JP6616558B1 - 半導体加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】DBGまたはLDBGに用いても、チップのクラックを抑制できる半導体加工用粘着テープを提供すること。【解決手段】基材と、当該基材の少なくとも一方の面側に設けられた緩衝層と、当該基材の他方の面側に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、前記緩衝層の23℃における破断エネルギーが13〜80MJ/m3である、半導体加工用粘着テープ。【選択図】 図1

Description

本発明は半導体加工用粘着テープに関し、さらに詳しくは、ウエハの表面に溝を設け、又はレーザーでウエハ内部に改質領域を設け、ウエハ裏面研削時の応力等でウエハの個片化を行う方法を用いて半導体装置を製造する際に、半導体ウエハやチップを一時的に保持するために好ましく使用される粘着テープ、及びその粘着テープを用いた半導体装置の製造方法に関する。
各種電子機器の小型化、多機能化が進む中、それらに搭載される半導体チップも同様に、小型化、薄型化が求められている。チップの薄型化のために、半導体ウエハの裏面を研削して厚さ調整を行うことが一般的である。また、薄型化されたチップを得るために、ウエハの表面側から所定深さの溝をダイシングブレードにより形成した後、ウエハ裏面側から研削を行い、研削によりウエハを個片化し、チップを得る先ダイシング法(DBG:Dicing Before Grinding)と呼ばれる工法を利用することもある。DBGでは、ウエハの裏面研削と、ウエハの個片化を同時に行うことができるので、薄型チップを効率よく製造できる。
従来、半導体ウエハの裏面研削時や、DBGによるチップの製造時には、ウエハ表面の回路を保護し、また、半導体ウエハ及び半導体チップを保持するために、ウエハ表面にバックグラインドシートと呼ばれる粘着テープを貼付するのが一般的である。
DBGにおいて使用するバックグラインドシートとしては、基材と、基材の一方の面に設けられた粘着剤層とを備える粘着テープが使用されている。このような粘着テープの一例として、特許文献1(特開2015−183008号公報)では、剛性基材と、剛性基材の一方の面側に設けられた緩衝層と、剛性基材の他方の面側に設けられた粘着剤層とを有する粘着シートが提案されている。特許文献1には、剛性基材のヤング率が1000MPa以上であり、緩衝層に先端曲率半径100nm及び稜間角115°の三角錘形状圧子の先端を10μm/分の速度で押し込んだ際の圧縮荷重が2mNに到達するのに必要な押し込み深さが2.5μm以上であることが開示されている。また、特許文献2(特許第5068793号)では、エネルギー線硬化型組成物を硬化してなるシートの少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着シートが提案されている。特許文献2には、粘着シートの破断伸度が50%以上であり、また引張弾性率が10〜1000MPaであることが開示されている。
近年、先ダイシング法の変形例として、レーザーでウエハ内部に改質領域を設け、ウエハ裏面研削時の応力等でウエハの個片化を行う方法が提案されている。以下、この方法をLDBG(Laser Dicing Before Grinding)と記載することがある。LDBGでは、ウエハは改質領域を起点として結晶方向に切断されるため、ダイシングブレードを用いた先ダイシング法よりもチッピングの発生を低減できる。その結果、抗折強度に優れたチップを得ることができ、また、チップのさらなる薄型化に寄与できる。また、ダイシングブレードによりウエハ表面に所定深さの溝を形成するDBGと比較して、ダイシングブレードによりウエハを削り取る領域がないため、つまり、カーフ幅が極小であるため、チップの収率に優れる。
DBGやLDBGでは、ウエハをグラインダ等により裏面研削して厚みを極薄くするときに、ウエハの外周に余分な粘着テープがあると、グラインダが余分な粘着テープを咬み込むことがある。そこで、粘着テープは、裏面研削の前にウエハの外周に沿って切断される。しかし、特許文献1、2に記載の粘着テープを用いると、チップの仕上げ厚みを30μm以下にまで薄くした場合には、チップの欠けや破損(以下、「チップのクラック」と記載することがある)が発生することがあった。
特開2015−183008号公報 特許第5068793号
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、半導体ウエハに粘着テープを貼付け、該粘着テープをカッターでウエハの外周に沿って切断する際に発生するテープ屑が原因で、チップにクラックが発生することを見出した。ウエハに粘着テープを貼付け、外周に沿って粘着テープが切断された後、ウエハはチャックテーブル上に粘着テープを介して設置され、グラインダ等により裏面研削される。このとき、テープ屑が粘着テープとチャックテーブルとの間にあると、テープ屑によって粘着テープおよびウエハがたわみ、ウエハの研削面にわずかな歪みが生じる。このような歪みを有するウエハを研削すると、グラインダが歪み部分に引っかかり、また均一に研削することができず、その結果チップにクラックが発生しやすくなる。
テープ屑は、粘着テープをカッターで切断するときに発生しており、具体的には、切断時に粘着テープの構成の一部が剥がれたり千切れたりすることにより発生する。また、カッターの刃に粘着テープの構成の一部が付着することで、テープ屑がより生じやすくなることもある。
本発明は、上述した従来技術に鑑みてなされたものであり、DBGまたはLDBGに用いても、チップのクラックを抑制できる半導体加工用粘着テープを提供することを目的としている。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下の通りである。
(1)基材と、当該基材の少なくとも一方の面側に設けられた緩衝層と、当該基材の他方の面側に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、
前記緩衝層の23℃における破断エネルギーが13〜80MJ/mである、半導体加工用粘着テープ。
(2)前記基材の23℃におけるヤング率が1000MPa以上である、(1)に記載の半導体加工用粘着テープ。
(3)前記緩衝層が、エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物の硬化物である、(1)または(2)に記載の半導体加工用粘着テープ。
(4)前記粘着剤層の厚さが100μm未満である、(1)〜(3)のいずれかに記載の半導体加工用粘着テープ。
(5)基材と、当該基材の少なくとも一方の面側に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、
前記基材の23℃における破断エネルギーが13〜80MJ/mである、半導体加工用粘着テープ。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の半導体加工用粘着テープを半導体ウエハの表面に貼付し、当該粘着テープを当該半導体ウエハの外周に沿って切断する工程と、
前記半導体ウエハの表面側から溝を形成し、又は前記半導体ウエハの表面若しくは裏面から半導体ウエハ内部に改質領域を形成する工程と、
前記粘着テープが表面に貼付され、かつ前記溝又は前記改質領域が形成された半導体ウエハを、裏面側から研削して、前記溝又は前記改質領域を起点として複数のチップに個片化させる工程と、
前記複数のチップから前記粘着テープを剥離する工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
本発明に係る半導体加工用粘着テープは、粘着テープをカッターでウエハの外周に沿って切断する際のテープ屑の発生を抑制できる。その結果、半導体チップにおけるクラックの発生を低減できる。
本発明に係る第1実施形態の粘着シートの模式図である。 本発明に係る第2実施形態の粘着シートの模式図である。
以下に、本発明に係る半導体加工用粘着テープについて具体的に説明する。まず、本明細書で使用する主な用語を説明する。
本明細書において、例えば「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
「半導体加工用」とは、半導体ウエハの搬送、裏面研削、ダイシングや半導体チップのピックアップ等の各工程において使用できることを意味する。
半導体ウエハの「表面」とは回路が形成された面を指し、「裏面」とは回路が形成されていない面を指す。
半導体ウエハの個片化とは、半導体ウエハを回路毎に分割し、半導体チップを得ることを言う。
DBGとは、ウエハの表面側に所定深さの溝を形成した後、ウエハ裏面側から研削を行い、研削によりウエハを個片化する方法を言う。ウエハの表面側に形成される溝は、ブレードダイシング、レーザーダイシングやプラズマダイシングなどの方法により形成される。また、LDBGとはDBGの変形例であり、レーザーでウエハ内部に改質領域を設け、ウエハ裏面研削時の応力等でウエハの個片化を行う方法を言う。
次に、本発明に係る半導体加工用粘着テープの各部材の構成をさらに詳細に説明する。第1実施形態では、基材と、基材の少なくとも一方の面側に設けられた緩衝層と、基材の他方の面側に設けられた粘着剤層とを含む粘着テープについて説明する。第2実施形態では、基材と、基材の少なくとも一方の面側に設けられた粘着剤層とを含む粘着テープについて説明する。なお、本発明に係る半導体加工用粘着テープを、単に「粘着テープ」と記載することがある。
第1実施形態
本発明に係る第1実施形態では、図1に示すように、粘着テープ10とは、基材11と、基材11の少なくとも一方の面側に設けられた緩衝層12と、基材11の他方の面側に設けられた粘着剤層13とを含む積層体を意味する。なお、これら以外の他の構成層を含むことを妨げない。例えば、粘着剤層側の基材表面にはプライマー層が形成されていてもよく、粘着剤層の表面には、使用時まで粘着剤層を保護するための剥離シートが積層されていてもよい。また、基材は単層であってもよく、多層であってもよい。緩衝層および粘着剤層も同様である。
以下に、第1実施形態に係る半導体加工用粘着テープの各部材の構成をさらに詳細に説明する。
[基材]
基材は、23℃におけるヤング率が1000MPa以上であることが好ましい。ヤング率が1000MPa未満の基材を使用すると、粘着テープによる半導体ウエハ又は半導体チップに対する保持性能が低下し、裏面研削時の振動等を抑制することができず、半導体チップの欠けや破損が発生しやすくなる。一方、基材の23℃におけるヤング率を1000MPa以上とすることで、粘着テープによる半導体ウエハ又は半導体チップに対する保持性能が高まり、裏面研削時の振動等を抑制し、半導体チップの欠けや破損を防止できる。また、粘着テープを半導体チップから剥離する際の応力を小さくすることが可能になり、テープ剥離時に生じるチップ欠けや破損を防止できる。さらに、粘着テープを半導体ウエハに貼付する際の作業性も良好にすることが可能である。このような観点から、基材の23℃におけるヤング率は、より好ましくは1800〜30000MPa、さらに好ましくは2500〜6000MPaである。
基材の厚さは特に限定されないが、110μm以下であることが好ましく、15〜110μmであることがより好ましく、20〜105μmであることがさらに好ましい。基材の厚さを110μm以下とすることで、粘着テープの剥離力を制御しやすくなる。また、15μm以上とすることで、基材が粘着テープの支持体としての機能を果たしやすくなる。
