JP7197038B1 - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に接して粘着層が配置されているエネルギー線硬化型の粘着テープであって、糊残りを抑制することが可能な半導体加工用粘着テープを提供する。【解決手段】基材1と、基材の一方の面に、基材に接して配置されたエネルギー線硬化性の粘着層2と、を有する半導体加工用粘着テープ10であって、エネルギー線照射後の基材1と粘着層2との間の剥離力が、0.6N/20mm以上である。さらに、SUS板に対する粘着力が、1.4N/25mm以上であり、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が、2N/25mm以下である【選択図】図1

Description

本開示は、半導体加工用粘着テープに関する。
半導体の製造工程では、回路が形成されたウェハをチップに切断(ダイシング)するダイシング工程において、ウェハおよびチップを保護および固定するために、ダイシングテープと呼ばれる半導体加工用粘着テープが用いられている。
半導体加工用粘着テープには、加工工程中はウェハやチップを十分な粘着力で固定できるとともに、加工工程後はチップを破損することなく容易に剥離できることが求められる。
このような半導体加工用粘着テープとしては、例えば、エネルギー線硬化型の粘着テープの開発が盛んに行われている(例えば特許文献1)。
特許第4674836号公報
近年、電子部品の小型化、高性能化に伴い、ウェハに微細で複雑な回路を形成することが要望されており、表面に微細で複雑な回路による凹凸を有するウェハが製造されるようになってきている。このような場合において、半導体加工用粘着テープには、加工工程中にウェハやチップを十分な粘着力で固定するために、ウェハの回路面の凹凸に対する密着性も求められる。
上記のエネルギー線硬化型の粘着テープは、エネルギー線の照射により粘着層を硬化させることで粘着力を低下させることができるため、エネルギー照射前の強粘着性と、エネルギー線照射後の易剥離性とを両立することが可能である。
しかしながら、ウェハの回路面の凹凸によるアンカー効果によって、半導体加工用粘着テープとウェハやチップとの密着性が高くなるため、上記のようなエネルギー線硬化型の粘着テープであっても、剥離性が低下したり、糊残りが生じたりするおそれがある。また、一般的に、半導体加工用粘着テープは、基材と粘着層とを有している。上記のエネルギー線硬化型の粘着テープでは、エネルギー線の照射により粘着層が硬化することによって粘着力が低下するため、エネルギー線照射後は、基材と粘着層との密着性も低下する場合がある。そのため、加工工程後の剥離時に、基材と粘着層との間で剥がれてしまい、チップに粘着層が付着するおそれがある。
なお、特許文献1に記載されているように、基材と粘着層との間にプライマー層を配置することによって、基材と粘着層との密着性を向上させることができる。しかしながら、半導体加工用粘着テープがプライマー層をさらに有する場合には、半導体加工用粘着テープの製造工程が増え、コストが高くなる。この場合、半導体の製造コストも上がってしまう。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、基材に接して粘着層が配置されているエネルギー線硬化型の粘着テープであって、糊残りを抑制することが可能な半導体加工用粘着テープを提供することを主目的とする。
本開示の一実施形態は、基材と、上記基材の一方の面に、上記基材に接して配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、エネルギー線照射後の上記基材と上記粘着層との間の剥離力が、0.6N/20mm以上である、半導体加工用粘着テープを提供する。
本開示における半導体加工用粘着テープは、基材に接して粘着層が配置されている場合において、糊残りを抑制できるという効果を奏する。
本開示における半導体加工用粘着テープの一例を示す概略断面図である。 半導体の製造方法を例示する工程図である。 半導体の製造方法を例示する工程図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
以下、本開示の半導体加工用粘着テープについて説明する。
本開示の半導体加工用粘着テープは、基材と、上記基材の一方の面に、上記基材に接して配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有し、エネルギー線照射後の上記基材と上記粘着層との間の剥離力が、0.6N/20mm以上である。
図1は、本開示の半導体加工用粘着テープを例示する概略断面図である。図1における半導体加工用粘着テープ10は、基材1と、基材1の一方の面に、基材1に接して配置されたエネルギー線硬化性の粘着層2とを有している。半導体加工用粘着テープ10においては、エネルギー線照射後の基材1と粘着層2との間の剥離力が所定の範囲である。
図2(a)~(e)は、半導体加工用粘着テープを用いた半導体の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図2(a)に示すように、回路が形成されたウェハ11を半導体加工用粘着テープ10に貼り付けた後、図2(b)に示すように、回路が形成されたウェハ11をチップ12に切断(ダイシング)するダイシング工程を行う。次に、図2(c)に示すように、半導体加工用粘着テープ10を引き伸ばして、チップ12同士の間隔を広げるエキスパンド工程を行う。次に、図示しないが、半導体加工用粘着テープ10のエネルギー線硬化性の粘着層2にエネルギー線を照射して硬化させることで粘着力を低下させ、図2(d)に示すように、チップ12を半導体加工用粘着テープ10から剥離して、チップ12をピックアップするピックアップ工程を行う。次いで、図2(e)に示すように、ピックアップされたチップ12を基板30に接着するマウント(ダイボンディング)工程を行う。
図3(a)~(d)は、半導体加工用粘着テープを用いた半導体の製造方法の他の例を示す工程図である。まず、図3(a)に示すように、回路が形成されたウェハ11を半導体加工用粘着テープ10に貼り付けた後、図3(b)に示すように、回路が形成されたウェハ11をチップ12に切断(ダイシング)するダイシング工程を行う。次に、図3(c)に示すように、チップ12の半導体加工用粘着テープ10とは反対側の面に転写テープ40を貼り付けた後、図示しないが、半導体加工用粘着テープ10のエネルギー線硬化性の粘着層2にエネルギー線を照射して硬化させることで粘着力を低下させ、図3(d)に示すように、半導体加工用粘着テープ10をチップ12から剥離して、チップ12を転写テープ40に転写する転写工程を行う。
本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、エネルギー線硬化性の粘着層は、エネルギー線の照射により硬化することによって粘着力が低下する。また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、粘着層が基材に接して配置されており、基材と粘着層との間には、基材および粘着層の密着性を高めるためのプライマー層が配置されていない。そのため、粘着層においては、エネルギー線照射後の被着体に対する粘着力が低下するとともに、エネルギー線照射後の基材に対する密着性も低下する場合がある。一方、本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力が所定の値以上であり、基材と粘着層との密着性が高いため、エネルギー線照射後は、基材と粘着層との間で剥離するのを抑制し、粘着層と被着体との間で剥離しやすくすることができる。そのため、被着体への糊残りを抑制することができる。よって、ピックアップ工程または転写工程では、チップを容易に糊残りなく剥離または転写することが可能となる。
