以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図17に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関10の吸気構造を搭載した自動二輪車1の全体側面図である。なお、本明細書では、自動二輪車1の前進方向を前方とし、前方を向いた姿勢を基準にして前後左右を定めている。
本自動二輪車1の車体フレーム2は以下のようになっている。ヘッドパイプ2aに固着されたメインフレーム2bが、自動二輪車1の内燃機関10のシリンダヘッド13を囲むように車体中心線上に後方へ延出した後に下方に屈曲されており、該メインフレーム2bの下端部には車幅方向に指向した連結部材2cが取付けられ、連結部材2cの左右端から左右一対の下部フレーム2d,2dが延びている。
ヘッドパイプ2aから斜め急角度に下方へダウンフレーム2eが延出した後、後方に略水平に延びて、ダウンフレーム2eに下部フレーム2dの下端部が固着される。
メインフレーム2bの上部後方からは、左右一対のシートレール2f,2fが左右に開きながら後方に延出し、同シートレール2f,2fの中央部と下部フレーム2d,2dとを連結したバックステー2g,2gがシートレール2f,2fを支持している。
このような車体フレーム2において、ヘッドパイプ2aにはフロントフォーク3が枢支され、該フロントフォーク3の上端に左右に延びたハンドル66が取り付けられ、下端に前輪4が軸支され、メインフレーム2bの下部に設けられたピボットプレート2hに前端を軸支されたリヤフォーク5が後方へ延出し、その後端に後輪6が軸支され、リヤフォーク5の後部とシートレール2f,2fの中央部との間にリヤクッション7が介装されている。メインフレーム2bには燃料タンク8が架設され、燃料タンク8の後方にシート9がシートレール2f,2fに支持されて設けられている。
車体フレーム2に搭載される内燃機関10は、SOHC型2バルブの単気筒4ストローク内燃機関であり、車体に対してクランク軸15を車体幅方向に指向させ、内燃機関10の上方から後方に向かってメインフレーム2bに囲われ、後方から下方に向かって下部フレーム2d,2dに囲われ、前方から下方に向かってダウンフレーム2eに囲われるように内燃機関10気筒を若干前傾されて搭載されている。
図2および図4に示されるように、内燃機関10は、クランクケース11の上にシリンダブロック12、シリンダヘッド13が順次重ねられて、ボルト(不図示)により一体に締結されている。シリンダヘッド13の上方はヘッドカバー14に覆われている。
図4に示されるように、内燃機関10のクランク軸15を回転自在に軸支するクランクケース11は、左右2つ割りのクランクケース構造をなし、クランクケース11内には、クランク軸15が回転自在に支承されており、クランク軸15の後方に配設されるメイン軸16とカウンタ軸17の間に変速歯車機構18が構成されており、カウンタ軸17は出力軸であって後輪6の回転軸との間にチェーン(不図示)が架け渡されクランク軸15の動力が後輪6に伝達される。
シリンダブロック12には上下に貫通するシリンダボア12aが形成され、シリンダボア12a内にピストン19が上下方向に摺動可能に嵌合されており、クランク軸15のクランクピン15pはコンロッド20を介してピストン19と連結されている。シリンダヘッド13には燃焼室21が形成されており、内燃機関1の燃焼室21における燃焼エネルギーは、ピストン19の運動エネルギーへ変換され、これによりピストン19が上下動されて、コンロッド20を介してクランク軸15が回転駆動されるようになっている。
図3および図5に示されるように、シリンダヘッド13には、前記燃焼室21の上壁面に開口する吸気弁口22および排気弁口23がそれぞれ1つずつ形成され、吸気弁口22と排気弁口23の略中央に位置するように点火プラグ(不図示)が挿入される点火プラグ孔(不図示)が開口している。吸気弁口22および排気弁口23はそれぞれシリンダヘッド13に形成された吸気ポート41および排気ポート45と連通している。
図3に示されるように、平面視において、吸気ポート41と排気ポート45はシリンダ軸線Lを挟んで対向して形成されている。吸気ポート41は、吸気弁口22から吸気ポート41の入口41dに向かって右方向へ緩やかに湾曲されて形成されており、入口41dの周囲のシリンダヘッド13には、インテークパイプ50を取り付けるための吸気側フランジ部33が形成されている。排気ポート45は、排気弁口23から排気ポート45の出口45aに向かって右方に湾曲されて形成されており、出口45aの周囲のシリンダヘッド13には排気側フランジ部34が形成され、該排気側フランジ部34には排気管46が接続されている。
図5に示されるように、内燃機関10の縦断面を右側から見ると、吸気ポート41は、シリンダヘッド13の吸気側フランジ部33から燃焼室21の吸気弁口22に向かって、シリンダ軸線Lと交差する方向である後方から、シリンダ軸線Lに沿う方向である下方に向かって緩やかに湾曲して形成されている。
