JP5915078B2 - 撥水積層体及び蓋材 - Google Patents

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Description

本発明は包装材料又は蓋材として使用できる撥水積層体に関する。この撥水積層体を包装材料又は蓋材として使用したとき、内容物がこの包装材料や蓋材につきにくく、このため、内容物を取り出すことが容易で、取り出した後に内部に残る量が少ない。このような機能を有するため、本発明の撥水積層体は、液状やゲル状の食品、あるいはトイレタリー商品の包装材料又は蓋材として適している。例えば、カレー、シチュー、粥などのレトルト食品の包装材料又は蓋材である。また、マヨネーズ、ケチャップなどの調味料の包装袋として使用することもできる。あるいは、シャンプー、リンス、食器洗剤、浴用洗剤などの包装材料使用することもできる。
食品、飲料品、医薬品、化粧品、化学品等を包装するための包装材料において、内容物が包装材料に付着することが問題となっている。即ち、内容物が包装材料に付着すれば、内容物をすべて使い切ることが困難となり、それだけ無駄が生じることになる。また、内容物をすべて使い切るためには包装材料に付着した内容物を別途に回収しなければならず、手間がかかる。このため、包装材料では、密封性といった包装材料の各種機能のほか、内容物が包装材料に付着しにくい性質(非付着性)を備えていることが求められる。
その様な要求に対して、基材層及び熱接着層を有する積層体からなる包装材料の、熱接着層面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着させることにより、良好な熱接着性を維持しつつ、優れた非付着性を持続的に発揮できる包装材料が、提案されている(特許文献1)。
しかしながら、基材上に熱接着層が設けられ、その後、表層に微粒子層を形成されるが、微粒子層を形成する塗布液自体にバインダーを使用していないため、微粒子層が熱接着層に十分に固着できない。よって、微粒子が脱落しやすく、食品などの内容物に微粒子が異物として入り込んでしまう。そのため、特に食品の場合、安全性が十分担保できない。
また、微粒子層は接着性がないため、シールする部分は、微粒子層を熱接着層に埋めることが求められるが、そのためには熱接着層が一般的なラッカーの厚みでは埋めきれない場合が多く、必要以上に熱接着層を厚くする必要がある。また、この熱接着層はポリオレフィンなどのシーラントフィルムの場合は、粒子がシーラントに入り込むことはほとんど考え難く、十分な熱接着が得られない。
特許報第4348401号公報
本願発明の課題は、内容物に対する非付着性を持続的に発揮できる撥水性機能を持つ包装材料において、撥水性機能を持つ微粒子が脱落することなく、食品などの内容物に、脱落した微粒子が、異物として入り込むことのない、安全性が担保され、シール阻害のない、撥水積層体を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、紙基材又は高分子
プラスチック基材に、微粒子を含むヒートシールラッカー層を積層した撥水積層体におい
て、
前記微粒子が、シリコーン微粒子、撥水化表面処理された無機酸化物微粒子の混合物からなり、かつ、シリコーンの一次粒子の平均粒径が100〜50,000nmで、撥水化表面処理された無機酸化物の一次粒子の平均粒径が5〜1000nmであり
かつ、シリコーンの一次粒子の平均粒径が撥水化表面処理された無機酸化物の一次粒子の平均粒径より大きく、
前記微粒子と前記ヒートシールラッカーの溶質分との溶質比が2/8〜8/2であり、
前記シリコーン微粒子と無機酸化物微粒子の混合物は、一次粒子径及び二次粒子径の分布範囲がシリコーン微粒子と無機酸化物微粒子をそれぞれ単独で使用する分布範囲よりも広がり、微粒子を含むヒートシールラッカー層からのシリコーン微粒子の突出による凹凸表面に無機酸化物微粒子による凹凸表面が形成され、擬似的にフラクタル構造を形成することを特徴とする撥水積層体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記微粒子が、シリコーンの一次粒子または二次粒子と撥水化表面処理された無機酸化物の混合物から成り、かつ、シリコーンの一次粒子の平均粒径が100〜50,000nmで、撥水化表面処理された無機酸化物の一次粒子の平均粒径が5〜1000nmであり、
シリコーンの粒子が、メチルシリコーンレジン、メチルフェニルシリコーンレジン、またはこれらの混合物から成り、
無機酸化物の撥水化表面処理は、官能基を有する化合物による表面処理であり、その官能基が、ジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、アルキルシリルから選択されたいずれかの官能基であり、
前記混合物の溶質比が、2/8〜8/2の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の撥水積層体。
また、請求項3に記載の発明は、前記ヒートシールラッカーの溶質が、アクリル樹脂、EVA樹脂、塩酢ビ樹脂、エチレン樹脂、SBR樹脂、変性ポリオレフィンから選択された1種以上の樹脂からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撥水積層体である。