また、本開示においては、上述したように、粘着層が基材に接して配置されており、基材と粘着層との間にプライマー層が配置されていないため、半導体加工用粘着テープの製造工程を短縮し、コストを削減することができる。これにより、半導体の製造コストも下げることができる。
以下、本開示の半導体加工用粘着テープの各構成について説明する。
1.半導体加工用粘着テープの特性
本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力が、0.6N/20mm以上であり、好ましくは0.8N/20mm以上であり、より好ましくは1.0N/20mm以上である。上記剥離力が上記範囲である場合には、エネルギー線照射後の基材と粘着層との密着性が高くなるため、被着体への糊残りを抑制することができる。一方、上記剥離力の上限は、特に限定されない。
ここで、エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力は、T字剥離試験法により、測定することができる。具体的には、まず、基材と粘着層とセパレータとをこの順に有する半導体加工用粘着テープを準備する。この際、半導体加工用粘着テープにおいて、粘着層の基材とは反対側の面にセパレータが配置されていない場合には、粘着層の基材とは反対側の面にセパレータを配置する。次いで、半導体加工用粘着テープの粘着層にエネルギー線を照射し、硬化させる。例えば、半導体加工用粘着テープの基材側の面からエネルギー線を照射することができる。次いで、半導体加工用粘着テープからセパレータを剥離して、粘着層を露出させる。次に、半導体加工用粘着テープの粘着層の面に、被着体(日東電工社製 ポリエステル粘着テープNO.31B)を、2kgのローラを用いて貼り合わせ(1往復)、幅20mmに切断する。その後、6時間エージングし、試験片を作製する。次に、試験片の基材と粘着層との間で、試験片の長さ方向に強制的に剥離し、試験片の基材と粘着層との間で剥離された部分の端をそれぞれ引張試験機のつかみ具で止め、剥離速度300mm/min、剥離距離50mmの条件で、T字剥離を行うことにより、エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力を測定することができる。測定環境は、温度23℃、湿度50%RHとすることができる。引張試験機としては、例えば、エー・アンド・デイ社製のテンシロンRTF1150を用いることができる。
エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力を制御する手段としては、例えば、基材の表面粗さを調整する方法、基材の濡れ性を調整する方法、基材に表面処理を施す方法、粘着層に含有される成分や組成を調整する方法、粘着層形成時や基材および粘着層の貼合時のエージング温度を調整する方法等が挙げられる。
基材の表面粗さを調整する方法においては、例えば、基材の表面粗さが大きいと、上記剥離力が大きくなる傾向にある。一方、基材の表面粗さが小さいと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。
また、基材の濡れ性を調整する方法においては、例えば、基材の濡れ性が高いと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、一方で、基材の濡れ性が低いと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。
また、基材に表面処理を施す方法においては、例えば、基材に表面処理を施すことによって、上記剥離力を大きくすることができる。
また、粘着層に含有される成分や組成を調整する方法としては、具体的には、エネルギー線硬化性化合物の含有量、官能基数、分子量を調整する方法、粘着付与剤を添加する方法が挙げられる。例えば、エネルギー線硬化性化合物の含有量が少ないと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、一方で、エネルギー線硬化性化合物の含有量が多いと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。また、例えば、エネルギー線硬化性化合物のエネルギー線硬化性官能基の数が少ないと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、一方で、エネルギー線硬化性化合物のエネルギー線硬化性官能基の数が多いと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。また、例えば、エネルギー線硬化性化合物の分子量が小さいと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、一方で、エネルギー線硬化性化合物の分子量が大きいと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。また、例えば、粘着付与剤を添加すると、上記剥離力が大きくなる傾向にある。
また、粘着層形成時や基材および粘着層の貼合時のエージング温度を調整する方法においては、例えば、エージング温度が高いと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、一方で、エージング温度が低いと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、SUS板に対する粘着力が、例えば、1.4N/25mm以上であることが好ましく、2.0N/25mm以上であることがより好ましく、4.0N/25mm以上であることがさらに好ましい。上記のSUS板に対する粘着力が上記範囲であることにより、エネルギー線を照射するまでの間、半導体加工用粘着テープにウェハや分割されたチップを十分に固定することができる。一方、上記のSUS板に対する粘着力の上限は、特に限定されない。
ここで、SUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定することができる。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いることができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が、例えば、2N/25mm以下であることが好ましく、1.5N/25mm以下であることがより好ましく、1.0N/25mm以下であることがさらに好ましい。エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が上記範囲であることにより、エネルギー線照射後には半導体加工用粘着テープからチップを容易に剥離することができる。一方、上記のエネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力の下限は特に限定されないが、例えば、0.01N/25mm以上とすることができる。
