JP3469384B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP3469384B2 JP34691995A JP34691995A JP3469384B2 JP 3469384 B2 JP3469384 B2 JP 3469384B2 JP 34691995 A JP34691995 A JP 34691995A JP 34691995 A JP34691995 A JP 34691995A JP 3469384 B2 JP3469384 B2 JP 3469384B2
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    • C09J153/00Adhesives based on block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2666/00Composition of polymers characterized by a further compound in the blend, being organic macromolecular compounds, natural resins, waxes or and bituminous materials, non-macromolecular organic substances, inorganic substances or characterized by their function in the composition
    • C08L2666/02Organic macromolecular compounds, natural resins, waxes or and bituminous materials

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤組成物に関す
る。より詳細には、本発明はホットメルト接着剤および
ホットメルト型の感圧接着剤として有効に使用できる接
着剤組成物に関する。本発明の接着剤組成物は、加工安
定性、接着性、耐クリープ性、低温柔軟性、耐溶剤性な
どの諸特性に優れており、それらの特性を活かして、包
装、製本、合板の製造、木工、製靴、繊維製品の接着、
各種粘着テープ、ラベルなどの種々の粘着製品などの製
造などの広範な用途に有効に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】 従来、各種の用途に用いられる接着剤
として溶剤型接着剤が広く用いられてきたが、溶剤を使
用していることにより、大気汚染、火災発生の危険、労
働環境や衛生面の悪化などの問題がある。そのため、近
年、溶剤型接着剤に代わるものとして無溶剤型の接着剤
が広く用いられるようになっている。無溶剤型の接着剤
の代表例としては、水溶液や水分散液の形態にした水性
接着剤および加熱溶融して用いるホットメルト接着剤が
挙げられるが、そのうちでもホットメルト接着剤は、水
を使用していないことにより、乾燥時間や乾燥装置を必
要とせず、しかも接着剤の適用後短時間で被着体の接着
を完了できて、省エネルギー、作業性、生産性などの点
で優れているため、広く用いられるようになっている。
【0003】 また、接着剤の一種として、粘着性を利
用して接着(貼着)を行うようにした感圧接着剤が知ら
れており、別名粘着剤とも称されている。かかる感圧接
着剤の層を紙、布帛、プラスチックなどのテープ、フイ
ルム、シートなどの基材上に設けた粘着製品は、粘着テ
ープ、粘着フイルム、粘着シートなどとして、種々の用
途で広く使用されている。そして、感圧接着剤層を有す
る粘着テープや粘着シートなどの粘着製品の製造に当た
っては、感圧接着剤を溶剤に溶解した溶液を基材に塗布
した後、溶剤を除去して感圧接着剤層を基材上に形成さ
せる方法が従来から一般に行われているが、この場合に
も溶剤の使用伴う大気汚染、火災発生の危険、労働環
境や衛生面の悪化などの問題がある。そこで、安全性、
作業性、省エネルギーなどの点から無溶剤型の感圧接着
剤の必要性が認識されるようになっており、溶剤を使用
しないで加熱溶融して基材に塗布することのできるホッ
トメルト型の感圧接着剤の開発が行われるようになって
いる。
【0004】ホットメルト接着剤およびホットメルト型
の感圧接着剤は、いずれも加熱すると溶融する(ホット
メルトする)熱可塑性重合体をベースポリマーとして用
いている。ホットメルト接着剤のベースポリマーとして
は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オ
レフィン共重合体、ポリアミド、ポリエステル、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体などのビニル
芳香族モノマー重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロ
ックからなるブロック共重合体などが使用されており、
またホットメルト型の感圧接着剤のベースポリマーとし
ては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族モ
ノマーからなる重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロ
ックからなるブロック共重合体、アクリル酸エステル系
重合体、ポリアミド、ポリエチレンなどが使用されてい
る。
【0005】上記したベースポリマーのうちでも、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体が、タフさ、紙、木材、プラ
スチック、金属などの各種基材に対する良好な接着性、
他の成分(粘着付与剤、ワックス、軟化剤など)との良
好な相溶性、加熱流動性や熱安定性などが優れているな
どの点から、ホットメルト接着剤およびホットメルト型
の感圧接着剤におけるベースポリマーとして広く用いら
れている。しかし、エチレン・酢酸ビニル共重合体は低
温での柔軟性が不充分であるため、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体をベースポリマーとするホットメルト型接着
剤を用いた被接着物やホットメルト型の感圧接着剤を用
いた各種粘着製品は低温での使用に適さないという問題
点がある。
【0006】また、ポリアミドやポリエステルはエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体に比べて、粘着付与剤などの他
の成分との相溶性が低いために配合の自由度が少なく、
しかもエチレン・酢酸ビニル共重合体に比べて取り扱い
性、各種基材に対する接着性などの点で劣っている。
【0007】 一方、ビニル芳香族モノマーの重合体ブ
ロックと共役ジエン重合体ブロックからなる水素添加し
ていないブロック共重合体(未水添ブロック共重合体)
は常温での接着性および粘着性が比較的良好なことか
ら、ホットメルト接着剤およびホットメルト型の感圧接
着剤のベースポリマーとして広く使用されているが、か
かる未水添ブロック共重合体は共役ジエンに由来する不
飽和結合を分子中に有していることから耐熱劣化性およ
び耐候性が著しく劣っている。かかる問題を改良したも
のとして、ビニル芳香族モノマーの重合体ブロックと共
役ジエン重合体ブロックからなる水素添加したブロック
共重合体がホットメルト接着剤およびホットメルト型の
感圧接着剤のベースポリマーとして用いられることがあ
るが、かかる水素添加したブロック共重合体は、溶融粘
度が高くて低温で基材に塗工できないために、ポリエチ
