以下に、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の封入治具100の概略斜視図であり、図2は、図1の封入治具100の概略平面図であり、図3は、図1の封入治具100の概略側面図である。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態の封入治具100は、書類などの被収納物が挿入される挿入部10と、挿入部10に連結され、後述される収納袋60(図4参照)が装着される収納袋装着部20と、平面視で収納袋装着部20と部分的に重なるように当該収納袋装着部20の下方に配置された係合部30と、を備えている。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態では、挿入部10、収納袋装着部20及び係合部30は、樹脂製の基材40によって支持されている。この基材40は、全体として矩形の平板であるが、挿入部10及び収納袋装着部20を支持している部分は、係合部30を支持している部分の約2倍の厚みを有している。このことにより、図3に示すように、収納袋装着部20の基材40側の面と当該基材40との間に隙間が形成されている。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の挿入部10は、基板11と基板11の両側部から一方の側(図1における上側、図2における手前側)に略垂直に立ち上がる一対の側板12とを有している。本実施の形態では、金属製の薄板の両側部が一方の側に略直角に折り曲げられることにより、基板11と一対の側板12とが一体成形されている。また、一対の側板12間の離間距離によって規定される挿入部10の幅が、被収納物の挿入方向(図1における左下方向、図2及び図3における左方向)に向かって次第に減少している。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態の収納袋装着部20は、収納袋60が装着された際に当該収納袋60の開口部62から袋本体61内に部分的に挿入される挿入板21と、挿入板21から一方の側に立ち上がる一対のガイド板22と、を有している。本実施の形態では、金属製の薄板の両側部が一方の側に略直角に折り曲げられることによって、挿入板21と一対のガイド板22とが一体的に形成されている。図3に示すように、本実施の形態の一対のガイド板22は、側面視で被収納物の挿入方向に向かって次第に先細りとなる形状を有している。また、図1乃至図3に示すように、当該一対のガイド板22は、挿入部10の一対の側板12と連続している。
また、図1及び図2に示すように、収納袋装着部20の挿入板21は、平面視で被収納物の挿入方向に向かって次第に先細りとなっており、角が丸められた第1先端部23を有して形成されている。本実施の形態の封入治具100の大部分は、図2に示すように、平面視で軸線に関して対称(図2においては横方向の軸線に関して対称)に構成されているが、第1先端部23は、当該軸線から被収納物の挿入方向に見て右側(図2における上側)に偏って設けられている。これは、封入作業を行う者が右利きである場合に、すなわち、左側から収納袋60を収納袋装着部20に装着し右側から被収納物を挿入部10に挿入する場合に、封入作業をよりスムーズに行えるようにするためである。すなわち、封入治具100を、封入作業を行う者の正面に設置した場合に、第1先端部23が当該封入作業を行う者からある程度離れていた方が、作業時に窮屈さを感じることなく、収納袋60をスムーズに収納袋装着部20に装着することができる。
更に、一対のガイド板22の間には、収納袋装着部20に収納袋60が装着された際に、当該収納袋60内に位置して開口部62近傍を内側から支持し、当該開口部62が開いた状態を維持するための支持部24が設けられている。図1及び図2に示すように、本実施の形態の支持部24は、金属製の矩形の支持プレート25と、この支持プレート25の一方の側の面(図1における上方の面、図2における手前側の面)に固定された樹脂製の可撓性を有する薄板26と、を有している。支持プレート25は、両端部が他方の側にほぼ直角に折り曲げられた折り曲げ部27を有しており、この折り曲げ部27が一対のガイド板22に固定されている。また、薄板26は、支持プレート25を超えて、一対のガイド板22の縁部の傾斜に沿うように第1先端部23に向かって延びている。
また、図1乃至図3に示すように、本実施の形態の係合部30は、挿入板21の他方の側(図2における奥側、図3における下側)に配置された係合板31を含んでいる。この係合板31の挿入部10側の端部は、角が丸められた第2先端部32となっている。本実施の形態の係合板31は、図1及び図2に示すように、五角形の形状を有しており、当該五角形を構成する頂点のうちの2つが基材40の短辺の両端の角部に一致している。また、これら2つの頂点に隣接する2つの頂点は、角が丸められており、基材40の2つの長辺上に各1つずつ位置している。残りの1つの頂点、すなわち第2先端部32は、封入治具100の対称軸線上に存在している。また、第2先端部32の近傍は、図3に示すように、挿入板21と基材40との間の隙間に入り込んでいると共に、第2先端部32に近づくにつれて係合板31と挿入板21との間の離間距離が次第に小さくなるように湾曲されている。
