JP2019073331A - 包装材および包装体 - Google Patents

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宇内 福井
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Abstract

【課題】長期間にわたり粘着性物質に対して優れた非付着性を備える、蓋材として好適に使用できる包装材を提供する。【解決手段】第一の熱可塑性樹脂を含有する樹脂層と、前記樹脂層の表面の少なくとも一部に形成されたフラクタル構造を有する撥液層と、を備え、前記撥液層の接触率(ξ)が、0.01以上0.15未満である、包装材。【選択図】なし

Description

本発明は、包装材および包装体に関する。より詳細には、容器の蓋材として用いられる包装材と、この包装材を備える包装体に関する。
近年、ゼリー、プリン、ヨーグルト等の食品、ミルク、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料を充填した容器を密封するための蓋材として、粘性の内容物が付着しない、または開封時に内容物の飛散が少ない材料が開発されている。
このような付着防止機能が付与された蓋材は、内容物と接する側に、撥水性または撥油性を有する層が設けられている。しかし、内容物の粘度が高い場合や、内容物と接触した状態で長期間保存される場合、内容物が蓋材に付着し、蓋材上に残存し、内容物をすべて使い切れない場合がある。また、内容物をすべて使いきるためには、蓋材に付着した内容物を別途回収する必要があり、手間がかかる。さらに、内容物が蓋材に付着した状態で、蓋材を開封すると、内容物が容器外に飛散する場合がある。
特許文献1では、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層一部に、表面に疎水性酸化物微粒子を付着させることにより、ヒートシール性を損なうことなく非付着性を付与する技術が提案されている。
特開2011−93315号公報
しかし、特許文献1のような蓋材でもなお、付着防止効果が十分ではない場合がある。特に、長期間にわたり内容物と接触した場合、蓋材を開封する使用時に付着防止効果が十分に発揮されない場合がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、長期間にわたり粘着性物質に対して優れた非付着性を備える、蓋材として好適に使用できる包装材を提供する。
本発明者らは、鋭意研究を重ねて結果、蓋材として使用する包装材の、内容物と接する側の面に、フラクタル構造を有する撥液層を設け、当該フラクタル構造の接触率を特定の範囲とすることにより、より高度な撥液性が得られるとともに、長期間にわたり内容物に対する非付着性が維持される包装材が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、第一の熱可塑性樹脂を含有する樹脂層と、前記樹脂層の表面の少なくとも一部に形成されたフラクタル構造を有する撥液層と、を備え、前記撥液層の接触率(ξ)が、0.01以上0.15未満である、包装材が提供される。
また、本発明によれば、包装容器と、蓋材とを備える包装体であって、前記蓋材が上記包装材からなる、包装体が提供される。
本発明によれば、高度な撥液性を有するとともに、長期間にわたり粘着性物質に対して優れた非付着性を備える、蓋材として好適に使用できる包装材、およびこの包装材を備える包装体が提供される。
本実施形態の包装材は、第一の熱可塑性樹脂を含有する樹脂層と、この樹脂層の表面の少なくとも一部に形成されたフラクタル構造を有する撥液層と、を備え、この撥液層の接触率(ξ)が、0.01以上0.15未満である。本実施形態において、接触率(ξ)が0.01以上0.15未満であるフラクタル構造を有する撥液層を、包装材の表面に設けることにより、内容物の液滴のはじき性が向上し、撥水性のみならず、油脂分を含む成分に対する撥油性を向上させることができる。また、これらの撥水性および撥油性を含む撥液性は、内容物と長期間接触した場合であっても損なわれることなく維持される。さらに、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層の表面にフラクタル構造を有する撥液層を設けることにより、本実施形態の包装材はヒートシール性を有する。具体的には、包装材を容器にヒートシールする際、ヒートシールされる領域に設けられた撥液層は、樹脂層中に埋め込まれるためヒートシール性を妨害せず、ヒートシールされる領域以外の領域に設けられた撥液層は、ヒートシール工程でかかる熱や応力の影響を受けることなく、そのまま樹脂層上に保持されて、その撥液性を発揮することができる。
一実施形態において、撥液層の接触率(ξ)/表面倍増因子(γ)の値は、0.005以上0.02以下である。好ましくは、撥液層の接触率(ξ)/表面倍増因子(γ)の値は0.007以上0.015以下である。撥液層の接触率(ξ)/表面倍増因子(γ)の値が上記範囲であることにより、より高度な撥液性が得られる。
