JP6392520B2 - 非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法、該製造方法により作製した非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材およびカップ状容器 - Google Patents
非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法、該製造方法により作製した非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材およびカップ状容器 Download PDFInfo
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Description
(1)基材層と、2層以上のヒートシール層と、非付着層を含み、この順に積層した非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法において、
前記ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂と、充填剤とを含むヒートシール剤を塗工して形成した層であって、
前記ヒートシール性樹脂が、示差走査熱量測定により、測定温度−60〜120℃、昇温速度20℃/minの条件で測定されたガラス転移点(Tg)が−50℃以上60℃以下であり、
前記充填剤がレーザ法による平均粒子径が5.0μm〜50.0μmであり、
前記基材層が、紙またはアルミニウム箔と、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、アルコール系フィルム、バリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、透明蒸着ポリエステルフィルム、透明蒸着ポリアミドフィルムおよびコーティングフィルムのなかから選ばれる少なくとも1つのフィルムとの積層体であり、
前記ヒートシール層を2層以上形成する工程と、
疎水化処理を施したシリカを含む塗工液を塗工して前記非付着層を形成する工程とを含み、
かつ、前記ヒートシール層を2層以上形成する前記工程と前記非付着層を形成する前記工程が、多色グラビア印刷機の1ユニット以上を用いたグラビア印刷方式によって行なわれることを特徴とする非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法、
(2)前記ヒートシール性樹脂が、ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂を含むことを特徴とする(1)に記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法、
(3)前記充填剤が、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、酸化亜鉛、シリカ、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト、ゼオライト、カオリナイト、ワックス類、樹脂ビーズまたはこれらの混合物のなかから選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法、
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法に用いられるヒートシール剤であって、
示差走査熱量測定により、測定温度−60〜120℃、昇温速度20℃/minの条件で測定されたガラス転移点(Tg)が−50℃以上60℃以下であるヒートシール性樹脂と、
レーザ法による平均粒子径が5.0μm〜50.0μmである充填剤とを、
含むことを特徴とする非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材用ヒートシール剤、
(5)基材層と、2層以上のヒートシール層と、非付着層を含み、この順に積層した非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材において、
前記ヒートシール層は、示差走査熱量測定により、測定温度−60〜120℃、昇温速度20℃/minの条件で測定されたガラス転移点(Tg)が−50℃以上60℃以下であるヒートシール性樹脂と、
レーザ法による平均粒子径が5.0μm〜50.0μmである充填剤とを、
含むヒートシール剤からなる層であり、
前記非付着層は、疎水化処理を施したシリカを含む塗工液からなる層であり、
前記基材層が、紙またはアルミニウム箔と、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、アルコール系フィルム、バリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、透明蒸着ポリエステルフィルム、透明蒸着ポリアミドフィルムおよびコーティングフィルムのなかから選ばれる少なくとも1つのフィルムとの積層体であることを特徴とする非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材、