レンフイルム、ポリエチレン製不織布などの熱変形温度
の低い材料への塗工が困難であり、しかも溶融粘度の温
度依存性が大きくて僅かの温度変化で溶融粘度が大きく
変化するために加工安定性に劣っており、加工条件の制
約が大きい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
における柔軟性に優れ、ホットメルト型の各種接着剤組
成物(ホットメルト接着剤やホットメルト型の感圧接着
剤など)で用いられる種々の成分との相溶性が良好で配
合の自由度が高く、溶融粘度が比較的低くて低温で塗工
作業を容易に行うことができ、溶融粘度の温度依存性が
低くて加工安定性に優れ、しかも優れた接着力や粘着
力、保持力を示すホットメルト接着剤およびホットメル
ト型の感圧接着剤(粘着剤)として適する接着剤組成物
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、特定の水素添加ブタジ
エン重合体ブロックと特定のオレフィン重合体ブロック
からなるブロック共重合体がホットメルト接着剤やホッ
トメルト型の感圧接着剤で用いられている粘着付与樹脂
やその他の成分との相溶性が極めて良好であること、そ
してそのブロック共重合体をベースポリマーとし、それ
に粘着付与樹脂を配合して得られる組成物は、低温にお
ける柔軟性が良好であり、溶融粘度の温度依存性が低く
て加工安定性に優れ、ホットメルト接着剤やホットメル
ト型の感圧接着剤として極めて適していることを見出し
て、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、ブロック共重合体
(a)および粘着付与樹脂(b)を含有する接着剤組成物で
あって、 (i) ブロック共重合体(a)が、水素添加ブタジエン
重合体からなる重合体ブロックAを少なくとも1個、お
よび前記重合体ブロックAとは異なる実質的にオレフィ
ン重合体構造を有している重合体からなる重合体ブロッ
クBを少なくとも1個有しており; (ii) ブロック共重合体(a)における重合体ブロック
Aが、ビニル結合量が20%以下のブタジエン重合体ブ
ロックを水素添加したものであり; (iii) ブロック共重合体(a)における重合体ブロッ
クBのガラス転移温度が−20℃以下で且つ結晶融解熱
が8cal/g以下であり;そして (iv) ブロック共重合体(a)において、水素添加処理
前の重合体ブロックAの含有率が、水素添加処理前のブ
ロック共重合体(a)の全重量に基づいて3〜80重量%
である; ことを特徴とする接着剤組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の接着剤組成物は、いわゆる接着力
(粘着を含まない狭義の接着力)を利用して接着を行う
のに用いる接着剤組成物、および粘着力を利用して貼着
(接着)を行うのに用いる感圧接着剤組成物(粘着剤組
成物)の両方を包含している。したがって、本願明細書
で単に“接着剤”または“接着剤組成物”という場合
は、感圧接着剤(感圧接着剤組成物)をも含めた広義の
接着剤(接着剤組成物)を意味する。
【0012】そして、本願明細書で“ホットメルト接着
剤(ホットメルト接着剤組成物)”という場合は、接着
剤(接着剤組成物)を加熱溶融して溶融状態で接着剤
(接着剤組成物)を被着体に施して接着剤(接着剤組成
物)を低温で固化させて接着を行うのに用いられる接着
剤(接着剤組成物)を意味する。また、本願明細書で
“感圧接着剤(感圧接着剤組成物)”および“粘着剤
(粘着組成物)”という場合は、接着剤の粘着力を利用
して貼着(接着)するのに用いられる接着剤(接着剤組
成物)を意味する。そして、特に、本願明細書でいう
“ホットメルト型の感圧接着剤(接着剤組成物)”およ
び“ホットメルト型の粘着剤(粘着剤組成物)”とは、
接着剤(接着剤組成物)を紙、布帛、プラスチックフイ
ルムなどの基材に施して粘着テープや粘着シートなどの
粘着製品を製造する際に、接着剤を加熱溶融した状態で
基材に塗布して基材上に感圧接着剤(感圧接着剤組成
物;粘着剤)の層を形成することのできる接着剤(接着
剤組成物)をいう。
【0013】 本発明の接着剤組成物は、特定のブロッ
ク共重合体(a)をベースポリマーとして含有し、そのベ
ースポリマーと共に粘着付与樹脂(b)を必須成分として
含有している。そして、本発明の接着剤組成物では、ブ
ロック共重合体(a)が、 (i) ブロック共重合体(a)が、水素添加ブタジエン
重合体からなる重合体ブロックA(以下単に「ブロック
A」という)を少なくとも1個、および前記ブロックA
とは異なる実質的にオレフィン重合体構造を有している
重合体からなる重合体ブロックB(以下単に「ブロック
B」という)を少なくとも1個有しており; (ii) ブロック共重合体(a)におけるブロックAが、
その水素添加前の状態においてビニル結合量が20%以
のブタジエン重合体ブロックであり; (iii) ブロック共重合体(a)におけるブロックBの
ガラス転移温度が−20℃以下で且つ結晶融解熱が8c
al/g以下であり;そして (iv) ブロック共重合体(a)において、水素添加処理
前のブロックAの含有率が、水素添加処理前のブロック
共重合体(a)の全重量に基づいて3〜80重量%であ
る;ことが必要である。
【0014】 ブタジエンの重合形式にはブタジエンの
4個の炭素原子のすべてが重合体の主鎖に組み込まれる
1,4−結合と、ブタジエンの2個の炭素原子のみが重
合体の主鎖に組み込まれ残りの2個の炭素原子が側鎖ま
たは分岐鎖となる1,2−結合(3,4−結合)(すな
わちビニル結合)があるが、本発明の接着剤組成物で
は、ブロック共重合体(a)を構成するブロックAが、そ
の水素添加前の状態で、1,2−結合(3,4−結合)
の量、すなわちビニル結合量が20%以下のブタジエン
重合体ブロックであることが必要である[上記の要件
(ii)]。水素添加前のブロックA(以下これを「未水
添ブロックA」ということがある)におけるビニル結合
量が20%を超えると、ブロック共重合体(a)の結晶性
が低下して、ブロック共重合体(a)を含む接着剤組成物
の保持力が低くなって、接着性(粘着性)に劣ったもの
となる。接着性(粘着性)に優れた接着剤組成物を得る
ためには、ブロック共重合体(a)を構成するブロックA
、その水素添加前の状態においてビニル結合量が15
%以下のブタジエン重合体ブロックであるのが好まし
い。
【0015】そして、ブロックAでは、その水素添加率
(以下「水添率」という)が70%以上であることが好
ましく、80%以上であることがより好ましい。ブロッ
クAの水添率が70%未満であると、ブロック共重合体
(a)の結晶性が低下して、ブロック共重合体(a)を含む
接着剤組成物の保持力が低くなり、接着性(粘着性)が
低下したものとなり易く、また接着剤組成物の耐熱老化
性、耐候性なども劣ったものとなり易い。
【0016】 また、ブロック共重合体(a)を構成する
もう一方のブロックBは、ブロックAとは異なる重合体
ブロックであって、実質的にオレフィン重合体構造を有
していることが必要である。ここで、「ブロックBが実
質的にオレフィン重合体構造を有している」とは、ブロ
ックBが、イソブチレン、プロピレン、エチレン、その
他のα−オレフィン系モノマーの重合体により形成され
ているか、および/またはイソプレン、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,
3−ヘキサジエン、ブタジエンなどの共役ジエンの重合
体を水素添加して得られる重合体から実質的に形成され
ていることを意味しており、ブロックBとなった状態
で、α−オレフィン類を重合して得られる重合体と実質
