JP5925256B2 - スケール防止法 - Google Patents

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Description

本発明は、バリウムのスケール阻害のようなスケールを阻害するための改善方法に関し、本方法は、油回収および水処理用途に関して有用な可能性がある。本方法は、広義には、閾値量の選択されたアミノアルキルホスホン酸スケール防止剤の添加を含む。本発明の方法に使用するためのスケール防止剤は、α−アミノ酸アルキルホスホン酸、および、カルボキシルとアミン成分とに連結したC2〜C20炭化水素基を有するアミノ酸種から選択
することができる。ここにおいて、特定のα−アミノ酸アルキルホスホン酸、すなわち、選択された少なくとも1個の孤立電子対を含む電子が豊富な成分;炭素原子のうち少なくとも1つがヘテロ原子で置換されている芳香族化合物;および、α−炭素原子が狭義に定義された電子求引性の成分で置換されている化合物で置換されているものは、排除される。
無機物質の沈着の形成を有効に制御する分野、具体的には、そのような沈着(多くの場合において、水中の炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムである)の望ましくないレベルの形成を抑制する分野がよく知られており、長い間存在し続けている。その結果として想像できるように、それに関連する技術がかなり増えつつある。
特許文献1は、主成分としてスチレンスルホン酸およびビニルスルホン酸からなる水溶性コポリマーを含み、任意に少量の非イオン性単量体を含むスケール防止剤を開示している。これらの防止剤の組み合わせは、圧搾処理で用いることができる。特許文献2は、具体的には高濃度の塩水環境における油田でのスケール形成を抑制するための組成物および方法を説明している。2個またはそれ以上のアミン成分を含むアミノメチレンホスホン酸塩(ここにおいて、実質的に全ての利用可能なN−H基がホスホン酸化されている)が、使用に適している。特許文献3は、アミノ末端化した少なくとも2個のアミノ基を有するオキシアルキレートのメチレンホスホン酸塩、および、海洋での油回収活動においてスケール防止剤としてのそれらの使用、加えて、生物系においてキレート化するためのそれらの使用に関する。一例として、このようなホスホン酸塩は、水攻法を用いた第二の油回収に伴って鉄イオンを有効に封鎖することができる。
特許文献4は、地下構造におけるスケールの出現を制御したり低減させたりするのに有用な方法および組成物の技術を説明している。このような防止剤組成物は、アミノホスホン酸、および、アルケニルスルホン酸化合物とエチレン性不飽和単量体とのコポリマーを含む。このようなホスホン酸の例としては、ビスヘキサメチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸が示されている。特許文献5は、水に高濃度のアルカリ土類金属塩(例えばバリウム塩)が含まれる可能性がある環境での油田運営において使用するための、スケール防止法に関する。好ましいスケール防止剤の例としては、ヒドロキシルアルキル化されたホスホノメチルアミンが示されている。
特許文献6は、油田に関わる流体系、およびその他の工業用水の用途で使用するための生分解性の腐食抑制剤、および、抗スケール剤(anti−scalant)を開示している。腐食抑制剤/抗スケール剤の例としては、改変されたポリ(アスパラギン酸)ポリマー、および、改変されたアスパラギン酸単位が示されている。改変されたアスパラギン酸は、選択された側鎖(例えばメチルホスホン酸/塩)で置換されていてもよい。
特許文献7は、鉄が存在する可能性がある水系中のカルシウムおよびバリウムのスケール形成を抑制するのに適したスケール防止剤を説明している。このような防止剤の例とし
ては、メチレンホスホン酸塩、好ましくはカルボキシビスニトリロテトラ(メチレンホスホン酸)(これは、尿素(テトラメチレンホスホン酸)としても知られている)が示されている。特許文献8は、特に、油田の活動で用いられる水中での用途のための、少なくとも1種のオキシアルキレン単位、および、1種のホスホン酸塩単位を含むスケールおよび腐食抑制剤を開示している。オキシアルキレンの例としては、トリエチレングリコール、または、テトラエチレングリコールが示されている。ホスホン酸塩の例としては、ビニルホスホン酸、または、ビニリデンジホスホン酸が示されている。好ましいアプローチにおいて、ホスホン酸塩およびオキシアルキレン成分を反応させて、使用に適した単一の化合物を得ることができる。
非特許文献1は、プロリン由来のN−ホスホノメチル−L−プロリン、および、システイン由来のN−ホスホノメチル−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸に基づく官能化したγ−リン酸−ホスホン酸ジルコニウムの合成を説明している。特許文献9では、ヘキサヒドロトリアジンとトリアシルリン酸塩とを反応させることによるN−ホスホノメチルグリシンの製造方法が説明されている。同じ系列で、特許文献10は、ホスホン酸塩含有のアミノ酸またはそれらのエステルの製造を説明している。そのアミノ酸成分の例としては、最終産物中において、α−アラニン、β−アラニン、フェニルアラニン、および、アスパラギンが示される。この研究の目的は、1個の残留したN−H官能基を有するモノホスホン酸塩の製造であった。
特許文献11は、具体的には、不要物由来の天然タンパク質、例えば革、トウモロコシおよびダイズ、卵白、脱脂粉乳および無糖粉乳、羊毛および副蚕糸、獣毛ならびにその他のタンパク質系不要物由来の天然タンパク質とを反応させることによって製造された、カルボキシアルカンアミノメタンホスホン酸の混合物を開示している。特許文献12は、タウリンまたはシステイン酸のジホスホノメチル誘導体を低レベルで用いることによる、スケールを形成する塩の形成の阻害方法を開示している。
特許文献13は、N−ビス(ホスホノメチル)アミノ酸、および、工業用プロセス水と接触させて炭酸カルシウムのスケールを制御するためのそれらの使用を開示している。説明されている特定の化合物は、N,N−ビス(ホスホノメチル)−L−グルタミン酸、N,N−ビス(ホスホノメチル)−L−セリン、および、N,N,N’,N’−ビス(ホスホノメチル)−L−リシンである。このL−リシン化合物の例としては、1個のアミノラジカルに結合した1個のホスホノメチル成分を有する化学種が示されている。
WO01/49756 US5,112,496 US4,080,375 US5,263,539 GB2306465 US6,022,401 EP0408297 WO01/85616 WO2003000704 DDRの特許141930 DE4131912 US5,087,376 US5414112
Kulin Huang等,Eur.J.Inorg.Chem.2004,2956〜2960
当業界では、実質的に、累積的な機能性を追加することによって、具体的には海洋での油回収活動および/または水処理の用途に関連して知られている性能不足に対する改善法を提供することなく、および/または、このような既知の活動の組み合わせに本来付随している重要な欠陥を示すことがわかっている多成分系を回避することなく、確実に付加的な成果を実現することを目的としている。
