JP2023069662A - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー線照射後のリングフレームに対する剥離性に優れる半導体加工用粘着テープを提供する。【解決手段】基材1と、基材1の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層2と、を有する半導体加工用粘着テープ10であって、半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、半導体加工用粘着テープ及びSUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大せん断応力が1MPa以上25MPa以下であり、最大伸びが3mm以上30mm以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体加工用粘着テープに関する。
半導体の製造工程では、ウェハをチップに切断(ダイシング)するダイシング工程において、ウェハおよびチップを保護および固定するために、ダイシングテープと呼ばれる半導体加工用粘着テープが用いられている。
半導体加工用粘着テープには、加工工程中はウェハやチップを十分な粘着力で固定できるとともに、加工工程後はチップを破損することなく容易に剥離できることが求められる。
このような半導体加工用粘着テープとしては、例えば、エネルギー線硬化型の粘着テープの開発が盛んに行われている(例えば特許文献1~5)。
国際公開第2016/151911号 特開2005-19607号公報 特開2016-115775号公報 国際公開第2014/20962号 特開2018-195616号公報
半導体加工用粘着テープは、リングフレームに貼付され、その半導体加工用粘着テープ上にウェハが固定されて使用される。そして、半導体加工用粘着テープからチップを剥離した後は、リングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離する。あるいは、チップを半導体加工用粘着テープから転写テープに転写する際は、リングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離して、リングフレームも転写テープに転写する。そのため、半導体加工用粘着テープには、リングフレームに対して容易に剥離できることも求められる。
リングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離する際は、例えば、半導体加工用粘着テープの端部の一部を掴んで引き剥がすが、その際に、半導体加工用粘着テープがちぎれたり破れたりする等の問題がある。
上記のエネルギー線硬化型の粘着テープは、エネルギー線の照射により粘着層を硬化させることで粘着力を低下させることができるが、エネルギー線照射前の加工工程中はウェハやチップを強固に固定できるものである。このように、半導体加工用粘着テープにおいては、エネルギー線照射前のウェハやチップの固定、および、エネルギー線照射後のチップの剥離の観点からの検討はされているものの、エネルギー線照射後のリングフレームの剥離についてはほとんど検討されていないのが実情である。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、エネルギー線硬化型の粘着テープにおいて、エネルギー線照射後のリングフレームに対する剥離性に優れる半導体加工用粘着テープを提供することを主目的とする。
本開示は、基材と、上記基材の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、上記半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、上記半導体加工用粘着テープおよび上記SUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大せん断応力が1MPa以上25MPa以下であり、最大伸びが3mm以上30mm以下である、半導体加工用粘着テープを提供する。
本開示における半導体加工用粘着テープは、エネルギー線照射後のリングフレームに対する剥離性に優れるという効果を奏する。
本開示における半導体加工用粘着テープの一例を示す概略断面図である。 最大せん断応力および最大伸びの測定方法を説明するための模式図である。 半導体の製造方法を例示する工程図である。 半導体の製造方法を例示する工程図である。 リングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離する方法を例示する模式図である。 実施例における固定性の評価方法を示す模式図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
本開示の半導体加工用粘着テープについて、詳細に説明する。
本開示の半導体加工用粘着テープは、基材と、上記基材の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有し、上記半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、上記半導体加工用粘着テープおよび上記SUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大せん断応力が25MPa以下であり、最大伸びが30mm以下である。
図1は、本開示の半導体加工用粘着テープを例示する概略断面図である。図1における半導体加工用粘着テープ10は、基材1と、基材1の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層2とを有している。半導体加工用粘着テープ10においては、例えば図2(a)、(b)に示すように、半導体加工用粘着テープ10をSUS板50に貼り付け、エネルギー線を照射した後、半導体加工用粘着テープ10およびSUS板50の粘着面51に平行な方向d1、d2に引っ張ったときの、最大せん断応力が所定の値以下であり、最大伸びが所定の値以下である。
図3(a)~(e)は、半導体加工用粘着テープを用いた半導体の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図3(a)に示すように、リングフレーム21に半導体加工用粘着テープ10を貼り付けて、ウェハ11を半導体加工用粘着テープ10に貼り付けた後、図3(b)に示すように、ウェハ11をチップ12に切断(ダイシング)するダイシング工程を行う。次に、図3(c)に示すように、半導体加工用粘着テープ10を引き伸ばして、チップ12同士の間隔を広げるエキスパンド工程を行う。次に、図示しないが、半導体加工用粘着テープ10のエネルギー線硬化性の粘着層にエネルギー線を照射して硬化させることで粘着力を低下させ、図3(d)に示すように、チップ12を半導体加工用粘着テープ10から剥離して、チップ12をピックアップするピックアップ工程を行う。次いで、図3(e)に示すように、ピックアップされたチップ12を基板30に接着するマウント(ダイボンディング)工程を行う。また、図示しないが、チップ12を半導体加工用粘着テープ10から剥離した後は、リングフレーム21も半導体加工用粘着テープ10から剥離する。