次に、図4は、図1の封入治具100に装着される収納袋60の概略斜視図である。図4に示すように、本実施の形態の封入治具100に装着される収納袋60は、開口部62を有する袋本体61とこの袋本体61の開口部62の縁部から延出する蓋片63とを有している。この収納袋60には、蓋片63が折り返されて当該蓋片63の内面が袋本体61の外面に重ね合わせられた際に、蓋片63を袋本体61に接着して前記開口部62を封止するための接着部65が設けられている。この接着部65は、図4に示すように、袋本体61の外面に設けられており、剥離片64により覆われている。
次に、図5を参照して、本実施の形態の封入治具100の作用について説明する。
図5は、図1の封入治具100の作用を説明するための図であり、図5(A)は、収納袋装着部20に収納袋60が装着される様子を示す図であり、図5(B)は、挿入部10に被収納物Wが挿入される様子を示す図であり、図5(C)は、被収納物Wが収納袋60内にスライドされる様子を示す図であり、図5(D)は、収納袋装着部20から被収納物Wが挿入された収納袋60が取り外される様子を示す図であり、図5(E)は、収納袋装着部20から被収納物Wが挿入された収納袋60が取り外された後の様子を示す図である。
本実施の形態の封入治具100の使用に先立ち、封入作業を行う者が例えば右利きである場合には、挿入部10が右側に位置し収納袋装着部20及び係合部30が左側に位置するように、封入治具100が設置される。
そして、図5(A)に示すように、収納袋60の接着部65及び剥離片64が基材40側に向けられた姿勢で、収納袋60を収納袋装着部20に第1先端部23の側(図5(A)における左側)から近接させ、当該第1先端部23を開口部62から袋本体61内に入り込ませる。そして、挿入板21の上方に位置している蓋片63を支持プレート25に固定された薄板26の上方に位置させ、収納袋60を更に収納袋装着部20の方へと移動させる。この時、薄板26が収納袋60の装着方向(図5(A)における右方向)に向かって挿入板21との離間距離が大きくなるように傾斜していることにより、収納袋60の開口部62が次第に大きく開けられる。収納袋60の収納袋装着部20への装着が完了すると、剥離片64は、係合板31の第2先端部32よりも挿入部10側(図5(A)における右側)に位置される。
そして、図5(B)に示すように、挿入部10に、収納袋60内に封入されるべき被収納物Wが挿入される。
そして、図5(C)に示すように、収納袋60が収納袋装着部20から外れないようにするべく、封入作業を行っている者によって例えば蓋片63が支持プレート25に押し当てられつつ、被収納物Wが収納袋60内へとスライドされる。この時、一対の側板12及び一対のガイド板22によって、被収納物Wの姿勢(向き)が整えられる。このことは、特に、一対の側板12によって規定されている挿入部10の幅が被収納物Wの挿入方向に向かって次第に狭くなるように構成されていることによって、実現される。
そして、図5(D)に示すように、例えば、収納袋60の開口部62とは反対側の端部領域が把持されると共に、袋本体61の開口部近傍が挿入板21に向かって(図5(D)における下方に向かって)適度に押圧された状態で、収納袋60が被収納物Wと共に収納袋装着部20から引き抜かれる。この時、前記押圧によって挿入板21がわずかに係合板31側に撓み、当該係合板31の第2先端部32が袋本体61の外面に押し当てられることにより、収納袋60の引き抜きの際に第2先端部32が接着部65と剥離片64との間に確実に入り込んで剥離片64に係合する。そして、収納袋60が収納袋装着部20から更に引き抜かれると、本実施の形態において採用されている係合板31の形状から、接着部65と剥離片との間に入り込んでいる係合板31の幅が増大する。すなわち、接着部65から剥離されている剥離片64の領域が、次第に増大する。
以上のようにして収納袋60を収納袋装着部20から引き抜くと、最終的には、図5(E)に示すように、収納袋60の幅方向におけるいずれか一方の端部を含む大部分の領域において、剥離片64が接着部65から剥離される。その後、剥離片64は、接着部65から剥離された部分が封入作業を行っている者によって把持され、当該接着部65から完全に剥離される。これにより、袋本体61の外面に設けられた接着部65が完全に露出される。
そして、蓋片63が折り返され、当該蓋片63の内面が袋本体61の接着部25に重ね合わせられることにより、開口部62が封止される。
以上のような本実施の形態によれば、剥離片64で覆われた接着部65を有する収納袋60内に被収納物Wを挿入し、開口部62を蓋片63で封止する際に、被収納物Wと開口部62との干渉を回避して当該被収納物Wをスムーズに収納袋60内に挿入することができると共に、封入作業を行う者が手袋を装着して作業をする場合であっても、剥離片64の剥離作業を極めて迅速且つ容易に行うことができる。