本発明の主な目的は、温度、硬度レベルおよびアルカリ度などの幅広い状態下での水性環境においてスケールを有効に制限することできる、スケール阻害に有益な方法を提供することである。本発明のその他の目的は、実質的に1種の活性なスケール防止剤を用いた有効なスケール制御方法を提供することである。本発明のその他の目的は、例えば媒体を適用する際に付随する二次的な不利益を実質的に引き起こすことなく有効な油スケール制御を提供することである。本発明のさらにその他の目的は、水処理を制御するための有効な手段を提供することである。本発明のさらにその他の目的は、厳しい温度条件下でスケール制御を提供することに関する。
ここで、本発明の前述の目的およびその他の目的は、閾値量の選択されたアルキルホスホン酸化アミノ酸の使用を含むスケール阻害方法の提供によって満たすことができる。
本願中で用いられる用語「パーセント」または「%」は、異なる定義が示されない限り、「質量パーセント」または「質量%」を意味する。また用語「ホスホン酸」および「ホスホン酸塩」も、同じ意味で用いられるが、当然ながらこれは、媒体の優勢なアルカリ度/酸性度の状態に依存する。用語「閾値量」は、水処理分野において周知である。極めて少量のスケール防止剤が溶液中に多量のスケール剤(scalant)を保持することができる能力は、「閾値作用」として知られている。また言い換えれば、これは、ppmレベルの防止剤によって、スケール剤の過飽和溶液からの沈殿の形成を予防することである。用語「ppm」は、「百万分率」を意味する。
本発明において、無機物質の沈着の形成を有効に制御する有益な方法、具体的にはアルカリ土類金属スケールを阻害する有益な方法が見出された。より詳細には、本発明に係る方法は、水系におけるスケール制御に関し、本方法は、以下からなる群より選択される閾値量のスケール防止剤を添加することを含む:
i.以下の式で示されるアミノ酸アルキルホスホン酸(aminoacid alkylphosphonic acid):
1−(B)x
[式中A1は、以下の式で示される:
HOOC−A−NH2
式中Aは、独立して、C2〜C20の直鎖状、分枝状、環式または芳香族炭化水素鎖から
選択され、ここにおいて該炭化水素鎖は、C1〜C12の直鎖状、分枝状、環式または芳香
族炭化水素基で任意に置換されていてもよく、ここにおいて該炭化水素基は、OH、COOHおよび/またはNH2成分で任意に置換されていてもよく、および、
Bは、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルホスホン酸成分であり、xは、1〜10の整数であり、好ましくは1〜6整数である]、
ii.以下の式で示されるアミノ酸アルキルホスホン酸:
2−By
[式中Aは、以下の式で示される:
HOOC−C(NH2)(R)(R’)
式中RおよびR’は、独立して、C1〜C20の直鎖状、分枝状、環式または芳香族炭化
水素鎖から選択され、これらは、C1〜C12の直鎖状、分枝状、環式または芳香族炭化水
素基で任意に置換されていてもよく、さらにこれら芳香族炭化水素基は、OH、NH2
よび/またはCOOHで任意に置換されていてもよく、ここにおいてRまたはR’の一方が水素であってもよく、
ただし:
Rおよび/またはR’が、少なくとも1個の孤立電子対を含む電子が豊富な成分であり、この成分が芳香族成分に直接共有結合している化合物;または、炭素原子のうち少なくとも1つがヘテロ原子で置換されている芳香族化合物;および、Rが−C(X)(R”)(R”’)であり、R’、R”およびR”’が水素であり、ここにおいてXがNO2、C
N、COOH、SO3H、OHおよびハロゲンから選択される電子求引基である化合物は
除外され、
さらに:
2がL−リシンである場合、
少なくとも1つのL−リシンアミノラジカルが、2個のアルキルホスホン酸成分を有し;および、
2がL−グルタミン酸である場合、
グルタミン酸ホスホン酸塩という用語は、反応生成物に基づき示した場合に50〜90質量%のピロリドンカルボン酸N−メチレンホスホン酸と、10〜50質量%のL−グルタミン酸ジホスホン酸との組み合わせを示し;および、
Bは、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルホスホン酸成分であり、yは、1〜10の範囲の整数であり、好ましくは1〜6整数である]。
本発明の方法で使用するため第一の必須のアミノ酸アルキルホスホン酸は、以下の式:
1−(B)x
で示すことができるものであり、
式中A1は、以下の式で示される:
HOOC−A−NH2
式中Aは、独立して、C2〜C20の直鎖状、分枝状、環式または芳香族炭化水素鎖から
選択され、ここにおいて前記鎖は、任意に、C1〜C12の直鎖状、分枝状、環式または芳
香族炭化水素基で置換されていてもよく、ここにおいて前記基および/または鎖は、任意に、OH、COOHおよび/またはNH2成分で置換されていてもよい。好ましい実施に
おいて、Aは、C2〜C16の直鎖状炭化水素鎖で示すことができ、これらは任意に、およ
び、好ましくは、1〜3個のNH2成分で置換されている。追加の任意の基および/また
は任意の成分の選択に応じて、このような炭化水素鎖中の多数の炭素原子を選択することによって、望ましい実施を構成することができる。実際の好ましい組み合わせの決定は、慣例的な作業であり、当業界で周知である。
本発明の方法で使用するため第二の必須のアミノ酸アルキルホスホン酸は、以下の式:
2−By
で示すことができるものであり、
式中A2は、以下の式で示される:
HOOC−C(NH2)(R)(R’)
式中RおよびR’は、独立して、C1〜C20の直鎖状、分枝状、環式または芳香族炭化
水素鎖から選択され、ここにおいて前記鎖は、任意に、C1〜C12の直鎖状、分枝状、環
式または芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、ここにおいて前記基および/または前記鎖は、任意に、OH、NH2および/またはCOOH成分で置換されていてもよく、
および、RまたはR’の一方が水素であってもよく、
ただし、本発明の技術に関連して使用するのに適していない構造は除外される。
本方法の好ましい実施態様において、(ii)に記載のホスホナート防止剤におけるアミノ酸としては、yが2であるD,L−アラニン、yが2であるL−アラニン、yが2〜4の範囲であるL−リシン、yが2であるL−フェニルアラニン、yが2〜6の範囲であるL−アルギニン、yが2であるL−スレオニン、yが2であるL−メチオニン、yが2であるL−システイン、および、yが1〜2であるL−グルタミン酸が挙げられる。