図4(a)~(d)は、半導体加工用粘着テープを用いた半導体の製造方法の他の例を示す工程図である。まず、図4(a)に示すように、リングフレーム21に半導体加工用粘着テープ10を貼り付けて、ウェハ11を半導体加工用粘着テープ10に貼り付けた後、図4(b)に示すように、ウェハ11をチップ12に切断(ダイシング)するダイシング工程を行う。次に、図4(c)に示すように、チップ12の半導体加工用粘着テープ10とは反対側の面に転写テープ40を貼り付けた後、図示しないが、半導体加工用粘着テープ10のエネルギー線硬化性の粘着層にエネルギー線を照射して硬化させることで粘着力を低下させ、図4(d)に示すように、半導体加工用粘着テープ10をチップ12およびリングフレーム21から剥離して、チップ12およびリングフレーム21を転写テープ40に転写する転写工程を行う。
ここで、エネルギー線照射後にリングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離する際は、例えば図5に示すように、半導体加工用粘着テープ10の端部の一部を掴み、半導体加工用粘着テープ10およびリングフレーム21の粘着面に平行な方向d3に引っ張って剥離する。その際、半導体加工用粘着テープにはせん断応力がかかる。また、リングフレームの材質はSUSであることが多い。
本開示においては、半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、半導体加工用粘着テープおよびSUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大せん断応力が所定の値以下であることにより、エネルギー線照射後にリングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離する際に、半導体加工用粘着テープに生じるせん断応力を小さくすることができ、半導体加工用粘着テープのちぎれや破れを抑制することができる。
また、エネルギー線照射後にリングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離する際に、半導体加工用粘着テープに生じるせん断応力が小さい場合であっても、エネルギー線照射後の半導体加工用粘着テープが柔らかい場合には、伸びて剥がれないおそれがある。
これに対し、本開示においては、半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、半導体加工用粘着テープおよびSUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大伸びが所定の値以下であるため、エネルギー線照射後の半導体加工用粘着テープを硬くすることができ、半導体加工用粘着テープおよびリングフレームの界面で剥離しやすくすることができる。
したがって、本開示においては、エネルギー線照射後は半導体加工用粘着テープをリングフレームから容易に剥離することができる。よって、作業性を向上させることができる。
以下、本開示の半導体加工用粘着テープの各構成について説明する。
1.半導体加工用粘着テープの特性
本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、半導体加工用粘着テープおよびSUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大せん断応力は、25MPa以下であり、好ましくは24MPa以下であり、より好ましくは20MPa以下である。上記最大せん断応力が上記範囲であることにより、エネルギー線照射後にリングフレームから半導体加工用粘着テープを剥離する際に、半導体加工用粘着テープに生じるせん断応力を小さくすることができ、半導体加工用粘着テープのちぎれや破れを抑制することができる。一方、上記最大せん断応力は、例えば、1MPa以上であり、3MPa以上であってもよく、5MPa以上であってもよい。上記最大せん断応力が小さすぎると、エキスパンド工程等のように半導体加工用粘着テープ全体を引き伸ばす工程中に、リングフレームから半導体加工用粘着テープが剥がれたり、ウェハやチップが剥がれるチップ飛びが生じたりする可能性がある。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、半導体加工用粘着テープおよびSUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大伸びは、30mm以下であり、好ましくは25mm以下である。上記最大伸びが上記範囲であることにより、エネルギー線照射後の半導体加工用粘着テープを硬くすることができ、半導体加工用粘着テープおよびリングフレームの界面で剥離しやすくすることができる。一方、上記最大伸びは、例えば、3mm以上であり、5mm以上であってもよい。上記最大伸びが小さすぎると、エネルギー線照射後の半導体加工用粘着テープが硬くなりすぎるため、ピックアップ工程または転写工程時に、半導体加工用粘着テープがリングフレームから剥がれ始める可能性や、ピックアップ工程時に、半導体加工用粘着テープのチップ部分を十分に押し上げることができなかったり、半導体加工用粘着テープが破損したりするため、ピックアップ不良が発生する可能性がある。
ここで、上記最大せん断応力および上記最大伸びは、以下の方法により測定することができる。まず、長さ50mm、幅10mmの半導体加工用粘着テープの試験片を準備する。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、大きさ100mm×150mmのものを用いる。次に、図2(a)、(b)に示すように、接着面積が5mm×10mmになるように、半導体加工用粘着テープ10の粘着層2の面をSUS板50に貼合する。続いて、半導体加工用粘着テープ10の基材1側からエネルギー線を照射して粘着層2を硬化させる。その後、引張試験機を用いて、SUS板50の半導体加工用粘着テープ10を貼合した部分と反対側の端部E1を上側のチャックでつかみ、SUS板50の端部E2より1mmから2mm程度離れた、SUS板50に貼合していない半導体加工用粘着テープ10の部分Pを下側のチャックでつかみ、引張速度50mm/minの条件で、半導体加工用粘着テープ10およびSUS板50の粘着面51に平行な方向に、かつ、試験片(半導体加工用粘着テープ10)の長さ方向に引っ張り、せん断応力および半導体加工用粘着テープの伸びを測定する。そして、せん断応力の最大値を、最大せん断応力とする。また、半導体加工用粘着テープの伸びの最大値を、最大伸びとする。
上記の最大せん断応力および最大伸びを所定の範囲とする手段としては、例えば、粘着層に含有される成分や組成を調整する方法や、基材の弾性率、ヤング率、最大引張応力を調整する方法等が挙げられる。
