JP5923344B2 - 粘着シート - Google Patents

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本発明は、粘着シートに関する。
半導体ウエハは、大径の状態で製造され、表面にパターンを形成された後、裏面を研削により、通常、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くされる。その後、さらに素子小片に切断分離(ダイシング)され、マウント工程に移される。半導体ウエハの裏面を研削する工程(バックグラインド工程)においては、半導体ウエハのパターン面を保護するために粘着シートが用いられている。ウエハ加工に使用される粘着シートには、ウエハ研磨や切断等のプロセス時にウエハを保持し、ウエハ割れ等を防止できる程度の粘着力が要求されている。このような粘着シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂を含む基材上に、アクリル系粘着剤が塗布された粘着剤層を設けた粘着シートが提案されている(例えば、特許文献1)。
半導体ウエハの加工では、生産性を向上させるため、テープ貼付け装置を用いて粘着シートの貼付けが行われている。テープ貼付け装置において、テープ供給部から繰り出された粘着シートはセパレータを剥離され、貼付けローラーによりウエハ表面に貼付けられる。次いで、貼付けられた粘着シートはカッター刃でウエハ形状に切断される。ウエハ形状に切断後の不要なテープはテープ回収部に巻き取られ、新たなテープがテープ供給部から繰り出される。粘着シートは、使用前に、テープ貼付け装置に導入される。この際、セパレータを剥離した粘着シートを狭いロール間隙に通し、テープ回収部まで通紙する必要がある。しかしながら、加工時の要求を満足するような粘着力の高い粘着シートは、ロールに付着し易く、通紙が困難である。また、粘着力の高い粘着シートは、カット後の不要テープの巻き取りの際にも、テーブル等に付着し回収が困難となる場合がある。このように、粘着力の高い粘着シートでは、ウエハの生産性が低下する場合がある。
一方、粘着シートの粘着力を低下させた場合、ウエハ加工時の各プロセスにおいて、ウエハを十分に保持することが困難となる。そのため、例えば、バックグラインド工程でウエハの保護テープとして使用される場合、粘着力の低い粘着シートでは、研削中に研削水が侵入し、ウエハ割れが発生する場合がある。このように、粘着シートとして各用途に適した粘着力と通紙性等のセパレータ剥離後の取扱性とを両立することは困難である。
国際公開第2007/116856号パンフレット
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、十分な粘着力と通紙性等のセパレータ剥離後の取り扱い性(低いタック)とを両立した粘着シートを提供することにある。
本発明者らは検討を重ねた結果、粘着剤層のタックおよび粘着力という2つの独立した特性を、それぞれ、ボールタック試験におけるボールナンバーを2以下、シリコンミラーウエハに対する粘着力を0.3N/20mm以上とすることによって、上記課題を解決できることを見出した。
本発明の粘着シートは、基材層と粘着剤層とを備え、該粘着剤層のボールタック試験におけるボールナンバーは2以下であり、かつ、シリコンミラーウエハに対する粘着力は0.3N/20mm以上である。
好ましい実施形態においては、上記粘着剤層はポリオレフィン系樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記ポリオレフィン系樹脂はメタロセン触媒を用いて重合された非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体を含む。
好ましい実施形態においては、上記ポリオレフィン系樹脂は結晶性ポリプロピレン系樹脂をさらに含む。
好ましい実施形態においては、本発明の粘着シートは、粘着剤層形成材料と基材層形成材料とを共押し出し成形して得られる。
好ましい実施形態においては、本発明の粘着シートは半導体ウエハ加工用である。
本発明によれば、十分な粘着力を有し、かつ、通紙性等のセパレータ剥離後の取扱性(低タック)に優れた粘着シートを提供することができる。本発明の粘着シートはセパレータ剥離後の取扱性に優れるので、テープ貼付け装置へのテープ取り付け時の通紙が容易である。したがって、半導体ウエハの生産性をさらに向上させ得る。さらに、粘着シートとして十分な粘着力を有しているため、様々な用途に好適に用いることができる。本発明の粘着シートは特に半導体ウエハの加工用途に好適である。
本発明の好ましい実施形態による粘着シートの概略断面図である。
A.粘着シートの全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による粘着シートの概略断面図である。粘着シート100は、基材層10と粘着剤層20とをこの順に備える。
本発明の粘着シートは、さらに任意の適切な他の層を備え得る。他の層としては、例えば、基材層の粘着剤層とは反対側に備えられ、粘着シートに耐熱性を付与し得る表面層が挙げられる。
本発明の粘着シートは、粘着剤層のボールタック試験におけるボールナンバーが2以下である。粘着剤層のボールタック試験におけるボールナンバーが2以下であることにより、通紙性等のセパレーター剥離後の粘着シートの取扱性が向上する。そのため、テープ貼付け装置を用いて貼付け工程を行う場合には、テープ取り付け時の通紙が容易であり、半導体ウエハの生産性がさらに向上し得る。上記粘着剤層のボールタック試験におけるボールナンバーは、好ましくは1以下であり、より好ましくは0(すなわち、ボールナンバー1のボールが落下する)である。本明細書において、ボールタックは、JIS Z 0237に準じた傾斜式ボールタック法により、傾斜角30度で測定した値である。