また、本実施の形態の封入治具100は、挿入部10、収納袋装着部20及び係合部30(係合板31)を支持する基材40を備えているため、当該封入治具100を安定的に使用することができる。
また、本実施の形態において、収納袋装着部20は、開口部62から袋本体61内に挿入される挿入板21と、挿入板21から一方の側に立ち上がる一対のガイド板22と、を有し、当該挿入板21は、平面視で被収納物Wの挿入方向に向かって先細りとなる第1先端部23を有して形成され、係合部30は、挿入板21の他方の側に配置され、平面視で被収納物Wの挿入方向とは逆方向に向かって先細りとなる第2先端部32を有する係合板31からなり、この係合板31は、第2先端部32に近づくにつれて挿入板21との離間距離が次第に小さくなるように湾曲されている。このため、袋本体61側に接着部65及び剥離片64が設けられているタイプの収納袋60内に被収納物Wが挿入され、当該収納袋60が収納袋装着部20から引き抜かれる際に、係合板31の第2先端部32が剥離片64に確実に係合し、当該剥離片64を接着部65から剥離させることができる。
更に、一対のガイド板22間に収納袋60の開口部62近傍を内側から支持する支持部24が設けられているため、収納袋60を収納袋装着部20に装着した際に当該収納袋60の開口部62が開いた状態が容易に維持され、被収納物Wを収納袋60内に容易に挿入することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態の封入治具200について説明する。
図6は、本発明の第2の実施の形態の封入治具200の概略平面図であり、図7は、図6の封入治具200の概略側面図である。図6及び図7に示すように、本実施の形態の封入治具200は、被収納物Wが挿入される挿入部210と、挿入部210に連結され、収納袋260(図8参照)が装着される収納袋装着部220と、収納袋装着部220に固定された係合部230と、を備えている。
図6及び図7に示すように、本実施の形態の収納袋装着部220は、収納袋260が装着された際に当該収納袋260の開口部262から袋本体261内に部分的に挿入される挿入板221と、挿入板221から一方の側(図6における手前側、図7における上側)に立ち上がる一対のガイド板222と、を有している。本実施の形態においても、金属製の薄板の両側部が一方の側に略直角に折り曲げられることによって、挿入板221と一対のガイド板222とが一体成形されている。
図6及び図7に示すように、本実施の形態の係合部230は、二等辺三角形の形状を有する係合板231から構成されており、底辺領域が一対のガイド板222間に架け渡された状態で、当該一対のガイド板222に固定されている。また、この係合板231は、前記二等辺三角形の頂角に対応する第2先端部232が被収納物Wの挿入方向とは逆方向を向いており、前記底辺領域から第2先端部232に向かって、挿入板221との離間距離が次第に大きくなるように湾曲されている。
また、本実施の形態の封入治具200も、挿入部210、収納袋装着部220及び係合部230(係合板231)を支持する基材240を備えている。但し、前述の通り、本実施の形態の係合板231は収納袋装着部220に固定されているため、挿入部210及び収納袋装着部220のみが直接的に基材240に支持(固定)されている。その他の構成は、第1の実施の形態の封入治具100と略同様である。図6及び図7において、第1の実施の形態と同様の構成部分には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、図8を参照して、本実施の形態の封入治具200の作用について説明する。図8は、図6の封入治具200の作用を説明するための図であり、図8(A)は、収納袋装着部220に収納袋260が装着される様子を示す図であり、図8(B)は、挿入部210に被収納物Wが挿入される様子を示す図であり、図8(C)は、被収納物Wが収納袋260内にスライドされる様子を示す図であり、図8(D)は、収納袋装着部220から被収納物Wが挿入された収納袋260が取り外される様子を示す図であり、図8(E)は、収納袋装着部220から被収納物Wが挿入された収納袋260が取り外された後の様子を示す図である。
本実施の形態の封入治具200は、第1の実施の形態の封入治具100とは異なり、蓋片263の内面に接着部265及び剥離片264が設けられているタイプの収納袋260に被収納物Wを封入する際に使用される。
まず、本実施の形態の封入治具200の使用に先立ち、封入作業を行う者が例えば右利きである場合には、挿入部210が右側に位置し収納袋装着部220が左側に位置するように、封入治具200が設置される。