粘着層に含有される成分や組成を調整する方法としては、具体的には、エネルギー線硬化性化合物の含有量もしくはエネルギー線硬化性官能基の数を調整する方法、添加剤のガラス転移温度もしくは分子量を調整する方法が挙げられる。例えば、エネルギー線硬化性化合物の含有量やエネルギー線硬化性官能基の数が多くなると、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が高くなり、エネルギー線照射後の粘着層が硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。また、例えば、添加剤のガラス転移温度が高くなると、エネルギー線照射後の粘着層が硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。また、例えば、添加剤の分子量が大きくなると、エネルギー線照射後の粘着層が硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。
また、基材の弾性率、ヤング率、最大引張応力を調整する方法においては、例えば、基材の弾性率やヤング率が大きくなると、エネルギー線照射前およびエネルギー線照射後の半導体加工用粘着テープが硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。また、例えば、基材の最大引張応力が大きくなると、エネルギー線照射前およびエネルギー線照射後の半導体加工用粘着テープが硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。
本開示において、エネルギー線硬化性の粘着層は、エネルギー線の照射により硬化することで粘着力が低下する。本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力は、例えば2.0N/25mm以下であることが好ましく、1.5N/25mm以下であることがより好ましく、1.0N/25mm以下であることがさらに好ましい。エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が上記範囲であることにより、エネルギー線照射後には半導体加工用粘着テープからリングフレームやチップを容易に剥離することができる。一方、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力の下限値は特に限定されないが、例えば、0.02N/25mm以上とすることができる。
ここで、SUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定することができる。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、大きさ100mm×150mmのものを用いることができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、エネルギー線照射後の25℃における引張貯蔵弾性率は、例えば、1.0×10Pa以上、1.0×10以下であることが好ましい。エネルギー線照射後の引張貯蔵弾性率が低すぎると、半導体加工用粘着テープが柔らかいために、ピックアップ工程時に半導体加工用粘着テープが追従してしまい、チップのみを剥離することが困難になり、ピックアップ不良になる可能性がある。また、エネルギー線照射後の引張貯蔵弾性率が高すぎると、半導体加工用粘着テープが十分なエキスパンド性を示さず、チップのピックアップが困難になる可能性がある。
ここで、引張貯蔵弾性率は、以下の方法により測定することができる。まず、半導体加工用粘着テープから、幅8mm、長さ50mmの試験片をカットする。次に、下記の条件にて引張試験を行い、25℃における引張貯蔵弾性率を測定する。
(測定条件)
・チャック間距離:10mm
・昇温速度:10mm/min
・速度範囲:-30℃以上150℃以下
・測定周波数:1Hz
・仕様ツール:フィルムツール
引張試験機としては、例えば、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の動的粘弾性測定装置(DMA)「RSAIII Rheometrics System Analyzer」を用いることができる。
2.粘着層
本開示における粘着層は、基材の一方の面に配置され、エネルギー線硬化性を有する部材である。エネルギー線硬化性の粘着層は、エネルギー線の照射により硬化することで粘着力が低下する。エネルギー線硬化性の粘着層においては、その初期粘着力によりダイシング工程ではウェハや分割されたチップを十分に固定することが可能であり、また、ピックアップ工程または転写工程ではエネルギー線を照射して硬化させることで粘着力が低下して剥離性が向上するため、チップを容易に糊残りなく剥離または転写することが可能となる。
エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも、汎用性等の観点から、紫外線、電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
(1)粘着層の材料
粘着層としては、上記の最大せん断応力および最大伸びを満たす半導体加工用粘着テープを得ることが可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂(粘着主剤)と、エネルギー線硬化性化合物とを少なくとも含有することができる。粘着層がエネルギー線硬化性化合物を含有することにより、エネルギー線の照射によりエネルギー線硬化性化合物を硬化させることで、粘着力を低下させることができ、剥離が容易になる。
樹脂(粘着主剤)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等、一般に粘着剤の主剤として用いられる樹脂が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂の耐熱性により、粘着層が、高温に十分に耐え得る高耐熱性および低アウトガス性を示すことができる。また、アクリル系樹脂を用いることにより、電子部品等の被着体への糊残りや汚染を低減することができる。
よって、粘着層は、アクリル系樹脂と、エネルギー線硬化性化合物と、架橋剤とを少なくとも含有する、あるいは、エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂と、架橋剤とを少なくとも有することが好ましい。
以下、粘着層の材料の好ましい態様について説明する。
(a)粘着層の第1態様
本態様の粘着層は、アクリル系樹脂と、エネルギー線硬化性化合物と、架橋剤とを少なくとも含有する。粘着層内において、アクリル系樹脂は、通常、架橋剤によりアクリル系樹脂間が架橋されてなる架橋体として存在するが、架橋体と共にアクリル系樹脂の単体が含まれていてもよい。
(i)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルおよび他の単量体の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。他の単量体は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでの主成分とは、共重合割合が51質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上である。
