JP5917368B2 - 二重容器 - Google Patents

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Description

本発明は、内容物を収容する内層体が、外層体の内部に収容された2層構造に形成され、内容物の注出時に、外層体と内層体との間に空気流入孔から外気が取り入れられて、内層体のみを収縮させるようにした二重容器に関する。
化粧水などの化粧料や、シャンプーやリンスあるいは液体石鹸、また食品調味料などを収納する容器としては、内容物を収容する収容部を備えた内層体と、この内層体を剥離可能に収容する外層体とを備え、外層体の胴部を押圧することで内容物を注出する一方、押圧解除後は、外層体の注出口に設けた空気流入孔から、内層体と外層体との間に外気を導入して、内層体を減容したまま胴部が復元できるようにした二重容器が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の容器は、内容物と外気との置換を行うことなく、注出を行うことができるので、内容物の外気との接触を減らして、その劣化や変質を抑制することができる。
特開2001−106263号公報
このような二重容器としては、デラミ容器とも呼ばれる積層剥離容器が知られており、この場合二重容器は、相溶性の低い外層用の合成樹脂と内層用の合成樹脂とを共押出して積層パリソンとし、この積層パリソンを、金型を用いてブロー成形することにより、外層体と内層体とが密着した積層構造に形成される。そのため、ブロー成形の後に、例えば、空気流入孔から空気を圧送し、または注出口から負圧吸引をして内層体を収縮させて、その全体を外層体から剥離させ、次いで、内層体の内部に空気を送り込み、その全体を再度外層体に密着させて、収容物の注出時に、内層体が外層体から剥離し易くなるようにしている。
しかしながら、従来の二重容器では、上記のように、ブロー成形後に、内層体を一旦外層体から全剥離するようにしても、内層体は、その外面全体が再度外層体の内面全体に密着するので、収容物の注出時に、空気流入孔から外層体と内層体の間へ空気が入り難くなって、内層体の剥離不良や外層体の変形を生じる場合があった。
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、内層体を外層体から剥離し易くして、内容物の注出時に、内層体の剥離不良や外層体の変形が生じることを防止することできる二重容器を提案することにある。
本発明の二重容器は、筒状の注出口と該注出口に連なる胴部とを備え、前記注出口の側部に該注出口を内外方向に貫通する空気流入孔が設けられた外層体と、前記注出口の開口端に連なる開口部と該開口部に連なる内容物の収容部とを備え、前記外層体に収容される内層体と、を有する二重容器であって、前記外層体の胴部に、前記注出口の側から底部の側へ向けて延びる外層リブを設け、前記外層リブの、前記内層体の側を向く内面の横断面形状を、アンダーカット形状とし、前記内層体に、前記外層リブの内面に対応した横断面形状の内層リブを設け、前記外層リブと前記内層リブとの間に隙間を設けたことを特徴とする。
上記構成においては、前記外層リブを、一対の側壁部とこれらの側壁部を連ねる天壁部とを備えた断面コ字状の横断面形状に形成し、前記外層リブの前記内層体とは反対側を向く外面の横断面形状を、前記側壁部の外面に対応した互いに略平行な一対の直線部分と、前記天壁部の外面に対応して前記直線部分を連ねる連結辺部分とを有する形状とするのが好ましい。
上記構成においては、前記外層体の胴部に、前記外層リブに隣接して副外層リブを設け、前記副外層リブの、前記内層体とは反対側を向く外面の横断面形状を、前記外層リブの前記直線部分に連なるとともに該直線部分に対して傾斜する傾斜辺を備えた形状に形成するのが好ましい。
