JP5920052B2 - 樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム - Google Patents
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Description
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば特許文献4参照)。
本発明の樹脂組成物が含有するセルロース系樹脂は、β−グルコース単位が直鎖状に重合した高分子であり、グルコース単位の2位、3位および6位の水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化したポリマーであり、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。
光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから、好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.05〜0.5、特に好ましくは0.1〜0.5である。添加剤のΔnは分子軌道計算によって求めることができる。
(式中、nxは添加剤分子の進相軸方向の屈折率を示し、nyは添加剤分子の遅相軸方向の屈折率を示す。)
本発明の樹脂組成物における芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤は、芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環の分子内の個数については、特に制限はないが、光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから、好ましくは1〜12個であり、さらに好ましくは1〜8個である。芳香族炭化水素環としては、例えば、5員環、6員環、7員環または二つ以上の芳香族環からなる縮合環等が挙げられ、芳香族性ヘテロ環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、1,3,5−トリアジン環等が挙げられる。
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (3)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (4)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
本発明の光学補償フィルムは、輝度向上のため、光線透過率が好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
本発明の樹脂組成物を用いて得られた光学補償フィルムは、面内位相差(Re)を発現するために一軸延伸またはアンバランス二軸延伸することが好ましい。光学補償フィルムを延伸する方法としては、ロール延伸による縦一軸延伸法やテンター延伸による横一軸延伸法、これらの組み合わせによるアンバランス逐次二軸延伸法やアンバランス同時二軸延伸法等を用いることができる。また本発明では、熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に延伸を行う特殊延伸法を用いずに位相差特性を発現させることができる。
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
作成したフィルムの光線透過率及びヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光りを用いて光学補償フィルムの位相差特性を測定した。
5リットルオートクレーブ中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重量%を含む蒸留水2400g、フマル酸ジイソプロピル1388g、フマル酸ジエチル212g、重合開始剤(日油製、商品名:パーブチルPV)12.7gを仕込み、重合温度48℃、重合時間30時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行った。得られた重合体粒子を濾過回収し、水、メタノールで十分に洗浄し80℃にて乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体を得た。得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体の数平均分子量は98000、フマル酸ジイソプロピル単位83モル%、フマル酸ジエチル単位17モル%であった。
5リットルオートクレーブ中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重量%を含む蒸留水2600g、フマル酸ジイソプロピル1232g、フマル酸ジ−n−ブチル168g、重合開始剤(日油製、商品名:パーブチルPV)11gを仕込み、重合温度47℃、重合時間36時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行った。得られた重合体粒子を濾過回収し、水、メタノールで十分に洗浄し80℃にて乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量は88000、フマル酸ジイソプロピル単位88モル%、フマル酸ジ−n−ブチル単位12モル%であった。
5リットルオートクレーブ中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重量%を含む蒸留水2600g、フマル酸ジイソプロピル1200g、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル184g、重合開始剤(日油製、商品名:パーブチルPV)11gを仕込み、重合温度47℃、重合時間36時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行った。得られた重合体粒子を濾過回収し、水、メタノールで十分に洗浄し80℃にて乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量は85000、フマル酸ジイソプロピル単位92.5モル%、フマル酸ジ−n−ブチル単位7.5モル%であった。
1リットルオートクレーブ中に、フマル酸ジイソプロピル200g、フマル酸ジエチル17g、ビニルピロリドン32g、重合開始剤(日油製、商品名:パーブチルPV)0.2gを仕込み、重合温度45℃、重合時間8時間の条件にてラジカル重合反応を行った。得られた重合体を含む溶液を大過剰のメタノール投入し、重合体を析出させた。得られた重合体を濾過し80℃にて乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル・ビニルピロリドン重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量は45000、フマル酸ジイソプロピル単位80モル%、フマル酸ジエチル単位6モル%、ビニルピロリドン単位14モル%であった。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gを塩化メチレン640gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み150μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):94重量%、トリクレジルホスフェート:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み122μm)。
セルロースアセテートブチレート(アセチル基=15モル%、ブチリル基=70モル%、全置換度DS=2.55、数平均分子量=72,000)130g、合成例4により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル・ビニルピロリドン重合体30gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gを塩化メチレン640gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み150μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースアセテートブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル・ビニルピロリドン重合体:19重量%):94重量%、トリクレジルホスフェート:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み123μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=87モル%、全置換度DS=2.61、数平均分子量=70,000)158g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体12gと2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(Δn=0.23)10gをメチルエチルケトン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み150μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:93重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:7重量%):95重量%、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート:5重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み125μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=86モル%、全置換度DS=2.58、数平均分子量=70,000)138g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体32gと2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Δn=0.11)10gをメチルエチルケトン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み150μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:80重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:20重量%):94重量%、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み120μm)。