中でも、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好適に用いることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方をいうものとする。
共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されず、例えば特開2012-31316号公報に開示される水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーが用いられる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量としては、例えば、20万以上100万以下であることが好ましく、20万以上80万以下であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量を上記範囲内とすることで、十分な初期粘着力を発揮でき、高温に耐え得る高耐熱性および低アウトガス性を示すことが可能な粘着層とすることができる。
ここで、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際のポリスチレン換算値である。重量平均分子量は、例えば、測定装置に東ソー株式会社製のHLC-8220GPCを、カラムに東ソー株式会社製のTSKGEL-SUPERMULTIPORE-HZ-Mを、溶媒にTHFを、標準品として分子量が1050、5970、18100、37900、96400、706000の標準ポリスチレンを用いることで測定することができる。
また、アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの(メタ)アクリル酸エステル共重合体である場合、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比としては、例えば、51:49~100:0であることが好ましく、中でも75:25~100:0であることが好ましい。各モノマーの質量比が上記範囲内であれば、エネルギー線照射による効果的な粘着力の低下が期待でき、糊残りの発生を抑制することができる。また、高温に対して高耐熱性および低アウトガス性を示すことができる。
また、アクリル系樹脂は、エネルギー線硬化性を有していてもよく、例えば、側鎖にエネルギー線硬化性官能基を有していてもよい。エネルギー線硬化性官能基としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有することが好ましく、具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
(ii)エネルギー線硬化性化合物
エネルギー線硬化性化合物は、エネルギー線の照射を受けて重合するものであれば特に限定されず、例えば、エネルギー線硬化性官能基を有する化合物が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、エネルギー線硬化性モノマー、エネルギー線硬化性オリゴマー、エネルギー線硬化性ポリマーが挙げられる。なお、エネルギー線硬化性ポリマーは、上記のアクリル系樹脂(粘着主剤)とは異なるポリマーである。中でも、エネルギー線照射前後の粘着力のバランスの観点から、エネルギー線硬化性オリゴマーが好ましい。また、エネルギー線硬化性モノマー、エネルギー線硬化性オリゴマー、エネルギー線硬化性ポリマーを組み合わせて用いてもよい。例えば、エネルギー線硬化性オリゴマーに加えてエネルギー線硬化性モノマーを用いる場合には、エネルギー線を照射した際に、粘着層を三次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、凝集力を高めてチップ側へ転着させないようにすることができる。
また、エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物等が挙げられる。中でも、ラジカル重合性化合物が好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、さらには、エネルギー線照射前後の粘着力等の物性を容易に制御することができる。
また、エネルギー線硬化性化合物のエネルギー線硬化性官能基の数を調整することにより、上記のエネルギー線照射後の最大せん断応力や最大伸びの制御が可能となる。例えば、エネルギー線硬化性化合物のエネルギー線硬化性官能基の数が多くなると、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が高くなり、エネルギー線照射後の粘着層が硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。エネルギー線硬化性化合物において、エネルギー線硬化性官能基の数は、1分子中に1個以上であればよいが、中でも、1分子中に2個以上であることが好ましく、1分子中に3個以上であることがより好ましく、4個以上であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性官能基の数が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による糊残りの発生を抑制することができる。また、エネルギー線硬化性官能基の数の上限値は特に限定されない。
エネルギー線硬化性化合物は、ラジカル重合性オリゴマーであることが好ましく、ラジカル重合性多官能オリゴマーであることがより好ましい。ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。
また、エネルギー線硬化性化合物として、ラジカル重合性オリゴマーおよびラジカル重合性モノマーを用いてもよく、中でも、ラジカル重合性多官能オリゴマーおよびラジカル重合性多官能モノマーを用いてもよい。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば特開2010-173091号公報に開示されるものが挙げられる。
また、エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー、(メタ)アクリレート系ポリマー等を挙げることができる。また、エネルギー線硬化性化合物として、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等を用いることもできる。
エネルギー線硬化性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、30,000以下であることが好ましく、10,000であることがより好ましく、8,000以下であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量が上記範囲であれば、アクリル系樹脂(粘着主剤)と十分な相溶性を示し、粘着層が、エネルギー線照射前には所望の粘着力を示し、エネルギー線照射後には糊残りの発生が抑制され、容易に剥離可能となる。一方、エネルギー線硬化性樹脂組成物の重量平均分子量は、例えば、500以上とすることができる。
