JP2020165383A - 燃料噴射装置配置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射装置を吸気ポート側に近づけ、内燃機関の応答性を向上させることができる燃料噴射装置配置構造。【解決手段】シリンダヘッド13の吸気ポート22と、吸気ポートの上流側端部22aに設けられ、シリンダヘッドの外壁18より吸気流れ方向における下流側に凹んだヘッド側凹部19と、燃料噴射装置50が設けられたスロットルボディ30とを備え、スロットルボディの下流端30aがヘッド側凹部に嵌合された内燃機関10の燃料噴射装置配置構造において、燃料噴射装置の先端の噴射部50aが、前記ヘッド側凹部の吸気流れ方向における上流側の凹部周囲外壁面18aより下流側に位置するように配置された。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射装置配置構造に関する。
V型内燃機関に吸気系部品が結合された構造が、例えば下記特許文献1に示されている。
下記特許文献1に示される構造では、インシュレータを介してスロットルボディがシリンダヘッドの吸気ポートに接続されている。燃料噴射装置はスロットルボディの下流側に設けられているが、インシュレータを介して接続されていることもあり吸気ポートと燃料噴射装置との間は一定の間隔を有している。
高回転型内燃機関の場合、燃料噴射装置をより吸気ポート側に近づけ、内燃機関の応答性を向上させることが望まれる。
特開2006−207431号公報(図1、図3)
本発明は、かかる従来技術に鑑みてなされたものであり、燃料噴射装置を吸気ポート側に近づけ、内燃機関の応答性を向上させることができる燃料噴射装置配置構造を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、
シリンダヘッドの吸気ポートと、同吸気ポートの上流側端部に設けられ、前記シリンダヘッドの外壁より吸気流れ方向における下流側に凹んだヘッド側凹部と、燃料噴射装置が設けられたスロットルボディとを備え、同スロットルボディの下流端が前記ヘッド側凹部に嵌合された内燃機関の燃料噴射装置配置構造において、
前記燃料噴射装置の先端の噴射部が、前記ヘッド側凹部の吸気流れ方向における上流側の凹部周囲外壁より下流側に位置するように配置されたことを特徴とする燃料噴射装置配置構造である。
上記構成によれば、
燃料噴射装置をスロットルボディに取り付けた構造をとりながら、燃料噴射装置の噴射部を可及的に吸気ポート側に近づけることができ、内燃機関の応答性の向上に寄与することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記スロットルボディは、同スロットルボディの中心軸線がシリンダ軸線と鋭角を成してクランク軸側に向けて接続され、前記スロットルボディの下流端は、前記燃料噴射装置が配置されている側が他側より下流側に位置するように前記スロットルボディの中心軸線に直交する仮想平面に対して傾斜面をなして前記シリンダヘッドに接続される。
そのため、スロットルボディの下流端がスロットルボディの中心軸線に直交する面と平行な面に形成されている場合と比べ、燃料噴射装置が配置されている側が他側より下流側に位置するように傾斜面となっているため、燃料噴射装置をより吸気ポート側に近づけて配置することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記内燃機関は第一バンクおよび第二バンクを有するV型内燃機関であり、前記燃料噴射装置は、前記第一バンクおよび前記第二バンクに対し上方から接する仮想直線よりクランク軸側に位置する。
そのため、燃料噴射装置が、より吸気ポート側に近づけて配置される。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記スロットルボディ内のバタフライ弁が、前記仮想直線よりクランク軸側に位置する。
そのため、バタフライ弁を吸気ポート側に近づけて配置でき、応答性が向上する。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記スロットルボディの下流端には前記シリンダヘッドに当接するシール部材が設けられ、前記シール部材と前記スロットルボディの下流端との間には断熱部材が設けられる。
そのため、シリンダヘッド側の熱がスロットルボディおよび燃料噴射装置に伝わることを抑制できる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記断熱部材は前記スロットルボディに固定され、前記断熱部材には断熱部材側嵌合部が設けられ、前記シール部材にはシール部材側被嵌合部が設けられ、前記断熱部材側嵌合部と前記シール部材側被嵌合部が嵌合することで前記シール部材が位置決めされる。
