JP5925261B2 - 車両の吸気装置 - Google Patents

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Description

車両に搭載される内燃機機関の吸気装置に関するものである。
従来の車両に搭載される内燃機関の吸気装置には、吸気装置に設けられたスロットル装置をカバー部材で覆った技術がある。この技術において、スロットルボディを覆うカバー部材のうち、スロットルボディのスロットルプーリ側を覆う右カバーが、スロットル装置のスロットルプーリの周囲に設けられたステーのガイド壁に、単一のネジにより固定されるものが開示されている(特許文献1参照)。
このようなカバー部材では、回動するスロットルプーリとの干渉を防止するために、ガイド壁とカバー部材との間に空間を形成する必要がある。このため、前記ガイド壁は前記スロットルプーリの外周およびスロットルプーリを回動させるワイヤを覆うようにして周縁に外周壁を立てて、一方でカバー部材側にも同様に縁壁を立てて互いに重ね合せることにより、ガイド壁がカバー部材を押さえることと単一ネジにより取付けられることによって、回り止めの役目を果たしていた。しかしながら、こうような構造によるとガイド壁を構成するステーが大きくなり、吸気装置が大型化するとともにコストが増大する問題があり、このような問題を解消できる構造の吸気装置が望まれている。
特許第4785581号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スロットル装置をカバー部材で覆うとともに、カバー部材を支持するステーを小型化し、吸気装置全体の小型化を図りつつ、スロットル装置をカバーするカバー部材の固定構造を簡素な構造で達成可能で、コスト増大を抑制することが可能な車両の吸気装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、車両に搭載される内燃機関に設けられ、内部を吸入空気が通過する吸気通路と、前記吸気通路の内部を通過する吸入空気量を調整するスロットル装置を備え、前記スロットル装置は、前記吸気通路の途中に設けられて、前記吸気通路の一部である通路が内部に形成されたスロットルボディと、前記スロットルボディの前記通路内に回動自在に設けられ吸入空気量を調整する開閉弁と、前記スロットルボディの外部に設けられて前記開閉弁に接続されて同期して回動するとともに、前記車両のスロットル入力部材に繋がるワイヤが接続されるスロットルプーリを備えた車両の吸気装置において、前記スロットル装置に設けられて、前記ワイヤを保持し、一部が延出した延出部を有する支持ステーと、前記スロットルプーリを覆うように形成され、単一の締付部材にて前記支持ステーに固定されるカバー部材を備え、前記カバー部材には、前記締付部材により締め付けられる締付部と、前記支持ステーの前記延出部を前記カバー部材の内方から外方に延出するように嵌通させて引っ掛ける開口部と、前記開口部の周縁の少なくとも一部に設けられ、前記支持ステーの側面に当接する平坦部が形成されたことを特徴とするものである。
前記構成によれば、スロットル装置のスロットルプーリを覆うカバー部材を単一の締付部材で取り付ける構造でもって、ワイヤを支持する支持ステーの一部を延出させた延出部を、カバー部材に設けた開口部に挿通させて引っ掛け、この開口部の周縁の少なくとも一部に支持ステーの側面を当接させたので、カバー部材を締め付ける際に、延出部の引っ掛かりにより回り止めを果たすとともに、カバー部材の平坦部が支持ステーの側面に当接されることで、カバー部材は、締付部と平坦部の二か所で押さえることが可能となり、支持ステーを部分的な小さい構成部材としてもカバー部材を強固に固定することができ、支持ステーの小型化により吸気装置全体の小型化を図りつつ、カバー部材の固定構造を簡素な構造で達成でき、さらに吸気装置のコスト増大を抑制することができる。
前記支持ステーの前記延出部の断面形状をL字形状に形成し、前記カバー部材の前記平坦部を、前記延出部のL字形状の側平面に当接させてもよい。
前記構成によれば、支持ステーの延出部の断面形状をL字形状とすることで、カバー部材と当接する支持ステー側の幅を確保できて、カバー部材の押さえを確実に行うことができる。
前記カバー部材の前記開口部を、前記延出部の断面形状に対応したL字形状に形成してもよい。
前記構成によれば、支持ステーの延出部の断面形状とカバー部材の開口部の形状を、L字形状に一致させているので、カバー部材の開口部を支持ステーの延出部に引っ掛ける際に、カバー部材と支持ステーとの位置が容易に決まるため、カバー部材の取付けのずれを防止することが可能となり、カバー部材の取付け作業が容易になるとともに、カバー部材が支持ステーに強固に固定される。
