JP5914308B2 - 多関節型ロボットによるワーク装着方法 - Google Patents

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Description

この発明は、多関節型ロボットのハンド(エンドエフェクタ)によって、粘着シート上に貼り付けられたフィルム(薄膜)をその粘着シートから剥離させる方法を用いた、多関節型ロボットによるワーク装着方法に関するものである。
製品の組立作業中には、両面テープ等の粘着シートによるワークの装着作業が含まれている場合があり、この装着作業を自動化する場合、専用機による自動化や、自動化し易い形状を有する両面テープの利用等が行われている。
一般に流通している通常の両面テープでワークを装着する作業の自動化に関しては、両面テープが柔軟物であるという点と、両面テープから保護フィルムを剥離させる必要があるという点との2つの課題があり、前者については吸着装置を用いて保護フィルム側を吸着保持して取り扱う方法がある。しかしながら後者については多関節ロボットで行うことができていず、通常は専用機械が必要であった。
このため例えば従来、特許文献1記載の方法が提案されており、この方法では、ワークとしての粘着シート状のシール部品1枚毎に剥離紙に円形、矩形あるいはU字形の輪郭の切れ込みを入れておいて、その切れ込みの閉じた輪郭の部分がシール部品から外れて露出するように剥離紙上にシール部品を貼り付けておき、その剥離紙をシール部品側を上向きにして柔らかい台上に位置決め固定し、多関節型ロボットのハンド(エンドエフェクタ)に設けた側面視L字状の下フィンガの水平な爪部を、そのシール部品から外れて露出している閉じた輪郭の切れ込みの内側部分の剥離紙に押し付けて、他の部分の剥離紙を台で支持しながら、その内側部分の剥離紙を台と一緒に押し下げることによりシール部品から剥離させ、その状態で下フィンガの爪部をシール部品の下まで移動させ、その下フィンガの強固な爪部と上フィンガとでシール部品を挟んで剥離紙から引き剥がし、取り扱っている。
また従来、特許文献2記載の方法も提案されており、この方法では、ワークとしての粘着シート状のシール部品1枚毎に剥離紙にコ字状の輪郭の切れ込みをその輪郭が開いた端部同士を向き合わせて2箇所ずつ入れておいて、それらの切れ込みの閉じた輪郭の部分がシール部品から外れて露出するようにそれらの切れ込みに跨って剥離紙上にシール部品を貼り付けておき、その剥離紙をシール部品側を上向きにして、上記切れ込みの閉じた輪郭の部分に対応する凹部を持つ台上に位置決め固定し、多関節型ロボットのハンド(エンドエフェクタ)としての吸着ローラの両外側にその吸着ローラに対し昇降可能にかつ水平な爪部を互いに向き合わせて設けた側面視L字状の2本の押し下げフィンガを吸着ローラよりも下方に突出させ、それらの押し下げフィンガの強固な爪部を、そのシール部品から外れて両側に露出している閉じた輪郭の切れ込みの内側部分の剥離紙にそれぞれ押し付けて、他の部分の剥離紙を台で支持しながら、その内側部分の剥離紙を押し下げることによりシール部品から剥離させて台の凹部の底に押し付け、その状態で吸着ローラを下降させて、その吸着ローラの周囲に開口した多数の吸着穴内の負圧エアでシール部品を吸着して剥離紙から引き剥がし、取り扱っている。
特許4688319号公報 特開平07−156931号公報
しかしながら上記従来の方法では何れも、フィンガの強固な爪部を、シール部品から外れて露出している閉じた輪郭の切れ込みの内側部分の剥離紙に押し付けて、他の部分の剥離紙を台で支持しながら、その内側部分の剥離紙を押し下げることによりシール部品から剥離させており、このため、シール部品の粘着力が強いとその押し下げた部分がシール部品との境界で折れ曲がるだけで、その押し下げた部分から外れてシール部品の下に位置する剥離紙がシール部品から剥れず、フィンガや吸着ローラでシール部品を剥し損なう場合があるという問題があった。
それゆえこの発明は、多関節型ロボットのハンド(エンドエフェクタ)によって、粘着シート上に貼り付けられたフィルム(薄膜)をその粘着シートから確実に剥離させる方法を用いた、多関節型ロボットによるワーク装着方法を提供することを目的としている。