基材の材質としては、上記物性を満たすものであれば特に限定されず、種々の樹脂フィルムを用いることができる。ここで、23℃におけるヤング率が1000MPa以上の基材として、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、二軸延伸ポリプロピレン等の樹脂フィルムが挙げられる。
これら樹脂フィルムの中でも、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムから選ばれる1種以上を含むフィルムが好ましく、ポリエステルフィルムを含むことがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含むことがさらに好ましい。
また、基材には、本発明の効果を損なわない範囲において、可塑剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フィラー、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、触媒等を含有させてもよい。また、基材は、透明なものであっても、不透明なものであってもよく、所望により着色又は蒸着されていてもよい。
また、基材の少なくとも一方の表面には、緩衝層及び粘着剤層の少なくとも一方との密着性を向上させるために、コロナ処理等の接着処理を施してもよい。また、基材は、上記した樹脂フィルムと、樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に被膜された易接着層とを有しているものでもよい。
易接着層を形成する易接着層形成用組成物としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等を含む組成物が挙げられる。易接着層形成用組成物には、必要に応じて、架橋剤、光重合開始剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、防錆剤、顔料、染料等を含有してもよい。
易接着層の厚さとしては、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.03〜5μmである。なお、本願実施例における易接着層の厚さは、基材の厚さに対して小さいため、易接着層を有する樹脂フィルムの厚みと基材の厚みとは実質的に同一である。また、易接着層の材質は柔らかいため、ヤング率に与える影響は小さく、基材のヤング率は、易接着層を有する場合でも、樹脂フィルムのヤング率と実質的に同一である。
例えば、基材のヤング率は、樹脂組成の選択、可塑剤の添加、樹脂フィルム製造時の延伸条件などにより制御できる。具体的には、基材としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合、共重合成分中のエチレン成分の含有割合が多くなると、基材のヤング率は低下する傾向がある。また、基材を構成する樹脂組成物に対して可塑剤の配合量が多くなると基材のヤング率は低下する傾向がある。
[緩衝層]
緩衝層は、半導体ウエハの裏面研削時の応力を緩和して、半導体ウエハに割れ及び欠けが生じることを防止する。半導体ウエハに粘着テープを貼付け、外周に沿って粘着テープが切断された後、半導体ウエハは粘着テープを介してチャックテーブル上に配置され裏面研削されるが、粘着テープが構成層として緩衝層を有することで、半導体ウエハがチャックテーブルに適切に保持されやすくなる。一方、緩衝層が基材と比較して軟質であるために、粘着テープの切断時にテープ屑が発生することがわかった。そこで、検討の結果、緩衝層が以下の特性を有することにより、テープ屑の発生を抑制できることがわかった。
緩衝層の23℃における破断エネルギーは13〜80MJ/mである。粘着テープは、常温(23℃)付近で半導体ウエハに貼付され、ウエハの外周に沿って切断される。緩衝層の常温(23℃)における破断エネルギーが13〜80MJ/mであると、緩衝層は、切断時にカッターの刃が当たっても変形しないか、または刃が当たった瞬間には変形するが瞬時に元の形に戻るため、切断時における緩衝層の撚れや千切れが抑制され、テープ屑が発生するのを抑制できる。一方、緩衝層の23℃における破断エネルギーが13MJ/mより小さいと、緩衝層は、切断時にカッターの刃が当たると変形しそのまま元の形に戻らないため、緩衝層が撚れたり千切れたりしてテープ屑が発生するおそれがある。また、緩衝層の23℃における破断エネルギーが80MJ/mより大きいと、緩衝層をカッターで切断できないことがあり、またカッターの刃が摩耗するおそれがある。
なお、カッターの刃を加温して切断する場合でも、緩衝層の23℃における破断エネルギーが13〜80MJ/mであれば、切断時における緩衝層の撚れや千切れが抑制され、テープ屑が発生するのを抑制できる。
上記の観点から、緩衝層の23℃における破断エネルギーは、好ましくは13〜60MJ/m、より好ましくは14〜58MJ/m、さらに好ましくは15〜37MJ/mである。
破断エネルギーは、JIS K7161:1994およびJIS K7127:1999に基づく23℃における引張試験により得られる、応力とひずみとを線図化した応力−ひずみ線図において破断点までを積分した値である。ひずみ(mm)は、初期の試験片長さ(mm)×伸度(%)により求めることができる。なお、後述する破断応力および破断伸度は、それぞれ上記引張試験における破断時の応力および伸度である。
上記範囲の破断エネルギーを得る観点から、緩衝層の23℃における破断応力は、好ましくは15〜300MPa、より好ましくは20〜250MPa、さらに好ましくは22〜200MPaである。
破断応力は、JIS K7161:1994およびJIS K7127:1999に基づいて測定できる。
また、上記範囲の破断エネルギーを得る観点から、緩衝層の23℃における破断伸度は、好ましくは50〜400%、より好ましくは70〜350%、さらに好ましくは100〜300%である。
破断伸度は、JIS K7161:1994およびJIS K7127:1999に基づいて測定できる。
緩衝層は、基材と比較して軟質の層である。したがって、緩衝層の23℃におけるヤング率は、基材の23℃におけるヤング率より小さい。具体的には、緩衝層の23℃におけるヤング率は1000MPa未満であることが好ましく、より好ましくは700MPa以下、さらに好ましくは500MPa以下である。
緩衝層の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましく、10〜60μmであることがさらに好ましい。緩衝層の厚さを上記範囲とすることで、緩衝層が裏面研削時の応力を適切に緩和できるようになる。
緩衝層は、エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物の硬化物であることが好ましい。また、ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層であってもよく、ポリエーテルを主剤とする層であってもよい。
以下、エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物から形成される層に含まれる各成分、ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層に含まれる各成分について順に説明する。
<エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物から形成される層>
エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物は、エネルギー線が照射されることで硬化することが可能になる。なお、「エネルギー線」とは、紫外線、電子線等を指し、好ましくは紫外線を使用する。
また、エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物は、より具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート(a1)を含むことが好ましい。緩衝層形成用組成物は、上記(a1)成分を含有することで、緩衝層の破断エネルギーを上記した範囲内としやすくなる。また、緩衝層形成用組成物は、上記(a1)に加えて、環形成原子数6〜20の脂環基又は複素環基を有する重合性化合物(a2)及び/又は官能基を有する重合性化合物(a3)を含有することがより好ましい。また、緩衝層形成用組成物は、上記(a1)〜(a3)成分に加えて、多官能重合性化合物(a4)を含有してもよい。さらに、緩衝層形成用組成物は光重合開始剤を含有することが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤や樹脂成分を含有してもよい。
以下、エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物中に含まれる各成分について詳細に説明する。
(ウレタン(メタ)アクリレート(a1))
ウレタン(メタ)アクリレート(a1)とは、少なくとも(メタ)アクリロイル基及びウレタン結合を有する化合物であり、エネルギー線照射により重合硬化する性質を有するものである。ウレタン(メタ)アクリレート(a1)は、オリゴマーまたはポリマーである。
成分(a1)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜60,000、さらに好ましくは10,000〜30,000である。また、成分(a1)中の(メタ)アクリロイル基数(以下、「官能基数」ともいう)としては、単官能、2官能、もしくは3官能以上でもよいが、単官能又は2官能であることが好ましい。
成分(a1)は、例えば、ポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得ることができる。なお、成分(a1)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(a1)の原料となるポリオール化合物は、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されない。具体的なポリオール化合物としては、例えば、アルキレンジオール、ポリエーテル型ポリオール、ポリエステル型ポリオール、ポリカーボネート型ポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル型ポリオールまたはポリカーボネート型ポリオールが好ましい。
なお、ポリオール化合物としては、2官能のジオール、3官能のトリオール、4官能以上のポリオールのいずれであってもよいが、2官能のジオールが好ましく、ポリエステル型ジオールまたはポリカーボネート型ジオールがより好ましい。
多価イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族系ジイソシアネート類;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート類等が挙げられる。
これらの中でも、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが好ましい。