ここで、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力は、下記の方法により、測定することができる。まず、半導体加工用粘着テープの粘着層にエネルギー線を照射し、硬化させる。この際、例えば、半導体加工用粘着テープの基材側の面からエネルギー線を照射することができる。次に、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力を測定することができる。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いることができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、傾斜式ボールタック試験におけるボールナンバーが、例えば、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。半導体加工用粘着テープのタック性が低いと、粘着層が硬くなる傾向にあり、半導体加工用粘着テープのタック性が高いと、粘着層が柔らかくなる傾向にある。そのため、半導体加工用粘着テープのタック性が高すぎると、粘着層が柔らかくなりすぎるため、被着体に凹凸がある場合には、凹凸によるアンカー効果によって、剥離時に糊残りが生じやすくなる可能性がある。一方、上記のように半導体加工用粘着テープのタック性が低い場合には、粘着層が硬くなりやすいため、被着体に凹凸がある場合であっても、凹凸によるアンカー効果が生じにくく、剥離時に糊残りを生じにくくすることができる。
ここで、傾斜式ボールタック試験は、JIS Z0237:2009に準拠し、傾斜角度30°、温度23℃、湿度50%RHの条件で行う。ボールは、直径が1/32インチから1インチまでの大きさのボールを用いる。そして、半導体加工用粘着テープの粘着層の表面にボールを転がしたときに、半導体加工用粘着テープの粘着層の表面で停止するボールのうち、最大のボールのナンバーで評価する。ボールナンバーは、ボールの直径を32倍することで求められる。ボールナンバーが小さいほど、タック性が低い。
2.粘着層
本開示における粘着層は、基材の一方の面に、基材に接して配置され、エネルギー線硬化性を有する部材である。エネルギー線硬化性の粘着層は、エネルギー線の照射により硬化することで粘着力が低下する。エネルギー線硬化性の粘着層においては、ダイシング工程では、その初期粘着力により、ウェハや分割されたチップを固定することができる。また、エネルギー線硬化性の粘着層においては、ピックアップ工程または転写工程では、エネルギー線を照射して硬化させることで粘着力が低下して剥離性が向上するため、チップを剥離または転写することができる。
エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも、汎用性等の観点から、紫外線、電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
粘着層としては、上記の粘着力を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂(粘着主剤)と、エネルギー線硬化性化合物とを少なくとも含有することができる。粘着層がエネルギー線硬化性化合物を含有することにより、エネルギー線の照射によりエネルギー線硬化性化合物を硬化させることで、粘着力を低下させることができ、また、このとき凝集力が高まるため、剥離が容易になる。
(1)樹脂(粘着主剤)
樹脂(粘着主剤)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等、一般に粘着剤の主剤として用いられる樹脂が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂の耐熱性により、粘着層が、高温に十分に耐え得る高耐熱性および低アウトガス性を示すことができる。また、アクリル系樹脂を用いることにより、被着体への糊残りを低減することができる。
よって、粘着層は、アクリル系樹脂と、エネルギー線硬化性化合物と、架橋剤とを少なくとも含有することが好ましい。粘着層内において、アクリル系樹脂は、通常、架橋剤によりアクリル系樹脂間が架橋されてなる架橋体として存在するが、架橋体と共にアクリル系樹脂の単体が含まれていてもよい。
(アクリル系樹脂)
アクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルおよび他の単量体の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。他の単量体は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでの主成分とは、共重合割合が51質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上である。
中でも、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好適に用いることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方をいうものとする。
共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されず、例えば特開2012-31316号公報に開示される水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーが用いられる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量としては、例えば、20万以上100万以下であることが好ましく、20万以上80万以下であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量を上記範囲内とすることで、十分な初期粘着力を発揮でき、高温に耐え得る高耐熱性および低アウトガス性を示すことが可能な粘着層とすることができる。
ここで、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際のポリスチレン換算値である。重量平均分子量は、例えば、測定装置に東ソー株式会社製のHLC-8220GPCを、カラムに東ソー株式会社製のTSKGEL-SUPERMULTIPORE-HZ-Mを、溶媒にTHFを、標準品として分子量が1050、5970、18100、37900、96400、706000の標準ポリスチレンを用いることで測定することができる。
また、アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの(メタ)アクリル酸エステル共重合体である場合、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比としては、例えば、51:49~100:0であることが好ましく、中でも75:25~100:0であることが好ましい。各モノマーの質量比が上記範囲内であれば、エネルギー線照射による効果的な粘着力の低下が期待でき、糊残りの発生を抑制することができる。また、高温に対して高耐熱性および低アウトガス性を示すことができる。