上記構成においては、前記外層リブの直線部分を、前記副外層リブの幅方向中心を通り、且つ、前記注出口の軸心を通る直線に略平行とするのが好ましい。
上記構成においては、前記外層リブの少なくとも一部を、前記空気流入孔の軸方向から見た平面視で、前記空気流入孔の軸心を中心として、前記底部の側へ向けた、60度以上、90度以下の範囲に配置するのが好ましい。
本発明によれば、外層体の胴部に外層リブを設け、この外層リブの内層体の側を向く内面の横断面形状をアンダーカット形状とし、内層体に当該内面のアンダーカット形状に対応した横断面形状の内層リブを設けるとともに前記外層リブと前記内層リブとの間に隙間を設けるようにしたので、内層体が外層体から剥離された後に、内層体の内層リブを外層体の外層リブに嵌まりづらくして、当該リブの周りの外層体と内層体との間に隙間を維持させることができる。したがって、この隙間により、内容物を注出する際に、空気流入孔から流入した外気を、当該隙間を介して外層体と内層体の間へ流入させることができるので、内層体を外層体から剥がれ易くして、この二重容器の内層体の剥離不良や外層体の変形を防止することができる。
上記構成において、外層リブを、一対の側壁部とこれらの側壁部を連ねる天壁部とを備えた断面コ字状の横断面形状に形成し、外層リブの内層体とは反対側を向く外面の横断面形状を、側壁部の外面に対応した互いに略平行な一対の直線部分と、天壁部の外面に対応して直線部分を連ねる連結辺部分とを有する形状とした場合には、この二重容器を、金型を用いて積層パリソンをブロー成形して形成する際に、金型内で積層パリソンを、外層リブの両側壁部と天壁部とを連ねる角部が薄肉となるように延伸させて、内面の横断面形状がアンダーカット形状となる外層リブと、当該内面に対応した横断面形状の内層リブとを、容易に形成することができる。
上記構成において、前記外層体の胴部に、前記外層リブに隣接して副外層リブを設け、前記副外層リブの、前記内層体とは反対側を向く外面の横断面形状を、前記外層リブの前記直線部分に連なるとともに該直線部分に対して傾斜する傾斜辺を備えた形状に形成した場合には、金型を用いて積層パリソンをブロー成形して形成する際に、積層パリソンを当該傾斜辺に沿って副外層リブの側に移動させることにより、積層パリソンを外層リブの両側壁部と天壁部とを連ねる角部に向けてより延伸させて、外層リブと内層リブの横断面形状を、より深いアンダーカット形状にすることができる。
上記構成において、前記外層リブの直線部分を、前記副外層リブの幅方向中心を通り、且つ、前記注出口の軸心を通る直線に略平行とした場合には、金型を用いて積層パリソンをブロー成形して形成する際に、金型内において積層パリソンを、外層リブの両側壁部と天壁部とを連ねる角部に向けてより延伸させて、外層リブと内層リブの横断面形状を、より深いアンダーカット形状にすることができる。
上記構成において、外層リブの少なくも一部を、空気流入孔の軸方向から見た平面視で、空気流入孔の軸心を中心として、底部の側へ向けた、60度以上、90度以下の範囲に配置した場合には、内層体を外層体から剥離させ、再度密着させたときに、空気流入孔の周りに生じるしわ状の隙間を、外層リブと内層リブとの間に生じる隙間に連通させて、空気流入孔と胴部との間で、より空気の流路を確保し易くすることができる。
本発明の二重容器の一実施の形態である積層剥離容器の正面図である。 図1に示す積層剥離容器の平面図である。 図1におけるA−A線に沿う断面図である。 図1におけるB−B線に沿う断面図であり、左半分はブロー成形時の状態を示す断面図であり、右半分は剥離後の状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に例示説明する。