上述のポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させてウレタン(メタ)アクリレート(a1)を得ることができる。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、少なくとも1分子中にヒドロキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、特に限定されない。
具体的なヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド;ビニルアルコール、ビニルフェノール、ビスフェノールAのジグリシジルエステルに(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応物;等が挙げられる。
これらの中でも、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
末端イソシアネートウレタンプレポリマー及びヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させる条件としては、必要に応じて添加される溶剤、触媒の存在下、60〜100℃で、1〜4時間反応させる条件が好ましい。
緩衝層形成用組成物中の成分(a1)の含有量は、緩衝層形成用組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
(環形成原子数6〜20の脂環基又は複素環基を有する重合性化合物(a2))
成分(a2)は、環形成原子数6〜20の脂環基又は複素環基を有する重合性化合物であり、さらには、少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましく、より好ましくは1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。成分(a2)を用いることで、得られる緩衝層形成用組成物の成膜性を向上させることができる。
なお、成分(a2)の定義と、後述する成分(a3)の定義とは重複する部分があるが、重複部分は成分(a3)に含まれる。例えば、少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基と、環形成原子数6〜20の脂環基又は複素環基と、水酸基、エポキシ基、アミド基、アミノ基等の官能基とを有する化合物は、成分(a2)と成分(a3)の両方の定義に含まれるが、本発明において当該化合物は、成分(a3)に含まれるものとする。
成分(a2)が有する脂環基又は複素環基の環形成原子数は、好ましくは6〜20であるが、より好ましくは6〜18、さらに好ましくは6〜16、特に好ましくは7〜12である。当該複素環基の環構造を形成する原子としては、例えば、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
なお、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造の化合物の当該環自体を構成する原子の数を表し、環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子に結合した水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。
具体的な成分(a2)としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート等の脂環基含有(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等の複素環基含有(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
なお、成分(a2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環基含有(メタ)アクリレートの中ではイソボルニル(メタ)アクリレートが好ましく、複素環基含有(メタ)アクリレートの中ではテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが好ましい。
緩衝層形成用組成物中の成分(a2)の含有量は、緩衝層形成用組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%である。
(官能基を有する重合性化合物(a3))
成分(a3)は、水酸基、エポキシ基、アミド基、アミノ基等の官能基を含有する重合性化合物であり、さらには、少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましく、より好ましくは1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
成分(a3)は、成分(a1)との相溶性が良好であり、緩衝層形成用組成物の粘度を適度な範囲に調整しやすくなる。また、当該組成物から形成される緩衝層の破断エネルギーを上記した範囲としやすくなり、緩衝層を比較的薄くしても緩衝性能が良好になる。
成分(a3)としては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有化合物、アミド基含有化合物、アミノ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらの中では、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートが好ましい。
アミド基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、第1級アミノ基含有(メタ)アクリレート、第2級アミノ基含有(メタ)アクリレート、第3級アミノ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましく、フェニルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する水酸基含有(メタ)アクリレートがより好ましい。
なお、成分(a3)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
緩衝層形成用組成物中の成分(a3)の含有量は、緩衝層の破断エネルギーを上述の範囲としやすくし、かつ、緩衝層形成用組成物の成膜性を向上させるために、緩衝層形成用組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは7〜35質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。
また、緩衝層形成用組成物中の成分(a2)と成分(a3)との含有量比〔(a2)/(a3)〕は、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは1.0〜3.0、さらに好ましくは1.3〜3.0、特に好ましくは1.5〜2.8である。
(多官能重合性化合物(a4))
多官能重合性化合物とは、光重合性不飽和基を2つ以上有する化合物をいう。光重合性不飽和基は、炭素−炭素二重結合を含む官能基であり、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、ビニルベンジル基等が挙げられる。光重合性不飽和基は2種以上を組み合わせてもよい。多官能重合性化合物中の光重合性不飽和基と成分(a1)中の(メタ)アクリロイル基とが反応したり、成分(a4)中の光重合性不飽和基同士が反応することで、三次元網目構造(架橋構造)が形成される。多官能重合性化合物を使用すると、光重合性不飽和基を1つしか含まない化合物を使用した場合と比較して、エネルギー線照射により形成される架橋構造が増加するため、緩衝層が特異な粘弾性を示し、破断エネルギーを上記範囲に制御することが容易になる。
なお、成分(a4)の定義と、先述した成分(a2)や成分(a3)の定義とは重複する部分があるが、重複部分は成分(a4)に含まれる。例えば、環形成原子数6〜20の脂環基又は複素環基を有し、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物は、成分(a4)と成分(a2)の両方の定義に含まれるが、本発明において当該化合物は、成分(a4)に含まれるものとする。また、水酸基、エポキシ基、アミド基、アミノ基等の官能基を含有し、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物は、成分(a4)と成分(a3)の両方の定義に含まれるが、本発明において当該化合物は、成分(a4)に含まれるものとする。
上記観点から、多官能重合性化合物中における光重合性不飽和基の数(官能基数)は、2〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。
また、成分(a4)の重量平均分子量は、好ましくは30〜40000、より好ましくは100〜10000、さらに好ましくは200〜1000である。
具体的な成分(a4)としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸ビニル、アジピン酸ジビニル、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド等が挙げられる。
なお、成分(a4)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
緩衝層形成用組成物中の成分(a4)の含有量は、緩衝層形成用組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは2〜40質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。
(成分(a1)〜(a4)以外の重合性化合物(a5))
緩衝層形成用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、上記の成分(a1)〜(a4)以外のその他の重合性化合物(a5)を含有してもよい。
成分(a5)としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル化合物:等が挙げられる。なお、成分(a5)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
緩衝層形成用組成物中の成分(a5)の含有量は、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%、特に好ましくは0〜2質量%である。
(光重合開始剤)
緩衝層形成用組成物には、緩衝層を形成する際、光照射による重合時間を短縮させ、また、光照射量を低減させる観点から、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィノキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物、さらには、アミンやキノン等の光増感剤等が挙げられ、より具体的には、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロルニトリル、ジベンジル、ジアセチル、8−クロールアンスラキノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
緩衝層形成用組成物中の光重合開始剤の含有量は、エネルギー線重合性化合物の合計量100質量部に対して、好ましくは0.05〜15質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.3〜5質量部である。