また、アクリル系樹脂は、エネルギー線硬化性を有していてもよく、例えば、側鎖にエネルギー線硬化性官能基を有していてもよい。エネルギー線硬化性官能基としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有することが好ましく、具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
(2)エネルギー線硬化性化合物
エネルギー線硬化性化合物は、エネルギー線の照射を受けて重合するものであれば特に限定されず、例えば、エネルギー線硬化性官能基を有する化合物が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、エネルギー線硬化性モノマー、エネルギー線硬化性オリゴマー、エネルギー線硬化性ポリマーが挙げられる。なお、エネルギー線硬化性ポリマーは、上記の樹脂(粘着主剤)とは異なるポリマーである。中でも、エネルギー線照射前後の粘着力のバランスの観点から、エネルギー線硬化性オリゴマーが好ましい。また、エネルギー線硬化性モノマー、エネルギー線硬化性オリゴマー、エネルギー線硬化性ポリマーを組み合わせて用いてもよい。例えば、エネルギー線硬化性オリゴマーに加えてエネルギー線硬化性モノマーを用いる場合には、エネルギー線を照射した際に、粘着層を三次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、凝集力を高めてチップ側へ転着させないようにすることができる。
また、エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物等が挙げられる。中でも、ラジカル重合性化合物が好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、さらには、エネルギー線照射前後の粘着力等の物性を容易に制御することができる。
また、エネルギー線硬化性化合物のエネルギー線硬化性官能基の数を調整することにより、上記剥離力の制御が可能となる。上述したように、例えば、エネルギー線硬化性官能基の数が少ないと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、エネルギー線硬化性官能基の数が多いと、上記 離力が小さくなる傾向にある。エネルギー線硬化性化合物において、エネルギー線硬化性官能基の数は、1分子中に2個以上であることが好ましく、1分子中に3個以上であることがより好ましく、4個以上であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性官能基の数が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による糊残りの発生を抑制することができる。また、エネルギー線硬化性官能基の数の上限は、特に限定されない。
エネルギー線硬化性化合物は、ラジカル重合性オリゴマーであることが好ましく、ラジカル重合性多官能オリゴマーであることがより好ましい。ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。
また、エネルギー線硬化性化合物として、ラジカル重合性オリゴマーおよびラジカル重合性モノマーを用いてもよく、中でも、ラジカル重合性多官能オリゴマーおよびラジカル重合性多官能モノマーを用いてもよい。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば特開2010-173091号公報に開示されるものが挙げられる。
また、エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー、(メタ)アクリレート系ポリマー等を挙げることができる。また、エネルギー線硬化性化合物として、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等を用いることもできる。
また、エネルギー線硬化性化合物は、市販品を用いてもよい。例えば、三菱ケミカル社製のウレタンアクリレート「紫光UV7620EA(分子量:4100)」;根上工業社製のウレタンアクリレート「アートレジンUN-905(分子量:50000~210000)」、「アートレジンUN-905DU1(分子量:26000)」、「アートレジンUN-951SC(分子量:12500)」、「アートレジンUN-952(分子量:6500~9500)」、「アートレジンUN-953(分子量:14000~40000)」、「アートレジンUN-954(分子量:4200)」、「アートレジンH-219(分子量:25000~50000)」、「アートレジンH-315M(分子量:6600)」、「アートレジンH-417M(分子量:4000)」;大成ファインケミカル社製のアクリルウレタンポリマー「8BR-600(分子量:100000)」;DIC社製のポリマーアクリレート「ユニディックV-6850」;共栄社化学社製のアクリルポリマー「SMP-250AP(分子量:20000~30000)」、「SMP-360A(分子量:20000~30000)」;昭和電工マテリアルズ社製のアクリル樹脂アクリレート「HA7975」等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エネルギー線硬化性化合物の分子量を調整することにより、上記剥離力の制御が可能となる。上述したように、例えば、エネルギー線硬化性化合物の分子量が小さいと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、エネルギー線硬化性化合物の分子量が大きいと、上記 離力が小さくなる傾向にある。エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、30,000以下であることが好ましく、10,000であることがより好ましく、8,000以下であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量が上記範囲であれば、アクリル系樹脂(粘着主剤)と十分な相溶性を示し、粘着層が、エネルギー線照射前には所望の粘着力を示し、エネルギー線照射後には糊残りの発生が抑制され、容易に剥離可能となる。一方、エネルギー線硬化性樹脂組成物の重量平均分子量は、例えば、500以上とすることができる。
また、エネルギー線硬化性化合物の含有量を調整することにより、上記剥離力の制御が可能となる。上述したように、例えば、エネルギー線硬化性化合物の含有量が少ないと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、エネルギー線硬化性化合物の含有量が多いと、上記 離力が小さくなる傾向にある。エネルギー線硬化性化合物の含有量としては、例えば、樹脂(粘着主剤)100質量部に対して、5質量部以上150質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、50質量部以上80質量部以下であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性化合物の含有量が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による糊残りの発生を抑制することができる。
(3)重合開始剤
粘着層は、樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物に加えて、重合開始剤を含有することができる。