本発明の粘着シートは、粘着剤層のシリコンミラーウエハに対する粘着力が0.3N/20mm以上である。上記粘着剤層の粘着力が0.3N/20mm以上であれば、粘着シートとして十分な粘着力を有しており、例えば、半導体ウエハの加工用途に用いられる場合には、ウエハを十分に保持し得る。上記粘着剤層のシリコンミラーウエハに対する粘着力は、好ましくは0.3N/20mm〜3.0N/20mmであり、より好ましくは0.4N/20mm〜2.5N/20mmであり、さらに好ましくは0.4N/20mm〜2.0N/20mmである。なお、上記粘着力は、半導体ミラーウエハ試験板(シリコン製)を用いて、JIS Z 0237(2000)に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、剥離速度:300mm/min、剥離角度180°)で測定された値である。本発明の粘着シートは、上記のボールタック試験におけるボールナンバーが2以下という特性(すなわち、低タック)と粘着シートに要求される十分な粘着力とを両立することができる。
本発明の粘着シートの厚みは、好ましくは90μm〜285μmであり、より好ましくは105μm〜225μmであり、さらに好ましくは120μm〜205μmである。
上記基材層の厚みは、好ましくは30μm〜185μmであり、より好ましくは65μm〜175μmである。
上記粘着剤層の厚みは、好ましくは20μm〜100μmであり、より好ましくは25μm〜65μmである。
本発明の粘着シートは、セパレータにより保護された状態で提供され得る。本発明の粘着シートは、セパレータにより保護された状態で、ロール状に巻き取ることができる。セパレータは、実用に供するまで粘着シートを保護する保護材としての機能を有する。セパレータとしては、例えば、シリコン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン)フィルム、紙または不織布などが挙げられる。
本発明の粘着シートは、例えば、セパレータにより保護されていない場合、粘着剤層とは反対側の最外層に、背面処理を行っていても良い。背面処理は、例えば、シリコン系剥離剤や長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤を用いて行うことができる。本発明の粘着テープは、背面処理を行うことにより、ロール状に巻き取ることが容易となる。
B.粘着剤層
上記粘着剤層は、ボールタック試験におけるボールナンバーが2以下であり、かつ、シリコンミラーウエハに対する粘着力が0.3N/20mm以上であればよい。上記粘着剤層は、任意の適切な粘着剤により構成される。例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を含む粘着剤等が挙げられる。該粘着剤層は、好ましくはポリオレフィン系樹脂を含む。具体的には、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、低結晶ポリプロピレン、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体などのエチレン共重合体やポリオレフィン変性ポリマー等が挙げられる。該粘着剤層は、より好ましくは非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体を含む。このような粘着剤層を用いることにより、十分な粘着力を保持し、かつ、セパレータ剥離後の取扱性に優れた粘着シートが得られる。さらに、このような粘着剤層であれば、基材層との共押し出し成形により粘着シートを製造することが可能であり、少ない工程数で、かつ、有機溶剤を使用することなく粘着シートを得ることができる。なお、本明細書において、「非晶質」とは、結晶質のように明確な融点を有さない性質をいう。
上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は、好ましくはメタロセン触媒を用いて、プロピレンと1−ブテンとを重合することにより得ることができる。より詳細には、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は、例えば、メタロセン触媒を用いてプロピレンと1−ブテンとを重合させる重合工程を行い、当該重合工程の後、触媒残さ除去工程、異物除去工程等の後処理工程を行うことにより、得ることができる。非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は、このような工程を経て、例えば、パウダー状、ペレット状等の形状で得られる。メタロセン触媒としては、例えば、メタロセン化合物とアルミノキサンとを含むメタロセン均一混合触媒、微粒子状の担体上にメタロセン化合物が担持されたメタロセン担持型触媒等が挙げられる。
上記のようにメタロセン触媒を用いて重合された非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は、狭い分子量分布を示す。上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1.1〜2であり、特に好ましくは1.2〜1.9である。分子量分布が狭い非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は低分子量成分が少ないので、このような非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体を用いれば、低分子量成分のブリードによる被着体の汚染を防止し得る粘着シートを得ることができる。
上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体における、プロピレン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは80モル%〜99モル%であり、より好ましくは85モル%〜99モル%であり、さらに好ましくは90モル%〜99モル%である。