的に同じ構造を有していればよい。例えば、水素添加し
たイソプレン重合体のブロックは、プロピレン・エチレ
ン共重合体のブロックと実質的に同じ構造を有してお
り、したがって水素添加したイソプレン重合体のブロッ
クは、本発明でいう“実質的にオレフィン重合体構造を
有する重合体ブロック”の一種に相当する。
【0017】 ところで、水素添加したブタジエン重合
体のブロックも、ポリエチレンのブロックと実質的に
同じ構造を有していて、“実質的にオレフィン重合体構
造を有している重合体ブロック”の範疇に包含され得る
が、本発明の接着剤組成物で用いるブロック共重合体
(a)では、ブロックBがブロックAとは異なった重合体
ブロックからなっていることがその構造上必要であるか
ら、ブロックBには水素添加した、ビニル結合含有量が
20%以下のブタジエン重合体のブロックは含まれな
い。
【0018】ブロックBは、水素添加した、ビニル結合
含有量が20%以下のブタジエン重合体のブロックでな
い限りは、上記したα−オレフィン類および共役ジエン
からなるモノマーの1種または2種以上を用いて形成さ
れており、ここで共役ジエンが用いられている場合は水
素添加してオレフィン重合体構造にされていればよい。
そして、ブロックBが2種以上の前記したモノマーから
形成されている場合は、その重合形式は、ランダム状、
ブロック状、テーパー状のいずれであってもよいが、ラ
ンダム状であることが好ましい。また、限定されるもの
ではないが、ブロックBは、例えばエチレン・プロピレ
ン交互共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合
体、エチレン・イソブチレンランダム共重合体、水素添
加したイソプレン重合体、水素添加したイソプレン・ブ
タジエン共重合体などのブロックから形成することがで
き、そのうちでも水素添加したイソプレン重合体、水素
添加したイソプレン−ブタジエン共重合体から形成する
のが接着剤組成物の接着力の点から好ましい。
【0019】ブロックBが、共役ジエンを用いて形成さ
れている場合は、その水素添加前の状態で、ビニル結合
量(すなわち1,2−結合量および3,4−結合量)が
50%以下であることが好ましい。ブロックBにおける
ビニル結合量が50%を超えると、そのようなブロック
共重合体を含有する接着剤組成物の低温特性が不良なも
のとなり易い。そして、ブロックBが、共役ジエンを用
いて形成されている場合は、その水添率は70%以上で
あることが好ましく、80%以上であることがより好ま
しい。水添率が70%未満の場合は、接着剤組成物の耐
熱老化性、耐候性などが劣ったものとなり易い。また、
ブロックBは、接着剤組成物の耐熱老化性などの特性を
損なわない限り、必要に応じて少量(通常30重量%未
満)のオレフィン重合体構造以外の構造部分(例えば共
役ジエンの水素添加されていない構造部分、オレフィン
モノマーおよび共役ジエンモノマーの水素添加した構造
部分以外の他のモノマーに由来する構造部分)を有して
いてもよい。
【0020】 そして本発明では、さらにブロック共重
合体(a)を構成するブロックBのガラス転移温度が−2
0℃以下で且つ結晶融解熱が8cal/g以下であるこ
とが必要である[上記の要件(iii)]。ブロックBの
ガラス転移温度が−20℃よりも高いと、ブロック共重
合体(a)のゴム弾性が低下して、接着剤組成物の低温に
おける柔軟性が劣ったものとなる。また、ブロックBの
結晶融解熱が8cal/gを超えるとブロック共重合体
(a)の室温での柔軟性および低温特性が低下して、接着
剤組成物は低温で脆化が生ずるようになる。接着剤組成
物の柔軟性および低温特性の点から、ブロックBのガラ
ス転移温度が−30℃以下であり、且つ結晶融解熱が5
cal/g以下であることがより好ましい。ここで、本
発明でいうブロックBのガラス転移温度とは、水素添加
後のブロック共重合体についてDSC(示差走査熱量
)によって測定したブロックB部分のガラス転移温度
の値をいい、その詳細は以下の実施例の項で記載すると
おりである。また、本発明でいうブロックBの結晶融解
熱とは水素添加後のブロック共重合体についてDSCに
よって測定したブロックB部分の結晶融解熱の値をい
い、その詳細は以下の実施例の項で記載するとおりであ
る。
【0021】そして、本発明の接着剤組成物では、ブロ
ック共重合体(a)において、水素添加前の状態で、水素
添加前のブロックA(以下、これを「未水添ブロック
A」と略称する)の含有率が、水素添加前のブロック共
重合体(a)の全重量に基づいて、3〜80重量%である
(換言するとブロックBの含有率が97〜20重量%で
ある)ことが必要である[上記の要件(iv)]。未水添
ブロックAの含有率は5〜70重量%であることが好ま
しい。ブロック共重合体(a)における未水添ブロックA
の含有率が3重量%未満であると、接着剤組成物の凝集
力が不足して良好な接着力(粘着力)が得られなくな
る。一方、ブロック共重合体(a)における未水添ブロ
ックAの含有率が80重量%を超えると、接着剤組成物
は、柔軟性が著しく劣ったものとなり、また感圧接着剤
(粘着剤)として用いる場合は粘着性が低くなり、感圧
接着剤(粘着剤)としての機能を果たさなくなる。
【0022】また、ブロック共重合体(a)におけるブロ
ックAおよびブロックBの分子量、並びにブロック共重
合体(a)の分子量は特に制限されないが、水素添加前の
状態において、ブロックAの数平均分子量が2,500
〜200,000であり、ブロックBの数平均分子量が
30,000〜300,000であり、そしてブロック
共重合体(a)の数平均分子量が10,000〜1,00
0,000であることが、接着剤組成物の加工性の点か
ら好ましく、ブロック共重合体(a)の数平均分子量が2
0,000〜300,000であることがより好まし
い。
【0023】そして、ブロック共重合体(a)は、上記し
たブロックAを少なくとも1個有し且つ上記したブロッ
クBを少なくとも1個有している限り、ブロック共重合
体(a)におけるブロックAおよびブロックBの結合数並
びに結合形式は特に制限されず、ブロックAとブロック
Bは線状に結合していても、または分岐状(放射状)に
結合していてもよい。限定されるものではないが、ブロ
ック共重合体(a)は、例えば、下記の式〜;
【0024】
【化1】 A−(B−A)p B−(A−B)q (A−B)r (式中、AはブロックA、BはブロックB、そしてp、
qおよびrは1以上の整数を示す)で表される構造を有
していることができる。そのうちでも、ブロック共重合
体(a)が、式:A−B−Aで表される直鎖状のトリブロ
ック共重合体であることが、接着剤組成物の保持力の点
から好ましい。
【0025】また、ブロック共重合体(a)は、上記した
本発明の目的を損なわない程度であれば、その分子末端
および/または分子鎖中に、カルボキシル基、酸無水物
基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、ハロゲン原子など
の官能基を有していてもよい。
【0026】ブロック共重合体(a)の製造法は特に制限
されず、例えばアニオン重合、カチオン重合、チーグラ
ー触媒による重合、シングルサイト重合、ラジカル重合
などによって水素添加前のブロックAとブロックBから
なるブロック共重合体を製造し、それを適当な方法で水
素添加処理する方法などを挙げることができる。
【0027】何ら限定されるものではないが、より具体
的には、ブロック共重合体(a)は、例えば次のようにし
て製造することができる。 (1)アルキル基の炭素数が1〜10であるアルキルリ
チウム化合物(好ましくはメチルリチウム、エチルリチ
ウム、ペンチルリチウム、ブチルリチウムなど)を重合