(その他の添加剤)
緩衝層形成用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、防錆剤、顔料、染料等が挙げられる。これらの添加剤を配合する場合、緩衝層形成用組成物中の各添加剤の含有量は、エネルギー線重合性化合物の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜6質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。
(樹脂成分)
緩衝層形成用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、樹脂成分を含有してもよい。樹脂成分としては、例えば、ポリエン・チオール系樹脂や、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、及びスチレン系共重合体等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
緩衝層形成用組成物中のこれらの樹脂成分の含有量は、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%、特に好ましくは0〜2質量%である。
エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物から形成される緩衝層は、上記組成の緩衝層形成用組成物をエネルギー線照射により重合硬化して得られる。つまり、当該緩衝層は、緩衝層形成用組成物の硬化物である。
したがって、当該緩衝層は、成分(a1)由来の重合単位を含む。また、当該緩衝層は、成分(a2)由来の重合単位及び/又は成分(a3)由来の重合単位を含有することが好ましい。さらに、成分(a4)由来の重合単位及び/又は成分(a5)由来の重合単位を含有していてもよい。緩衝層における各重合単位の含有割合は、通常、緩衝層形成用組成物を構成する各成分の比率(仕込み比)に一致する。例えば、緩衝層形成用組成物中の成分(a1)の含有量が緩衝層形成用組成物の全量(100質量%)に対して10〜70質量%の場合、緩衝層は成分(a1)に由来する重合単位を10〜70質量%含有する。また、緩衝層形成用組成物中の成分(a2)の含有量が緩衝層形成用組成物の全量(100質量%)に対して10〜80質量%の場合、緩衝層は成分(a2)に由来する重合単位を10〜80質量%含有する。成分(a3)〜(a5)についても同様である。
<ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層>
緩衝層を、ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層により形成することで、緩衝層の破断エネルギーを上記した範囲内としやすくなる。
緩衝層がポリオレフィン樹脂フィルムを含む層である場合は、緩衝層がエネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物から形成される層である場合よりも応力緩和性が低いことがある。この場合、ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層により形成された緩衝層を基材の一方の面側に有する粘着テープには反りが発生するおそれがある。ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層により形成された緩衝層は基材の少なくとも一方の面側に設けられればよいが、このような不具合を防止する観点から、ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層により形成された緩衝層は基材の両面に設けられることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE,密度:880kg/m以上、910kg/m未満)、低密度ポリエチレン(LDPE,密度:910kg/m以上、930kg/m未満)、中密度ポリエチレン(MDPE,密度:930kg/m以上、942kg/m未満)、高密度ポリエチレン(HDPE,密度:942kg/m以上)等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
これらのポリオレフィン樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリオレフィン樹脂の中でも、特定の物性を有する緩衝層を得る観点から、ポリエチレン樹脂が好ましく、低密度ポリエチレンがより好ましい。
上述した緩衝層には、本発明の効果を損なわない範囲において、可塑剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フィラー、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、触媒等の添加剤を含有させてもよい。また、上述した緩衝層は、透明であっても、不透明であってもよく、所望により着色又は蒸着されていてもよい。
第1実施形態において、緩衝層の23℃における破断エネルギーは、緩衝層がエネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物の硬化物である場合には、例えば上述のウレタン(メタ)アクリレート(a1)の重量平均分子量や緩衝層の厚みを調整し、またモノマー種を適宜選択することにより制御できる。また、緩衝層がポリオレフィン樹脂フィルムを含む層である場合には、ポリオレフィンの密度を調整し、また添加剤を適宜選択することにより制御できる。
[粘着剤層]
粘着剤層は、常温において適度な感圧接着性を有する限り特に限定はされないが、23℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.05〜0.50MPaであるものが好ましい。半導体ウエハの表面には、回路等が形成され通常凹凸がある。粘着剤層のせん断貯蔵弾性率が上記範囲内となることで、凹凸があるウエハ表面に粘着テープを貼付する際、ウエハ表面の凹凸と粘着剤層とを十分に接触させ、かつ粘着剤層の接着性を適切に発揮させることが可能になる。そのため、粘着テープの半導体ウエハへの固定を確実に行い、かつ裏面研削時にウエハ表面を適切に保護することが可能になる。これらの観点から、粘着剤層のせん断貯蔵弾性率は、0.12〜0.35MPaであることがより好ましい。なお、粘着剤層のせん断貯蔵弾性率とは、粘着剤層がエネルギー線硬化性粘着剤から形成される場合には、エネルギー線照射による硬化前のせん断貯蔵弾性率を意味する。
せん断貯蔵弾性率は以下の方法により測定できる。厚みが約0.5〜1mmの粘着剤層を直径7.9mmの円形に打ち抜いたものを測定試料とする。レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置ARESを用い、周波数1Hz、−30℃から150℃の温度範囲を昇温速度3℃/分で温度変化させたときの測定試料の弾性率を測定する。測定温度23℃での弾性率を、23℃におけるせん断貯蔵弾性率とする。
粘着剤層の厚さは、100μm未満であることが好ましく、5〜80μmがより好ましく、10〜70μmがさらに好ましい。粘着剤層をこのように薄くすると、粘着テープの切断時におけるテープ屑の発生が抑制され、裏面研削時に生じる半導体チップのクラックを一層防止しやすくなる。
粘着剤層は、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等から形成されるが、アクリル系粘着剤が好ましい。
また、粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤から形成されることが好ましい。粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤から形成されることで、エネルギー線照射による硬化前には、23℃におけるせん断貯蔵弾性率を上記範囲に設定しつつ、硬化後においては剥離力を1000mN/50mm以下に容易に設定することが可能になる。
以下、粘着剤の具体例について詳述するが、これらは非限定的例示であり、本発明における粘着剤層はこれらに限定的に解釈されるべきではない。
エネルギー線硬化性粘着剤としては、例えば、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(「粘着性樹脂I」ともいう)に加え、粘着性樹脂以外のエネルギー線硬化性化合物を含むエネルギー線硬化性粘着剤組成物(以下、「X型の粘着剤組成物」ともいう)が使用可能である。また、エネルギー線硬化性粘着剤として、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂の側鎖に不飽和基を導入したエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(以下、「粘着性樹脂II」ともいう)を主成分として含み、粘着性樹脂以外のエネルギー線硬化性化合物を含まない粘着剤組成物(以下、「Y型の粘着剤組成物」ともいう)も使用してもよい。
さらに、エネルギー線硬化性粘着剤としては、X型とY型の併用型、すなわち、エネルギー線硬化性の粘着性樹脂IIに加え、粘着性樹脂以外のエネルギー線硬化性化合物も含むエネルギー線硬化性粘着剤組成物(以下、「XY型の粘着剤組成物」ともいう)を使用してもよい。
これらの中では、XY型の粘着剤組成物を使用することが好ましい。XY型のものを使用することで、硬化前においては十分な粘着特性を有する一方で、硬化後においては、半導体ウエハに対する剥離力を十分に低くすることが可能である。
ただし、粘着剤としては、エネルギー線を照射しても硬化しない非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物から形成してもよい。非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物は、少なくとも非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂Iを含有する一方、上記したエネルギー線硬化性の粘着性樹脂II及びエネルギー線硬化性化合物を含有しないものである。
なお、以下の説明において「粘着性樹脂」は、上記した粘着性樹脂I及び粘着性樹脂IIの一方又は両方を指す用語として使用する。具体的な粘着性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられるが、アクリル系樹脂が好ましい。
以下、粘着性樹脂として、アクリル系樹脂が使用されるアクリル系粘着剤についてより詳細に説明する。
アクリル系樹脂には、アクリル系重合体(b)が使用される。アクリル系重合体(b)は、少なくともアルキル(メタ)アクリレートを含むモノマーを重合して得たものであり、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を含む。アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数が1〜20のものが挙げられ、アルキル基は直鎖であってもよいし、分岐であってもよい。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、アクリル系重合体(b)は、粘着剤層の粘着力を向上させる観点から、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を含むことが好ましい。該アルキル(メタ)アクリレートの炭素数としては、好ましくは4〜12、さらに好ましくは4〜6である。また、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートは、アルキルアクリレートであることが好ましい。