L−グルタミン酸アルキレンホスホン酸化合物は、本質的に性能および安定性が不十分であるため、本発明の方法で使用するのに適さないことが見出された。形成の反応条件に応じて、L−グルタミン酸のメチレンホスホン酸化によって生じたL−グルタミン酸アルキレンホスホン酸の例としては、混合物(100%)に基づいて、主成分としてカルボン酸で置換されたピロリドンから誘導されたモノ−メチレンホスホン酸、および、比較的少量のジメチレンホスホン酸グルタミン酸化合物を含む実質的に二成分の混合物が挙げられる。有益な一実施態様において、反応生成物は、50%〜90%のピロリドンカルボン酸N−メチレンホスホン酸スケール防止剤、および、10%〜50%のL−グルタミン酸ビス(アルキレンホスホン酸)化合物を含むことが多いことが見出された。反応中に形成されたジホスホン酸塩およびモノホスホン酸塩防止剤の合計は、出発原料であるグルタミン酸に基づき80%を超えることが多い。このような二成分混合物はまた、個別に製造されたホスホン酸化合物を混合することによって製造することもできる。その他の好ましい実施態様において、アミノラジカルに結合した1個のアルキレンホスホン酸基を有するL−リシンは、アミノラジカルに結合した1および2個のアルキレンホスホン酸基を有するL−リシンの合計量の20モル%以下で存在する。その他の好ましい実施態様において、L−リシンアルキレンホスホン酸は、(個々の)アミノラジカルに結合した2個のアルキレンホスホン酸基を有するL−リシン(2リシン)、および、4個のアルキレンホスホン酸基(4リシン)を有するL−リシンの混合物として存在しており、ここにおいてリシン(4)のリシン(2)に対する重量比は、9:1〜1:1の範囲であり、より好ましくは7:2〜4:2の範囲である。
(i)に記載のホスホナート防止剤において好ましいアミノ酸としては、7−アミノヘプタン酸(式中xは2である)、6−アミノヘキサン酸(式中xは2である)、5−アミノペンタン酸(式中xは2である)、4−アミノ酪酸(式中xは2である)、および、β−アラニン(式中xは2である)が挙げられる。(i)に記載のホスホナート防止剤において好ましいアミノ酸は、ラクタム、またはその他の一般的に知られている材料から開始して有利に製造することができる;2−アザシクロオクタノンの代わりに、7−アミノヘプタン酸を用いて、それに対応するジホスホナートを形成することができる。好ましいアミノ酸出発原料は、下記の実施例で説明されている。簡単に説明すると、化学量論的な比率のアミノ酸出発原料(1モル)、亜リン酸(2モル)、塩酸水溶液(1.2モル)の混合物を撹拌しながら100℃に加熱し、続いてホルムアルデヒド(2モル)を、120〜140分間にわたり100〜120℃の範囲温度で徐々に添加する。続いてこの反応混合物を、105〜115℃でさらに60〜100分間維持する。当然ながら、上記の出発原料の化学量論的な比率は、利用可能なN−H官能基との反応によって望ましい程度のホスホン酸置換が達成されるように様々であってよい。
本明細書におけるその他の好ましい実施態様において、本発明の方法で使用するためスケール防止剤の例としては、本発明のアミノ酸ポリホスホナートと、以下からなる群より選択されるホスホン酸との選択された組み合わせが挙げられる:(a)アミノ(ポリ)アルキレンポリホスホン酸(ここにおいてアルキレン成分は、1〜20個の炭素原子を含む);(b)ヒドロキシアルキレンポリホスホン酸(ここにおいてアルキレン成分は、2〜
50個の炭素原子を含む);および、(c)ホスホノアルカンポリカルボン酸(ここにおいてアルカン成分は、直鎖状であり、3〜12個の炭素原子を含む)。実際には、好ましくは、アルキレン成分に1〜12個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸;アルキレン成分に2〜12個の炭素原子、および、2個のホスホン酸基を含むヒドロキシアルキレンホスホン酸であり;一方で、ホスホノアルカンポリカルボン酸は、4〜8個の炭素原子を有する直鎖アルカンの形態を有し、ここにおいて、ホスホン酸ラジカルのカルボン酸ラジカルに対するモル比は、1:2〜1:4の範囲である。具体的には、好ましくは、2〜8個のホスホン酸基を有するポリホスホン酸である。好ましい種の個々の例としては、以下のものが見出されている:アミノトリ(メチレンホスホン酸)、および、そのN−酸化物;1−ヒドロキシエチレン(1,1−ジホスホン酸);エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸);ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸);ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸);ヒドロキシエチルアミノビス(メチレンホスホン酸);N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−エチレンジアミンヘキサ(メチレンホスホン酸);および、ブタン−2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボン酸。
アミノ酸ホスホナートのホスホン酸に対する重量比は、98:2〜25:75の範囲であり、好ましくは90:10〜50:50の範囲である。
2の例としては、α−アミノ酸が挙げられ、例えば、特定の天然アミノ酸、例えば動
物種に存在する天然アミノ酸である。アミノ酸とは、一般的に、タンパク質のビルディングブロックである。40種を超える既知のアミノ酸があるが、そのうちの約20種は、例えば動物組織に実際に含まれている。アミノ酸は、タンパク質の加水分解、酵素による発酵、および/または、化学合成によって作製することができる。この技術分野は非常によく知られており、全ての個々の技術の文献に多く記載されている。適切なアミノ酸は、それらのD、D,LおよびL型の形態で、加えてDおよびL型の混合物の形態で用いることができる。ホスホナート防止剤に使用するための好ましいα−アミノ酸としては、以下が挙げられる:D,L−アラニン;L−アラニン;L−フェニルアラニン;L−リシン;L−アルギニン;L−メチオニン;L−システイン;L−スレオニン;および、L−グルタミン酸。
以下のような特定のアミノ酸は除外される:
1.Rおよび/またはR’が、芳香族成分に直接結合した電子が豊富な成分であるα−アミノ酸。一例として、108〜112℃、HCl(1.5モル)の存在下でのL−チロシン(1当量)(R=−p−OHフェニル;R’=H)と、H3PO3(2当量)およびホルムアルデヒド(2.2当量)とを反応させても、それに対応するビス(メチレンホスホン酸)は生成しない。実際に、31P NMR解析は、微量のリン酸と共に開始時の亜リン酸のシグナルしか示さない。水不溶性の生成物が得られる;これは、ホルムアルデヒドとチロシンとが反応し、芳香族成分の間にメチレン架橋が形成されることによるものと考えられる;
2.Rおよび/またはRが、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されている芳香族化合物であるα−アミノ酸。例えば、107〜111℃、HCl(2.5モル)の存在下で、L−トリプトファン(1当量)とH3PO3(2当量)およびホルムアルデヒド(2.2当量)とを反応させても、それに対応するビス(メチレンホスホン酸)は生成しない。31P NMR解析は、微量のリン酸と共に開始時の亜リン酸のシグナルしか示さない。水不溶性の生成物が得られる;これは、ホルムアルデヒドとトリプトファンとが反応し、芳香族成分の間にメチレン架橋が形成されることによるものと考えられる;および、
3.Rが−C(X)(R”)(R”’)であり、R”、R”およびR”’が水素であり、ここにおいてXがNO2、CN、COOH、SO3H、OHおよびハロゲンから選択される電子求引基であるα−アミノ酸。一例として、110〜115℃、HCl(1.5モル