開始剤として用いて、水素添加前のブロックAおよびブ
ロックBを構成するモノマーを逐次添加して水素添加前
のブロックAおよびブロックBを有するブロック共重合
体を製造するか、またはジクロロメタン、ジブロムメタ
ン、シクロロエタン、ジブロモエタン、ジブロモベンゼ
ン、安息香酸フェニルなどのカップリング剤を用いて水
素添加前のブロックAおよびブロックBを有するブロッ
ク共重合体を製造した後、(2)前記の(1)で得られ
るブロック共重合体を水添触媒(例えばラネーニッケ
ル、またはPt、Pd、Ru、Rh、Niなどの金属を
カーボン、アルミナ、硅藻土などの担体に担持させたも
のなどの不均一触媒、または遷移金属とアルキルアルミ
ニウム化合物、アルキルリチウム化合物などの組み合わ
せからなるチーグラー系触媒など)の存在下で分子状態
の水素を反応させる公知の方法で水素添加処理し、それ
によって得られる水素添加ブロック共重合体を回収する
ことによりブロック共重合体(a)を得ることができる。
【0028】 そして、上記したブロック共重合体(a)
の製造方法において、上記(1)の重合反応は、好まし
くは、全モノマー100重量部に対して重合開始剤を
0.01〜0.2重量部の割合で用いて、重合開始剤に
対して不活性な有機溶媒(好ましくは例えばヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベ
ンゼンなどの炭素数6〜12の脂肪族炭化水素、脂環式
炭化水素、芳香族炭化水素)を用いて、0〜80℃の温
度で、0.5〜50時間行われる。また、上記(2)の
水素添加反応は、常圧〜200kg/cm2の水素圧下
に、常温〜250℃の反応温度で1〜100時間行なわ
れる。そして、水素添加反応により得られるブロック共
重合体(a)は、反応液にメタノールなどを加えてブロッ
ク共重合体(a)を反応液から凝固析出させた後、加熱乾
燥または減圧乾燥することによって回収するか、或いは
反応液を沸騰水中に注いで溶媒を共沸により除去した後
に加熱乾燥または減圧乾燥することによって回収するこ
とができる。
【0029】本発明の接着剤組成物は、上記したブロッ
ク共重合体(a)からなるベースポリマーと共に、粘着付
与樹脂(b)を含有している。この粘着付与樹脂(b)は、
接着剤組成物(ホットメルト接着剤およびホットメルト
型の感圧接着剤)にホットタック性を付与すると同時に
その溶融粘度を下げて塗布作業などの作業性を良好にす
ることを主たる目的として用いるものであり、本発明の
接着剤組成物では、粘着付与樹脂(b)として、従来のホ
ットメルト接着剤またはホットメルト型の感圧接着剤で
用いられている粘着付与樹脂(b)のいずれもが使用でき
る。
【0030】本発明の接着剤組成物で用い得る粘着付与
樹脂(b)としては、例えば、クマロン・インデン樹脂、
フェノール樹脂、p−第三−ブチルフェノ−ル・アセチ
レン樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、テルペン
フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレン・ホルム
アルデヒド樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化
水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、モノオレフィンやジ
オレフィンのオリゴマー樹脂、水添テルペン樹脂、水添
芳香族系炭化水素樹脂、水添脂肪族系炭化水素樹脂、脂
環族系飽和炭化水素樹脂、ポリブテン、ロジンの多価ア
ルコールエステル、水添ロジン、水添ウッドロジン、水
添ロジンとモノアルコールまたは多価アルコールとのエ
ステル、テレピン系粘着付与樹脂などを挙げることがで
き、これらの粘着付与樹脂は単独で使用しても、または
2種以上を併用してもよい。そのうちでも、本発明で
は、粘着付与樹脂(b)として、水添テルペン樹脂、水添
脂肪族系炭化水素樹脂、水添芳香族系炭化水素樹脂、脂
環族飽和炭化水素樹脂が好ましく用いられる。
【0031】本発明の接着剤組成物では、粘着付与樹脂
(b)を、ブロック共重合体(a)100重量部に対して、
10〜2000重量部の割合で使用することが好まし
く、40〜500重量部の割合で使用することがより好
ましい。粘着付与樹脂(b)の使用割合が前記した10重
量部よりも少ないと、接着剤組成物の接着力(粘着力)
が低下し、一方前記した2000重量部よりも多いと低
温における柔軟性および保持力が低下し、いずれの場合
も好ましくない。
【0032】 上記したブロック共重合体(a)と粘着付
与樹脂(b)の2者からなる接着剤組成物は、通常、常温
で粘着性を有しており、したがってそのままでホットメ
ルト型の感圧接着剤として十分に使用することができ
る。また、この接着剤組成物は優れた接着力を有してお
り、ホットメルト接着剤としても使用することができ
る。しかしながら、ホットメルト型の感圧接着剤として
使用する場合には、接着剤組成物(感圧接着剤)の粘着
性を一層増加させたり、感圧接着剤としての取り扱い性
などを向上させるために、ブロック共重合体(a)およ
び粘着付与樹脂(b)に対して、感圧接着剤において従
来から使用されている軟化剤(可塑剤)を更に加えても
よい。その場合に、軟化剤の種類は特に制限されず、感
圧接着剤に従来から使用されている軟化剤(可塑剤)の
いずれもが使用でき、例えば、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)フタレートで代表されるフタル酸誘導体、鉱物油系
軟化剤、植物油系軟化剤、ラノリン、液状ポリブテン、
液状ポリアクリレートなどを使用することができる。
れらの軟化剤は単独で使用しても、または2種以上を併
用してもよい。そのうちでも、本発明の接着剤組成物で
は、軟化剤として、鉱物油系軟化剤が好ましく用いられ
る。軟化剤の使用量は、ブロック共重合体(a)100重
量部に対して、0〜1000重量部であるのが好まし
く、0〜300重量部であるのがより好ましい。軟化剤
の使用量が前記の1000重量部よりも多いとブリード
が激しくなって、感圧接着剤の品質が低下する。
【0033】感圧接着剤組成物およびそれを用いて製造
した粘着テープや粘着フイルムなどの粘着製品は、対象
物に一時的に貼着して用いられ、そして用が済んだ後に
はきれいに剥離されることが求められるもの、対象物に
半永久的に剥がれずに貼着されていることが求められる
ものなどがあって、その使用態様や用途は多種多様であ
り、そのために感圧接着剤組成物(粘着剤)や粘着製品
に必要とされている接着力(粘着力)、タック性、保持
力などの物性も様々であり、粘着力(接着力)、タック
性、保持力などの値が大きい程優れているとは必ずしも
言えないことは広く知られているところである。したが
って、本発明の感圧接着剤組成物の調製に当たっては、
その感圧接着剤組成物が用いられる用途や使用態様など
に応じて、上記したブロック共重合体(a)および粘着付
与樹脂(b)の内容、種類、配合割合、その他の成分の配
合の有無や種類、配合量などを適宜選択して、その粘着
力(接着力)、タック性、保持性などの特性を、それぞ
れの用途や使用態様などに適したものに調整することが
必要である。
【0034】一方、ブロック共重合体(a)および粘着付
与樹脂(b)を含む本発明の接着剤組成物を、ホットメル
ト接着剤(ホットメルト接着剤組成物)として用いる場
合は、ブロック共重合体(a)および粘着付与樹脂(b)に
対してさらにワックスを加えることによって、接着剤組
成物の常温での粘着性を低減または消失させてホットメ
ルト接着剤としての取り扱い性に適したものとしたり、