そして、図8(A)に示すように、収納袋260の接着部265及び剥離片264が基材240側(図8(A)における下側)に向けられた姿勢で、収納袋260を収納袋装着部220に第1先端部223側(図8(A)における左側)から近接させ、当該第1先端部223を開口部262から袋本体261内に入り込ませる。そして、挿入板221の上方に位置している蓋片263を支持プレート225に固定された薄板226の上方に位置させ、収納袋260を更に収納袋装着部220の方へと移動させる。この時、薄板226が収納袋260の装着方向(図8(A)における右側)に向かって挿入板221との離間距離が大きくなるように傾斜していることにより、収納袋260の開口部262が次第に大きく開けられる。本実施の形態においては、収納袋260の収納袋装着部220への装着が完了すると、剥離片264は、係合板231の第2先端部232よりも挿入部210側(図8(A)における右側)に位置される。
そして、図8(B)に示すように、挿入部210に、収納袋260内に封入されるべき被収納物Wが挿入される。
そして、図8(C)に示すように、収納袋260が収納袋装着部220から外れないようにするべく、封入作業を行っている者によって例えば蓋片263が支持プレート225に押し当てられつつ、被収納物Wが収納袋260内へとスライドされる。この時、第1の実施の形態と同様に、一対の側板212及び一対のガイド板222によって、被収納物Wの姿勢(向き)が整えられる。
そして、図8(D)に示すように、例えば、収納袋260の開口部262とは反対側の端部領域が把持されると共に、蓋片263が係合板231に対して適度に押圧された状態で、収納袋260が被収納物Wと共に収納袋装着部220から引き抜かれる。この時、前記押圧によって蓋片263の内面が係合板231の第2先端部232に押し当てられることにより、収納袋260の引き抜きの際に第2先端部232が蓋片263の接着部265と剥離片264との間に確実に入り込んで剥離片264に係合する。そして、収納袋260が収納袋装着部220から更に引き抜かれると、本実施の形態において採用されている係合板231の形状から、接着部265と剥離片264との間に入り込んでいる係合板231の幅が増大する。すなわち、剥離片264の接着部265から剥離されている領域が次第に増大する。
以上のようにして収納袋260を収納袋装着部220から引き抜くと、最終的には、図8(E)に示すように、収納袋260の幅方向におけるいずれか一方の端部を含む大部分の領域において、剥離片264が接着部265から剥離される。その後、剥離片264は、接着部265から剥離された部分が封入作業を行っている者によって把持され、当該接着部265から完全に剥離される。これにより、蓋片263の内面に設けられた接着部265が完全に露出される。
そして、蓋片263が折り返され、当該蓋片263の接着部265が袋本体261の外面に重ね合わせられることにより、開口部262が封止される。
以上のような本実施の形態によっても、剥離片264で覆われた接着部265を有する収納袋260内に被収納物Wを挿入し、開口部262を蓋片263で封止する際に、被収納物Wと開口部262との干渉を回避して当該被収納物Wをスムーズに収納袋260内に挿入することができると共に、封入作業を行う者が手袋を装着して作業をする場合であっても、剥離片264の剥離作業を極めて迅速且つ容易に行うことができる。
また、本実施の形態の封入治具200は、挿入部210、収納袋装着部220及び係合部230(係合板231)を支持する基材240を備えているため、当該封入治具200を安定的に使用することができる。
また、本実施の形態において、収納袋装着部220は、開口部262から袋本体261内に挿入される挿入板221と、挿入板221から一方の側に立ち上がる一対のガイド板222と、を有し、当該挿入板221は、平面視で被収納物Wの挿入方向に向かって先細りとなる第1先端部223を有して形成され、係合部230は、一対のガイド板222間に架け渡され、平面視で被収納物Wの挿入方向とは逆方向に向かって先細りとなる第2先端部232を有する係合板231からなり、この係合板231は、第2先端部232に近づくにつれて挿入板221との離間距離が次第に大きくなるように湾曲されている。このため、蓋片263の内面に接着部265及び剥離片264が設けられているタイプの収納袋260内に被収納物Wが挿入され、当該収納袋260が収納袋装着部220から引き抜かれる際に、係合板231の第2先端部232が剥離片264に確実に係合し、当該剥離片264を接着部265から剥離させることができる。
更に、一対のガイド板222間に収納袋260の開口部262近傍を内側から支持する支持部224が設けられているため、収納袋260を収納袋装着部220に装着した際に当該収納袋260の開口部262が開いた状態が容易に維持され、被収納物Wを収納袋260内に容易に挿入することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態の封入治具300について説明する。
図9は、本発明の第3の実施の形態の封入治具300の概略平面図であり、図10は、図9の封入治具300の概略側面図である。図9及び図10に示すように、本実施の形態の封入治具300は、被収納物Wが挿入される挿入部310と、挿入部310に連結され、収納袋360(図11参照)が装着される収納袋装着部320と、収納袋装着部320に固定された係合部330と、を備えている。