上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体における、1−ブテン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは1モル%〜15モル%であり、より好ましくは1モル%〜10モル%である。このような範囲であれば、靭性と柔軟性とのバランスに優れた粘着シートを得ることができる。
上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体の重量平均分子量(Mw)は好ましくは200,000以上であり、より好ましくは200,000〜500,000であり、さらに好ましくは200,000〜300,000である。非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体の重量平均分子量(Mw)がこのような範囲であれば、一般的なスチレン系熱可塑性樹脂、アクリル系熱可塑性樹脂(Mwが100,000以下)と比較して、低分子量成分が少なく、被着体の汚染を防止し得る粘着シートを得ることができる。また、共押し出し成形の際、加工不良なく粘着剤層を形成することができ、かつ、適切な粘着力を得ることができる。
上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体の230℃、2.16kgfにおけるメルトフローレートは、好ましくは1g/10min〜50g/10minであり、より好ましくは5g/10min〜30g/10minであり、さらに好ましくは5g/10min〜20g/10minである。非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体のメルトフローレートがこのような範囲であれば、共押し出し成形により、加工不良なく厚みの均一な粘着剤層を形成することができる。メルトフローレートは、JISK7210に準じた方法により測定することができる。
上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他のモノマー由来の構成単位を含んでいてもよい。その他のモノマーとしては、例えば、エチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン等が挙げられる。
好ましくは、上記粘着剤層は、F、Cl、Br、NO 、NO 、SO 2−、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、NH を実質的に含まない。被着体を当該イオンで汚染することを防止することができるからである。このような粘着剤層を備える粘着シートは、例えば、半導体ウエハ加工用に用いられる場合、回路の断線または短絡等を生じさせることがない。上記イオンを含まない粘着剤層は、例えば、当該粘着剤層に含まれる非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体を上記のようにメタロセン触媒を用いて溶液重合することにより得ることができる。当該メタロセン触媒を用いた溶液重合においては、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体は、重合溶媒とは異なる貧溶媒を用いて析出単離(再沈殿法)を繰り返して、精製することができるので、上記イオンを含まない粘着剤層を得ることができる。なお、本明細書において、「F、Cl、Br、NO 、NO 、SO 2−、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、NH を実質的に含まない」とは、標準的なイオンクロマトグラフ分析(例えば、ダイオネクス社製、商品名「DX−320」、「DX−500」を用いたイオンクロマトグラフ分析)において検出限界未満であることをいう。具体的には、粘着剤層1gに対して、F、Cl、Br、NO 、NO 、SO 2−およびKがそれぞれ0.49μg以下、LiおよびNaがそれぞれ0.20μg以下、Mg2+およびCa2+がそれぞれ0.97μg以下、NH が0.5μg以下である場合をいう。
上記粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)は、好ましくは0.5×10Pa〜1.0×10Paであり、より好ましくは0.8×10Pa〜3.0×10Paである。上記粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)がこのような範囲であれば、十分な粘着力を保持し、かつ、セパレーター剥離後の取扱性に優れた粘着シートが得られる。また、このような貯蔵弾性率(G’)の上記粘着剤層を備える粘着シートは、半導体ウエハ加工用に用いられる場合、ウエハの裏面研削における優れた研削精度の達成に寄与し得る。なお、本発明における貯蔵弾性率(G’)は、動的粘弾性スペクトル測定により測定することができる。
上記粘着剤層は、十分な粘着力を保持し、かつ、セパレーター剥離後の取扱性に優れた粘着シートを提供するために、さらに結晶性ポリプロピレン系樹脂を含んでいてもよい。結晶性ポリプロピレン系樹脂の含有割合は、所望とする粘着力およびボールタックに応じて任意の適切な割合に設定され得る。結晶性ポリプロピレン系樹脂の含有割合は、好ましくは、上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体と当該結晶性ポリプロピレン系樹脂との合計重量に対して、好ましくは0重量%〜50重量%であり、より好ましくは0重量%〜40重量%であり、さらに好ましくは0重量%〜30重量%である。
上記結晶性ポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレンであってもよく、プロピレンとプロピレンと共重合可能なモノマーとにより得られる共重合体であってもよい。プロピレンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン等が挙げられる。