接着剤組成物の溶融粘度を低下させたり、また接着剤組
成物(ホットメルト接着剤)のオープンタイム(接着が
可能な時間)、軟化点、硬度、ホットタック性、ブロッ
キング性などの物性を適当なものに調節したりすること
ができ、ホットメルト接着剤として適した性能を接着剤
組成物に付与することができる。
【0035】ワックスとしては、従来のホットメルト接
着剤で用いられているワックスであって融点が40〜1
60℃の範囲にあるワックスが好ましく用いられ、その
ようなワックスの例としては、パラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、フィッシャートロップワ
ックス、ポリエチレンワックス、変性ワックス、α−オ
レフィンワックスのうちで、融点が40〜160℃のも
のを挙げることができる。ワックスは1種類のみを使用
してもまたは2種以上を併用してもよい。そして、上記
したワックスのうちでも、本発明の接着剤組成物(ホッ
トメルト接着剤)では、パラフィンワックスが好ましく
用いられる。
【0036】ワックスの使用量は、ブロック共重合体
(a)100重量部に対して、0〜500重量部であるこ
とが好ましく、0〜300重量部であることがより好ま
しい。ワックスの使用量が前記した500重量部よりも
多いと、得られる接着剤組成物(ホットメルト接着剤)
の接着力が低下する。
【0037】また、本発明の接着剤組成物では、上記し
た成分以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの耐熱
性、耐候性などを向上させるための配合剤が好ましく用
いられる。また、必要に応じて、本発明の接着剤組成物
は、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの充填剤、ガラス
繊維、有機繊維などの繊維状物を含有していてもよい。
更に、本発明の接着剤組成物は、上記した本発明の特性
を失わない範囲で、必要に応じて、未水添スチレン・ブ
タジエン系ブロック共重合体、水添スチレン・ブロック
系ブロック共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
ポリオレフィンなどの他の重合体を含有していてもよ
い。
【0038】本発明の接着剤組成物の調製法は特に制限
されず、上記したブロック共重合体(a)、粘着付与樹脂
(b)および必要に応じて用いられる他の成分を均一に混
合し得る方法であればいずれも採用でき、例えば、高速
撹拌機、ニーダー、溶融釜、インターナルミキサー、一
軸押出機や二軸押出機などの押出機などを用いて溶融混
合、または溶融混練して調製することができる。そし
て、上記した成分を混合して得られる本発明の接着剤組
成物は、その用途、使用態様等に応じて適当な形態にし
ておくことができ、例えばブロック状、粒状、フレーク
状、ペレット状、棒状、フイルム状、シート状などの形
態にしておいて、それぞれの接着用途や、各種粘着製品
の製造などに用いることができる。
【0039】また、本発明の接着剤組成物の用途は特に
制限されず、従来のホットメルト接着剤やホットメルト
型の感圧接着剤と同様に種々の素材の接着および用途に
使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエステルなどのプラスチックフイルムやシ
ート、紙、木材、繊維製品、金属箔、皮革などの接着に
用いることができる。より具体的には、本発明の接着剤
組成物は、例えば、製袋、小箱や段ボールの封緘、ラベ
ルのピックアップ、アルミホイル缶の製造などのような
包装;製本;合板の製造;木工;製靴;縫製、カーペッ
トバッキング、不織布のバインダーなどの繊維製品の製
造;紙おむつをはじめとする各種衛生用品の製造;包装
用粘着テープ;電気絶縁用テープやフイルム;各種物品
の表面保護用粘着テープや粘着シート;半導体ウエハ製
造工程で用いる各種粘着フイルムや粘着シート;パイプ
などの結束固定;シーリング材;ラベル用接着剤などに
使用することができる。
【0040】そして、本発明の接着剤組成物が、ホット
メルト接着剤である場合は、従来と同様のホットメルト
接着剤用のアプリケーターを使用して、ホットメルト接
着剤を加熱溶融して被着体に塗布し、被着体同士をはり
合わせた(圧着させた)状態で接着剤を固化させて接着
を行うことができる。また、本発明の接着剤組成物がホ
ットメルト型の感圧接着剤(粘着剤)である場合は、ホ
ットメルト型の感圧接着剤を加熱溶融した状態で紙、布
帛、プラスチックフイルムやシート、金属箔などの基材
の一方または両方の面に塗布して基材上に感圧接着剤
(粘着剤)の層を形成して、粘着フイルム、粘着シー
ト、その他の粘着製品を製造することができる。そし
て、本発明の接着剤組成物がホットメルト接着剤である
場合およびホットメルト型の感圧接着剤組成物(ホット
メルト型の粘着剤)である場合のいずれの場合も、本発
明の接着剤組成物は、通常、約120〜200℃の温度
に加熱することによって容易に溶融させることができ、
しかもその溶融粘度は温度が多少変化しても大きく変化
しないので、良好な加工安定性で、接着作業や、粘着フ
イルムなどの粘着製品の製造作業を円滑に行うことがで
きる。
【0041】
【実施例】 以下に本発明について実施例などにより具
体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において、接着剤組成物(ホットメルト型
の感圧接着剤およびホットメルト接着剤)の調製に用い
たブロック共重合体(a)における水素添加前のブロッ
ク共重合体の数平均分子量、水素添加前のブタジエン重
合体ブロック(ブロックA)の数平均分子量、水素添加
前のイソプレン重合体ブロックまたは水素添加前のブタ
ジエン/イソプレン共重合体ブロック(ブロックB)
数平均分子量、ブロック共重合体(a)における水素添加
前のブロックAの含有率、水素添加前のブロックAにお
けるビニル結合量、ブロックAおよびブロックBの水添
率、ブロックBのガラス転移温度、並びにブロックBの
結晶融解熱は下記のようにして求めた。
【0042】ブロック共重合体、ブロックAおよびブロ
ックBの数平均分子量:水素添加前のブロック共重合体
に対して、ブロック共重合体全体の数平均分子量をGP
C分析により、ポリスチレン換算の分子量として求め
た。また、ブロックAおよびブロックBの数平均分子量
は、ブロック共重合体全体の数平均分子量と、ブロック
A用のモノマーおよびブロックB用のモノマーの仕込み
量から換算した。
【0043】ブロック共重合体における水素添加前のブ
ロックAの含有率:ブロック共重合体を製造する際の、
ブロックA用のモノマーの仕込み量(WA)およびブロ
ックB用のモノマーの仕込み量(WB)から、下記の数
式;
【0044】
【数1】ブロックAの含有率(重量%)={WA/(WA
+WB)}×100 [式中、WA=ブロックA用のモノマーの総仕込み量
(重量) WB=ブロックB用のモノマーの総仕込み量(重量)]
によって水素添加処理前のブロック共重合体における水
素添加前のブロックAの含有率を求めた。
【0045】水素添加前のブロックAにおけるビニル結
合量:重合により得られた水素添加処理前のブロック共
重合体をNMR分析にかけて水素添加前のブロックAに
おけるビニル結合量を求めた。
【0046】ブロックAおよびブロックBの水添率:水
素添加処理後のブロック共重合体をNMR分析にかけ
て、ブロックAおよびブロックBのそれぞれにおける水
添率を求めた。
【0047】ブロックBのガラス転移温度: 水素添加処理後のブロック共重合体をDSC(示差走査