図9及び図10に示すように、本実施の形態の収納袋装着部320は、収納袋360が装着された際に当該収納袋360の開口部362から袋本体361内に部分的に挿入される挿入板321と、挿入板321から一方の側(図9における手前側、図10における上側)に立ち上がる一対のガイド板322と、を有している。本実施の形態においても、金属製の薄板の両側部が一方の側に略直角に折り曲げられることによって、挿入板321と一対のガイド板322とが一体成形されている。
図9及び図10に示すように、本実施の形態の係合部330は、第2の実施の形態と同様に二等辺三角形の形状を有する係合板331から構成されているが、その取付態様が第2の実施の形態とは異なっている。具体的には、本実施の形態の係合板331は、前記二等辺三角形の頂角に対応する第2先端部332が被収納物Wの挿入方向とは逆方向に向けられた状態で底辺領域が挿入板321の他方の側(図9における奥側、図10における下側)の面に固定されており、当該底辺領域から第2先端部332に向かって挿入板321との離間距離が次第に大きくなるように湾曲されている。
また、本実施の形態の封入治具300も、挿入部310、収納袋装着部320及び係合部330(係合板331)を支持する基材340を備えている。但し、第2の実施の形態と同様に、本実施の形態の係合板331は収納袋装着部320に固定されているため、挿入部310及び収納袋装着部320のみが、直接的に基材340に支持(固定)されている。その他の構成は、第1及び第2の実施の形態の封入治具100、200と略同様である。図9及び図10において、第1及び第2の実施の形態と同様の構成部分には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、図11を参照して、本実施の形態の封入治具300の作用について説明する。図11は、図9の封入治具300の作用を説明するための図であり、図11(A)は、収納袋装着部320に収納袋360が装着される様子を示す図であり、図11(B)は、挿入部310に被収納物Wが挿入される様子を示す図であり、図11(C)は、被収納物Wが収納袋360内にスライドされる様子を示す図であり、図11(D)は、収納袋装着部320から被収納物Wが挿入された収納袋360が取り外される様子を示す図であり、図11(E)は、収納袋装着部320から被収納物Wが挿入された収納袋360が取り外された後の様子を示す図である。
本実施の形態の封入治具300は、第2の実施の形態と同様に、蓋片363の内面に接着部365及び剥離片364が設けられているタイプの収納袋360に被収納物Wを封入する際に、使用される。但し、本実施の形態は、収納袋360の接着部325及び剥離片364が上に向けられた状態で当該収納袋360が収納袋装着部320に装着される点で、第2の実施の形態とは異なっている。
まず、本実施の形態の封入治具300の使用に先立ち、封入作業を行う者が例えば右利きである場合には、挿入部310が右側に位置し収納袋装着部320が左側に位置するように、封入治具300が設置される。
そして、図11(A)に示すように、収納袋360の接着部365及び剥離片364が基材340とは反対側(図11(A)における上側)に向けられた姿勢で、収納袋360を収納袋装着部320に第1先端部323側(図11(A)おける左側)から近接させ、当該第1先端部323を開口部362から袋本体361内に入り込ませる。そして、挿入板321の上方に位置している開口部362の縁部を支持プレート325に固定された薄板326の上方に位置させ、収納袋360を更に収納袋装着部320の方へと移動させる。この時、薄板326が収納袋360の装着方向(図11(A)における右側)に向かって、挿入板321との離間距離が大きくなるように傾斜していることにより、収納袋360の開口部362が次第に大きく開けられる。本実施の形態においては、収納袋360の収納袋装着部320への装着が完了すると、剥離片364は、係合板331の第2先端部332よりも挿入部310側(図11(A)における右側)に位置される。
そして、図11(B)に示すように、挿入部310に、収納袋360内に封入されるべき被収納物Wが挿入される。
そして、図11(C)に示すように、収納袋360が収納袋装着部320から外れないようにするべく、封入作業を行っている者によって例えば蓋片363が支持プレート325に押し当てられつつ、被収納物Wが収納袋360内へとスライドされる。この時、第1及び第2の実施の形態と同様に、一対の側板312及び一対のガイド板322によって、被収納物Wの姿勢(向き)が整えられる。
そして、図11(D)に示すように、例えば、収納袋360の開口部362とは反対側の端部領域が把持されると共に、蓋片363を係合板331に対して適度に押圧させるべく、収納袋360が上方に適度に持ち上げられつつ、収納袋360が被収納物Wと共に収納袋装着部320から引き抜かれる。この時、前記持ち上げによって蓋片363の内面が係合板331の第2先端部332に押し当てられることにより、収納袋360の引き抜きの際に第2先端部332が蓋片363の接着部365と剥離片364との間に確実に入り込んで剥離片364に係合する。