本内燃機関10は、吸気ポート41から燃焼室21内への吸気の流れを開閉する単一の吸気バルブ25と、燃焼室21から排気ポート45への排気の流れを開閉する単一の排気バルブ26を具備している。吸気弁口22には吸気弁口22を開閉するための吸気バルブ25が、排気弁口23には排気弁口23を開閉するための排気バルブ26がそれぞれ配設されている。吸気バルブ25および排気バルブ26は、それぞれ傘部25a,26aおよび軸部25b,26bとからなっている。傘部25a、26aはバルブシート28が圧入された吸気弁口22、排気弁口23を開閉する弁体であって、軸部25b、26bは傘部25a、26aから燃焼室21の外方に延び、シリンダヘッド13に嵌合されたバルブガイド29に摺動自在に嵌装されている。
吸気バルブ25および排気バルブ26の軸端部25c、26cはバルブガイド29の上方に突出されており、この軸端部25c、26cは、スプリングリテーナ30に保持されている。スプリングリテーナ30と、これと対向するようにシリンダヘッド13に支持されたバネ受け部材31との間に、吸気バルブ25の軸部25bおよび排気バルブ26の軸部26bの周りを囲むようにコイル状弁バネ32が圧縮状態で取り付けられており、該コイル状弁バネ32により吸気バルブ25および排気バルブ26は常に閉弁方向に付勢されている。
吸気バルブ25および排気バルブ26の開閉作動をなすための動弁装置35が、ヘッドカバー14内に設けられている。動弁装置35は、ロッカアーム方式のSOHC型が採用され、カム軸36と、吸気ロッカアーム37と、排気ロッカアーム38と、吸気ロッカアーム37および排気ロッカアーム38とを回動自在に支承する一対のロッカアーム軸39とを備えている。カム軸36には被駆動ギア(不図示)が一体に回転されるよう設けられており、該被駆動ギアと、クランク軸15と一体回転される駆動ギア(不図示)とに、カムチェーン(不図示)が架け渡されており、クランク軸15の回転にともないカム軸36が回転されるようになっている。カム軸36の回転にともない吸気ロッカアーム37および排気ロッカアーム38が所定タイミングで揺動され、吸気ロッカアーム37の押圧部37aが吸気バルブ25の軸端部25cを、排気ロッカアーム38の端部38aが排気バルブ26の軸端部26cをそれぞれ押動し、吸気弁口22および排気弁口23が所定のタイミングで開閉されるようになっている。
内燃機関10の吸気装置40は、図2ないし図5に示されるように、吸気の上流側からエアクリーナ58、コネクティングチューブ57、スロットルボディ55、インテークパイプ50、シリンダヘッド13の吸気ポート41が順次接続されて構成されており、エアクリーナ58から取り入れられた外気が、コネクティングチューブ57、スロットルボディ55、インテークパイプ50、シリンダヘッド13の吸気ポート41からなる吸気通路P内に送られ、吸気通路Pの途中においてインテークパイプ50に挿入された燃料噴射弁54から噴射された噴霧燃料が混合されて混合気となり、吸気ポート41内に供給されて燃焼室21に送られるようになっている。
図5に示されるように、吸気通路Pは、シリンダヘッド13内に形成された吸気ポート41内に形成された吸気ポート仕切壁71と、インテークパイプ50内に形成されたインテークパイプ仕切壁72とからなる仕切壁70により、上側吸気通路Upと下側吸気通路Lpとに分けられており、スロットルボディ55内に設けられた吸気通路Pの第2調整弁としてのフラップ73により、上側吸気通路Upと下側吸気通路Lpを流れる吸気の割合を変更することができるようになっている。インテークパイプ50には、吸気ポート41の上流側であって吸気通路Pのうち湾曲の外側となる上側吸気通路Upに向かって燃料を噴射するように、燃料噴射弁54が配設されている。
図8ないし図10には、吸気通路Pのうち、シリンダヘッド13の吸気ポート41、吸気ポート仕切壁71、インテークパイプ50、燃料噴射弁54、および燃料噴射弁54から噴霧される噴霧燃料のおおよその領域である燃料噴霧領域Fが示されており、シリンダヘッド13は省略され、シリンダヘッド13と吸気ポート41との境界と、吸気ポート仕切壁71と、燃料噴射弁54およびインテークパイプ50とが実線で示されており、燃料噴霧領域Fは二点鎖線で囲われドットによりハッチングされた領域によって示されている。
車両の後方から外気を取り入れ、外気の不純物を取り除くエアクリーナ58は、図1ないし図3に示されるように、車幅方向に対して略中央に位置して、メインフレーム2bの後方かつメインフレーム2bから後方に延びたシートレール2fの下方であって、バックステー2gの上方に位置するように、メインフレーム2b、シートレール2fおよびバックステー2gで囲まれる空間内に配設されている。エアクリーナ58の下流側は、樹脂製のコネクティングチューブ57に接続され、エアクリーナ58が取り入れた外気は吸気通路P内に送られるようになっている。