熱量計)にかけて、吸熱ピークの微分曲線のトップピー
ク値を求め、ブロックBのガラス転移温度とした。
【0048】ブロックBの結晶融解熱: 水素添加処理後のブロック共重合体をDSC(示差走査
熱量計)にかけて、ブロックBに対応する吸熱ピーク曲
線のブロック共重合体(a)の単位重量当たりの面積を
求め、ブロックBの結晶融解熱とした。
【0049】《参考例 1》[水素添加トリブロック共
重合体の製造] (1) 耐圧反応器(内容積5リットル)中にシクロヘ
キサン3500mlを入れ、乾燥した窒素で置換した
後、n−ブチルリチウム1.2gを入れ、次いでブタジ
エン90gを充填して、温度50℃、圧力1.0kg/
cm2の条件下に2時間重合させた。 (2) 次いで、反応器中にイソプレン420gを充填
して、温度50℃、圧力1.1kg/cm2の条件下に
5時間重合させた。 (3) さらに、反応器中に再びブタジエン90gを充
填して温度50℃、圧力1.1kg/cm2の条件下に
3時間重合させて、ブタジエン重合体ブロック−イソプ
レン重合体ブロック−ブタジエン重合体ブロックからな
るトリブロック共重合体を製造した。得られたトリブロ
ック共重合体について、ブロック共重合体の数平均分子
量、ブタジエン重合体ブロックおよびイソプレン重合体
ブロックの数平均分子量、ブロック共重合体における水
素添加前のブタジエン重合体ブロックの含有率、並びに
水素添加前のブタジエン重合体ブロックにおけるビニル
結合量を上記した方法で求めたところ、下記の表1に示
すとおりであった。 (4) 上記(3)で得られたトリブロック共重合体5
00gを容量5リットルの耐圧容器に入れ、トリブロッ
ク共重合体100重量部当たり、5重量部の水添触媒
(ラネーニッケル)を添加して、水素圧50kg/cm
2、温度100℃の条件下に10時間水素添加反応を行
って、水素添加されたトリブロック共重合体を製造し
た。得られた水素添加トリブロック共重合体におけるブ
タジエン重合体ブロックおよびイソプレン重合体ブロッ
クの水添率、並びにイソプレン重合体ブロックのガラス
転移温度および結晶融解熱を上記した方法で求めたとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。
【0050】《参考例 2〜3》[水素添加トリブロッ
ク共重合体の製造] 参考例1の(1)〜(3)の重合工程において、水素添
加前のトリブロック共重合体におけるブタジエン重合体
ブロックの含有率が下記の表1に示した値になるように
ブタジエンおよびイソプレンの耐圧反応器への供給量を
変え、且つ(1)〜(3)の重合工程における重合時間
を順に2時間/5時間/2時間にしたこと以外は、参考
例1の(1)〜(3)と同様に重合を行って、下記の表
1に示す数平均分子量、水素添加前のブタジエン重合体
ブロックの含有率および水素添加前のブタジエン重合体
ブロックにおけるビニル結合量を有するブタジエン重合
体ブロック−イソプレン重合体ブロック−ブタジエン重
合体ブロックからなるトリブロック共重合体をそれぞれ
製造した後、得られたそれぞれのトリブロック共重合体
を参考例1の(4)におけるのと同様にして水素添加処
理して、下記の表1に示す水添率、並びにイソプレン重
合体ブロックのガラス転移温度および結晶融解熱を有す
る水素添加トリブロック共重合体を製造した。
【0051】《参考例 4》[水素添加トリブロック共
重合体の製造] 参考例1の(2)の第2段目の重合工程において、イソ
プレンを用いる代わりに、ブタジエンとイソプレンの等
モル混合物を用いて、水素添加前のトリブロック共重合
体におけるブタジエン重合体ブロックの含有率が下記の
表1に示した値になるようにブタジエンおよびブタジエ
ンとイソプレンの等モル混合物の耐圧反応器への供給量
を変え、且つ(1)〜(3)の重合工程における重合時
間を順に2時間/6時間/2時間にした以外は、参考例
1の(1)〜(3)と同様に重合を行って、下記の表1
に示す数平均分子量、水素添加前のブタジエン重合体ブ
ロックの含有率および水素添加前のブタジエン重合体ブ
ロックにおけるビニル結合量を有する、ブタジエン重合
体ブロック−ブタジエン・イソプレン共重合体ブロック
−ブタジエン重合体ブロックからなるトリブロック共重
合体を製造した後、得られたトリブロック共重合体を参
考例1の(4)におけるのと同様にして水素添加処理し
て、下記の表1に示す水添率、並びにブタジエン・イソ
プレン共重合体ブロックのガラス転移温度および結晶融
解熱を有する水素添加トリブロック共重合体を製造し
た。
【0052】《参考例 5》[水素添加テトラブロック
共重合体の製造] 参考例1の(1)〜(3)の重合工程の後に更にイソプ
レン重合体ブロックを製造する重合工程[重合工程
(4)]を行い、重合により得られる水素添加前のテト
ラブロック共重合体におけるブタジエン重合体ブロック
の含有率が下記の表1に示した値になるようにブタジエ
ンおよびイソプレンの耐圧反応器への供給量を変え、且
つ(1)〜(4)の重合工程における重合時間を順に2
時間/3時間/2時間/2時間にした以外は、参考例1
と同様に重合を行って、下記の表1に示す数平均分子
量、水素添加前のブタジエン重合体ブロックの含有率お
よび水素添加前のブタジエン重合体ブロックにおけるビ
ニル結合量を有するブタジエン重合体ブロック−イソプ
レン重合体ブロック−ブタジエン重合体ブロック−イソ
プレン重合体ブロックからなるテトラブロック共重合体
を製造した後、得られたテトラブロック共重合体を参考
例1の(4)におけるのと同様にして水素添加処理し
て、下記の表1に示す水添率、並びにイソプレン重合体
ブロックのガラス転移温度および結晶融解熱を有する水
素添加テトラブロック共重合体を製造した。
【0053】
【表1】
【0054】《実施例 1》 (1) 上記の参考例1で得られた水素添加したトリブ
ロック共重合体100重量部に対して、粘着付与樹脂
[脂環族系飽和炭化水素樹脂:荒川化学(株)製「アル
コンP100」]200重量部、軟化剤[鉱物油系軟化
剤:出光興産(株)製「ダイアナプロセスPW−9
0」]100重量部および老化防止剤(ヒンダート・フ
ェノール系:チバガイギー社製「イルガノックス101
0」)1重量部を加えて、ニーダーを用いて170℃の
温度で溶融混合して、ホットメルト型の感圧接着剤組成
物(ホットメルト型の粘着剤)を製造した。 (2) 上記(1)で得られた感圧接着剤組成物の加工
安定性を調べるために、感圧接着剤組成物の110℃お
よび140℃における溶融粘度をB型粘度計を用いて測
定して、溶融粘度の温度依存性(110℃での溶融粘度
/140℃での溶融粘度)を求めたところ、下記の表2
に示すとおりであった。なお、その場合に、溶融粘度の
温度依存性(110℃での溶融粘度/140℃での溶融
粘度)の値が低い方が、溶融温度に変化があっても感圧
接着剤組成物の溶融粘度に大きな変化が生じず、感圧接
着剤組成物の取り扱い性が良好であって加工安定性に優
れている。
【0055】(3) 上記(1)で得られた感圧接着剤
組成物を150℃に加熱して溶融し、厚さ50μmのポ
リエチレンテレフタレートフイルムの片面に50μmの
厚さに塗布した後、室温に冷却して、ポリエチレンテレ
フタレートフイルムからなる支持体上に感圧接着剤組成
物層(粘着剤層)が形成されている粘着フイルムを製造
した。 (4) 上記(3)で得られた粘着フイルムのタック性
を、周囲温度25℃で、JIS Z0237に準ずるボ
ールタック法によって求めたところ、下記の表2に示す
とおりであった。 (5) 上記(3)で得られた粘着フイルムの接着力
(粘着力)を、JIS Z0237に準じて求めた。す
なわち、SUS304板(冷間圧延ステンレス鋼板)に
縦×横=10mm×20mmに切断した粘着フイルムを