前記カバー部材を、樹脂により形成し、前記カバー部材を、前記カバー部材に設けられた前記締付部において、前記支持ステーに設けられた締結部に、締結部材により締め付け、前記締結部材と前記カバー部材との間に金属製のカラーを介装してもよい。
前記構成によれば、カバー部材を樹脂により形成しても、締結部材とカバー部材との間に金属製のカラーを介装して、カバー部材の締結部は支持ステーの締結部に締結部材により締め付けられるので、カバー部材の軽量化を図るともに、カバー部材の押さえ方向の位置決めを精度よく行うことができる。
前記ワイヤを一対に並べて配置されて前記支持ステーに固定し、前記カバー部材を、一対の前記ワイヤを挟むように、前記支持ステーの前記締付部と、前記支持ステーの前記延出部とで固定してもよい。
前記構成によれば、一対のワイヤの両側において、一側がカバー部材の締付部が締付部材により支持ステーに締め付けられ、他側がカバー部材の開口部が支持ステーの延出部に引っ掛けられて固定されるので、ワイヤの両側方を保護することができる。
前記カバー部材は、前記カバー部材の車両の前方面の外縁を、前記ワイヤの延出方向に延長した延長カバー部としてもよい。
前記構成によれば、カバー部材を延長することで、延長カバー部によりワイヤの保護を図ることができる。
前記カバー部材の上縁部を、車両の側面視において、車両の車体カバーの下縁部と重なるように、外方から車体カバーで覆ってもよい。
前記構成によれば、カバー部材の上縁部が車体カバーの下縁部と重なるように外方から覆うことで、複数のカバーを重なり合わせてスロットルプーリとワイヤとの両方を覆って保護することが可能となる。
前記カバー部材の下部を、スロットル装置からその下流のインテークパイプまでの範囲で幅方向に延長して形成してもよい。
前記構成によれば、カバー部材を延長してスロットル装置とインテークパイプに至る範囲に延長することで、これらの部品の保護を同時に行うことができる。
前記カバー部材に、燃料ホースの一部をカバーするよう延伸された延伸カバー部を設けてもよい。
前記構成によれば、カバー部材に延伸カバー部を設けて燃料ホースの一部をカバーするので、スロットル装置周辺に配置された燃料ホースを同時に保護することができる。
請求項1に記載の発明によれば、スロットル装置のスロットルプーリを覆うカバー部材を単一の締付部材で取り付ける構造でもって、ワイヤを支持する支持ステーの一部を延出させた延出部を、カバー部材に設けた開口部に挿通させて引っ掛け、この開口部の周縁の少なくとも一部に支持ステーの側面を当接させたので、カバー部材を締め付ける際に、延出部の引っ掛かりにより回り止めを果たすとともに、カバー部材の平坦部がステーの側面に当接されることで、カバー部材は、締付部と平坦部の二か所で押さえることができるので、支持ステーを部分的な小さい構成部材としてもカバー部材を強固に固定することができ、支持ステーの小型化により吸気装置全体の小型化を図りつつ、カバー部材の固定構造を簡素な構造で達成でき、さらに吸気装置のコスト増大を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る車両の吸気装置を備えた自動二輪車の右側面図である。 図1のスロットル装置周辺の拡大図である。 図2の車体カバーを取り外したスロットル装置周辺の側面図である。 図3において、カバー部材を取り外したスロットル装置周辺の側面図である。 スロットル装置周辺の前方視図である。 スロットル装置周辺の下面図である。 スロットル装置の後面図である。 支持ステーの左側面図である。 図8のIX矢視図である。 図8のX矢視図である。 カバー部材を右斜め前側から見た斜視図である。 カバー部材を左斜め後ろ側から見た斜視図である。 図2のXIII-XIII矢視断面図である。
以下、本発明に係る車両の吸気装置の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る車両の吸気装置20を備えた自動二輪車1の全体の右側面図である。なお、本明細書では、自動二輪車1の前進方向を前方とし、前方を向いた姿勢を基準にして前後左右を定めている。
自動二輪車1の車体フレーム2は金属性であって、ヘッドパイプ2aに固着されたメインフレーム2bが車体中心線上に斜め後ろ下方へ延出している。メインフレーム2bの前後方向の略中央より、左右一対のシートレール2cが左右に開きながら後ろ上方に延出し、同シートレール2cの中央部とメインフレーム2bの後端部とを連結した左右一対のバックステー2dがシートレール2cを支持している。