また、エネルギー線硬化性化合物の含有量を調整することにより、上記のエネルギー線照射後の最大せん断応力や最大伸びの制御が可能となる。例えば、エネルギー線硬化性化合物の含有量やエネルギー線硬化性官能基の数が多くなると、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が高くなり、エネルギー線照射後の粘着層が硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。粘着層中のエネルギー線硬化性化合物の含有量としては、例えば、3質量%以上80質量%以下であることが好ましく、15質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性化合物の含有量が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による糊残りの発生を抑制することができる。
(iii)重合開始剤
本態様の粘着層は、アクリル系樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物に加えて、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、一般的な光重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤は、波長230nm以上に吸収を有することが好ましく、さらには波長300nm以上400nm以下に吸収を有することが好ましい。このような重合開始剤は、所定の波長以上の幅の広いエネルギー線を吸収し、エネルギー線硬化性化合物の重合反応を誘発する活性種を効率的に生成することができる。そのため、少量のエネルギー線照射量でもエネルギー線硬化性化合物を効率的に硬化させることができ、容易に剥離可能となる。また、後述するように基材には樹脂等を用いることができ、樹脂には、波長300nm程度までのエネルギー線を吸収するものの、波長300nm程度以上のエネルギー線を透過するものが多い。さらに、近年では、エネルギー線照射装置において、波長300nm以上のLEDランプを使用することが多い。そのため、波長300nm以上に吸収を有する重合開始剤を用いることにより、基材を透過したエネルギー線を利用してエネルギー線硬化性化合物を硬化させることができる。
具体的には、重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α-ヒドロキシケトン類、ベンジルメチルケタール類、α-アミノケトン類、ビスアシルフォスフィンオキサイド類が挙げられる。重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
重合開始剤の含有量は、例えば、アクリル系樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物の合計100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。重合開始剤の含有量が上記範囲に満たないと、エネルギー線硬化性化合物の重合反応が十分起こらず、エネルギー線照射後の粘着層の粘着力が過剰に高くなり、剥離性を実現することができない場合がある。一方、重合開始剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射面の近傍にしかエネルギー線が届かず、粘着層の硬化が不十分となる場合がある。また、凝集力が低下し、糊残りの発生の原因となる場合もある。
(iv)架橋剤
本態様の粘着層は、アクリル系樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物に加えて、架橋剤を含有することができる。
架橋剤は、少なくともアクリル系樹脂(粘着主剤)間を架橋するものであれば特に限定されるものではなく、アクリル系樹脂(粘着主剤)の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。架橋剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量としては、架橋剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、アクリル系樹脂(粘着主剤)100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲に満たないと、密着性が劣る場合や、チップを剥離または転写する際に粘着層が凝集破壊を起こして糊残りが生じる場合がある。一方、架橋剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射後の粘着層中に架橋剤が未反応モノマーとして残留することで、凝集力の低下により糊残りの発生の原因となる場合がある。
(v)添加剤
本態様の粘着層は、必要に応じて、粘着付与剤、帯電防止剤、可塑剤、シランカップリング剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
これらの添加剤においては、添加剤のガラス転移温度や分子量を調整することにより、上記のエネルギー線照射後の最大せん断応力や最大伸びの制御が可能となる。例えば、添加剤のガラス転移温度が高くなると、エネルギー線照射後の粘着層が硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。また、例えば、添加剤の分子量が大きくなると、エネルギー線照射後の粘着層が硬くなる傾向にあり、上記の最大せん断応力や最大伸びが小さくなる傾向にある。
(b)粘着層の第2態様
本態様の粘着層は、エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂と、架橋剤とを少なくとも含有する。粘着層内において、アクリル系樹脂は、単体で含まれていてもよく、架橋剤によりアクリル系樹脂間が架橋されてなる架橋体として含まれていてもよく、架橋体と共に単体で含まれていてもよい。
(i)エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂
エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂としては、例えば、官能基を含有する官能基含有モノマーを構成成分とする官能基含有アクリル系重合体と、上記官能基と反応する置換基およびエネルギー線硬化性炭素-炭素二重結合を有するエネルギー線硬化性官能基含有化合物とを反応させて得られるアクリル系重合体が挙げられる。
官能基含有アクリル系重合体は、官能基を含有するアクリル系モノマーと、官能基を含有しないアクリル系モノマーと、所望によりアクリル系モノマー以外のモノマーとの共重合体であることが好ましい。すなわち、上記官能基含有モノマーは、官能基を含有するアクリル系モノマーであることが好ましい。