アクリル系重合体(b)において、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートは、アクリル系重合体(b)を構成するモノマー全量(以下単に“モノマー全量”ともいう)に対して、好ましくは40〜98質量%、より好ましくは45〜95質量%、さらに好ましくは50〜90質量%である。
アクリル系重合体(b)は、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクレート由来の構成単位に加えて、粘着剤層の弾性率や粘着特性を調整するために、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を含む共重合体であることが好ましい。なお、該アルキル(メタ)アクリレートは、炭素数1又は2のアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましく、メチル(メタ)アクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートが最も好ましい。アクリル系重合体(b)において、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレートは、モノマー全量に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは3〜26質量%、さらに好ましくは6〜22質量%である。
アクリル系重合体(b)は、上記したアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位に加えて、官能基含有モノマー由来の構成単位を有することが好ましい。官能基含有モノマーの官能基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。官能基含有モノマーは、後述の架橋剤と反応し、架橋起点となったり、不飽和基含有化合物と反応して、アクリル系重合体(b)の側鎖に不飽和基を導入させたりすることが可能である。
官能基含有モノマーとしては、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマーが好ましく、水酸基含有モノマーがより好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール等が挙げられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸及びその無水物、2−カルボキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
官能基含有モノマーは、アクリル系重合体(b)を構成するモノマー全量に対して、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは3〜32質量%、さらに好ましくは6〜30質量%である。
また、アクリル系重合体(b)は、上記以外にも、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等の上記のアクリル系モノマーと共重合可能なモノマー由来の構成単位を含んでもよい。
上記アクリル系重合体(b)は、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂I(アクリル系樹脂)として使用することができる。また、エネルギー線硬化性のアクリル系樹脂としては、上記アクリル系重合体(b)の官能基に、光重合性不飽和基を有する化合物(不飽和基含有化合物ともいう)を反応させたものが挙げられる。
不飽和基含有化合物は、アクリル系重合体(b)の官能基と結合可能な置換基、及び光重合性不飽和基の双方を有する化合物である。光重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、ビニルベンジル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
また、不飽和基含有化合物が有する、官能基と結合可能な置換基としては、イソシアネート基やグリシジル基等が挙げられる。したがって、不飽和基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、不飽和基含有化合物は、アクリル系重合体(b)の官能基の一部に反応することが好ましく、具体的には、アクリル系重合体(b)が有する官能基の50〜98モル%に、不飽和基含有化合物を反応させることが好ましく、55〜93モル%反応させることがより好ましい。このように、エネルギー線硬化性アクリル系樹脂において、官能基の一部が不飽和基含有化合物と反応せずに残存することで、架橋剤によって架橋されやすくなる。
なお、アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30万〜160万、より好ましくは40万〜140万、さらに好ましくは50万〜120万である。
(エネルギー線硬化性化合物)
X型又はXY型の粘着剤組成物に含有されるエネルギー線硬化性化合物としては、分子内に不飽和基を有し、エネルギー線照射により重合硬化可能なモノマー又はオリゴマーが好ましい。
このようなエネルギー線硬化性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオール(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート,ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマーが挙げられる。
これらの中でも、比較的分子量が高く、粘着剤層のせん断貯蔵弾性率を低下させにくい観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
エネルギー線硬化性化合物の分子量(オリゴマーの場合は重量平均分子量)は、好ましくは100〜12000、より好ましくは200〜10000、さらに好ましくは400〜8000、特に好ましくは600〜6000である。
X型の粘着剤組成物におけるエネルギー線硬化性化合物の含有量は、粘着性樹脂100質量部に対して、好ましくは40〜200質量部、より好ましくは50〜150質量部、さらに好ましくは60〜90質量部である。
一方で、XY型の粘着剤組成物におけるエネルギー線硬化性化合物の含有量は、粘着性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜20質量部、さらに好ましくは3〜15質量部である。XY型の粘着剤組成物では、粘着性樹脂が、エネルギー線硬化性であるため、エネルギー線硬化性化合物の含有量が少なくても、エネルギー線照射後、十分に剥離力を低下させることが可能である。
(架橋剤)
粘着剤組成物は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤は、例えば粘着性樹脂が有する官能基含有モノマー由来の官能基に反応して、粘着性樹脂同士を架橋するものである。架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等、及びそれらのアダクト体等のイソシアネート系架橋剤;エチレングリコールグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤;ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリフォスファトリアジン等のアジリジン系架橋剤;アルミニウムキレート等のキレート系架橋剤;等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、凝集力を高めて粘着力を向上させる観点、及び入手し易さ等の観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
架橋剤の配合量は、架橋反応を促進させる観点から、粘着性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.03〜7質量部、さらに好ましくは0.05〜4質量部である。
(光重合開始剤)
また、粘着剤組成物がエネルギー線硬化性である場合には、粘着剤組成物は、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤を含有することで、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線でも、粘着剤組成物の硬化反応を十分に進行させることができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィノキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物、さらには、アミンやキノン等の光増感剤等が挙げられ、より具体的には、例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロルニトリル、ジベンジル、ジアセチル、8−クロールアンスラキノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の配合量は、粘着性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜5質量部である。
(その他の添加剤)
粘着性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、防錆剤、顔料、染料等が挙げられる。これらの添加剤を配合する場合、添加剤の配合量は、粘着性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜6質量部である。
また、粘着性組成物は、基材、緩衝層や剥離シートへの塗布性を向上させる観点から、さらに有機溶媒で希釈して、粘着性組成物の溶液の形態としてもよい。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
なお、これらの有機溶媒は、粘着性樹脂の合成時に使用された有機溶媒をそのまま用いてもよいし、該粘着剤組成物の溶液を均一に塗布できるように、合成時に使用された有機溶媒以外の1種以上の有機溶媒を加えてもよい。
[剥離シート]
粘着テープの表面には、剥離シートが貼付されていてもよい。剥離シートは、具体的には、粘着テープの粘着剤層の表面に貼付される。剥離シートは、粘着剤層表面に貼付されることで輸送時、保管時に粘着剤層を保護する。剥離シートは、剥離可能に粘着テープに貼付されており、粘着テープが使用される前(すなわち、ウエハ貼付前)には、粘着テープから剥離されて取り除かれる。
剥離シートは、少なくとも一方の面が剥離処理をされた剥離シートが用いられ、具体的には、剥離シート用基材の表面上に剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