このような車体フレーム2において、ヘッドパイプ2aにはフロントフォーク3が枢支され、該フロントフォーク3の上端に左右に延びたハンドル4が取り付けられ、下端に前輪5が軸支され、メインフレーム2bの下部に設けられたピボットプレート(不図示)に前端を軸支されたリヤフォーク(不図示)が後方へ延出し、その後端に後輪7が軸支され、リヤフォークの後部とシートレール2cの中央部との間にリヤクッション8が介装されている。シートレール2cには燃料タンク9が架設され、燃料タンク9の上方にシート10がシートレール2cに支持されて設けられている。ハンドル4の右側には、搭乗者の操作により内燃機関への吸入空気の流量を変更するアクセルグリップ4aが設けられている。
車体フレーム2に搭載される内燃機関12は、SOHC型2バルブの単気筒4ストローク内燃機関であり、車体に対してクランク軸17を車体幅方向に指向させ、気筒が略水平になるように前傾されて、メインフレーム2bに懸下されて搭載されている。
図1に示されるように、内燃機関12は、クランクケース13の前方にシリンダブロック14、シリンダヘッド15が順次重ねられて、ボルト(不図示)により一体に締結されている。シリンダヘッド15の前面はヘッドカバー16に覆われている。
内燃機関12のクランク軸17は、回転自在にクランクケース13に支承されており、クランク軸17の後方に配設される図示されないメイン軸とカウンタ軸の間に変速歯車機構が構成されており、カウンタ軸と後輪7の回転軸との間にチェーン(不図示)が架け渡されクランク軸の動力が後輪7に伝達される。
シリンダブロック14には、シリンダボア(不図示)が形成され、シリンダボア内には図ピストン(不図示)が上下方向に摺動可能に嵌合され、ピストンがコンロッド(不図示)を介してクランク軸17に連結されており、シリンダヘッド15には燃焼室(不図示)が設けられ、該燃焼室における燃焼エネルギーが運動エネルギーへと変換されて、クランク軸17が回転駆動されるようになっている。
シリンダヘッド15には、燃焼室の上壁面に開口する吸気弁口(不図示)および排気弁口(不図示)がそれぞれ1つずつ形成され、吸気弁口と排気弁口の略中央に位置するように点火プラグ(不図示)が挿入されている。吸気弁口および排気弁口はそれぞれシリンダヘッド15に形成された吸気ポート(不図示)および排気ポート(不図示)と連通している。
図1に示されるように、シリンダヘッド15には、吸気ポートに連通するように内燃機関12の上方から後方に向かって吸気装置20が接続されており、さらに排気ポートに連通するように内燃機関12の下方から後方に向かって排気装置18が接続されている。
吸気装置20は、図1ないし図4に示されるように、外気を取り入れ外気の粉塵等の不純物を取り除くエアクリーナ25、内部を吸入空気が通過するコネクティングチューブ24、吸気の流量を制御するスロットル装置30、燃料噴射弁23が挿入されシリンダヘッド15の吸気ポートの出口の周囲に形成された吸気側フランジ部15aに接続されるインテークパイプ22が順次接続されており、これらが連通されてその内部は、内燃機関12に吸気を送る吸気通路21を構成しているものである。コネクティングチューブ24の途中に、吸気通路21を通過する吸入空気の吸気音の発生を共鳴現象により抑制するレゾネータ26が、コネクティングチューブ24の内部に連通して接続されている。図2および図3に示されるように、前記スロットル装置30の右側面には、該スロットル装置30の周辺を覆うカバー部材50が取り付けられている。
図1に示されるように、自動二輪車1には、シート10の下方に位置して燃料タンク9が配設されており、燃料タンク9と燃料噴射弁23とは燃料ホース27により接続され、燃料タンク9内に貯留された燃料は、燃料ホース27を経由して燃料噴射弁23に供給されるようになっている。
排気装置18は、図1に示されるように、シリンダヘッド15の排気ポートの出口の周囲に形成された排気側フランジ部15bに、排気管18a、マフラー18bが順次接続されて、内燃機関12で燃焼された排気ガスを排出するものである。
吸気装置20について、以下詳細に説明する。外気が取り入れられるエアクリーナ25は、図1に示されるように、車幅方向に対して略中央に位置して、メインフレーム2bの後方かつ上方であって、メインフレーム2bから後方に延びた一対のシートレール2cに挟まれ、バックステー2dの上方に位置するように、メインフレーム2b、シートレール2cおよびバックステー2dで囲まれる空間内に配設されている。エアクリーナ25は、内部に外気中の不純物を濾過するエアフィルタ(不図示)が配設され、エアクリーナ25の上部には、後方に向かって開口して外気を取り入れるための外気取入れ口(不図示)が設けられている。
エアクリーナ25の前面の下流側には、図1ないし図4に示されるように、チューブ状に形成されたゴム製のコネクティングチューブ24が接続されており、その内部はエアクリーナ25から取り入れられた外気が通過するようになっており、吸気通路21の一部を構成している。該コネクティングチューブ24の下流側の上側には、コネクティングチューブ24内の吸気通路21と連通するようレゾネータ26が接続されて、吸気通路21の吸気音を抑制するようになっている。