官能基含有モノマーの官能基としては、上記エネルギー線硬化性官能基含有化合物が有する置換基と反応可能なものであればよく、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。中でも、ウェハやチップの腐食を抑制する観点から、ヒドロキシ基が好ましい。また、ウェハやチップの腐食を抑制するために、官能基含有モノマーは、カルボキシ基を実質的に含有しないことが好ましい。
また、官能基含有アクリル系重合体は、架橋剤と反応する官能基を有する官能基含有モノマーを構成成分として含有することが好ましい。また、官能基含有モノマーは、上記エネルギー線硬化性官能基含有化合物が有する置換基と反応可能な官能基を有する官能基含有モノマーが兼ねてもよい。
ヒドロキシ基を含有するアクリル系モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。中でも、エネルギー線硬化性官能基含有化合物との反応性の点から、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
官能基を含有しないアクリル系モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含むことが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、アルキル基の炭素数が1以上18以下であるものが好ましく、特に炭素数が1以上4以下であるものが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
官能基を含有しないアクリル系モノマーは、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー以外にも、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の非架橋性のアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等を含んでもよい。
アクリル系モノマー以外のモノマーとしては、例えば、エチレン、ノルボルネン等のオレフィン、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
官能基含有アクリル系重合体における、官能基含有アクリル系重合体全体の質量に占める官能基含有モノマー由来の構造部分の質量の割合は、例えば、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、1質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、エネルギー線硬化性官能基含有化合物によるエネルギー線硬化性官能基の導入量(および架橋剤との反応量)を所望の量に調整して、得られる粘着層の硬化の程度(架橋の程度)を好ましい範囲に制御することができる。
官能基含有アクリル系重合体は、上記各モノマーを常法によって共重合することにより得ることができる。官能基含有アクリル系重合体の重合態様は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
エネルギー線硬化性官能基含有化合物は、官能基含有アクリル系重合体が有する官能基と反応する置換基およびエネルギー線硬化性炭素-炭素二重結合を有するものである。官能基含有アクリル系重合体が有する官能基と反応する置換基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。中でも、ヒドロキシ基との反応性の高いイソシアネート基が好ましい。
エネルギー線硬化性官能基含有化合物は、エネルギー線硬化性炭素-炭素二重結合を、エネルギー線硬化性官能基含有化合物の1分子毎に1個以上5個以下含むことが好ましい。
このようなエネルギー線硬化性官能基含有化合物としては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物等が挙げられる。中でも、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが好ましい。エネルギー線硬化性官能基含有化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、10万以上200万以下であることが好ましく、30万以上150万以下であることがより好ましい。
(ii)架橋剤
本態様の粘着層は、エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂に加えて、架橋剤を含有することができる。架橋剤については、上記第1態様の粘着層に用いられる架橋剤と同様とすることができる。
(iii)重合開始剤
本態様の粘着層は、エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂に加えて、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤については、上記第1態様の粘着層に用いられる重合開始剤と同様とすることができる。
(iv)エネルギー線硬化性化合物
本態様の粘着層は、エネルギー線硬化性官能基を有するアクリル系樹脂に加えて、エネルギー線硬化性化合物を含有していてもよい。エネルギー線硬化性化合物については、上記第1態様の粘着層に用いられるエネルギー線硬化性化合物と同様とすることができる。
(v)添加剤
本態様の粘着層は、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。添加剤については、上記第1態様の粘着層に用いられる添加剤と同様とすることができる。
(2)粘着層の厚さおよび形成方法
粘着層の厚さとしては、十分な粘着力が得られ、かつ、エネルギー線が内部まで透過することが可能な厚さであればよく、例えば、3μm以上50μm以下であり、好ましくは5μm以上40μm以下である。
粘着層の形成方法としては、例えば、基材上に粘着剤組成物を塗布する方法が挙げられる。
3.基材
本開示における基材は、上記粘着層を支持する部材である。
基材としては、特に限定されないが、ピックアップ工程または転写工程では半導体加工用粘着テープの基材側からエネルギー線を照射して粘着層を硬化させることにより、粘着層の粘着力を低下させることが好ましいことから、基材は、エネルギー線を透過するものであることが好ましい。
基材は、エキスパンド可能であることが好ましい。具体的には、基材のヤング率は、500MPa以下であることが好ましく、300MPa以下であることがより好ましく、150MPa以下であることがさらに好ましい。基材のヤング率が上記範囲であれば、基材のエキスパンド性を向上させることができる。また、基材のヤング率は、例えば、20MPa以上であることが好ましく、30MPa以上であることがより好ましく、40MPa以上であることがさらに好ましい。基材のヤング率が低すぎると、基材が極端に柔らかくなり、半導体加工用粘着テープを均一に拡張することが困難になる可能性がある。
ここで、基材のヤング率は、JIS K7127に準拠して測定することができる。具体的な測定条件を下記に示す。
・試験片:試験片タイプ5
・チャック間距離:60mm
・引張速度:100mm/min
・温度:23℃
・湿度:50%RH
引張試験機としては、例えば、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いることができる。