剥離シート用基材としては、樹脂フィルムが好ましく、当該樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離シートの厚さは、特に制限ないが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜150μmである。
[粘着テープの製造方法]
本発明の粘着テープの製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。
例えば、基材と、当該基材の一方の面側に設けられた緩衝層と、当該基材の他方の面側に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープの製造方法は以下のとおりである。
緩衝層がエネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物から形成される場合には、剥離シート上に緩衝層形成用組成物を塗工、硬化して設けた緩衝層と、基材とを貼り合わせ、剥離シートを除去することで、緩衝層と基材との積層体が得られる。また、緩衝層がポリオレフィン樹脂フィルムを含む層である場合には、緩衝層と基材とを貼り合わせることで、緩衝層と基材との積層体が得られる。
そして、剥離シート上に設けた粘着剤層を、積層体の基材側に貼り合わせ、粘着剤層の表面に剥離シートが貼付された粘着テープを製造することができる。粘着剤層の表面に貼付される剥離シートは、粘着テープの使用前に適宜剥離して除去すればよい。
剥離シート上に緩衝層を形成する方法としては、剥離シート上に緩衝層形成用組成物を、公知の塗布方法にて、直接塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜にエネルギー線を照射することで、緩衝層を形成することができる。また、基材の片面に、緩衝層形成用組成物を直接塗布して、加熱乾燥あるいは塗布膜にエネルギー線を照射することで、緩衝層を形成してもよい。
緩衝層形成用組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。また、塗布性を向上させるために、緩衝層形成用組成物に対して有機溶媒を配合し、溶液の形態として、剥離シート上に塗布してもよい。
緩衝層形成用組成物がエネルギー線重合性化合物を含む場合、緩衝層形成用組成物の塗布膜に対して、エネルギー線を照射することで硬化させ、緩衝層を形成することが好ましい。緩衝層の硬化は、一度の硬化処理で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。例えば、剥離シート上の塗布膜を完全に硬化させて緩衝層を形成した後に基材に貼り合わせてもよく、当該塗布膜を完全に硬化させずに半硬化の状態の緩衝層形成膜を形成し、当該緩衝層形成膜を基材に貼り合わせた後、再度エネルギー線を照射して完全に硬化させて緩衝層を形成してもよい。当該硬化処理で照射するエネルギー線としては、紫外線が好ましい。なお、硬化する際は、緩衝層形成用組成物の塗布膜が暴露された状態でもよいが、剥離シートや基材で塗布膜が覆われ、塗布膜が暴露されない状態でエネルギー線を照射して硬化することが好ましい。
緩衝層がポリオレフィン樹脂フィルムを含む層である場合には、押出ラミネートによって緩衝層と基材と貼り合わせてもよい。具体的には、Tダイ製膜機等を使用して、緩衝層を構成するポリオレフィン樹脂を溶融・混練し、基材を一定の速度にて移動させながら、基材の一方の面側に、溶融したポリオレフィン樹脂を押出しラミネートする。また、緩衝層はヒートシール等により基材に直接積層されてもよい。さらに、ドライラミネーション法などの方法で、易接着層を介して積層されてもよい。
剥離シート上に粘着剤層を形成する方法としては、剥離シート上に粘着剤(粘着剤組成物)を、公知の塗布方法にて、直接塗布して塗布膜を加熱乾燥することで、粘着剤層を形成することができる。
また、基材の片面に、粘着剤(粘着剤組成物)を直接塗布して、粘着剤層を形成してもよい。粘着剤の塗布方法としては、緩衝層の製造法で示した、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
なお、基材の両面に緩衝層が設けられた粘着テープの製造方法は、例えば、上述の方法により、緩衝層と基材と緩衝層とがこの順に積層された積層体を得、その後、一方の緩衝層側に粘着剤層を形成すればよい。
[半導体装置の製造方法]
本発明に係る粘着テープは、好ましくは、半導体ウエハの表面に貼付してウエハの裏面研削が行う場合に使用される。より好ましくは、本発明に係る粘着テープは、ウエハの裏面研削とウエハの個片化とを同時に行うDBGにおいて好ましく使用される。特に好ましくは、本発明に係る粘着テープは、半導体ウエハを個片化した際に、カーフ幅の小さいチップ群が得られるLDBGに好ましく使用される。なお、「チップ群」とは、本発明に係る粘着テープ上に保持された、ウエハ形状の複数の半導体チップをいう。
粘着テープの非限定的な使用例として、以下に半導体装置の製造方法をさらに具体的に説明する。
半導体装置の製造方法は、具体的には、以下の工程1〜工程4を少なくとも備える。
工程1:上記の粘着テープを半導体ウエハの表面に貼付し、粘着テープを半導体ウエハの外周に沿って切断する工程
工程2:半導体ウエハの表面側から溝を形成し、又は半導体ウエハの表面若しくは裏面から半導体ウエハ内部に改質領域を形成する工程
工程3:粘着テープが表面に貼付され、かつ上記溝又は改質領域が形成された半導体ウエハを、裏面側から研削して、溝又は改質領域を起点として、複数のチップに個片化させる工程
工程4:個片化された半導体ウエハ(すなわち、複数の半導体チップ)から、粘着テープを剥離する工程
以下、上記半導体装置の製造方法の各工程を詳細に説明する。
(工程1)
工程1では、本発明の粘着テープを、粘着剤層を介して半導体ウエハ表面に貼付し、半導体ウエハの外周に沿って切断する。粘着テープは、半導体ウエハおよびその外周に拡がる外周テーブルを覆うように貼り付けられる。そして、粘着テープは、半導体ウエハの外周に沿って、カッター等により切断される。切断速度は、通常10〜300mm/sである。切断時のカッター刃の温度は室温でもよく、また、カッター刃を加熱して切断してもよい。
本工程は、後述する工程2の前に行われてもよいが、工程2の後に行ってもよい。例えば、半導体ウエハに改質領域を形成する場合には、工程1を工程2の前に行うことが好ましい。一方で、半導体ウエハ表面に、ダイシング等により溝を形成する場合には、工程2の後に工程1を行う。すなわち、後述する工程2で形成した溝を有するウエハの表面に、本工程1にて粘着テープを貼付することになる。
本製造方法で用いられる半導体ウエハはシリコンウエハであってもよいし、またガリウム砒素、炭化ケイ素、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、窒化ガリウム、インジウム燐などのウエハや、ガラスウエハであってもよい。半導体ウエハの研削前の厚さは特に限定されないが、通常は500〜1000μm程度である。また、半導体ウエハは、通常、その表面に回路が形成されている。ウエハ表面への回路の形成は、エッチング法、リフトオフ法などの従来汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。
(工程2)
工程2では、半導体ウエハの表面側から溝を形成し、又は半導体ウエハの表面又は裏面から半導体ウエハの内部に改質領域を形成する。
本工程で形成される溝は、半導体ウエハの厚さより浅い深さの溝である。溝の形成は、従来公知のウエハダイシング装置等を用いてダイシングにより行うことが可能である。また、半導体ウエハは、後述する工程3において、溝に沿って複数の半導体チップに分割される。
また、改質領域は、半導体ウエハにおいて、脆質化された部分であり、研削工程における研削によって、半導体ウエハが薄くなったり、研削による力が加わったりすることにより半導体ウエハが破壊されて半導体チップに個片化される起点となる領域である。すなわち、工程2において溝及び改質領域は、後述する工程3において、半導体ウエハが分割されて半導体チップに個片化される際の分割線に沿うように形成される。
改質領域の形成は、半導体ウエハの内部に焦点を合わせたレーザーの照射により行い、改質領域は、半導体ウエハの内部に形成される。レーザーの照射は、半導体ウエハの表面側から行っても、裏面側から行ってもよい。なお、改質領域を形成する態様において、工程2を工程1の後に行いウエハ表面からレーザー照射を行う場合、粘着テープを介して半導体ウエハにレーザーを照射することになる。
粘着テープが貼付され、かつ溝又は改質領域を形成した半導体ウエハは、チャックテーブル上に載せられ、チャックテーブルに吸着されて保持される。この際、半導体ウエハは、表面側がテーブル側に配置されて吸着される。
(工程3)
工程1及び工程2の後、チャックテーブル上の半導体ウエハの裏面を研削して、半導体ウエハを複数の半導体チップに個片化する。
ここで、裏面研削は、半導体ウエハに溝が形成される場合には、少なくとも溝の底部に至る位置まで半導体ウエハを薄くするように行う。この裏面研削により、溝は、ウエハを貫通する切り込みとなり、半導体ウエハは切り込みにより分割されて、個々の半導体チップに個片化される。
一方、改質領域が形成される場合には、研削によって研削面(ウエハ裏面)は、改質領域に至ってもよいが、厳密に改質領域まで至らなくてもよい。すなわち、改質領域を起点として半導体ウエハが破壊されて半導体チップに個片化されるように、改質領域に近接する位置まで研削すればよい。例えば、半導体チップの実際の個片化は、後述するピックアップテープを貼付してからピックアップテープを延伸することで行ってもよい。
また、裏面研削の終了後、チップのピックアップに先立ち、ドライポリッシュを行ってもよい。
個片化された半導体チップの形状は、方形でもよいし、矩形等の細長形状となっていてもよい。また、個片化された半導体チップの厚さは特に限定されないが、好ましくは5〜100μm程度であるが、より好ましくは10〜45μmである。レーザーでウエハ内部に改質領域を設け、ウエハ裏面研削時の応力等でウエハの個片化を行う、LDBGによれば、個片化された半導体チップの厚さを50μm以下、より好ましくは10〜45μmとすることが容易になる。また、個片化された半導体チップの大きさは、特に限定されないが、チップサイズが好ましくは600mm未満、より好ましくは400mm未満、さらに好ましくは300mm未満である。
本発明の粘着テープを使用すると、このように薄型及び/又は小型の半導体チップであっても、裏面研削時(工程3)、及び粘着テープ剥離時(工程4)に半導体チップにクラックが生じることが防止される。
(工程4)
次に、個片化された半導体ウエハ(すなわち、複数の半導体チップ)から、半導体加工用粘着テープを剥離する。本工程は、例えば、以下の方法により行う。
まず、粘着テープの粘着剤層が、エネルギー線硬化性粘着剤から形成される場合には、エネルギー線を照射して粘着剤層を硬化する。次いで、個片化された半導体ウエハの裏面側に、ピックアップテープを貼付し、ピックアップが可能なように位置及び方向合わせを行う。この際、ウエハの外周側に配置したリングフレームもピックアープテープに貼り合わせ、ピックアップテープの外周縁部をリングフレームに固定する。ピックアップテープには、ウエハとリングフレームを同時に貼り合わせてもよいし、別々のタイミングで貼り合わせてもよい。次いで、ピックアップテープ上に保持された複数の半導体チップから粘着テープを剥離する。