この発明は、上記課題を有利に解決するものであり、この発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法に用いるフィルム剥離方法は、
多関節型ロボットとしての双腕ロボットの一方の腕のハンドによって所定位置に保持されたワークの粘着シート上に貼り付けられたフィルムをその双腕ロボットの他方の腕のハンドによってその粘着シートから剥離させるに際し、
前記双腕ロボットの前記他方の腕のハンドに弾性的に屈曲変形可能な薄板状の爪部を突設し、
前記粘着シートの少なくとも一箇所の縁部の外側に平坦な案内面を設け、
前記案内面は、所定位置に保持されたワークの、前記粘着シートが設けられた表面の一部であり、
前記粘着シートは両面テープであり、
前記両面テープは、前記ワークの表面に、その両面テープの一方の粘着面で貼り付けられていて、他方の粘着面上に前記フィルムを貼り付けられており、
前記双腕ロボットの前記一方の腕のハンドで前記ワークを所定位置に保持しつつ、
前記双腕ロボットの前記他方の腕のハンドの移動によって、
先ず、前記他方の腕のハンドに突設された前記爪部の先端部を前記案内面に対し傾斜させて押し当てて、その爪部の先端部が前記案内面に添うように前記爪部を弾性的に屈曲変形させ、
次いで、前記爪部を、前記先端部が前記案内面に添った状態で前記粘着シートの前記縁部へ向けて移動させ、前記先端部を前記粘着シートの前記縁部上に乗り上げさせながら前記先端部に前記フィルムの対応する縁部を押し上げさせて、前記先端部を前記粘着シートの縁部と前記フィルムの対応する縁部との間に入り込ませ、
次いで、前記爪部の前記先端部を前記粘着シートと前記フィルムとの間にさらに入り込ませながら、前記爪部を前記粘着シートの前記縁部の延在方向へも移動させることで、前記フィルムの前記縁部に沿う部分を前記爪部の傾斜部分に乗り上げさせて前記粘着シートから大きく剥離させることを特徴とするものである。
この発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法に用いるフィルム剥離方法においては、前記案内面は、所定位置に保持されたワークの、前記粘着シートが設けられた表面の一部である。これにより、そのワークの装着作業が容易に行える。
また、この発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法に用いるフィルム剥離方法においては、前記粘着シートは両面テープであり、前記両面テープは、前記ワークの表面に、その両面テープの一方の粘着面で貼り付けられていて、他方の粘着面上に前記フィルムを貼り付けられている。これにより、通常の両面テープを用いてワークが装着できる。
そして、この発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法は上述のように、前記多関節型ロボットが双腕ロボットであり、前記双腕ロボットは一方の腕のハンドで前記ワークを所定位置に保持しつつ、他方の腕のハンドに設けられた前記爪部で、前記フィルム剥離方法により、前記案内面を持つように前記ワークの表面に設けられた前記粘着シートから前記フィルム(薄膜)を剥し、その後に前記双腕ロボットの前記一方の腕のハンドの移動によって前記ワークを前記粘着シートで所定部位に貼り付け装着することを特徴とするものである。
上述したこの発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法に用いるフィルム剥離方法によれば、所定位置に保持された粘着シート上に貼り付けられたフィルムを多関節型ロボットのハンドによってその粘着シートから剥離させるに際し、前記ハンドに弾性的に屈曲変形可能な薄板状の爪部を突設し、前記粘着シートの少なくとも一箇所の縁部の外側に平坦な案内面を設け、前記ハンドの移動によって、先ず、前記爪部の先端部を前記案内面に対し傾斜させて押し当てて、その爪部の先端部が前記案内面に添うように前記爪部を弾性的に屈曲変形させ、次いで、前記爪部を、前記先端部が前記案内面に添った状態で前記粘着シートの前記縁部へ向けて移動させ、前記先端部を前記粘着シートの前記縁部上に乗り上げさせながら前記先端部に前記フィルムの対応する縁部を押し上げさせて、前記先端部を前記粘着シートの縁部と前記フィルムの対応する縁部との間に入り込ませることから、粘着シートの縁部とフィルムの対応する縁部との境界部分に爪部の先端部を正確に対向させなくても、爪部の先端部が粘着シートの縁部とフィルムの対応する縁部との間に入り込んでそれらを確実に剥離させることができる。