コネクティングチューブ57の下流側に接続されるスロットルボディ55は、図5に示されるように、内部が吸気通路Pの一部をなすスロットルボディ吸気通路55aとなっており、下流側はインテークパイプ50に接続されている。スロットルボディ55の内部には、吸気通路Pの吸気量を制限する開閉式のバタフライ式のスロットルバルブ56がバルブ軸56aを中心として回動するように取り付けられている。バルブ軸56aは、スロットルボディ55の軸線方向に対して直角に指向するように、回動自在にスロットルボディ55に支承されている。
スロットルボディ55の内部のスロットルバルブ56の下流側に位置して、下側吸気通路Lpの吸気量を制限する開閉式のバタフライ式のフラップ73がフラップ軸73aを中心として回動するように取り付けられている。フラップ軸73aは、スロットルボディ55の軸線方向に対して直角に指向するように、回動自在にスロットルボディ55に支承されている。
図3に示されるように、スロットルボディ55の右側には、バルブ軸56aを回動してスロットルバルブ56を開閉するスロットルドラム63が配設されており、左側にはスロットルバルブ56の開度を検出するスロットルバルブ開度センサ64が配設されている。バルブ軸56aの両端は、スロットルボディ55を貫通してスロットルボディ55の外側に突出しており、右側端56bにはスロットルドラム63が連結されており、左側端56cにスロットルバルブ開度センサ64が連結されている。燃料噴射弁54に接続される燃料ホース65は、スロットルドラム63の反対側から燃料噴射弁54に接続されており、燃料ホース65と後述するスロットルケーブル68との隙間が確保され、組立作業が容易になる。
スロットルドラム63は、スロットルバルブ56を閉方向に付勢する図示されないスプリングを具備しており、スロットルドラム63と、ハンドル66に設けられたスロットルグリップ67とが接続される開用ケーブル68aおよび閉用ケーブル68bからなるスロットルケーブル68を介して、搭乗者のスロットルグリップ67の操作によって、スロットルバルブ56は開方向または閉方向に回動され、スロットルバルブ56は開閉されるようになっている。
スロットルドラム63と、フラップ73を回動させるフラップ軸73aとは、リンク機構(不図示)により連結されており、スロットルドラム63の回動に伴って、フラップ軸73aは所定の回動量に回動されるようになっており、スロットルバルブ56の開度に従ってフラップ73の開度が定まり、吸気通路Pの上側吸気通路Upと下側吸気通路Lpへの吸気の割合が変更される。
スロットルボディ55の下流側には、図5に示されるように、吸気通路Pの一部を構成する吸気通路部材としてのインテークパイプ50が接続されている。インテークパイプ50は、下流側がシリンダヘッド13の吸気側フランジ部33と接続され、吸気ポート41の上流側であって吸気通路Pのうち湾曲の外側となる上側吸気通路Upに向かって燃料を噴射するように、燃料噴射弁54が配設されている。
インテークパイプ50は、図5、図7、図14および図15に示されるように、内部がインテークパイプ吸気通路50aとなるパイプ部51と、該パイプ部51の両端に形成された、シリンダヘッド13に取り付けられるシリンダヘッド側フランジ部52と、スロットルボディ55に取り付けられるスロットルボディ側フランジ部53と、パイプ部51の内部のインテークパイプ吸気通路50aを上下方向に仕切るインテークパイプ仕切壁72を備え、これらは一体に成形されている。
図5および図10に示されるように、インテークパイプ50のスロットルボディ側フランジ部53には、斜め上下方向に張り出して一対のボルト取付部53aが形成されている。スロットルボディ側フランジ部53のボルト取付部53aは、インテークパイプ50の軸中心に対して、シリンダヘッド側フランジ部52のボルト取付部52aとずれた位置に形成されている。該一対のボルト取付部53aにはそれぞれボルト挿通孔53bが穿設されている。ボルト取付部53aのボルト挿通孔53bに、スロットルボディ締結用ボルト60が挿通されて、スロットルボディ55の下流側フランジ部55bに一対形成されたボルト孔55cに螺着されて、インテークパイプ50とスロットルボディ55は連結されるようになっている。
インテークパイプ50のパイプ部51には、図5、図7および図14に示されるように、パイプ部51の上方に張り出してシリンダヘッド側フランジ部52に連なるように、燃料噴射弁54を挿通させるための燃料噴射弁取付部51aが形成されている。該燃料噴射弁取付部51aには、上面からパイプ部51の下流方向斜め下方に向かって、シリンダヘッド側フランジ部52の一部を貫通し、上側吸気通路Upに連通するように、燃料噴射弁挿入孔51bが形成されている。図8および図9に示されるように、パイプ部51には、左側上方に張り出して燃料噴射弁54を固定するための燃料噴射弁締結部51cが形成されている。