貼着し、周囲温度25℃で、180°の引きはがし角度
で、引張速度300mm/分の条件下で剥離させたとき
の接着力(粘着力)を求めた。その結果を下記の表2に
示す。 (6) 上記(3)で得られた粘着フイルムの保持力
を、JIS Z0237に準じて求めた。すなわち、S
US304板に縦×横=25mm×25mmに切断した
粘着フイルムを貼着し、それを粘着フイルムが垂直にな
るように保持固定し、粘着フイルムの下端中央部に1k
gの荷重を吊り下げ、周囲温度40℃で、粘着フイルム
が剥離して落下するまでの時間を測定して保持力とし
た。その結果を下記の表2に示す。
【0056】《実施例 2〜5》 (1) 参考例1で得られた水素添加したトリブロック
共重合体の代わりに、参考例2〜4で得られたそれぞれ
の水素添加したトリブロック共重合体または参考例5で
得られた水素添加したテトラブロック共重合体を用いた
こと以外は、実施例1の(1)におけるのと同様にして
それぞれの感圧接着剤組成物(粘着剤)を製造し、その
加工安定性を実施例1の(2)と同様にして調べた。そ
の結果を、下記の表2に示す。 (2) 上記(1)で得られたそれぞれの感圧接着剤組
成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして粘着フイ
ルムを製造し、そのタック性、接着力(粘着力)および
保持力を実施例1の(4)〜(6)と同様にして求めた
ところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0057】《比較例 1》 (1) 参考例1で得られた水素添加したトリブロック
共重合体の代わりに、市販の水素添加スチレン重合体ブ
ロック−イソプレン重合体ブロック−スチレン重合体ブ
ロックからなるトリブロック共重合体[(株)クラレ製
「セプトン2002」]を用いたこと以外は、実施例1
の(1)におけるのと同様にして感圧接着剤組成物(粘
着剤)を製造し、その加工安定性を実施例1の(2)と
同様にして調べた。その結果を、下記の表2に示す。 (2) 上記(1)で得られた感圧接着剤組成物を用い
て、実施例1の(3)と同様にして粘着フイルムを製造
し、そのタック性、接着力(粘着力)および保持力を実
施例1の(4)〜(6)と同様にして求めたところ、下
記の表2に示すとおりであった。
【0058】
【表2】
【0059】上記の表2の結果から、上記した(i)〜
(iv)の要件を満足する参考例1〜5のブロック共重合
体を用いて得られた実施例1〜5の感圧接着剤組成物
(粘着剤)は、水素添加スチレン重合体ブロック−イソ
プレン重合体ブロック−スチレン重合体ブロックからな
るトリブロック共重合体を用いて得られた比較例1の感
圧接着剤組成物(粘着剤)に比べて、溶融粘度の温度依
存性(110℃での溶融粘度/140℃での溶融粘度)
の値が大幅に低く、溶融温度に変化があっても感圧接着
剤組成物の溶融粘度に大きな変化が生じず、加工安定性
に優れていることがわかる。
【0060】また、上記の表2には、実施例1〜5の感
圧接着剤組成物(粘着剤)を用いて得られる粘着フイル
ムのうちのあるものは、比較例1の感圧接着剤組成物
(粘着剤)を用いて得られる粘着フイルムに比べて、タ
ック性、接着力(粘着力)、保持力の値が低くなってい
る場合があることが示されている、しかしながら、上記
したように、感圧接着剤組成物(粘着剤)およびそれを
用いて製造した粘着テープや粘着フイルムなどの粘着製
品は、対象物に一時的に貼着して用いられ、用が済んだ
後にはきれいに剥離されることが求められるもの、対象
物に半永久的に剥がれずに貼着されていることが求めら
れるものなど、その使用態様や用途は様々であり、各用
途や使用態様などに応じて、粘着フイルムなどの粘着製
品の接着力(粘着力)、タック性、保持力などを適当な
値に調整することが必要であるから、実施例1〜5で得
られる粘着フイルムの接着力、ボールタック、保持力の
値が、比較例1で得られる粘着フイルムに比べて低くな
っている場合があっても、それによって、実施例1〜5
で得られる粘着フイルムが比較例1で得られる粘着フイ
ルムに比べて劣っていることにならないことに留意すべ
きであり、実施例1〜5で得られる粘着フイルムは実用
に耐え得る物性を備えている。
【0061】《実施例 6》 (1) 上記の参考例1で得られた水素添加したトリブ
ロック共重合体100重量部に対して、粘着付与樹脂
(水素添加ロジンエステル:荒川化学社製「エステ
ムH)100重量部、ワックス(パラフィンワックス:
日本製蝋社製「パラフィンワックス155」)50重量
部および老化防止剤[ヒンダートフェノール系:チバガ
イギー(株)製「イルガノックス1010」]1重量部
を加えて、ニーダーを用いて170℃の温度で溶融混合
して、ホットメルト接着剤を製造した。このホットメル
ト接着剤は常温粘着性を示さなかった。 (2) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤の加
工安定性を調べるために、ホットメルト接着剤の110
℃および140℃における溶融粘度をB型粘度計を用い
て測定して、溶融粘度の温度依存性(110℃での溶融
粘度/140℃での溶融粘度)を求めたところ、下記の
表3に示すとおりであった。
【0062】(3) 上記(1)で得られたホットメル
ト接着剤を150℃に加熱して溶融し、厚さ0.5mm
のアルミ板の片面に50μmの厚さに塗布したものを2
枚準備し、2枚のアルミ板を接着剤の塗布面を向かい合
わせて積層し、ヒートシーラー(滋賀包装機社製「SG
600R」)を用いて温度180℃、押圧時間1.2秒
の条件下に接着を行って、積層板を製造した。 (4) 上記(3)で得られた積層板における接着力
を、JIS Z0237に準じて求めた。すなわち、周
囲温度25℃で、T型剥離試験を剥離速度300mm/
分の条件下で行ってその接着力を求めた。その結果を下
記の表3に示す。 (5) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤を用
いて、縦×横×厚さ=10mm×60mm×2mmの板
状の試験片を作製し、この試験片を−15℃の冷凍庫に
一晩放置した後取り出して、取り出し後直ちに手で折り
曲げて、割れなかったものを○、割れたものを×とし
て、その低温特性を評価したところ、下記の表3に示す
とおりであった。 (6) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤を用
いて、縦×横×厚さ=10mm×10mm×1mmの板
状の試験片を作製し、この試験片をJIS 3号油中に
室温で10日間浸漬した後、取り出して、油に浸漬する
前後の試験片の重量を測定して、下記の数式からその膨
潤度(%)を求めて、耐油性の評価を行ったところ、下
記の表3に示すとおりであった。
【0063】
【数2】膨潤度(%)={(E−D)/D}×100 [式中、D=油に浸漬する前の試験片の重量(mg) E=油に浸漬した後の試験片の重量(mg)]
【0064】《実施例 7〜10》 (1) 参考例1で得られた水素添加したトリブロック
共重合体の代わりに、参考例2〜4で得られたそれぞれ
の水素添加したトリブロック共重合体または参考例5で
得られた水素添加したテトラブロック共重合体を用いた
こと以外は、実施例6の(1)と同様にしてそれぞれの
ホットメルト接着剤を製造し、その加工安定性を実施例
1の(2)と同様にして調べた。その結果を、下記の表
3に示す。 (2) 上記(1)で得られたそれぞれのホットメルト
接着剤を用いて、実施例6の(3)と同様にして積層板
を製造し、その接着力を実施例6の(4)と同様にして
