JP5913412B2 - 鞍乗り型車両の風防装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、ウインドスクリーンの可動機構の小型化が図れる鞍乗り型車両の風防装置を提供することにある。
また、上記構成において、前記第2リンク(92)が連結される車体側の固定部(101)は、側面視で前記ガイドレール(82)の下方に配置されるようにしても良い。
また、第2リンクが連結される車体側の固定部は、側面視でガイドレールの下方に配置されるので、ガイドレールで隠れる位置に固定部を配置することで、外観を良好としつついたずらを防止することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の風防装置57を備える自動二輪車10を示す左側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11、フロントフォーク12、ハンドル13、前輪14、エンジン16、排気装置17、リアフォーク18、後輪21を備える。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ23、左右一対のメインフレーム24、左右一対のピボットプレート25、左右一対のシートレール26を備える。
ヘッドパイプ23は、車体フレーム11の前端部に配置され、フロントフォーク12を操舵可能に支持している。メインフレーム24は、ヘッドパイプ23から左右の後方斜め下方に延びている。メインフレーム24の下部にはエンジン16が支持され、上部には燃料タンク31が支持されている。ピボットプレート25は、メインフレーム24の後部に接続されている。シートレール26は、ピボットプレート25の前部及び後部から後方斜め上方に延びている。シートレール26の前部にはシート33が支持され、後部にはグラブレール34及びトランクボックス35が支持されている。
サイドカウル52には、車両前方からの外気をエンジン16の周囲に供給するための左右一対のエア開口69が設けられている。また、エンジン16の左右前方には、左右一対のエンジンガード71が設けられ、エンジンガード71にそれぞれフォグランプ72が取付けられている。
トランクボックス35には、背面に左右一対のテールランプユニット74、右側部にオーディオユニットがラジオ放送を受信する際に使用するロッドアンテナ75が設けられている。サイドバック58の背面には、リアウインカー76が配置されている。
風防装置57は、フロントカウル51側に設けられた支持部材(不図示)、左右一対のガイドレール82、左右一対のスライド部83、左右一対のリンク機構84、左右一対のスクリーン支持部86及びウインドスクリーン56を備える。(ウインドスクリーン56を除く風防装置57の構成については、図3も参照。)
ガイドレール82は、フロントカウル51の前部上部に取付けられた支持部材に、直線状にウインドスクリーン56の傾斜と同様に後上りに延びるように取付けられている。スライド部83は、左右のガイドレール82にそれぞれ移動可能に取付けられている。スクリーン支持部86は、ウインドスクリーン56の裏面の下部に左右一対固定されている。
第1リンク91は、スライド部83の下端部とスクリーン支持部86の下端部とにそれぞれ揺動可能に連結されている。第2リンク92は、一端部が支持部材に揺動可能に連結されている。第3リンク93は、一端部が第2リンク92の他端部に揺動可能に連結されるとともに中間部がスライド部83の上端部に揺動可能に連結され、且つ他端部がスクリーン支持部86の上端部に揺動可能に連結されている。
上記したスライド部83、リンク機構84、スクリーン支持部86は、ウインドスクリーン56の移動に伴って移動又は揺動する可動体87を構成している。
支持部材81は、複数の取付部81aを介してビス等でフロントカウル51(図2参照)の内側に取付けられている。支持部材81の左右端部にはそれぞれガイドレール82,82が平行に支持されている。
スライド部83は、ガイドレール82の内側面に移動可能に支持されている。スライド部83の下端部にはプッシュケーブル94の一端が連結されている。プッシュケーブル94は、その一端から車幅方向中央側へ湾曲し、更に上側に湾曲して、支持部材81の車幅方向中央に設けられたケーブル駆動機構96を貫通し、更に車幅方向外側へ湾曲して支持部材81におけるケーブル駆動機構96の左右側方の部分に他端が固定されている。
ケーブル駆動機構96は、支持部材81に固定されるとともにプッシュケーブル94が内部を通されたケース97と、ケース97に回転可能に支持された一対のローラ98A,98Bと、一方のローラ98Aを駆動させるために支持部材81又はケース97に取付けられた電動モータ95とを備える。ローラ98Aは、電動モータ95の回転軸に取付けられている。
上記したプッシュケーブル94及びケーブル駆動機構96は、風防装置57の一部を構成している。
電動モータ95が作動してローラ98Aが回転すれば、一対のローラ98A,98Bに挟持されたインナワイヤ94bが押し出され、インナワイヤ94bと共にスライド部83が上方へ移動する。また、電動モータ95によりローラ98Aを逆回転させると、インナワイヤ94bが引き戻され、スライド部83は下方へ移動する。
スライド部83は、ガイドレール82の下端部に位置し、ウインドスクリーン56が最も低く配置された状態にある。