その後、ピックアップテープ上にある複数の半導体チップをピックアップし基板等の上に固定化して、半導体装置を製造する。
なお、ピックアップテープは、特に限定されないが、例えば、基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層を備える粘着テープによって構成される。
また、ピックアップテープの代わりに、接着テープを用いることもできる。接着テープとは、フィルム状接着剤と剥離シートとの積層体、ダイシングテープとフィルム状接着剤との積層体や、ダイシングテープとダイボンディングテープの両方の機能を有する接着剤層と剥離シートとからなるダイシング・ダイボンディングテープ等が挙げられる。また、ピックアップテープを貼付する前に、個片化された半導体ウエハの裏面側にフィルム状接着剤を貼り合わせてもよい。フィルム状接着剤を用いる場合、フィルム状接着剤はウエハと同形状としてもよい。
接着テープを用いる場合やピックアップテープを貼付する前に個片化された半導体ウエハの裏面側にフィルム状接着剤を貼り合わせる場合には、接着テープやピックアップテープ上にある複数の半導体チップは、半導体チップと同形状に分割された接着剤層と共にピックアップされる。そして、半導体チップは接着剤層を介して基板等の上に固定化され、半導体装置が製造される。接着剤層の分割は、レーザーやエキスパンドによって行われる。
以上、本発明に係る粘着テープについて、DBGまたはLDBGにより半導体ウエハを個片化する方法に使用する例について説明したが、本発明に係る粘着テープは、半導体ウエハを個片化した際に、カーフ幅の小さく、より薄化されたチップ群が得られるLDBGに好ましく使用できる。なお、本発明に係る粘着テープは、通常の裏面研削に使用することも可能であり、また、ガラス、セラミック等の加工時にも被加工物を一時的に保持するために使用することもできる。また、各種の再剥離粘着テープとしても使用できる。
第2実施形態
本発明に係る第2実施形態では、図2に示すように、粘着テープ20とは、基材21と、基材の少なくとも一方の面側に設けられた粘着剤層13とを含む積層体を意味する。なお、これら以外の他の構成層を含むことを妨げない。例えば、粘着剤層側の基材表面にはプライマー層が形成されていてもよく、粘着剤層の表面には、使用時まで粘着剤層を保護するための剥離シートが積層されていてもよい。また、基材は単層であってもよく、多層であってもよい。粘着剤層も同様である。
以下に、第2実施形態に係る半導体加工用粘着テープの各部材の構成をさらに詳細に説明する。
[基材]
基材の23℃における破断エネルギーは13〜80MJ/mである。粘着テープは、常温(23℃)付近で半導体ウエハに貼付され、ウエハの外周に沿って切断される。基材の常温(23℃)における破断エネルギーが13〜80MJ/mであると、基材は、切断時にカッターの刃が当たっても変形しないか、刃が当たった瞬間には変形するが瞬時に元の形に戻るため、切断時における基材の撚れや千切れが抑制され、テープ屑が発生するのを抑制できる。一方、基材の23℃における破断エネルギーが13MJ/mより小さいと、基材は、切断時にカッターの刃が当たると変形しそのまま元の形に戻らないため、基材が撚れたり千切れたりしてテープ屑が発生するおそれがある。また、基材の23℃における破断エネルギーが80MJ/mより大きいと、基材をカッターで切断できないことがあり、またカッターの刃が摩耗するおそれがある。
なお、カッターの刃を加温して切断する場合でも、基材の23℃における破断エネルギーが13〜80MJ/mであれば、切断時における基材の撚れや千切れが抑制され、テープ屑が発生するのを抑制できる。
上記の観点から、基材の23℃における破断エネルギーは、好ましくは13〜60MJ/m、より好ましくは23〜58MJ/m、さらに好ましくは25〜56MJ/mである。
破断エネルギーは、JIS K7161:1994およびJIS K7127:1999に基づく23℃における引張試験により得られる、応力とひずみとを線図化した応力−ひずみ線図において破断点までを積分した値である。ひずみ(mm)は、初期の試験片長さ(mm)×伸度(%)により求めることができる。なお、後述する破断応力および破断伸度は、それぞれ上記引張試験における破断時の応力および伸度である。
上記範囲の破断エネルギーを得る観点から、基材の23℃における破断応力は、好ましくは15〜300MPa、より好ましくは20〜250MPa、さらに好ましくは22〜200MPaである。
破断応力は、JIS K7161:1994およびJIS K7127:1999に基づいて測定できる。
また、上記範囲の破断エネルギーを得る観点から、基材の23℃における破断伸度は、好ましくは50〜400%、より好ましくは70〜350%、さらに好ましくは100〜300%である。
破断伸度は、JIS K7161:1994およびJIS K7127:1999に基づいて測定できる。
基材の23℃におけるヤング率は、好ましくは1000MPa以上である。ヤング率が1000MPa未満の基材を使用すると、粘着テープによる半導体ウエハ又は半導体チップに対する保持性能が低下し、裏面研削時の振動等を抑制することができず、半導体チップの欠けや破損が発生しやすくなる。一方、基材の23℃におけるヤング率を1000MPa以上とすることで、粘着テープによる半導体ウエハ又は半導体チップに対する保持性能が高まり、裏面研削時の振動等を抑制し、半導体チップの欠けや破損を防止できる。また、粘着テープを半導体チップから剥離する際の応力を小さくすることが可能になり、テープ剥離時に生じるチップ欠けや破損を防止できる。さらに、粘着テープを半導体ウエハに貼付する際の作業性も良好にすることが可能である。このような観点から、基材の23℃におけるヤング率は、好ましくは1800〜30000MPa、より好ましくは2500〜6000MPaである。
基材の厚さは特に限定されないが、110μm以下であることが好ましく、15〜110μmであることがより好ましく、20〜105μmであることがさらに好ましい。基材の厚さを110μm以下とすることで、粘着テープの剥離力を制御しやすくなる。また、15μm以上とすることで、基材が粘着テープの支持体としての機能を果たしやすくなる。
基材の材質としては、上記物性を満たすものであれば特に限定されず、種々の樹脂フィルムを用いることができる。ここで、23℃におけるヤング率が1000MPa以上の基材として、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、二軸延伸ポリプロピレン等の樹脂フィルムが挙げられる。
これら樹脂フィルムの中でも、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムから選ばれる1種以上を含むフィルムが好ましく、ポリエステルフィルムを含むことがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含むことがさらに好ましい。
第2実施形態では、破断エネルギーが上記範囲であれば、23℃におけるヤング率が1000MPa未満の基材を用いてもよい。例えば、基材を、ポリオレフィン樹脂フィルムを含む層により形成することで、基材の破断エネルギーを上記した範囲内としやすくなる。
ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE,密度:880kg/m以上、910kg/m未満)、低密度ポリエチレン(LDPE,密度:910kg/m以上、930kg/m未満)、中密度ポリエチレン(MDPE,密度:930kg/m以上、942kg/m未満)、高密度ポリエチレン(HDPE,密度:942kg/m以上)等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
これらのポリオレフィン樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリオレフィン樹脂の中でも、特定の物性を有する基材を得る観点から、ポリエチレン樹脂が好ましく、低密度ポリエチレンがより好ましい。
また、基材には、本発明の効果を損なわない範囲において、可塑剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フィラー、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、触媒等を含有させてもよい。また、基材は、透明なものであっても、不透明なものであってもよく、所望により着色又は蒸着されていてもよい。
また、基材の少なくとも一方の表面には、粘着剤層との密着性を向上させるために、コロナ処理等の接着処理を施してもよい。また、基材は、上記した樹脂フィルムと、樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に被膜された易接着層とを有しているものでもよい。
易接着層を形成する易接着層形成用組成物としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等を含む組成物が挙げられる。易接着層形成用組成物には、必要に応じて、架橋剤、光重合開始剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、防錆剤、顔料、染料等を含有してもよい。
易接着層の厚さとしては、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.03〜5μmである。なお、本願実施例における易接着層の厚さは、基材の厚さに対して小さいため、易接着層を有する樹脂フィルムの厚みと基材の厚みとは実質的に同一である。また、易接着層の材質は柔らかいため、破断エネルギーに与える影響は小さく、基材の破断エネルギーは、易接着層を有する場合でも、樹脂フィルムの破断エネルギーと実質的に同一である。
例えば、基材の破断エネルギーは、樹脂組成の選択、可塑剤の添加、樹脂フィルム製造時の延伸条件などにより制御できる。具体的には、基材としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合、共重合成分中のエチレン成分の含有割合が多くなると、基材の破断エネルギーは低下する傾向がある。また、基材を構成する樹脂組成物に対して可塑剤の配合量が多くなると基材の破断エネルギーは低下する傾向がある。
第2実施形態における粘着剤層、剥離シート、半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様とすることができる。
また、粘着テープの製造方法については、緩衝層を設けない他は、第1実施形態と同様とすることができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
測定方法、評価方法は以下のとおりである。なお、表1における最外層とは、基材および粘着剤層からなる粘着シートの場合には基材を意味し、基材、緩衝層および粘着剤層からなる粘着シートの場合は緩衝層を意味する。
[破断エネルギー、ヤング率、破断伸度、破断応力]
基材および緩衝層の破断エネルギー、ヤング率、破断伸度および破断応力は、精密万能試験機(株式会社島津製作所製 装置名「オートグラフAG−IS」)を用いて測定した。具体的には、実施例5、6で用いた基材、または実施例1〜4および比較例1、2で用いた緩衝層形成用組成物の硬化物からなる、幅1.5mm×長さ150mm×厚み0.2mmの測定用サンプルを作成し、その測定用サンプルについて、チャック間100mm(測定用サンプルの長手方向の両端25mmずつを装置に固定)、引張速度200mm/sec、23℃、50%RHの条件で測定を行った。