(6)(5)に記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材と、
有底筒状の容器とからなり、
該蓋材が該容器の開口部を覆うカップ状容器において、
該蓋材の非付着層と該有底筒状の容器の開口部の樹脂層とが接着され、
前記有底筒状の容器の開口部の樹脂層が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリアクリロニトリル樹脂のなかから選ばれる少なくとも1つの樹脂であることを特徴とするカップ状容器、
に関するものである。
すなわち、ホットメルト接着剤やヒートシールラッカーなどを用いた非付着性蓋材の従来の製造方法は、ヒートシール層を作製する工程と、非付着層を作製する工程が別々の工程となり、非効率であることに対して、ヒートシール層と非付着層を形成する工程が多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷方式によって行われる本発明の製造方法によれば、インラインで、連続して各層を形成でき、一連の流れのなか(1パス)で非付着性蓋材を低コストで容易に作製することができる。
添加剤の添加量は、撥水性を阻害しない範囲で使用でき、処理シリカに対して、添加剤の総量として、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がさらに好ましい。添加剤が処理シリカに対して80重量%より多いと、撥水性が低下する。
基材層1
印刷用紙(略称:紙)に、KCNTインキ(硝化綿系、東京インキ(株)製)で、グラビア印刷法により印刷を施し、非印刷面をドライラミネート法により、ウレタン系接着剤(略称:DL)を用いて、厚さ15μmのアルミニウム箔(略称:AL)を貼り、次いで、同様に、厚さ12μmのPETフィルム(略称:PET)を貼り合わせてから、40℃で3日間エージングをして、「KCNTインキ/紙/DL/AL/DL/PET」の構成の基材層1を作製した。
厚さ12μmのPETフィルムにLG−NTインキ(ウレタン系、東京インキ(株)製)で、印刷を施し、印刷面をドライラミネート法により、ウレタン系接着剤を用いて、厚さ15μmのアルミニウム箔を貼り、次いで、同様に、厚さ12μmのPETフィルムを貼り合わせてから、40℃で3日間エージングをして、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET」の構成の基材層2を作製した。
ヒートシール剤1(実施例1)
ポリエステル樹脂系溶液(固形分30%、Tg5℃)50部に、アクリル樹脂ビーズ(平均粒子径30μm)を10部添加し、撹拌しながら、酢酸n−プロピルを40部添加して、ヒートシール剤1を作製した。
アクリル樹脂系溶液(固形分30%、Tg50℃)60部に、アクリル樹脂ビーズ(平均粒子径30μm)を10部添加し、撹拌しながら、酢酸エチル10部、メチルエチルケトン10部、酢酸n−プロピル10部を添加して、ヒートシール剤2を作製した。
アクリル樹脂系溶液(固形分30%、Tg50℃)60部に、撹拌しながら、酢酸エチル20部、メチルエチルケトン10部、酢酸n−プロピル10部を添加して、ヒートシール剤3を作製した。
アクリル樹脂系溶液(固形分30%、Tg50℃)60部に、アクリル樹脂ビーズ(平均粒子径3μm)を10部添加し、撹拌しながら、酢酸エチル10部、メチルエチルケトン10部、酢酸n−プロピル10部を添加して、ヒートシール剤4を作製した。
アクリル樹脂系溶液(固形分30%、Tg100℃)60部に、アクリル樹脂ビーズ(平均粒子径30μm)を10部添加し、撹拌しながら、酢酸エチル10部、メチルエチルケトン10部、酢酸n−プロピル10部を添加して、ヒートシール剤5を作製した。
ポリエステル樹脂系溶液(固形分30%、Tg5℃)25部、アクリル樹脂系溶液(固形分30%、Tg50℃)25部の混合溶液に、撹拌しながら、酢酸n−プロピルを30部、酢酸エチル10部、メチルエチルケトン10部を添加して、ヒートシール剤6を作製した。
非付着層塗布液1(実施例3)
エタノール90部に、疎水化処理した乾式法シリカ(平均粒子径0.2μm、WACKER HDK H18、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)10部を撹拌しながら、添加して、非付着層塗布液1を作製した。
エタノール90部に、疎水化処理した湿式法シリカ(平均粒子径6.2μm、SIPERNAT D10、EVONIK社製)10部を撹拌しながら、添加して、非付着層塗布液2とした。