支持部材81(図3参照)にはリンク支持部101が設けられ、リンク支持部101に支軸102を介して第2リンク92の一端部が揺動可能に支持されている。第2リンク92の他端部には支軸103を介して第3リンク93の一端部が揺動可能に連結されている。
スクリーン支持部86の下端部にはスクリーン側下支軸107、上端部にはスクリーン側上支軸108が設けられている。スクリーン側下支軸107には第1リンク91の他端部が揺動可能に支持され、スクリーン側上支軸108には第3リンク93の他端部が揺動可能に支持されている。
第2リンク92は、2つの直線部92a,92bと、これらの直線部92a,92bを繋ぐ上方に凸となるように屈曲する屈曲部92cとを一体に備える。
第3リンク93は、3つの直線部93a,93b,93cと、直線部93a,93b間を繋ぐ上方に凸となるように屈曲する屈曲部93dと、直線部93b,93c間を繋ぐ上に凸となるように屈曲する屈曲部93eとを一体に備え、直線部93bがスライド側上支軸106に支持されて、全体として略水平に延びている。
図5は、風防装置57の動作を示す第1作用図であり、ウインドスクリーン56を上昇させて最も高く配置した状態を示している。なお、図4に示した最も低く位置するウインドスクリーン56、スライド部83及びスクリーン支持部86を想像線で示した。
スライド部83は、矢印Aで示すように、ガイドレール82に沿ってガイドレール82の下端側から上端側へ直線状に上昇する。これに伴い、ウインドスクリーン56及びスクリーン支持部86は、矢印Bで示すように、ガイドレール82の下端部近傍の位置から、ガイドレール82の上端部に対して前方に離れた位置まで略円弧状に上昇する。
また、スライド部83の上昇に伴って、スライド部83に連結された第3リンク93がスライド側上支軸106を中心にして揺動することで、第2リンク92が支軸102を中心にして揺動するため、第2リンク92と第3リンク93との連結部である支軸103は、初めに矢印Cの向きに揺動し、次に矢印Dの向き、即ち矢印Cとは反対の向きに揺動する。
スライド部83の移動量をM1、スクリーン支持部86の移動量を表すものの代表としてスクリーン側下支軸107のガイドレール82に沿った移動量をM2とすると、M2>M1となる。ここでは、移動量M2は移動量M1の約1.7倍となる。
このように、スライド部83の移動量M1に対してスクリーン支持部86の移動量M2を拡大することができたのは、主に第3リンク93によるものである。
第3リンク93における支軸103からスライド側上支軸106までの距離をL3、支軸103からスクリーン側上支軸108までの距離をL4とすると、L4>L3であり、距離L4は距離L3の約1.7倍となる。
従って、支軸103から大きく離れているスクリーン側上支軸108の方が、支軸103に近いスライド側上支軸106よりも大きく揺動する。従って、スクリーン支持部86の方がスライド部83よりも大きく移動する。
第3リンク93が揺動するときには、支軸103の位置が変化するため、第2リンク92がその位置変化を吸収する。図中の符号92Eは第2リンク92がガイドレール82から離れる方向に最も揺動した時の第1リンクである。
即ち、スクリーン支持部86については、スライド部83のスライド位置に応じてリンク機構84を介してスライド部83に対する前後方向及び上下方向の移動距離と傾斜角度とを変化させることが可能である。
ウインドスクリーン56は、想像線で示した最も下降させたときのウインドスクリーン56に対して最も上方に平行移動した状態にある。
例えば、自動二輪車10が走行中の車速に応じてウインドスクリーン56を上昇させる、又は下降させることで、運転者に当たる走行風を調整することが可能になる。
また、自動二輪車10に乗車する運転者の体格(身長、座高等)に合わせてウインドスクリーン56の高さを調整することも可能である。
従って、ウインドスクリーン56が上昇したときに、ウインドスクリーン56と運転者との間に所定距離を保ちたい場合は、上記したように、リンク機構84の各リンクにおけるスライド部83及びスクリーン支持部86への連結位置や、各リンクの長さを変更してもよい。これにより、ウインドスクリーン56が運転者に圧迫感を感じさせないようにすることができる。また、ウインドスクリーン56を運転者へより近づけることもできる。
この構成によれば、車体に設けられるガイドレール82を短くしつつ、風防装置57の移動量を大きくすることができ、ガイドレール82のレイアウトを容易にしながら風防装置57の小型化を図ることができる。
また、図4に示したように、第2リンク92が連結される車体側の固定部としてのリンク支持部101は、側面視でガイドレール82の下方に配置されるので、ガイドレール82で隠れる位置にリンク支持部101を配置することで、外観を良好としつついたずらを防止することができる。
図8は、第2実施形態の風防装置120を示す車体前部の左側面図である。図2に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
車体カバーを構成するフロントカウル51の前部上部に風防装置120が取付けられている。
風防装置120は、左右一対のガイドレール121、左右一対のスライド部122、左右一対のスクリーン支持部123、ウインドスクリーン56を備える。