そのため、シール部材の位置決めが容易に行え、組付け性が向上する。また、振動等によるシール部材のずれを抑制できる。
本発明の燃料噴射装置配置構造によれば、
燃料噴射装置をスロットルボディに取り付けた構造をとりながら、燃料噴射装置の噴射部を可及的に吸気ポート側に近づけることができ、内燃機関の応答性の向上に寄与することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料噴射装置配置構造を備えた内燃機関を搭載した自動二輪車の左側面図である。 図1中の自動二輪車の内燃機関を取り出して示す左側面図である。 第二バンクのシリンダヘッドに対してスロットルボディが取付けられた部分の断面図である。 図3中概ねIV矢視方向から見たスロットルボディの斜視図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明する。
本発明に係る燃料噴射装置配置構造を具備した前後V型4気筒DOHC型4ストロークサイクル内燃機関(以下「内燃機関」と称する)10は、図1に示される自動二輪車0に搭載される。
特許請求の範囲および明細書の記載において、上下前後左右は、自動二輪車0の上下、前後を意味し、左右は自動二輪車0の前方に向いた方向を基準とした左右を意味している。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料噴射装置配置構造を備えた内燃機関10を搭載した自動二輪車0の左側面図である。
自動二輪車0のメインフレーム1の前端には、フロントフォーク2が左右に旋回可能に設けられ、フロントフォーク2の上端に操舵ハンドル3が一体に取り付けられるとともに、フロントフォーク2の下部に前輪4が回転可能に枢支される。メインフレーム1の後部に上下へ揺動可能に設けられたリヤフォーク5の後端に後輪6が回転可能に枢支され、後輪6は内燃機関10からの動力によりチェーン伝動系7を介して回転駆動される。メインフレーム1の前部上方に燃料タンク8が載置されるとともに燃料タンク8の後方にシート9が設けられている。
図2は、図1中の自動二輪車0の内燃機関10を取り出して示す左側面図である。
図2に示されるように、内燃機関10では、クランクケース11の上にシリンダブロック12、シリンダヘッド13およびヘッドカバー14が順次重ねられ、これが相互に一体に結合されるとともに、クランクケース11の下にオイルパン15が一体に取り付けられている。
シリンダブロック12とその下方のクランクケース11との図示されない接合部には、左右方向に指向したクランク軸17が回転可能に枢支されるとともに、シリンダブロック12に図示しないピストンが摺動可能に嵌装され、ピストンの上下往復運動によりクランク軸17が回転駆動されるようになっている。
内燃機関10のシリンダヘッド13では、図2に示されるように、Vバンクの内側に、吸気ポート22が形成されるとともに、Vバンクの外側に、排気ポート23が形成されている。図1に示すようにVバンク間に位置したエアクリーナ24は、前後のシリンダヘッド13の吸気ポート22にスロットルボディ30を介して接続されるとともに、Vバンクの前後外側に位置した前方、後方排気管25a、25bは前後のシリンダヘッド13の排気ポート23に接続され、前方に位置した前方排気管25aは、図1に示すように内燃機関10の下方を迂回して、後方に位置した後方排気管25bとともにシート9の下方から後方へ指向し、内燃機関10内で発生した排気が自動二輪車0の後方へ排出されるようになっている。
図2に示されるように、本実施形態の内燃機関10は前述のように前後V型4気筒DOHC型4ストロークサイクル内燃機関であり、前側の第一バンク16Aと後側の第二バンク16Bとを備え、クランクケース11の上にそれぞれがシリンダブロック12、シリンダヘッド13およびヘッドカバー14を有している。
それぞれのシリンダヘッド13に図示しない締結部で取付けられたスロットルボディ30内には、その吸気路32中に弁軸31aを設けたバタフライ弁31が設けられており、吸気流量を加減するスロットルバルブとなっている(図3参照)。
また、スロットルボディ30には燃料噴射装置50が取付けられている。
図2の側面視で図示されるように、燃料噴射装置50はその全てが、第一バンク16Aと第二バンク16Bに対し上方から接する仮想直線Aより、クランク軸17側に位置している。
そして、スロットルボディ30内のバタフライ弁31も、仮想直線Aよりクランク軸17側に位置している。
図3は、第二バンク16Bのシリンダヘッド13に対してスロットルボディ30が取付けられた部分の断面図である。