エタノール90部に、疎水化処理していない湿式法シリカ(平均粒子径6.2μm、SIPERNAT 383DS、EVONIK社製)10部を撹拌しながら、添加して、非付着層塗布液3とした。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層1に、第一ユニットで、LG−NT631R白S(ウレタン系グラビアインキ、東京インキ(株)製、略称:白インキ)で絵柄を印刷し、第二ユニットで、ヒートシール剤1(略称:HT1)、第三ユニットで、ヒートシール剤2(略称:HT2)、第四ユニットで、非付着層塗布液1(略称:非付着層1)を印刷して、巻き取り、非付着性蓋材1を作製した。このとき、LG−NT631R白Sの粘度は、離合社のザーンカップ#3を用いて、希釈溶剤PU515(ノントルエン系溶剤、東京インキ(株)製)にて、15秒に調整した。また、ヒートシール剤1はSL9155(ノントルエン系溶剤、東京インキ(株)製)、ヒートシール剤2はPU515、非付着層塗布液1はTA52(アルコール系溶剤、東京インキ(株)製)にて、希釈し、それぞれ塗工量は、1.1g/m2、0.9g/m2、0.5g/m2であった。これによって、非付着性蓋材1は、「KCNTインキ/紙/DL/AL/DL/PET/白インキ/HT1/HT2/非付着層1」の構成の蓋材となった。
基材層1を基材層2に変更した以外は実施例1と同じ条件にて、非付着性蓋材2を作製した。これによって、非付着性蓋材2は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/白インキ/HT1/HT2/非付着層1」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層2に、第一ユニットで、ヒートシール剤1、第二ユニットで、ヒートシール剤2、第三ユニットで、非付着層塗布液2(略称:非付着層2)を印刷して、巻き取り、非付着性蓋材3を作製した。このとき、ヒートシール剤1はSL9155、ヒートシール剤2はPU515、非付着層塗布液2はTA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、1.0g/m2、1.0g/m2、0.4g/m2であった。これによって、非付着性蓋材3は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/HT1/HT2/非付着層2」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層2に、第一ユニットで、ヒートシール剤1、第二ユニットで、ヒートシール剤1、第三ユニットで、ヒートシール剤2、第四ユニットで、非付着層塗布液2を印刷して、巻き取り、非付着性蓋材4を作製した。このとき、ヒートシール剤1はSL9155、ヒートシール剤2はPU515、非付着層塗布液2はTA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、2.1g/m2、0.9g/m2、0.4g/m2であった。これによって、非付着性蓋材4は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/HT1/HT2/非付着層2」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、厚さ12μmのPETフィルムに、第一ユニットで、ヒートシール剤1、第二ユニットで、ヒートシール剤2、第三ユニットで、非付着層塗布液2を印刷した後、巻き取った。ヒートシール剤1はSL9155、ヒートシール剤2はPU515、非付着層塗布液2は、TA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、1.0g/m2、0.9g/m2、0.4g/m2であった。この塗工面と反対面に、ドライラミネート法により、ウレタン系接着剤を用いて、厚さ15μmのアルミニウム箔を貼り、次いで、同様に、アルミニウム箔面にあらかじめ、LG−NTインキで印刷された厚さ12μmのPETフィルムの印刷面を貼り合わせてから、40℃×3日間エージングをして、非付着性蓋材5を作製した。これによって、非付着性蓋材5は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/HT1/HT2/非付着層2」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層2に、第一ユニットで、ヒートシール剤1、第二ユニットで、ヒートシール剤3(略称:HT3)、第三ユニットで、非付着層塗布液2を印刷して、巻き取って、非付着性蓋材6を作製した。このとき、ヒートシール剤1はSL9155、ヒートシール剤3はPU515、非付着層塗布液2はTA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、1.0g/m2、0.9g/m2、0.4g/m2であった。これによって、非付着性蓋材6は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/HT1/HT3/非付着層2」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層2に、第一ユニットで、ヒートシール剤1、第二ユニットで、ヒートシール剤4(略称:HT4)、第三ユニットで、非付着層塗布液1を印刷して、巻き取って、非付着性蓋材7を作製した。このとき、ヒートシール剤1はSL9155、ヒートシール剤4はPU515、非付着層塗布液1はTA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、1.0g/m2、0.9g/m2、0.5g/m2であった。