重合開始剤としては、一般的な光重合開始剤を用いることができる。具体的には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α-ヒドロキシケトン類、ベンジルメチルケタール類、α-アミノケトン類、ビスアシルフォスフィンオキサイド類が挙げられる。エネルギー線硬化性化合物としてウレタンアクリレートを使用する場合には、重合開始剤がビスアシルフォスフィン系重合開始剤であることが好ましい。この重合開始剤は耐熱性を有するため、基材に粘着剤組成物を塗布してエネルギー線照射を行う際に、基材を介してエネルギー線照射を行う場合であっても、確実にエネルギー線硬化性化合物を硬化させることができる。
重合開始剤は、波長230nm以上に吸収を有することが好ましく、波長300nm以上400nm以下に吸収を有することが好ましい。このような重合開始剤は、波長300nm以上の幅の広いエネルギー線を吸収し、エネルギー線硬化性化合物の重合反応を誘発する活性種を効率的に生成することができる。そのため、少量のエネルギー線照射量でもエネルギー線硬化性化合物を効率的に硬化させることができ、容易に剥離可能となる。また、後述するように基材には樹脂等を用いることができ、樹脂には、波長300nm程度までのエネルギー線を吸収するものの、波長300nm程度以上のエネルギー線を透過するものが多い。さらに、近年では、エネルギー線照射装置において、波長300nm以上のLEDランプを使用することが多い。そのため、波長230nm以上に吸収を有する重合開始剤を用いることにより、基材を透過したエネルギー線を利用してエネルギー線硬化性化合物を硬化させることができる。
重合開始剤の含有量は、例えば、樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物の合計100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上6質量部以下であることがより好ましい。重合開始剤の含有量が上記範囲に満たないと、エネルギー線硬化性化合物の重合反応が十分起こらず、エネルギー線照射後の粘着層の粘着力が過剰に高くなり、剥離性を実現することができない場合がある。一方、重合開始剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射面の近傍にしかエネルギー線が届かず、粘着層の硬化が不十分となる場合がある。また、凝集力が低下し、糊残りの発生の原因となる場合もある。
(4)架橋剤
粘着層は、樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物に加えて、架橋剤を含有することができる。
架橋剤は、少なくとも樹脂(粘着主剤)間を架橋するものであれば特に限定されるものではなく、樹脂(粘着主剤)の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。架橋剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量としては、架橋剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、樹脂(粘着主剤)100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲に満たないと、密着性が劣る場合や、チップを剥離または転写する際に粘着層が凝集破壊を起こして糊残りが生じる場合がある。一方、架橋剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射後の粘着層中に架橋剤が未反応モノマーとして残留することで、凝集力の低下により糊残りの発生の原因となる場合がある。
(5)添加剤
粘着層は、必要に応じて、各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、粘着付与剤、耐電防止剤、可塑剤、シランカップリング剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等が挙げられる。
また、粘着層は、粘着力調整剤を含んでいてもよい。粘着力調整剤は、例えば、セパレータに対する剥離性や、タック性を調整する目的で使用することができる。粘着力調整剤としては、例えば、アクリル系ブロック共重合体、ポリエステル樹脂等が挙げられる。アクリル系ブロック共重合体やポリエステル樹脂は、市販品を用いてもよい。アクリル系ブロック共重合体としては、具体的には、クラレ社の製クラリティシリーズ(例えば、「LA4285」、「LA2270」、「LA2250」、「LA2140」、「LA2330」、「LA3320」等)、アルケマ社製のNANOSTRENGTH(例えば、「M22N」等)が挙げられる。また、ポリエステル樹脂としては、例えば、東洋紡社製のバイロンシリーズ(例えば、「バイロン200」、「バイロン600」等)、ユニチカ社製のエリーテルシリーズ(「エリーテルUE3210」、「エリーテルUE9200」等)が挙げられる。
(6)粘着層の厚さおよび形成方法
粘着層の厚さとしては、十分な粘着力が得られ、かつ、エネルギー線が内部まで透過することが可能な厚さであればよく、例えば、3μm以上50μm以下であり、好ましくは5μm以上40μm以下である。
粘着層の形成方法としては、例えば、基材上に粘着剤組成物を塗布する方法や、セパレータ上に粘着剤組成物を塗布して粘着層を形成し、粘着層および基材を貼り合わせる方法が挙げられる。
また、粘着層形成時や基材および粘着層の貼合時のエージング温度を調整することにより、上記剥離力の制御が可能となる。上述したように、例えば、エージング温度が高いと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、一方で、エージング温度が低いと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。エージング温度は、例えば、40℃以上60℃以下であることが好ましい。エージング温度が高すぎると、基材が変形する可能性がある。
3.基材
本開示における基材は、上記粘着層を支持する部材である。
基材としては、特に限定されないが、ピックアップ工程または転写工程では半導体加工用粘着テープの基材側からエネルギー線を照射して粘着層を硬化させることにより、粘着層の粘着力を低下させることが好ましいことから、基材は、エネルギー線を透過するものであることが好ましい。
基材は、エキスパンド可能であることが好ましい。具体的には、基材のヤング率は、例えば、500MPa以下であることが好ましく、300MPa以下であることがより好ましく、150MPa以下であることがさらに好ましい。基材のヤング率が上記範囲であれば、基材のエキスパンド性を向上させることができる。また、基材のヤング率は、例えば、20MPa以上であることが好ましく、30MPa以上であることがより好ましく、40MPa以上であることがさらに好ましい。基材のヤング率が低すぎると、基材が極端に柔らかくなり、半導体加工用粘着テープを均一に拡張することが困難になる可能性がある。
ここで、基材のヤング率、JIS K7127に準拠して測定することができる。具体的な測定条件を下記に示す。
・試験片:試験片タイプ5
・チャック間距離:60mm
・引張速度:100mm/min
引張試験機としては、例えば、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いることができる。