さらに、この発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法に用いるフィルム剥離方法によれば、次いで、前記爪部の前記先端部を前記粘着シートと前記フィルムとの間にさらに入り込ませながら、前記爪部を前記粘着シートの前記縁部の延在方向へも移動させることで、前記フィルムの前記縁部に沿う部分を前記爪部の傾斜部分に乗り上げさせて前記粘着シートから剥離させることから、一旦剥離させたフィルムが再度粘着シートに貼り付いてしまうことを防止することができる。
そして、この発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法によれば、前記多関節型ロボットが双腕ロボットであり、前記双腕ロボットは一方の腕のハンドで前記ワークを所定位置に保持しつつ、他方の腕のハンドに設けられた前記爪部で、前記フィルム剥離方法により、前記案内面を持つように前記ワークの表面に設けられた前記粘着シートから前記フィルムを剥し、その後に前記ワークを前記粘着シートで所定部位に貼り付け装着することから、双腕ロボットに、粘着シートを用いたワークの装着作業を確実に行わせることができる。
(a)は、多関節型ロボットによるフィルム剥離方法の一例を用いたこの発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法の一実施例において多関節型双腕ロボットの一方の腕のハンドの爪部により他方の腕のハンドで保持したワークの表面上の粘着シートとしての両面テープからフィルムとしての剥離紙を剥離させている状態を示す略線図、(b)は、その図1(a)の要部を拡大して示す略線図、(c)は、その図1(b)の状態を拡大して示す断面図である。 (a)は、上記実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法に用いられる多関節型双腕ロボットの一方の腕の先端部に設けられたハンドと、他方の腕の先端部に設けられたハンドとしての吸着パッドとを示す正面図、(b)は、その実施例のワーク装着方法に用いられる多関節型双腕ロボットの一方の腕のハンドの爪部と、他方の腕の吸着パッドが吸着保持するワークとを示す平面図、(c)は、そのワーク上に設けられた両面テープおよびその上の剥離紙を拡大するとともに一部切り欠いて示す側面図である。 上記実施例のワーク装着方法における爪部の、ワークに対する移動経路を示す平面図である。 (a)〜(f)は、上記実施例のワーク装着方法において一方の腕のハンドによりワーク上の両面テープから剥離紙を剥離させて除去する手順を示す説明図である。 (a)〜(f)は、上記実施例のワーク装着方法において爪部により両面テープから剥離紙を剥離させる手順を示す説明図、(g)は(d)のA部を拡大して示す説明図、(h)は(e)のB部を拡大して示す説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1(a)は、本発明者が提案する多関節型ロボットによるフィルム剥離方法の一例を用いたこの発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法の一実施例において多関節型双腕ロボットの一方の腕のハンドの爪部により他方の腕のハンドで保持したワークの表面上の粘着シートとしての両面テープからフィルムとしての剥離紙を剥離させている状態を示す略線図、図1(b)は、その図1(a)の要部を拡大して示す略線図、図1(c)は、その図1(b)の状態を拡大して示す断面図である。