図4に示されるように、コネクティングチューブ24の下流側には、スロットル装置30が接続されており、吸気通路21内の吸気の流量を制御するようになっている。スロットル装置30の下流にはインテークパイプ22が接続されている。該インテークパイプ22には燃料噴射弁23が挿入されており、インテークパイプ22の下流側は、シリンダヘッド15の吸気ポートの出口の周囲に形成された吸気側フランジ部15aに接続され、吸気ポート内で燃料噴射弁23から噴射された燃料と吸入された空気が混合されて混合気となり、燃焼室に送られ、燃焼され、燃焼室で燃焼された後、図1に示されるように、排気ポートを通過して車両後方に延びた排気管18aを通りマフラー18bを通過して外気に排出されるようになっている。
前記したスロットル装置30は、図4および図7に示されるように、上流側がコネクティングチューブ24と、下流側がインテークパイプ22と接続され、内部に吸気装置20の吸気通路21の一部を構成する吸気通路31bが形成されたスロットルボディ31と、該スロットルボディ31の吸気通路内31bに回動自在に支承される弁軸34と、弁軸34に固定され一体に回動される開閉弁33と、アクセルグリップ4aとスロットルワイヤ36で接続され搭乗者の操作により回動され弁軸34に固着されたスロットルプーリ35と、スロットルボディ31に固定されスロットルワイヤ36を保持する支持ステー40を備えている。
図7に示されるように、スロットルボディ31の本体部31aの内部には、円筒状空間の吸気通路31bが形成されており、該吸気通路31b内には、吸気通路21内の吸入空気の流量を調整する円盤形状の開閉弁33が弁軸34に固定され配設されており、該弁軸34は本体部31aに回動自在に支承されている。該弁軸34の右端はスロットルボディ31から外方に突出され、ハンドル4に設けられたアクセルグリップ4aの車両の搭乗者による操作に基づいて回動されるスロットルプーリ35が固着されており、弁軸34および開閉弁33はスロットルプーリ35の回動に伴い、スロットルプーリ35と一体に同期して回動されるようになっている。さらに本体部31aの右側下方には、スロットルプーリ35の回動を制限するストッパ規制部31cが設けられている。
スロットルプーリ35は、図7に示されるように、弁軸34が固着される本体部35aと、該本体部35aから斜め下後方に延びた後、弁軸34と平行になる方向に折り曲げられ延伸されたストッパ部35fが形成されている。さらに、本体部35aには、本体部35aと平行に所定間隔の溝部35eを存して円盤形状の円盤状部35bが固着されて、本体部35aと一体に回動されるようになっている。スロットルボディ31から突出した弁軸34の周囲には、スロットルボディ31とスロットルプーリ35の本体部35aの間に存して、捩りバネ39が配設されている。捩りバネのスロットルボディ側の端部であるボディ側端部39aは、スロットルボディ31の係止部31dに引っ掛けられて移動が規制されている。さらに捩りバネ39のスロットルプーリ35の本体部35a側の端部であるプーリ側端部39bは、本体部35aに形成された嵌合孔に嵌入されており、スロットルプーリ35は、捩りバネ39により、スロットルプーリ35のストッパ部35fがスロットルボディ31のストッパ規制部31cに押し付けられる方向、すなわち開閉弁33が閉じる方向に、常時付勢されるようになっている。円盤状部34bには、図4に示されるように、略円形状の切欠きである開側切欠部35cおよび閉側切欠部35dが形成されている。
スロットルプーリ35の円盤状部35bには、図4に示されるように、ハンドル4に設けられたアクセルグリップ4aに接続されたスロットルワイヤ36が接続されている。スロットルワイヤは、開閉弁33を開くための開用ワイヤ37と、開閉弁33を閉じるための閉用ワイヤ38とで構成されている。開用ワイヤ37と閉用ワイヤ38は、それぞれワイヤ部37a,38aがアクセルグリップ4aに接続されており、該ワイヤ部37a,38aの外側はカバー部37c,38cで覆われている。ワイヤ部37a,38aの端部には、それぞれ係止片37b,38bが固着されており、ワイヤ部37a,38aがスロットルプーリ35の溝部35eに巻き掛けられた後、開用ワイヤ37の係止片37bが円盤状部35bの開側切欠部35cに、閉用ワイヤ38の係止片38bが閉側切欠部35dに係合され、搭乗者のアクセルグリップ4aの操作によりスロットルプーリ35が回動されて、弁軸34が回動されるとともに開閉弁33が同期して回転して開閉され、吸気通路21内を通過する吸入気の流量が制御されるようになっている。
