100Pa以上200Pa以下とし、電極間隔を10mm以上40mm以下とし、カソード電極の面積を基準とする電力密度を8mW/cm以上50mW/cm以下、基板温度を150℃以上300℃以下とする条件で形成することができる。
次いで、単結晶シリコン基板100の他方の面に、プラズマCVD法を用いて第3のシリコン半導体領域130を形成する。第3のシリコン半導体領域130の厚さは、3nm以上50nm以下とすることが好ましく、本実施の形態においては5nmとする。第3のシリコン半導体領域130は、単結晶シリコン基板100から成長した結晶シリコン領域、及び該結晶シリコン領域上に連続形成される非晶質シリコン領域を含んで構成されるi型の半導体領域であり、第1のシリコン半導体領域110と同様の形成条件にて形成することができる。
次いで、第3のシリコン半導体領域130上に第4のシリコン半導体領域140を形成する(図3(C)参照)。第4のシリコン半導体領域140の厚さは3nm以上50nm以下とすることが好ましい。本実施の形態において、第4のシリコン半導体領域140はn型の非晶質シリコンであり、膜厚は10nmとする。
第4のシリコン半導体領域140は、反応室にモノシラン:水素ベースのジボラン(0.1%)=1:(2〜50)の流量比率で導入し、反応室内の圧力を100Pa以上200Pa以下とし、電極間隔を8mm以上40mm以下とし、カソード電極の面積を基準とする電力密度を8mW/cm以上50mW/cm以下、基板温度を150℃以上300℃以下とする条件で形成することができる。
なお、本実施の形態において、上記シリコン半導体領域の形成に用いる電源には周波数60MHzのRF電源を用いるが、13.56MHz、27.12MHz、または100MHzのRF電源を用いても良い。また、連続放電だけでなく、パルス放電にて形成を行っても良い。パルス放電を行うことで、膜質の向上や気相中で発生するパーティクルを低減することができる。
次いで、第2のシリコン半導体領域120上に第1の電極170を形成する(図4(A)参照)。第1の電極170には、銀、アルミニウム、銅などの低抵抗金属を用いることができ、スパッタ法や真空蒸着法などで形成することができる。または、スクリーン印刷法を用いて、銀ペーストや、銅ペーストなどの導電性樹脂で形成しても良い。
次いで、第4のシリコン半導体領域140上に透光性導電膜160をスパッタ法で形成する(図4(B)参照)。透光性導電膜160には、例えば、インジウム錫酸化物、珪素を含むインジウム錫酸化物、亜鉛を含む酸化インジウム、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、アルミニウムを含む酸化亜鉛、酸化錫、フッ素を含む酸化錫、アンチモンを含む酸化錫、またはグラフェン等を用いることができる。また、透光性導電膜160は単層に限らず、異なる膜の積層でも良い。例えば、インジウム錫酸化物とアルミニウムを含む酸化亜鉛の積層や、インジウム錫酸化物とフッ素を含む酸化錫の積層などを用いることができる。膜厚は総厚で10nm以上1000nm以下とする。
なお、単結晶シリコン基板100の表裏に設ける膜の形成順序は、上記の方法に限らず、図4(B)に示した構造が形成できればよい。例えば、第1のシリコン半導体領域110を形成し、その次に第3のシリコン半導体領域130を形成しても良い。
次いで、スクリーン印刷法を用いて、透光性導電膜160上に導電性樹脂を供給し、焼成して第2の電極190を形成する。ここで用いる導電性樹脂には、銀ペースト、銅ペースト、ニッケルペースト、モリブデンペーストなどを用いることができる。また、第2の電極190は、銀ペーストと銅ペーストを積層するなど、異なる材料の積層であっても良い。
以上により、本発明の一態様によって電気特性の優れた光電変換装置を形成することができる。
本実施例では、本発明の一態様における光電変換装置の断面TEM観察結果、及び電気特性について説明する。
図5(A)、(B)は、図1(B)に相当し、表面に(100)面を有する単結晶シリコン基板100上に形成した第3のシリコン半導体領域130の断面TEM写真である。図5(A)は、第3のシリコン半導体領域130を従来から用いられている非晶質シリコンで形成したサンプルであり、図5(B)は、第3のシリコン半導体領域130を本発明の一態様である単結晶シリコン基板100の原子配列を受け継いだ結晶シリコン領域131及び非晶質シリコン領域132で形成したサンプルである。
図5(A)では、単結晶シリコン基板100と第3のシリコン半導体領域130との間に、上下の領域とはコントラストの異なる層が存在し、明瞭な界面が形成されていることがわかる。この層は不純物を含む層であり、界面特性を悪化させる要因となっている。なお、該界面に見られる格子像は、単結晶シリコン基板100の表面ラフネスに起因する奥行き方向の情報であり、該界面において有意な結晶成長は起きていない。