)の存在下でL−アスパラギン酸(1当量)(X=COOH)とH3PO3(2当量)およびホルムアルデヒド(2.2当量)とを反応させると、フマル酸;イミノ−ビス(メチレンホスホン酸);アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、および、L−アスパラギン酸ビス(メチレンホスホン酸)などの複数の生成物の混合物が生成する。後者の生成物は、31P NMRによれば、上記反応条件下でフマル酸およびイミノビス(メチレンホスホン酸)に分解され、それ自身ATMPに変換されるていることが示されている。その他の例において、107〜112℃、HCl(1.5モル)の存在下で、L−セリン(1当量)(X=OH)とH3PO3(2当量)およびホルムアルデヒド(2.2当量)とを反応させると、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、および、亜リン酸などの複数の生成物の混合物が生成する。31P NMRでは、L−セリンモノまたはジホスホン酸塩に相当するシグナルを示さない。L−セリンホスホン酸塩は不安定であり、上記反応条件下では分解して最終的にATMPを生じると考えられる。
ここで特許請求される技術において使用するのに適していない特定のα−アミノ酸は、チロシン;トリプトファン;アスパラギン;アスパラギン酸;および、セリンである。
本発明の方法に使用するためのアミノ酸アルキルホスホナートスケール防止剤は、一般的に4未満のpHを有する水性媒体中で、塩酸の存在下で、アミノ酸の1種またはそれ以上の利用可能なN−H官能基と、亜リン酸およびホルムアルデヒドとを反応させ、この反応混合物を、通常70℃より高い温度で、反応を完了させるのに十分な時間加熱することによって製造することができる。この種の反応は、当技術分野において一般的であり、よく知られており、および、このような新規のホスホナート化合物の例が、以下で説明するようにして、塩酸経路によってすでに合成されている。
好ましい方法において、アミノ酸ホスホナートは、ハロゲン化水素酸、および、それに対応する副産物および中間体を実質的に排除した条件で形成することができる。具体的には、アミノ酸ホスホナートは、亜リン酸成分(100%)に対して0.4%以下の、好ましくは2000ppm未満のハロゲン化水素酸の存在下で:
(a)亜リン酸;
(b)アミノ酸;および、
(c)ホルムアルデヒド、
を反応させ、
ここにおいて反応物の比率(a):(b)は、0.05:1〜2:1であり;(c):(b)は0.05:1〜5:1であり;および、(c):(a)は5:1〜0.25:1であり;
ここにおいて(a)および(c)は、用いられるモル数を意味し、(b)は、3.1に等しいか、またはそれより低いpKaを有する酸触媒の存在下におけるアミン中のN−H官能基の数を掛けたモル数を示し、ここにおいて該触媒は反応媒体に対して均一であり;
ここにおいて反応物の比率(b):(d)は、40:1〜1:5で用いられ;
ここにおいて(d)は、触媒1モルあたりの利用可能なプロトンの数を掛けた触媒のモル数を意味する];
続いて、形成されたアミノ酸ホスホナートを、それ自体既知の方式で回収することによって製造することができる。
上記触媒は、3.1に等しいか、またはそれより低いpKa、好ましくは2.75に等しいか、またはそれより低いpKa、最も好ましくは1.9に等しいか、またはそれより低いpKaを有し、ここにおいて前記触媒は、反応媒体と均一に混和する。pKaは、以下のように示すことができる:
pKa=−log10Ka
式中Kaは、熱力学的平衡における酸性度定数を示す。
用語「均一な」触媒とは、使用に適した触媒が、所定の反応条件下で、反応媒体中で単一の液相を形成することを意味する。このような触媒の均一な性質は、慣例的手順で確認することができ、例えば沈殿または相分離の特性を目視検査することによって確認することができる。
好ましい触媒の種類は、硫酸、亜硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、および、ナフタレンスルホン酸から選択することができる。
好ましくは、均一の反応は、以下から選択されるアプローチを用いて、70℃〜150℃の範囲の温度で行われる:
−上記反応を周囲の気圧下で行うこと(ここにおいて水および反応しなかったホルムアルデヒドの蒸留を行ってもよいし、行わなくてもよい);
−閉じた容器中で、自然発生的な圧力が生じる条件下で行うこと;
−蒸留および圧力装置の組み合わせで行うこと(ここにおいて反応物の混合物を含む反応容器は、反応温度で周囲の気圧下に維持し、続いてこの反応混合物を、自然発生的な圧力が生じる条件下で操作される反応装置に循環させることによって、ホルムアルデヒドおよびその他の選択された反応物を必要に応じて徐々に添加する);および、
−場合によっては自然発生的な圧力が生じる条件下での連続プロセス装置で行うこと(ここにおいて反応体は、反応混合物に連続的に注入され、反応生成物であるホスホン酸を連続的に取り出す)。
その他の好ましい方法において、ここで使用するためのアミノ酸ホスホナートは、ハロゲン化水素酸を実質的に排除した条件で、具体的には、亜リン酸成分(100%)に基づき示した場合0.4%以下の、好ましくは2000ppm未満のハロゲン化水素酸の存在下で:
(a)亜リン酸;(b)アミノ酸;および、(c)ホルムアルデヒド[ここにおいて反応物の比率は:(a):(b)が0.05:1〜2:1であり;(c):(b)が0.05:1〜5:1であり;および、(c):(a)が5:1〜0.25:1であり;
ここにおいて(a)および(c)は、用いられるモル数を意味し、(b)は、アミノ酸中のN−H官能基の数を掛けたモル数を示す]を、以下からなる群:
(1)固体の酸性金属酸化物の組み合わせ(それ単独で、または、キャリアー材料に支持された状態で);
(2)芳香族基にSO3H成分がグラフトされるように官能化された、スチレンコポリ
マー、エチルビニルベンゼン、および、ジビニルベンゼンからなる群より選択される陽イオン交換樹脂、および、カルボン酸および/またはスルホン酸基を有する過フッ化樹脂;
(3)反応温度で反応媒体と実質的に不混和性の有機スルホン酸およびカルボン酸のブレンステッド酸;
(4)以下から誘導された酸触媒:
(i)表面に有機ブレンステッド酸を堆積させた孤立電子対を有する固体支持体の相互作用;
(ii)表面にルイス酸部位を有する化合物を堆積させた孤立電子対を有する固体支持体の相互作用;
(iii)ブレンステッド酸基またはそれらの前駆体との化学的グラフトによって官能化された不均一な固体;および、
(5)一般式HxPMyz(式中Pは、リンおよびケイ素から選択され、Mは、Wおよ
びMo、ならびにそれらの組み合わせから選択される)で示される不均一なヘテロポリ酸、
より選択される(反応媒体に関して)不均一なブレンステッド酸触媒の存在下で反応させ
、続いて、それ自体既知の方法で形成されたアミノアルキルホスホン酸を回収することによって製造することができる。
適切なブレンステッド触媒の例は、炭化水素鎖中に6〜24個の炭素原子を有するフッ素化カルボン酸、および、フッ素化スルホン酸である。適切な触媒の具体例としては、ペルフルオロウンデカン酸が挙げられる。