インテークパイプ50の燃料噴射弁挿入孔51bに挿入される燃料噴射弁54は、主軸に対してオフセット角をもって偏向して噴射する方式の燃料噴射弁が用いられている。燃料噴射弁54の本体部54aは略円柱形状であって、本体部54aの先端部54bには燃料を噴射する噴射口54cが形成されている。本体部54aのうち噴射口54cと反対側の基端部54dには、インテークパイプ50に固定するための取付部54eが左上方向に張り出して形成されている。
さらに図3に示されるように、インテークパイプの基端部54dには、燃料タンク8と接続され燃料が送られる燃料ホース65を接続するための燃料ホース接続部54gが、左方に突出して形成されており、燃料タンク8に貯留された燃料が、燃料ホース65を介して燃料噴射弁54に送られるようになっている。
また、図2および図7に示されるように、基端部54dから上方に向かって、ECU(不図示)から信号が送られるケーブル(不図示)が取り付けられる電気接続部54hが形成されており、ECUからケーブルを介して燃料噴射弁54に、燃料噴射弁54を開閉する信号が送られるようになっている。
図9に示されるように、燃料噴射弁54の取付部54eには、燃料噴射弁取付ボルト61が挿通されるボルト挿通孔54fが形成されている。燃料噴射弁54が燃料噴射弁挿入孔51bに挿入された後、燃料噴射弁54の取付部54eのボルト挿通孔54fと、インテークパイプ50の燃料噴射弁締結部51cのボルト挿通孔51dとに、燃料噴射弁取付ボルト61が挿通されてナット62により締結され、インテークパイプ50に固定される。図5に示されるように、インテークパイプ50に取り付けられた燃料噴射弁54は、吸気ポート41の上側通路41aの上流側に配置され、吸気ポート41の側面視において湾曲外側となる吸気ポート41の上側通路41aの下流方向に向かって燃料を噴射する。
図6に示されるように、インテークパイプ50は、インテークパイプ吸気通路50aを上下分割吸気通路としての上側通路50bおよび下側通路50cに仕切るインテークパイプ仕切壁72を備えている。インテークパイプ仕切壁72の下流側端面72bは、インテークパイプ50のインテークパイプ吸気通路50aの下流側端面50eと面一になるように形成されている。
インテークパイプ仕切壁72は、図14ないし図16に示されるように、流れ方向に長い板状の部材であって、図6および図14に示されるように、インテークパイプ吸気通路50aの上流側端面50dよりも吸気通路上流側に向けて延出している舌部72cを備えている。該舌部72cは、図5に示されるように、インテークパイプ50とスロットルボディ55が接続された際に、スロットルボディ55のフラップ軸73aに当接されるように延出して形成されており、フラップ73により、下側吸気通路Lpの吸気の流量が制限されるようになっている。
舌部72cの幅方向の大きさW1は、図16に示されるように、インテークパイプ50のインテークパイプ吸気通路50aの上流側開口部側の上流側端面50dにおけるインテークパイプ仕切壁(72)の幅方向の大きさW2よりも一段小さい大きさとなっており、インテークパイプ50にスロットルボディ55を取り付ける際に、スロットルボディ55の内壁に舌部72cが当たるのを防ぐことができるようになっている。
インテークパイプ仕切壁72は、仕切壁の役目を果たす板状部72eを備えており、該板状部は、図14に示されるように、インテークパイプ吸気通路50aの上流側から下流側に向かって厚さが増加するテーパー形状に形成されている。
該板状部72eの中央に長手方向に沿って上側通路50b側に突出したリブ72dが形成されている。これは、インテークパイプ吸気通路50aの下側通路50cは、フラップ73により吸気流量が変更されて吸気流量が制限されるので、上側通路50bはバイパス通路となって、内燃機内の負圧による舌部72cに振動が発生しやすい。このような舌部72cの振動を低減するために、リブ72dが上側通路50b側に突出して形成されている。
図14に示されるように、リブ72dは、インテークパイプ吸気通路50aの上流側から下流側に向かうに従い、その高さ方向の厚さが増加するテーパー形状に形成されている。さらに、図16に示されるように、リブ72dは、インテークパイプ吸気通路50aの上流側から下流側に向かうに従い、その幅が増加するテーパー形状に形成されている。このようにリブ72dがテーパー形状に形成されることにより、インテークパイプ50を成型するにあたり、テーパー形状を抜き勾配として利用することができるので、型の単純化およびコスト低減に寄与する。
インテークパイプ仕切壁72は、図5に示されるように、インテークパイプ50の内壁から徐々に離間するように、吸気通路Pの軸線Cに対して傾斜して形成されている。また燃料噴射弁54の噴射口54cは、インテークパイプ仕切壁72の下流側に指向するように、インテークパイプ50に取り付けられている。このように、インテークパイプ仕切壁72をインテークパイプ50の内壁から徐々に離間するように吸気通路Pの軸線Cに対して傾斜させて形成したことにより空間が確保された領域に、燃料噴射弁54の噴射口54cを指向させたので、燃料がインテークパイプ仕切壁72に付着することを抑制することができる。