測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。 (3) 上記(1)で得られたそれぞれのホットメルト
接着剤を用いて、実施例6の(5)および(6)と同様
にして試験片を製造し、その低温特性および耐油性を実
施例6の(5)および(6)と同様にして調べたとこ
ろ、下記の表3に示すとおりであった。
【0065】《比較例 2》 (1) 参考例1で得られた水素添加したトリブロック
共重合体の代わりに、市販のエチレン・酢酸ビニル共重
合体[三井デュポンケミカル(株)製「EVA25
」]を用いたこと以外は、実施例6の(1)と同様に
してホットメルト接着剤を製造し、その加工安定性を実
施例6の(2)と同様にして調べた。その結果を、下記
の表3に示す。 (2) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤を用
いて、実施例6の(3)と同様にして積層板を製造し、
その接着力を実施例6の(4)と同様にして測定したと
ころ、下記の表3に示すとおりであった。 (3) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤を用
いて、実施例6の(5)および(6)と同様にして試験
片を製造し、その低温特性および耐油性を実施例6の
(5)および(6)と同様にして調べたところ、下記の
表3に示すとおりであった。
【0066】
【表3】
【0067】上記の表3の結果から、上記した(i)〜
(iv)の要件を満足する参考例1〜5のブロック共重合
体を用いて得られた実施例6〜10のホットメルト接着
剤は溶融粘度の温度依存性(110℃での溶融粘度/1
40℃での溶融粘度)の値が小さく加工安定性に優れて
いること、しかもエチレン・酢酸ビニル共重合体を用い
て得られた比較例2のホットメルト接着剤に比べて、低
温特性が優れていて低温での使用に良好に耐え得ること
がわかる。
【0068】《実施例 11》 (1) 実施例6の(1)において、パラフィンワック
スを用いなかったこと以外は、実施例6の(1)と同様
にしてホットメルト接着剤を製造し、その加工安定性を
実施例6の(2)と同様にして調べたところ、110℃
での溶融粘度比は2.3であった。 (2) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤を用
いて、実施例6の(3)と同様にして積層板を製造し、
その接着力を実施例6の(4)と同様にして測定したと
ころ、130g/cmであった。 (3) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤を用
いて、実施例6の(5)と同様にして試験片を製造し、
その低温特性を実施例6の(5)と同様にして調べたと
ころ、試験片の割れは認められなかった。 (4) 上記(1)で得られたホットメルト接着剤を用
いて、実施例1の(3)と同様にして粘着フイルムを製
造し、そのタック性、接着力(粘着力)および保持力を
実施例1の(4)〜(6)と同様にして求めたところ、
ボールタックは5、接着力は200g/cm、保持力は
400分であった。このように、この実施例11で得ら
れた接着剤組成物は、加工安定性に優れるとともに、低
温特性においても優れていることがわかる。また、この
実施例11で得られた接着剤組成物は、ホットメルト型
の感圧接着剤としても、またホットメルト接着剤として
も十分に使用できるものであることがわかる。
【0069】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、加工安定性、
接着性(粘着性)、保持力、低温特性、柔軟性、耐油
性、耐溶剤性などの諸特性に優れており、それらの特性
を活かして、包装、製本、合板の製造、木工、製靴、繊
維製品の接着、各種粘着テープ、ラベルなどの種々の粘
着製品などの製造などの広範な用途に有効に使用するこ
とができる。
【0070】そして、ブロック共重合体(a)、粘着付与
樹脂(b)および場合により軟化剤を配合してなる本発明
の接着剤組成物は、常温で粘着性を有していて、ホット
メルト型の感圧接着剤組成物(粘着剤)として極めて有
効に使用することができ、またブロック共重合体(a)、
粘着付与樹脂(b)と共に更にワックスを含有する本発明
の接着剤組成物は、ホットメルト接着剤として有効に使
用することができる。そして、そのいずれもが加熱する
ことによって容易に溶融して、各種の被着体に塗工する
ことができ、また各種基材に容易に塗布することができ
る。
【0071】また、本発明の接着剤組成物は、溶剤を使
用することなくホットメルト型の接着剤や感圧接着剤と
して用いることができるので、大気汚染、火災発生の危
険、労働環境や衛生面の悪化などの問題を生ずることが
なく、また水性接着剤におけるように水を使用しなくて
すむので乾燥時間や乾燥装置を必要とせず、接着剤の適
用後短時間で被着体の接着を完了したり、粘着製品の製
造を行うことができ、省エネルギー、作業性、生産性な
どの点でも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 博通 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式 会社クラレ内 (72)発明者 平山 ▲吉▼男 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式 会社クラレ内 (56)参考文献 特開 平7−309986(JP,A) 遠山 三夫,感圧接着剤(粘着剤)− その機能と仕組み−,(株)高分子刊行 会,1992年 5月10日,第1版第2刷, p151〜173、p198〜200 深田 寛,新高分子文庫16 ホットメ ルト接着の実際,(株)高分子刊行会, 1987年 3月20日,初版第5刷,p91〜 99 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 153/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロック共重合体(a)および粘着付与樹
    脂(b)を含有する接着剤組成物であって、 (i) ブロック共重合体(a)が、水素添加ブタジエン
    重合体からなる重合体ブロックAを少なくとも1個、お
    よび前記重合体ブロックAとは異なる実質的にオレフィ
    ン重合体構造を有している重合体からなる重合体ブロッ
    クBを少なくとも1個有しており; (ii) ブロック共重合体(a)における重合体ブロック
    Aが、ビニル結合量が20%以下のブタジエン重合体ブ
    ロックを水素添加したものであり; (iii) ブロック共重合体(a)における重合体ブロッ
    クBのガラス転移温度が−20℃以下で且つ結晶融解熱
    が8cal/g以下であり;そして (iv) ブロック共重合体(a)において、水素添加処理
    前の重合体ブロックAの含有率が、水素添加処理前のブ
    ロック共重合体(a)の全重量に基づいて3〜80重量%
    である; ことを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 軟化剤をさらに含有し、ホットメルト型
    の感圧接着剤組成物である請求項1の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 ワックスをさらに含有し、ホットメルト
    接着剤組成物である請求項1の接着剤組成物。
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