図4および図7に示されるように、スロットル装置30は、前記一対のスロットルワイヤ36(開用ワイヤ37および閉用ワイヤ38)を支持するための支持ステー40を備え、スロットルボディ31の右側に配設され、スロットルボディ31の後面にネジ46により固定されている。該支持ステー40の単体を図8ないし図10に示している。図8に示されるように、支持ステー40は、板状の本体部41と、スロットルワイヤ36を保持するワイヤ保持部42と、ワイヤ保持部42を前方に延伸した延出部43と、スロットル装置をカバーするカバー部材を締結するための締結部44と、支持ステー40をスロットルボディ31に取り付けるネジ46が挿通される取付部45を具備している。
本体部41は、板状で斜め前方上方に延伸しした形状に形成され、本体部41の上部は、図9および図10に示されるように、本体部41から折り曲げられてワイヤ保持部42となっている。ワイヤ保持部42は、本体部41から略直角に折り曲げられて上面部42aが形成され、該上面部42aからさらに略直角に折り曲げられて側平面部42bが形成されたものであり、その断面形状はL字型となっている。ワイヤ保持部42には、上面部42aと側平面部42bとに亘って二つの切欠き部42cが形成されており、前側の切欠き部42cは開用ワイヤ37が、後ろ側の切欠き部42cは閉用ワイヤ38がそれぞれ固定されて保持されるようになっている。
ワイヤ保持部42の前部は所定距離前方に延出された延出部43となっている。該延出部43は、ワイヤ保持部42の上面部42aに連なる上面部43aと、上面部43aから略直角に折り曲げられた側平面部43bを備えており、断面形状がL字型になっている。該延出部43は、後述するカバー部材50に形成された開口部56が引っ掛けられて掛止されるようになっている。
本体部41から、斜め下後方に延伸されて、カバー部材50がネジ70にて締結される締結部44が形成されており、締結部44の略中央には、ネジ70が螺合されるネジ孔44aが形成されている。
本体部41の前側中央には、本体部41から左側に折り曲げられて形成された取付部45が設けられている。該取付部45には、図10に示されるように、ネジ46が挿通されるネジ挿通孔45aと係合孔45bの2つの孔が形成されている。図7に示されるように、該係合孔45bにスロットルボディ31の後面の上方に突出して形成された係合突部31eを嵌合し、ネジ46をネジ挿通孔45aを挿通してスロットルボディ31のネジ孔(不図示)に螺合して、支持ステー40はスロットルボディ31の後面に取り付けられるようになっている。
スロットルボディ31に取り付けられた支持ステー40に、図4に示されるように、一対のスロットルワイヤ36が取り付けられる。スロットルワイヤ36の開用ワイヤ37は、支持ステー40のワイヤ保持部42の側平面部42bに形成された前側の切欠き部42cを通して、上面部40aに対して略直角になるようにアジャストボルト37eとロックナット37fとでもって締め付けられて支持ステー40に保持される。さらに閉用ワイヤ38は、支持ステー40のワイヤ保持部42の側平面部42bに形成された後ろ側の切欠き部42cを通して、上面部40aに対して略直角になるように一対のロックナット38fでもって締め付けられて支持ステー40に保持され、アジャストボルト38eでもって閉用ワイヤ38の距離が調整される。一対のスロットルワイヤ36である開用ワイヤ37と閉用ワイヤ38は前後に並べて配置されて、支持ステー40に固定される。
スロットル装置30の右側には、図3に示されるように、スロットルプーリ35を覆うように形成された半椀状の樹脂製のカバー部材50が配設されている。カバー部材50は、単一の締付部材であるネジ70により支持ステー40に固定されている。図2に示されるように、カバー部材50は、自動二輪車1に取り付けられた際には、自動二輪車1の側面視において、カバー部材50の上縁部50aは、車体カバー11の下縁部11aと重なるように、外方から車体カバー11で覆われている。
該カバー部材50は、図3、図11および図12に示されるように、スロットルボディ31およびスロットルプーリ35の右側面を覆う略平板状の側方カバー部51を備えている。該側方カバー部51の縁から自動二輪車1の内側方向に向かって略直角方向に延伸して、スロットル装置30の斜め上前方を覆う斜め上前方カバー部52と、スロットル装置30の前方を覆う前方カバー部53と、スロットル装置30の下方を覆う下方カバー部54と、スロットル装置30の斜め下後方を覆う斜め下後方カバー部55が形成されている。これらの側方カバー部51、斜め上前方カバー部52、前方カバー部53、下方カバー部54および斜め下後方カバー部55でもって、カバー部材50は略半椀状に形成され、スロットルプーリ35はカバー部材50により覆われるようになっている。