インテークパイプ50のうち、吸気ポート41と接続する側の端部であるシリンダヘッド側フランジ部52は、図9および図15に示されるように、一対のボルト取付部52aが左右方向に向かって張り出して形成され、該一対のボルト取付部52aにはそれぞれボルト挿通孔52bが穿設されている。
さらにシリンダヘッド側フランジ部52は、図9、図14および図15に示されるように、シリンダヘッド側フランジ部52のうち、シリンダヘッド13の吸気側フランジ部33の締結面33aと当接される基端面52cから、その一部が突出された凸部52dが形成されている。図6に示されるように、さらに、インテークパイプ50の凸部52dの周面には、周方向に亘って溝部52fが形成され、該溝部52fに凸部52dを環状に囲むシール部材52gが嵌装されている。
図5に示されるように、インテークパイプ50の下流側は、シリンダヘッド13に形成された吸気ポート41に接続される。シリンダヘッド13は、アルミ合金により鋳造されて、図5および図7に示されるように形成されている。シリンダヘッド13内には、図3および図5に示されるように、シリンダヘッド13の中央下部に燃焼室21が形成され、燃焼室21の上部に開口して、略円形状の吸気弁口22および排気弁口23が形成されている。図3に示されるように、燃焼室21に吸気弁口22を介して連通するように吸気ポート41が、排気弁口23を連通して連通するように排気ポート45が形成されている。吸気ポート41と排気ポート45とは、平面視で燃焼室21を挟んで対向して、シリンダヘッド13の外側と連通するように形成されている。
シリンダヘッド13に形成された吸気ポート41は、図3に示されるように、シリンダ軸線Lに沿う方向から見て、吸気弁口22から吸気ポート41の入口41dに向かって右方向へ緩やかに湾曲されて形成されている。さらに図9に示されるように、インテークパイプ50の燃料噴射弁54から噴霧される噴霧燃料が、吸気ポート41の入口41dから吸気ポート41の出口となる吸気弁口22に向かうように、緩やかな湾曲形状に形成されている。また、図5に示されるように、内燃機関10の縦断面を右側から見ると、吸気ポート41は、シリンダヘッド13の吸気側フランジ部33から燃焼室21の吸気弁口22に向かって、シリンダ軸線Lと交差する方向である後方から、シリンダ軸線Lに沿う方向である下方に向かって緩やかに湾曲して形成されている。
シリンダヘッド13の鋳込み時には、図13に示されるように、板状で吸気方向に向かうに従って湾曲する形状に形成されたプレート部材74が同時に鋳込まれる。該プレート部材74は、例えば、シリンダヘッド13と同じアルミ合金である場合や、シリンダヘッド13に用いられるアルミ合金より強度の高いジュラルミン、ステンレススチール等が用いられる。プレート部材の素材により熱膨張率が異なり、熱膨張率が高いものは図13(a)に示されるように、プレート部材74の突出量が多く、熱膨張率が低いものは図13(b)に示されるように、プレート部材74の突出量が少なくなる。シリンダヘッド13および鋳込まれたプレート部材74は、その後、後述するように、図6に示されるように、シリンダヘッド13およびプレート部材74の上流側の端部の所定範囲が切除されて、吸気ポート仕切壁71に形成される。吸気ポート41内は、図5および図11に示されるように、吸気方向に向かうに従って湾曲する形状の吸気ポート仕切壁71により、上下に上側通路41aと下側通路41bとに分割される。
図11は、シリンダヘッド13の吸気ポート41の下流側の断面図で、図8におけるXI-XI断面図である。図12は、シリンダヘッド13の吸気ポート41の上流側であって、上壁41cに後述する燃料ドーム室42が形成されている領域の断面図であって、図8におけるXII-XII断面図である。吸気ポート仕切壁71は、上側通路41aが下側通路41bよりも通路面積が小さくなるように上側にオフセットして吸気ポート41内に鋳込まれている。
図8に示されるように、吸気ポート仕切壁71の下流側端部71bには中央には切欠凹部71cが形成されており、該切欠凹部71c内を吸気バルブ25の軸部25bが貫通することができるようになっているので、図5に示されるように、吸気ポート仕切壁71の下流側端部71bは、吸気バルブ25の軸部25bに妨げられることなく、吸気方向直交視において、吸気バルブ25の長手方向中心軸線であるバルブ軸線25dを越えて吸気バルブ25と重なるように下流側まで延伸されている。
図8ないし図10に示されるように、吸気ポート41の上流側の上壁41cには、燃料噴射弁54からの噴射された噴霧燃料が拡散して気化を促進させるための燃料ドーム室42が形成されている。該燃料ドーム室42は、吸気ポート41の湾曲に沿って右方向へ緩やかに湾曲されて形成されている。燃料ドーム室42は、吸気ポート41の上流側に配設された燃料噴射弁54からの燃料噴霧領域Fの外縁を避けて囲うように半筒状の溝に形成された溝状凹部43と、吸気ポート41の下流側に溝状凹部43に連なって吸気ポート41の軸線方向に所定距離延長させたドーム形状のドーム状部44とからなっている。