一実施形態において、撥液層の表面倍増因子(γ)は、5以上15以下である。好ましくは、撥液層の表面倍増因子(γ)は、7以上13以下である。撥液層の表面倍増因子が上記範囲であることにより、より高度な撥液性が得られる。
ここで、フラクタル構造とは、ある有限の平面・立体形状に対して、その表面に微細な凹凸形状が設けられることにより、その表面の円周の長さや表面積が無限となる、理論上の表面形状をいう。接触率(ξ)は、フラクタル構造の凹凸表面に平滑な剛体をあてたときの、単位面積あたりの凹凸構造の接触面積の割合をいう。表面積倍増因子(γ)は、平滑面に対する凹凸面の表面積の比をいい、以下の式(1)により表される。
γ=(L/l)D−2 (1)
ここで、Lは、最大の凹凸のスケールであり、lは最小の凹凸のスケールであり、Dは、表面のフラクタル次元(2<D<3)である。
表面倍増因子(γ)および接触率(ξ)は、以下の方法により測定することができる。まず、純水/エタノールの混合比率が0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%である溶液を作製し、各溶液にてフラクタル構造表面と、フラクタル構造表面と同じ組成の平滑な表面の接触角を測定する。次いで、フラクタル構造表面の接触角と、平滑な表面の接触角を、以下の理論式にフィッティングして、表面積増倍因子(γ)と接触率(ξ)を算出する。
Figure 2019073331
ここで、θは、フラクタル構造表面の接触角であり、
θは、平滑表面の接触角であり、
x(0≦x≦1)とy(0≦x≦1)は、それぞれ、気相と液層の吸着割合であり、
23は、単位粗視化面積あたりの、気−液界面の面積であり、
minはxあるいはyに関する最小化を意味し、
Dは、フラクタル次元である。
第1の熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。第1の熱可塑性樹脂は、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線上低密度ポリエチレン(mLLPE)などのポリエチレン(PE);ポリプロピレン(PP);ポリビニルアルコール(PVA);エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA);エチレン−アクリル酸共重合体(EAA);エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA);エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA);エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA);アイオノマー樹脂;エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などが挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。ポリエステル樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記シリコーン樹脂としては、具体的には、ポリ(ジメチル)シロキサン、メチルフェニルジメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン/ポリメチルフェニルシロキサンコポリマー、ポリメチルシロキサン、テトラメチルポリメチルシロキサン、ポリメチルシロキサン・ポリジメチルシロキサンコポリマーなどが挙げられる。シリコーン樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フッ素系樹脂としては、具体的には、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテルなどのモノマーの重合体、または、2種以上のモノマーの共重合体などが挙げられる。
第1の熱可塑性樹脂としては、上記具体例のうち、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、上記具体例のうち、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)からなる群より選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、ポリプロピレン(PP)またはエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を用いることがより好ましい。
樹脂層の厚みは、生産性、コストの観点より、0.01μm以上5mm以下が好ましく、0.01μm以上2mm以下がより好ましい。この樹脂層をヒートシール層として機能させる場合、1μm以上150μm以下の厚みとすることが好ましい。樹脂層の厚みは、これがヒートシールされる容器との密着性や剥離容易性等の所望の用途に応じて適宜変更することができる。
樹脂層の熱可塑性樹脂の含有量は、用いる熱可塑性樹脂の種類やその他の添加剤の使用の有無により異なるが、好ましくは、樹脂層全体に対し、20質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは、50質量%以上99質量%以下であり、さらに好ましくは、80質量%以上99質量%以下である。