その他の実施態様において、適切な不均一な酸触媒の例としては、陽イオン交換樹脂が挙げられる。一般的に、このような樹脂としては、芳香族基にSO3H基がグラフトされ
るように官能化されたスチレンコポリマー、エチルビニルベンゼン、および、ジビニルベンゼンが挙げられる。
これらの触媒は、様々な物理的な形態で用いることができ、例えばゲルの形態で、マクロ孔質の形態で、または、シリカもしくは炭素、または、カーボンナノチューブのようなキャリアー材料に支持された形態で用いることができる。不均一なブレンステッド触媒は、当技術分野においてよく知られている多くの操作上の製造の配置で用いることができる。用語「不均一な」は、ブレンステッド触媒が、上記反応媒体中、上記反応条件で実質的に不溶性である、または、実質的に不混和性であることを意味しており、従って、上記反応媒体中、上記反応条件で液体であることを意味する。好ましくは、不均一な反応は、70〜150℃の範囲温度で、反応を完了させるのに十分な時間で行われる。
必須の構成要素であるホルムアルデヒドは、有用な成分であることがよく知られている。ホルムアルデヒドは、一般的に、様々な量(少量のことが多く、例えば0.3〜3%)のメタノールを含む水溶液として製造および販売されており、37%のホルムアルデヒドをベースとして報告されている。ホルムアルデヒド溶液は、オリゴマーの混合物として存在する。ホルムアルデヒド前駆体の例としては、例えば、パラホルムアルデヒド、一般的にはかなり短い(n=8〜100)鎖長を有する直鎖状ポリ(オキシメチレングリコール)の固形混合物、および、ホルムアルデヒドの環状三量体および四量体(これらはそれぞれトリオキサンおよびテトラオキサンという用語で示される)が挙げられる。またこのようなホルムアルデヒド構成要素の例としては、式R12C=Oで示されるアルデヒドおよびケトンも挙げられ、ここにおいて式中R1およびR2は、同一でもよいし、または異なっていてもよく、水素、および、有機ラジカルからなる群より選択される。R1が水素であ
る場合、上記材料はアルデヒドである。R1およびR2の両方が有機ラジカルである場合、上記材料はケトンである。有用なアルデヒドの種類は、ホルムアルデヒドに加えて、アセトアルデヒド、カプロアルデヒド、ニコチンアルデヒド、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド、p−トルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、および、3−アミノベンズアルデヒドである。ここで使用するための適切なケトン種は、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、ブチロン、アセトフェノン、および、2−アセトニルシクロヘキサノンである。
亜リン酸反応体は、好ましくは、既知の方式で、ハロゲンを実質的に排除した条件で、元素のリン、例えば四リン(tetraphosphorus)と水とを、200℃未満の温度で、リンの酸化を促進するのに有効な触媒の存在下で接触させ、水と反応させることによって;または、P(V)の化学種と還元剤、例えば水素とを、還元触媒の存在下で接触させることによって;または、リン酸エステルおよびホスホン酸エステルを含む加水分解供給混合物と液状の水および水蒸気とを接触させて、ホスホン酸エステルを亜リン酸に加水分解することによって製造される。
このような場合のアミノ酸ホスホナートの合成例を説明する。
L−フェニルアラニン165.19g(1モル)を、37%塩酸水溶液147.8g(1.5モル)、および、水250cc中の亜リン酸164g(2モル)の溶液と混合する。この混合物を撹拌しながら110℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液180.5g(2.2モル)を、106℃〜107℃の反応温度を維持しながら110分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物を、107℃〜108℃の温度で追加の90分間維持する。粗生成物の31P NMR解析から、68%のL−フェニルアラニンビス(メチレンホスホン酸)の存在が示された。
L−イソロイシン131.17g(1モル)を、37%塩酸水溶液147.8g(1.5モル)、および、水150cc中の亜リン酸164g(2モル)の溶液と混合する。この混合物を撹拌しながら110℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液180.5g(2.2モル)を、110℃の反応温度を維持しながら100分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物を、追加の110分間110℃に維持する。粗生成物の31P NMR解析から、69.7%のL−イソロイシンビス(メチレンホスホン酸)の存在が示された。
D,L−ロイシン131.17g(1モル)を、塩酸水溶液147.8g(1.5モル)および150ccの水溶液中の亜リン酸164g(2モル)と混合する。この混合物を撹拌しながら105℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液180.5g(2.2モル)を、続いて、105℃〜110℃の反応温度を維持しながら100分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物を、追加の60分間110℃に維持する。粗生成物の31P NMR解析から、69.7%のD,L−ロイシンビス(メチレンホスホン酸)の存在が示された。
L−バリン117.15g(1モル)を、37%塩酸147.8g(1,5モル)、および、水150g中の亜リン酸164g(2モル)の溶液と混合する。この混合物を撹拌しながら110℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液180.5g(2.2モル)を、107℃の反応温度を維持しながら85分で添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物を、追加の60分間107℃に維持する。この反応生成物の31P NMR解析から、そのままで、70.3%のL−バリンビス(メチレンホスホン酸)の存在を示した。
2−ピロリドン85g(1モル)を、37%塩酸118.4g(1.2モル)、および、水100g中の亜リン酸164g(2モル)の溶液と混合する。この混合物を撹拌しながら100℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液172.1g(2.1モル)を、100℃〜114℃の反応温度を維持しながら135分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物を、追加の90分間110℃に維持する。この反応生成物の31P NMR解析から、そのままで、91.2%の4−アミノブタン酸ビス(メチレンホスホン酸)の存在を示した。