カバー部材50の側方カバー部51は、支持ステー40に取り付けられた状態では、図3に示されるように、スロットル装置30のおおよそ全てを覆うように形成されており、スロットルプーリ35の右側面を確実に覆い、支持ステー40、該支持ステーに取り付けられたスロットルワイヤ36の支持ステー40より下方に位置する部分、スロットルボディ31とコネクティングチューブ24の接続部、スロットルボディ31とスロットルワイヤ36の接続部分、および燃料ホース27と燃料噴射弁23との接続部分を覆っている。
図5および図11に示されるように、側方カバー部51の前側端縁から、車体幅方向における内方へ所定幅をもって、前方に前方カバー部53が、斜め上前方に斜め上前方カバー部52形成されている。図3および図5に示されるように、斜め上前方カバー部52には、カバー部材50が取り付けられる支持ステー40の延出部43の上面部43aよりも上方にむかって延長された延長カバー部59が形成されている。
カバー部材50には、図3に示されるように、前方カバー部53、斜め上前方カバー部52および延長カバー部59から連なるように、側面視において前方に向かって延伸され、燃料ホース27の一部をカバーするような延伸カバー部60が形成されている。図5に示されるように、カバー部材50の車幅方向の幅において、略の半分の幅が延伸カバー部60となっている。延伸カバー部の左端縁は、インテークパイプ22を避けるように、凹状に切欠かれている。
図5に示されるように、車両の前方視において、斜め上前方カバー部52、前方カバー部53、延長カバー部59および延伸カバー部60によって、スロットル装置30の右部が覆われており、スロットルプーリ35、支持ステー40、スロットルワイヤ36の支持ステーへの取付け箇所が覆われ、スロットルボディの右半分が覆われている。
図12に示されるように、側方カバー部51の下部端縁から、車体幅方向において内方へ下方カバー部54が形成されている。該下方カバー部は、図6に示されるように、車両の下方視において、スロットル装置30からスロットル装置30の下流側のインテークパイプ22に至るまで所定幅を持って側方カバー部51から延長されるように形成され、下方カバー部54により、スロットル装置30の右半分は覆われるようになっている。
図6および図12に示されるように、側方カバー部51の斜め下方後部端縁から、車体幅方向において内方へ所定幅を持って斜め下後方カバー部55が形成されている。斜め下後方カバー部55は、図6に示されるように、車両の下方視において、下方カバー部54に連なって形成され、下方カバー部54とともにスロットル装置30の右半分を覆うようになっている。
図5および図11に示されるように、カバー部材50の斜め上前方カバー部52に、支持ステー40の延出部43をカバー部材50の内方から外方に延出するように嵌通させて引っ掛けるための開口部56が形成されている。開口部56の形状は、支持ステー40の延出部43の断面形状に対応したL字形状に形成されている。
前記開口部56の周縁56aのうち、側方カバー部51側に、支持ステー40の側面である延出部43のL字形状の側平面部43bに当接され、該当接面が平坦にされた平坦部57が形成されている。この平坦部57は、必ずしも側方カバー部51側に設ける必要はなく、開口部56の周縁56aの少なくとも一部に設けられて、前記支持ステー40の側面に当接されればよい。
カバー部材50には、図11および図13に示されるように、側方カバー部51の後部の一部が車両の幅方向内側に窪んだ締付部58が設けられており、該締付部58には、金属製のカラー部材71が挿通される挿通孔58aが形成されている。カバー部材50は、締付部58において、支持ステー40に設けられた締結部44に、ネジ70により締め付けられ、ネジ70とカバー部材50との間に、カラー部材71が介装されて取り付けられる。
カバー部材50は、以下のようにして支持ステー40に取り付けられる。カバー部材50を、スロットルボディ31に固定された支持ステー40の開口部56に、支持ステー40の延出部43をカバー部材50の内方から外方に延出するように嵌通させて引っ掛け、その後、支持ステー40の締結部44にカバー部材50の締付部58を当接し、締付部58に開口された挿通孔58aにカラー部材を挿通し、ネジ70をカラー部材71の挿通孔71aに挿通して、支持ステー40の締結部44のネジ孔44aに螺合して、カバー部材50は支持ステー40に強固に固定される。カバー部材50は、一対の前記スロットルワイヤ36(開用ワイヤ37および閉用ワイヤ38)を挟むように、支持ステー40の締付部58と、支持ステー40の延出部43とで固定される。