基材の材質としては、上記の特性を満たすものであることが好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ウレタン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;フッ素樹脂等が挙げられる。また、基材の材質としては、例えば、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アクリル系エラストマー、アミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等のゴム系材料を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、オレフィン系樹脂または塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル樹脂がより好ましい。すなわち、基材は、オレフィン系樹脂または塩化ビニル樹脂を含有することが好ましく、塩化ビニル樹脂を含有することがより好ましい。塩化ビニル樹脂は可塑剤を添加することにより軟化するため、いわゆる軟質塩化ビニル樹脂を用いることにより、後述するように降伏点を有さない基材とすることができる。
塩化ビニル樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-プロピレン共重合体、塩化ビニル-スチレン共重合体、塩化ビニル-イソブチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-スチレン-無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル-スチレン-アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-イソプレン共重合体、塩化ビニル-塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-各種ビニルエーテル共重合体等の塩素含有樹脂;それらの塩素含有樹脂の混合物;それらの塩素含有樹脂と他の塩素を含まない樹脂との混合物、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。他の塩素を含まない樹脂としては、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン三元共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等が挙げられる。
基材は、必要に応じて、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、難燃剤、着色剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
基材は、例えば、単層であってもよく、多層であってもよい。
基材は、降伏点を有さないことが好ましい。すなわち、基材は、応力-歪み曲線において、弾性変形を示すことが好ましい。応力-歪み曲線は、引張試験により得られる応力と歪みの関係曲線であり、歪み(%)を横軸に、応力(MPa)を縦軸にとって描かれる。応力-歪み曲線における降伏点までの領域は、弾性変形領域とみなせ、応力-歪み曲線における降伏点以降の領域は、塑性変形領域とみなせる。そのため、基材が降伏点を有さない場合には、基材は弾性変形を示すということができる。基材が降伏点を有さない場合には、エキスパンド工程およびピックアップ工程において、半導体加工用粘着テープを均一に拡張させることができる。また、基材が降伏点を有さない場合には、基材を伸長させても復元性を失わないため、半導体の加工をしやすくすることができる。
ここで、「降伏」とは、応力-歪み曲線で見られるように、物体に働く応力が弾性限度を超えると応力の増大がないのに変形が徐々に進行する現象のことをいい、「降伏点」とは、弾性挙動の最大応力値における点のことをいう。
降伏点の有無は、以下の方法により確認することができる。基材についてMD方向およびTD方向にそれぞれ引張試験を行い、基材が破断するまでの応力と歪みを測定し、歪みを横軸、応力を縦軸にそれぞれプロットする。その際、傾きが正の値からゼロまたは負の値に変化する応力値をとる場合を降伏点を有する、傾きが正の値からゼロまたは負の値に変化する応力値をとらない場合を降伏点を有さないとする。引張試験は、JIS K7127に準拠して行うことができる。引張試験機としては、例えば、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いることができる。基材は、MD方向およびTD方向の引張試験のいずれの場合においても、降伏点を有さないことが好ましい。
また、基材の表面粗さを調整することにより、上記剥離力の制御が可能となる。上述したように、例えば、基材の表面粗さが大きいと、上記剥離力が大きくなる傾向にある。一方、基材の表面粗さが小さいと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。ただし、基材の表面粗さが大きすぎると、粘着層が基材表面の凹凸に追従しにくくなり、密着不良が生じる可能性がある。具体的には、基材の算術平均粗さRaは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
ここで、算術平均粗さRaは、JIS B0601:2013に準拠し、測定することができる。表面粗さ測定測定機としては、例えば、東京精密社製のSURFCOM 1400D-3DFを用いることができる。
また、基材の濡れ性を調整することにより、上記剥離力の制御が可能となる。上述したように、例えば、基材の濡れ性が高いと、上記剥離力が大きくなる傾向にあり、一方で、基材の濡れ性が低いと、上記剥離力が小さくなる傾向にある。基材の濡れ性は、例えば、基材の表面における純水の接触角、または基材の表面の濡れ指数(ダインレベル)により評価することができる。基材の表面における純水の接触角、および、基材の表面の濡れ指数(ダインレベル)は、目的とする基材の濡れ性に応じて、適宜調整されることが好ましい。
基材の粘着層側の面には、粘着層との密着性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、特に限定されず、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、アルカリ処理等が挙げられる。
基材の厚さとしては、特に限定されず、例えば、20μm以上500μm以下であり、40μm以上350μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよい。基材の厚さが上記範囲内であれば、エキスパンドしやすく、また破断しない程度の十分な強度を有する基材とすることができる。
4.その他の構成
本開示の半導体加工用粘着テープは、上記の基材および粘着層の他に、必要に応じて、他の構成を有することができる。
本開示の半導体加工用粘着テープは、粘着層の基材とは反対側の面にセパレータを有していてもよい。セパレータにより粘着層を保護することができる。
5.用途