本実施形態の撥液層は、第二の熱可塑性樹脂と無機微粒子を含む。撥液層が無機微粒子を含むことにより、撥液層のフラクタル構造を形成することができる。
本実施形態で用いられる無機微粒子としては、シリコーン、シリカ、アルミナおよびチタニア等が使用できる。中でも、疎水化処理された、シリコーン微粒子、疎水性アルミナ、疎水性シリカ、疎水性チタニア、多孔質シリカ等が好適に用いられる。
無機微粒子は、平均粒径が8nm以上12nm以下の無機微粒子、および平均細孔径が4nm以上20nm以下の多孔質粒子から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このような無機微粒子または多孔質粒子を用いることにより、上述のフラクタル構造を有する撥液層を得ることができる。好ましい実施形態において、無機微粒子として、平均粒径が8nm以上12nm以下の無機微粒子と、平均細孔径が4nm以上20nm以下の多孔質粒子の両方を用いることが好ましい。8nm以上12nm以下の無機微粒子としては、疎水性アルミナ、疎水性シリカ(エボニック デグサ社製の「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」)等を用いることができる。平均細孔径が4nm以上20nm以下の多孔質粒子としては、メソポーラスシリカ(日本化成社製の「メソピュアシリカ」)等を用いることができる。多孔質粒子は、その表面をトリメチルシリル基等で疎水化処理されていてもよい。
第二の熱可塑性樹脂としては、無機粒子を樹脂層に結着し得る樹脂を使用することができ、たとえば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
無機微粒子は、好ましくは、第二の熱可塑性樹脂全体に対して、40質量%以上80質量%以下の量であり、好ましくは、45質量%以上70質量%以下の量である。上記範囲の量で無機微粒子を配合することにより、得られる撥液層は撥液性とヒートシール性とをバランスよく有し得る。
撥液層は、たとえば、以下の方法により作製することができる。
まず、疎水性の無機微粒子と第二の熱可塑性樹脂が溶媒中に分散した分散液を第一の熱可塑性樹脂層に塗布することにより塗膜を形成する。形成した塗膜を加熱することにより溶媒を揮発させ、第二の熱可塑性樹脂を無機微粒子と第一の熱可塑性樹脂層に結着させることで撥液層を作製することができる。
撥液層の厚みは、製造コストおよび製造容易性の観点から、0.1μm以上500μm以下であることが好ましい。
樹脂層には、目的の用途に応じ、その他の特性を付与する目的で、さらなる添加剤を加えることができる。さらなる添加剤としては、例えば、着色剤、充填材等が挙げられるが、これらに限定されない。
樹脂層は、目的の用途に応じて、さらなる他の特性を付与するために、他の層(基材層と称する)を積層してもよい。基材層は、樹脂層の撥液層の面とは反対の面に設けられる。基材層としては、公知の材料が使用でき、たとえば、紙、合成紙、樹脂フィルム、蒸着層付き樹脂フィルム、合成樹脂板、アルミニウム箔、その他の金属箔、金属板、織布、不織布、皮、合成皮革、木材、ガラス板等の単体又はこれらの複合材料・積層材料が挙げられる。
基材層には、さらに、印刷層、印刷保護層、着色層、接着剤層、接着強化層、プライマーコート層、アンカーコート層、防滑剤層、滑剤層、防曇剤層等が設けてもよい。
一実施形態において、樹脂層と撥液層とからなる包装材の厚みは、50μm以上1000μm以下とすることができる。
本実施形態の包装材は、容器を密閉するための蓋材として用いることができる。本実施形態の包装材は、さらにエンボス加工、ノッチ加工等を施されてもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(包装材の作製)
(1.分散液の調整)
第二の熱可塑性樹脂としてオレフィン系共重合体樹脂(製品名「ケミパールS100」三井化学社製、粒子径:100nm以下、軟化点:約60℃)5質量部、および無機微粒子として疎水性シリカ(製品名「AEROSIL R812」エボニック デグサ社製、一次粒子平均径:7nm)5質量部とをエタノール100質量部中に分散させることにより分散液を得た。
(2.分散液の塗工)
バーコーターを用いて第一の熱可塑性樹脂(住友化学社製のポリプロピレン樹脂(製品名「FH1016」、厚み100μm)の表面に前記分散液を塗布し、続いて180℃のオーブン中で180秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、フィルム形態の包装材を得た。
(実施例2)
(包装材の作製)
(1.分散液の調整)
アルミナ(株式会社アドマテックス製の「AO−502」、平均粒径:100nm)15質量部を、エタノール100質量部に分散させた分散液に、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製の「Z−6210」)1質量部添加して、1時間撹拌した。その後エタノールを揮発させて除去して、疎水性アルミナを得た。