一方、図5(B)では、単結晶シリコン基板100と第3のシリコン半導体領域130との間には、コントラストの異なる層は見られず、単結晶シリコン基板100からの結晶成長により格子が連続している様子が観察される。つまり、この領域において界面は形成されていないことがわかる。また、結晶シリコン領域131と非晶質シリコン領域132の間においても、コントラストの異なる層は観察されず、明瞭な界面は形成されていないことがわかる。なお、TEM観察は、[110]入射で観察しているため、単結晶シリコン基板100と同様に結晶シリコン領域131の垂直方向の結晶軸は[001]、平行方向の結晶軸は[110]となっている。
また、結晶シリコン領域131は凹凸を形成するように単結晶シリコン基板100の表面に成長するのに対し、非晶質シリコン領域132の表面、すなわち、第3のシリコン半導体領域130の表面は平坦に形成されている。このように、第3のシリコン半導体領域130の表面が平坦に形成されていることによって、上部に形成する第4のシリコン半導体領域140の被覆性が向上する。また、接合領域に形成される内部電界が面内で不均一にならないため、安定した電気特性を得ることができる。
図6は、第1のシリコン半導体領域110及び第3のシリコン半導体領域130の構成が異なる図1(A)の構造の光電変換装置(受光面積:0.774cm)のI−V特性から変換効率を算出し、比較したグラフである。I−V特性測定には、ソーラーシミュレータにより発生させた疑似太陽光(AM1.5、照射強度は100mW/cm)を用いた。該半導体領域に結晶シリコン領域及び非晶質シリコン領域を含む光電変換装置(サンプルB)は、該半導体領域に非晶質シリコンを用いた光電変換装置(サンプルA)よりも、電気特性が良好になることが示されている。
以上により、本発明の一態様における光電変換装置は、電気特性が向上することが示された。
100 単結晶シリコン基板
110 第1のシリコン半導体領域
120 第2のシリコン半導体領域
130 第3のシリコン半導体領域
131 結晶シリコン領域
132 非晶質シリコン領域
140 第4のシリコン半導体領域
160 透光性導電膜
170 第1の電極
190 第2の電極

Claims (5)

  1. 一導電型を有する単結晶シリコン基板と、
    前記単結晶シリコン基板の一方の面上に接して形成された、第1の結晶シリコン領域及び第1の非晶質シリコン領域を含む第1のシリコン半導体領域と、
    前記第1のシリコン半導体領域上に形成された第2のシリコン半導体領域と、
    前記単結晶シリコン基板の他方の面上に接して形成された、第2の結晶シリコン領域及び第2の非晶質シリコン領域を含む第3のシリコン半導体領域と、
    前記第3のシリコン半導体領域上に形成された第4のシリコン半導体領域と、
    前記第4のシリコン半導体領域上に形成された透光性導電膜と、を一対の電極間に有し、
    前記第2のシリコン半導体領域は、前記単結晶シリコン基板と同じ導電型を有し、
    前記第2のシリコン半導体領域は、前記単結晶シリコン基板よりもキャリア密度が高く、
    前記第4のシリコン半導体領域は、前記単結晶シリコン基板とは逆の導電型を有し、
    断面TEMによる観察において、前記単結晶シリコン基板と前記第1のシリコン半導体領域との間に明瞭な界面が観察されない領域を有し、
    断面TEMによる観察において、前記単結晶シリコン基板と前記第3のシリコン半導体領域との間に明瞭な界面が観察されない領域を有し、
    断面TEMによる観察において、前記第1の結晶シリコン領域と前記第1の非晶質シリコン領域との間に明瞭な界面が観察されない領域を有し、
    断面TEMによる観察において、前記第2の結晶シリコン領域と前記第2の非晶質シリコン領域との間に明瞭な界面が観察されない領域を有することを特徴とする光電変換装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の結晶シリコン領域及び前記第2の結晶シリコン領域は、前記単結晶シリコン基板の原子配列を受け継いだ結晶シリコンを含むことを特徴とする光電変換装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1のシリコン半導体領域、及び前記第3のシリコン半導体領域は、i型であることを特徴とする光電変換装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記第2のシリコン半導体領域は、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンを含むことを特徴とする光電変換装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、
    前記第4のシリコン半導体領域は、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンを含むことを特徴とする光電変換装置。
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