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基=5モル%、プロピオニル基=80モル%、全置換度DS=2.55、数平均分子量=75,000)54g、合成例3により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−2−エチルヘキシル重合体116gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gをメチルエチルケトン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み180μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースアセテートプロピオネート:32重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−2−エチルヘキシル重合体:68重量%):94重量%、トリクレジルホスフェート:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.25倍、横1.05倍に延伸した(延伸後の厚み160μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)153g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体17gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)20gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み150μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:90重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:10重量%):89重量%、トリクレジルホスフェート:11重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦2.0倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み106μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)153g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体17gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み80μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:90重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:10重量%):94重量%、トリクレジルホスフェート:6重量%]。
セルロースブチレート(ブチリル基=86モル%、全置換度DS=2.58、数平均分子量=70,000)153g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体17gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)20gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み100μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:90重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:10重量%):89重量%、トリクレジルホスフェート:11重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦2.0倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み70μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=86モル%、全置換度DS=2.58、数平均分子量=70,000)171g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体9gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)20gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み100μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:95重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:5重量%):90重量%、トリクレジルホスフェート:10重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み70μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gとトリブチルトリメリテート(Δn=0.11)10gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み180μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):94重量%、トリブチルトリメリテート:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み145μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gとテトラブチルピロメリテート(Δn=0.13)10gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み180μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):94重量%、テトラブチルピロメリテート:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み143μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gと2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Δn=0.13)7gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み180μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):96重量%、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール:4重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み141μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gと2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Δn=0.21)7gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み180μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):96重量%、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン:4重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み140μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gと安息香酸エチル(Δn=0.08)20gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み180μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):89重量%、安息香酸エチル:11重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み148μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gとジエチルフタレート(Δn=0.07)20gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み180μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):89重量%、ジエチルフタレート:11重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み149μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)130g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体30gとトリクレジルホスフェート53gを塩化メチレン640gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み150μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:81重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:19重量%):75重量%、トリクレジルホスフェート:25重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、120℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み121μm)。
実施例1で用いたセルロースブチレート200gおよびトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gを塩化メチレン800gに溶解し、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで80℃と段階的に乾燥し、幅150mm、厚み80μmのフィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースブチレート:95重量%、トリクレジルホスフェート:5重量%)。