第二の熱可塑性樹脂としてオレフィン系共重合体樹脂(製品名「ケミパールS100」三井化学社製、粒子径:100nm以下、軟化点:約60℃)5質量部、ならびに無機微粒子として疎水性シリカ(製品名「AEROSIL R812」エボニック デグサ社製、一次粒子平均径:7nm)5質量部、および上述の疎水性アルミナ5質量部をエタノール100質量部中に分散させることにより分散液を得た。
(2.分散液の塗工)
バーコーターを用いて第一の熱可塑性樹脂(住友化学社製のポリプロピレン樹脂(製品名「FH1016」、厚み100μm)の表面に前記分散液を塗布し、続いて180℃のオーブン中で180秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、フィルム形態の包装材を得た。
(比較例1)
無機微粒子として上述の疎水性アルミナ5質量部のみを用いたこと以外は、実施例2と同じ方法で、分散液を得た。さらに、実施例2と同様の方法で包装材を得た。
(実施例3)
(包装材の作製)
(1.分散液の調整)
第二の熱可塑性樹脂としてオレフィン系共重合体樹脂(製品名「ケミパールS100」三井化学社製、粒子径:100nm以下、軟化点:約60℃)5質量部、ならびに無機微粒子として疎水性シリカ(製品名「AEROSIL R812」エボニック デグサ社製、一次粒子平均径:7nm)5質量部、およびシリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「トスパール120」、平均粒径:1μm)5質量部をエタノール100質量部中に分散させることにより分散液を得た。
(2.分散液の塗工)
バーコーターを用いて第一の熱可塑性樹脂(住友化学社製のポリプロピレン樹脂(製品名「FH1016」、厚み100μm)の表面に前記分散液を塗布し、続いて180℃のオーブン中で180秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、フィルム形態の包装材を得た。
(比較例2)
無機粒子として、シリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「トスパール120」、平均粒径:1μm)5質量部のみを用いたこと以外は、実施例3と同様の方法で分散液を得た。さらに、実施例3と同様の方法で包装材を得た。
(実施例4)
(包装材の作製)
(1.分散液の調整)
第二の熱可塑性樹脂としてオレフィン系共重合体樹脂(製品名「ケミパールS100」三井化学社製、粒子径:100nm以下、軟化点:約60℃)5質量部、ならびに無機微粒子として疎水性シリカ(製品名「AEROSIL R812」エボニック デグサ社製、一次粒子平均径:7nm)5質量部、およびシリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「トスパール1100」、平均粒径:10μm)5質量部をエタノール100質量部中に分散させることにより分散液を得た。
(2.分散液の塗工)
バーコーターを用いて第一の熱可塑性樹脂(住友化学社製のポリプロピレン樹脂(製品名「FH1016」、厚み100μm)の表面に前記分散液を塗布し、続いて180℃のオーブン中で180秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、フィルム形態の包装材を得た。
(比較例3)
無機粒子として、シリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「トスパール1100」、平均粒径:10μm)5質量部のみを用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で分散液を得た。さらに、実施例4と同様の方法で包装材を得た。
(実施例5)
(包装材の作製)
(1.分散液の調整)
第二の熱可塑性樹脂としてオレフィン系共重合体樹脂(製品名「ケミパールS100」三井化学社製、粒子径:100nm以下、軟化点:約60℃)5質量部、および無機微粒子として疎水性シリカ(製品名「AEROSIL R812」エボニック デグサ社製、一次粒子平均径:7nm)5質量部とをエタノール100質量部中に分散させることにより分散液を得た。
(2.分散液の塗工)
バーコーターを用いて第一の熱可塑性樹脂(住友化学社製のポリプロピレン樹脂(製品名「FH1016」、厚み100μm)の表面に前記分散液を塗布し、続いて180℃のオーブン中で180秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、フィルムを得た。このフィルムに、HARRICK PLASMA社の「PLASMA CLEANER」を用いてエッチング処理を行い、エッチング処理された包装材を得た。
(比較例4)
無機粒子を用いることなく、実施例5と同様の方法で分散液を得た。さらに、実施例5と同様の方法でエッチング処理を行い、エッチング処理された包装材を得た。
(実施例6)
(包装材の作製)
(1.分散液の調整)
