JP6699260B2 - 樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム - Google Patents
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Description
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の延伸軸に直交する方向の屈折率、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物はセルロース系樹脂とフマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂とを含有することにより、光学補償フィルムとして用いる際に該光学補償フィルムがnx>nz>nyや、nx=nz>nyなどの3次元屈折率を示すものである。
ここで、一般式(3)で示されるセルロース系樹脂は、β−グルコース単位が直鎖状に重合した高分子であり、グルコース単位の2位、3位および6位の水酸基の一部または全部を置換したポリマーである。
一般式(4)におけるフマル酸ジエステル残基単位のR10、R11はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表わされるリン系化合物のR1、R2、R3はそれぞれ独立して水素、アルキル基、フェニル基、またはクミル基を示し、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (b)
(式中、nxはフィルム面内の延伸軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の延伸軸に直交する方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
本発明において、面内位相差(Re)が好ましくは60〜300nm、さらに好ましくは70〜280nmであって、Nz係数が好ましくは0.35〜0.65、さらに好ましくは0.45〜0.55である。
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
作製したフィルムの光線透過率およびヘーズの測定は、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの位相差特性を測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)の比として光学補償フィルムの波長分散特性を測定した。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル11g、フマル酸モノエチル3g、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル42gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂23gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は33,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位21モル%、フマル酸モノエチル残基単位8モル%、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位71モル%であった。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル26g、フマル酸モノエチル6g、4−メトキシケイ皮酸エチル24gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂31gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は41,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位38モル%、フマル酸モノエチル残基単位15モル%、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位47モル%であった。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル15g、フマル酸モノエチル10g、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル31gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂22gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は31,000、フマル酸ジエチル残基単位62モル%、フマル酸モノエチル残基単位9モル%、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位29モル%であった。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル13g、フマル酸モノエチル20g、4−メトキシケイ皮酸エチル17gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂19gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は35,000、フマル酸ジエチル残基単位40モル%、フマル酸モノエチル残基単位21モル%、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位39モル%であった。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル13g、フマル酸モノn−ブチル20g、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル17gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂25gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は42,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位57モル%、フマル酸モノn−ブチル残基単位28モル%、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位15モル%であった。
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)13.4g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂10gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.97gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:41重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:4重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に示す。
セルロースアセテートブチレート(数平均分子量33,000、アセチル基=15モル%、ブチリル基=70モル%、全置換度DS=2.55)14.5g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂9gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト1.5gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートブチレート:58重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:36重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:6重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)17g、合成例2により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂7.3gおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト0.75gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:68重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂:29重量%、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト:3重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量25,000、アセチル基=7モル%、プロピオニル基=80モル%、全置換度DS=2.6)16.5g、合成例3により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂7.3gおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト1.25gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートプロピオネート:66重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:29重量%、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト:5重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)9.8g、合成例4により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂11.5gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト3.75gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:39重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂:46重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:15重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)11.3g、合成例5により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂10.8gおよびビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト3gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:45重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:43重量%、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:12重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
セルロースアセテートブチレート(数平均分子量33,000、アセチル基=15モル%、ブチリル基=70モル%、全置換度DS=2.55)15g、合成例5により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂8gおよびビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト2gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートブチレート:60重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:32重量%、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:8重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)17g、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファィト3gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:85重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:15重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸モノエチル・4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂17g、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト3gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(フマル酸ジイソプロピル・フマル酸モノエチル・4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:85重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:15重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で1.2倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量25,000、アセチル基=7モル%、プロピオニル基=80モル%、全置換度DS=2.6)6g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂12gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト6gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートプロピオネート:15重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:75重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:10重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
Claims (13)
- セルロース系樹脂30〜85重量%、
下記一般式(4)で示されるフマル酸ジエステル残基単位1〜65モル%、下記一般式(5)で示されるフマル酸モノエステル残基単位1〜30モル%および下記一般式(6)で示されるケイ皮酸エステル残基単位98〜5モル%を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂5〜65重量%、
ならびに下記一般式(1)で示されるリン系化合物および/または下記一般式(2)で示されるリン系化合物1〜20重量%を含有する樹脂組成物。
- セルロース系樹脂が、下記一般式(3)で示され、置換度が1.5〜3.0であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- セルロース系樹脂が、メチルセルロース、エチルセルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートからなる群より選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- フマル酸ジエステル残基単位が、フマル酸ジエチル残基単位、フマル酸ジイソプロピル残基単位、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- フマル酸モノエステル残基単位が、フマル酸モノエチル残基単位、フマル酸モノイソプロピル残基単位、フマル酸モノ−n−プロピル残基単位、フマル酸モノ−n−ブチル残基単位、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル残基単位からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- ケイ皮酸エステル残基単位が、4−メトキシケイ皮酸メチル残基単位、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基単位からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1乃至6いずれか一項に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする光学補償フィルム。
- 下記式(a)で示される面内位相差(Re)が50〜300nmで、下記式(b)で示されるNz係数が0.35<Nz<0.55であることを特徴とする請求項7に記載の光学補償フィルム。
Re=(nx−ny)×d (a)
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (b) - 589nmにおけるレターデーションとフィルム膜厚の比Re(589)(nm)/フィルム膜厚(μm)が4.0nm/μm以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の光学補償フィルム。
- 樹脂組成物を溶剤に溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストし、乾燥後、基材より剥離して得られることを特徴とする請求項7乃至9いずれか一項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- キャストして得られた厚み10〜200μmのフィルムを少なくとも一軸以上で延伸させることを特徴とする請求項10に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- キャストして得られた厚み10〜200μmのフィルムを1.05倍〜3.5倍で一軸延伸させることを特徴とする請求項10または11に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- キャストして得られた厚み10〜200μmのフィルムを長さ方向に1.05〜3.5倍、幅方向に1.0〜1.2倍でアンバランス二軸延伸させることを特徴とする請求項10または11に記載の光学補償フィルムの製造方法。
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