[テープ屑の評価]
実施例1〜6および比較例1、2で製造した半導体加工用粘着テープを、直径12インチ、厚み775μmのシリコンウエハにバックグラインド用テープラミネーター(リンテック社製、装置名「RAD−3510F/12」)を用いて貼付けし、シリコンウエハの外周に沿って切断した。切断した粘着テープの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、下記基準にて評価した。
1:シート断面が荒れており、千切れが多発している。
2:シート断面が荒れており、千切れが見られる。
3:シート断面がやや荒れており、わずかに千切れが見られる。
4:シート断面にやや荒れがあるものの千切れは見られない。
5:シート断面に荒れや千切れが見られない。
なお、以下の実施例及び比較例の質量部は全て固形分換算である。
[実施例1]
(1)基材
基材として、両面易接着層付PETフィルム(東洋紡社製 コスモシャイン A4300、厚み:50μm、23℃におけるヤング率:2550MPa)を準備した。
(2)緩衝層
(ウレタンアクリレート系オリゴマーの合成)
ポリカーボネートジオールと、イソホロンジイソシアネートとを反応させて得られた末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させて、重量平均分子量(Mw)が約25000のウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−1)を得た。
(緩衝層形成用組成物の調製)
上記で合成したウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−1)20質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA)70質量部、及び、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート(HPPA)10質量部を配合し、さらに光重合開始剤としての2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASFジャパン社製、製品名「イルガキュア1173」)2.0質量部を配合し、緩衝層形成用組成物を調製した。
(3)粘着剤層
(粘着剤組成物の調製)
n−ブチルアクリレート(BA)52質量部、メチルメタクリレート(MMA)20質量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)28質量部を共重合して得たアクリル系重合体(b)に、アクリル系重合体(b)の全水酸基のうち90モル%の水酸基に付加するように、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)を反応させて、エネルギー線硬化性のアクリル系樹脂(Mw:50万)を得た。
このエネルギー線硬化性のアクリル系樹脂100質量部に、エネルギー線硬化性化合物である多官能ウレタンアクリレートを6質量部、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製、製品名「コロネートL」)を1質量部、光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシドを1質量部配合し、メチルエチルケトンで希釈し、固形分濃度32質量%の粘着剤組成物の塗工液を調製した。
(4)粘着テープの作製
剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−PET381031」)の剥離処理面に、上記で得た粘着剤組成物の塗工液を塗工し、加熱乾燥させて、剥離シート上に厚さが30μmの粘着剤層を形成した。
また、別の剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−PET381031」)の剥離処理面に、緩衝層形成用組成物を塗布し、塗布膜を形成した。次いで、この塗布膜に対して、紫外線を照射し、塗布膜を半硬化して厚さが53μmの緩衝層形成膜を形成した。
なお、上記の紫外線照射は、ベルトコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、装置名「US2−0801」)及び高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、装置名「H08−L41」)を使用し、ランプ高さ230mm、出力80mW/cm、光線波長365nmの照度90mW/cm、照射量50mJ/cmの照射条件下にて行った。
そして、形成した緩衝層形成膜の表面と、基材とを貼り合わせ、緩衝層形成膜上の剥離シート側から再度紫外線を照射して、当該緩衝層形成膜を完全に硬化させ、厚さ53μmの緩衝層を形成した。なお、上記の紫外線照射は、上述の紫外線照射装置及び高圧水銀ランプを使用し、ランプ高さ220mm、換算出力120mW/cm、光線波長365nmの照度160mW/cm、照射量650mJ/cmの照射条件下にて行った。
その後、基材の緩衝層が形成された面の反対面に、粘着剤層を貼り合わせ、半導体加工用粘着テープを作製した。
[実施例2]
緩衝層のウレタンアクリレート系オリゴマーの合成において、重量平均分子量(Mw)が約20000のウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−2)を得て、緩衝層形成用組成物の調製において、ウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−2)を35質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA)を40質量部、及びフェニルヒドロキシプロピルアクリレート(HPPA)を25質量部に変更した他は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例3]
緩衝層形成用組成物の調製において、ウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−2)を25質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA)を50質量部に変更した他は、実施例2と同様にして粘着テープを得た。
[実施例4]
緩衝層のウレタンアクリレート系オリゴマーの合成において、重量平均分子量(Mw)が約10000のウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−3)を得て、緩衝層形成用組成物の調製において、ウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−3)を40質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA)を40質量部、及びフェニルヒドロキシプロピルアクリレート(HPPA)を20質量部に変更した他は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例5]
基材を低密度ポリオレフィンフィルム(厚み:25μm、23℃におけるヤング率:380MPa)に変更し、緩衝層を設けない他は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例6]
緩衝層を設けない他は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[比較例1]
緩衝層形成用組成物の調製において、ウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−3)を30質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA)を50質量部、及びフェニルヒドロキシプロピルアクリレート(HPPA)を20質量部に変更した他は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[比較例2]
緩衝層形成用組成物の調製において、ウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−2)を30質量部に変更し、イソボルニルアクリレート(IBXA)及びフェニルヒドロキシプロピルアクリレート(HPPA)の代わりに、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)を20質量部及び4−アクリロイルモルフォリン(ACMO)を50質量部配合した他は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
Figure 0006616558
以上の結果から、本発明に係る半導体加工用粘着テープによれば、テープ屑の発生を低減できることが分かる。テープ屑を多く発生する粘着シートは、半導体装置の製造工程においてクラックが進行し破損する可能性が高い。したがって、本発明に係る粘着テープを用いると、半導体装置の生産性に優れることが分かる。
10 粘着シート
11 基材
12 緩衝層
13 粘着剤層
20 粘着シート
21 基材

Claims (6)

  1. 基材と、当該基材の少なくとも一方の面側に設けられた緩衝層と、当該基材の他方の面側に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、
    前記緩衝層の23℃における破断エネルギーが13〜80MJ/mである、半導体加工用粘着テープ。
  2. 前記基材の23℃におけるヤング率が1000MPa以上である、請求項1に記載の半導体加工用粘着テープ。
  3. 前記緩衝層が、エネルギー線重合性化合物を含む緩衝層形成用組成物の硬化物である、請求項1または2に記載の半導体加工用粘着テープ。
  4. 前記粘着剤層の厚さが100μm未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体加工用粘着テープ。
  5. 基材と、当該基材の少なくとも一方の面側に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、
    前記基材の23℃における破断エネルギーが13〜80MJ/mである、半導体加工用粘着テープ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体加工用粘着テープを半導体ウエハの表面に貼付し、当該粘着テープを当該半導体ウエハの外周に沿って切断する工程と、
    前記半導体ウエハの表面側から溝を形成し、又は前記半導体ウエハの表面若しくは裏面から半導体ウエハ内部に改質領域を形成する工程と、
    前記粘着テープが表面に貼付され、かつ前記溝又は前記改質領域が形成された半導体ウエハを、裏面側から研削して、前記溝又は前記改質領域を起点として複数のチップに個片化させる工程と、
    前記複数のチップから前記粘着テープを剥離する工程と、
    を備える半導体装置の製造方法。
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