基材の材質としては、上記の特性を満たすものであることが好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ウレタン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;フッ素樹脂等が挙げられる。また、基材の材質としては、例えば、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アクリル系エラストマー、アミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等のゴム系材料を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、オレフィン系樹脂または塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル樹脂がより好ましい。すなわち、基材は、オレフィン系樹脂または塩化ビニル樹脂を含有することが好ましい。塩化ビニル樹脂は可塑剤を添加することにより軟化するため、いわゆる軟質塩化ビニル樹脂を用いることにより、後述するように降伏点を有さない基材とすることができる。
基材は、降伏点を有さないことが好ましい。すなわち、基材は、応力-歪み曲線において、弾性変形を示すことが好ましい。応力-歪み曲線は、引張試験により得られる応力と歪みの関係曲線であり、歪み(%)を横軸に、応力(MPa)を縦軸にとって描かれる。応力-歪み曲線における降伏点までの領域は、弾性変形領域とみなせ、応力-歪み曲線における降伏点以降の領域は、塑性変形領域とみなせる。そのため、基材が降伏点を有さない場合には、基材は弾性変形を示すということができる。基材が降伏点を有さない場合には、エキスパンド工程およびピックアップ工程、または転写工程において、半導体加工用粘着テープをより均一に拡張させることができる。また、基材が降伏点を有さない場合には、基材を伸長させても復元性を失わないため、半導体の加工をしやすくすることができる。
ここで、「降伏」とは、応力-歪み曲線で見られるように、物体に働く応力が弾性限度を超えると応力の増大がないのに変形が徐々に進行する現象のことをいい、「降伏点」とは、弾性挙動の最大応力値における点のことをいう。
降伏点の有無は、以下の方法により確認することができる。基材についてMD方向およびTD方向にそれぞれ引張試験を行い、基材が破断するまでの応力と歪みを測定し、歪みを横軸、応力を縦軸にそれぞれプロットする。その際、傾きが正の値からゼロまたは負の値に変化する応力値をとる場合を降伏点を有するとする。また、傾きが正の値からゼロまたは負の値に変化する応力値をとらない場合を降伏点を有さないとする。引張試験は、JIS K7127に準拠して行うことができる。引張試験機としては、例えば、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いることができる。基材は、MD方向およびTD方向の引張試験のいずれの場合においても、降伏点を有さないことが好ましい。
基材は、必要に応じて、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、難燃剤、着色剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
基材は、例えば、単層であってもよく、多層であってもよい。
基材の粘着層側の面には、粘着層との密着性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、特に限定されず、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、蒸着処理、アルカリ処理等が挙げられる。
基材の厚さとしては、特に限定されず、例えば、20μm以上500μm以下であり、40μm以上350μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよい。基材の厚さが上記範囲内であれば、エキスパンドしやすく、また破断しない程度の十分な強度を有する基材とすることができる。
4.その他の構成
本開示の半導体加工用粘着テープは、上記の基材および粘着層の他に、必要に応じて、他の構成を有することができる。
本開示の半導体加工用粘着テープは、粘着層の基材とは反対側の面にセパレータを有していてもよい。セパレータにより粘着層を保護することができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープは、基材と粘着層との間にプライマー層を有していてもよい。プライマー層により基材および粘着層の密着性を高めることができる。
5.用途
本開示の半導体加工用粘着テープは、ダイシングテープとして好適に用いることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を示し、本開示をさらに説明する。
[実施例1]
(1)粘着層の形成
アクリル系粘着主剤(綜研化学株式会社製 商品名:SKダイン1838)100質量部、エネルギー線重合性オリゴマー(三菱ケミカル株式会社製 商品名:柴光UV-7620EA)70質量部、重合開始剤(BASFジャパン株式会社製 商品名:Omnirad 819)6.0質量部、アクリル樹脂(クラレ株式会社製 商品名:LA4285)1.5質量部、および架橋剤(綜研化学株式会社製 商品名:E-AX)0.35質量部を、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(DICグラフィックス株式会社製 商品名:KT-11)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータ(ニッパ株式会社製「PET50×1-M-J2」、厚さ50μm)上に、乾燥後の厚さが20μmとなるように上記粘着剤組成物を塗工し、110℃オーブンで3分間乾燥させて、粘着層を形成した。
(2)半導体加工用粘着テープの作製
塩化ビニル樹脂70質量部と、可塑剤25質量部と、ノニルフェノール0.3質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、カレンダー法により製膜し、厚さ90μmのポリ塩化ビニルフィルムを作製した。
上記粘着層上に、基材として上記ポリ塩化ビニルフィルムをラミネートした後、40℃で3日間エージングを行い、半導体加工用粘着テープを作製した。
[実施例2]
(1)粘着層の形成
下記のように粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着層を形成した。
アクリル系粘着主剤(綜研化学株式会社製 商品名:SKダイン1811L)100質量部、エネルギー線重合性オリゴマー(新中村化学工業株式会社製 商品名:NKオリゴ-U10PA)50質量部、重合開始剤(BASFジャパン株式会社製 商品名:Omnirad 819)6.0質量部、および架橋剤(綜研化学株式会社製 商品名:L-45)3.0質量部を、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(DICグラフィックス株式会社製 商品名:KT-11)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