溝状凹部43は、図11に示されるように、上側通路41aの幅よりも狭い幅であって、燃料噴射弁54からの燃料噴霧領域Fを避けるように吸気ポート41の上側通路41aから上方に向かって三日月形に拡張されて、図8に示されるように、上側通路41aの軸方向長さの約3分の1の長さに形成されている。
ドーム状部44は、溝状凹部43から上流方向に向かって連なり、吸気ポート41の軸線方向において溝状凹部43より少し短い長さ分延びつつ高さが徐々に減少するドーム形状に形成されており、図5に示されるように、ドーム状部44の先端部44aは吸気バルブ25のバルブガイド29近傍まで延びている。
図8ないし図10に示されるように、燃料噴射弁54からの噴射された燃料噴霧領域Fの外縁を避けて囲うように溝状凹部43が形成されているので、噴霧燃料が溝状凹部43内において壁面に付着することを防ぐことができ、噴霧燃料を燃料ドーム室42において拡散させ霧化を促進することができる。
さらに図11および図12に示されるように、燃料ドーム室42が形成されている領域の上側通路41aの通路断面積は、下流端縁側の上側通路41aの通路断面積より大きく形成されており、上側通路内41a内を通過する混合気の流速を上流側から下流側に向かって高めることができるようになっている。
図3ないし図7に示されるように、シリンダヘッド13には、吸気ポート41の上流側端部の周囲には、インテークパイプ50を取り付けるための締結部である吸気側フランジ部33が一体に形成され、排気ポート45の下流側端部の周囲には、排気管46のフランジ部46aを取り付けるための排気側フランジ部34が一体に形成されている。
吸気側フランジ部33は、図7に示されるように、インテークパイプに形成されたシリンダヘッド側フランジ部52と当接されて締結される締結面33aが左右に延伸された形状に形成されており、締結面33aの左右には、インテークパイプのシリンダヘッド側フランジ部52に形成されたボルト取付部52aに挿通されたシリンダヘッド取付けボルト59が螺合されるボルト孔33bが設けられている。
吸気側フランジ部33には、図6に示されるように、吸気側フランジ部33の締結面33aから吸気方向下流側に窪んだ凹部33cが形成され、該凹部33cの底面33dは、シリンダヘッド13の吸気ポート41の吸気方向上流側端面である吸気ポート開口面41eと、吸気ポート開口面41eの周囲に面一に形成された吸気ポート開口端面33eとなっている。さらに、吸気ポート仕切壁71の吸気方向上流側の上流側端面71aは、吸気ポート開口面41eと面一に形成されている。
シリンダヘッド13に形成された凹部33cは、インテークパイプ50の凸部52dの吸気方向長さL2が、シリンダヘッド13に形成された凹部33cの吸気方向長さL1よりもよりも長くなるように形成されている。
シリンダヘッド13に鋳込まれて切除される前の状態のプレート部材74は、図13(a)および図13(b)に示されるように、プレート部材74のうち、吸気ポート開口面41eよりも上流側に延出する部位の上流側端面74aは、前記凹部33cの吸気方向の範囲内のL1内になるように鋳込まれている。その後、シリンダヘッド13加工前凹面33f、およびプレート部材74のうち吸気ポート開口面41eよりも上流側に延出する部位は、図6に示されるように一緒に切削加工されて切除され、吸気側フランジ部33の締結面33aから吸気方向下流側に窪んだ凹部33cが形成され、シリンダヘッド13の吸気ポート41の吸気方向上流側端面である吸気ポート開口面41eと、吸気ポート開口面41eの周囲に面一に形成された吸気ポート開口端面33eとは面一の凹部33cの底面33dとなる。このようにプレート部材74が鋳込まれた後に、プレート部材74の上流側端部が切除されるので、吸気ポート仕切壁71の上流側端面71aが、吸気ポート開口面41eに、精度良く面一に形成される。
図5および図6に示されるように、シリンダヘッド13にインテークパイプ50が以下のように取り付けられる。インテークパイプ50のシリンダヘッド側フランジ部52に形成された凸部52d溝部52fに、シール部材52gが嵌装され、インテークパイプ50の凸部52dは、シリンダヘッド13の吸気側フランジ部33の凹部33cに嵌合される。インテークパイプ50の凸部52dの吸気方向長さL2が、シリンダヘッド13に形成された凹部33cの吸気方向長さL1よりもよりも長くなっているので、シリンダヘッド13の吸気ポート開口端面33eと、吸気ポート開口端面33eと対向する凸部52dの凸部端面52eは互いに当接される。その後、図9に示されるように、シリンダヘッド取付ボルト59が、インテークパイプ50のシリンダヘッド側フランジ部52に設けられた一対のボルト取付部52aのボルト挿通孔52bに挿通され、図7に示されるようなシリンダヘッド13の吸気側フランジ部33に形成されたボルト孔33bに螺着されて、シリンダヘッド側フランジ部52と吸気側フランジ部33は強固に固定され、インテークパイプ50はシリンダヘッド13に取り付けられる。