本開示の半導体加工用粘着テープは、ダイシングテープとして好適に用いることができる。特に、本開示の半導体加工用粘着テープは、ウェハに微細で複雑な回路が形成されている場合に、ダイシングテープとして用いることが好ましい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を示し、本開示をさらに説明する。
[材料]
下記に、粘着剤組成物に用いた材料を示す。
・粘着主剤A(アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量約80万)
・粘着主剤B(アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量約50万)
・ウレタンアクリレートA(紫外線硬化性化合物、官能基数9、分子量4100)
・ウレタンアクリレートB(紫外線硬化性化合物、官能基数6、分子量4200)
・ウレタンアクリレートC(紫外線硬化性化合物、官能基数9~12、分子量20000)
・ウレタンアクリレートD(紫外線硬化性化合物、官能基数2、分子量3000)
・ウレタンアクリレートE(紫外線硬化性化合物、官能基数10、分子量500~1200)
・ウレタンアクリレートF(紫外線硬化性化合物、二重結合当量2000g/mol、分子量15000)
・アクリル系ブロック共重合体(メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル-メタクリル酸メチルのトリブロック共重合体、重量平均分子量80000)
・重合開始剤(BASFジャパン株式会社製「Omnirad 819」)
・架橋剤A(エポキシ系硬化剤)
・架橋剤B(金属キレート系硬化剤)
・架橋剤C(イソシアネート系硬化剤)
[実施例1]
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 40質量部と、ウレタンアクリレートB 30質量部と、アクリル系ブロック共重合体 0.5質量部と、重合開始剤7質量部と、架橋剤A 0.35質量部と、架橋剤B 0.2質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータ上に、乾燥後の厚さが20μmとなるように上記粘着剤組成物を塗工し、110℃オーブンで3分間乾燥させて、粘着層を形成した。
次に、上記粘着層上に、基材(ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ロンシール製「FV5-RP-TR-90」、厚さ90μm)をラミネートした後、50℃で3日間エージングを行い、半導体加工用粘着テープを作製した。
[実施例2]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 40質量部と、ウレタンアクリレートB 30質量部と、アクリル系ブロック共重合体 0.5質量部と、重合開始剤7質量部と、架橋剤C 3質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[実施例3]
下記の基材を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。基材として、塩化ビニル樹脂75質量部と、可塑剤20質量部と、安定剤0.4質量部と、ノニルフェノール0.3質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、カレンダー法により製膜し、厚さ90μmのポリ塩化ビニルフィルムを作製した。
[実施例4]
下記の基材を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。基材として、塩化ビニル樹脂75質量部と、可塑剤15質量部と、安定剤0.4質量部と、ノニルフェノール0.3質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、カレンダー法により製膜し、厚さ90μmのポリ塩化ビニルフィルムを作製した。
[実施例5]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 40質量部と、ウレタンアクリレートC 15質量部と、ウレタンアクリレートD 15質量部と、アクリル系ブロック共重合体0.5質量部と、重合開始剤7質量部と、架橋剤A 0.05質量部と、架橋剤B 0.15質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[実施例6]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 40質量部と、ウレタンアクリレートB 30質量部と、アクリル系ブロック共重合体 10質量部と、重合開始剤7質量部と、架橋剤A 0.35質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[実施例7]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤B 100質量部と、ウレタンアクリレートE 50質量部と、重合開始剤5質量部と、架橋剤C 6質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[実施例8]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 35質量部と、ウレタンアクリレートF 30質量部と、重合開始剤6.5質量部と、架橋剤A 0.05質量部と、架橋剤B 0.15質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[実施例9]
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 60質量部と、アクリル系ブロック共重合体 1.0質量部と、重合開始剤6質量部と、架橋剤A 0.35質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
次に、上記粘着層上に、基材(ポリオレフィン(PO)フィルム、日本マタイ製「エスマーOES DC-VS」、厚さ100μm)をラミネートした後、40℃で3日間エージングを行い、半導体加工用粘着テープを作製した。
[比較例1]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと、および、基材および粘着層の貼合時のエージング温度を40℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 40質量部と、ウレタンアクリレートB 30質量部と、アクリル系ブロック共重合体 1.5質量部と、重合開始剤7質量部と、架橋剤A 0.35質量部と、架橋剤B 0.2質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[比較例2]
基材および粘着層の貼合時のエージング温度を40℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
[比較例3]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと、および、基材および粘着層の貼合時のエージング温度を40℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 40質量部と、ウレタンアクリレートB )30質量部と、アクリル系ブロック共重合体0.5質量部と、重合開始剤7質量部と、架橋剤C 3質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[比較例4]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