ここで、図3において、スロットルボディ30が取付けられる構造を第二バンク16Bにつき説明するが、第一バンク16Aにおいても、前後対称に同様の構造がなされている。
シリンダヘッド13内に設けられた吸気ポート22の上流側端部22aには、シリンダヘッド13の外壁18より吸気流れ方向Fにおける下流側に凹んだヘッド側凹部19が形成されており、ヘッド側凹部19には、スロットルボディ30の下流端30aが嵌合されている。
スロットルボディ30には燃料噴射装置50がスロットルボディ30の吸気路32の下流側に向けて取付けられているが、燃料噴射装置50の先端の噴射部50aは、吸気流れ方向Fにおけるヘッド側凹部19の上流側のヘッド側凹部19の周囲の凹部周囲外壁18aより、下流側に位置するように配置されている。
従って、燃料噴射装置50をスロットルボディ30に取り付けた構造をとりながら、燃料噴射装置50の噴射部50aを、可及的に吸気ポート22側に近づけることができ、内燃機関10の応答性の向上に寄与している。
詳説すると、運転者のスロットル操作に応じてECU(エンジンコントロールユニット)から指令を受け、燃料噴射装置50から燃料が噴射される。噴射部50aが吸気ポート22側、つまり燃焼室に近い位置に設けられることで、噴射された燃料が燃焼室に到達するまでの時間が短くなり、結果的に、運転者の操作から内燃機関10の回転数がそれに追従するまでの時間が短くなり、応答性が向上する。
スロットルボディ30は、スロットルボディ30の中心軸線Yがシリンダ軸線Xと鋭角αを成してクランク軸17側に向けて接続されているが(図2参照)、スロットルボディ30の下流端30aは、燃料噴射装置50が配置されている側が他側より下流側に位置して、燃料噴射装置50の噴射部50aはヘッド側凹部19内に位置するように配置されている。
また、スロットルボディ30の下流端30aは、凹部周囲外壁18aと平行になるように形成されている。
すなわち、スロットルボディ30の下流端30aは、スロットルボディ30の中心軸線Yに直交する仮想平面Pに対して傾斜角βの傾斜面をなして形成されて、シリンダヘッド13に接続されており、燃料噴射装置50は、下流側に延びた側の下流端30aに、先端の噴射部50aが位置するように取付けられる。
そのため、スロットルボディ30の下流端30aがスロットルボディ30の中心軸線Yに直交する仮想平面Pと平行な面に形成されている場合と比べ、燃料噴射装置50が配置されている側が他側より下流側に位置するようにスロットルボディ30の下流端30aが傾斜面となっているため、燃料噴射装置50をより吸気ポート22側に近づけて配置することができるものとなっている。
図2の側面視で、本実施形態においては前述のように、燃料噴射装置50は、第一バンク16Aおよび第二バンク16Bに対し上方から接する仮想直線Aよりクランク軸17側に位置するので、燃料噴射装置50が、より吸気ポート22側に近づけて配置されたものになる。
また、スロットルボディ30内のバタフライ弁31が、同仮想直線Aよりクランク軸17側に位置するので、バタフライ弁31を吸気ポート22側に近づけて配置でき、応答性が向上している。
図3に示されるように、スロットルボディ30の下流端30aには、シリンダヘッド13に当接するシール部材60が設けられ、シール部材60を介してスロットルボディ30の下流端30aは、吸気ポート22の上流側端部22aに形成されたヘッド側凹部19内に嵌装される。
なお、シール部材60とスロットルボディ30の下流端30aとの間には、断熱部材62が設けられており、シリンダヘッド13側の熱がスロットルボディ30および燃料噴射装置50に伝わることが抑制されている。
本実施形態においては、シール部材60は樹脂系の材料、断熱部材62はベークライトが用いられるが、それに限定されることはない。
また、スロットルボディ30およびスロットルボディ30の燃料噴射装置50を取付ける部分が、ヘッド側凹部19の周囲のシリンダヘッド13の外壁18に当接する部分には、フランジ部35が形成されているが、フランジ部35の当接側にはゴム系材料のグロメット64が介装されており、部材相互の保護、密接保持がなされている。
図4は、図3中概ねIV矢視方向から見たスロットルボディ30の斜視図であり、その下流端30aにシール部材60を装着した状態を示す。
グロメット64は、スロットルボディ30のフランジ部35の手前に2点鎖線で示される。
シール部材60の内側には断熱部材62が取付けられているが、吸気路32の出口近くの内面にその内周面62aが見られるほか、シール部材60の開口60bから、断熱部材62の凸部62bが突出している状態が示される。