本発明に係る一実施形態の内燃機関の吸気装置40は、前記したように構成されているので、インテークパイプ50のインテークパイプ吸気通路50aを分割するインテークパイプ仕切壁72を備えた内燃機関10において、インテークパイプ仕切壁72は、インテークパイプ仕切壁72の上流側の上流側端部72aが、吸気通路Pをなすインテークパイプ50のインテークパイプ吸気通路50aよりも吸気通路上流側に向けて延出する舌部72cを有しているので、インテークパイプ50の上流側に接続するスロットルボディ55等の吸気通路Pを構成する部品に仕切壁を設ける必要がなく、それぞれの仕切壁を連結させることによるコストの増加を抑制し、仕切壁の各部品の公差の集積による吸気装置40の性能への影響が低減させ、吸気通路Pの精度を良好なものとし、内燃機関10の燃焼効率を向上させることができる。
さらに、下側吸気通路Lpはフラップ73により吸気量が調整されるが、上側吸気通路Upは吸気通路Pにおいてバイパスの役割を果たすので、内燃機関10の運転中に常時負圧が発生するが、舌部72cの上側吸気通路Up側にリブ72dを設けたので、上流側の先端の厚さが薄いテーパー形状に形成された舌部73cの剛性が向上され、負圧の変動による舌部73cの振動を低減することができるので、吸気流量の安定に寄与し、内燃機関10の燃料効率を向上させることができる。
また、インテークパイプ仕切壁72の厚さが上流側から下流側に向かうに従い厚さが増加するテーパー形状に形成されているので、インテークパイプ50を成型するにあたり、テーパー形状を抜き勾配として利用することができるので、型の単純化およびコスト低減に寄与する。
さらに、舌部72cのリブ72dを、吸気通路Pの上流側から下流側に向かうに従い、その高さ方向の厚さが増加するテーパー形状としており、また、舌部72cのリブ72dを、吸気通路Pの上流側から下流側に向かうに従い、その幅方向の厚さが増加するテーパー形状としているので、インテークパイプ50を成型するにあたり、テーパー形状を抜き勾配として利用することができるので、型の単純化およびコスト低減に寄与する。
舌部72cの幅方向の大きさW1を、インテークパイプ50のインテークパイプ吸気通路50aの上流側開口部側のインテークパイプ仕切壁72の幅方向の大きさW2よりも一段小さくしているので、インテークパイプ50の舌部72cをスロットルボディ55内に挿入するにあたり、舌部72cがスロットルボディ55のスロットルボディ吸気通路55a内の壁に当るのを防ぐとともに、製造公差を考慮することができる。
吸気ポート41に、吸気ポート仕切壁71を設け、インテークパイプ50のインテークパイプ吸気通路50aの下流側端面50eと、インテークパイプ仕切壁72の下流側端面72bとを、面一に形成しているので、吸気ポート仕切壁71とインテークパイプ仕切壁72とを滑らかに接続することができる。
さらに、内燃機関10の吸気通路Pの一部を構成する吸気ポート41と、吸気ポート41を複数の分割吸気ポート41a,41bに仕切り、シリンダヘッド13とは別体であってシリンダヘッド13とともに鋳込まれるプレート部材74からなる吸気ポート仕切壁71と、吸気通路Pの一部を構成し、一端が吸気ポート41に接続されるインテークパイプ50と、シリンダヘッド13の吸気ポート開口面41e近の傍に、インテークパイプ50をシリンダヘッド13に締結する吸気側フランジ部33を備えた内燃機関10の吸気装置40において、吸気側フランジ部33には、締結面33aから吸気方向下流側に窪んだ凹部33cが形成され、凹部33cの底面33dは、シリンダヘッド13の吸気ポート41の吸気方向上流側端面である吸気ポート開口面41eと、吸気ポート開口面41eの周囲に面一に形成された吸気ポート開口端面33eとであり、吸気ポート仕切壁71の吸気方向上流側の上流側端面71aは、吸気ポート開口面41eと、面一に形成され、インテークパイプ50の吸気ポート41と接続する側の端部であるシリンダヘッド側フランジ部52は、基端面52cから、その一部が突出された凸部52dが形成され、凹部33cと凸部52dは、互いに嵌合するので、吸気ポート仕切壁71の吸気流れ方向の長さを、凹部33cが形成された分だけ上流側で短くすることができて、シリンダヘッド13の成形時における吸気ポート仕切壁71の膨張量を抑制して、吸気ポート仕切壁71を望ましい形状とし、仕切壁70を望ましい形状とし、吸気ポート41における吸気通路Pの精度を向上させて、内燃機関10の燃焼効率を向上させることができる。