このように、支持ステー40にカバー部材50が取り付けられた後、図1および図2に示されるように、自動二輪車1の側面視において、カバー部材50の上縁部50aと車体カバー11の下縁部11aとが重なるように、外方から車体カバー11が取り付けられる。
本実施形態の車両の吸気装置20によれば、スロットル装置30のスロットルプーリ35を覆うカバー部材50を、単一の締付部材としてのねじ70で取り付ける構造であり、スロットルワイヤ36の支持ステー40の一部を延出させた延出部43を、カバー部材50に設けた開口部56に挿通させて引っ掛け、この開口部56の周縁56aの少なくとも一部に支持ステー40の側面を当接させたので、カバー部材50を締め付ける際に、延出部43の引っ掛かりにより回り止めを果たすとともに、カバー部材50の平坦部57が支持ステー40の側面に当接されることで、カバー部材50は、締付部58と平坦部57の二か所で押さえることができるので、支持ステー40を部分的な小さい構成部材としてもカバー部材50を強固に固定することができるので、支持ステー40の小型化により吸気装置20の小型化を図りつつ、カバー部材50の固定構造を簡素な構造で達成できて吸気装置20のコスト増大を抑制することができる。
さらに、支持ステー40の延出部43の断面形状をL字形状に形成し、カバー部材50の平坦部57を延出部43のL字形状の側平面に当接させているので、支持ステー40の延出部43の断面形状をL字形状とすることで、カバー部材50と当接する支持ステー40の延出部43の側平面部42bの幅を確保できて、カバー部材50の押さえを確実に行うことができる。
また、カバー部材50の開口部56を、延出部43の断面形状に対応したL字形状に形成し、支持ステー40の延出部43の断面形状とカバー部材50の開口部56の形状を一致させることで、カバー部材50の開口部56を支持ステー40の延出部43に引っ掛ける際に、カバー部材50と支持ステー40との位置が容易に決まるため、カバー部材50の取付けずれを防止することが可能となり、カバー部材50の取付け作業が容易になるとともに、カバー部材50を支持ステー40に強固に固定することができる。
さらに、カバー部材50は樹脂により形成されていても、カバー部材50の締付部58の挿通孔58aに金属製のカラー部材71が挿入されて、カバー部材50との間にカラー部材71が介装されて、カバー部材50の締付部58は支持ステー40の締結部44に、ネジ70より締め付けられるので、カバー部材50を軽量化することができるとともに、カバー部材50の押さえ方向の位置決めを精度よく行うことができる。
また、スロットルワイヤ36(開用ワイヤ37および閉用ワイヤ38)は一対に前後方向に並べて配置されて支持ステー40に固定されており、カバー部材50は、一対の開用ワイヤ37および閉用ワイヤ38を挟むように、支持ステー40の締結部44と、支持ステー40の延出部43とで固定されているので、一対のスロットルワイヤ36の両側において、一側がカバー部材50の締付部58がネジ70により支持ステー40に締め付けられて固定され、他側はカバー部材50の開口部が支持ステーの延出部に引っ掛けられて固定されるので、スロットルワイヤ36の両側方をカバー部材50でもって保護することができる。
カバー部材50は、車両の前方面の外縁を、スロットルワイヤ36の延出した方向に延長した延長カバー部59としたので、カバー部材50を延長することで、延長カバー部59によりスロットルワイヤ36の保護を図ることができる。
カバー部材50の上縁部50aを、自動二輪車1の側面視において、車体カバー11の下縁部11aと重なるように、外方から車体カバー11で覆っているので、複数のカバーを重なり合わせてスロットルプーリ35とスロットルワイヤ36との両方を覆って保護することが可能となる。
カバー部材50の下部は、スロットル装置からその下流のインテークパイプまでの範囲で幅方向に延長して形成されているので、これらの部品の保護を同時に行うことができる。
前記カバー部材に、燃料ホース27の一部をカバーするよう延伸された延伸カバー部60が設けられているので、スロットル装置30周辺に配置された燃料ホース27を同時に保護することができる。
以上、本発明に係る実施形態の車両の吸気装置について説明したが、本発明の態様は、前記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で多様な態様で実施されるものも含むものである。
1…自動二輪車、2…車体フレーム、4a…アクセルグリップ、11…車体カバー、11a下縁部、12…内燃機関、20…吸気装置、21…吸気通路、22…インテークパイプ、27…燃料ホース、30…スロットル装置、31…スロットルボディ、31b…吸気通路、33…開閉弁、35…スロットルプーリ、36…スロットルワイヤ、37…開用ワイヤ、38…閉用ワイヤ、40…支持ステー、42…ワイヤ保持部、43…延出部、43b…側平面部、44…締結部、50…カバー部材、50a…上縁部、52…斜め上前方カバー部、53…前方カバー部、56…開口部、56a…開口部周縁、57…平坦部、58…締付部、59…延長カバー部、60…延伸カバー部、70…ねじ、71…カラー部材。