(2)半導体加工用粘着テープの作製
上記粘着層上に、基材として、オレフィン系エラストマーフィルム(日本マタイ株式会社製 商品名:エスマーVPM-S、厚さ:100μm)をラミネートした後、40℃で3日間エージングを行い、半導体加工用粘着テープを作製した。
[実施例3]
下記のように粘着剤組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着層を形成し、半導体加工用粘着テープを作製した。
アクリル系粘着主剤(綜研化学株式会社製 商品名:SKダイン1838)100質量部、エネルギー線重合性オリゴマー(新中村化学工業株式会社製 商品名:NKオリゴ-U10PA)60質量部、重合開始剤(BASFジャパン株式会社製 商品名:Omnirad 819)6.0質量部、アクリル樹脂(クラレ株式会社製 商品名:LA4285)40質量部、アクリル樹脂(DIC株式会社製 商品名:A-811-BE)40質量部、および架橋剤(綜研化学株式会社製 商品名:E-AX)0.35質量部を、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(DICグラフィックス株式会社製 商品名:KT-11)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
[比較例1]
(1)粘着層の形成
実施例2と同様にして、粘着層を形成した。
(2)半導体加工用粘着テープの作製
実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
[評価]
(1)エネルギー線照射後の最大せん断応力および最大伸び
まず、幅10mm、長さ50mmの半導体加工用粘着テープ、および厚さ1.5mm、大きさ100mm×150mmのSUS板を準備した。SUS板は、SUS304、表面仕上げBAを用いた。次に、図2(a)、(b)に示すように、接着面積が5mm×10mmになるように、半導体加工用粘着テープ10の粘着層2の面をSUS板50に貼付した。続いて、半導体加工用粘着テープの基材側の面から、積算光量500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、粘着層を硬化させた。その後、引張速度50mm/minの条件で、半導体加工用粘着テープおよびSUS板の粘着面に平行な方向に、かつ、試験片(半導体加工用粘着テープ)の長さ方向に引っ張り、せん断応力および半導体加工用粘着テープの伸びを測定した。そして、せん断応力の最大値を最大せん断応力とし、半導体加工用粘着テープの伸びの最大値を最大伸びとした。半導体加工用粘着テープが30mm以上伸びる前に、基材がちぎれ始めた場合は、基材破断とし、破断前の数値を参考値として採用した。また、半導体加工用粘着テープが5mm以上伸びる前にちぎれた場合は、測定不可とした。
(2)エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力
まず、半導体加工用粘着テープの基材側の面から、積算光量500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、粘着層を硬化させた。紫外線照射後の半導体加工用粘着テープのSUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minまたは3000mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定した。SUS板は、SUS304、表面仕上げBAを用いた。
(3)剥離性
まず、幅15mm、長さ100mmの半導体加工用粘着テープ、およびSUS板(SUS304、表面仕上げBA)を準備した。SUS板に半導体加工用粘着テープを貼合し、温度25±5℃、湿度40±10%で24時間以上放置した。その後、図6(a)に示すような円錐形の治具61を用いて、図6(b)に示すようにSUS板60上の半導体加工用粘着テープ10の端部から治具61を水平に滑らせて剥離させた。剥離性は下記の基準にて評価した。
A:半導体加工用粘着テープにおいて、円錐形の治具の先端に触れている部分以外に剥がれが見られた。
B:半導体加工用粘着テープにおいて、円錐形の治具の先端に触れている部分のみが剥がれ、半導体加工用粘着テープが変形し破れが生じた。
(4)固定性
6インチのSUS製のウェハリングに半導体加工用粘着テープを貼合し、半導体加工用粘着テープの中央部分をエキスパンドし、5分間保持した後、解放し、ウェハリングと半導体加工用粘着テープとの密着性を確認した。固定性は下記の基準にて評価した。
A:半導体加工用粘着テープがウェハリングから剥離しなかった。
B:半導体加工用粘着テープがウェハリングから剥離した 。
(5)引張貯蔵弾性率
まず、幅8mm、長さ50mmの半導体加工用粘着テープを準備した。次に、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の動的粘弾性測定装置(DMA)「RSAIII Rheometrics System Analyzer」を用いて、下記の条件にて引張試験を行い、25℃における引張貯蔵弾性率を測定した。
(測定条件)
・チャック間距離:10mm
・昇温速度:10mm/min
・速度範囲:-30℃以上150℃以下
・測定周波数:1Hz
・仕様ツール:フィルムツール
Figure 2023069662000002
実施例1~3の半導体加工用粘着テープでは、エネルギー線照射後のSUS板に対する最大せん断応力および最大伸びが所定の範囲であるため、エネルギー線照射後の剥離性に優れていた。一方、比較例1の半導体加工用粘着テープでは、エネルギー線照射後のSUS板に対する最大せん断応力および最大伸びが所定の範囲を超えているため、エネルギー線照射後の剥離性に劣っていた。
1 … 基材
2 … 粘着層
10 … 半導体加工用粘着テープ

Claims (3)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、
    前記半導体加工用粘着テープをSUS板に貼り付け、エネルギー線を照射し、前記半導体加工用粘着テープおよび前記SUS板の粘着面に平行に引っ張ったときの、最大せん断応力が1MPa以上25MPa以下であり、最大伸びが3mm以上30mm以下である、半導体加工用粘着テープ。
  2. エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が1.0N/25mm以下である、請求項1に記載の半導体加工用粘着テープ。
  3. エネルギー線照射後の25℃における引張貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下である、請求項1または請求項2に記載の半導体加工用粘着テープ。
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