これによって、非付着性蓋材7は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/HT1/HT4/非付着層1」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層2に、第一ユニットで、ヒートシール剤1、第二ユニットで、ヒートシール剤2、第三ユニットで、非付着層塗布液3(略称:非付着層3)を印刷して、巻き取って、非付着性蓋材8を作成した。このとき、ヒートシール剤1はSL9155、ヒートシール剤2はPU515、非付着層塗布液3はTA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、1.0g/m2、0.9g/m2、0.5g/m2であった。これによって、非付着性蓋材8は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/HT1/HT2/非付着層3」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層2に、第一ユニットで、LG−NT631R白Sで絵柄を印刷し、第二ユニットで、ヒートシール剤1、第三ユニットで、ヒートシール剤5(略称:HT5)、第三ユニットで、非付着層塗布液2を印刷して、巻き取って、非付着性蓋材9を作成した。このとき、LG−NT631R白Sの粘度は、離合社のザーンカップ#3を用いて、希釈溶剤PU515にて、15秒に調整した。また、ヒートシール剤1はSL9155、ヒートシール剤5はPU515、非付着層塗布液2はTA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、1.0g/m2、1.0g/m2、0.4g/m2であった。これによって、非付着性蓋材9は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/白インキ/HT1/HT5/非付着層2」の構成の蓋材となった。
5色機グラビア印刷機を用いて、基材層2に、第一ユニットで、ヒートシール剤6(略称:HT6)、第二ユニットで、ヒートシール剤6、第三ユニットで、非付着層塗布液2を印刷して、巻き取り、非付着性蓋材10を作製した。このとき、ヒートシール剤6はSL9155、非付着層塗布液2はTA52にて、希釈し、それぞれ塗工量は、2.0g/m2、0.4g/m2であった。これによって、非付着性蓋材10は、「PET/LG−NTインキ/DL/AL/DL/PET/HT6/非付着層2」の構成の蓋材となった。
市販品のヨーグルト(商品名:ビヒダスヨーグルト、森永乳業(株)製)の蓋材を、カップ容器から剥がし、蓋材の内面部分にヨーグルトが付着していないこと、後記撥水性、ヨーグルト非付着性およびヒートシール性が十分維持されていることを確認したものを非付着性蓋材11として使用した。
非付着性蓋材の非付着層について、接触角を測定した。測定には、ポータブル接触角計PCA−1(協和界面科学(株)製)を用いた。測定値が大きいほど撥水性が高く、優れる。
◎:130°以上、○:130°未満110°以上、△:110°未満90°以上、×:90°未満の4段階で評価した。
水平状態に設置した非付着性蓋材の非付着層に、ヨーグルト(商品名:ビヒダスヨーグルト、森永乳業(株)製)を1滴のせ、非付着性蓋材の片側をゆっくりと持ち上げて、傾けた際に、ヨーグルトが転がり落ちた時の角度を観察した。角度が小さいほど、ヨーグルトが付着しにくく、ヨーグルト非付着性が優れる。
◎:30°以下、○:30°超60°以下、△:60°超90°以下、×:90°超の4段階で評価した。
非付着性蓋材と厚さ0.15mmのポリスチレンシートを、140℃、2秒間、3kgf/cm2の加重にて、ヒートシールした後、15mm巾の短冊状にして、試料片とした。この試料片を、万能型引張試験機(RTE−1210、(株)オリエンテック製)にて、剥離角度180°、引張速度300mm/minの条件にて、引っ張り、剥離時の最大荷重をシール強度(g)として測定した。シール強度が大きいほど、ヒートシール性が優れる。
◎:300g以上、○:300g未満100g以上、△:100g未満50g以上、×:50g未満の4段階で評価した。
水平状態に設置した非付着性蓋材の非付着層に、ヨーグルト(商品名:ビヒダスヨーグルト、森永乳業(株)製)を1滴のせ、ヨーグルトの乾燥防止のためカバーを掛けて、そのまま24時間冷蔵庫内に静置した。その後、冷蔵庫内から非付着性蓋材を取り出し、カバーを取り除き、さらに、非付着性蓋材の片側をゆっくりと持ち上げて、傾けた際に非付着性蓋材の非付着層からヨーグルトが転がり落ちる様子を目視にて観察した。耐久性が優れるとは、長時間非付着性蓋材の非付着層に内容物が接触していても、その非付着性能の劣化が起こらず、持続することを示す。したがって、非付着性蓋材の非付着層からヨーグルトが転がり落ちるものを、耐久性が優れるとした。
◎:ヨーグルトが転がり落ち、付着がない(耐久性が優れる)、×:ヨーグルトが転がり落ちず、そのまま付着する(耐久性が劣る)の2段階で評価した。