この実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法では、例えば本願出願人が先に特開2010−064198号公報にて開示した如き多関節型双腕ロボット1(ここでは略線図で示す)を用い、その双腕ロボット1の一方の腕2の先端部のハンド3に設けた爪部4によって、他方の腕5の先端部のハンド6により所定位置に保持した図では厚板状のワーク7の表面上に設けられた粘着テープとしての通常の両面テープ8の粘着面上に貼り付けられたフィルムとしての剥離紙9を、その両面テープ8から剥離させる。なお、多関節型双腕ロボット1は、図示しないが上記公報記載のものと同様、頭部に2台のビデオカメラを有し、それらのビデオカメラからの画像に基づき、作業場所やワーク等の対象物の形状および種類を認識するとともに、ビデオカメラの向きとカメラ測量の原理とによって対象物の3次元位置を認識することができるので、あらかじめ組立作業の概略手順と対象物とを教示しておくことで、先に与えられたプログラムに基づき、対象物の種類に応じて後述する組立作業を行うことができる。以下では、これらの実施例について具体的に詳述する。
図2(a)は、上記実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法に用いられる多関節型双腕ロボットの一方の腕の先端部に設けられたハンドと、他方の腕の先端部に設けられたハンドとしての吸着パッドとを示す正面図、図2(b)は、その実施例のワーク装着方法に用いられる多関節型双腕ロボットの一方の腕のハンドの爪部と、他方の腕の吸着パッドが吸着保持するワークとを示す平面図、図2(c)は、そのワーク上に設けられた両面テープおよびその上の剥離紙を拡大するとともに一部切り欠いて示す側面図である。
この実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法では、ハンド3は二本のフィンガ3a,3bを有し、それらのフィンガ3a,3bを、正圧エア源10から正圧エアを供給される図示しないエアシリンダで開閉作動させて、それらのフィンガ3a,3b間に剥離紙9を挟持することができる。そして爪部4は、それらのフィンガ3a,3bのうち下側のフィンガ3aに固設されてその下側のフィンガ3aから突出しており、この爪部4は、例えば厚さ0.3mmの樹脂シートで形成されて、後述の如く弾性的に屈曲変形可能な薄板状をなしており、その先端部の平面形状は、図2(b)に示すように、例えばθ=90度の挟角で先細りとなるとともにR=2mmの半径で丸められ、その先端の断面形状も略半円状に丸められている。
また、もう一方のハンド6は具体的には吸着パッド6(以下、ハンド6と同一の符号にて示す)とされており、その吸着パッド6は、負圧エア源11から負圧エアを供給されてワーク7の図2(c)では下側の平坦な表面を吸着し、ワーク7を保持する。両面テープ8はその両面の粘着面のうちの一方(図2(c)では下方)の粘着面でワーク7の図2(c)では上側の平坦な表面上に貼り付けられており、この例のフィルム剥離方法ではそのワーク7の平坦な表面のうち、両面テープ8の少なくとも一箇所の縁部(図2では左側の縁部)の外側の部分を平坦な案内面7aとする。
しかして上記剥離紙9の、両面テープ8からの剥離を上記双腕ロボット1に行わせるに際し、この例のフィルム剥離方法では、図3および図4に示す如くしてその剥離を行わせる。すなわちここでは、先ず、図4(a)に示すように、静止している腕5の吸着パッド6が吸着しているワーク7上で、腕2のハンド3の移動によって、爪部4を案内面7aの上方に位置させ、次いで図4(b)に示すように、ハンド3の下降移動によって爪部4の先端部を案内面7aに対し傾斜させて押し当てて、その爪部4の先端部が案内面7aに添うように爪部4を弾性的に屈曲変形させる。
次いで図4(c)に示すとともに図3中の矢印P1で示すように、爪部4をその先端部が案内面7aに添った状態で両面テープ8の上記縁部へ向けて移動させて、爪部4の先端部を両面テープ8の上記縁部とそれに対応する剥離紙9の縁部との間の境界部分に入り込ませ、次いで図4(d)に示すとともに図3中の矢印P2で示すように、爪部4の先端部を両面テープ8と剥離紙9との間にさらに入り込ませながら、爪部4を両面テープ8の上記縁部の延在方向へも移動させることで、剥離紙9の上記縁部に沿う部分を爪部4の傾斜部分から下側のフィンガ3a上に乗り上げさせて両面テープ8から大きく剥離させ、その状態で図4(e)に示すようにフィンガ3a,3bを閉じて、それらのフィンガ3a,3b間に剥離紙9を挟持する。