インテークパイプ50の凸部52dに、凸部52dを環状に囲むシール部材52gを設けるとともに、吸気ポート開口端面33eと、吸気ポート開口端面33eと対向する52d凸部の凸部端面52eを互いに当接するようにしているので、インテークパイプ50と、シリンダヘッド13とのシール性能を向上させることができる。
インテークパイプ50の凸部52dの吸気方向長さL2を、シリンダヘッド13の凹部33cの吸気方向長さL1よりも長くしているので、インテークパイプ50の凸部端面52eと、シリンダヘッド13の吸気側フランジ部33の締結面33aとの間に、クリアランスを確保することで公差を吸収することができるとともに、インテークパイプ50およびシリンダヘッド13をシリンダヘッド取付ボルト59で締結することにより、シリンダヘッド13とインテークパイプ50を圧着することができるので、シール性能がさらに向上する。
吸気ポート仕切壁71が、吸気方向に向かうに従って湾曲する形状とされているので、
熱膨張の影響が生じ易い湾曲形状を吸気ポート仕切壁71に適用しても、シリンダヘッド13の成形時における吸気ポート仕切壁71の膨張を抑えることができるので、所望する吸気通路Pの形状に近づけやすくなる。
インテークパイプ50が、インテークパイプ吸気通路50aを複数の分割吸気通路50b,50cに仕切るインテークパイプ仕切壁72を備え、インテークパイプ仕切壁72の吸気方向の下流側端面72bを、凸部52dの凸部端面52eと面一に形成しているので、インテークパイプ仕切壁72と吸気ポート仕切壁71を滑らかに接続することができる。
内燃機関10の吸気装置40は、吸気ポート仕切壁71よりも上方に配置される燃料噴射弁54を備え、インテークパイプ仕切壁72を、インテークパイプの燃料噴射弁54側の内壁から徐々に離間するように吸気通路の軸線に対して傾斜形成し、前記燃料噴射装置の噴射口は前記吸気通路部材仕切壁の下流側に指向させてもよい。
このような構成によれば、前記吸気通路部材仕切壁を前記吸気通路部材の内壁から徐々に離間するように吸気通路の軸線に対して傾斜させて形成したことにより空間が確保された領域に、燃料噴射装置の噴射口を指向させたので、燃料が吸気通路部材仕切壁に付着することを抑制することができる。
吸気方向直交視において、吸気ポート仕切壁71の吸気方向の下流側端部71bが、内燃機関10の吸気バルブ25と重なっているので、吸気が吸気バルブ25の傘部25aを越えて燃焼室21に入って、燃焼室21内の渦流の発生を促進することができる。
吸気ポート仕切壁71を、プレート部材74をシリンダヘッド13とともに鋳込んだ後、プレート部材74のうち吸気ポート開口面41eよりも上流側に延出する部位を切除して形成しているので、プレート部材74の鋳込み作業において吸気ポート仕切壁71の上流側に誤差が生じても、吸気ポート開口面41eと面一に形成することが可能となり、精度の良く吸気通路Pを形成することができる。
切除前のプレート部材74のうち、吸気ポート開口面41eよりも上流側に延出する部位の上流側端面74aを、凹部33cの吸気方向の範囲内に収めたので、プレート部材74の長さを抑えることでコスト低減するとともに、シリンダヘッド13の成型時の熱膨張をおさえることができる。
前記実施態様における吸気装置40では、インテークパイプ仕切壁72の板状部72eの中央に1つのリブ72dを形成したインテークパイプ仕切壁を用いたが、他の実施形態として、図18および図19に示されるように、板状部75eのインテークパイプ50の内壁よりに、2本あるいは複数のリブ72dを上側通路50b側に突出して形成したインテークパイプ仕切壁75を用いてもよい。このような構成によれば、複数のリブ75dを形成することにより剛性を向上させつつ、複数のリブ75dを舌部75cの幅方向端部よりに形成したことにより吸気を内方に寄せることができる。
さらに、他の実施形態として、図20および図21に示されるように、板状部76eのインテークパイプ50の内壁に接するよう、2本のリブ72dを上側通路50b側に突出して形成したインテークパイプ仕切壁76を用いてもよい。このような構成によれば、複数のリブ76dを形成することにより剛性を向上させつつ、複数のリブ76dを舌部76cの幅方向端部に形成したことにより吸気をさらに内方に寄せることができる。
また、前記実施形態では、シリンダヘッド13と吸気ポート仕切壁71とは別体を鋳造によって成型したものであるが、シリンダヘッド13および吸気ポート仕切壁71を、鋳造によって成型してもよい。
このような構成によれば、インテークパイプ仕切壁72がテーパー形状に形成されており、吸気ポート仕切壁71が鋳造成形されることにより、厚みのある壁部が成型されて、吸気通路仕切壁をインテークパイプから吸気ポートにかけて滑らかに形成されるので、吸気通路P内の吸気抵抗を減少させることができる。
以上、本発明に係る実施形態の内燃機関の吸気構造について説明したが、本発明の態様は、前記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で多様な態様で実施されるものも含むものである。