図1〜図3に示すように、本発明の二重容器の一実施の形態である積層剥離容器1は、外殻を構成する外層体2と、外層体2の内部に収容される内層体3とを有している。デラミ容器とも呼ばれるこの積層剥離容器1は、例えば、相溶性の低い外層用の合成樹脂と、内層用の合成樹脂とを共押出して積層パリソンを形成し、この積層パリソンを、金型を用いてブロー成形することにより、外層体2の内面に内層体3が剥離可能に密着した積層構造に形成される。
外層体2は、断面円形の筒状に形成された注出口2aと、この注出口2aに一体に連なる断面円形の胴部2bとを有するボトル状に形成されている。胴部2bは可撓性を有しており、スクイズされて凹むことができるとともに、凹んだ状態から元の形状に復元することができる。
内層体3は、外層体2よりも薄肉の袋状に形成されており、その外面は外層体2の内面に剥離可能に密着している。内層体3の開口部3aは、外層体2の注出口2aの開口端に連ねられ、内層体3の内部は、開口部3aに連なる収容部3bとなっている。この収容部3bには、例えば、化粧水などの化粧料、シャンプーやリンスあるいは液体石鹸、また食品調味料などの液体状の内容物が収納される。
外層体2の注出口2aの側部(外周部)には、それぞれ注出口2aを径方向に沿って内外に貫通する一対の空気流入孔4が設けられている。これらの空気流入孔4は、互いに注出口2aの軸心を挟んだ対称な位置に配置されている。空気流入孔4は、外層体2と内層体3の間に連通しており、内層体3が外層体2から剥離したときに、外層体2と内層体3との間に外気を導入することができる。
外層体2の注出口2aには、例えば、注出用弁が配設された注出キャップ、各種ノズルまたは注出ポンプ等の部材が装着され、これらの部材を介して、内容物が注出される。これらの部材は、注出口2aに設けられたねじ部2dにねじ結合して当該注出口2aに固定されるが、アンダーカット等の他の手段により固定される構成とすることもできる。
このような積層剥離容器1は、注出口2aに注出用弁が配設された注出キャップを装着した場合には、外層体2の胴部2bをスクイズすることによって、注出口2aから内容物を注出することができる。内容物の注出後、外層体2が元の形状に復元する際には、空気流入孔4から外層体2と内層体3との間に外気が流入するので、内層体3の収容部3bを減容させたまま、外層体2を元の形状に復元させることができる。したがって、内容物を注出しても、注出口2aから内層体3の収容部3bの内部へ外気が流入することがないので、収容部3bに収容された内容物は空気に触れることなく、その劣化が防止される。また、外層体2を傾けることにより、内層体3の収容部3bに収容した内容物を自重で注出口2aから注出することもできる。なお、注出口2aにポンプを装着した場合には、外層体2として可撓性を有していないものを用いることができる。
図1、図2に示すように、外層体2の胴部2bには、内容物を注出する際に、内層体3を外層体2から剥がれ易くするために、一対のリブ群5が設けられている。一方のリブ群5は、胴部2bの対応する空気流入孔4の下方に配置され、他方のリブ群5は、胴部2bの対応する空気流入孔4の下方に配置されているが、これらのリブ群5は、互いに基本的に同一の構成となっているので、以下では、一方のリブ群5についてのみ説明する。
リブ群5は、それぞれ外層体2の、注出口2aの側から底部2cの側へ向けて延びるとともに、周方向に並べて配置された4本の凹溝6a〜6dを備えている。これらの凹溝6a〜6dは、それぞれ外層体2の外周面に対して内側に凹んで形成された凹リブとなっている。
最外側の凹溝6a,6dと、それに隣接する内側の凹溝6b,6cの間の部分は、それぞれ外層リブ7となっており、内側の一対の凹溝6b,6cの間の部分は副外層リブ8となっている。一対の外層リブ7および副外層リブ8は、それぞれ凹溝6a,6dと同様に、注出口2aの側から底部2cの側へ向けて延びており、互いに凹溝6b,6cを挟んで隣接している。また、副外層リブ8の両側に隣接する外層リブ7は、互いに、副外層リブ8を挟んで対称な形状となっている。