以上のようにして収納袋360を収納袋装着部320から引き抜くと、最終的には、図11(E)に示すように、収納袋360の幅方向におけるいずれか一方の端部を含む大部分の領域において、剥離片364が接着部365から剥離される。その後、剥離片364は、接着部365から剥離された部分が封入作業を行っている者によって把持され、当該接着部365から完全に剥離される。これにより、蓋片263の内面に設けられた接着部365が完全に露出される。
そして、蓋片363が折り返され、当該蓋片363の接着部365が袋本体361の外面に重ね合わせられることにより、開口部362が封止される。
以上のような本実施の形態によっても、剥離片364で覆われた接着部365を有する収納袋360内に被収納物Wを挿入し、開口部362を蓋片363で封止する際に、被収納物Wと開口部362との干渉を回避して当該被収納物Wをスムーズに収納袋360内に挿入することができると共に、封入作業を行う者が手袋を装着して作業をする場合であっても、剥離片364の剥離作業を極めて迅速且つ容易に行うことができる。
また、本実施の形態の封入治具300は、挿入部310、収納袋装着部320及び係合部330(係合板331)を支持する基材340を備えているため、当該封入治具300を安定的に使用することができる。
また、本実施の形態において、収納袋装着部320は、開口部362から袋本体361内に挿入される挿入板321と、挿入板321から一方の側に立ち上がる一対のガイド板322と、を有し、当該挿入板321は、被収納物Wの挿入方向に向かって先細りとなる第1先端部323を有して形成され、係合部330は、挿入板321の他方の側において当該挿入板321に固定され、被収納物Wの挿入方向とは逆方向に向かって先細りとなる第2先端部332を有する係合板331からなり、係合板331は、第2先端部332に近づくにつれて挿入板321との離間距離が次第に大きくなるように湾曲されている。このため、蓋片363の内面に接着部365及び剥離片364が設けられているタイプの収納袋360内に被収納物Wが挿入され、当該収納袋360が収納袋装着部320から引き抜かれる際に、係合板331の第2先端部332が剥離片364に確実に係合し、当該剥離片364を接着部365から剥離させることができる。
更に、一対のガイド板322間に収納袋360の開口部362近傍を内側から支持する支持部324が設けられているため、収納袋360を収納袋装着部320に装着した際に当該収納袋360の開口部362が開いた状態が容易に維持され、被収納物Wを収納袋360内に容易に挿入することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態の封入治具400について説明する。
図12は、本発明の第4の実施の形態の封入治具400の概略平面図であり、図13は、図12の封入治具400の概略側面図である。図12及び図13に示すように、本実施の形態の封入治具400は、被収納物Wが挿入される挿入部410と、挿入部410に連結され、収納袋460(図14参照)が装着される収納袋装着部420と、収納袋装着部420の一方の側(図1における手前側、図13における上側)に当該収納袋装着部420から間隔が空けられて設けられた係合部430と、を備えている。
図12及び図13に示すように、本実施の形態の収納袋装着部420は、収納袋460が装着された際に当該収納袋460の開口部462から袋本体461内に部分的に挿入される挿入板421と、挿入板421から一方の側に立ち上がる一対のガイド板422と、を有し、挿入板421は、被収納物Wの収納方向に向かって先細りとなる第1先端部423を有して形成されている。本実施の形態においても、金属製の薄板の両側部が一方の側に略直角に折り曲げられることによって、挿入板421と一対のガイド板422とが一体成形されている。
本実施の形態の係合部430は、一対のガイド板422間に架け渡され、被収納物Wの収納方向に向かって延出した支持板431と、支持板431の挿入板420側(図12における奥側、図13における下側)に固定され、被収納物Wの挿入方向とは逆方向(図12及び図13における右側)に向かって先細りとなる第2先端部432を有する係合板433と、から構成されている。更に、図13に示すように、係合板433は、第2先端部432に近づくにつれて挿入板421との離間距離が次第に小さくなっている。
また、図12に示すように、本実施の形態の支持板431は、平面視で略矩形であり、その中央領域に矩形の貫通孔434が設けられている。この貫通孔434からは、第2先端部432を含む係合板433の一部が視認可能である。特には、本実施の形態の貫通孔434は、封入作業を行う者の指が当該貫通孔434を介して第2先端部432の近傍まで挿入され得る程度の寸法を有している。