ε−カプロラクタム113.1g(1モル)を、37%塩酸水溶液118.4g(1.2モル)および水100g中の亜リン酸164g(2モル)と混合する。この混合物を撹拌しながら100℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液172.1g(2.1モル)を、100℃〜112℃の反応温度を維持しながら105分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物の温度を、追加の75分間、110℃の温度で維持する。反応生成物の31P NMR解析から、89%の6−アミノヘキサン酸ビス(メチレンホスホン酸)の存在が示された。
2−アザシクロノナノン92.27g(0.65モル)を、37%塩酸水溶液96.07g(0.97モル)および水65g中の亜リン酸106.6g(1.3モル)と混合す
る。この混合物を撹拌しながら100℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液114g(1.39モル)を、続いて、70分間で、104℃〜106℃の反応温度を維持しながら添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物の温度を、追加の60分間107℃に維持する。反応生成物の31P NMR解析から、84%の8−アミノオクタン酸ビス(メチレンホスホン酸)の存在が示された。
L−アラニン89g(1モル)を、37%塩酸水溶液147.81g(1.5モル)および水150g中の亜リン酸164g(2モル)と混合する。この混合物を撹拌しながら110℃に加熱する。続いて、36.6%ホルムアルデヒド水溶液180.51g(2.2モル)を、この反応混合物の温度を110℃〜115℃に維持しながら、120分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物の温度を、追加の60分間106℃に維持する。反応生成物の31P NMR解析から、77.6%のL−アラニンビス(メチレンホスホン酸)の存在が示された。
アルギニンを、従来の方式で、塩酸の存在下で、亜リン酸およびホルムアルデヒドと反応させた。未精製の反応物は、ビス(アルキレンホスホン酸)誘導体が、実質的に完全に、すなわち72.7%で存在することがわかった。この反応生成物を実施例で用いた。
L−リシン塩酸塩91.33g(0.5モル)を、37%塩酸水溶液73.91g(0.75モル)および水120g中の亜リン酸164g(2モル)と混合する。この混合物を撹拌しながら105℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液180.51g(2.2モル)を、106℃〜109℃の反応温度を維持しながら120分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物の温度を、追加の50分間106℃に維持する。反応生成物の31P NMR解析から、72.2%のL−リシンテトラ(メチレンホスホン酸)、および、約14%の2−アミノ6−イミノビス(メチレンホスホン酸)ヘキサン酸の存在が示された。この調製物を実施例で「テトラホスホナート」という名称で用いた。
L−リシン塩酸塩273.98g(1.5モル)を、37%HCl水溶液221.72g(2.25モル)および水400g中の亜リン酸369g(4.5モル)と混合する。この混合物を撹拌しながら106℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液404.14g(4.95モル)を、106〜112℃の反応温度を維持しながら、180分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物を、追加の60分間、110℃で加熱する。粗生成物の31P NMR解析は、52.1%のL−リシンテトラ(メチレンホスホン酸)、約19.7%の2−アミノ−6−イミノビス(メチレンホスホン酸)ヘキサン酸、および、約22%のN−Me L−リシンジホスホン酸塩の存在を示す。この組成は、L−リシン成分1個あたり2個のメチレンホスホン酸基のほぼ平均に相当する。この調製物を実施例で「ジホスホナート」という名称で用いた。
L−グルタミン酸147.13g(1モル)を、37%HCl水溶液147.8g(1.5モル)および水120ml中の亜リン酸164g(2モル)の溶液と混合する。この混合物を撹拌しながら110℃に加熱する。36.6%ホルムアルデヒド水溶液180.5g(2.2モル)を、約110℃の反応温度を維持しながら、105分間にわたり添加する。ホルムアルデヒドの添加が完了したら、この反応混合物の温度を、追加の30分間110℃に維持する。反応生成物の31P NMR解析は、20.1%のL−グルタミン酸ビス(メチレンホスホン酸)、および、51.5%の2−ピロリドン−5−カルボン酸N−メチレンホスホン酸の存在を示す。
油田生産施設において、炭酸塩および硫酸塩スケールのようなスケールの形成は、生産性の低下を頻繁に引き起こす可能性があるために主要な問題となり得る。これは、具体的
には、例えばガス圧の損失を補うために含油地層に海水が注入される場合に当てはまる。下げ孔の地層の水に含まれる多量のバリウムおよびカルシウムイオンが存在するために、硫酸カルシウム、および、特に硫酸バリウムおよび硫酸ストロンチウムは、油井の運転において主要な問題になる可能性がある。強化された油回収処理中に海水を注入する際には硫酸塩スケールが優勢であることに対して、下げ孔の地層におけるより穏やかなpH条件、表面に近くなるほど優勢な圧力差および高温により、一般的には、炭酸塩および硫酸塩スケールの混合物の形成が生じる。それゆえに、スケール防止剤は、油井および生産施設において発生し得るような広範囲の条件にわたって性能を示すものであるべきである。本防止剤は、「圧搾」処理などのあらゆる適切な処理によって含油地層に導入することができる。一般的に、このような油回収方法は、海上油井に本発明のアミノ酸ホスホン酸スケール防止剤の水溶液を0.1〜100000ppmの一般的なレベルで注入することを必要とする。多くの場合において、本防止剤の溶液は、生産油井の活動を停止してから油井地層に注入される。本発明に係るスケール防止剤は、単独で有効に使用できることが立証された。圧搾処理は、一般的に、スケール防止剤の溶液を生産油井のドリルホールに注入して、本防止剤をその地層に置くことからなる。その地層から放出された本スケール防止剤は、リターン水中に、少なくとも0.1の濃度で、一般的には少なくとも0.5の濃度で、多くの場合は10〜100ppmの濃度で含まれ、それによって有効なスケール制御を示し、その結果として、所定レベルの防止剤手段を用いて安全な油井生産を継続したところ、実際の一般的な実施と比較して1桁の規模で減少させた。
より詳細には、有益な油回収方法は、海上油井に本発明のアミノホスホン酸化合物の水溶液を0.1〜100000ppmのレベルで注入することによって行うことができる。本方法は、油井に0.1〜800ppmのアミノホスホン酸化合物の水溶液を連続注入することによって行うことができる。多くの場合において、連続注入とは、水注入井にスケール防止剤の溶液を注入することを意味する。しかし当然ながら、連続注入は、生産井の周囲にあるもの、例えば、水中器具(例えばポンプおよびパイプ)などの坑口の装置にも適用することができる。また本発明のアミノ酸スケール防止剤は、圧搾による油回収方法でも使用できる。このような圧搾方法は、生産坑井の活動を止めること;生産坑井を介して、アミノホスホン酸スケール防止剤を100〜100000ppmのレベルで含む水性の処理溶液を導入すること;生産坑井を介して海水を注入して、その地層の標的領域内に該スケール防止剤を設置すること;油抽出活動を再開すること;および、生産坑井を介して、油およびリターン水を含むリターン流体(return fluid)を生産することを上記の順序で含む。