図4は、図1におけるB−B線に沿う断面図であり、その左半分はブロー成形時の状態を示し、右半分は内層体を外層体から剥離した後の状態を示している。図4においては、ブロー成形時のリブ群5および剥離後のリブ群5は、それぞれ、直線Lにより区切られた半分のみが示され、直線Lを基準として対称な形状を有する残りの部分は省略してある。
図4に示すように、外層体2に形成された外層リブ7は、一対の側壁部7a,7bとこれらの側壁部7a,7bを連ねる天壁部7cとを備え、その長手方向に対して垂直な横断面形状は略コ字状となっている。外層リブ7の内層体3とは反対側を向く外面つまり容器外側を向く外面は、その側壁部7a,7bにおいては平面に形成され、天壁部7cにおいては胴部2bの外周面に対応した湾曲面に形成されている。したがって、外層リブ7の外面の横断面形状は、側壁部7a,7bの外面に対応した互いに平行な一対の直線部分7d,7eと、天壁部7cの外面に対応して直線部分を連ねる円弧状の連結辺部分7fと、を有している。直線部分7d,7eは、当該横断面における、連結辺部分7fの周方向の中点を通り、且つ、連結辺部分7fに垂直な方向に対して、それぞれ副外層リブ8の側へ向けて傾斜しており、図示する場合では、副外層リブ8の幅方向の中心を通るとともに注出口2aの軸心を通る直線Lに平行となっている。なお、本実施の形態においては、直線部分7d,7eは互いに平行とされているが、金型を用いたブロー成型後、積層剥離容器1を金型から取り外す際に、外層リブ7が金型に対して極端に無理抜きされない程度であれば、直線部分7d,7eを互いに角度を有する略平行の配置とするようにしてもよい。
副外層リブ8の、内層体3とは反対側を向く外面は、その横断面形状が、外層リブ7の直線部分7eに連なるとともに、径方向に対して、直線部分7eよりもさらに大きく傾斜する一対の傾斜辺8aと、これらの傾斜辺8aを連ねる円弧辺8bとを備えた形状となっている。円弧辺8bは、外層体2の外周面に沿った円弧状である。これにより、副外層リブ8は、その横断面形状が、台形状に形成されている。なお、外層リブ7の直線部分7eと副外層リブ8の傾斜辺8aにより、略三角形の横断面形状となる凹溝6b,6cの内面が構成される。
一方、図4に示すように、外層リブ7の、内層体3の側を向く内面の横断面形状の角部は、アンダーカット形状とされている。図示する場合では、外層リブ7は、その天壁部7cの内面の周方向への幅寸法が、一方の側壁部7aの内面と他方の側壁部7bの内面との、最も間隔が狭い部分の周方向幅寸法よりも大きくなったアンダーカット形状とされている。
外層リブ7に対応して、内層体3には2本の内層リブ9が設けられている。これらの内層リブ9は、外層リブ7の内面の横断面形状に対応した横断面形状を有しており、ブロー成形後においては、図4の左半分に示すように、その外面は、外層リブ7の内面に密着している。つまり、内層リブ9は、外層リブ7の内面のアンダーカット形状に対応して、その径方向外側となる先端部に向けて徐々に幅が広くなる形状に形成されている。
外層体2に、内面がアンダーカット形状となる外層リブ7を設け、内層体3に、外層リブ7のアンダーカット形状に対応した形状の内層リブ9を設けたことにより、図4の右半分に示すように、一旦、内層体3が外層体2から剥離されると、内層体3の内層リブ9が、外層体2の外層リブ7に再度嵌まり込むことが困難となり、外層リブ7と内層リブ9との周りに隙間が維持される。例えば、この積層剥離容器1のブロー成形の後に、負圧吸引により内層体3を収縮させて、その全体を外層体2から剥離させ、次いで、内層体3の内部に空気を送り込むと、外層リブ7と内層リブ9との間に隙間を維持しつつ、内層体3の他の部分を外層体2の内面に密着させることができる。したがって、内層体3に内容物を収容後、この内容物を注出口2aから注出する際には、外層リブ7と内層リブ9との周りの隙間が空気の流路となって、空気流入孔4から流入した外気は、胴部2bの底部2cの側における外層体2と内層体3の間にまで、容易に流入することができる。これにより、内層体3を外層体2から剥がれ易くして、積層剥離容器1の内層体3の剥離不良や外層体2の変形を防止することができる。