第二の熱可塑性樹脂としてオレフィン系共重合体樹脂(製品名「ケミパールS100」三井化学社製、粒子径:100nm以下、軟化点:約60℃)5質量部、および無機粒子としてメソポーラスシリカ(日本化成社製の「メソピュアシリカ」、平均細孔径:10nm)5質量部をエタノール100質量部中に分散させることにより分散液を得た。
(2.分散液の塗工)
バーコーターを用いて第一の熱可塑性樹脂(住友化学社製のポリプロピレン樹脂(製品名「FH1016」、厚み100μm)の表面に前記分散液を塗布し、続いて180℃のオーブン中で180秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、フィルム形態の包装材を得た。
(実施例7)
(包装材の作製)
(1.分散液の調整)
第二の熱可塑性樹脂としてオレフィン系共重合体樹脂(製品名「ケミパールS100」三井化学社製、粒子径:100nm以下、軟化点:約60℃)5質量部、ならびに無機微粒子として疎水性シリカ(製品名「AEROSIL R812」エボニック デグサ社製、一次粒子平均径:7nm)5質量部、およびメソポーラスシリカ(日本化成社製の「メソピュアシリカ」、平均細孔径:10nm)5質量部をエタノール100質量部中に分散させることにより分散液を得た。
(2.分散液の塗工)
バーコーターを用いて第一の熱可塑性樹脂(住友化学社製のポリプロピレン樹脂(製品名「FH1016」、厚み100μm)の表面に前記分散液を塗布し、続いて180℃のオーブン中で180秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、フィルム形態の包装材を得た。
(包装材の評価)
(静的接触角の測定)
純水/エタノールの混合比率が0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%である溶液を作製し、各溶液にてフラクタル構造表面と、フラクタル構造表面と同じ組成の平滑な表面の接触角(θr、θ)を測定した。接触角の測定は、接触角計Drop Master DM−500(協和界面科学(株))を用い、純水/エタノール混合溶液の液滴サイズ8μLとして作製した包装材上に滴下し、接触角を測定することにより行った。
次いで、フラクタル構造表面の接触角と、平滑な表面の接触角から得られたプロットと以下の理論式によるプロットをフィッティングすることにより表面積増倍因子(γ)と接触率(ξ)を算出した。さらに、接触率(ξ)/表面積増倍因子(γ)の値を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2019073331
(撥水性の評価)
純水/エタノール混合比率が90%の溶液を用いて包装材の静的接触角を測定した際に、液滴がはじかれて(フィルムから転げ落ちて)接触角の測定ができなかった包装材の撥液性を「○」として記載した。結果を表1に示す。
Figure 2019073331
接触率(ξ)が0.01以上0.15未満のフラクタル構造表面を有する包装材はいずれも、撥水性を有していた。そのため、粘着性物質を収容する容器の蓋材として好適に使用できる。

Claims (12)

  1. 第一の熱可塑性樹脂を含有する樹脂層と、
    前記樹脂層の表面の少なくとも一部に形成されたフラクタル構造を有する撥液層と、を備え、
    前記撥液層の接触率(ξ)が、0.01以上0.15未満である、包装材。
  2. 前記撥液層の、接触率(ξ)/表面積倍増因子(γ)の値が、0.005以上0.02以下である、請求項1に記載の包装材。
  3. 前記撥液層の表面積倍増因子(γ)が、5以上15以下である、請求項2に記載の包装材。
  4. 前記撥液層が、第二の熱可塑性樹脂と無機微粒子とを含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の包装材。
  5. 前記無機微粒子が、シリコーン、シリカ、アルミナ、およびチタニアからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項4に記載の包装材。
  6. 前記無機微粒子が、平均粒径が8nm以上12nm以下の無機微粒子、および平均細孔径が4nm以上20nm以下の多孔質粒子から選択される少なくとも1つを含む、請求項4または5に記載の包装材。
  7. 前記無機微粒子は、前記第二の熱可塑性樹脂全体に対して、40質量%以上80質量%以下の量で含まれる、請求項4乃至6のいずれかに記載の包装材。
  8. 前記撥液層が、0.1μm以上500μm以下の厚みを有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の包装材。
  9. 当該包装材が、50μm以上1000μm以下の厚みを有する、請求項1乃至8のいずれかに記載の包装材。
  10. 当該包装材がヒートシール性を有する、請求項1乃至9のいずれかに記載の包装材。
  11. 包装容器と、蓋材とを備える包装体であって、前記蓋材が請求項1乃至10のいずれかに記載の包装材からなる、包装体。
  12. 当該包装体が、食品を収容して用いる、請求項11に記載の包装体。
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