また本発明の方法は、一般的に100mg/lより高いバリウムおよび/またはストロンチウム、および/または、炭酸カルシウム硬度を含み、一般的に2〜10の範囲内のpHを有するスケールを形成する水系中での、本発明のアミノ酸ホスホン酸防止剤の使用も企図している。その作用に加えて、0.1〜800ppm、好ましくは0.2〜100ppmのアミノ酸ホスホン酸塩スケール防止剤が水系に添加される。
それぞれのアミノ酸ホスホン酸塩スケール防止剤は、一実施態様において、実質的に単独で用いてもよいし、または、それらが1種より多くの(i)に記載の種の混合物、または、1種より多くの(ii)に記載の種の混合物として用いられるか、または、(i)および(ii)に記載の種の混合物として用いられる場合、本発明に係るそれぞれの防止剤は、重量に基づき(ponderal basis)、本発明の防止剤の混合物の少なくとも50%、一般的には60%またはそれ以上を構成することが観察されている。タンパク質の加水分解物由来のアミノ酸混合物は、本発明の方法で使用するにはあまり適していないことが観察されており、これは特に、性能に悪影響を与える可能性がある様々な種との相互作用のためである。このような場合に好ましい触媒、具体的には油生産井に関連して適用するのに好ましい触媒は、140℃で測定した場合、約10%未満の熱分解を示す
ものとする。
本発明の方法で使用するのに適したアミノ酸アルキルホスホナートのスケール防止剤の性能は、以下のような比較試験方法を用いることによって定量することができる。
熱安定性の評価
これは、合成した北海の海水の存在下でのホスホナートの熱安定性を評価するための試験である。この試験は、pH5.5で安定化された北海の海水およびホスホナートの混合物を140℃で1週間加熱することによって行った。熱分解は、31P NMR解析によって測定した。結果は、処理後に分解した生成物の質量パーセントで示した。
試験の詳細は以下の通りである:
−20%の活性な酸ホスホナート(AA)を含む水溶液(溶液1)をpH5.5で製造し;
−pH5.5を有する合成した北海の海水(溶液2)を製造し;
−1gの溶液1と19gの溶液2とを混合することによって1%の活性物質のサンプルを製造し;
−このようにして製造されたサンプルを、オーブン中に140℃で1週間置き;および、
−熱処理後にサンプルを、31P NMR分光分析を用いて熱分解に関して解析した。
塩水/海水の混和性
この試験によって、ホスホナートを100;1000;10000;および50000ppmで北海の海水に添加して90℃で22時間経過した後の、海水との混和性を評価した。溶液中に残存したカルシウムを、ICPによって測定した。
試験の詳細は以下の通りである:
−合成した北海の海水をpH5.5で製造し;
−活性酸が100、1000、10000および50000ppmの濃度になるようにホスホナートを合成した北海の海水の溶液に添加し;
−5種のブランク溶液を、必要量の蒸留水を北海の海水と混合して、同じ希釈率を得ることによって製造し、具体的には、合成した北海の海水の溶液に、活性酸ホスホナートを1、100、1000、10000および50000ppmで添加することによって得て;
−これらの、各ホスホナートを4種の濃度で含むホスホナートサンプル、加えて5種のブランクを、オーブン中で90℃で22〜24時間保存し;
−試験が完了したら、サンプルを目視で観察し;
−試験が完了したら、pH値を慎重にモニターし、各サンプルから50mlを採取し、40μmミリポア(Millipore)フィルターを通過させてろ過し、37%塩酸水溶液の添加によってpH2未満で安定化し;
−Ca許容度を以下のようにして計算した:
Figure 0005925256
式中、
0は、ブランク溶液中で検出されたCaのppmであり;および、
1は、ホスホナートを含む溶液中で検出されたCaのppmである。
硫酸バリウムによるスケール阻害
これは静電気による試験であって、油田が拡張している状態において、バリウムおよびストロンチウムのスケール阻害を予防する際のホスホナートの効率を評価することができる。この試験は、合成した北海の海水と、試験しようとするホスホナートを5種の異なる濃度で含む地層水との50/50の混合物中で90℃で22時間後に沈殿したBaSO4
およびSrSO4の量を測定することによって行われた。可溶性のBaおよびSrイオン
の量は、ICPによって測定した。この結果は、100%硫酸バリウムによるスケール阻害の場合の最小限のホスホナート濃度を示すか、または、ホスホナートの100ppm添加におけるスケール阻害を示す。
試験の詳細は以下に示す通りである:
Figure 0005925256
−合成した北海の海水および地層水をpH6を有するように調整した。これらの水溶液は、試験開始前に90℃に予熱した。酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液を製造し、必要なpHを得るために北海の海水に添加し;
−必要な量のスケール防止剤をガラスボトルに添加し、最終的な試験混合物において、本スケール防止剤の試験濃度(15、30、50、70および100ppmの活性なホスホン酸)を得て;
−このガラスボトルに、50mlの北海の海水を撹拌しながら添加した。続いてこのガラスボトルに、50mlの地層水を添加し;
−さらに1つのブランク溶液も、50mlの北海の海水と50mlの地層水とを混合することによって製造し;
−サンプルのボトルをオーブン中に90℃で22時間置き;
−22時間後、表面から3mlの各試験溶液を採取し、0.45μmミリポアフィルターを通過させてろ過し、安定化溶液を添加した。続いてサンプルを、ICPで、BaおよびSrに関して分析し;
−BaSO4およびSrSO4スケール阻害としてのホスホナートの効率を以下のようにして計算した:
Figure 0005925256
式中、
0は、ブランク溶液中で見出されたBa(またはSr)のppmであり;
1は、本防止剤を含む溶液中で見出されたBa(またはSr)のppmであり;
2は、地層水中に存在するBa(またはSr)のppmである。
本発明の方法で使用するためスケール防止剤のホスホナートサンプルの性能を前述の試験手順を用いて試験した。性能のデータは以下に示す通りである。
Figure 0005925256
一連のホスホナート防止剤を、上述した本方法を用いることによって熱安定性に関して
試験した。試験結果は、以下のように示される。
Figure 0005925256
一連のアミノ酸ホスホナート/ホスホン酸スケール防止剤の組み合わせの性能を、前述の試験手順を用いて試験した。以下の表に、試験データを要約する。アミノ酸ホスホナートとホスホン酸(ATMP)との重量の合計は100%であり、例えば30%のATMPが存在する場合、アミノ酸ホスホナートが70%存在することを意味する。