また、請求項4に記載の発明は、前記ヒートシールラッカーの溶質が、モノマーを乳化重合させ、水又はアルコール溶媒に分散させたラテックスエマルジョンから、その溶媒を気化させて得られた樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥水積層体である。
また、請求項5に記載の発明は、前記基材とヒートシールラッカー層との間に、この両者の密着性を付与するプライマーを積層したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥水積層体。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撥水積層体から成り、被接着体がポリスチレン容器であることを特徴とする蓋材である。
本発明により、非付着性を持続的に発揮できる撥水性機能を保持しながら、従来問題となっていた撥水性機能を持つ微粒子の脱落が発生し、脱落した微粒子が食品などの内容物に異物として入り込む事故の可能性をなくし、安全性が担保され、シール阻害のない撥水積層体を提供することが可能となった。
本発明の撥水積層体を示した断面概念図である。 従来の非付着性包装材料を示した断面概念図である。 従来非付着性包装材料からなる蓋材における微粒子の脱落を示した概念図である。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の撥水積層体10の断面を示しており、内容物8に対する非付着性を付与させるための、シリコーン微粒子4や撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5が、ヒートシールラッカー層2に含まれており、微粒子の脱落を抑えている。
図2は内容物に対する非付着性、熱接着性の機能を持つ蓋材である従来の非付着性包装材料11を示した断面概念図であり、非付着性の機能を持つ疎水性酸化物微粒子6が非付着性包装材料11の最外面に付着している。
図3は図2の表面に非付着性の機能を持つ疎水性酸化物微粒子6が付着した非付着性包装材料11の最外面から脱落し、内容物8に異物として入り込んだ状態を示している。
ヒートシールラッカー層2は、ヒートシールラッカーと、シリコーン微粒子4又は撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5との混合物であり、その配合比は、内容物に対する非付着性を機能させるために必要な撥水性と容器7等の被着体との接着強度によって任意に決められる。
より高い撥水性を得るためにはシリコーン微粒子4または撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5の配合割合を多くし、より高いシール性を得るためにはヒートシールラッカーの配合割合を多くする。撥水性、シール性の双方をバランス良く得るためにはヒートシールラッカー/微粒子の割合(溶質比)を2/8〜8/2、好ましくは3/7〜7/3がより好ましい。
シリコーン微粒子4はヒートシールラッカーに分散されるが、塗布、乾燥されたシリコーン微粒子4の一次粒子径は100〜50,000nmの範囲が好ましい、より好ましくは100〜30,000nmであることが、微細凹凸形状による撥水効果を得るために好ましい。この粒子を分散するためにはヒートシールラッカーと配合し、混錬する際に、攪拌機、ボールミル、超音波などで分散する。
撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5の場合も同様にヒートシールラッカーに分散される。塗布、乾燥された撥水化処理された無機酸化物微粒子5の一次粒子径は5〜1000nmの範囲が好ましい、より好ましくは10〜200nmであることが、微細凹凸形状による撥水効果を得るために好ましい。この粒子を分散するためにはヒートシールラッカーと配合し、混錬する際に、攪拌機、ボールミル、超音波などで分散する。
シリコーン微粒子4、撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5をそれぞれ単独で使用
しても良いが、シリコーン微粒子4、撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5を複合してもかまわない。複合することで、一次粒子径及び二次粒子径の分布範囲が広がり、微細凹凸表面にさらに小さな微細凹凸表面が形成され、擬似的にフラクタル構造を形成することができ、構造的な撥水効果を得やすい。
シリコーン微粒子4は、ストレートシリコーンが好ましく、より好ましくはメチルシリコーン粒子、メチルフェニルシリコーン粒子、さらに好ましくは、メチルシリコーンが好適である。メチルシリコーンとは、シロキサン結合が三次元的に結合した構造(RSi03/2)を持つポリメチルシルセスキオサンやポリオルガノシルセスキオキサンの微粒子、又は、アクリル、ポリスチレン、ポリウレタンなどの有機樹脂微粒子や、シリコーンゴム、及び珪素酸化物チタン酸化物などの無機酸化物の表面をシリキサン結合が三次元的に結合した構造(RSi03/2)を持つポリメチルシルセスキオサンやポリオルガノシルセスキオキサンで被覆した微粒子である。
撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5とは、ベースとなる粒子が酸化珪素、酸化アルミ、酸化チタンなどの無機酸化物を撥水化表面処理したものである。湿式で製造された無機酸化物微粒子は粒子径が大きく、また水酸基をより多く持っているため、好ましくはナノサイズの粒子径が得られ、水酸基がより少ない乾式法により製造されたものが好ましい。得られた微粒子をシランカップリング剤により無機酸化物粒子の表面に撥水性の官能基を付与することで、親水性の無機酸化物粒子を撥水性の無機酸化物粒子にしたものであり、好適である。
撥水官能基としては、ジメチルシリル(CHSi(0−R)、トリメチルシリル(CHSiO−R、ジメチルポリシロキサン(CH−Si−O−Si(O−R)、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、アルキルシリルなどが好ましいが、より好ましくはメチル基(CH)が多いトリメチルシリル官能基が良い。
シリコーン微粒子4または撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5を配合するヒートシールラッカー樹脂は、被着体となる材質によって適宜選定される。例えば、ポリエチレン製の被着体に対してはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン樹脂を選定し、ポリプロピレン製の被着体に対しては、EVA樹脂、エチレン樹脂、変性オレフィン樹脂を選定し、ポリスチレン製の被着体に対してはアクリル樹脂、EVA樹脂、塩酢ビ樹脂、エチレン樹脂、スチレン−ブタジエンゴム樹脂(SBR)を選定する。
これらの樹脂の中で、用いる溶液系としては、粒子の持つ疎水性の表面を損なわないために、ヒートシールラッカーの樹脂モノマーを乳化重合させ、水又はアルコール溶媒に分散したラテックス、エマルジョンであることが好ましく、塗布後にその溶媒を気化させることで塗膜化できる。
ヨーグルトなどのカップに用いられるポリスチレン製の被着体に対しては、水系、アルコール系のアクリルエマルジョン樹脂が好ましく、ヒートシール性を得るためにTgは20〜150℃であることが好ましく、分散性を良くするためにはアクリル樹脂の溶質分(固形分)当たりのOH価が5〜500であることが好ましい。また、塗膜の柔軟性から分子量は5,000〜500,000であることが好ましい。
これらのヒートシールラッカーと基材となる紙、又はプラスチックとの密着性を強くするためには、EVA、アクリルアミン、ポリエステル、ウレタンエステル、塩酢ビ、変性オレフィン、イミン、ポリブタジエン、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)などの樹脂系によるプライマー層を設けてもかまわない。塗布方法としては、ロールコート、
スピンコート、デッピングコート、グラビアコート、スプレーコートなどを用いることができる。
実施例に用いた、ヒートシールラッカー層2の形成材料、プライマー層9の形成材料、添加微粒子、ヒートシールラッカーの組成を下記に示す。
<添加微粒子>
・シリコーン微粒子: メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン
・無機酸化物微粒子: SiO、TiO
・無機酸化物微粒子撥水化表面処理基: ジメチルシリル、トリメチルシリル
ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン<シリコーン微粒子/撥水化表面処理無機酸化物微粒子比率>
・比率: 単体、10/90、50/50、90/10
<一次粒子径>
・シリコン微粒子: 200、5,000、20,000、70、000nm
・無機酸化物微粒子: 15、50、200、700nm<ヒートシールラッカー>
・樹脂: アクリル、EVA、エチレン、なし
・分散溶媒: エタノール、水、MEK<シリコーン微粒子/撥水化表面処理無機酸化物微粒子比率>
・比率: 単体、10/90、50/50、90/10
<微粒子/ヒートシールラッカー比率>
・比率: 20/80、50/50、80/20
<基材>
・モゾウ紙52.3(g/m)/アルミ箔(7μm)/PET(16μm)
<プライマー層>
・ポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤
プライマー(AC)層(1g/m)/ヒートシールラッカー(3g/m
<評価方法、判断基準>
・撥水性の評価は、水道水の転落角から求め、評価は下記のように行った。
10°>:◎、30°>:○、60°>△、60°≦:×
・粒子密着性はセロテープ(登録商標)剥離から求め、評価は下記のように行った。
粒子付着なし:○、付着:×
とした。
実施例1〜5はヒートシール(HS)ラッカーの溶質分の重量に対するシリコーン微粒子4の添加重量を変えたもので、シリコーン微粒子4としては、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーンを用い、アクリル樹脂をエタノールに溶解させたヒートシールラッカーに、20/80,50/50、80/20の比率で混合した。この時の一次粒子径は5000、20000nmであった。作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材1上に塗布して撥水積層体10を得た。得られた撥水積層体10は水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物8に対する非付着性があり、セロテープ(登録商標)剥離テストから粒子の脱落がないことが分かった。