前記撥水性、ヨーグルト非付着性、ヒートシール性、耐久性のうち、評価結果がすべて「◎」のものは総合評価として「◎」、評価結果が「◎」か「○」であるものは総合評価として「○」、1つでも「△」があるものは総合評価として「△」、1つでも「×」があるものは総合評価として「×」とした。
また、グラビア印刷方式にて塗工できることから、蓋材の用途に限らず、食品用途、日用品用途、医薬品用途および産業資材用途などの各種撥水用フィルム、シール、ラベル、シートなどさらにそれを利用した包装袋に広く適用できる。
Claims (6)
- 基材層と、2層以上のヒートシール層と、非付着層を含み、この順に積層した非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法において、
前記ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂と、充填剤とを含むヒートシール剤を塗工して形成した層であって、
前記ヒートシール性樹脂が、示差走査熱量測定により、測定温度−60〜120℃、昇温速度20℃/minの条件で測定されたガラス転移点(Tg)が−50℃以上60℃以下であり、
前記充填剤がレーザ法による平均粒子径が5.0μm〜50.0μmであり、
前記基材層が、紙またはアルミニウム箔と、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、アルコール系フィルム、バリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、透明蒸着ポリエステルフィルム、透明蒸着ポリアミドフィルムおよびコーティングフィルムのなかから選ばれる少なくとも1つのフィルムとの積層体であり、
前記ヒートシール層を2層以上形成する工程と、
疎水化処理を施したシリカを含む塗工液を塗工して前記非付着層を形成する工程とを含み、
かつ、前記ヒートシール層を2層以上形成する前記工程と前記非付着層を形成する前記工程が、多色グラビア印刷機の1ユニット以上を用いたグラビア印刷方式によって行なわれることを特徴とする非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法。 - 前記ヒートシール性樹脂が、ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法。
- 前記充填剤が、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、酸化亜鉛、シリカ、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト、ゼオライト、カオリナイト、ワックス類、樹脂ビーズまたはこれらの混合物のなかから選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材の製造方法に用いられるヒートシール剤であって、
示差走査熱量測定により、測定温度−60〜120℃、昇温速度20℃/minの条件で測定されたガラス転移点(Tg)が−50℃以上60℃以下であるヒートシール性樹脂と、
レーザ法による平均粒子径が5.0μm〜50.0μmである充填剤とを、
含むことを特徴とする非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材用ヒートシール剤。 - 基材層と、2層以上のヒートシール層と、非付着層を含み、この順に積層した非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材において、
前記ヒートシール層は、示差走査熱量測定により、測定温度−60〜120℃、昇温速度20℃/minの条件で測定されたガラス転移点(Tg)が−50℃以上60℃以下であるヒートシール性樹脂と、
レーザ法による平均粒子径が5.0μm〜50.0μmである充填剤とを、
含むヒートシール剤からなる層であり、
前記非付着層は、疎水化処理を施したシリカを含む塗工液からなる層であり、
前記基材層が、紙またはアルミニウム箔と、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、アルコール系フィルム、バリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、透明蒸着ポリエステルフィルム、透明蒸着ポリアミドフィルムおよびコーティングフィルムのなかから選ばれる少なくとも1つのフィルムとの積層体であることを特徴とする非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材。 - 請求項5に記載の非付着性を有する包装容器用ヒートシール性蓋材と、
有底筒状の容器とからなり、
該蓋材が該容器の開口部を覆うカップ状容器において、
該蓋材の非付着層と該有底筒状の容器の開口部の樹脂層とが接着され、
前記有底筒状の容器の開口部の樹脂層が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリアクリロニトリル樹脂のなかから選ばれる少なくとも1つの樹脂であることを特徴とするカップ状容器。
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