本実施の形態の封入治具400も、挿入部410、収納袋装着部420及び係合部430(係合板433)を支持する基材440を備えている。但し、本実施の形態の係合板433は、支持板431を介して一対のガイド板422に固定されているため、挿入部410のみが、直接的に基材440に支持(固定)されている。その他の構成は、第1〜第3の実施の形態の封入治具100、200、300と略同様である。図12及び図13において、第1〜第3の実施の形態と同様の構成部分には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、図14を参照して、本実施の形態の封入治具400の作用について説明する。図14は、図12の封入治具400の作用を説明するための図であり、図14(A)は、収納袋装着部420に収納袋460が装着される様子を示す図であり、図14(B)は、挿入部410に被収納物Wが挿入される様子を示す図であり、図14(C)は、被収納物Wが収納袋460内にスライドされる様子を示す図であり、図14(D)は、収納袋装着部420から被収納物Wが挿入された収納袋460が取り外される様子を示す図であり、図14(E)は、収納袋装着部420から被収納物Wが挿入された収納袋460が取り外された後の様子を示す図である。
本実施の形態の封入治具400は、第1の実施の形態と同様に、接着部465が袋本体461の外面に設けられたタイプの収納袋460に被収納物Wを封入する際に、使用される。但し、本実施の形態は、収納袋460の接着部425及び剥離片464が上に向けられた状態で当該収納袋460が収納袋装着部420に装着される点で、第1の実施の形態とは異なっている。
まず、本実施の形態の封入治具400の使用に先立ち、封入作業を行う者が例えば右利きである場合には、挿入部410が右側に位置し収納袋装着部420が左側に位置するように、封入治具400が設置される。
そして、図14(A)に示すように、収納袋460の接着部465及び剥離片464が基材440とは反対側(図14(A)における上側)に向けられた姿勢で、収納袋460を収納袋装着部420に第1先端部423側(図14(A)おける左側)から近接させ、当該第1先端部423を開口部462から袋本体461内に入り込ませる。そして、挿入板421の上方に位置している開口部462の縁部を支持プレート425に固定された薄板426の上方に位置させ、収納袋460を更に収納袋装着部420の方へと移動させる。この時、薄板426が収納袋460の装着方向(図14(A)における右側)に向かって、挿入板421との離間距離が大きくなるように傾斜していることにより、収納袋460の開口部462が次第に大きく開けられる。本実施の形態においては、収納袋460の収納袋装着部420への装着が完了すると、剥離片464は、係合板433の第2先端部432よりも挿入部410側(図14(A)における右側)に位置される。
そして、図14(B)に示すように、挿入部410に、収納袋460内に封入されるべき被収納物Wが挿入される。
そして、図14(C)に示すように、収納袋460が収納袋装着部420から外れないようにするべく、封入作業を行っている者によって例えば蓋片463が支持プレート425に押し当てられつつ、被収納物Wが収納袋460内へとスライドされる。この時、第1〜第3の実施の形態と同様に、一対の側板412及び一対のガイド板422によって、被収納物Wの姿勢(向き)が整えられる。
そして、図14(D)に示すように、例えば、収納袋460の開口部462とは反対側の端部領域が把持されると共に、袋本体461の開口部462近傍の外面を係合板433に対して適度に押圧させるべく、収納袋460が上方に適度に持ち上げられつつ、収納袋460が被収納物Wと共に収納袋装着部420から引き抜かれる。この時、前記持ち上げによって係合板433の第2先端部432が袋本体461の外面に押し当てられることにより、収納袋460の引き抜きの際に第2先端部432が収納袋460の接着部465と剥離片464との間に確実に入り込んで剥離片464に係合する。そして、収納袋460が収納袋装着部420から更に引き抜かれると、本実施の形態において採用されている係合板433の形状から、接着部465と剥離片との間に入り込んでいる係合板433の幅が増大する。すなわち、接着部465から剥離されている剥離片464の領域が、次第に増大する。
以上のようにして収納袋460を収納袋装着部420から引き抜くと、最終的には、図14(E)に示すように、収納袋460の幅方向におけるいずれか一方の端部を含む大部分の領域において、剥離片464が接着部465から剥離される。その後、剥離片464は、接着部465から剥離された部分が封入作業を行っている者によって把持され、当該接着部465から完全に剥離される。これにより、袋本体461の外面に設けられた接着部465が完全に露出される。
あるいは、収納袋460を収納袋装着部420から引き抜く過程で、剥離片464が接着部465から完全に剥離され、当該剥離片464が係合板433と支持板431との間に残留する場合がある。この場合には、係合板433に設けられた貫通孔434を介して、封入作業を行っている者によって、剥離片464が除去される。
そして、蓋片463が折り返され、当該蓋片463の内面が袋本体461の接着部425に重ね合わせられることにより、開口部462が封止される。