実施例6〜10は、無機酸化物である酸化珪素、酸化チタン微粒子の表面にジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサンからなる処理基を設けたものを用いている。アクリル樹脂をエタノールに溶解させたヒートシールラッカーに、50/50の比率で混合し、この時の一次粒子径は15nmであった。作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材1上に塗布して撥水積層体10を得た。得られた撥水積層体10は水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物に対する非付着性があり、セロテープ(登録商標)剥離テストから粒子の脱落がないことが分かった。
実施例11〜13はメチルシリコーン微粒子と酸化珪素の表面にトリメチルシリル基を設けたもので、メチルシリコーン微粒子とトリメチルシリル基処理酸化珪素微粒子の溶質比率は10/90、50/50、90/10で、アクリル樹脂をエタノールに溶解させたHSラッカーに、50/50の比率で混合し、この時の一次粒子径は5,000nm/15nmであった。作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材上に塗布して撥水積層体10を得た。得られた撥水積層体10は水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物8に対する非付着性があり、セロテープ(登録商標)剥離テストから粒子の脱落がないことが分かった。
実施例14〜16は、アクリル樹脂を水に溶解させたヒートシールラッカーであり、
メチルシリコーン微粒子、表面にジメチルシリル基を設けた酸化珪素微粒子及びその50/50の混合物を、アクリルエマルションに50/50の比率で混合し、この時の一次粒子径はメチルシリコーン粒子が5,000nm、ジメチルシリル基酸化ケイ素が15nmであった。作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材上に塗布して得られた撥水積層体10である。得られた撥水積層体10は水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物8に対する非付着性があり、セロテープ(登録商標)剥離テストから粒子の脱落がないことが分かった。
実施例17〜19は、実施例14〜16のヒートシールラッカーをアクリルエマルションからMEKに溶解したアクリル樹脂に変更したものであるが、作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材1上に塗布して得られた撥水積層体10である。得られた撥水積層体10は水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物に対する非付着性があり、セロテープ(登録商標)剥離テストから粒子の脱落がないことが分かった。
実施例20〜22は、実施例14〜19のヒートシールラッカーをアクリル樹脂から、エタノールに溶解したEVAに変えたものであり、作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材1上に塗布して得られた撥水積層体10である。得られた撥水積層体10は水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物8に対する非付着性があり、セロテープ(登録商標)剥離テストから粒子の脱落がないことが分かった。
実施例23〜25は、実施例14〜22のヒートシールラッカーをアクリル樹脂、EVAからエタノールに溶解したエチレンに変えたものであり、作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材1上に塗布して得られた撥水積層体10である。得られた撥水積層体10は水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物8に対する非付着性があり、セロテープ(登録商標)剥離テストから粒子の脱落がないことが分かった。
比較例1は、メチルシリコーン微粒子をヒートシールラッカーなしに、基材上に塗布し、特許文献をトレースしたのであるが、水道水の転落角テストにより十分な撥水性、内容物8に対する非付着性を示したものの、セロテープ(登録商標)剥離テストにおいて粒子の脱落が認められてしまった。
比較例2、3は、メチルシリコーン微粒子を、クリル樹脂をエタノールに溶解させたヒートシールラッカーに、10/90、90/10の比率で混合し、作製した塗液を、プライマー層9を設けた基材1上に塗布して得られた撥水性シートシール積層体10である。その比率が10/90の比率では十分な撥水性、内容物に対する非付着性が得られなかった。また90/10の比率では撥水性、内容物8に対する非付着性は得られるものの、セロテープ(登録商標)剥離テストにおいて粒子の脱落が認められ、ヒートシールラッカーの量が少なすぎることが分かった。