上記のように、外層体2に設ける外層リブ7の外面の横断面形状を、一対の平行な直線部分7d,7eと連結辺部分7fとを有する形状としたことにより、積層剥離容器1を、金型を用いてブロー成形する際に、その内面を容易にアンダーカット形状とすることができる。つまり、外層リブ7の外面の横断面形状を、一対の平行な直線部分7d,7eと連結辺部分7fとを有する形状としたことにより、外層リブ7の内面の面積つまり内周長を大きくして、ブロー成形時に、直線部分7d,7eと連結辺部分との境界部分である角部がより薄肉となるように積層パリソンを延伸させて、外層リブ7の内面をアンダーカット形状に形成することができる。
このとき、外層リブ7の直線部分7d,7eを、連結辺部分7fの中点を通り且つ該連結辺部分に垂直な方向に対して傾斜させ、また、副外層リブ8の外面の傾斜辺8aを、直線部分7eに対してさらに傾斜させるようにしているので、金型を用いたブロー成形の際に、積層パリソンを、外層リブ7の直線部分7eつまり側壁部7bの側よりも副外層リブ8の傾斜辺8aの側へ流れ易くして、積層パリソンを外層リブの両側壁部と天壁部とを連ねる角部に向けてより延伸させて外層リブ7の天壁部7cと側壁部7bとの境界部分を薄肉化させることができる。これにより、外層リブ7の横断面形状を、より深いアンダーカット形状にすることができる。なお、内層体3は、積層パリソンのブロー成形において、外層体2とともに、当該外層体2の内面に密着するようにブロー成形されるので、外層リブ7とともにアンダーカット形状に対応した形状に容易に形成される。
また、ブロー成形においては、ヒンジ軸を中心として型開きする金型が用いられるが、本発明では、ヒンジ軸が、図4に示す直線Lに垂直、且つ、積層剥離容器1の軸心を通る直線上に配置される金型を用いてブロー成形が行われる。したがって、外層リブ7の内面をアンダーカット形状にするために、一対の平行な直線部分7d,7eと連結辺部分7fとを有する形状としても、その直線部分7d,7eは金型のヒンジ軸を中心とした離型方向に向くので、ブロー成形後に、積層剥離容器1を金型から容易に離型させることができる。
本実施の形態では、外層体2の注出口2aの側の長手方向端部を、それぞれ、図1に示すように、空気流入孔4の軸方向から見た平面視で、空気流入孔4の軸心を中心として、底部2cの側へ向けた、つまり、該空気流入孔4の中心を通り且つ注出口2aの軸心に平行な下方向に向けた、60度以上、90度以下の範囲に配置するようにしている。
上記のように、ブロー成形後に、内層体3を外層体2から一旦剥離し、再度密着させるようにすると、注出口2aの空気流入孔4の周りにおいて、外層体2に密着する内層体3にしわが寄り、外層体2と内層体3の間には、空気流入孔4から胴部2bへ向けて、しわ状の隙間が生じる。この隙間は、空気流入孔4の軸心を中心として、胴部2bの側へ向けた60度から90度の範囲に生じる場合が多いので、上記範囲に外層リブ7の長手方向端部を配置することにより、空気流入孔4の周りに生じるしわ状の隙間を、外層リブ7と内層リブ9との間に生じる隙間に連通させて、空気流入孔4と胴部2bとの間で、より空気の流路を確保し易くすることができる。