実施例2で用いたセルロースアセテートブチレート200gおよびトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gをテトラヒドロフラン800gに溶解し、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで80℃と段階的に乾燥し、幅150mm、厚み77μmのフィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートブチレート:95重量%、トリクレジルホスフェート:5重量%)。
実施例1で用いたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体200gおよびトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gを塩化メチレン800gに溶解し、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで80℃と段階的に乾燥し、幅150mm、厚み80μmのフィルム(樹脂組成物)を得た(樹脂成分:95重量%、トリクレジルホスフェート:5重量%)。
実施例2で使用したセルロースアセテートブチレート200gおよびトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gをメチルエチルケトン800gに溶解し、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み200μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートブチレート:95重量%、トリクレジルホスフェート:5重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み163μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=87モル%、全置換度DS=2.61、数平均分子量=70,000)136g、合成例2により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル重合体34gとジイソデシルアジペート(Δn=0.02)10gをメチルエチルケトン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み220μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:80重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル重合体:20重量%):94重量%、ジイソデシルアジペート:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)11g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体159gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)10gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み200μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た[樹脂成分(セルロースブチレート:6重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:94重量%):94重量%、トリクレジルホスフェート:6重量%]。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み164μm)。
セルロースブチレート(ブチリル基=82モル%、全置換度DS=2.46、数平均分子量=70,000)145g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体25gとトリクレジルホスフェート(Δn=0.18)91gを塩化メチレン800gに溶解した。溶解したものを、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度30℃、次いで100℃と段階的に乾燥した後、幅150mm、厚み200μmの樹脂組成物(光学補償フィルム)を得た(樹脂成分(セルロースブチレート:85重量%、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル重合体:15重量%):65重量%、トリクレジルホスフェート:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、125℃で縦1.5倍、横1.1倍に延伸した(延伸後の厚み162μm)。
Claims (15)
- 樹脂成分として下記一般式(1)で示されるセルロース系樹脂30〜97重量%および下記一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位60モル%以上を含むフマル酸ジエステル重合体70〜3重量%を含有し、さらに、該樹脂成分70〜99.99重量%および芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤0.01〜30重量%を含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 一般式(1)で示されるセルロース系樹脂のアシル化度が1.5〜3.0であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- フマル酸ジエステル重合体が、フマル酸ジイソプロピル残基単位60〜95モル%およびフマル酸ジエチル残基単位、フマル酸ジ−n−プロピル残基単位、フマル酸ジ−n−ブチル残基単位、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基単位から選ばれるフマル酸ジエステル残基単位5〜40モル%を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤が、下記式(1)で示される複屈折Δnが0.05以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の樹脂組成物。
Δn=ny−nx (1)
(式中、nxは添加剤分子の進相軸方向の屈折率を示し、nyは添加剤分子の遅相軸方向の屈折率を示す。) - 芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤が、芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を分子内に1個以上12個以下を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の樹脂組成物を用いてなり、厚みが5〜200μmであることを特徴とする光学補償フィルム。
- 下記式(2)で示される面内位相差(Re)が80〜300nmで、下記式(3)で示されるNz係数が0.35〜0.65であることを特徴とする請求項6に記載の光学補償フィルム。
Re=(ny−nx)×d (2)
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (3)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。) - 式(2)で示される面内位相差(Re)が50〜200nmで、式(3)で示されるNz係数が−0.2〜0.2であることを特徴とする請求項6に記載の光学補償フィルム。
- 式(2)で示される面内位相差(Re)が0〜20nmで、下記式(4)で示される面外位相差(Rth)が、−150〜10nmであることを特徴とする請求項6に記載の光学補償フィルム。
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (4)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。) - 光線透過率が85%以上であることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかの項に記載の光学補償フィルム。
- ヘーズが2%以下であることを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれかの項に記載の光学補償フィルム。
- 樹脂成分として下記一般式(1)で示されるセルロース系樹脂30〜97重量%および下記一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位60モル%以上を含むフマル酸ジエステル重合体70〜3重量%であり、さらに、該樹脂成分70〜99.99重量%および芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤0.01〜30重量%を溶剤に溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストし、乾燥後、基材より剥離することを特徴とする請求項6〜請求項11のいずれかの項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 一般式(1)で示されるセルロース系樹脂のアシル化度が1.5〜3.0であることを特徴とする請求項12に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- フマル酸ジエステル重合体が、フマル酸ジイソプロピル残基単位60〜95モル%およびフマル酸ジエチル残基単位、フマル酸ジ−n−プロピル残基単位、フマル酸ジ−n−ブチル残基単位、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基単位から選ばれるフマル酸ジエステル残基単位5〜40モル%を含むことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- キャストして得られた厚み40〜200μmのフィルムを一軸延伸またはアンバランス二軸延伸させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光学補償フィルムの製造方法。
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