そしてその後は、腕2で一旦少しハンド3を持ち上げてから、図4(f)に示すとともに図3中の矢印P3で示すように、ハンド3によりフィンガ3a,3bを爪部4とともに両面テープ8の上記縁部の延在方向へ逆向きに移動させることで、剥離紙9を両面テープ8から確実に剥離させ、次いで腕2でハンド3を移動させて剥離紙9を所定の廃棄場所に廃棄し、その一方、腕5でワーク7を移動させて、その両面テープ8で図示しない製品の所定部位にワーク7を貼り付け装着する。
図5(a)〜(h)は、上記作業における剥離紙9の剥離作業をさらに詳細に示している。すなわちここでは、先ず、図5(a)に示すように、静止しているワーク7に対し、爪部4を案内面7aの上方に位置させ、次いで図5(b)に示すように、爪部4の先端部を案内面7aに対し傾斜させて押し当てて、図5(c)に示すように、その爪部4の先端部が案内面7aに添うように爪部4を弾性的に屈曲変形させ、次いで図5(d)に示すように、爪部4をその先端部が案内面7aに概ね添った状態で両面テープ8の上記縁部へ向けて移動させて、図5(g)に拡大して示すように、爪部4の丸められた先端部を両面テープ8の上記縁部とそれに対応する剥離紙9の縁部との間の境界部分に押し付け、さらに爪部4を前進移動させて、図5(e)に示すとともに図5(h)に拡大して示すように、爪部4の丸められた先端部を両面テープ8の上記縁部とそれに対応する剥離紙9の縁部との間の境界部分に入り込ませる。このとき、両面テープ8側の剥離紙9の表面は、ワーク7の表面よりも両面テープ8の粘着面に対する粘着力が小さくなるように処理されているから、爪部4の先端部で押されても両面テープ8の縁部はワーク7の表面に粘着し続ける一方、爪部4の先端部で押されると剥離紙9の縁部は両面テープ8の縁部から剥離する。次いでここでは図5(f)に示すように、爪部4の先端部を両面テープ8と剥離紙9との間にさらに入り込ませて、剥離紙9を両面テープ8から大きく剥離させる。
従って、この例の多関節型ロボットによるフィルム剥離方法を用いるこの実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法によれば、両面テープ8の縁部と剥離紙9の対応する縁部との境界部分に爪部4の先端部を正確に対向させなくても、爪部4の先端部が両面テープ8の縁部と剥離紙9の対応する縁部との間に入り込んでそれらを確実に互いに剥離させることができる。
そしてこの例の多関節型ロボットによるフィルム剥離方法を用いるこの実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法によれば、次いで、爪部4の先端部を両面テープ8と剥離紙9との間にさらに入り込ませながら、爪部4を両面テープ8の上記縁部の延在方向へも移動させることで、剥離紙9の上記縁部に沿う部分を爪部4の傾斜部分に乗り上げさせて両面テープ4から剥離させることから、一旦剥離させた剥離紙9が再度両面テープ8に貼り付いてしまうことを防止することができる。
さらにこの例の多関節型ロボットによるフィルム剥離方法を用いるこの実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法によれば、案内面7aは、所定位置に保持されたワーク7の、両面テープ8が設けられた表面の一部であるので、ワーク7の装着作業を容易に行うことができる。
さらに、この実施例の多関節型ロボットによるフィルム剥離方法によれば、粘着シートは両面テープ8であり、その両面テープ8はワーク7の表面に、その両面テープ8の一方の粘着面で貼り付けられていて、他方の粘着面上に剥離紙9を貼り付けられているので、通常の両面テープ8を用いてワーク7を装着することができる。