上記結晶性ポリプロピレン系樹脂は、好ましくは上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体同様、メタロセン触媒を用いて重合することにより得られる。このようにして得られた結晶性ポリプロピレン系樹脂を用いれば、低分子量成分のブリードによる被着体の汚染を防止することができる。
上記結晶性ポリプロピレン系樹脂の結晶化度は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上である。結晶化度は、代表的には、示差走査熱量分析(DSC)またはX線回折により求められる。
上記粘着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。その他の成分の種類および使用量は、目的に応じて適切に選択され得る。
C.基材層
上記基材層は、任意の適切な樹脂により形成される。好ましくは、後述の共押し出し成形が可能な熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリエチレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMA)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック重合体(SEBS)、高分子量ポリエチレン(HDPE)、低分子量ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低分子量ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。上記基材層は、好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜200,000であり、より好ましくは30,000〜190,000である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)がこのような範囲であれば、共押し出し成形の際、加工不良なく基材層を形成することができる。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の190℃、2.16kgfにおけるメルトフローレートは、好ましくは2g/10min〜20g/10minであり、より好ましくは5g/10min〜15g/10minであり、さらに好ましくは7g/10min〜12g/10minである。エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートがこのような範囲であれば、共押し出し成形により、加工不良なく基材層を形成することができる。
上記基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、上記B項で説明した粘着剤層に含まれ得るその他の成分と同様の成分が用いられ得る。
D.粘着シートの製造方法
本発明の粘着シートは任意の適切な方法で製造され得る。本発明の粘着シートの製造方法は、好ましくは上記粘着剤層を形成する材料と上記基材層を形成する材料とを共押し出しする工程を含む。共押し出し成形により、層間の接着性が良好な粘着シートを、少ない工程数で、かつ、有機溶剤を使用することなく製造することができる。
上記共押し出し成形において、上記粘着剤層および上記基材層を形成する材料は、上記の各層の成分を任意の適切な方法で混合した材料が用いられ得る。
上記共押し出し成形の具体的方法としては、例えば、ダイスに連結した少なくとも2台の押し出し機のうち、1台に粘着剤層を形成する材料を、別の1台に基材層を形成する材料を、それぞれ供給し、溶融後、押し出し、タッチロール成形法により引き取り、積層体を成形する方法が挙げられる。粘着シートがさらに耐熱性を付与し得る表面層を有する場合には、さらに押し出し機を追加し、該押し出し機から表面層を形成する材料を供給することにより、積層体を形成し得る。押し出しの際、各形成材料が合流する部分は、ダイス出口(ダイスリップ)に近いほど好ましい。ダイス内で各形成材料の合流不良が生じ難いからである。したがって、上記ダイスとしては、マルチマニホールド形式のダイスが好ましく用いられる。なお、合流不良が生じた場合、合流ムラ等の外観不良、具体的には押し出された粘着剤層と基材層との間で波状の外観ムラが発生して好ましくない。また、合流不良は、例えば、異種形成材料のダイス内における流動性(溶融粘度)の差が大きいこと、および各層の形成材料のせん断速度の差が大きいことを原因として生じるので、マルチマニホールド形式のダイスを用いれば、流動性の差がある異種形成材料について、他の形式(例えば、フィードブロック形式)よりも、材料選択の範囲が拡がる。各形成材料の溶融に用いる押し出し機のスクリュータイプは単軸であってもよく、2軸であってもよい。押し出し機は、3台以上であってもよい。また、3台以上の押し出し機を用いて、2層構造(基材層+粘着剤層)の粘着シートを製造する場合、同一の形成材料を隣り合う2台以上の押し出し機に供給すればよく、例えば、3台の押し出し機を用いる場合は、隣り合う2台の押し出し機に同一の形成材料が供給され得る。
上記共押し出し成形における成形温度は、好ましくは160℃〜220℃であり、より好ましくは170℃〜200℃である。このような範囲であれば、成形安定性に優れる。
上記粘着剤層を形成する材料と上記基材層を形成する材料との、温度180℃、せん断速度100sec−1におけるせん断粘度の差(粘着剤層を形成する材料−基材層を形成する材料)は、好ましくは−150Pa・s〜600Pa・sであり、より好ましくは−100Pa・s〜550Pa・sであり、さらに好ましくは−50Pa・s〜500Pa・sである。このような範囲であれば、上記粘着剤層を形成する材料および基材層を形成する材料のダイス内での流動性が近く、合流不良の発生を防止することができる。なお、せん断粘度は、ツインキャピラリー型の伸長粘度計により測定することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、部は重量部を意味する。
[実施例1]