以上のような本実施の形態によっても、剥離片464で覆われた接着部465を有する収納袋460内に被収納物Wを挿入し、開口部462を蓋片463で封止する際に、被収納物Wと開口部462との干渉を回避して当該被収納物Wをスムーズに収納袋460内に挿入することができると共に、封入作業を行う者が手袋を装着して作業をする場合であっても、剥離片464の剥離作業を極めて迅速且つ容易に行うことができる。
また、本実施の形態の封入治具400は、挿入部410、収納袋装着部420及び係合部430(係合板433)を支持する基材440を備えているため、当該封入治具400を安定的に使用することができる。
また、収納袋装着部420は、収納袋460の開口部462内に挿入される挿入板421と、挿入板421から一方の側に立ち上がる一対のガイド板422と、を有し、挿入板421は、被収納物Wの収納方向に向かって先細りとなる第1先端部423を有して形成され、係合部430は、一対のガイド板422間に架け渡され、被収納物Wの収納方向に向かって延出した支持板431と、支持板431の挿入板421側に固定され、被収納物Wの挿入方向とは逆方向に向かって先細りとなる第2先端部432を有する係合板433と、からなり、係合板433は、第2先端部432に近づくにつれて挿入板421との離間距離が次第に小さくなっている。このため、袋本体461側に接着部465及び剥離片464が設けられているタイプの収納袋460内に被収納物Wが挿入され、当該収納袋460が収納袋装着部420から引き抜かれる際に、係合板431の第2先端部432が剥離片464に確実に係合し、当該剥離片464を接着部465から剥離させることができる。
更に、一対のガイド板422間に収納袋460の開口部462近傍を内側から支持する支持部424が設けられているため、収納袋460を収納袋装着部420に装着した際に当該収納袋460の開口部462が開いた状態が容易に維持され、被収納物Wを収納袋460内に容易に挿入することができる。
本実施の形態の支持板431には貫通孔434が設けられ、当該貫通孔から前記第2先端部432を含む係合板433の少なくとも一部が視認可能である。このため、当該剥離片464が係合板433と支持板431との間に残留した場合にも、貫通孔434を介して剥離片464を容易に除去することができる。
なお、以上の第4の実施の形態の封入治具400においては、係合板433が一対のガイド板422間に架け渡された支持板431に支持されているが、このような形態には限られない。すなわち、接着部465が袋本体461の外面に設けられたタイプの収納袋460に対して好適に使用されるためには、係合板433の第2先端部432が挿入板421の上方において被収納物Wを挿入する向きとは逆向きに先細りとなるように、当該係合板433が配置されていればよい。このような封入治具の他の例が、図15及び図16に示されている。
図15は、本発明の第4の実施の形態の変形例による封入治具500を示す概略斜視図であり、図16は、図15の封入治具500を示す概略側面図である。図15に示すように、本変形例の封入治具500の係合板533は、一対のガイド板422の間ではなく、基材440から上方に立ち上がる一対の支持板531の上端に架け渡されている。この係合板533は、被収納物Wを挿入する方向とは逆向きに先細りとなる第2先端部532を有し、略五角形の形状となっている。係合板533は、全体として、挿入板421よりも被収納物Wの挿入方向側(図15における左下側、図16における左側)に設けられており、第2先端部532を含む先端領域が挿入板421の第1先端部423を含む先端領域の上方に重なるように位置している。また、第4の実施の形態と同様に、係合板533は、第2先端部532に近づくにつれて挿入板421との離間距離が次第に小さくなっている。この様子は、図16に示されている。
本変形例の挿入治具500を用いて収納袋460に被収納物Wを挿入するには、まず第4の実施の形態と同様に、袋本体461の外面に設けられた接着部465及び剥離片464が上に向けられた状態で、当該収納袋460が収納袋装着部420に装着される。この時、収納袋460は、一対の支持板531、基材440及び係合板533によって囲まれた隙間Sを通されて収納袋装着部420に装着される点で、第4の実施の形態とは異なる。収納袋460が収納袋装着部420に装着された後の封入工程については、第4の実施の形態と略同様であるため、その詳細な説明は省略する。
このような変形例によっても、剥離片464で覆われた接着部465を有する収納袋460内に被収納物Wを挿入し、開口部462を蓋片463で封止する際に、被収納物Wと開口部462との干渉を回避して当該被収納物Wをスムーズに収納袋460内に挿入することができると共に、封入作業を行う者が手袋を装着して作業をする場合であっても、剥離片464の剥離作業を極めて迅速且つ容易に行うことができる。
なお、本発明は、以上の各実施の形態及び変形例に示された封入治具100〜500に限定されるものではない。とりわけ、係合板の支持形態については、封入治具100〜500において説明した形態以外にも種々の態様が考えられるが、収納袋を収納袋装着部から取り外す際に剥離片に係合して当該剥離片を接着部から剥離させるという係合板の機能を発揮しうる限り、本発明の範囲内である。