図示する場合では、外層リブ7の長手方向端部を、空気流入孔4の中心を通り且つ注出口2aの軸心に平行な下方向に向けた、60度以上、90度以下の範囲に配置するようにしているが、例えば、外層リブ7の中間部分のみを当該範囲に配置するなど、外層リブ7の少なくとも一部が上記範囲に配置されて、空気流入孔4と胴部2bとの間に連通流路が形成されるようになっていればよい。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、注出口2aに一対の空気流入孔4を設け、これらの空気流入孔4に対応した一対のリブ群5を外層体2に設けるようにしているが、注出口2aやリブ群5は、それぞれ2つに限らず、1つまたは3つ以上設けることもできる。
また、外層リブ7は、注出口2aの側から底部2cの側へ延びるとともに、その内面の横断面形状がアンダーカット形状に形成されたものであれば、その外面を他の形状に形成することもできる。
さらに、外層リブ7は、外層体2の外周面に形成された一対の凹溝6a〜6dの間に、その天壁部7cが、外層体2の外周面と同一面状となるように形成されているが、これに限らず、外層体2の外周面から外側に突出するリブとして形成することもできる。または、外層リブ7を、外層体2の外周面から、内層体3の側に向けて突出する形状に形成することもできる。
さらに、本発明の二重容器は、外層体2と内層体3とを積層パリソンのブロー成形により一体に形成した積層剥離容器1に限らず、外層体2と内層体3とを別々に形成した後、内層体3を外層体2の内部に組み込むようにした構成の二重容器とすることもできる。
1 積層剥離容器(二重容器)
2 外層体
2a 注出口
2b 胴部
2c 底部
2d ねじ部
3 内層体
3a 開口部
3b 収容部
4 空気流入孔
5 リブ群
6a〜6d 凹溝
7 外層リブ
7a,7b 側壁部
7c 天壁部
7d,7e 直線部分
7f 連結辺部分
8 副外層リブ
8a 傾斜辺
8b 円弧辺
9 内層リブ
L 直線

Claims (5)

  1. 筒状の注出口と該注出口に連なる胴部とを備え、前記注出口の側部に該注出口を内外方向に貫通する空気流入孔が設けられた外層体と、前記注出口の開口端に連なる開口部と該開口部に連なる内容物の収容部とを備え、前記外層体に収容される内層体と、を有する二重容器であって、
    前記外層体の胴部に、前記注出口の側から底部の側へ向けて延びる外層リブを設け、
    前記外層リブの、前記内層体の側を向く内面の横断面形状を、アンダーカット形状とし、
    前記内層体に、前記外層リブの内面に対応した横断面形状の内層リブを設け、
    前記外層リブと前記内層リブとの間に隙間を設けたことを特徴とする二重容器。
  2. 前記外層リブを、一対の側壁部とこれらの側壁部を連ねる天壁部とを備えた断面コ字状の横断面形状に形成し、前記外層リブの前記内層体とは反対側を向く外面の横断面形状を、前記側壁部の外面に対応した互いに略平行な一対の直線部分と、前記天壁部の外面に対応して前記直線部分を連ねる連結辺部分とを有する形状とした、請求項1記載の二重容器。
  3. 前記外層体の胴部に、前記外層リブに隣接して副外層リブを設け、前記副外層リブの、前記内層体とは反対側を向く外面の横断面形状を、前記外層リブの前記直線部分に連なるとともに該直線部分に対して傾斜する傾斜辺を備えた形状に形成した、請求項2記載の二重容器。
  4. 前記外層リブの直線部分を、前記副外層リブの幅方向中心を通り、且つ、前記注出口の軸心を通る直線に略平行とした、請求項3記載の二重容器。
  5. 前記外層リブの少なくとも一部を、前記空気流入孔の軸方向から見た平面視で、前記空気流入孔の軸心を中心として、前記底部の側へ向けた、60度以上、90度以下の範囲に配置した、請求項1〜4の何れか1項に記載の二重容器。
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