Claims (9)

  1. 車両(1)に搭載される内燃機関(12)に設けられ、
    内部を吸入空気が通過する吸気通路(21)と、
    前記吸気通路(21)の内部を通過する吸入空気量を調整するスロットル装置(30)を備え、 前記スロットル装置(30)は、前記吸気通路(21)の途中に設けられて、前記吸気通路(21)の一部である通路(32)が内部に形成されたスロットルボディ(31)と、
    前記スロットルボディ(31)の前記通路(32)内に回動自在に設けられ吸入空気量を調整する開閉弁(33)と、
    前記スロットルボディ(31)の外部に設けられて前記開閉弁(33)に接続されて同期して回動するとともに、前記車両(1)のスロットル入力部材(4a)に繋がるワイヤ(36)が接続されるスロットルプーリ(35)を備えた車両の吸気装置(20)において、
    前記スロットル装置(30)に設けられて、前記ワイヤ(36)を保持し、一部が延出した延出部(43)を有する支持ステー(40)と、
    前記スロットルプーリ(35)を覆うように形成され、単一の締付部材(70)にて、前記支持ステー(40)に固定されるカバー部材(50)を備え、
    前記カバー部材(50)には、前記締付部材(70)により締め付けられる締付部(58)と、
    前記支持ステー(40)の前記延出部(43)を前記カバー部材(50)の内方から外方に延出するように嵌通させて引っ掛ける開口部(56)と、
    前記開口部(56)の周縁(56a)の少なくとも一部に設けられ、前記支持ステー(40)の側面に当接する平坦部(57)が形成されたことを特徴とする車両の吸気装置。
  2. 前記支持ステー(40)の前記延出部(43)の断面形状が、L字形状に形成され、
    前記カバー部材(50)の前記平坦部(57)が、前記延出部(43)のL字形状の側平面(43b)に当接されることを特徴とする請求項1に記載の車両の吸気装置。
  3. 前記カバー部材(50)の前記開口部(56)は、前記延出部(43)の断面形状に対応したL字形状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の車両の吸気装置。
  4. 前記カバー部材(50)は、樹脂により形成され、
    前記カバー部材(50)は、前記カバー部材(50)に設けられた前記締付部(58)において、前記支持ステー(40)に設けられた締結部(44)に、締結部材(70)により締め付けられ、
    前記締結部材(70)と前記カバー部材(50)との間に、金属製のカラー(71)が介装されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両の吸気装置。
  5. 前記ワイヤ(36)は一対に並べて配置されて前記支持ステー(40)に固定され、
    前記カバー部材(50)は、一対の前記ワイヤ(36)を挟むように、前記支持ステー(40)の前記締付部(58)と、前記支持ステー(40)の前記延出部(43)とで固定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両の吸気装置。
  6. 前記カバー部材(50)は、前記カバー部材(50)の車両(1)の前方面の外縁を、前記ワイヤ(36)の延出方向に延長した延長カバー部(59)を備えることを特徴とする請求項5に記載の車両の吸気装置。
  7. 前記カバー部材(50)の上縁部(50a)が、車両(1)の側面視において、車両(1)の車体カバー(11)の下縁部(11a)と重なるように、外方から車体カバー(11)で覆われることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の車両の吸気装置。
  8. 前記カバー部材(50)の下部が、スロットル装置(30)からその下流のインテークパイプ(22)までの範囲で幅方向に延長されて形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかの請求項に記載の車両の吸気装置。
  9. 前記カバー部材(50)は、燃料ホース(27)の一部をカバーするよう延伸された延伸カバー部(60)が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかの請求項に記載の車両の吸気装置。
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