Figure 0005925256

Claims (11)

  1. 水を処理してスケール形成を抑制する方法であって、該方法は:
    i.以下の式で示されるアミノ酸アルキルホスホン酸:
    1−(B)x
    [式中A1は、以下の式:
    HOOC−A−NH2
    で示され、
    式中Aは、独立して、C2〜C20の直鎖状、分枝状、環式または芳香族炭化水素鎖から
    選択され、ここにおいて該炭化水素鎖は、C1〜C12の直鎖状、分枝状、環式または芳香
    族炭化水素基で任意に置換されていてもよく、ここにおいて該炭化水素基は、OH、COOHおよび/またはNH2部分で任意に置換され、および、
    Bは、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルホスホン酸部分であり、xは、1〜10の整数である]
    および、
    ii.以下の式で示されるアミノ酸アルキルホスホン酸:
    2−By
    [式中A2は、以下の式:
    HOOC−C(NH2)(R)(R’)
    で示され、
    式中RおよびR’は、独立して、C1〜C20の直鎖状、分枝状、環式または芳香族炭化
    水素鎖から選択され、ここにおいて該炭化水素鎖は、C1〜C12の直鎖状、分枝状、環式
    または芳香族NH2および/またはCOOHで任意に置換され、ここにおいてRまたはR’の一方が水素であってよく、
    ただし、
    Rおよび/またはR’が、少なくとも1個の孤立電子対を含む電子が豊富な部分であり、この部分が芳香族部分に直接共有結合している化合物;または、炭素原子のうち少なくとも1つがヘテロ原子で置換されている芳香族化合物;および、Rが−C(X)(R”)(R”’)であり、R’、R”およびR”’が水素であり、ここにおいてXがNO2、C
    N、COOH、SO3H、OHおよびハロゲンから選択される電子求引基である化合物は
    除外され、
    さらに、
    2がL−リシンである場合、少なくとも1つのL−リシンアミノラジカルが、2個の
    アルキルホスホン酸部分を有し;そして、
    2がL−グルタミン酸である場合、グルタミン酸ホスホン酸塩という用語は、反応生
    成物に基づき示した場合に50〜90質量%のピロリドンカルボン酸N−メチレンホスホン酸と、10〜50質量%のL−グルタミン酸ジホスホン酸との組み合わせを示し;そして、
    Bは、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルホスホン酸部分であり、yは、1〜10の範囲の整数である]
    からなる群より選択される閾値量のスケール防止剤を添加することを含む、上記方法。
  2. スケールがバリウムスケールである、請求項1に記載の方法。
  3. アミノラジカルに結合した1個のアルキレンホスホン酸基を有するL−リシンは、アミンラジカルに結合した1または2個のアルキレンホスホン酸基を有するL−リシンの合計量の20モル%以下で存在する、請求項1に記載の方法。
  4. (ii)に記載のアミノ酸アルキルホスホン酸におけるアミノ酸は:
    −D,L−アラニン(yが2である);
    −L−アラニン(yが2である);
    −L−フェニルアラニン(yが2である);
    −L−リシン(yが2〜4の範囲である);
    −L−アルギニン(yが2〜6の範囲である);
    −L−スレオニン(yが2である);
    −L−メチオニン(yが2である);
    −L−システイン(yが2である);および、
    −L−グルタミン酸(yが1〜2である)、
    から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. (i)に記載のアミノ酸アルキルホスホン酸におけるAは、1〜3個のNH2部分で置換されたC2〜C16の直鎖状炭化水素鎖から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. (i)に記載のアミノ酸アルキルホスホン酸中のアミノ酸は:
    −7−アミノヘプタン酸;
    −6−アミノヘキサン酸;
    −5−アミノペンタン酸;
    −4−アミノ酪酸;および、
    −β−アラニン
    (これら化学種それぞれにおいて、xは2である)、
    から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 100mg/リットルより高いバリウムおよび/またはストロンチウム硬度を含むスケールを形成する水系(該系は、pH2〜10を有する)に、0.1〜800ppmのアミノ酸アルキルホスホン酸スケール防止剤を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. スケールを形成する水系に、0.2〜100ppmのアミノ酸アルキルホスホン酸スケール防止剤を添加する、請求項1またはに記載の方法。
  9. アミノ酸アルキルホスホン酸スケール防止剤に加えて、ポリホスホン酸が存在しており
    、ここにおいて該ポリホスホン酸は:
    (a)アミノポリアルキレンポリホスホン酸(ここにおいてアルキレン部分は、1〜20個の炭素原子を含む);
    (b)ヒドロキシアルキレンポリホスホン酸(ここにおいてアルキレン部分は、2〜50個の炭素原子を含む);および、
    (c)ホスホノアルカンポリカルボン酸(ここにおいてアルカン部分は、直鎖状であり、3〜12個の炭素原子を含む)、
    からなる群より選択され、
    ここにおいてアミノ酸アルキルホスホン酸のポリホスホン酸に対する重量比は、98:2〜25:75の範囲である、請求項1に記載の方法。
  10. ポリホスホン酸は:アミノトリ(メチレンホスホン酸)、および、そのN−酸化物;エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸);ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸);ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸);ヒドロキシエチルアミノビス(メチレンホスホン酸);N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−エチレンジアミンヘキサ(メチレンホスホン酸);および、ブタン−2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボン酸から選択され、
    ここにおいてアミノ酸アルキルホスホン酸のポリホスホン酸に対する重量比は、90:10〜50:50の範囲である、請求項8に記載の方法。
  11. 相当するアルキルホスホン酸におけるアミノ酸は、α−アラニン;L−グルタミン酸;L−メチオニン;4−アミノ酪酸;5−アミノペンタン酸;6−アミノヘキサン酸、および、7−アミノヘプタン酸からなる群より選択される、請求項または10に記載の方法。
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