そして、この実施例の多関節型ロボットによるワーク装着方法によれば、多関節型ロボット1が双腕ロボットであり、双腕ロボット1は一方の腕5のハンドでワーク7を所定位置に保持しつつ、他方の腕2のハンド3に設けられた爪部4で、上記実施例のフィルム剥離方法により、ワーク7が案内面7aを持つようにワーク7の表面に配設された両面テープ8から剥離紙9を剥し、その後にワーク7を両面テープ8で製品の所定部位に貼り付け装着することから、双腕ロボット1に、通常の両面テープ8を用いたワーク7の装着作業を確実に行わせることができる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものである。
例えば、上記実施例のワーク装着方法では粘着シートは両面テープとしたが、片面だけの粘着面を外側に向けてワークの表面に接着剤等で固着されたものでも良い。そして上記実施例のワーク装着方法では剥離させるフィルム(薄膜)を剥離紙としたが、樹脂製の保護フィルムとしても良い。
かくしてこの発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法によれば、粘着シートの縁部とフィルムの対応する縁部との境界部分に爪部の先端部を正確に対向させなくても、爪部の先端部が粘着シートの縁部とフィルムの対応する縁部との間に入り込んでそれらを確実に剥離させることができ、また、一旦剥離させたフィルムが再度粘着シートに貼り付いてしまうことを防止することができる。
そしてこの発明の多関節型ロボットによるワーク装着方法によれば、粘着シートを用いたワークの装着作業を双腕ロボットに確実に行わせることができる。
1 多関節型双腕ロボット
2 腕
3 ハンド(エンドエフェクタ)
3a 下側のフィンガ
3b 上側のフィンガ
4 爪部
5 腕
6 ハンド(吸着パッド)
7 ワーク
7a 案内面
8 両面テープ
9 剥離紙
10 正圧エア源
11 負圧エア源

Claims (1)

  1. 多関節型ロボットとしての双腕ロボットの一方の腕のハンドによって所定位置に保持されたワークの粘着シート上に貼り付けられたフィルムをその双腕ロボットの他方の腕のハンドによってその粘着シートから剥離させて、前記双腕ロボットの前記一方の腕のハンドによって前記ワークを所定部位に貼り付け装着するに際し、
    前記双腕ロボットの前記他方の腕のハンドに弾性的に屈曲変形可能な薄板状の爪部を突設し、
    前記粘着シートの少なくとも一箇所の縁部の外側に平坦な案内面を設け、
    前記案内面は、所定位置に保持されたワークの、前記粘着シートが設けられた表面の一部であり、
    前記粘着シートは両面テープであり、
    前記両面テープは、前記ワークの表面に、その両面テープの一方の粘着面で貼り付けられていて、他方の粘着面上に前記フィルムを貼り付けられており、
    前記双腕ロボットの前記一方の腕のハンドで前記ワークを所定位置に保持しつつ、
    前記双腕ロボットの前記他方の腕のハンドの移動によって、
    先ず、前記他方の腕のハンドに突設された前記爪部の先端部を前記案内面に対し傾斜させて押し当てて、その爪部の先端部が前記案内面に添うように前記爪部を弾性的に屈曲変形させ、
    次いで、前記爪部を、前記先端部が前記案内面に添った状態で前記粘着シートの前記縁部へ向けて移動させ、前記先端部を前記粘着シートの前記縁部上に乗り上げさせながら前記先端部に前記フィルムの対応する縁部を押し上げさせて、前記先端部を前記粘着シートの縁部と前記フィルムの対応する縁部との間に入り込ませ、
    次いで、前記爪部の前記先端部を前記粘着シートと前記フィルムとの間にさらに入り込ませながら、前記爪部を前記粘着シートの前記縁部の延在方向へも移動させることで、前記フィルムの前記縁部に沿う部分を前記爪部の傾斜部分に乗り上げさせて前記粘着シートから大きく剥離させることで、前記案内面を持つように前記ワークの表面に設けられた前記粘着シートから前記フィルムを剥し、
    その後に、前記双腕ロボットの前記一方の腕のハンドの移動によって、前記ワークを前記粘着シートで所定部位に貼り付け装着することを特徴とする、多関節型ロボットによるワーク装着方法
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