粘着主剤B 100質量部と、ウレタンアクリレートE 70質量部と、アクリル系ブロック共重合体1.5質量部と、重合開始剤7質量部と、架橋剤A 3質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[評価]
(1)エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力
まず、半導体加工用粘着テープの基材側の面から、積算光量500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、粘着層を硬化させた。次いで、半導体加工用粘着テープからセパレータを剥離して、粘着層を露出させ、半導体加工用粘着テープの粘着層の面に、被着体(日東電工社製 ポリエステル粘着テープNO.31B)を、2kgのローラを用いて貼り合わせ(1往復)、幅20mmに切断した。その後、6時間エージングし、試験片を作製した。次に、試験片の基材と粘着層との間で、試験片の長さ方向に強制的に剥離し、引張試験機(エー・アンド・デイ社製のテンシロンRTF1150)を用いて、試験片の基材と粘着層との間で剥離された部分の端をそれぞれ引張試験機のつかみ具で止め、温度23℃、湿度50%RH、剥離速度300mm/min、剥離距離50mmの条件で、T字剥離を行うことにより、エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力を測定した。
なお、実施例6~8では、基材と粘着層との間では剥離せず、粘着層と被着体との間で剥離した。実施例6~8において、エネルギー線照射後の粘着層と被着体との間の剥離力はそれぞれ、4.19N/20mm、5.22N/20mm、5.99N/20mmであった。
(2)SUS板に対する粘着力
SUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定した。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いた。
(3)エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力
まず、半導体加工用粘着テープの基材側の面から、積算光量500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、粘着層を硬化させた。紫外線照射後の半導体加工用粘着テープのSUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定した。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いた。
(4)ボールタック試験
JIS Z0237:2009に準拠し、傾斜角度30°、温度23℃、湿度50%RHの条件で、傾斜式ボールタック試験を行った。半導体加工用粘着テープの粘着層の表面にボールを転がしたときに、半導体加工用粘着テープの粘着層の表面で停止するボールのうち、最大のボールのナンバーで評価した。
(5)チップ不良率
半導体加工用粘着テープを用いて、8インチ径、厚さ100μmのシリコンウェハを3mm×3mmのチップサイズで下記の条件にてダイシングした後、チップを下記の条件にてピックアップし、チップ3200個のうちピックアップ可能なチップ個数をカウントし、チップ不良率を算出した。チップ不良率は、下記基準にて評価した。
(ダイシング)
ダイシング装置:DISCO社製「DFD6361」
条件:ブレード Z1♯3500(幅40μm)
回転数 Z1 40,000rpm
送り速度 30mm/sec
(ピックアップ)
ピックアップ装置:キヤノンマシナリー社製「CAP-300」
条件:φ0.7mm
先端R 150μmR
超硬ニードル
テープ非突き破り
(評価基準)
A:チップ不良率が1%未満である。
B:チップ不良率が1%以上3%未満である。
C:チップ不良率が3%以上である。
(6)糊残り
上記のチップ不良率の評価後、被着体の顕微鏡観察により、糊残りの有無を確認した。
A:糊残りなし
B:糊残りあり
Figure 0007197038000002
実施例1~9の半導体加工用粘着テープでは、エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力が所定の範囲であるため、糊残りが抑制されていた。一方、比較例1~4の半導体加工用粘着テープでは、エネルギー線照射後の基材と粘着層との間の剥離力が所定の範囲を満たさないため、糊残りが生じた。また、実施例1~7の半導体加工用粘着テープでは、SUSに対する粘着力が好ましい範囲であり、かつ、エネルギー線照射後のSUSに対する粘着力が好ましい範囲であるため、ピックアップ不良およびチップ飛びも抑制されていた。
1 … 基材
2 … 粘着層
10 … 半導体加工用粘着テープ

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に、前記基材に接して配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、
    エネルギー線照射後の前記基材と前記粘着層との間の剥離力が、0.6N/20mm以上であり、
    前記粘着層が、粘着主剤である樹脂と、エネルギー線硬化性化合物と、重合開始剤とを含有し、
    前記エネルギー線硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、
    前記重合開始剤が、ビスアシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤である、半導体加工用粘着テープ。
  2. SUS板に対する粘着力が、1.4N/25mm以上である、請求項1に記載の半導体加工用粘着テープ。
  3. エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が、2N/25mm以下である、請求項1または請求項2に記載の半導体加工用粘着テープ。
  4. 傾斜式ボールタック試験におけるボールナンバーが、5以下である、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の半導体加工用粘着テープ。
  5. 基材と、前記基材の一方の面に、前記基材に接して配置されたエネルギー線硬化性の粘着層とを有する半導体加工用粘着テープを製造する、半導体加工用粘着テープの製造方法であって、
    前記粘着層の形成方法が、前記基材上に粘着剤組成物を塗布して前記粘着層を形成する方法であり、前記粘着層形成時のエージング温度が50℃以上60℃以下であり、あるいは、
    前記粘着層の形成方法が、セパレータ上に粘着剤組成物を塗布して前記粘着層を形成し、前記粘着層および前記基材を貼り合わせる方法であり、前記基材および前記粘着層の貼合時のエージング温度が50℃以上60℃以下であり、
    エネルギー線照射後の前記基材と前記粘着層との間の剥離力が、0.6N/20mm以上である、半導体加工用粘着テープの製造方法。
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