ガイドレール121は、フロントカウル51の前面にほぼ沿ってフロントカウル51の内側に後上りに左右一対設けられている。スライド部122は、各ガイドレール121の内側に移動可能に設けられている。スクリーン支持部123は、上下に配置された左右一対の上支持部123A及び左右一対の下支持部123Bとから構成され、上支持部123A及び下支持部123Bのそれぞれの下部がスライド部122に揺動可能に取付けられ、上支持部123A及び下支持部123Bのそれぞれの上部にウインドスクリーン56が取付けられている。
図9(A)に示すように、風防装置120は、フロントカウル51(図2参照)側に設けられた支持部材81(図3参照)、左右一対のガイドレール121、左右一対のスライド部122、左右一対のスクリーン支持部123、ウインドスクリーン56、プッシュケーブル94(図3参照)及びケーブル駆動機構96(図3参照)を備える。
ガイドレール121は、両端に設けられた下ストッパ部131及び上ストッパ部132と、上端寄りに設けられた中間ストッパ部133とを備える。
下スライド部136は、スクリーン支持部123の下支持部123Bに支軸135を介して揺動可能に連結された長尺の部材である。上リンク138は、スクリーン支持部123の上支持部123Aに一端が支軸137を介して揺動可能に連結されている。上スライド部143は、上リンク138の他端に支軸141を介して揺動可能に連結され、下スライド部136にスライド可能に取付けられている。圧縮コイルばね144は、下スライド部136、上スライド部143間に設けられ、下スライド部136に対して上スライド部143を下スライド部136の上端側に付勢している。
ガイドレール121には、プッシュケーブル94のアウタケーブル94a(図3参照)の端部、スライド部122の一部、例えば、下スライド部136にはプッシュケーブル94のインナワイヤ94b(図3参照)の端部が接続されている。
上スライド部143は、下スライド部136の軸部146cが挿入される軸挿入穴143aが開けられている。
そして、上スライド部143の一端面が中間ストッパ部133に当たると、図9(C)において、上スライド部143の移動が停止するとともに下スライド部136の移動が、圧縮コイルばね144の付勢力に抗して矢印Fで示すように継続する。このため、支軸135,141間の距離が縮まるので、矢印Gで示すように、上リンク138が支軸141を中心にして揺動する。この結果、ウインドスクリーン56は、白抜き矢印で示すように揺動する、即ち、ウインドスクリーン56の傾斜角度が急になり、起きた状態となる。
また、電動モータ95の回転軸を逆転させると、上記とは反対に、ウインドスクリーン56が下降するとともに傾斜角度が緩やかになる。
このように、風防装置120では、ウインドスクリーン56を上下に移動させるとともにウインドスクリーン56の傾斜角度を変更することが可能である。
例えば、上記実施形態において、図9(A)に示したように、下スライド基部146aに下支持部123Bを連結し、上スライド部143に上リンク138を介して上支持部123Aを連結したが、これに限らず、下スライド基部146aにリンクを介して下支持部123Bを揺動可能に連結し、上スライド部143に直接に上支持部123Aを揺動可能に連結しても良い。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
56 ウインドスクリーン
57 風防装置
82 ガイドレール
83 スライド部
84 リンク機構
86 スクリーン支持部(支持部)
87 可動体
101 リンク支持部(固定部)
Claims (4)
- 車両前部にガイドレール(82)が固定され、前記ガイドレール(82)に可動体(87)が移動可能に設けられ、前記可動体(87)にウインドスクリーン(56)が支持された鞍乗り型車両の風防装置において、
前記可動体(87)は、前記ガイドレール(82)に移動可能に取付けられるスライド部(83)と、前記ウインドスクリーン(56)を支持する支持部(86)とを備え、
前記スライド部(83)と前記支持部(86)との間に、前記スライド部(83)のスライド長よりも前記支持部(86)の移動量を大きくするリンク機構(84)が設けられ、
前記リンク機構(84)は、前記スライド部(83)と前記支持部(86)とにそれぞれ揺動可能に連結される第1リンク(91)と、車体に一端が揺動可能に連結される第2リンク(92)と、前記スライド部(83)に揺動中心が設けられるとともに一端は前記支持部(86)、他端は前記第2リンク(92)の他端に揺動可能に連結される第3リンク(93)とから構成されることを特徴とする鞍乗り型車両の風防装置。 - 前記ガイドレール(82)は、車体前部に沿って後上りに延びる直線状に形成され、前記支持部(86)は、前記スライド部(83)のスライド位置に応じて前記リンク機構(84)を介して前記スライド部(83)に対する前後方向の距離及び角度が変化することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記ガイドレール(82)は、左右一対設けられ、前記リンク機構(84)は、前記左右一対のガイドレール(82)間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記第2リンク(92)が連結される車体側の固定部(101)は、側面視で前記ガイドレール(82)の下方に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の風防装置。
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