基材層を形成する材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、商品名「エバフレックスP−1007」)を用いた。
粘着剤層を形成する材料として、メタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」:プロピレン由来の構成単位90モル%/1−ブテン由来の構成単位10モル%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8)を用いた。
上記基材層を形成する材料100部、および、上記粘着剤層を形成する材料100部をそれぞれの押し出し機に投入し、Tダイ溶融共押し出しした(押し出し機:ジー・エム・エンジニアリング社製、商品名「GM30−28」/Tダイ:フィードブロック方式、押出温度:180℃)。ダイスから共押し出しされた溶融状態の樹脂と、タッチロール成形部に通紙したSi塗布PETセパレータ(三菱化学社製、商品名「ダイアホイル MRF」、厚み38μm)とを、セパレータと粘着剤層とが接するように積層した後、冷却し、基材層(厚み100μm)/粘着剤層(厚み30μm)/セパレータ(厚み38μm)の粘着シートを得た。なお、基材層および粘着剤層の厚みは、Tダイ出口の形状により制御した。
(比較例1)
500mlのフラスコに、25℃にて、アクリル酸n−ブチル100部、アクリル酸3部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部、酢酸エチル100部を投入した。次いで、撹拌しながら、フラスコに窒素ガスを約1時間導入し、内部の空気を窒素で置換した。次いで、フラスコを加温して、フラスコ内の温度を60℃まで上昇させ、粘度調整のため適宜酢酸エチルを投入しながら、約6時間保持して重合を行い、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液100部に、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)2部、多官能エポキシ化合物(三菱瓦斯化学製、商品名「テトラッドC」)0.5部を添加して、酢酸エチルで希釈しながら、均一になるまで攪拌して粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を、Si塗布PETセパレータ(三菱化学社製、商品名「ダイアホイル MRF」、厚み38μm)上に塗布し、乾燥オーブンにて70℃および130℃で、それぞれ3分間乾燥して、厚みが30μmの粘着剤層を形成した。次いで、該粘着剤層と厚み100μmになるように押出した基材層(三井デュポン(株)社製、商品名「エバフレックスP−1007」(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂))とを貼り合せ、粘着シートを得た。
(比較例2)
多官能エポキシ化合物を3.0部とした以外は比較例1と同様にして、粘着シートを得た。
[評価]
実施例1および比較例1〜2で得られた粘着シートについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)粘着力
得られた粘着シートを50℃にて2日間エージングした後、4インチ半導体ウエハのミラー面(シリコン製)、JIS Z 0237(2000)に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、剥離速度:300mm/min、剥離角度180°)により測定した。
(2)ボールタック
JIS Z 0237に準じた方法(傾斜式ボールタック、傾斜角30度)により測定した。保持した最大のボールのボールナンバーをボールタックとし、ボールナンバー1のボールが落下した場合は、0とした。
(3)通紙性
実施例および比較例で得られた粘着シートを半導体用粘着シート貼付け機(日東精機社製、商品名「DR−3000III」)に通紙した。セパレータを剥離した粘着シートが各ロールに付着することなく通紙できた場合を通紙性良好、ロールに付着し、通紙するために付着部の剥離が必要であったり、通紙が困難な場合を不良とした。
(4)バックグラインド性
実施例および比較例で得られた粘着シートを8インチミラーウエハに貼付け、100μmの厚さまでバックグラインドを実施した。問題なくバックグラインドが完了したものを良好、外周部より研削水が浸入し、ウエハ割れが見られたものを不良とした。
Figure 0005923344
実施例1の粘着シートの粘着剤層は高い粘着力を有しており、ボールタック試験ではボールナンバー1のボールも落下した。そのため、実施例1の粘着シートでは良好な通紙性と良好なバックグラインド性とを両立することができた。
一方、比較例1の粘着シートは、高い粘着力を有しているため、バックグラインド性は優れていた。しかしながら、タックも高いため、通紙が困難であり、セパレータ剥離後の取扱性が劣っていた。また、比較例2の粘着シートは、タックが低く、通紙性は良好であった。しかしながら、粘着力が低いため、バックグラインド時にウエハ割れが発生した。このように、比較例1および2の粘着シートでは、通紙性とバックグラインド性の両立は困難であった。
本発明の粘着シートは、例えば、半導体装置製造の際のワーク(半導体ウエハ等)の保護に好適に用いることができる。
10 基剤層
20 粘着材層
100 粘着シート

Claims (2)

  1. 基材層と粘着剤層とを備え、
    該粘着剤層のボールタック試験におけるボールナンバーが2以下であり、かつ、
    シリコンミラーウエハに対する粘着力が0.3N/20mm以上であり、
    該粘着剤層が、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体と、結晶性ポリプロピレン系樹脂とを含む、
    粘着シート。
  2. 半導体ウエハ加工用である、請求項1に記載の粘着シート。
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