比較例4は、メチルシリコーン微粒子を用いているが、その一次粒子径が70,000nmと実施例4の20,000nmと比べると大きく、その添加量が50/50と同じでも、撥水性、内容物8に対する非付着性は得られなかった。
比較例5は、実施例6〜9に対比されるものであり、無機酸化物である酸化珪素への処理基を設けていないものであり、撥水性、内容物8に対する非付着性は得られていない。評価結果を表1に示す。
以上の結果より、ヒートシールラッカーを用いずにシリコーン微粒子4、撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5を表面に塗布したものは、十分な撥水性、内容物8に対する非付着性は得られるが、セロテープ(登録商標)剥離テストにより粒子の脱落があることが分かり、脱落した微粒子が食品などの内容物8に異物として入り込む事故の可能性あることが分かった。
また、シリコーン微粒子4の一次粒子径が70,000nmと大きい場合には、添加量を増やしても撥水性、内容物に対する非付着性は得らなかった。
紙又は高分子プラスチック基材1に、設けられたヒートシールラッカー層3中にシリコーン微粒子4、撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5、又はシリコーン微粒子4及び撥水化表面処理された無機酸化物微粒子5を含有させ、その比率をヒートシールラッカーの溶質分の重量に対して2/8〜8/2の範囲コントロールすることで、十分な撥水性、内容物8に対する非付着性が得られ、セロテープ(登録商標)剥離テストにより粒子の脱落がないことが分かり、撥水層の粒子が脱落せずに撥水性が得られ、内容物8が付着し難く、包装袋内に残る内容物量が少なくすることができた。
1・・・基材
2・・・微粒子を含むヒートシールラッカー層
3・・・ヒートシールラッカー層
4・・・シリコーン微粒子
5・・・撥水化表面処理された無機酸化物微粒子
6・・・疎水性酸化物微粒子
7・・・容器
8・・・内容物
9・・・プライマー層
10・・・撥水積層体
11・・・非付着性包装材料

Claims (6)

  1. 紙基材又は高分子プラスチック基材に、微粒子を含むヒートシールラッカー層を積層した撥水積層体において、
    前記微粒子が、シリコーン微粒子、撥水化表面処理された無機酸化物微粒子の混合物からなり、かつ、シリコーンの一次粒子の平均粒径が100〜50,000nmで、撥水化表面処理された無機酸化物の一次粒子の平均粒径が5〜1000nmであり
    かつ、シリコーンの一次粒子の平均粒径が撥水化表面処理された無機酸化物の一次粒子の平均粒径より大きく、
    前記微粒子と前記ヒートシールラッカーの溶質分との溶質比が2/8〜8/2であり、
    前記シリコーン微粒子と無機酸化物微粒子の混合物は、一次粒子径及び二次粒子径の分布範囲がシリコーン微粒子と無機酸化物微粒子をそれぞれ単独で使用する分布範囲よりも広がり、微粒子を含むヒートシールラッカー層からのシリコーン微粒子の突出による凹凸表面に無機酸化物微粒子による凹凸表面が形成され、擬似的にフラクタル構造を形成することを特徴とする撥水積層体。
  2. 前記微粒子が、シリコーンの一次粒子または二次粒子と撥水化表面処理された無機酸化
    物の混合物から成り、かつ、シリコーンの一次粒子の平均粒径が100〜50,000n
    mで、撥水化表面処理された無機酸化物の一次粒子の平均粒径が5〜1000nmであり

    シリコーンの粒子が、メチルシリコーンレジン、メチルフェニルシリコーンレジン、ま
    たはこれらの混合物から成り、
    無機酸化物の撥水化表面処理は、官能基を有する化合物による表面処理であり、その官
    能基が、ジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキ
    サン、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、アルキルシリルから選択されたいずれ
    かの官能基であり、
    前記混合物の溶質比が、2/8〜8/2の範囲であることを特徴とする請求項1に記載
    の撥水積層体。
  3. 前記ヒートシールラッカーの溶質が、アクリル樹脂、EVA樹脂、塩酢ビ樹脂、エチレ
    ン樹脂、SBR樹脂、変性ポリオレフィンから選択された1種以上の樹脂からなることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の撥水積層体。
  4. 前記ヒートシールラッカーの溶質が、モノマーを乳化重合させ、水又はアルコール溶媒
    に分散させたラテックスエマルジョンから、その溶媒を気化させて得られた樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥水積層体。
  5. 前記基材とヒートシールラッカー層との間に、この両者の密着性を付与するプライマー
    を積層したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥水積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の撥水積層体から成り、被接着体がポリスチレン容
    器であることを特徴とする蓋材。
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