すなわち、断熱部材62は、破線でシール部材60の面下に図示する固定部材63でスロットルボディ30に固定され、断熱部材62には複数の凸部(本発明における「断熱部材側嵌合部」)62bが設けられ、シール部材60には複数の開口(本発明における「シール部材側被嵌合部」)60bが設けられ、凸部62bと開口60b嵌合することでシール部材60が位置決めされる。
そのような構成により、シール部材60の位置決めが容易に行え、組付け性が向上しており、また、振動等によるシール部材60のずれを抑制できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲でその他種々の態様の変更が可能である。例えば、本発明のパワーユニット、内燃機関は、自動二輪車に限定されず他種の鞍乗型車両にも幅広く適用されるものであってもよい。
なお、説明の便宜上、装置の左右配置は図示の実施形態に沿って説明したが、それに限定されず、左右配置が逆であってもよい。
0…自動二輪車、10…内燃機関、11…クランクケース、12…シリンダブロック、13…シリンダヘッド、16A…第一バンク、16B…第二バンク、17…クランク軸、18…外壁、18a…凹部周囲外壁、19…ヘッド側凹部、22…吸気ポート、22a…上流側端部、30…スロットルボディ、30a…下流端、31…バタフライ弁、31a…弁軸、32…吸気路、35…フランジ部、50…燃料噴射装置、50a…噴射部、60…シール部材、60b…開口(本発明における「シール部材側被嵌合部」)、62…断熱部材、62a…内周面、62b…凸部(本発明における「断熱部材側嵌合部」)、64…グロメット、X…シリンダ軸線、Y…(スロットルボディ30の)中心軸線、A…仮想直線、P…仮想平面、F…吸気流れ方向

Claims (6)

  1. シリンダヘッド(13)の吸気ポート(22)と、
    同吸気ポート(22)の上流側端部(22a)に設けられ、前記シリンダヘッド(13)の外壁(18)より吸気流れ方向における下流側に凹んだヘッド側凹部(19)と、
    燃料噴射装置(50)が設けられたスロットルボディ(30)とを備え、
    同スロットルボディ(30)の下流端(30a)が前記ヘッド側凹部(19)に嵌合された内燃機関(10)の燃料噴射装置配置構造において、
    前記燃料噴射装置(50)の先端の噴射部(50a)が、前記ヘッド側凹部(19)の吸気流れ方向における上流側の凹部周囲外壁面(18a)より下流側に位置するように配置されたことを特徴とする燃料噴射装置配置構造。
  2. 前記スロットルボディ(30)は、同スロットルボディ(30)の中心軸線(Y)がシリンダ軸線(X)と鋭角(α)を成してクランク軸(17)側に向けて接続され、
    前記スロットルボディ(30)の下流端(30a)は、前記燃料噴射装置(50)が配置されている側が他側より下流側に位置するように前記スロットルボディ(30)の中心軸線(Y)に直交する仮想平面(P)に対して傾斜面をなして前記シリンダヘッド(13)に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置配置構造。
  3. 前記内燃機関(10)は第一バンク(16A)および第二バンク(16B)を有するV型内燃機関であり、
    前記燃料噴射装置(50)は、前記第一バンク(16A)および前記第二バンク(16B)に対し上方から接する仮想直線(A)よりクランク軸(17)側に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置配置構造。
  4. 前記スロットルボディ(30)内のバタフライ弁(31)が、前記仮想直線(A)よりクランク軸(17)側に位置することを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置配置構造。
  5. 前記スロットルボディ(30)の下流端(30a)には前記シリンダヘッド(13)に当接するシール部材(60)が設けられ、
    前記シール部材(60)と前記スロットルボディ(30)の下流端(30a)との間には断熱部材(62)が設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射装置配置構造。
  6. 前記断熱部材(62)は前記スロットルボディ(30)に固定され、
    前記断熱部材(62)には断熱部材側嵌合部(62b)が設けられ、
    前記シール部材(60)にはシール部材側被嵌合部(60b)が設けられ、
    前記断熱部材側嵌合部(62b)と前記シール部材側被嵌合部(60b)が嵌合することで、前記シール部材(60)が位置決めされたことを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射装置配置構造。
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